JP3077542B2 - 印刷プラスチック成形体及びその製法 - Google Patents

印刷プラスチック成形体及びその製法

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JP3077542B2 JP07003698A JP369895A JP3077542B2 JP 3077542 B2 JP3077542 B2 JP 3077542B2 JP 07003698 A JP07003698 A JP 07003698A JP 369895 A JP369895 A JP 369895A JP 3077542 B2 JP3077542 B2 JP 3077542B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刷プラスチック成形
体及びその製法に関するもので、より詳細には、電子写
真法を利用して、プラスチック成形体の表面に密着性や
耐レトルト性に優れた定着トナー像を形成させる方法に
関する。本発明は更に、上記方法により得られた印刷プ
ラスチック成形体にも関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック容器は、軽量で耐衝撃性に
優れていることから、各種食品、化粧品、医薬品、薬品
等を充填する容器として広く使用されている。これらの
プラスチック容器には、内容物や出所を表示し且つ品質
を明示する表示が必要である。
【0003】これらの表示を設けるために、従来ラベル
の貼着や、印刷が行われている。ラベルの貼着には、ラ
ベル材料への印刷が必要であり、またプラスチック成形
体表面へ直接印刷を行うにしても、印刷用版の作成が必
要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このため、プラスチッ
ク容器を、少量多品種の製品に適用しようとすると、印
刷用版の作成のためのコストが高くつき、また容器製品
の即納化に対応できないという欠点を免れなかった。
【0005】従来、格別の印刷用版を使用しない印刷方
法として、電子写真印刷方法が知られているが、公知の
電子写真印刷方法は、紙等の平坦でしかも耐熱性のある
ものを対象としており、立体状でしかも耐熱性の乏しい
プラスチック容器に、定着時の熱変形の問題があるため
に、これが適応できるとは考えられていなかった。
【0006】また、印刷インクのプラスチック成形体表
面への密着性や耐久性も問題であり、容器の内容物によ
っては、レトルト殺菌等の加熱殺菌処理の必要なものも
あり、印刷像がこれらの熱水処理後も剥離したり或いは
薄くなったりすることなく、容器表面上に保持されてい
ることが要求される。
【0007】従って、本発明の目的は、印刷用データか
ら、印刷用版を作成することなしに、電子写真法によ
り、プラスチック成形体表面に強固でしかも耐性、特に
耐レトルト性、耐剥離性に優れた印刷像を形成し得る方
法及び印刷プラスチック成形体を提供するにある。
【0008】本発明の他の目的は、プラスチック成形体
の基体に熱による変形や損傷を与えることなしに、加熱
殺菌に対しても耐性を有する印刷像を形成することを可
能にする方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、表面張
力が36dyn/cm以上であり且つ近赤外域に実質上
吸収を示さないプラスチック成形体の表面に、エポキシ
樹脂を主体とする定着用樹脂と該樹脂中に分散された着
色剤とを含有し且つ近赤外域に吸収性を有し、しかも軟
化点が90乃至130℃の範囲にあるトナーを、電子写
真法による粉像の形で且つ定着後のフィルム厚が5乃至
20μmとなるように転写し、プラスチック成形体上の
粉像を近赤外線で定着させることを特徴とする印刷プラ
スチック成形体の製法が提供される。
【0010】本発明によればまた、表面張力が36dy
n/cm以上であり且つ近赤外域に実質上吸収を示さな
いプラスチックウエッブの表面に、エポキシ樹脂を主体
とする定着用樹脂と該樹脂中に分散された着色剤とを含
有し且つ近赤外域に吸収性を有し、しかも軟化点が90
乃至130℃の範囲にあるトナーを、電子写真法による
粉像の形で且つ定着後のフィルム厚が5乃至20μmと
なるように転写し、プラスチックウエッブ上の粉像を近
赤外線で定着させ、次いで印刷ウエッブをパウチ等の成
形体に成形することを特徴とする印刷プラスチック成形
体の製法が提供される。
【0011】本発明によれば更に、表面張力が36dy
n/cm以上であり且つ近赤外域に実質上吸収を示さな
プラスチック成形体とその表面に施された印刷層とか
ら成り、前記印刷層はエポキシ樹脂を主体とする定着用
樹脂と該樹脂中に分散された着色剤とを含有する軟化点
(Ts)が90乃至130℃のトナー組成物から電子写
真法により形成され且つ前記印刷層は5乃至20μmの
フィルム厚を有することを特徴とする印刷プラスチック
成形体が提供される。
【0012】
【作用】本発明では、プラスチック成形体として、表面
張力が36dyn/cm以上であり且つ近赤外域に実質
上吸収性を示さないプラスチック成形体或いはプラスチ
ックウエッブを選択し、電子印刷用トナーとして、エポ
キシ樹脂を主体とする定着用樹脂と該樹脂中に分散され
た着色剤とを含有し且つ近赤外域に吸収性を有し、しか
も軟化点(Ts)が90乃至130℃の範囲にあるトナ
ーを選択し、前記成形体表面にこのトナー粒子を、電子
写真法による粉像の形で転写することが第一の特徴であ
る。
【0013】本発明では、基材であるプラスチック成形
体乃至プラスチックウエッブが近赤外域に吸収を有して
いなく、一方トナーが近赤外域に吸収性を有するため、
近赤外線による加熱に際して、プラスチック成形体が実
質上発熱することなく、トナー粒子のみが選択的に発熱
し、トナー粒子が溶融して定着を生じることになる。
【0014】本発明に用いるプラスチック成形体乃至プ
ラスチックウエッブ(以下単にプラスチック成形体等と
呼ぶことがある)は、その表面の表面張力が36dyn
/cm以上であることも重要である。、後述する例に示
すとおり、プラスチック成形体の表面張力は、トナーの
定着性及びトナー像の密着性に重要な影響を与える。即
ち、プラスチック成形体等の表面張力が低くなると、ト
ナーの融解が生じても、プラスチック成形体等への密着
の程度が低くなり、トナー像は僅かの摩擦力で剥離した
り、或いは加熱殺菌時の熱応力等で容易に剥離するよう
になる(比較例1参照)。これが、プラスチック成形体
等の表面張力を上記範囲に限定した根拠である。
【0015】また、トナーの定着用樹脂はエポキシ樹脂
を主体とするものであることもプラスチック成形体等に
対する密着性や耐レトルト性の点で重要である。即ち、
電子写真の分野で定着用樹脂として広く使用されている
スチレン−アクリル系樹脂や、ポリエステル樹脂を使用
したのでは、後述する比較例6及び7に示すとおり、プ
ラスチック成形体等に対する密着性や耐レトルト性が不
十分であるが、エポキシ樹脂を主体とした定着用樹脂で
トナーを構成することにより、プラスチック成形体等に
対する密着性を顕著に向上させ、耐レトルト性も十分な
ものとすることができる。
【0016】更に、トナーが90乃至130℃、好適に
は100乃至120℃の軟化点を有する組成物からなる
ことも、定着性と印刷像の耐熱性の点で重要である。組
成物の軟化点が上記範囲よりも高いと、比較例3に示す
とおり、成形体表面への定着不良、密着力低下を生じる
傾向があり、上記範囲よりも低いと、比較例2に示すと
おり、形成される印刷像が加熱殺菌等に耐えられなくな
る傾向がある。
【0017】一般にトナーの熱定着は、トナー粒子同士
の溶融・合体、トナーの流動・広がり、支持体への浸透
の諸過程を通じて行われるといわれており、ここで、ト
ナーの流動にはトナー及びプラスチック成形体表面の表
面張力が駆動力となり、トナーの粘性が流動を阻止する
力として働く。
【0018】通常の電子写真複写や印刷は支持体が多孔
性の紙であるのに対して、本発明の方法では、支持体が
滑らかなプラスチックであるため、トナー・成形体接触
界面での界面的特性や熱的特性が定着性に重要な影響を
与えるのである。
【0019】本発明では、上記プラスチック成形体等に
対して、前記トナーを、電子写真法による粉像の形で転
写し、プラスチック成形体等上の粉像を近赤外線で定着
させるのであるが、この際、定着後のトナー組成物のフ
ィルム厚が5乃至20μmとなるように転写定着を行う
ことが第二の特徴である。即ち、定着後のフィルム厚が
5μmよりも小さい場合には、後述する比較例4に示す
とおり、画像濃度が低く、画質も密着性も共に不十分で
ある。一方、定着後のフィルム厚が20μmを越える
と、後述する比較例5に示すとおり、レトルト後の印刷
像の密着性が低下する。これは、厚みがあまり増大する
と近赤外線が内部まで透過せず定着不足になる、もしく
は内部歪みが増大するためと思われる。
【0020】本発明におけるトナー組成物が、5乃至2
0μmのフィルム厚で満足すべき密着性及び耐レトルト
性を示すことは、従来のプラスチック成形体の印刷から
は予想外のことである。即ち、従来のグラビア印刷やオ
フセット印刷では、印刷インキ層の厚みは、大きくても
2乃至3μmであったが、本発明では、これより大きい
厚みにトナー印刷層の最適値があることが見いだされた
ものである。
【0021】
【発明の好適態様】
[電子写真印刷装置]本発明の印刷方法を好適に実施す
るための電子写真印刷装置の一例を示す図1において、
この印刷装置は、大別して、露光現像ユニット1と、印
刷ドラム10と、定着ユニット2とから成り、露光現像
ユニット1には、画像出力用コンピュータ3が接続され
ている。
【0022】露光現像ユニット1は、駆動回転される電
子写真感光体ドラム4、このドラムの周囲に順次設けら
れた感光体帯電用コロナチャージャ;画像出力用コンピ
ュータ3からのデータに対応して動作する半導体レーザ
5;現像剤を有する現像機構6;から構成されている。
【0023】電子写真感光体ドラム4はそれ自体公知の
ものであり、一般に金属基体とその上に設けられた光導
電体層とからなっている。この光導電体層は、例えばS
e、ZnO、CdS、非晶質シリコン或いは機能分離型
の有機光導電体等から成る。
【0024】印刷ドラム10は、表面に所定間隔で多数
配置されたプラスチック成形体(容器)7に対する支持
座11を備えており、感光体ドラム4と同期した速度で
駆動回転される。この印刷ドラム10には、支持するプ
ラスチック成形体7が、露光現像ユニット1の感光体ド
ラム4と接触する前、即ちトナー転写前に、所定の表面
電位が形成されるように、直流電源12が設けられてい
る。
【0025】印刷ドラム10の上流には、プラスチック
成形体7の供給路があり、この供給路には、プラスチッ
ク成形体7の印刷すべき表面を予め表面処理するための
コロナ放電処理装置9が設けられている。表面処理され
たプラスチック成形体7を印刷ドラム10の支持座11
に順次供給する容器供給機構8がある。
【0026】印刷ドラム10のトナー転写位置の下流側
には、プラスチック成形体7に転写されたトナー像を定
着させるための定着ユニット2があり、その下流側に
は、印刷プラスチック成形体を印刷ドラム10から排出
するための容器取り出し機構13が設けられている。
【0027】この電子写真装置による印刷像形成工程を
簡単に示すと次の通りである。先ず、感光体ドラム4の
表面光導電体層をコロナチャージャで一定極性の電荷で
帯電させる。次いで、コンピュータ3の画像メモリにあ
る画像データは、露光制御回路を経て、半導体レーザ5
により感光ドラム4を露光し、画像データに対応する静
電潜像を形成させる。この静電潜像を、本発明で特定し
たトナーを使用して、現像機構6により顕像化し、感光
ドラム4上にトナー像を形成する。
【0028】一方、プラスチック成形体7をコロナ放電
処理装置で予め表面処理し、容器供給機構8ににより、
印刷ドラム10の支持座11に供給し、この支持座に保
持させる。ドラム10上のこの支持座11に直流電源1
2によりトナーと逆極性の高電位を転写に先立って印加
する。背面より高電位が印加されたプラスチック成形体
7の表面はトナー転写域において、トナー像支持感光ド
ラムと接触し、トナー像が容器7上に転写される。
【0029】トナー像が転写された容器は、定着ユニッ
ト2により近赤外線を照射され、トナー像は容器表面に
有効に熱定着される。かくして印刷像が形成された印刷
容器は、取り出し機構13により印刷ドラム10から外
部へと取り出される。
【0030】本発明の印刷方法は、プラスチック成形体
に特に有利に適用できるが、成形前のプラスチックウエ
ッブにも適用することができる。
【0031】この態様に用いる電子写真印刷装置の一例
を示す図2において、この印刷装置は、大別して、露光
現像ユニット1と、転写用バイアスロール17と、定着
ユニット2と、プラスチックウエッブ14の供給及び巻
き取り機構15、19とから成る。露光現像ユニット1
は、図1の場合と同様な構成であり、このユニット1に
画像出力用コンピュータ3が接続されている点も図1と
同様である。
【0032】転写用バイアスロール17は、電極ロール
であって、プラスチックウエッブ14を支持して、この
ウエッブ14をトナー像を支持する感光体ドラム4と接
触させ、トナー像をウエッブ14上に転写させるもので
あり、転写用バイアスロール17の表面には直流電源1
2によりバイアス電位が印加されている。
【0033】転写用バイアスロール17の上流側には、
コロナ放電等により予め表面処理されたプラスチックウ
エッブ14の供給装置15が設けられ、ウエッブ14は
テンションロール16を介して転写用バイアスロール1
7に供給される。
【0034】転写用バイアスロール17の下流側には、
ウエッブ送り機構18があり、この転写用バイアスロー
ル17とウエッブ送り機構18との間には、プラスチッ
クウエッブ14に転写されたトナー像を定着させるため
の定着ユニット2があり、その下流側には、印刷プラス
チックウエッブをロールに巻き取るためのウエッブ巻き
取り装置19が設けられている。
【0035】プラスチックウエッブ14への印刷は、ウ
エッブを連続的に供給する以外は、図1の場合と同様に
行われる。
【0036】[プラスチック成形体等]本発明に用いる
プラスチック成形体やウエッブは、表面張力が36dy
n/cm以上であり且つ近赤外域に実質上吸収性を示さ
ないものであり、このようなプラスチックとして、オレ
フィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
カーボネート等が好適に使用される。表面張力を上記範
囲に抑制するために、コロナ放電処理、火炎処理、プラ
ズマ処理、クロム酸処理、オゾン処理等の任意の手段が
使用されるが、コロナ放電処理が簡便さの点で有利であ
る。
【0037】オレフィン樹脂としては、低−、中−或い
は高−密度のポリエチレン(LDPE,MDPE,HD
PE)、アイソタクティックポリプロピレン(PP)、
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プ
ロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン
−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチ
レン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(ア
イオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体
或いはこれらのブレンド物等が挙げられる。線状低密度
ポリエチレンのように融点の低い樹脂に対しても融着に
よる印刷を適応できることが本発明の利点でもある。
【0038】ポリエステルとしては、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、エチレンテレフタレート/
イソフタレート共重合体等のポリエステルやそのブレン
ド物等を挙げることができる。
【0039】一方、ポリアミドとしては、ナイロン6
(N6)、ナイロン6,6(N6,6)、ナイロン1
1、ナイロン12等のポリアミドや、ナイロン6/6,
6等のこれらの共重合ポリアミド、或いはこれらの2種
以上のブレンド物等を挙げることができる。
【0040】また、ポリカーボネート(PC)として
は、ビスフェノールA或いはF等のビスフェノール類か
らのポリカーボネート、ポリカーボネートZ等が使用さ
れる。
【0041】本発明に用いるプラスチック成形体やウエ
ッブは、単層のプラスチック成形体乃至ウエッブであっ
ても、また多層のプラスチック成形体乃至ウエッブであ
ってもよい。例えば、外表面層が線状低密度ポリエチレ
ンからなり、内層が高密度ポリエチレンやアイソタクテ
ィックポリプロピレンから成るような同種の樹脂の積層
体でも、オレフィン樹脂とポリエステル或いはポリアミ
ドとの積層体のように異種の樹脂の積層体であってもよ
い。勿論、この成形体乃至ウエッブは、上記の2層構造
のものに限定されず、3層或いは4層以上の多層構造で
あってよい。
【0042】また、このプラスチック成形体乃至ウエッ
ブは、他のプラスチックや金属箔を含んでいてもよい。
例えば、形成される容器に、酸素等に対する耐気体透過
性を付与するために、ガスバリヤー性樹脂やアルミ箔、
鋼箔等を多層構造中に組み込むことができる。
【0043】ガスバリヤー性樹脂としては、一般に酸素
透過係数(PO2 )が5.5×10 -12 cc・cm/cm2・sec・
cmHg以下、特に4.5×10-12cc・cm/cm2・sec・cmHg 以
下で、特にエチレン含有量が20乃至50モル%で且つ
未ケン化ビニルエステル残基の含有量が5モル%以下の
エチレン−ビニルアルコール共重合体や、炭素数100
個当りのアミド基の数が3乃至30個、特に4乃至25
個の範囲で含有されるホモポリアミド、コポリアミドま
たはそのブレンド物が好適に使用される。勿論、上述し
たエチレン−ビニルアルコール共重合体とポリアミドと
はブレンド物の形で使用することもできるし、このもの
の本質を損なわない範囲内、例えば20重量%以下の範
囲内で、他の熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィンやポ
リオレフィンとの間の接着性を付与する樹脂等をブレン
ドして用いることもできる。これらのガスバリヤー性樹
脂は、全体の厚みに比べて非常に薄く設けることができ
るので、近赤外域に吸収があってもその影響は小さい。
【0044】上記中間層に置換して、或いは上記中間層
と共に、酸素吸収剤含有樹脂層、乾燥剤含有樹脂層等を
中間層として設けることができ、また、ブロー成形等の
際生じるリグラインド(スクラップ樹脂)を再利用のた
め、中間層として用いてもよい。
【0045】プラスチック成形体としては、各種プラス
チック包装容器、例えばボトル、カップ、チューブ、プ
ラスチック缶、パウチ、キャップ等が好適なものとして
挙げられるが、更に、フィルム、トレイ等の包装材料
や、更にコンテナー、タンク等の流通用容器や、またパ
イプ、ケース等の構造物を挙げることができる。
【0046】成形は、押出機や射出機を用いて行うこと
ができる。押出機としては、任意のスクリュウを備えた
押出機が好適に使用される。ダイスとしては、フラット
ダイやリングダイを使用することができ、例えばフィル
ムの成形には、Tダイ法やインフレーション製膜法が使
用される。また、押し出されたパリソンを中空成形する
ことにより、ボトル、チューブ、タンク等の中空成形容
器が成形される。
【0047】射出機としては、射出プランジャまたはス
クリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノズ
ル、スプルー、ゲートを通して前記プラスチックを射出
型中に射出する。これにより、樹脂が射出型キャビティ
内に流入し、冷却固化されて、成形体となる。
【0048】本発明の一つの態様では、プラスチックウ
エッブに前記印刷を施し、次いでこのウエッブをパウチ
等に成形する。この態様に使用するプラスチックウエッ
ブは、一般に内面側から、ヒートシール性樹脂層、ガス
バリアー中間層及び外面樹脂保護層からなるものであ
り、必要により隣接樹脂層間に接着剤樹脂層を設けたも
のである。ヒートシール性樹脂層は、前述したオレフィ
ン樹脂が使用され、外面樹脂保護層は、耐熱性樹脂、特
に一軸延伸乃至二軸延伸されたPPフィルム、PETフ
ィルム、ナイロンフィルム等が使用される。
【0049】[トナー及び現像]本発明に用いるトナー
は、エポキシ樹脂を主体とする定着用樹脂と該樹脂中に
分散された着色剤とを含有し、近赤外域に吸収性を有
し、且つ軟化点(Ts)が90乃至130℃、特に10
0乃至120℃の範囲にあるものである。
【0050】このトナーは、一成分系の磁性或いは非磁
性トナーとして用いることもできるし、或いは磁性或い
は非磁性キャリアーとの混合物の形で、静電像の現像に
使用することができる。
【0051】トナー中の定着用樹脂としては、エポキシ
樹脂を主体とするもの、即ちエポキシ樹脂を50%以
上、好適には70%以上、最も好適には95%以上含有
するものであり、着色剤との組成物の形で、前述した軟
化点を与えるものである。好適なエポキシ樹脂は、ビス
フェノール類、特にビスフェノールA、ビスフェノール
Fとエピハロヒドリンとから誘導されたエポキシ樹脂で
あり、数平均分子量が1600乃至4000、特に20
00乃至3000の範囲にあるものである。
【0052】通常の場合必要でないが、熱可塑性樹脂
や、未硬化乃至は初期縮合物の熱硬化性樹脂で変性する
ことができ、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、石油樹脂、ウレタン樹脂等を併用することができ
る。
【0053】着色剤としては、例えばファーネスブラッ
ク、チャンネルブラック等のカーボンブラック;四三酸
化鉄等の鉄黒;ルチル型またはアナターゼ型等の二酸化
チタン;フタロシアニンブルー;フタロシアニングリー
ン;カドミウムイエロー;モリブレンオレンジ;ピラゾ
ロンレッド;ファストバイオレットB等の1種又は2種
以上が使用される。着色剤は、定着用樹脂100重量部
当たり、1乃至20重量部、特に好ましくは5乃至15
重量部添加するのがよい。
【0054】これらの着色剤は、近赤外域に吸収性を有
するが、近赤外域での吸収性を高めるために、近赤外線
吸収剤、例えばアンモニウミル化合物等を定着用樹脂1
00重量部当たり1乃至10重量部の量で配合してもよ
い。
【0055】トナー粒子の電荷を制御するために、それ
自体公知の電荷制御剤を配合するのがよい。電荷制御剤
としては、例えば、ニグロシンベース (CI50415)、オイ
ルブラック(CI20150) 、スピロンブラック等の油溶性染
料や、1:1型或いは2:1型金属錯塩染料、ナフテン
酸金属塩、脂肪酸や石鹸、樹脂酸石鹸等が使用される。
これらの電荷制御剤は樹脂100重量部当たり0.1 乃至
10重量部、特に好ましくは0.5 乃至5重量部使用する
ことができる。
【0056】また、トナーの近赤外線での定着性を良好
にするために、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプ
ロピレン、各種ワックス、シリコーン油等の滑剤を含有
させることができる。これら滑剤は樹脂100重量部当
たり0.1 乃至10重量部、特に好ましくは1乃至10重
量部、特に好ましくは1乃至8重量部の量で用いるとよ
い。
【0057】一成分磁性現像剤の場合、トナー粒子中に
磁性材料の粉体を含有させる。磁性粉としては、四三酸
化鉄や各種フェライト等を挙げることができ、これら磁
性粉は、樹脂と磁性粉との合計量基準で、35乃至75
重量%、特に好ましくは45乃至65重量%使用するこ
とができる。
【0058】本発明で用いるトナーは、前述したトナー
組成物のフィルム層厚を与えるようなものであり、この
ためには粒子径が比較的微細であることが好ましく、一
般に粒子径(メジアン径)が3乃至25μm、特に5乃
至15μmの範囲内となるような粒度分布を有するのが
よく、これらのトナーは、所謂粉砕分級法、スプレー造
粒法、分散乃至懸濁重合法等で製造されたものでよい。
【0059】二成分系現像剤の場合、磁性キャリアーと
しては、四三酸化鉄、フェライト、鉄粉等のそれ自体公
知のものが使用される。特にフェライト系の磁性キャリ
ヤが好適である。用いるキャリヤは、無コートキャリヤ
でもよく、また、それ自体公知の樹脂、例えば、シリコ
ーン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂等
でコートされた樹脂コートキャリヤであってもよい。
【0060】非磁性キャリアーとしては、ガラスビーズ
等のそれ自体公知の非磁性キャリアーが使用される。
【0061】キャリアーの粒径は、一般に30乃至30
0μmの範囲にあるものがよい。また、キャリアーとト
ナーとの混合比は、トナー濃度が2乃至15重量%の範
囲にあるのがよい。
【0062】現像に際して、トナーを、感光体上の静電
潜像と逆極性の電荷に帯電させる。二成分系現像剤の場
合、トナーとキャリアーとを混合することにより、容易
に帯電が行われる。また、一成分系磁性現像剤の場合、
トナー粒子相互或いはトナー粒子と現像容器或いは感光
体との摩擦により帯電が行われる。更に、一成分系非磁
性現像剤の場合、トナー粒子を基体上に塗布し、コロナ
チャージに付することにより、トナー粒子の帯電が行わ
れる。
【0063】トナー粒子を、静電潜像が形成された感光
体と接触させることにより、感光体上にトナー像を形成
させる。磁性現像剤では、現像スリーブ上に、磁気ブラ
シを形成させ、この磁気ブラシを感光体と摺刷させるこ
とにより、容易に現像が行われる。また、非磁性現像剤
では、現像ロール上に、トナー或いはトナー保持キャリ
アーの層を形成させ、この層を感光体と接触させること
により、容易に現像が行われる。
【0064】[トナーの転写及び定着]感光体上のトナ
ー像を転写させるに先立って、プラスチック成形体等の
背面に例えばバイアスロールを当接し、これにトナーと
逆極性の高電位を印加する。この印加電圧は、成形体を
構成する樹脂やその厚さによって異なるが、およそ10
00乃至3000Vの範囲にあるのがよい。この表面に
高電位を有するプラスチック成形体等を、トナー像を有
する感光体表面と接触させることにより、プラスチック
成形体表面上に、トナー像を形成させることができる。
【0065】本発明では、トナー像が転写されたプラス
チック成形体等の表面に、近赤外線を照射して、トナー
像をプラスチック成形体等の表面に定着させる。近赤外
線光源としては、近赤外域に発光スペクトルを有するも
のであれば何れをも使用し得るが、近赤外線フラッシュ
露光ランプの他に、ハロゲンランプ、近赤外線ランプや
その他の近赤外線放射体が使用される。この場合、2乃
至3μm以上の赤外領域の光をフィルターでカットする
ことが望ましい。キセノンランプが入手の面で好都合で
あり、このフラッシュランプは、保護ガラスを装着した
状態で使用するのが望ましい。
【0066】場合によっては、近赤外線照射の前に、ト
ナー表面をヒーターロール等で余熱する事で、トナーの
はじきを減少させ、プラスチック成形体への密着力を高
めることができる。
【0067】ランプの出力は、照射面で、0.2ないし
10J/cm2 、特に1乃至3J/cm2 の範囲にある
ものがよい。本発明が対象とする容器へのラベル印刷で
は、画像部の面積が比較的小さいため、比較的小出力の
ランプでも十分な定着が得られることが利点でもある。
【0068】照射時間は0.1乃至10msec、特に
0.5乃至3msec程度の短時間で十分であるが、
照射後この状態で、トナー粒子の内部まで熱が伝わるよ
うに、複数回ランプを照射することが完全な定着を得る
上で好ましい。
【0069】プラスチック成形体が最終容器の形状であ
る場合には、印刷後の成形体を最終包装容器として使用
できるが、印刷プラスチックウエッブである場合には、
このウエッブを裁断、ヒートシール等で製袋し、パウチ
の形で包装用に用いることができる。また、印刷プラス
チックウエッブをヂスクの形に剪断し、絞り成形を行っ
て、トレイ、カップ等の容器として包装の目的に使用す
ることもできる。
【0070】本発明による印刷プラスチック成形体は、
そのままの形で十分な密着性と耐レトルト性とを有する
ものであるが、所望により、印刷層の上にオーバーコー
ト層を設けることができる。このオーバーコート層とし
ては、透明性に優れた熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を用
いることができ、特に紫外線硬化型の塗料、例えば紫外
線硬化型のエポキシ塗料、アクリル塗料、ビニルウレタ
ン塗料等を使用すると、トナー組成物インクのブロード
ニング(解像度低下)もなく、インク層の耐久性にも顕
著に優れている。
【0071】
【実施例】以下、実施例及び比較例により、本発明を更
に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定さ
れるものではない。
【0072】[トナーの調製] ※トナーT−1 定着用樹脂としてエピコート#1004(油化シェルエ
ポキシ(株)製エポキシ樹脂)37重量部、エピコート
#1007(油化シェルエポキシ(株)製エポキシ樹
脂)55重量部を用い、これに対して着色剤としてカー
ボンブラック(トーカブラック#7240;東海カーボ
ン(株)製)5重量部、電荷制御剤としてボントロンS
−44(オリエント化学工業(株)製)2重量部、ワッ
クスとしてビスコール660P(三洋化成工業(株)
製)を加え、オープンロール連続押出機により溶融混練
し、トナー塊を得た。トナー塊を冷却後、ピンミルによ
り粗粉砕し粒径1mmの粗トナーとした。さらにこの粗
トナーをジェットミルにより微粉砕して得たトナーを気
流分級機により分級し、粒径10.3μmのトナーT−
1を得た。
【0073】このトナーの軟化点は111℃であった。
なお、軟化点の測定は高化式フローテスターにより、ノ
ズル1.0mmφ×10mmL、荷重10kgfの条件
で溶融流れ試験を行い、見かけ粘度が105 ポアズとな
る温度を軟化温度として求めた。
【0074】以降、特に断りのない限り上記トナーT−
1の組成及び製造方法に準じ、下記のとおりトナーを調
製した。
【0075】※トナーT−2 定着用樹脂としてエピコート#1004、92重量部を
用い、粒径11.3μmのトナーT−2を得た。このト
ナーの軟化点は85℃であった。
【0076】※トナーT−3 定着用樹脂としてエピコート#1003、46重量部、
エピコート#1007、46重量部を用い、粒径11.
0μmのトナーT−3を得た。このトナーの軟化点は9
5℃であった。
【0077】※トナーT−4 定着用樹脂としてエピコート#1004、14重量部、
エピコート#1009、78重量部を用い、粒径11.
9μmのトナーT−4を得た。このトナーの軟化点は1
25℃であった。
【0078】※トナーT−5 定着用樹脂としてエピコート#1004、5重量部、エ
ピコート#1009、87重量部を用い、粒径12.5
μmのトナーT−5を得た。このトナーの軟化点は13
2℃であった。
【0079】※トナーT−6 着色剤として銅フタロシアニン(リオノールブルーE
S、東洋インキ製造(株)製)5重量部、電荷制御剤と
してボントロンE−84(オリエント化学工業(株)
製)2重量部を用い、粒径10.6μmのトナーT−6
を得た。このトナーの軟化点は108℃であった。
【0080】※トナーT−7 定着用樹脂として、酸成分としてテレフタル酸を20重
量部、無水トリメリット酸を7重量部、n−ドデシル無
水コハク酸を3重量部及びアルコール成分としてポリオ
キシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン45重量部、ポリオキシエチレ
ン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン25重量部、エステル化触媒としてオルソ
チタン酸イソプロピルを使用し、反応させて得られたポ
リエステル樹脂を使用し、粒径10.7μmのトナーT
−7を得た。このトナーの軟化点は115℃であった。
【0081】※トナーT−8 定着用樹脂として、モノマー成分にメタクリル酸−2−
ヒドロキシプロピル30重量部、スチレン60重量部、
メタクリル酸ブチル5重量部、アクリル酸ブチル3重量
部を原料とし、ベンゾイルパーオキサイド2重量部を開
始剤として反応させて得られたスチレンアクリル樹脂を
使用し、粒径11.2μmのトナーT−8を得た。この
トナーの軟化点は112℃であった。
【0082】[実施例1]本発明による印刷方法の一実
施例について述べる。図1に示す印刷装置を用いて印刷
を行った。
【0083】プラスチック成形体7としては、公知のブ
ロー成形によって製造した低密度ポリエチレン製容器を
使用した(平均厚み400μm)。この容器を、容器供
給機構8によって印刷機に供給した。
【0084】この容器7について、トナー粒子との密着
性を高めるためにコロナ放電処理装置9によって表面処
理を行った。表面処理条件は出力周波数33kHz、出
力電圧1kW、容器7の移動線速度10m/minで行
った。JISK6768の測定方法により表面張力は3
1dyn/cmから45dyn/cmへと変化した。
【0085】印刷画像データを、コンピュータ3内のメ
モリーに保存しておき、露光現像ユニット1内にある画
像メモリ回路に電送する。画像メモリ回路上の画像デー
タを、露光制御回路に送り、半導体レーザ5により感光
ドラム4上に露光した。感光ドラム4をあらかじめ均一
に帯電しておき、画像データに応じたレーザ光の点滅に
より感光ドラム4上に静電潜像を形成した。
【0086】この静電潜像に、トナーT−1を使用して
現像機構6において静電気的に付着させた。このため、
容器7を印刷ドラム10上の支持座11に保持させ、こ
の支持座11に、2000Vの直流電圧を印加して、容
器外面に印加電圧に対応した表面電位を生じるようにし
た。容器7を支持座11とともに回転させて感光ドラム
4に近接させ、印刷ドラム10上の容器7に同期して、
感光ドラム4上に形成されたトナー粒子画像を容器7表
面に転写した。
【0087】次に、転写したトナー画像を定着ユニット
2で定着した。定着ユニット2として、トナーの吸収波
長に合致したキセノンフラッシュランプを複数本備えて
いるものを使用した。容器7が通過するのに同期してキ
セノンフラッシュランプを逐次発光させた。
【0088】この定着に際して、トナー粒子はフラッシ
ュ光を吸収して瞬時に溶融する。ここで、容器7は実質
上キセノンランプの波長域には吸収特性を持たないた
め、殆ど発熱せず熱収縮等の変形も生じない。一方、溶
融したトナー粒子は容器7に吸熱され即座に冷却固化す
る。
【0089】印刷が施された容器は、容器取り出し機構
13によって印刷機から取り出す。トナー層の平均厚み
は12μmであった。
【0090】かかる印刷方法によれば、プラスチック容
器に印刷版を用いることなく、画像データから直接印刷
ができる。それゆえ製品の即納化が可能で、少量多品種
の製品の印刷にも有効な手段となる。また、立体状でし
かも耐熱性の乏しいプラスチック容器に対しても、熱変
形等を起こすことなく印刷が可能となる。
【0091】印刷された容器に内容品を充填した後、1
15℃−30分のレトルト殺菌処理を施しても、印刷画
像に劣化はなく、良好な加熱殺菌耐性を有し、しかも、
テープ剥離試験においても全く剥離がなかった。テープ
剥離試験は、印刷面上に市販のセロテープを貼り付け、
約30度の方向に勢いよく剥がし、剥離面を目視により
良否を判断することにより行った。得られた結果を表1
に示す。
【0092】[実施例2]トナーとしてT−3を用いた
以外は実施例1と同様にして印刷を行い、印刷プラスチ
ック成形体を得た。この成形体に内容品を充填した後、
115℃−30分の加熱殺菌処理を施し、画質および密
着性を評価した。結果を表1に示す。
【0093】[実施例3]トナーとしてT−4を用いた
以外は実施例1と同様にして印刷を行い、印刷プラスチ
ック成形体を得た。この成形体に内容品を充填した後、
115℃−30分の加熱殺菌処理を施し画質および密着
性を評価した。結果を表1に示す。
【0094】[実施例4]厚さ7μmのアルミ箔の各々
の面に、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムと厚さ70μmのポリプロピレンフィルムをウレ
タン系接着剤を用いてラミネートし、3層の積層体を得
た。
【0095】かくして得られた積層体から130mm*
170mmの大きさの矩形片を2片切り取り、前記ポリ
プロピレン層が内側となるように相対向させ、3方の周
辺部をヒートシーラーによりシールすることによりプラ
スチック成形体を得た。
【0096】この成形体を用いて、コロナ放電処理を行
なわず、また、定着ユニットとして、トナーの吸収波長
に合致した2kWのハロゲンランプを備えたものを使用
した以外は実施例1と同様にして印刷を行い、印刷プラ
スチック成形体を得た。
【0097】この成形体に内容品を充填した後、121
℃−30分の加熱殺菌処理を施し画質および密着性を評
価した。結果を表1に示す。
【0098】[実施例5]実施例4で製造した印刷プラ
スチック成形体の両面にエポキシ系UV塗料をオーバー
コートしキュアした後、内容品を充填し、121℃−3
0分の加熱殺菌処理を施し画質および密着性を評価し
た。結果を表1に示す。
【0099】[実施例6]図2に示す印刷装置に用いて
まずウェブで印刷を行った。ウェブ14として、厚さ7
μmのアルミ箔の各々の面に、厚さ12μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルムと厚さ70μmのポリプロ
ピレンフィルム14をウレタン系接着剤を用いていラミ
ネートした3層の積層体を用い、ウェブ供給装置15に
よって印刷機に供給した。なお、ポリエチレンテレフタ
レート面を印刷面とした。
【0100】印刷画像データを、コンピュータ3内のメ
モリーに保存しておき、露光現像ユニット1内にある画
像メモリ回路に電送する。画像メモリ回路上の画像デー
タを、露光制御回路に送り、半導体レーザ5により感光
ドラム4上に露光した。感光ドラム4を、あらかじめ均
一に帯電しておき、画像データに応じたレーザ光の点滅
により感光ドラム4上に静電潜像を形成した。
【0101】この静電潜像に、トナーT−6を現像機構
6において静電気的に付着させた。バイアスロール17
に、2000Vの直流電圧を印加して、ウェブに印加電
圧に対応した表面電位を生じさせ、感光ドラム4上に形
成されたトナー粒子画像を、ウェブ14表面に転写し
た。
【0102】次に、転写したトナー画像を定着ユニット
2で定着した。定着ユニット2として、トナーの吸収波
長に合致した2kWのハロゲンランプを備えたものを使
用した。
【0103】この定着に際して、トナー粒子はハロゲン
光を吸収して溶融する。ここで、ウェブ14は実質上ハ
ロゲンランプの波長域には吸収特性を持たないため、殆
ど発熱せず熱収縮等の変形も生じない。一方、溶融した
トナー粒子はウェブ14に吸熱され即座に冷却固化す
る。
【0104】印刷が施されたフィルムは、ウェブ巻取り
装置19によって巻き取り、印刷機から取り出す。トナ
ー層の平均厚みは10μmであった。
【0105】かくして得られた印刷ウェブから130m
m*170mmの大きさの矩形片を2片切り取り、ポリ
プロピレン層が内側となるように相対向させ、3方の周
辺部をヒートシーラーによりシールすることにより印刷
プラスチック成形体を得た。
【0106】この成形体に内容品を充填した後、121
℃−30分の加熱殺菌処理を施し画質および密着性を評
価した。結果を表1に示す。
【0107】[実施例7]ウェブとして、厚さ12μm
のポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以外は
実施例6と同様にして印刷フィルムを作成した。
【0108】この印刷フィルムの印刷面に厚さ70μm
の低密度ポリエチレンフィルムをウレタン系接着剤を用
いてラミネートし、2層の積層体を得た。
【0109】かくして得られた積層体から130mm*
170mmの大きさの矩形片を2片切り取り、前記ポリ
エチレン層が内側となるように相対向させ、3方の周辺
部をヒートシーラーによりシールすることによりプラス
チック成形体を得た。
【0110】この成形体に内容品を充填した後、121
℃−30分の加熱殺菌処理を施し画質および密着性を評
価した。結果を表1に示す。
【0111】[比較例1]プラスチック成形体にコロナ
放電処理を行わない以外は実施例1と同様にして印刷を
行い、印刷プラスチック成形体を得た。この成形体に内
容品を充填した後、115℃−30分の加熱殺菌処理を
施し画質および密着性を評価した。結果を表1に示す。
【0112】[比較例2]トナーとしてT−2を用いた
以外は実施例1と同様にして印刷を行い、印刷プラスチ
ック成形体を得た。この成形体に内容品を充填した後、
115℃−30分の加熱殺菌処理を施し画質および密着
性を評価した。結果を表1に示す。
【0113】[比較例3]トナーとしてT−5を用いた
以外は実施例1と同様にして印刷を行い、印刷プラスチ
ック成形体を得た。この成形体に内容品を充填した後、
115℃−30分の加熱殺菌処理を施し画質および密着
性を評価した。結果を表1に示す。
【0114】[比較例4]印刷ドラム12の印加電圧を
1000Vとした以外は実施例1と同様にして印刷を行
い、印刷プラスチック成形体を得た。この成形体に内容
品を充填した後、115℃−30分の加熱殺菌処理を施
し画質および密着性を評価した。結果を表1に示す。
【0115】[比較例5]印刷ドラム12の印加電圧を
4000Vとした以外は実施例1と同様にして印刷を行
い、印刷プラスチック成形体を得た。この成形体に内容
品を充填した後、115℃−30分の加熱殺菌処理を施
し画質および密着性を評価した。結果を表1に示す。
【0116】[比較例6]トナーとしてT−7を用いた
以外は実施例1と同様にして印刷を行い、印刷プラスチ
ック成形体を得た。この成形体に内容品を充填した後、
115℃−30分の加熱殺菌処理を施し画質および密着
性を評価した。結果を表1に示す。
【0117】[比較例7]トナーとしてT−8を用いた
以外は実施例1と同様にして印刷を行い、印刷プラスチ
ック成形体を得た。この成形体に内容品を充填した後、
115℃−30分の加熱殺菌処理を施し画質および密着
性を評価した。結果を表1に示す。
【0118】
【表1】
【0119】
【発明の効果】本発明では、プラスチック成形体等の印
刷に電子写真法を適用し、トナー像の定着に近赤外線放
射を使用するが、プラスチック成形体等が近赤外域に吸
収を有していなく、一方トナーが近赤外域に吸収性を有
するため、近赤外線照射に際して、プラスチック成形体
等が実質上発熱することなく、トナー粒子のみが選択的
に発熱し、トナー粒子が溶融して定着を生じる。
【0120】このため、印刷用データから、印刷用版を
作成することなしに、電子写真法により、プラスチック
成形体等の表面に強固でしかも耐性に優れた印刷像を形
成でき、しかもプラスチック成形体等の基体に熱による
変形や損傷を与えることなしに、加熱殺菌に対しても耐
性を有する印刷像を形成することが可能となった。
【0121】また、プラスチック成形体等として、表面
張力が36dyn/cm以上であるプラスチック成形体
或いはプラスチックウエッブを選択し、電子印刷用トナ
ーとして、エポキシ樹脂を主体とする定着用樹脂と該樹
脂中に分散された着色剤とを含有し且つ近赤外域に吸収
性を有し、しかも軟化点(Ts)が90乃至130℃の
範囲にあるトナーを選択することにより、基材に対する
優れた密着性と、耐レトルト性とが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷方法を実施するための電子写真印
刷装置を示す側面配置図である。
【図2】本発明の印刷方法を実施するための電子写真印
刷装置を示す側面配置図である。
【符号の説明】
1 露光現像ユニット 2 定着ユニット 3 画像出力用コンピュータ 4 感光ドラム 5 半導体レーザ 6 現像機構 7 プラスチック成形体 8 容器供給機構 9 コロナ放電処理装置 10 印刷ドラム 11 支持座 12 直流電源 13 容器取り出し機構 14 ウェブ 15 ウェブ供給装置 16 テンションロール 17 バイアスロール 18 ウェブ送り機構 19 ウェブ巻き取り装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今谷 恒夫 神奈川県横須賀市大津町3−65 (56)参考文献 特開 平1−234857(JP,A) 特開 平4−359258(JP,A) 特開 平3−42679(JP,A) 特開 平7−28358(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 7/00 G03G 9/087 G03G 13/00,15/00,21/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面張力が36dyn/cm以上であり
    且つ近赤外域に実質上吸収を示さないプラスチック成形
    体の表面に、エポキシ樹脂を主体とする定着用樹脂と該
    樹脂中に分散された着色剤とを含有し且つ近赤外域に吸
    収性を有し、しかも軟化点が90乃至130℃の範囲に
    あるトナーを、電子写真法による粉像の形で且つ定着後
    のフィルム厚が5乃至20μmとなるように転写し、プ
    ラスチック成形体上の粉像を近赤外線で定着させること
    を特徴とする印刷プラスチック成形体の製法。
  2. 【請求項2】 表面張力が36dyn/cm以上であり
    且つ近赤外域に実質上吸収を示さないプラスチックウエ
    ッブの表面に、エポキシ樹脂を主体とする定着用樹脂と
    該樹脂中に分散された着色剤とを含有し且つ近赤外域に
    吸収性を有し、しかも軟化点が90乃至130℃の範囲
    にあるトナーを、電子写真法による粉像の形で且つ定着
    後のフィルム厚が5乃至20μmとなるように転写し、
    プラスチックウエッブ上の粉像を近赤外線で定着させ、
    次いで印刷ウエッブをパウチ等の成形体に成形すること
    を特徴とする印刷プラスチック成形体の製法。
  3. 【請求項3】 表面張力が36dyn/cm以上であり
    且つ近赤外域に実質上吸収を示さないプラスチック成形
    体とその表面に施された印刷層とから成り、前記印刷層
    はエポキシ樹脂を主体とする定着用樹脂と該樹脂中に分
    散された着色剤とを含有する軟化点(Ts)が90乃至
    130℃のトナー組成物から電子写真法により形成され
    且つ前記印刷層は5乃至20μmのフィルム厚を有する
    ことを特徴とする印刷プラスチック成形体。
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