JPH10166888A - 車輌における制動時の走行エネルギーを活用する装置 - Google Patents

車輌における制動時の走行エネルギーを活用する装置

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JPH10166888A
JPH10166888A JP34446796A JP34446796A JPH10166888A JP H10166888 A JPH10166888 A JP H10166888A JP 34446796 A JP34446796 A JP 34446796A JP 34446796 A JP34446796 A JP 34446796A JP H10166888 A JPH10166888 A JP H10166888A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輌の制動時の走行エネルギーを回収/蓄積
して発進時の補助エネルギーとして使用する。 【解決手段】 ブレーキペダル51の操作に連動して走
行時のエネルギーをロータリコンプレッサ26で圧縮エ
アとして回収/蓄積する。発進時にアクセルペダル43
の操作に連動して前記蓄積した圧縮エアでロータリコン
プレッサ26を駆動して、そのロータリコンプレッサ2
6の駆動力をエンジンの補助動力として働かせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車輌におけるブレ
ーキ操作時やエンジンブレーキ時等の制動時の走行エネ
ルギーを回収して蓄積し、該蓄積したエネルギーを動力
源を補助するエネルギーとして使用する装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】現在の自動車はそのほとんどがガソリン
エンジンやジーゼルエンジンを駆動源とするもので、ス
タート時には、そのとき必要となる大きな駆動力を発揮
するためにそのエンジンで短時間に多量の燃料が消費さ
れる。この結果、このとき排出されるCO(一酸化炭
素)、HC(炭化水素)、NOx(窒素酸化物)等の有
害物質を含む排気ガスは膨大なものとなり、排気ガス浄
化装置が備え付けられていても、環境破壊の大きな要因
となっている。特に、都市部における渋滞時には、スト
ップ/スタートの繰返しを強いられるため、通常走行時
に比べてその近辺に排気ガスを充満させることになり、
また燃料消費も激しく、登り坂道の場合にはこのような
現象が顕著となる。
【0003】そこで、このような環境破壊を起こさない
自動車として電気自動車の開発が急がれている。この電
気自動車は駆動源に蓄電池やソーラー電池と電動機を組
み合せたものである。しかし、蓄電池はその容量が不十
分であり、ソーラ電池はその発電量が不十分であり、更
にスタート時にラッシュカーレントが多量に流れるので
回路保護のためこれを防止する必要もあって、そのスタ
ート時に大きな駆動力を発揮させることができない。
【0004】一方、ガソリン自動車、電気自動車とも
に、これを停止させるためにはブレーキをかけることが
行われる。これによってブレーキシューがブレーキディ
スクに接触し、その摩擦抵抗によって車輌走行にブレー
キがかかるものである。このため、ブレーキシューはそ
の使用と共に消耗するので、所定走距離毎に交換する必
要がある。また、このブレーキシューの発熱により有害
ガスが発生することも報告されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、ガソリ
ン自動車、ジーゼル自動車、電気自動車等の車輌は、そ
のスタート時に大きなエネルギーを必要とすることか
ら、環境破壊や大きな容量の蓄電池が必要となる等の問
題があった。また、ブレーキ時にはブレーキ装置が消耗
したり、有害ガスが発生するという問題があった。
【0006】本発明の目的は、制動操作時にブレーキ装
置の消耗を防ぐと共に有害ガスの発生を極力低減させ、
またその制動操作時やエンジンブレーキ時に車両の走行
エネルギーを蓄積して、スタート時にその蓄積エネルギ
ーを有効に使用できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、ガソリン
エンジン、ジーゼルエンジン等を動力源とする車輌、又
は蓄電池、太陽電池等による電動機を動力源とする車輌
において、外部から回転力を与えると圧縮エアを製造し
外部から圧縮エアを与えと回転力を発揮するロータリコ
ンプレッサと、該ロータリコンプレッサの回転軸と前記
車両の走行用回転軸との結合/遮断を切り替える回転伝
達/遮断装置と、圧縮エアを蓄積するタンクと、前記ロ
ータリコンプレッサのエア出力口から前記タンクに圧縮
エアを送る第1の通路又は前記タンクから前記ロータリ
コンプレッサのエア入力口に圧縮エアを送る第2の通路
を選択切替えする切替え弁と、ブレーキ操作を検出する
ことにより前記回転伝達/遮断装置を回転伝達側に切替
え制御するとともに前記切替え弁を前記第1の通路を選
択するよう制御する第1の制御手段と、第1の走行速度
以下におけるアクセル操作を検出することにより前記回
転伝達/遮断装置を回転伝達側に切替え制御するととも
に前記切替え弁を前記第2の通路を選択するよう制御す
る第2の制御手段とを具備するよう構成した。
【0008】第2の発明は、第1の発明において、前記
第1の制御手段に代えて、又は前記第1の制御手段に加
えて、前記第1の走行速度を超える走行速度を検出し且
つアクセルの非操作を検出することにより前記回転伝達
/遮断装置を回転伝達側に切替え制御するとともに前記
切替え弁を前記第1の通路を選択するよう制御する第3
の制御手段を設けて構成した。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1はガソリン自動車に適用した場合の実
施の形態を示す車輌の概念図である。1は前輪であっ
て、ブレーキ装置2が具備され、その軸3が懸架装置
(サスペンション)4によってボディ(図示せず)に支
持されている。5は後輪であって、同様にブレーキ装置
6が具備され、その軸7が懸架装置8によってボディに
支持されている。
【0010】9はガソリンエンジンであり、そのクラン
ク軸10の出力端は変速装置(トランスミッション)1
1に結合されている。そして、この変速装置11の出力
軸12が自在継手(ユニバーサルジョント)13を介し
てプロペラシャトフ14に結合され、このプロペラシャ
フト14の他端が別の自在継手15と軸16介して差動
歯車装置(デフレンショャルギヤボックス)17に結合
されている。前記した後輪5の軸7はこの差動歯車装置
17に結合されている。
【0011】本実施の形態では、このようなガソリン自
動車の基本的な機構の変速装置11の出力軸12に対し
て、回転力回収/動力補助用の歯車21を固着してい
る。22は回転整流伝達/遮断装置であり、第1の回転
軸221の正逆回転を一定方向の回転に変換する回転整
流機能(例えば、動力を伝達すべき入力歯車と出力歯車
の間に整流歯車を設けて、入力歯車が正転のときはその
入力歯車を出力歯車に直接噛合させ、逆転のとき入力歯
車の回転を整流歯車を介して出力歯車に伝達させる機構
等により実現できる。)と、回転力を伝達/遮断する電
磁クラッチCL(図4参照)を有している。その回転軸
221には、前記した歯車21に噛合する歯車23が固
着されている。222はこの回転整流伝達/遮断装置2
2の第2の回転軸である。
【0012】前記した電磁クラッチCLは常時は動力伝
達を遮断しているが、図4に示すような制御回路により
その結合/遮断が制御される。すなわち、ブレーキペダ
ルを踏み込むと、その踏み込みを検出する常開のスイッ
チSb1がオンし電流が流れて結合し、動力を伝達す
る。
【0013】またアクセルペダルを踏み込むと、そのア
クセルペダルの踏み込みを検出する常開のスイッチSa
1がオンし、その時の走行速度がVa(例えば、通常ロ
ーギヤで走行する程度の速度)以下であれば常閉の速度
検出スイッチSs1がオンを継続して同様に電流が流れ
て結合し、動力を伝達する。このとき、走行速度がVa
を超えれば、速度検出スイッチSs1がオフして動力伝
達を遮断する。
【0014】さらに、アクセルペダルを踏み込まないと
きはそれを検出する常閉のスイッチSa4がオンの状態
を継続しこのとき走行速度がVb(≧Va)以上であれ
ば常開の速度検出スイッチSs4がオンし電流が流れて
結合し、動力を伝達する。
【0015】つまり、ブレーキ操作したとき、低速時に
アクセル操作したとき(発進時)、又は高速時にアクセ
ル操作しないとき(エンジンブレーキ時)に、電磁クラ
ッチCLが動作して動力伝達を行う。
【0016】24は円錐面摩擦伝達装置であって、図6
に拡大して示すように、前記した回転整流伝達/遮断装
置22の第2の回転軸222として機能する回転軸24
1に固着した第1の円錐体242と、回転軸243に固
着した第2の円錐体244との間に、摩擦ころ245を
介在させたものである。
【0017】よって、この円錐面摩擦伝達装置24は、
第1の円錐体242の径大部と第2の円錐体244の径
小部とを摩擦ころ245によって摩擦結合させると、第
1の回転軸241の回転速度が増速されて第2の回転軸
243に伝達される。このとき、第2の回転軸243か
ら第1の回転軸241に回転力を伝達する場合は逆にそ
の回転速度が減速される。
【0018】逆に、第1の円錐体242の径小部と第2
の円錐体244の径大部とを摩擦ころ245によって摩
擦結合させると、上記した動作と全く逆となる。
【0019】25は複数の歯車を組み合わせて構成した
変速機構であり、円錐面摩擦伝達装置24の回転軸24
3の回転速度を増速して次段に伝達する。よって、該次
段からの回転速度は逆となり減速して回転軸243に伝
達する。
【0020】26は回転軸に回転力を与えると圧縮エア
を製造し、逆に圧縮エアを与えると回転を発生する可逆
性を持つロータリコンプレッサであり、その回転軸が変
速機構25の第2の入出力軸243に結合されている。
【0021】31は切替え弁である。この切替え弁31
は、図5(a)〜(c)に示すように、4個の開口部3
01A〜301Dを持ち、そのうちの1個の開口部30
1Dにエアフィルタ302が取り付けられ、他の3個の
開口部301A〜301Cにパイプ32、33、34が
結合される本体301と、湾曲した2個のエア通路30
3A、303Bが形成され、図5の(a)の状態から本
体301内で右又は左に45度回転してエア通路303
A、303Bの端部を開口部301A〜301Dに結合
させる回転弁体303とから構成されている。パイプ3
2はロータリコンプレッサ26のエア入力口に結合さ
れ、パイプ33はロータリコンプレッサ26のエア出力
口に結合され、パイプ34は主タンク36に結合されて
いる。
【0022】この切替え弁31は、図4に示す制御回路
によって制御される。まず、常時は図4に示した制御回
路の影響は受けず、図5の(a)に示すように、エア通
路303A、303Bが本体301の開口部301A〜
301Dからずれた位置(ホームポジション)になるよ
う回転弁体303がセットされている。
【0023】ブレーキペダルを踏み込むとその踏み込み
を検出するスイッチSb2がオンし、回収駆動ソレノイ
ドSO2が駆動されて、図5の(b)に示すように回転
弁体303が右に45度回転し、回転弁体303のエア
通路303Aが本体301の開口部301Aと301D
を連結し、エア通路303Bが開口部301Bと301
Cを連結する。
【0024】またアクセルペダルを踏み込んでそのとき
の走行速度がVa以下のときは、アクセルペダルの踏み
込みを検出する常開のスイッチSa2がオンし且つ走行
速度がVa以上を検出する常閉のスイッチSs12がオ
ンを継続するので、補助駆動ソレノイドSO1が駆動さ
れて、図5の(c)に示すように回転弁体303が図5
の(a)の状態から左に45度回転し、回転弁体303
のエア通路303Aが本体301の開口部301Bと3
01Dを連結し、エア通路303Bが開口部301Aと
301Cを連結する。走行速度がVaをこえると、常閉
のスイッチSs2がオフし、ソレノイドSO1が解磁さ
れ、回転弁体303が図5の(a)の状態に復帰する。
【0025】さらに、アクセルペダルを踏み込まないと
きはそれを検出する常閉のスイッチSa3がオンの状態
を継続しこのとき走行速度がVb以上であれば常開の速
度検出スイッチSs3がオンし電流が流れて、回収駆動
ソレノイドSO2が駆動されて、図5の(b)に示すよ
うに回転弁体303が右に45度回転する。アクセルペ
ダル43を踏み込めば、常閉のスイッチSa3がオフ
し、ソレノイドSO2が解磁され、回転弁体303が図
5の(a)の状態に復帰する。
【0026】つまり、ブレーキ操作したとき、又は高速
時にアクセル操作しないとき(エンジンブレーキ時)に
切替え弁31が図5の(b)の状態に切り替わり、低速
時にアクセル操作したとき(発進時)に切替え弁31が
図5の(c)の状態に切り替わる。
【0027】主タンク36には、パイプ37、38によ
り補助タンク39が結合され、そのパイプ37には主タ
ンク36から補助タンク36へのみ該主タンク36の内
部圧力がPa以上になったとき圧縮エアを送る開閉弁4
0が設けられ、また、パイプ38には補助タンク39側
から主タンク36へのみ該主タンク36が圧力Pb(<
Pa)以下になったときに圧縮エアを送る開閉弁41が
設けられている。なお、補助タンク39は圧力がPa以
上になれば安全弁42が働くので、主タンク36、補助
タンク39ともにその内部圧力の最高値はPaまでとな
る。
【0028】43はアクセルペダルであって、踏み込む
とこれが検出されて、図4に示した常開のスイッチSa
1、Sa2がオンし、常閉のスイッチSa3、Sa4が
オフする。
【0029】51はブレーキペダルであって、これを踏
み込むと、その踏み込み力を伝えるレバー52を介して
ブレーキ駆動シリンダ53と連係し、図6に示すよう
に、その内部のピストン531を押し込むようになって
いる。また、このブレーキペダル51が踏み込まれる
と、これが検出されて図4に示した常開のスイッチSb
1、Sb2がオンする。
【0030】ブレーキ駆動シリンダ53の出力油圧は、
パイプ54、55を介して回転数増幅率制御シリンダ5
6に、またパイプ54、57を介して前輪、後輪のブレ
ーキ装置2、6の駆動ピストン(図示せず)に各々供給
されるようになっている。58はこのブレーキ駆動シリ
ンダ53の出力油圧を検出するための圧力計である。ま
た59は回転数増幅率制御シリンダ56への油圧をオン
/オフ制御する開閉弁、60はブレーキ装置2、6への
油圧をオン/オフ制御する開閉弁である。
【0031】これらの開閉弁59、60は常開の弁であ
り、図7に示すように、圧力計58により検出される圧
力が0〜P1未満では両者ともに開いているが、P1に
達すると一方の開閉弁60が閉じ、さらにP2(>P
1)に達すると他方の開閉弁59が閉じると共に該一方
の開閉弁60が開よう制御される。
【0032】前記した回転数増幅率制御シリンダ56
は、図6に示すように、油圧により移動が制御されるピ
ストン561に調整軸562が結合され、その調整軸5
62の先端が前記した円錐面摩擦伝達装置24の摩擦こ
ろ245に結合されている。なお、このピストン561
は油圧が低下すると内蔵する復帰装置(スプリング等)
によって元の状態に復帰する。
【0033】次に動作を説明する。 [通常走行時]エンジン9を始動して走行をスタートし
た後は変速装置11の出力を受けるプロペラシャフト1
4の回転によって自動車は通常の走行状態にあり、歯車
21も回転し、出力軸12の回転力が回転整流伝達/遮
断装置22に入力している。
【0034】このとき、アクセルペダル43が踏み込ま
れていても走行速度がVa以上であれば、スイッチSs
1がオフとなるので、回転整流伝達/遮断装置22の電
磁クラッチCLがオフとなり、円錐面摩擦伝達装置24
は出力軸12の負荷とはならず、本発明の装置は車両走
行に無関係となる。
【0035】また、このとき、ブレーキペダル51は踏
み込まれていないので、ブレーキ駆動シリンダ53の出
力油圧を検出する圧力計58の指示はP1以下であり、
開閉弁59、60は開いたままである。
【0036】[ブレーキ時]ここで、ブレーキペダル5
1が踏み込まれるとスイッチSb1がオンし、回転整流
伝達/遮断装置22の電磁クラッチCLが結合して、出
力軸12の回転力が歯車21、23を介してこの回転整
流伝達/遮断装置22からロータリコンプレッサ26に
伝達され、そのロータリコンプレッサ26が駆動を開始
する。後退(バック走行)時であっても、回転整流伝達
/遮断装置22により回転方向が整流されて伝達される
ので、同様にロータリコンプレッサ26が駆動を開始す
る。
【0037】また同時に、スイッチSb2がオンするの
で、切替え弁31が図2、図5の(b)の状態に切り替
えられ、エアフィルタ302から取り込んだエアが、切
替え弁31、パイプ32を介してロータリコンプレッサ
26のエア入力口に入り、そのロータリコンプレッサ2
6のエア出力口か出る圧縮エアがパイプ33、切替え弁
31、パイプ34を介して主タンク36に蓄積される。
【0038】そして、ブレーキペダル51の踏み込みを
強くして、圧力計58の指示がP1に達すると開閉弁6
0が閉じるので、そのブレーキペダル51の押し込みに
よる油圧(P1以上)は回転数増幅率制御シリンダ56
のみに供給され、そのピストン561を押し込み調整軸
562を矢印A方向に進出させる。このため、摩擦ころ
245が進出して、円錐面摩擦伝達装置24の回転数変
換比が大きくなり、さらにこの回転数は変速機構25で
も増幅されるので、走行による出力軸13の回転数が大
きく増幅されてロータリコンプレッサ26に伝達される
ようになり、圧縮エアがより多量に製造されるようにな
る。
【0039】なお、油圧が0〜P1までの間は、開閉弁
60が開いていて油圧ブレーキがかけられるがその圧力
は低く、ブレーキ装置2、6によるブレーキ力は僅かで
あり、エネルギー回収に大きな支障は生じない。このよ
うに油圧が0〜P1までの間、開閉弁60を開くように
したのは、ブレーキ故障に対処する関係から開閉弁60
を常開の構造にしたためである。
【0040】以上のように、ブレーキの操作時に車輌の
走行によるエネルギーがロータリコンプレッサ26によ
って圧縮エアに変換され、主タンク31に貯蔵される。
このときの圧縮エアへの変換動作は出力軸12の回転に
対する負荷となるので、その出力軸12の回転を制動す
る動作も同時に行われる。つまり、ブレーキ動作が同時
に行われる。
【0041】しかし、ブレーキペダル51の踏み込みの
初期においては、摩擦ころ245が図2において上側に
あり、円錐面摩擦伝達装置24における回転数増幅率は
小さいので、出力軸12に対する負荷は少なく、急激に
車輌の速度が低下することはない。ブレーキペダル51
の踏み込みを強くすると摩擦ころ245が図2において
下側に移動し回転数増幅率が大きくなるので、出力軸1
2に対する負荷が大きくなり、大きな制動力が加わるよ
うになる。
【0042】このようにブレーキペダル51の踏み込み
力に比例して円錐面摩擦伝達装置24における回転数増
幅率が大きくなるよう制御されるので、いわゆる急ブレ
ーキがかけられたような衝撃の起こる現象は生じない。
【0043】そして、ブレーキペダル51の踏み込みを
より強くして圧力計58の指示がP2に達すると、開閉
弁59が閉じ、開閉弁60が開く。よって、ブレーキ駆
動シリンダ53の油圧が前輪1、後輪5のブレーキ装置
2、6に伝達され、最終的にブレーキ装置2、6による
ブレーキが働き、安全が保証される。
【0044】この後、ブレーキペダル51の踏み込み力
を弱くし、圧力計58の指示がP2下になれば、ブレー
キ装置2、6によるブレーキが解除され、P1以下にな
れば、回収シリンダ561も矢印B方向に復帰する。
【0045】以上のようにしてブレーキ操作時に回収さ
れたエネルギーは、一旦主タンク36に貯蔵されるが、
その主タンク36の圧力がPaを超えると、補助タンク
39にも蓄積される。この補助タンク39の圧力もPa
を超えるようになると、安全弁42が動作する。
【0046】[発進時]次に、停止している状態から発
進のためにアクセルペダル31を踏み込むと、スイッチ
Sa2がオン(スイッチSs2はこのときオンしてい
る。)して、補助駆動用ソレノイドSO1が駆動され、
切替え弁31が図3、図5の(c)に示す状態に切り替
えられる。
【0047】このため、主タンク36がパイプ34、切
替え弁31、パイプ32を介してロータリコンプレッサ
26のエア入力口に結合され、そのロータリコンプレッ
サ26のエア出力口がパイプ33、切替え弁31を介し
てエアフィルタ302に結合される。したがって、主タ
ンク36から出る圧縮エアによってロータリコンプレッ
サ26が回転駆動する。このとき、エアフィルタ302
に蓄積していたゴミは外部に吹き飛ばされる。
【0048】またこのとき、同時にスイッチSa1がオ
ンして、電磁クラッチCLが駆動されるので、円錐面摩
擦伝達装置24の側と歯車21の側が結合され、ロータ
リコンプレッサ26の回転力がプロペラシャフト14に
伝達される。なお、このロータリコンプレッサ26の回
転力は、変速機構25で減速され円錐面摩擦伝達装置2
4(図3の状態に復帰している。)でさらに減速される
ので、プロペラシャフト14には大きなトルクが加わる
ことになる。このようにして、エンジン9による回転力
が補われ、エンジン9のみによる加速や発進に比べて、
そのエンジン9の負荷が少なくて済むようになり、排気
ガスを少なくすることができる。
【0049】[エンジンブレーキ時]次に、エンジンブ
レーキ時には、走行速度はVb以上となるのでスイッチ
Ss3、Sa4がオンとなり、かつアクセルペダル43
は踏み込まれていないのでスイッチSa3、Sa4はオ
ンのままである。このため回収用ソレノイドSO2が駆
動されるとともに、電磁クラッチCLが結合する。した
がって、本装置は図2に示した回収状態となる。走行速
度がVb以下となるか、あるいはアクセルペダル43が
ふみこまれると、この回収動作は解除される。
【0050】以上のように、本実施の形態では、ブレー
キ操作時やエンジンブレーキ時に車輌の走行エネルギー
を回収して圧縮エアとして貯蔵しておき、発進時にその
圧縮エアによって車輌走行を補助しているので、ブレー
キ操作時にブレーキ装置の使用量が減少してブレーキシ
ュー等の摩擦消耗が少なくなると共に、発進時に要求さ
れるエンジンの駆動力が少なくて済むので燃料消費が減
少し、排気ガスも少なくなる。特に、渋滞時にストップ
/スタートを繰り返すような場合には、効果的である。
【0051】なお、本発明は以上の説明の内容に限られ
るものではない。前記では円錐面摩擦伝達装置24を使
用して、ブレーキペダル51を踏み込むほどその回転数
増幅率が大きくするようにしたが別の回転数可変増幅機
構(例えば、円錐摩擦伝達装置25の摩擦コロ245を
第1の円錐体242と第2の円錐体244にかけ渡した
ベルトに替えた機構、スクータの変速機構として利用さ
れているVベルトを利用した機構等、その他多数が存在
する。)を使用してもよく、また、これを使用せず、そ
の回転数増幅率を一定値としてもよい。また、クラッチ
機構のみを介してロータリコンプレッサ26との間の動
力伝達を行ってもよい。
【0052】要は、ブレーキペダルを踏み込むときその
踏込圧力が一定の圧力までの間だけあるいは踏み込み中
継続して、又はエンジンブレーキ時に、車輌の走行のエ
ネルギーを圧縮エアとして回収するとともに制動力を発
揮させ、ブレーキペダルの踏み込みを止めたとき、又は
エンジンブレーキ解除時に、回収動作が停止され、通常
走行時のエンジンの負荷とならないようにすればよい。
【0053】さらに、上記ではブレーキ駆動シリンダ5
3内の油圧を、従来のブレーキ制御用と回転数増幅率制
御シリンダ56の制御用に共用したが、個別に設けるこ
ともできる。すなわち、ブレーキペダル51の踏み込み
に比例してピストンの押し込みが行われる回収用シリン
ダをブレーキ制御シリンダ53とは別に設けて、この回
収用シリンダの油圧により回転数増幅率制御シリンダ5
6を制御することもできる。
【0054】このときは、例えば、ブレーキ制御シリン
ダ53に対するブレーキペダル51の遊びを回収用シリ
ンダに対する遊びよりも大きくしておけば、ブレーキペ
ダル51の踏み込み初期に回収用シリンダによる走行エ
ネルギーの回収が行われ、踏み込みの途中からブレーキ
制御シリンダ53による本来の制動も加わるようにな
る。この比率は遊びの設定により自由に調整可能であ
る。
【0055】
【発明の効果】以上から本発明によれば、ブレーキ操作
時、あるいはエンジンブレーキ時に、車輌の走行エネル
ギーを圧縮エアとして回収することができ、またそのと
き制動力が発生するので、ブレーキ操作時にはブレーキ
装置による制動力を補助でき、ブレーキシューの消耗を
低減できると共に、有害ガスの発生も低減できる。
【0056】また、回収した圧縮エアをスタート時の補
助動力源として使用できるので、その時のエンジンの負
荷を軽減させることができ、燃料消費の削減、排気ガス
の削減を図ることができ、また電気自動車に適用すれば
電池の消耗の削減、スタート発進力の増大化等を実現す
ることができる。
【0057】さらに、車両の走行エネルギーを回収する
手段にロータリコンプレッサを使用し、車両の走行エネ
ルギーを補助する手段にも同じロータリコンプレッサを
使用しているので、全体をコンパクト化しやすく、通常
の車両への取り付けも簡単となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の車輌の概略説明図であ
る。
【図2】 エネルギー回収時の動作説明のための車輌の
概略説明図である。
【図3】 補助駆動時の動作説明のための車輌の概略説
明図である。
【図4】 制御部の制御回路図である。
【図5】 切替え弁の切替え動作の説明図である。
【図6】 円錐面摩擦伝達装置とその付近の拡大図であ
る。
【図7】 図1の開閉弁59、60の動作の説明図であ
る。
【符号の説明】
1:前輪、2:ブレーキ装置、3:軸、4:懸架装置、
5:後輪、6:ブレーキ装置、7:軸、8:懸架装置、
9:エンジン、10:クランク軸、11::変速装置
(トランスミッション)、12:出力軸、13:自在継
手(ユニバーサルジョント)、14:プロペラシャト
フ、15:自在継手、16:軸、17:差動歯車装置
(デフレンショャルギヤボックス)、21:歯車、2
2:回転整流伝達/遮断装置、23:歯車、24:円錐
面摩擦伝達装置、25:変速機構、26:ロータリコン
プレッサ、31:切替え弁、32、33、34:パイプ、
36:主タンク、37、38:パイプ、39:補助タン
ク、40、41:逆止弁、42:安全弁、43:アクセル
ペダル51:ブレーキペダル、52:レバー、53:ブ
レーキ駆動シリンダ、54、55:パイプ、56:回転
数増幅率制御シリンダ、57:パイプ、58:圧力計、
59、60:開閉弁。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガソリンエンジン、ジーゼルエンジン等を
    動力源とする車輌、又は蓄電池、太陽電池等による電動
    機を動力源とする車輌において、 外部から回転力を与えると圧縮エアを製造し外部から圧
    縮エアを与えと回転力を発揮するロータリコンプレッサ
    と、 該ロータリコンプレッサの回転軸と前記車両の走行用回
    転軸との結合/遮断を切り替える回転伝達/遮断装置
    と、 圧縮エアを蓄積するタンクと、 前記ロータリコンプレッサのエア出力口から前記タンク
    に圧縮エアを送る第1の通路又は前記タンクから前記ロ
    ータリコンプレッサのエア入力口に圧縮エアを送る第2
    の通路を選択切替えする切替え弁と、 ブレーキ操作を検出することにより前記回転伝達/遮断
    装置を回転伝達側に切替え制御するとともに前記切替え
    弁を前記第1の通路を選択するよう制御する第1の制御
    手段と、 第1の走行速度以下におけるアクセル操作を検出するこ
    とにより前記回転伝達/遮断装置を回転伝達側に切替え
    制御するとともに前記切替え弁を前記第2の通路を選択
    するよう制御する第2の制御手段とを具備することを特
    徴とする装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の装置おいて、前記第1の
    制御手段に代えて、又は前記第1の制御手段に加えて、
    前記第1の走行速度を超える走行速度を検出し且つアク
    セルの非操作を検出することにより前記回転伝達/遮断
    装置を回転伝達側に切替え制御するとともに前記切替え
    弁を前記第1の通路を選択するよう制御する第3の制御
    手段を設けたことを特徴とする装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2444269A (en) * 2006-11-28 2008-06-04 Anthony Paul Skelding Regenerative vehicle brakes, using compressed air
JP2009067267A (ja) * 2007-09-14 2009-04-02 Japan Vehicle:Kk 車両用補助動力装置
CN112051065A (zh) * 2020-08-19 2020-12-08 中国第一汽车股份有限公司 一种发动机制动系统测试方法

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