JPH10166709A - 容器への印刷方法 - Google Patents

容器への印刷方法

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JPH10166709A
JPH10166709A JP32863696A JP32863696A JPH10166709A JP H10166709 A JPH10166709 A JP H10166709A JP 32863696 A JP32863696 A JP 32863696A JP 32863696 A JP32863696 A JP 32863696A JP H10166709 A JPH10166709 A JP H10166709A
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JP
Japan
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container
resin
toner
ultraviolet
image
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JP32863696A
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English (en)
Inventor
Mitsusaku Tsukimi
光作 月見
Akihiko Morofuji
明彦 諸藤
Seishichi Kobayashi
誠七 小林
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Original Assignee
Individual
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷用データから、印刷用版を作成すること
なしに、電子写真法により、包装容器表面に、密着性に
優れ、しかも耐性、特に耐レトルト性、耐剥離性に優れ
た印刷像を形成し得る印刷方法を提供するにある。 【解決手段】 少なくとも外表面が樹脂で形成された容
器乃至容器形成素材の外表面に、電子写真法により紫外
線硬化性樹脂の粉体トナー像を形成し、粉体トナーの紫
外線硬化性樹脂が軟化乃至溶融している状態において紫
外線を照射し、硬化された印刷像を形成させることを特
徴とする容器への印刷方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、容器への印刷方法に関
するもので、より詳細には、電子写真法を利用して、容
器の表面に密着性や耐レトルト性に優れた印刷像を形成
させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックを用いた包装容器は、軽量
で耐衝撃性に優れていることから、各種食品、化粧品、
医薬品、薬品等を充填する容器として広く使用されてい
る。これらの包装容器には、内容物や出所を表示し且つ
品質を明示する表示が必要である。
【0003】これらの表示を設けるために、従来ラベル
の貼着や、印刷が行われている。ラベルの貼着には、ラ
ベル材料への印刷が必要であり、また包装容器表面へ直
接印刷を行うにしても、印刷用版の作成が必要である。
【0004】従来、格別の印刷用版を使用しない印刷方
法として、電子写真印刷方法が知られているが、公知の
電子写真印刷方法は、紙等の平坦でしかも耐熱性のある
ものを対象としており、立体状でしかも耐熱性の乏しい
プラスチック容器等に、定着時の熱変形の問題がある。
【0005】本出願人の提案にかかる特開平8−194
325号公報には、表面張力が36dyne/cm以上
であり且つ近赤外域に実質上吸収を示さないプラスチッ
ク成形体の表面に、エポキシ樹脂を主体とする定着用樹
脂と該樹脂中に分散された着色剤とを含有し且つ近赤外
域に吸収性を有し、しかも軟化点が90乃至130℃の
範囲にあるトナーを、電子写真法による粉像の形で且つ
定着後のフィルム厚が5乃至20μmとなるように転写
し、プラスチック成形体上の粉像を近赤外線で定着させ
ることを特徴とする印刷プラスチック成形体の製法が記
載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述した印刷用版を使
用する方法では、包装容器を、少量多品種の製品に適用
しようとすると、印刷用版の作成のためのコストが高く
つき、また容器製品の即納化に対応できないという欠点
を免れなかった。
【0007】また、前述した電子写真印刷を利用する方
式では、使用できる容器表面のプラスチックが近赤外線
を吸収しないものに限定されると共に、形成されるトナ
ー像も未だ密着性や耐久性に乏しいものであり、包装体
の内容物保存性を向上させるに必要なレトルト殺菌(内
容物を充填した容器ごと熱水を入れた圧力釜中に入れて
行う殺菌)等に十分に耐えることができないという欠点
を有している。
【0008】従って、本発明の目的は、印刷用データか
ら、印刷用版を作成することなしに、電子写真法によ
り、包装容器表面に、密着性に優れ、しかも耐性、特に
耐レトルト性、耐剥離性に優れた印刷像を形成し得る印
刷方法を提供するにある。
【0009】本発明の他の目的は、表面がプラスチック
から成る容器に熱による変形や損傷を与えることなし
に、加熱殺菌に対しても耐性を有する印刷像を形成する
ことを可能にする印刷方法を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、少なく
とも外表面が樹脂で形成された容器乃至容器形成素材の
外表面に、電子写真法により紫外線硬化性樹脂の粉体ト
ナー像を形成し、粉体トナーの紫外線硬化性樹脂が軟化
乃至溶融している状態において紫外線を照射し、硬化さ
れた印刷像を形成させることを特徴とする容器への印刷
方法が提供される。
【0011】本発明においては、 1.紫外線硬化性樹脂が、容器乃至容器形成素材の構成
樹脂の内最も融点乃至軟化点の低いものの融点乃至軟化
点よりも低い融点乃至軟化点を有するものであること、 2.容器乃至容器形成素材の外表面の粉体トナー像を紫
外線硬化樹脂の融点乃至軟化点以上で、容器乃至容器形
成素材の構成樹脂の内最も融点乃至軟化点の低いものの
熱変形温度よりも低い温度に加熱して、紫外線照射を行
うこと、 3.紫外線硬化性樹脂がカチオン系開始剤とエポキシ基
を有する樹脂との組成物から成ること、が好ましい。
【0012】本発明で印刷に用いる容器乃至容器形成素
材は、外表面が樹脂で形成されているものであればよ
く、その構成及び形状は特に制限されないが、例えばプ
ラスチック或いはその積層体の3次元状成形体、プラス
チック或いはその積層体のパウチ、樹脂被覆金属缶体等
を挙げることができる。容器形成素材としては、パウチ
形成用のフィルム或いは積層体を挙げることができる。
【0013】
【発明の実施形態】本発明によれば、少なくとも外表面
が樹脂で形成された容器乃至容器形成素材の外表面に、
電子写真法により粉体トナー像を形成するが、この粉体
トナーとして紫外線硬化性樹脂の粉体トナーを用いるこ
と及び粉体トナーの定着を紫外線硬化性樹脂が軟化乃至
溶融している状態において紫外線を照射して、硬化され
た印刷像を形成させることが特徴である。
【0014】本発明では、紫外線硬化性樹脂を粉体トナ
ーの形で電子写真プロセスに付して、現像及び容器乃至
容器形成素材の外表面への転写を行うこと、容器乃至容
器形成素材の表面の粉体トナー中の紫外線硬化性樹脂を
軟化乃至溶融させること、及びこの軟化乃至溶融された
紫外線硬化性樹脂に紫外線を照射することの工程の順序
が重要である。
【0015】上記第一工程では、紫外線硬化性樹脂が粉
体トナーとなっているため、電子写真における静電像の
可視像化及び容器表面への転写を、静電像に正確に対応
してしかも円滑に行うことが可能となる。
【0016】上記第二工程では、紫外線硬化性樹脂を軟
化乃至溶融させることにより、続いて行う紫外線照射に
より、紫外線硬化を短時間の内に効率よくおこないうる
と共に容器乃至容器形成素材の樹脂表面に密着性及び耐
久性に優れた印刷画像を形成することが可能となる。
【0017】一般の電子写真法における画像形成では、
粉体トナーを軟化乃至溶融させることにより、トナー像
の定着が完了する。これは、紙のように、表面に微小凹
凸があり且つ微細な隙間のある基体の場合には可能であ
るが、容器乃至容器形成素材の表面の樹脂層のように、
微小凹凸や隙間が全くない場合には、粉体トナーの単な
る軟化乃至溶融では、見かけは定着が行われているよう
でも、こするだけで画像が簡単に剥離し、況やレトルト
殺菌等の苛酷な処理には到底耐えることができない。
【0018】これに対して、本発明では、第二工程の軟
化乃至溶融と第三工程における紫外線照射とを組み合わ
せることにより、紫外線硬化性樹脂トナーの樹脂表面へ
の一様な付着と樹脂の効率的な紫外線硬化とが生じて、
磨耗に強く、レトルト殺菌にも耐える印刷像が形成され
るものである。
【0019】粉体トナーを軟化乃至溶融させる場合、樹
脂を構成素材とする容器乃至容器形成素材では、容器乃
至容器形成素材の熱変形や性能低下を来さないよう注意
しなければならない点がある。本発明においては、紫外
線硬化性樹脂が、容器乃至容器形成素材の構成樹脂の内
最も融点乃至軟化点の低いものの融点乃至軟化点よりも
低い融点乃至軟化点を有するものであることが特に好ま
しい。即ち、紫外線硬化性樹脂として、上記の融点乃至
軟化点を有するものを用いることにより、紫外線硬化性
樹脂を加熱により軟化乃至溶融させるに際して、元の容
器が熱変形したり性能低下を来すのを防止することがで
きる。尚、本明細書において、融点乃至軟化点とは、用
いる樹脂の融点が明らかである場合には一義的に融点を
意味し、融点が明らかでない場合には軟化点を意味する
ものとする。
【0020】また、粉体トナーの軟化乃至溶融及び紫外
線照射に際しても、容器乃至容器形成素材の外表面の粉
体トナー像を紫外線硬化樹脂の融点乃至軟化点以上で、
容器構成樹脂の内最も融点乃至軟化点の低いものの熱変
形温度よりも低い温度に加熱して、紫外線照射を行うこ
とが好ましく、これにより容器の熱変形や性能低下を防
止することが可能となる。
【0021】本発明に用いる紫外線硬化性樹脂は、カチ
オン系開始剤とエポキシ基を有する樹脂との組成物から
成ることが特に好ましい。即ち、カチオン系開始剤とエ
ポキシ基を有する樹脂との組み合わせは、紫外線硬化の
速度が大きく、しかも形成される印刷像が堅く、耐磨耗
性及び密着性に優れており、レトルト殺菌にも耐えると
いう耐熱水性にも優れている。
【0022】[電子写真印刷方法]本発明の容器乃至容
器形成素材への印刷方法は、感光体に静電像を形成さ
せ、この静電像を紫外線硬化性樹脂のトナーで現像する
電子写真工程と、形成される紫外線硬化性樹脂トナー像
を容器乃至容器形成素材の樹脂表面に転写する転写工程
と、容器乃至容器形成素材の樹脂表面の紫外線硬化性樹
脂トナー像を加熱し、紫外線硬化させる定着工程とから
成る。
【0023】本発明の印刷方法を好適に実施するための
電子写真印刷装置の一例を示す図1において、この印刷
装置は、大別して、電子写真ユニット2と、転写ドラム
10と、定着ユニット11とから成り、電子写真ユニッ
ト2には、画像出力用コンピュータ1が接続されてい
る。
【0024】電子写真ユニット2は、駆動回転される電
子写真感光体ドラム5、このドラムの周囲に順次設けら
れた感光体帯電用コロナチャージャ4、画像出力用コン
ピュータ1からのデータに対応して動作する露光制御回
路3、紫外線硬化性樹脂トナーを含む現像剤を有する現
像機構6、除電機構7から構成されている。
【0025】電子写真感光体ドラム5はそれ自体公知の
ものであり、一般に金属基体とその上に設けられた光導
電体層とからなっている。この光導電体層は、例えばS
e、ZnO、CdS、非晶質シリコン或いは機能分離型
の有機光導電体等から成る。
【0026】転写ドラム10は、表面に所定間隔で多数
配置された容器8に対する支持座15を備えており、感
光体ドラム5と同期した速度で駆動回転される。この印
刷ドラム10には、支持する容器8が、電子写真ユニッ
ト2の感光体ドラム5と接触する前、即ちトナー転写前
に、所定電位に帯電されるように、容器帯電電源(図示
せず)が設けられている。
【0027】転写ドラム10の上流には、プラスチック
成形体である容器8の供給路があり、この供給路には、
プラスチック成形体8の印刷すべき表面を予め表面処理
するためのコロナ放電処理装置14が設けられている。
表面処理されたプラスチック成形体8を転写ドラム10
の支持座15に順次供給する容器供給機構9がある。
【0028】印刷ドラム10のトナー転写位置の下流側
には、プラスチック成形体8に転写されたトナー像を定
着させるための定着ユニット11があり、この定着ユニ
ットを通る、印刷プラスチック成形体の搬送機構16が
設けられている。定着ユニット11内には、成形体8表
面上の紫外線硬化性樹脂粉体トナーを加熱するための赤
外線ランプ12及び軟化乃至溶融された紫外線硬化性樹
脂トナーを紫外線硬化させるための紫外線ランプ13が
この順序に設けられている。
【0029】この電子写真装置による印刷像形成工程を
簡単に示すと次の通りである。先ず、感光体ドラム5の
表面光導電体層をコロナチャージャ4で一定極性の電荷
で帯電させる。次いで、コンピュータ1の画像メモリに
ある画像データは、露光制御回路3を経て、半導体レー
ザにより感光体ドラム5を露光し、画像データに対応す
る静電潜像を形成させる。この静電潜像を、本発明で特
定した紫外線硬化性樹脂トナーを使用して、現像機構6
により顕像化し、感光体ドラム5上にトナー像を形成す
る。
【0030】一方、プラスチック成形体(容器)8をコ
ロナ放電処理装置で予め表面処理し、容器供給機構9に
より、転写ドラム10の支持座15に供給し、この支持
座に保持させる。ドラム10上の容器を容器帯電電源に
より静電潜像と同極性でしかもこれよりも高電位に帯電
させる。この帯電容器は、トナー転写域において、トナ
ー像支持感光体ドラムと接触し、トナー像が容器8上に
転写される。
【0031】トナー像が転写された容器は、定着ユニッ
ト11の赤外線ランプ12により、赤外線を照射され、
紫外線硬化性樹脂トナー像は軟化乃至溶融される。次い
で軟化乃至溶融状態の紫外線硬化性樹脂トナーには、紫
外線ランプ13からの紫外線が照射され、トナー像は、
容器の樹脂外表面に強固に定着される。かくして印刷像
が形成された印刷容器は、搬送機構16により装置外部
へと取り出される。
【0032】本発明の印刷方法をフルカラーに適用した
電子写真印刷装置の一例を示す図2において、この印刷
装置は、大別して、電子写真ユニット2と、転写ドラム
10と、定着ユニット11とから成り、電子写真ユニッ
ト2には、画像出力用コンピュータ1が接続されている
点では、図1の装置と共通しているが、転写ドラム10
の周囲に、イエロー2Y、マゼンタ2M、シアン2C及
びブラック2Bの各色の電子写真ユニットが配置されて
いること及び印刷すべき容器が樹脂被覆金属缶である点
が図1の装置と相違している。
【0033】即ち、各電子写真ユニット2Y、2M、2
C及び2Bは、駆動回転される電子写真感光体ドラム
5、このドラムの周囲に順次設けられた感光体帯電用コ
ロナチャージャ4、画像出力用コンピュータ1からのデ
ータに対応して動作する露光制御回路3、紫外線硬化性
樹脂トナーを含む現像剤を有する現像機構6、除電機構
7から構成されているが、ユニット2Yの現像機構6に
は紫外線硬化性樹脂のイエロートナーが、ユニット2M
の現像機構6には紫外線硬化性樹脂のマゼンタトナー
が、ユニット2Cの現像機構6には紫外線硬化性樹脂の
シアントナーが、またユニット2Bの現像機構6には紫
外線硬化性樹脂のブラックトナーが、それぞれ収容され
ている。
【0034】この具体例では、転写ドラム10が一回転
する間に、転写ドラムの表面に、各電子写真ユニットか
らイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックのトナー像
が重ねられてフルカラー画像として形成され、このフル
カラーのトナー画像は、転写ドラムと転がり接触する樹
脂被覆缶の樹脂外面上に転写される。
【0035】フルカラーのトナー像が転写された樹脂被
覆金属缶容器8は、自転しながら、定着ユニット11に
供給され、赤外線ランプ12により、赤外線を照射さ
れ、フルカラーの紫外線硬化性樹脂のトナー像は軟化乃
至溶融される。次いで軟化乃至溶融状態のフルカラーの
紫外線硬化性樹脂トナーには、紫外線ランプ13からの
紫外線が照射され、容器の樹脂外表面に強固に定着され
る。かくしてフルカラーの印刷像が形成された印刷容器
は、装置外部へと取り出される。
【0036】本発明の印刷方法は、樹脂被覆を有する容
器に特に有利に適用できるが、容器に成形する前の容器
形成用素材にも適用することができる。
【0037】この態様に用いる電子写真印刷装置の一例
を示す図3において、この印刷装置は、大別して、電子
写真ユニット2と、転写用バイアスロール17と、定着
ユニット11と、プラスチックウエッブ(容器形成用素
材)8aの供給機構18及び巻き取り機構19とから成
る。電子写真ユニット2は、図1の場合と同様な構成で
あり、このユニット2に画像出力用コンピュータ1が接
続されている点も図1と同様である。
【0038】転写用バイアスロール17は、電極ロール
であって、プラスチックウエッブ8aを支持して、この
ウエッブ8aをトナー像を支持する感光体ドラム5と接
触させ、トナー像をウエッブ8a上に転写させるもので
あり、転写用バイアスロール17の表面には電源(図示
せず)によりバイアス電位が印加されている。
【0039】転写用バイアスロール17の上流側には、
コロナ放電等により予め表面処理されたプラスチックウ
エッブ8aの供給装置18が設けられ、ウエッブ8aは
テンションロール20を介して転写用バイアスロール1
7に供給される。
【0040】転写用バイアスロール17の下流側には、
ウエッブ巻き取り機構19があり、この転写用バイアス
ロール17とウエッブ巻き取り機構18との間には、プ
ラスチックウエッブ8aに転写されたトナー像を定着さ
せるための定着ユニット11がある。
【0041】定着ユニット11には、赤外線ランプ12
と紫外線ランプ13とがあり、プラスチックウエッブ8
aへの印刷は、ウエッブを連続的に供給する以外は、図
1の場合と同様に行われる。
【0042】[容器乃至容器形成素材]本発明におい
て、印刷すべき容器は、外表面が樹脂で形成されている
ものであればよく、その構成及び形状は特に制限されな
いが、例えばプラスチック或いはその積層体の3次元状
成形体、プラスチック或いはその積層体のパウチ、樹脂
被覆金属缶体等を挙げることができる。また、パウチを
形成する前のフィルム或いは積層体に印刷を施すのにも
適用でき、更に積層すべきフィルムへの裏印刷等にも適
用することができる。
【0043】容器乃至容器形成素材の少なくとも外表面
を構成する熱可塑性樹脂としては、例えばオレフィン系
樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニリ
デン系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリエステル
系樹脂、ポリカーボネート等あるいはそれらの混合物の
いずれかの樹脂でもよい。
【0044】オレフィン樹脂としては、低−、中−或い
は高−密度のポリエチレン(LDPE,MDPE,HD
PE)、アイソタクティックポリプロピレン(PP)、
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プ
ロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン
−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチ
レン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(ア
イオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体
或いはこれらのブレンド物等が挙げられる。線状低密度
ポリエチレンのように融点の低い樹脂に対しても融着に
よる印刷を適応できることが本発明の利点でもある。
【0045】ポリエステルとしては、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、エチレンテレフタレート/
イソフタレート共重合体等のポリエステルやそのブレン
ド物等を挙げることができる。
【0046】一方、ポリアミドとしては、ナイロン6
(N6)、ナイロン6,6(N6,6)ナイロン11、
ナイロン12等のポリアミドや、ナイロン6/6,6等
のこれらの共重合ポリアミド、或いはこれらの2種以上
のブレンド物等を挙げることができる。
【0047】また、ポリカーボネート(PC)として
は、ビスフェノールA或いはF等のビスフェノール類か
らのポリカーボネート、ポリカーボネートZ等が使用さ
れる。
【0048】本発明に用いるプラスチック成形容器やパ
ウチ或いはパウチ形成用素材は、単層のプラスチックで
あっても、また多層のプラスチックであってもよい。例
えば、外表面層が線状低密度ポリエチレンからなり、内
層が高密度ポリエチレンやアイソタクティックポリプロ
ピレンから成るような同種の樹脂の積層体でも、オレフ
ィン樹脂とポリエステル或いはポリアミドとの積層体の
ように異種の樹脂の積層体であってもよい。勿論、この
成形体乃至パウチは、上記の2層構造のものに限定され
ず、3層或いは4層以上の多層構造であってよい。
【0049】また、このプラスチック成形容器、パウチ
或いはパウチ形成用の素材は、他のプラスチックや金属
箔を含んでいてもよい。例えば、形成される容器に、酸
素等に対する耐気体透過性を付与するために、ガスバリ
ヤー性樹脂やアルミ箔、鋼箔等を多層構造中に組み込む
ことができる。
【0050】ガスバリヤー性樹脂としては、一般に酸素
透過係数(PO2 )が5.5×10 -12 cc・cm/cm2 ・sec
・cmHg 以下、特に4.5×10-12 cc・cm/cm2 ・sec・cmH
g 以下で、特にエチレン含有量が20乃至50モル%で
且つ未ケン化ビニルエステル残基の含有量が5モル%以
下のエチレン−ビニルアルコール共重合体や、炭素数1
00個当りのアミド基の数が3乃至30個、特に4乃至
25個の範囲で含有されるホモポリアミド、コポリアミ
ドまたはそのブレンド物が好適に使用される。勿論、上
述したエチレン−ビニルアルコール共重合体とポリアミ
ドとはブレンド物の形で使用することもできるし、この
ものの本質を損なわない範囲内、例えば20重量%以下
の範囲内で、他の熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィン
やポリオレフィンとの間の接着性を付与する樹脂等をブ
レンドして用いることもできる。これらのガスバリヤー
性樹脂は、全体の厚みに比べて非常に薄く設けることが
できるので、近赤外域に吸収があってもその影響は小さ
い。
【0051】上記中間層に置換して、或いは上記中間層
と共に、酸素吸収剤含有樹脂層、乾燥剤含有樹脂層等を
中間層として設けることができ、また、ブロー成形等の
際生じるリグラインド(スクラップ樹脂)を再利用のた
め、中間層として用いてもよい。
【0052】プラスチック成形容器としては、各種プラ
スチック包装容器、例えばボトル、カップ、チューブ、
プラスチック缶、トレイ等が好適なものとして挙げられ
る。また、パウチやパウチ形成用素材にも、円滑に印刷
を施すことができる。
【0053】成形は、押出機や射出機を用いて行うこと
ができる。押出機としては、任意のスクリュウを備えた
押出機が好適に使用される。ダイスとしては、フラット
ダイやリングダイを使用することができ、例えばフィル
ムやシートの成形には、Tダイ法やインフレーション製
膜法が使用される。また、押し出されたパリソンを中空
成形することにより、ボトル、チューブ、タンク等の中
空成形容器が成形される。また、シートを真空成形、圧
空成形、プラグアシスト成形等に付することにより、カ
ップ状容器が形成される。
【0054】射出機としては、射出プランジャまたはス
クリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノズ
ル、スプルー、ゲートを通して前記プラスチックを射出
型中に射出する。これにより、樹脂が射出型キャビティ
内に流入し、冷却固化されて、成形体となる。このよう
にして、二軸延伸成形用プリフォームが形成され、この
プリフォームを延伸ブロー成形することにより、二軸延
伸ボトルが得られる。
【0055】本発明の一つの態様では、パウチ形成素材
であるプラスチックウエッブに前記印刷を施し、次いで
このウエッブをパウチ等に成形する。この態様に使用す
るプラスチックウエッブは、一般に内面側から、ヒート
シール性樹脂層、ガスバリアー中間層及び外面樹脂保護
層からなるものであり、必要により隣接樹脂層間に接着
剤樹脂層を設けたものである。ヒートシール性樹脂層
は、前述したオレフィン樹脂が使用され、外面樹脂保護
層は、耐熱性樹脂、特に一軸延伸乃至二軸延伸されたP
Pフィルム、PETフィルム、ナイロンフィルム等が使
用される。
【0056】本発明に用いるプラスチック成形容器、パ
ウチ或いはパウチ形成用素材は、表面張力が36dyn
e/cm以上であることが好ましい。表面張力を上記範
囲に抑制するために、コロナ放電処理、火炎処理、プラ
ズマ処理、クロム酸処理、オゾン処理等の任意の手段が
使用されるが、コロナ放電処理が簡便さの点で有利であ
る。
【0057】本発明に用いる樹脂被覆金属容器は、熱可
塑性樹脂被覆金属板を、絞り再絞り加工、絞り再絞りし
ごき加工、絞り曲げ延ばし再絞り加工、絞り曲げ延ばし
再絞りしごき加工等に付することにより得られるもので
ある。
【0058】この容器は、金属基体とその内面側表面上
に設けられた内面熱可塑性樹脂被膜と基体の外面側表面
に設けられた外面熱可塑性樹脂被膜とから成っている。
金属基体表面と内面樹脂被膜との間、並びに金属基体表
面と外面樹脂被膜との間には、それぞれ接着剤層(プラ
イマー層)が介在していてもよい。
【0059】本発明では、金属板としては各種表面処理
鋼板やアルミニウム等の軽金属板が使用される。
【0060】表面処理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍
後二次冷間圧延し、亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメ
ッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の
一種または二種以上行ったものを用いることができる。
好適な表面処理鋼板の一例は、電解クロム酸処理鋼板で
あり、特に10乃至200mg/m2 の金属クロム層と1乃
至50mg/m2 (金属クロム換算)のクロム酸化物層とを
備えたものであり、このものは塗膜密着性と耐腐食性と
の組合せに優れている。表面処理鋼板の他の例は、0.
5乃至11.2 g/m2 の錫メッキ量を有する硬質ブリキ
板である。このブリキ板は、金属クロム換算で、クロム
量が1乃至30mg/m2 となるようなクロム酸処理或いは
クロム酸/リン酸処理が行われていることが望ましい。
更に他の例としてはアルミニウムメッキ、アルミニウム
圧接等を施したアルミニウム被覆鋼板が用いられる。
【0061】軽金属板としては、所謂純アルミニウム板
の他にアルミニウム合金板が使用される。耐腐食性と加
工性との点で優れたアルミニウム合金板は、Mn:0.2
乃至1.5重量%、Mg :0.8乃至5重量%、Zn :0.
25乃至0.3重量%、及びCu:0.15 乃至0.25重量%、
残部がAlの組成を有するものである。これらの軽金属板
も、金属クロム換算で、クロム量が20乃至300mg/m
2 となるようなクロム酸処理或いはクロム酸/リン酸処
理が行われていることが望ましい。
【0062】金属板の素板厚、即ち缶底部の厚み(tB)
は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによっても相
違するが、一般に0.10乃至0.50mmの厚みを有す
るのがよく、この内でも表面処理鋼板の場合には、0.
10乃至0.30mmの厚み、また軽金属板の場合には
0.15乃至0.40mmの厚みを有するのがよい。
【0063】金属基体上に設ける熱可塑性樹脂層は前に
例示した任意のものであってよいが、熱可塑性ポリエス
テルが好適である。
【0064】上記熱可塑性樹脂の被覆層には、金属板を
隠蔽し、また絞り−再絞り成形時等に金属板へのしわ押
え力の伝達を助ける目的で無機フィラー(顔料)を含有
させることができる。このような無機フィラーを配合す
ると、トナーの軟化乃至溶融時の耐熱性向上にも役立
つ。また、このフィルムにはそれ自体公知のフィルム用
配合剤、例えば非晶質シリカ等のアンチブロッキング
剤、各種帯電防止剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤
等を公知の処方に従って配合することができる。
【0065】無機フィラーとしては、ルチル型またはア
ナターゼ型の二酸化チタン、亜鉛華、グロスホワイト等
の無機白色顔料;バライト、沈降性硫酸バライト、炭酸
カルシウム、石膏、沈降性シリカ、エアロジル、タル
ク、焼成或は未焼成クレイ、炭酸バリウム、アルミナホ
ワイト、合成乃至天然のマイカ、合成ケイ酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム等の白色体質顔料;カーボンブラ
ック、マグネタイト等の黒色顔料;ベンガラ等の赤色顔
料;シエナ等の黄色顔料;群青、コバルト青等の青色顔
料を挙げることができる。これらの無機フィラーは、樹
脂当り10乃至500重量%、特に10乃至300重量
%の量で配合させることができる。
【0066】被覆熱可塑性樹脂の金属板への被覆は、熱
融着法、ドライラミネーション、押出コート法等により
行われ、被覆樹脂と金属板との間に接着性(熱融着性)
が乏しい場合には、例えばウレタン系接着剤、エポキシ
系接着剤、酸変性オレフィン樹脂系接着剤、コポリアミ
ド系接着剤、コポリエステル系接着剤等を介在させるこ
とができる。
【0067】また、熱可塑性樹脂の厚みは、一般に3乃
至50μm、特に5乃至40μmの範囲にあることが望
ましい。フィルムを用いた熱融着の場合、未延伸のもの
でも延伸のものでもよい。
【0068】特に好適なフィルムとして、エチレンテレ
フタレート単位を主体とするポリエステルを、T−ダイ
法やインフレーション製膜法でフィルムに成形し、この
フィルムを延伸温度で、逐次或いは同時二軸延伸し、延
伸後のフィルムを熱固定することにより製造されたフィ
ルムを挙げることができる。
【0069】原料ポリエステルとしては、ポリエチレン
テレフタレートそのものも著しく制限された延伸、熱固
定及びラミネート条件下で使用可能であるが、フィルム
の到達し得る最高結晶化度を下げることが耐衝撃性や加
工性の点で望ましく、この目的のためにポリエステル中
にエチレンテレフタレート以外の共重合エステル単位を
導入するのがよい。本発明ではエチレンテレフタレート
単位を主体とし、他のエステル単位の少量を含む融点が
210乃至252℃共重合ポリエステルの二軸延伸フィ
ルムを用いることが特に好ましい。尚、ホモポリエチレ
ンテレフタレートの融点は一般に255〜265℃であ
る。
【0070】一般に共重合ポリエステル中の二塩基酸成
分の70モル%以上、特に75モル%以上がテレフタル
酸成分から成り、ジオール成分の70モル%以上、特に
75モル%以上がエチレングリコールから成り、二塩基
酸成分及び/又はジオール成分の1乃至30モル%、特
に5乃至25%がテレフタル酸以外の二塩基酸成分及び
/又はエチレングリコール以外のジオール成分から成る
ことが好ましい。
【0071】テレフタル酸以外のカルボン酸としては、
イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の
芳香族ジカルボン酸:シクロヘキサンジカルボン酸等の
脂環族ジカルボン酸:コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸:トリメ
リット酸やピロメリット酸のような多塩基性カルボン
酸:の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレン
グリコール以外のアルコール成分としては、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリ
コール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサ
ンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイ
ド付加物、ペンタエリスリトール、ペンタントリオール
等の1種又は2種以上が挙げられる。勿論、これらのコ
モノマーの組合せは、共重合ポリエステルの融点を前記
範囲とするものでなければならない。
【0072】用いるコポリエステルは、フィルムを形成
するに足る分子量を有するべきであり、このためには固
有粘度(I.V.)が0.55乃至1.9dl/g 、特に0.65乃至1.4dl/
g の範囲にあるものが望ましい。
【0073】フィルムの延伸は一般に80乃至110℃
の温度で、面積延伸倍率が2.5乃至16.0、特に
4.0乃至14.0となる範囲で行うのがよく、フィル
ムの熱固定は、130乃至240℃、特に150乃至2
30℃の範囲で行うのがよい。から、やはり前記条件が
満足されるような熱固定温度を選ぶ。
【0074】コポリエステルフィルムは、未延伸のもの
でもよいが、二軸延伸されていることが好ましい。二軸
配向の程度は、偏光蛍光法、複屈折法、密度勾配管法密
度等でも確認することができる。
【0075】積層に際しては、過度の結晶化を防ぐ目的
で、積層されるフィルムが結晶化温度域を通過する時間
を可及的に短くし、好ましくはこの温度域を10秒以
内、特に5秒以内で通過するようにする。このために、
積層に際して金属素材のみを加熱し、フィルム積層後直
ちに積層体を強制冷却するようにする。冷却には、冷
風、冷水との直接的な接触や強制冷却された冷却ローラ
の圧接が用いられる。この積層に際してフィルムを融点
近傍の温度に加熱し、積層後急冷を行えば、結晶配向度
を緩和させることも可能なことが理解されるべきであ
る。
【0076】接着用プライマーを用いる場合に、フィル
ムへの接着用プライマーとの密着性を高めるために、フ
ィルムの表面をコロナ放電処理しておくことが一般に望
ましい。コロナ放電処理の程度は、そのぬれ張力が44
dyne/cm 以上となるようなものであることが望ましい。
【0077】この他、フィルムへのプラズマ処理、火炎
処理等のそれ自体公知の接着性向上表面処理やウレタン
樹脂系、変性ポリエステル樹脂系等の接着性向上コーテ
ィング処理を行っておくことも可能である。
【0078】ポリエステルフィルムと金属素材の間に所
望により設ける接着プライマーは、金属素材とフィルム
との両方に優れた接着性を示すものである。密着性と耐
腐食性とに優れたプライマー塗料の代表的なものは、種
々のフェノール類とホルムアルデヒドから誘導されるレ
ゾール型フェノールアルデヒド樹脂と、ビスフェノール
型エポキシ樹脂とから成るフェノールエポキシ系塗料で
あり、特にフェノール樹脂とエポキシ樹脂とを50:5
0乃至5:95重量比、特に40:60乃至10:90
の重量比で含有する塗料である。
【0079】接着プライマー層は、一般に0.3乃至5
μmの厚みに設けるのがよい。接着プライマー層は予め
金属素材上に設けてもよく或いは予めポリエステルフィ
ルム上に設けてもよい。
【0080】樹脂被覆金属缶容器への成形は、それ自体
公知の手段、例えば絞り再絞り加工、絞り再絞りしごき
加工、絞り曲げ延ばし再絞り加工、絞り曲げ延ばし再絞
りしごき加工等で行われる。
【0081】例えば、深絞り成形(絞り−再絞り成形)
によれば、被覆金属板から成形された前絞りカップを、
このカップ内に挿入された環状の保持部材とその下に位
置する再絞りダイスとで保持する。これらの保持部材及
び再絞りダイスと同軸に、且つ保持部材内を出入し得る
ように再絞りポンチ配置する。再絞りポンチと再絞りダ
イスとを互いに噛みあうように相対的に移動させる。
【0082】これにより、前絞りカップの側壁部は、環
状保持部材の外周面から、その曲率コーナ部を経て、径
内方に垂直に曲げられて環状保持部材の環状底面と再絞
りダイスの上面とで規定される部分を通り、再絞りダイ
スの作用コーナ部により軸方向にほぼ垂直に曲げられ、
前絞りカップよりも小径の深絞りカップに成形すること
ができる。
【0083】更に再絞りダイスの作用コーナー部の曲率
半径(Rd )を、金属板素板厚(tB )の1乃至2.9
倍、特に1.5 乃至2.9 倍の寸法とすることにより、側壁
部の曲げ引張りによる薄肉化を有効に行うことができ
る。のみならず、側壁部の下部と上部とにおける厚みの
変動が解消され、全体にわたって均一な薄肉化が可能と
なる。一般に、缶胴の側壁部は素板厚(tB )に対する
薄肉化率を5乃至45%、特に5乃至40%の厚みに薄
肉化することができる。
【0084】深絞り缶の場合、下記数式(1) 式中、Dは剪断したラミネート材の径であり、dはポン
チ径である、 で定義される絞り比RD は一段では1.1乃至3.0の
範囲、トータルでは1.5乃至5.0の範囲にあるのが
よい。
【0085】また再絞り或いは曲げ伸ばし再絞りの後方
にしごきダイスを配置して、側壁部に対して、下記数式
(2) 式中、tB は素板厚であり、tW は側壁部の厚みである で定義されるしごき率RI が5乃至70%、特に18乃
至55%の厚みになるようにしごきで薄肉化することも
できる。
【0086】絞り成形等に際して、被覆金属板或は更に
カップに、各種滑剤、例えば流動パラフィン、合成パラ
フィン、食用油、水添食用油、パーム油、各種天然ワッ
クス、ポリエチレンワックスを塗布して成形を行うのが
よい。滑剤の塗布量は、その種類によっても相違する
が、一般に0.1乃至10mg/dm2 、特に0.2乃至5
mg/dm2 の範囲内にあるのがよく、滑剤の塗布は、これ
を溶融状態で表面にスプレー塗布することにより行われ
る。
【0087】カップへの絞り成形性を向上させるため、
樹脂被覆絞りカップの温度を被覆樹脂のガラス転移点
(Tg)以上、特に熱結晶化温度以下の範囲に予め設定
加熱して、樹脂被覆層の塑性流動を容易にした状態で成
形することが有利である。
【0088】成形後の内面側有機被覆金属製カップは、
カップ開口部の耳の部分を切断する、所謂トリミングを
行った後、印刷工程に付する。このトリミング処理に先
立って、成形後のカップを被覆樹脂のガラス転移点(T
g)以上で融点よりも低い温度に加熱して、被覆樹脂の
歪みを緩和しておくことができる。この操作は、熱可塑
性樹脂の場合特に被覆と金属との密着性を高めるために
有効である。
【0089】[紫外線硬化性樹脂トナー]本発明では、
粉体トナーとして、紫外線硬化性樹脂を含有するものを
使用する。紫外線硬化性樹脂には、大別してカチオン硬
化型のものとラジカル硬化型のものがあるが、粉体トナ
ーとして用いるためには、何れも固体であるものでなけ
ればならない。これらの紫外線硬化性樹脂は、粉体トナ
ーとしての耐熱性や流動性の点からは60℃以上の融点
乃至軟化点を有するのが好ましく、一方容器の熱変形を
防止し、定着を容易に行うという見地からは180℃以
下の融点乃至軟化点を有するのが好ましい。
【0090】紫外線カチオン重合型樹脂組成物として
は、固体エポキシ樹脂と光カチオン重合触媒の組み合わ
せが使用される。
【0091】固体エポキシ樹脂としては、好適な一例と
して、ビスフェノール類とエピハロヒドリンとから誘導
されたエポキシ樹脂が使用される。ビスフェノール類と
しては、ビスフェノールAが一般的であるが、ビスフェ
ノールFやビスフェノールBも単独或いは組み合わせで
使用される。
【0092】固体エポキシ樹脂の他の例として、分子末
端に脂環族基を有し且つ脂環基の隣接炭素原子がオキシ
ラン環を形成している固体エポキシ樹脂を用いることが
できる。このタイプのエポキシ樹脂は、紫外線硬化性に
特に優れている。この末端脂環族型のエポキシ樹脂は、
単独で或いはビスフェノール型エポキシ樹脂との組み合
わせで本発明の目的に使用される。このようなエポキシ
樹脂成分の適当な例は、これに限定されないが、ビニル
シクロヘキセンジエポキシド、ビニルシクロヘキセンモ
ノエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル
−3,4−エポキシシクロヘキサン・カーボキシレー
ト、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−
スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−ジオ
キサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジ
ペート等であり、これらのエポキシ樹脂成分と前述した
ビスフェノール類とをそれ自体公知の手段で重付加させ
ることにより、上記固体エポキシ樹脂が得られる。
【0093】エポキシ樹脂をトナー化するという目的に
は、用いるエポキシ樹脂は、900以上の数平均分子量
を有するべきであり、1000乃至3000の数平均分
子量を有することが好ましい。また、紫外線硬化性の点
では、用いるエポキシ樹脂のエポキシ当量は2200以
下であるべきであり、300乃至1200のエポキシ当
量を有することが好ましい。
【0094】上記エポキシ樹脂と組み合わせで用いるカ
チオン性紫外線重合開始剤とは、紫外線によって分解
し、ルイス酸を放出し、このルイス酸がエポキシ基を重
合する作用を有するものであり、その例として、芳香族
ヨードニウム塩、芳香族スルフォニウム塩、芳香族セレ
ニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩等が挙げられる。
【0095】ジアリルヨードニウム塩としては、例え
ば、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート、ジフェニルヨードニウムヘキサオロホスフェー
ト、4−クロルフェニルヨードニウムテトラフルオロボ
レート、ジ(4−メトキシフェニル)ヨードニウムクロ
ライド、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウ
ム等が挙げられる。
【0096】トリアリールスルホニウム塩としては、例
えば、トリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレー
ト、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェ
ート、p−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホ
ニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルス
ルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−クロル
フェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフ
ェート等が挙げられる。
【0097】トリアリールセレニウム塩としては、例え
ば、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロホスフェー
ト、トリフェニルセレニウムヘキサフルオロアンチモネ
ート等が挙げられる。
【0098】その他のカチオン重合開始剤として、
(2,4−シクロペンタジェン−1−イル)[(1−メ
トキシチエチル)−ベンゼン]−アイロン−ヘキサフル
オロホスフェート、ジフェニルスルホニウムヘキサフル
ロアンチモネート、ジアルキルフェニルスルホニウムヘ
キサフルオロアンチモネート、ジアルキルフェニルスル
ホニウムヘキサフルオロホスフェート、4,4’−ビス
[ジ(βヒドロキシエトキシ)フェニルスルフォニオ]
フェニルスルフィド−ビス−ヘキサフルオロアンチモー
ネート、4,4-ビス[ジ(βヒドロキシエトキシ)フ
ェニルスルフォニオ]フェニルスルフィド−ビス−ヘキ
サフルオロホスフェード等が挙げられる。
【0099】このカチオン硬化型樹脂組成物には、それ
自体公知の増感剤等を含有させることができ、増感剤と
しては、チオキサントン誘導体、例えば2,4−ジエチ
ルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサン
トンが挙げられる。また、架橋剤としては、種々のポリ
オール類、例えばε−カプロラクトントリオール等を含
有させることもできる。
【0100】カチオン硬化型樹脂組成物の処方の適当な
例は、これに限定されないが、エポキシ樹脂100重量
部当たり、カチオン性紫外線重合開始剤0.1乃至20
重量部、特に0.5乃至15重量部、変性用エポキシ樹
脂0乃至50重量部、特に0乃至45重量部、増感剤0
乃至20重量部、特に0.5乃至10重量部及び架橋剤
0乃至50重量部、特に0乃至45重量部からなるもの
である。
【0101】紫外線ラジカル重合型樹脂組成物として
は、紫外線硬化性プレポリマーと光重合触媒の組み合わ
せが使用される。
【0102】紫外線硬化性ポリマーとしては、分子内に
複数のエチレン系不飽和基を有するポリマー或いはそれ
らの混合物が使用される。その適当な例はエポキシアク
リレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエステ
ルアクリレート樹脂等である。
【0103】エポキシアクリレート樹脂としては、前記
したビスフェノール型エポキシ樹脂とエチレン系不飽和
カルボン酸、例えばアクリル酸、メタアクリル酸との付
加物、或いはこの付加物とエチレン系不飽和多価カルボ
ン酸無水物、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸等
との反応物等が使用される。
【0104】ウレタンアクリレート樹脂としては、イソ
シアネート末端ポリエステル或いはイソシアネート末端
ポリオールと官能基含有アクリル単量体、例えばアクリ
ル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート等とを反応させて得られたウレタンアクリレート
樹脂が使用される。
【0105】光ラジカル重合開始剤の代表的なものとし
ては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル
等のベンゾイン及びそのアルキルエーテル類;アセトフ
ェノン、2,2-ジメトキシ−2−フェニルアセトフェ
ノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノ
ン、1,1−ジクロロアセトフェノン、1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパン−
1−オン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキ
ノン、2−アミルアントラキノン等のアントラキノン
類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチ
ルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4
−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン
類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチ
ルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾ
フェノン類またはキサントン類、2,4,6−トリメチ
ルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス
(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリ
−メチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルホス
フィンオキサイド類等がある。
【0106】かかる光重合開始剤は、安息香酸系又は第
三級アミン系など公知慣用の光重合促進剤の1種あるい
は2種以上と組み合わせて用いることが出来る。
【0107】ラジカル硬化性樹脂組成物において、光重
合開始剤はラジカル紫外線硬化性樹脂100 重量部に対し
て0.1〜30重量部、好ましくは1〜25重量部とな
る割合で用いるのが好ましい。
【0108】本発明に用いる粉体トナーは、上記紫外線
硬化性樹脂に着色料、電荷制御剤、その他のトナー用配
合剤を配合して成る。
【0109】着色料としては、この分野で従来より使用
されている公知のものが使用される。着色剤は、ブラッ
ク、イエロー、シアン、マゼンタの顔料に大別され、ト
ナーの用途に応じて、適したものが使用される。また、
これらの着色剤は、前記紫外線硬化性樹脂に対して、1
重量%乃至20重量%の範囲で含有させることが望まし
い。
【0110】具体的な着色剤は、決してこれに限定され
ないが、例として、次のものが使用される。白黒画像形
成用或いはフルカラーのブラックトナー用には、ブラッ
ク系着色剤、カーボンブラック、ランプブラック、アニ
リンブラック等を挙げることができる。例えば、マゼン
タ系着色剤としては、C.I.ピグメントレッド81、C.I.
ピグメントレッド122 、C.I.ピグメントレッド57、C.
I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベンレッド19、C.
I.ソルベントレッド52、C.I.ベシック(Basic) レッド
10、C.I.ディスパーズ(Disperse)レッド15、等が挙
げられる。また、シアン系着色剤としては、C.I.ピグメ
ントグル15、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ソルベ
ントブルー25、C.I.ソルベントブルー55、C.I.ソル
ベントブルー70、C.I.ダイレクトブルー86、C.I.ダ
イレクトブルー25、等が挙げられる。更に、イエロー
系着色剤としては、C.I.ピグメントイエロー17、C.I.
ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー1、
C.I.ピグメントイエロー97、C.I.ピグメントイエロー
138、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメント
イエロー73、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ソル
ベントイエロー29、C.I.ソルベントイエロー162、
C.I.ソルベントイエロー93等が挙げられる。
【0111】本発明で用いるトナーには、トナーの帯電
を制御するための正または負の電荷制御剤を含有させる
ことができる。電荷制御剤としては、それ自体公知の任
意の電荷制御剤、例えば、ニグロシンベース(CI 5041
5) 、オイルブラック(CI 26150)、スピロンブラック等
の油溶性染料、ナフテン酸金属塩、金属石鹸、含金属ア
ゾ染料、ピリミジン化合物、アルキルサルチル酸の金属
キレートが使用される。これらの電荷制御剤は紫外線硬
化性樹脂に対して0.1 乃至10重量%の範囲で含有させ
るのが望ましい。
【0112】一成分磁性現像剤の場合、トナー粒子中に
磁性材料の粉体を含有させる。磁性粉としては、四三酸
化鉄や各種フェライト等を挙げることができ、これら磁
性粉は、樹脂と磁性粉との合計量基準で、35乃至75
重量%、特に好ましくは45乃至65重量%使用するこ
とができる。
【0113】上記成分によって形成されるトナーは、そ
の粒子の粒径がコールターカウンターで測定した体積基
準メジアン径で5乃至20μm、特に8乃至15μmの
範囲にあるのがよく、また粒子形状は溶融混練・粉砕で
製造された不定形のものでも、また分散乃至懸濁重合法
で製造された球状のものでもよい。
【0114】また、形成されるトナー粒子の表面には、
疎水性シリカ、疎水性アルミナ、疎水性チタニア等から
なる微粒子流動性向上剤をまぶして、その流動性を向上
させてもよい。このような流動性向上剤は、トナー当た
り0.1乃至2重量%の量で用いるのがよい。
【0115】[現像]紫外線硬化性樹脂トナーは、一成
分系の磁性或いは非磁性トナーとして用いることもでき
るし、或いは磁性或いは非磁性キャリアーとの混合物
(二成分系現像剤)の形で、静電像の現像に使用するこ
とができる。
【0116】二成分系現像剤の場合、磁性キャリアーと
しては、四三酸化鉄、フェライト、鉄粉等のそれ自体公
知のものが使用される。特にフェライト系の磁性キャリ
ヤが好適である。用いるキャリヤは、無コートキャリヤ
でもよく、また、それ自体公知の樹脂、例えば、シリコ
ーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等
でコートされた樹脂コートキャリヤであってもよい。
【0117】非磁性キャリアーとしては、ガラスビーヅ
等のそれ自体公知の非磁性キャリアーが使用される。
【0118】キャリアーの粒径は、一般に30乃至30
0μmの範囲にあるものがよい。また、キャリアーとト
ナーとの混合比は、トナー濃度が2乃至15重量%の範
囲にあるのがよい。
【0119】現像に際して、トナーを、感光体上の静電
潜像と逆極性の電荷に帯電させる。二成分系現像剤の場
合、トナーとキャリアーとを混合することにより、容易
に帯電が行われる。また、一成分系磁性現像剤の場合、
トナー粒子相互或いはトナー粒子と現像容器或いは感光
体との摩擦により帯電が行われる。更に、一成分系非磁
性現像剤の場合、トナー粒子を基体上に塗布し、コロナ
チャージに付することにより、トナー粒子の帯電が行わ
れる。
【0120】トナー粒子を、静電潜像が形成された感光
体と接触させることにより、感光体上にトナー像を形成
させる。磁性現像剤では、現像スリーブ上に、磁気ブラ
シを形成させ、この磁気ブラシを感光体と摺刷させるこ
とにより、容易に現像が行われる。また、非磁性現像剤
では、現像ロール上に、トナー或いはトナー保持キャリ
アーの層を形成させ、この層を感光体と接触させること
により、容易に現像が行われる。
【0121】[トナーの転写]感光体上のトナー像を転
写させるに先立って、樹脂被覆容器乃至容器形成素材の
表面を、例えばコロナチャージャにより、静電潜像と同
極性でしかもこれよりも高電位に帯電させる。一般に感
光体上の静電潜像の絶対値は、500乃至1300ボル
トのオーダーであり、樹脂被覆容器乃至容器形成素材の
表面の電位は絶対値で1000乃至3000ボルトの範
囲にあるのがよい。この帯電した樹脂被覆容器乃至容器
形成素材等を、トナー像を有する感光体表面と接触させ
ることにより、樹脂被覆容器乃至容器形成素材の表面上
に、トナー像を形成させることができる。
【0122】[トナーの定着]本発明においては、粉体
トナー像が転写された樹脂被覆容器乃至容器形成素材を
加熱して、紫外線硬化性樹脂を軟化乃至溶融させ、この
状態において紫外線を照射し、硬化された印刷像を形成
する。
【0123】この際、粉体トナーの軟化乃至溶融のため
の加熱が必要であるので、用いる樹脂被覆容器乃至容器
形成素材とトナー中の紫外線硬化性樹脂との組み合わせ
に関しては、即ち、紫外線硬化性樹脂は、用いる樹脂被
覆容器乃至容器形成素材の構成樹脂の内最も融点乃至軟
化点の低いものの融点乃至軟化点よりも低い融点乃至軟
化点を有するべきである。尚、樹脂被覆容器乃至容器形
成素材の構成樹脂の内最も融点乃至軟化点の低いものの
融点乃至軟化点とは、当然のことながら、印刷時点を基
準としたものである。
【0124】紫外線硬化性樹脂の融点乃至軟化点が、樹
脂被覆容器乃至容器形成素材の構成樹脂の内最も融点乃
至軟化点の低いものの融点乃至軟化点よりも高い場合に
は、樹脂被覆容器乃至容器形成素材の熱変形や性能低下
がもたらされるので好ましくない。
【0125】また、紫外線硬化性樹脂を軟化乃至溶融さ
せるための加熱においても、樹脂被覆容器乃至容器形成
素材の外表面の粉体トナー像を、紫外線硬化性樹脂の融
点乃至軟化点以上で、且つ樹脂被覆容器乃至容器形成素
材の構成樹脂の内最も融点乃至軟化点の低いものの熱変
形温度よりも低い温度に加熱すべきである。
【0126】本発明では、トナー像の軟化乃至溶融は、
トナー像が転写された樹脂被覆容器乃至容器形成素材の
表面に、赤外線、近赤外線、遠赤外線或いはこれらの混
合輻射線を照射することにより行う。赤外線源として
は、ハロゲンランプや、セラミックヒーター等の赤外線
輻射体が使用される。
【0127】場合によっては、熱風を利用することによ
り、又はトナー表面をヒーターロール等と接触させるこ
とにより、トナーの加熱を行うこともでき、また、これ
ら方法による予備加熱と、赤外線加熱とを組み合わせで
行うこともできる。
【0128】軟化乃至溶融されたトナーの硬化に使用す
る紫外線としては、近紫外領域をも含めて、一般に波長
200乃至440nm、特に240乃至420nmの光
線が使用される。紫外光源としては、ハライドランプ、
高圧水銀灯、低圧水銀灯等が使用される。印刷層の厚み
は著しく小さいので、硬化に要するエネルギーはかなり
少なくてすむことが利点であり、一般に10キロ乃至2
0キロジュール/m2等のエネルギーで十分である。
【0129】照射時間は1乃至10sec、特に5乃至
7sec程度の短時間で十分であるが、照射後この状態
で、トナーの内部まで硬化が進行するように、前記温度
で若干の時間保持させることが完全な定着を得る上で好
ましい。
【0130】印刷容器が最終容器の形状である場合に
は、印刷後の容器を最終包装容器として使用できるが、
樹脂被覆金属缶である場合には、ネックイン加工、フラ
ンジ加工との後加工を印刷後の缶に対して行うことがで
きる。また、印刷プラスチックパウチである場合には、
このパウチを裁断、ヒートシール等で製袋し、パウチの
形で包装用に用いることができる。また、印刷プラスチ
ックフィルムを、印刷面が裏側となるように他の材料と
積層して、パウチの製造に用いることもできる。
【0131】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0132】<トナーの調製>トナーA 使用樹脂にはエピコート#1003(油化シェルエポキ
シ社製エポキシ樹脂)87重量部を用い,着色剤として
トーカブラック#7100F(東海カーボン社製)7重
量部,電荷制御剤としてボントロンEー84(オリエン
ト化学工業社製)2重量部,光開始剤としてUVI-6990
(ユニオンカーバイド社製)を4重量部を加え,ヘンシ
ェルミキサにより予備混合を行った後,オープンロール
連続押出機により溶融混練し、トナー塊を得た。トナー
塊を冷却後、ピンミルにより粗粉砕し粒径1mm以下の
粗トナーとした。さらにこの粗トナーをジェットミルに
より微粉砕して得たトナーを気流分級機により分級し,
粒径8.6μmの分級トナーを得た。この分級トナーに
超微粒子シリカ R972(日本アエロジル社製)をト
ナー100重量部に対して0.3重量部加え,ヘンシェ
ルミキサにて混合することでトナー表面に付着させて粉
体流動性向上の処理を行った。さらに振動ふるいにて粗
大粉を除去してトナーAを得た。このトナーの軟化点は
90℃であった。なお,軟化点の測定は高化式フローテス
タにより,ノズル1.0mmφ×10mmL,荷重10kgf
の条件で溶融流れ試験を行い,見かけ粘度が105ポアズ
となる温度を軟化温度として求めた。以降,特に断りの
ない限り上記トナーAの組成及び製造方法に準じ,下記
のトナーを調製した。
【0133】トナーB 使用樹脂にエピコート#1004(油化シェルエポキシ
社製エポキシ樹脂)13重量部,エピコート#1009
(油化シェルエポキシ社製エポキシ樹脂)77重量部を
用い,粒径10.5μmのトナーBを得た。このトナー
の軟化点は138℃であった。
【0134】トナーC 使用樹脂には,リポキシVRー60(昭和高分子社製感
光性エポキシアクリレート樹脂)を83重量部,光重合
開始剤としてベンゾフェノン7重量部,着色剤としてト
ーカブラック#7100F(東海カーボン社製)8重量
部,電荷制御剤としてボントロンEー84(オリエント
化学工業社製)2重量部を用いて,粒径9.6μmのト
ナーCを得た。このトナーの軟化点は82℃であった。
【0135】トナーD 使用樹脂にはエピコート#1004(油化シェルエポキ
シ社製エポキシ樹脂)86重量部を用い,着色剤として
トーカブラック#7100F(東海カーボン社製)7重
量部,電荷制御剤としてボントロンEー84(オリエン
ト化学工業社製)2重量部,硬化剤としてエピキュアD
X147(油化シェルエポキシ社製)を5重量部を加え
たものを原材料として,トナーAの製造法に準じて調製
し,粒径8.6μmの熱硬化性トナーDを得た。このト
ナーの軟化点は95℃であった。
【0136】トナーE 使用樹脂には,エピコート#1004(油化シェルエポ
キシ社製エポキシ樹脂)32重量部,エピコート#10
09(油化シェルエポキシ社製エポキシ樹脂)58重量
部を用い,着色剤としてトーカブラック#7100F
(東海カーボン社製)7重量部,電荷制御剤としてボン
トロンEー84(オリエント化学工業社製)2重量部を
加えたものを原材料として,トナーAの製造法に準じて
調製し,粒径9.4μmの熱可塑性トナーEを得た。こ
のトナーの軟化点は128℃であった。
【0137】トナーF 使用樹脂のエピコート#1003(油化シェルエポキシ
社製エポキシ樹脂)を89重量部とし,着色剤としてNo
voperm Yellow HR-01 (ヘキストインダストリー社製)
を5重量部とした以外はトナーAの製造法に準じて調製
し,粒径8.7μmのイエロートナーFを得た。このト
ナーの軟化点は86℃であった。
【0138】トナーG 使用樹脂のエピコート#1003(油化シェルエポキシ
社製エポキシ樹脂)を89重量部とし,着色剤としてNo
voperm Carmine HF4C(ヘキストインダストリー社製)
を5重量部とした以外はトナーAの製造法に準じて調製
し,粒径8.8μmのマゼンタートナーGを得た。この
トナーの軟化点は88℃であった。
【0139】トナーH 使用樹脂のエピコート#1003(油化シェルエポキシ
社製エポキシ樹脂)を89重量部とし,着色剤としてLI
ONOL BLUE FG7330(東洋インキ製造社製)を5重量部と
した以外はトナーAの製造法に準じて調製し,粒径8.
9μmのマゼンタートナーHを得た。このトナーの軟化
点は89℃であった。
【0140】実施例1 本発明による印刷方法の一実施例について述べる。図1
に示す印刷装置を用いて印刷を行った。印刷対象には,
下記の方法で得られたプラスチック容器(以後パウチと
呼ぶ)を用いた。この容器は厚さ7mmのアルミ箔の各
々の面に,厚さ12μmのポリエチレンテレフタレート
フィルム(軟化点:180℃)と厚さ70μmのポリプロ
ピレンフィルム(軟化点:140℃)をウレタン系接着剤
を用いてラミネートして得られる3層の積層体から130m
m×170mmの矩形片を2片切り取り,前記ポリプロピレン
層が内側になるように相対向させ,3方の周辺部をヒー
トシーラーによりシールすることにより得られたもので
ある。なお,容器材料の軟化点測定はASTM-D1525-82の
方法に準じて測定した。以降,容器材料の軟化点の測定
方法は上記方法に準じた値とする。このパウチを容器供
給機構により印刷機に供給した。印刷画像データを,コ
ンピュータ内のメモリーに保存しておき,露光現像ユニ
ット内にある露光制御回路に送り,半導体レーザにより
感光ドラム上に露光した。感光ドラムを予め均一に帯電
しておき,画像データに応じたレーザ光の点滅により感
光ドラム上に静電潜像を形成した。この静電潜像に,ト
ナーAを使用して現像機構において静電気的に付着させ
た後にパウチにトナー画像を転写した。次に,転写した
トナー画像の定着処理を行った。定着ユニットには,ト
ナーの吸収波長に合致した2kWのハロゲンランプ及び
紫外線ランプ(ランプ入力160w/cmのメタルハライド
ランプ)から構成されるものを使用した。トナー像が転
写されたパウチを定着ユニット中に導入し,まず上記ハ
ロゲンランプにてトナーを加熱温度100℃にて溶融さ
せ,そのまま冷却させずに上記紫外線ランプにて紫外線
を照射し,トナーを硬化させた後,定着ユニットから取
り出し,パウチへの印刷物を得た。以上の印刷ライン速
度は11m/分で実施した。
【0141】得られたパウチへの印刷画像は,セロテー
プ剥離試験において剥がれることはなく,良好な皮膜物
性を示した。さらに,印刷されたパウチに内容品を充填
した後,125℃30分間のレトルト加熱殺菌処理を施して
も,印刷画像の画質に劣化はなく,また,セロテープ剥
離試験において剥がれることはなく良好な加熱殺菌耐性
を示した。
【0142】実施例2 トナーとしてトナーCを用いた以外は実施例1と同様に
してパウチへの印刷を行った。実施例1と同様に得られ
たパウチへの印刷画像は,セロテープ剥離試験において
剥がれることはなく,良好な皮膜物性を示した。さら
に,印刷されたパウチに内容品を充填した後,125℃30
分間のレトルト加熱殺菌処理を施しても,印刷画像に劣
化はなく,良好な加熱殺菌耐性を示した。
【0143】実施例3 印刷対象として下記の方法で得られたプラスチック容器
を用いた場合の印刷例を述べる。プラスチック容器(以
後バッグと呼ぶ)は,公知のブロー成形によって製造し
た低密度ポリエチレン製容器(平均厚み400μm,軟化
点:107℃)であり,印刷前にトナーとの密着性を高め
るためにコロナ処理装置により表面処理を行った。表面
処理条件は出力周波数33kHz,出力電圧1kW,バッ
グの移動線速度11m/分で行った。JIS6768の
測定方法により表面張力は31dyn/cmから45d
yn/cmへと変化した。この表面処理を施されたバッ
グを用いた以外は,実施例1と同じトナー及び工程にて
印刷を行った。得られたバッグへの印刷画像は,セロテ
ープ剥離試験において剥がれることはなく,良好な皮膜
物性を示した。さらに,印刷されたバッグに内容品を充
填した後,105℃30分間のレトルト加熱殺菌処理を施し
ても,印刷画像の画質に劣化はなく,また,セロテープ
剥離試験において剥がれることはなく良好な加熱殺菌耐
性を示した。
【0144】実施例4.印刷対象として金属容器(以後
金属缶と呼ぶ)への印刷例を述べる。素板厚0.18mm,調
質度DRー9のティンフリースチール板(表面処理被覆
量として金属クロム量120mg/m2,クロム酸化物量15
mg/m2とした)の缶内面になる側に厚さ20μmの2
軸延伸ポリエチレンテレフタラート/イソフタレート共
重合フィルム(軟化点:190℃)を,一方缶外面になる
側に酸化チタンを20重量%含有する厚さ15μmの2軸
延伸ポリエチレンテレフタラート/イソフタレート共重
合フィルム(軟化点:190℃)を融点で両面同時に熱接
着し,直ちに水冷することにより有機被覆金属板を得
た。この有機被覆金属板にグラマーワックスを均一に塗
布した後,直径160mmの円板に打ち抜き,常法に従
って浅絞りカップを成形した。この絞り工程における絞
り比は1.59である。
【0145】次いで,第1次,第2次再絞り加工を行
い,薄肉化深絞りカップを得た。再絞り工程の成形条件
及び再絞り成形された深絞りカップの諸特性を以下に示
す。 第1次再絞り比1.23 第2次再絞り比1.24 再絞りダイス作用コーナー部曲率半径0.30mm 再絞りダイス保持コーナー部曲率半径1.0mm カップ径66mm カップ高さ130mm 側壁厚み変化率-40% この後,常法に従ってドーミング成形を行った後,前記
深絞りカップを215℃で1分間熱処理し,フィルムの加
工歪みを取り除くとともに,潤滑剤を揮発させた。次い
で開口端部の縁切りを行ったものを搬送し,印刷機(図
2)に供給した。
【0146】この印刷機における電子写真ユニット2Y,
2M,2C,2Bにて、各々コンピュータ内のメモリーに保存
しておいた印刷画像データを,露光制御回路に送り,半
導体レーザにより感光ドラム上に露光した。感光ドラム
は予め均一に帯電しておき,画像データに応じたレーザ
光の点滅により感光ドラム上に静電潜像を形成した。各
電子写真ユニットごとに送られた色分解されたプロセス
カラーの画像データに基づき,電子写真ユニット2Yでは
イエロー,電子写真ユニット2Mではマゼンタ,電子写真
ユニット2Cではシアン,電子写真ユニット2Bではブラッ
クの静電潜像を形成した。それらの静電潜像に対して,
電子写真ユニット2YではトナーF,電子写真ユニット2M
ではトナーG,電子写真ユニット2CではトナーH,電子
写真ユニット2BではトナーAを使用し,現像機構におい
て静電気的に付着させた。次いで各電子写真ユニットに
おいて現像されたトナーを,中間転写体の同じ位置に電
子写真ユニット2Y,2M,2C,2Bの順序で転写して4色の
重ねた粉像を形成した後,金属缶に静電気力により転写
した。さらに実施例1と同様の定着ユニット中に導入
し,トナーを定着させた。印刷された缶は,曲面塗装ラ
インに導入し,アクリルアミノ系水性熱硬化型仕上げワ
ニスを乾燥塗膜量が150 mg/缶になるように外面側側
壁部全面に塗装した後,205℃-30秒間の焼付を行った。
次いで,66mmの開口部端部を57mmまでロールネッ
ク方式により縮径し,フランジ加工を行って,外面側壁
部の面積が235cm2 である350ml用の薄肉化シームレ
ス缶とした。
【0147】上記の工程で得られた金属缶への印刷物と
下地との密着性は良好で,セロテープ剥離による剥がれ
はなかった。さらに,125℃30分間のレトルト加熱殺菌
処理を施しても,印刷画像の画質に劣化はなく,また,
セロテープ剥離試験において剥がれることはなく良好な
加熱殺菌耐性を示した。
【0148】実施例5 ウェブとして、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム(軟化点:180℃)を用い、ウェブ供給装
置によって印刷機(図3)に供給した。印刷画像データ
を,コンピュータ内のメモリーに保存しておき,露光現
像ユニット内にある露光制御回路に送り,半導体レーザ
により感光ドラム上に露光した。感光ドラムを予め均一
に帯電しておき,画像データに応じたレーザ光の点滅に
より感光ドラム上に静電潜像を形成した。この静電潜像
に,トナーAを使用して現像機構において静電気的に付
着させた後,バイアスロールに、2000Vの直流電圧
を印加して、ウェブに印加電圧に対応した表面電位を生
じさせ、感光ドラム上に形成されたトナー粒子画像を、
ウェブ表面に転写した。次に,転写したトナー画像の定
着処理を行った。定着ユニットには,トナーの吸収波長
に合致した2kWのハロゲンランプ及び紫外線ランプ
(ランプ入力160w/cmのメタルハライドランプ)から
構成されるものを使用した。トナー像が転写されたウェ
ブを定着ユニット中に導入し,まず上記ハロゲンランプ
にてトナーを加熱温度100℃にて溶融させ,そのまま冷
却させずに上記紫外線ランプにて紫外線を照射し,トナ
ーを硬化させた後,定着ユニットから取り出し,フィル
ムへの印刷物を得た。印刷が施されたフィルムは、ウェ
ブ巻取り装置によって巻き取り、印刷機から取り出し
た。以上の印刷ライン速度は11m/分で実施した。
【0149】次いで,厚さ7μmのアルミ箔の片面に上
記の手順で得られた印刷ウェブの印刷面側を,もう片面
に厚さ70μmのポリプロピレンフィルム(軟化点:14
0℃)を各々ウレタン系接着剤を用いていラミネートす
ることで3層の積層体とした後,130mm*170m
mの大きさの矩形片を2片切り取り、ポリプロピレン層
が内側となるように相対向させ、3方の周辺部をヒート
シーラーによりシールすることにより印刷プラスチック
成形体(パウチ)を得た。
【0150】得られたウェブ及びパウチへの印刷画像
は,セロテープ剥離試験において剥がれることはなく,
良好な皮膜物性を示した。さらに,印刷されたパウチに
内容品を充填した後,125℃30分間のレトルト加熱殺菌
処理を施しても,印刷画像の画質に劣化はなく,また,
セロテープ剥離試験において剥がれることはなく良好な
加熱殺菌耐性を示した。
【0151】比較例1 トナーへの加熱を行わなかったこと以外は実施例1と同
様にしてパウチへの印刷を行った。得られたパウチへの
印刷画像は,セロテープ剥離試験において剥がれ,良好
な密着力のある印刷膜は得られなかった。さらに,印刷
されたパウチに内容品を充填した後,125℃30分間のレ
トルト加熱殺菌処理を施すと,印刷画像の外観において
斑点状の劣化が見られ,またセロテープ剥離試験におい
て剥がれ,良好な加熱殺菌耐性は得られなかった。
【0152】比較例2 トナーとしてトナーBを用い,トナーの加熱温度を14
0℃としたこと以外は実施例1と同様にしてパウチへの
印刷を行った。その結果,トナーの加熱溶融時にパウチ
の内面材が溶融接着し,容器としての機能を損なうこと
となり,良好な印刷物は得られなかった。
【0153】比較例3 トナーへの加熱温度を85℃としたこと以外は実施例1
と同様にしてパウチへの印刷を行った。得られたパウチ
への印刷画像は,セロテープ剥離試験において剥がれ,
良好な密着力のある印刷膜は得られなかった。さらに,
印刷されたパウチに内容品を充填した後,125℃30分間
のレトルト加熱殺菌処理を施すと,印刷画像の外観にお
いて斑点状の劣化が見られ,またセロテープ剥離試験に
おいて剥がれ,好な加熱殺菌耐性は得られなかった。
【0154】比較例4 トナーとしてトナーDを用い,トナーへの加熱温度を1
35℃とし,紫外線の照射を行わなかったこと以外は実
施例1と同様にしてパウチへの印刷を行った。得られた
パウチへの印刷画像は,セロテープ剥離試験において剥
がれ,良好な密着力のある印刷膜は得られなかった。さ
らに,印刷されたパウチに内容品を充填した後,125℃3
0分間のレトルト加熱殺菌処理を施すと,印刷画像の外
観において斑点状の劣化が見られ,またセロテープ剥離
試験において剥がれ,良好な加熱殺菌耐性は得られなか
った。
【0155】比較例5 トナーとしてトナーEを用い,トナーへの加熱温度を1
35℃とし,紫外線の照射を行わなかったこと以外は実
施例1と同様にしてパウチへの印刷を行った。得られた
パウチへの印刷画像は,セロテープ剥離試験において剥
がれ,良好な密着力のある印刷膜は得られなかった。さ
らに,印刷されたパウチに内容品を充填した後,125℃3
0分間のレトルト加熱殺菌処理を施すと,印刷画像の外
観において斑点状の劣化が見られ,またセロテープ剥離
試験において剥がれ,良好な加熱殺菌耐性は得られなか
った。
【0156】以上の実施例及び比較例の結果を,表1に
示した。
【0157】
【表1】 表中の記号の意味は,○:良好,×:悪い である。
【0158】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも外表面が樹
脂で形成された容器乃至容器形成素材の外表面に、電子
写真法により粉体トナー像を形成するが、この粉体トナ
ーとして紫外線硬化性樹脂の粉体トナーを用いること及
び粉体トナーの定着を紫外線硬化性樹脂が軟化乃至溶融
している状態において紫外線を照射して、硬化された印
刷像を形成させることにより、包装容器表面に、密着性
に優れ、しかも耐性、特に耐レトルト性、耐剥離性、耐
熱性、耐磨耗性に優れた印刷像を形成することができ
る。
【0159】また、印刷用データから、印刷用版を作成
することなしに、手軽に、電子写真法により、包装容器
表面に印刷像を形成することができ、樹脂被覆容器乃至
容器形成素材の熱変形や性能低下をも回避できるという
利点があり、更にインクを用いる場合のような溶剤等の
揮散もなく、環境保全にもかなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷方法を実施するための電子写真印
刷装置の一例を示す側面配置図である。
【図2】本発明の印刷方法を実施するための電子写真印
刷装置の他の例(フルカラー印刷)を示す側面配置図で
ある。
【図3】本発明の印刷方法を実施するための電子写真印
刷装置の更に他の例(プラスチックウエッブへの印刷)
を示す側面配置図である。
【符号の説明】
1 画像出力用コンピュータ 2 電子写真ユニット 2Y 電子写真ユニット(イエロー) 2M 電子写真ユニット(マゼンタ) 2C 電子写真ユニット(シアン) 2B 電子写真ユニット(ブラック) 3 露光制御回路 4 コロナチャージャー 5 感光ドラム 6 現像機構 7 除電機構 8 容器 8a 容器形成素材 9 容器供給機構 10 転写ドラム 11 定着ユニット支持座 12 赤外線ランプ 13 紫外線ランプ 14 コロナ放電処理装置ウェブ 15 支持座 16 容器搬送機構 17 バイアスロール 18 ウェブ送り機構 19 ウェブ巻き取り装置 20 テンションロール

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも外表面が樹脂で形成された容
    器乃至容器形成素材の外表面に、電子写真法により紫外
    線硬化性樹脂の粉体トナー像を形成し、粉体トナーの紫
    外線硬化性樹脂が軟化乃至溶融している状態において紫
    外線を照射し、硬化された印刷像を形成させることを特
    徴とする容器への印刷方法。
  2. 【請求項2】 紫外線硬化性樹脂が、容器乃至容器形成
    素材の構成樹脂の内最も融点乃至軟化点の低いものの融
    点乃至軟化点よりも低い融点乃至軟化点を有するもので
    ある請求項1記載の印刷方法。
  3. 【請求項3】 容器乃至容器形成素材の外表面の粉体ト
    ナー像を紫外線硬化樹脂の融点乃至軟化点以上で、容器
    乃至容器形成素材の構成樹脂の内最も融点乃至軟化点の
    低いものの熱変形温度よりも低い温度に加熱して、紫外
    線照射を行う請求項1または2記載の印刷方法。
  4. 【請求項4】 紫外線硬化性樹脂がカチオン系開始剤と
    エポキシ基を有する樹脂との組成物から成る請求項1乃
    至3の何れかに記載の印刷方法。
  5. 【請求項5】 容器がプラスチック或いはその積層体の
    3次元状成形体である請求項1乃至4の何れかに記載の
    印刷方法。
  6. 【請求項6】 容器がプラスチック或いはその積層体の
    パウチである請求項1乃至4の何れかに記載の印刷方
    法。
  7. 【請求項7】 容器形成素材がパウチ形成用のフィルム
    或いは積層体である1乃至4の何れかに記載の印刷方
    法。
  8. 【請求項8】 容器が樹脂被覆金属缶体である請求項1
    乃至4の何れかに記載の印刷方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010184470A (ja) * 2009-02-13 2010-08-26 Casio Electronics Co Ltd ラベル作製方法、ラベル作製装置、及びラベル用トナー
US20120258228A1 (en) * 2009-10-22 2012-10-11 Sig Technology Ag Process for producing autoclaved foodstuffs in a container formed from a flat composite having a colored cross-linked outer polymer layer obtainable by means of high pressure
US20120261295A1 (en) * 2009-10-22 2012-10-18 Sig Technology Ag Method for the production of autoclaved food in a receptacle formed from a laminate comprising a colored cross-linked outer polymer layer obtained in a gravure printing process
CN115402017A (zh) * 2021-05-28 2022-11-29 克朗斯股份公司 在容器上制造浮雕状印刷图像的方法

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