JP3468064B2 - 紫外線硬化性樹脂組成物 - Google Patents

紫外線硬化性樹脂組成物

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JP3468064B2 JP31090897A JP31090897A JP3468064B2 JP 3468064 B2 JP3468064 B2 JP 3468064B2 JP 31090897 A JP31090897 A JP 31090897A JP 31090897 A JP31090897 A JP 31090897A JP 3468064 B2 JP3468064 B2 JP 3468064B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線硬化性樹脂組成
物に関するもので、より詳細には、保存性と紫外線硬化
性との組み合わせに優れた紫外線硬化性樹脂組成物に関
する。本発明はまた、上記紫外線硬化性樹脂組成物を容
器外表面に設けてなることを特徴とする包装容器にも関
する。
【0002】
【従来の技術】紫外線硬化型樹脂を含むインキ乃至塗料
組成物は、乾燥乃至焼き付けに際して、溶媒の揮散の問
題がなく、また印刷物や塗装物の加熱も必要としないこ
とから、各種の用途に実際に使用され、また使用が検討
されている。
【0003】紫外線硬化型樹脂組成物には、大別して、
光カチオン重合性の樹脂組成物と、光ラジカル重合性の
樹脂組成物とがあるが、前者の光カチオン重合性の組成
物には、カチオン性開始剤と脂環式エポキシ化合物とを
必須成分として含有する樹脂組成物が使用されている。
【0004】カチオン開始剤は、紫外線によって分解
し、ルイス酸を放出し、このルイス酸がエポキシ基を重
合する作用を有するものであり、その例として、芳香族
ヨードニウム塩、芳香族スルフォニウム塩、芳香族セレ
ニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩等が知られている。更
に、これらのカチオン開始剤は、チオキサントン誘導体
等の増感剤との組み合わせで用いることも知られてい
る。
【0005】本発明者らは、先に、脂環式エポキシ樹脂
と、下記式(5)で示される光カチオン硬化型触媒と、
チオキサントン系増感剤とを含む樹脂組成物のコーティ
ング層或いは印刷インク層を容器外面に設けて成ること
を特徴とする包装容器:
【化5】 式中、R1 及びR2 の各々はアルキル基であって、互い
に同一でも異なっていてもよく、R3 は水素原子或いは
アルキル基である、を提案した(特許出願中)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の紫外線硬化性樹
脂組成物は、長波長側の紫外線に対して満足すべき光硬
化性能を示すと共に、形成される硬化膜の耐傷性や耐レ
トルト性に優れているという利点を示すが、未だ解決す
べき問題点を有することが分かった。
【0007】即ち、この紫外線硬化性樹脂組成物は、塗
料としての保存安定性に乏しく、室温において保存する
と、増粘したり或いは早期ゲル化(プリメーチュア)を
来す傾向がある。本発明者らはこの原因について究明を
重ねた結果、上記式(5)のスルフォニウム塩が熱分解
性を有し、これが熱重合開始剤としても作用することに
よることを突き止めた。
【0008】この問題を解決するため、保存安定性が良
好になる濃度まで式(5)のスルフォニウム塩の濃度を
減少させることも試みたが、この場合には、硬化性が不
十分となり、耐傷性や耐レトルト性に優れた硬化皮膜を
形成させることが困難であることが分かった。
【0009】従って、本発明の目的は、保存安定性と紫
外線硬化性との組み合わせに優れ、比較的長期の保存に
おいても増粘や早期ゲル化を示すことなく、長波長側の
紫外線に対して満足すべき光硬化性能を示すと共に、形
成される硬化膜の耐傷性や耐レトルト性に優れている紫
外線硬化性樹脂組成物を提供するにある。本発明の他の
目的は、上記紫外線硬化性樹脂組成物を容器外表面に設
けてなることを特徴とする包装容器を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A)
下記式(1)
【化6】 で示される光カチオン系硬化触媒と、(B)チオキサン
トン系増感剤と、(C)下記式(2)
【化7】 で示される光カチオン系硬化触媒と、(D)カチオン硬
化性樹脂とを必須成分とし、光カチオン系硬化触媒
(A)がカチオン硬化性樹脂基準で0.65乃至3重量
%、チオキサントン系増感剤(B)がカチオン硬化性樹
脂基準で1乃至5重量 %、及び光カチオン系硬化触媒
(C)がカチオン硬化性樹脂基準で2乃至15重量%の
量で含有されていると共に、光カチオン系硬化触媒
(C)が、下記式(3)
【化8】 の化合物が下記式(4)
【化9】 の化合物を重量比で上回らない量で存在する混合物であ
ことを特徴とする紫外線硬化型樹脂組成物が提供され
る。本発明の紫外線硬化性樹脂組成物は、顔料成分
(E)、特にルチル型二酸化チタンを含有する場合に、
著しい効果を示す。
【0011】本発明によればまた、上記紫外線硬化性樹
脂組成物を容器外表面に設けてなることを特徴とする包
装容器が提供される。
【発明の実施形態】[作用] 本発明においては、光カチオン硬化型触媒として、前記
式(1)の特定のスルフォニウム塩と前記式(2)の特
定のスルフォニウム塩とを光カチオン系硬化触媒として
選択し、これをチオキサントン系増感剤及び脂環式エポ
キシ樹脂含有樹脂と組み合わせたことが特徴である。
【0012】本発明で用いる第1のスルフォニウム塩
は、式(1)に示すとおり、硫黄原子に結合するアリー
ル基が2−ナフチル基であり、また硫黄原子に1−アル
コキシカルボニルアルキル基が結合しており、更にスル
フォニウム塩の配位アニオンがヘキサフルオロホスホネ
ートアニオンであることが構造上の特徴である。
【0013】第1のスルフォニウム塩は脂環式エポキシ
樹脂組成物中に優れた溶解性乃至分散性を示すと共に、
後述するチオキサントン系増感剤との組み合わせで優れ
た硬化性、特に380nmよりも短い紫外線が顔料によ
り吸収される条件下でも優れた硬化性を示し、形成され
る皮膜は包装容器の搬送時においても傷つきがなく、ま
たレトルト殺菌条件下でもざらつき、白化、ブリスター
を生ずることがなく、耐熱性、耐熱水性に優れている。
【0014】更に、第1のスルフォニウム塩は衛生的特
性にも優れており、変異原性試験の結果では、陰性であ
る。
【0015】一方、本発明で用いる第2のスルフォニウ
ム塩は、式(2)に示すとおり、硫黄原子に3個のフェ
ニル基が結合しており、フェニルの一つがジフェニルチ
オエーテル骨格を形成しており、更にスルフォニウム塩
の配位アニオンがヘキサフルオロホスホネートアニオン
であるという構造上の特徴を有しているが、このもの自
体は光カチオン系硬化触媒として公知のものである。
【0016】本発明では、上記第1のスルフォニウム塩
と上記第2のスルフォニウム塩とを組み合わせで用いる
ことが、塗料としての貯蔵安定性と比較的長波長の紫外
線に対する硬化性との組み合わせを達成する上で重要で
ある。
【0017】即ち、第1のスルフォニウム塩単独を、十
分な塗膜の効果が得られるような高い濃度で使用した場
合には、保存中に増粘や早期硬化を来す傾向があり(後
述する比較例3参照)、一方このような増粘や早期硬化
を来さない低い濃度で使用した場合には、被膜の硬化が
不十分となる傾向がある(後述する比較例1及び2参
照)。
【0018】一方、第2のスルフォニウム塩単独を使用
した場合、塗料の硬化は殆ど生じない(後述する比較例
9参照)。これは、380nmよりも短い紫外線が顔料
(ルチル型二酸化チタン)により吸収されるためと考え
られる。
【0019】これに対して、本発明によれば、前記第1
のスルフォニウム塩と第2のスルフォニウム塩とを組み
合わせで光カチオン系硬化触媒として使用することによ
り、塗料保存中における増粘傾向を解消し、380nm
よりも短い紫外線が顔料により吸収されるような条件下
においても、満足すべき紫外線硬化性が達成されること
になる。
【0020】本発明で増感剤として使用するチオキサン
トン系増感剤は、下記式(6)
【化10】 で示される骨格を有するものであり、前述した特定のス
ルフォニウム塩との組み合わせで優れた増感性、特に3
80nmよりも短い紫外線が顔料により吸収される条件
下でも優れた増感効果を与える。増感剤の多くが黄褐色
を呈しており、硬化塗膜を着色することは既に指摘した
ところであるが、このチオキサントン系増感剤は硬化塗
膜の着色が比較的少なく、硬化皮膜を外観特性に優れた
ものとし、包装体の商品価値を高めることができる。更
に、チオキサントン系増感剤は、種々の増感剤の中でも
衛生的特性に優れたものである。
【0021】以上のように、特定の組み合わせのスルフ
ォニウム塩系光カチオン硬化型触媒とチオキサントン系
増感剤とを、脂環式エポキシ樹脂に組み合わせで配合
し、これを包装容器のコーティング層或いは印刷インク
層とすることにより、従来技術の欠点を生じることなし
に、塗料の保存安定性に優れ、長波長側の紫外線に対し
て満足すべき硬化性能を示し、硬化性、紫外線硬化皮膜
の美観性、被膜の耐傷性及び耐熱処理性乃至耐レトルト
性、並びに衛生的特性に優れたコーティング層或いは印
刷インク層を、成形体、特に包装容器上に形成すること
ができる。
【0022】
【発明の実施の形態】[光カチオン重合性エポキシ系樹
脂]光カチオン重合性エポキシ系樹脂としては、分子内
に脂環族基を有し且つ脂環基の隣接炭素原子がオキシラ
ン環を形成しているエポキシ樹脂成分を含有するもので
あり、例えば分子内に少なくとも1個のエポキシシクロ
アルカン基、例えばエポキシシクロヘキサン環、エポキ
シシクロペンタン環等を有するエポキシ化合物等が単独
或いは組み合わせで使用される。
【0023】その適当な例は、これに限定されないが、
ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ビニルシクロヘキ
センモノエポキシド、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル−3,4−エポキシシクロヘキサン・カーボキシ
レート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,
5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−m−
ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)
アジペート、リモネンジオキサイド等である。
【0024】本発明においては、上記脂環式エポキシ樹
脂は単独或いは2種以上の組み合わせで使用し得るほ
か、それ以外のエポキシ樹脂と組み合わせで使用しう
る。それ以外のエポキシ樹脂としては、ビスフェノール
類、ノボラック型乃至レゾール型フェノール樹脂等の多
価フェノール類とエピハロヒドリンとから誘導された汎
用のエポキシ樹脂である。
【0025】本発明に用いるエポキシ樹脂においては、
脂環式エポキシ樹脂成分が全エポキシ樹脂の少なくとも
70重量%以上、特に80重量%以上を占めることが紫
外線硬化性の点で好ましい。
【0026】[第1のスルフォニウム塩]本発明におい
ては、光カチオン硬化型触媒の一方の成分として、前記
式(1)で示されるスルフォニウム塩、即ち2−ナフチ
ル−1−エトキシカルボニルエチル−メチル−スルフォ
ニウム・ヘキサフルオロホスホネートを用いる。
【0027】本発明で使用する上記スルフォニウム塩
は、例えば、下記式(8)
【化11】 で表される2−ナフチル−1−エトキシカルボニルエチ
ルスルフィドと、下記式(9)
【化12】 で表されるジメチル硫酸とを反応させ、反応生成物に6
フッ化リン酸カリウムを反応させることにより得られ
る。
【0028】[チオキサントン系増感剤]本発明で使用
する増感剤は、チオキサントン骨格を有する公知の化合
物であり、任意のチオキサントン系化合物が使用され
る。好適なチオキサントン系増感剤は、下記式(10)
【化13】 式中、R1 、R2 、R3 及びR4 の各々は、同一でも異
なっていてもよく、水素原子、アルキル基、塩素原子で
ある、で表される化合物である。
【0029】具体的な化合物としては、2,4−ジエチ
ルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、
4−イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プ
ロポキシチオキサントン、又はこれらの混合物等が挙げ
られるが、本発明は勿論これらに限定されない。
【0030】[第2のスルフォニウム塩]本発明におい
ては、光カチオン系硬化触媒の他方の成分として、前記
式(2)のスルフォニウム塩を用いる。このスルフォニ
ウム塩は、下記式(3)
【化14】 の化合物が下記式(4)
【化15】 の化合物を重量比で上回らない量で存在する混合物であ
ることが好ましい。
【0031】[紫外線硬化性樹脂組成物]本発明に用い
る紫外線硬化性樹脂組成物は、上記脂環式エポキシ樹
脂、特定の組み合わせのスルフォニウム塩系光カチオン
硬化型触媒及びチオキサントン系増感剤を、必須成分と
して含有する。
【0032】前記第1のスルフォニウム塩系光カチオン
硬化型触媒は、カチオン硬化性樹脂基準で0.65乃至
3重量%、特に1乃至2重量%の量で用いるのがよく、
上記範囲を下回ると短波長紫外線が顔料により吸収され
る条件下で十分な紫外線硬化性が得られなくなる傾向が
あり、一方上記範囲を上回ると、保存中に増粘を起こし
やすくなるなど、塗料の保存性を低下させる傾向があ
る。
【0033】一方、前記第2のスルフォニウム塩系光カ
チオン硬化型触媒は、カチオン硬化性樹脂基準で2乃至
15重量%、特に6乃至12重量%の量で用いるのがよ
く、上記範囲を下回ると短波長紫外線が顔料により吸収
される条件下で十分な紫外線硬化性が得られなくなる傾
向があり、一方上記範囲を上回っても、硬化性の点で格
別の利点はなく、経済的にはかえって不利となる。
【0034】また、チオキサントン系増感剤は、カチオ
ン硬化性樹脂基準で1乃至5重量%、特に1.5乃至4
重量%の量で用いるのがよく、上記範囲を下回ると十分
な紫外線硬化性が得られなく、一方上記範囲を上回って
も格別の利点はなく、経済的にはかえって不利となると
共に、過度の増感剤による皮膜着色傾向がある。
【0035】本発明に用いる紫外線硬化性樹脂組成物に
は、硬化度調整剤(架橋密度調整剤)、、反応性希釈
剤、可塑剤、滑剤、レベリング剤、顔料等を、それ自体
公知の処方に応じて配合することができる。
【0036】本発明に用いる紫外線硬化型樹脂組成物、
特にコーティング層として用いる組成物には、水酸基含
有エチレン系不飽和単量体、特に式(11) 式中、R5 は水素原子または低級アルキル基であり、Z
は炭素数2乃至6のアルキレン基であり、nは1以上の
数である、で表される単量体を、希釈剤をも兼ねる硬化
度調整剤として配合することができる。
【0037】カチオン重合性の点では、用いる水酸基含
有エチレン系不飽和単量体は、エチレン系不飽和炭素原
子に結合したエーテル基を有する単量体であること、よ
り具体的には、前記一般式(11)で表される単量体で
あることが好ましい。この化学構造は、高いカチオン重
合活性を付与すると共に、脂肪族エーテル鎖から成る柔
らかい構造を与えるからである。
【0038】一般式(11)において、アルキレン基は
直鎖アルキレン基でも分岐鎖アルキレン基でもよく、n
の数は特に限定されないが4以下の数であることが好ま
しい。この単量体の例として、4ーヒドロキシブチルエ
ーテル、1,6 −ヘキサンジオールモノビニルエーテル、
ネオペンチルグリコールモノビニルエーテル、エチレン
グリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコール
モノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニ
ルエーテル 、ジプロピレングリコールモノビニルエー
テル、トリプロピレングリコールモノビニルエーテル、
ジブチレングリコールモノビニルエーテル、トリブチレ
ングリコールモノビニルエーテル、ペンタエリスリトー
ルジビニルエーテル、トリメチロールプロパンモノビニ
ルエーテル、トリメチロールプロパンジビニルエーテ
ル、ペンタエリスリトールモノビニルエーテル、ジペン
タエリスリトールジビニルエーテル等を挙げることがで
きる。
【0039】上記水酸基含有エチレン系不飽和単量体
は、脂環式エポキシ樹脂100重量部当たり2乃至30
重量部、特に5乃至20重量部の量で用いることができ
る。反応性希釈剤の他の例として、多価アルコール誘導
体やオキセタン化合物がある。多価アルコール誘導体
は、それ自体公知の水酸基を1個以上有するものであれ
ば、任意のものを用いることができる。また、オキセタ
ン化合物は、硬化促進剤としても有用である。オキセタ
ン化合物の例としては、これに限定されないが3−エチ
ル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−メチル−3
−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒド
ロキシメチルオキセタンがある。これら多価アルコール
誘導体やオキセタン化合物は脂環式エポキシ樹脂100
重量部当たり1乃至15重量部、特に2乃至10重量部
の量で配合するのが好ましい。
【0040】また、硬化度調整剤の他の例としては、エ
ポキシ化ポリブタジエンなどエポキシ基を分子内に有す
る樹脂乃至は水酸基を分子内に有する樹脂が好適に使用
できる。これら樹脂系架橋剤は、脂環式エポキシ樹脂1
00重量部当たり2乃至30重量部、特に5乃至20重
量部の量で用いることができる。
【0041】本発明で任意成分として用いる有機シリコ
ーン系樹脂は、形成される紫外線硬化性樹脂層にレベリ
ング性を付与し且つ紫外線硬化樹脂塗膜に滑り性を付与
するものであれば、任意の有機シリコーン系樹脂を用い
ることができる。有機シリコーン系樹脂の好適な例は、
ポリアルキル水素シロキサンであり、アルキル基として
は、C1乃至C8のもの、特にポリメチル水素シロキサ
ンやポリエチル水素シロキサンが適している。また、有
機シリコーン系樹脂としては、公開技報96−7344
号に記載されているような、ポリオルガノシロキサン−
ポリオキシアルキレンブロック共重合体を使用すること
もできる。
【0042】上記有機シリコーン樹脂は、脂環式エポキ
シ樹脂100重量部当たり0.05乃至2重量部、特に
0.1乃至1重量部の量で用いることができる。
【0043】このインク、塗料等に用いる着色顔料の適
当な例は次の通りであるが、勿論これに限定されない。
なお、硬化阻害を起こす顔料であっても、顔料に被覆を
施すことにより、着色顔料として十分に使用可能である
ことが了解されるべきである。 黒色顔料 カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラッ
ク、アニリンブラック。 黄色顔料 黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネ
ラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネー
ブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエロ
ーG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、
ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パ
ーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ。 橙色顔料 赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジ
GTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、イン
ダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレン
ジG、インダスレンブリリアントオレンジGK。 赤色顔料 ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウ
ム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾ
ロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキ
レッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレー
キ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリア
ントカーミン3B。 紫色顔料 マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレ
ットレーキ。 青色顔料 紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクト
リアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化
物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーB
C。 緑色顔料 クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、
マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーン
G。 白色顔料 亜鉛華、二酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。 体質顔料 バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイト
カーボン、タルク、アルミナホワイト。
【0044】上記顔料は、樹脂組成物100重量部当た
り、200重量部以下、特に180重量部以下の量で使
用するのがよい。勿論、仕上げワニスのように透明性が
要求されるコーティング層の場合には、着色顔料の配合
は省略される。
【0045】本発明で使用する紫外線硬化性樹脂組成物
には、外面に滑り性を付与するための滑剤を配合するこ
とができる。滑剤としては、(イ)流動、天然または合
成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワック
ス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のも
の、(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のも
の、(ハ)ステアリン酸アミド、バルミチン酸アミド、
オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステ
アロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モ
ノアミド系またはビスアミド系のもの、(ニ)ブチルス
テアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノス
テアレート等のエステル系のもの、(ホ)セチルアルコ
ール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、
(ヘ)ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、
ステアリン酸カルシウム等の金属石ケンおよび(ト) それ
らの混合系が一般に用いられる。
【0046】これらの滑剤は、樹脂組成物100重量部
当たり10重量部以下、特に2乃至8重量部の量で用い
るのがよい。
【0047】また、この紫外線硬化性樹脂組成物には、
皮膜に可撓性や柔軟性を付与するための可塑剤を含有さ
せることができる。可塑剤としては、フタル酸エステル
系可塑剤、アジピン酸エステル系可塑剤、コハク酸エス
テル系可塑剤等のエステル系可塑剤、ポリエステル系可
塑剤、燐酸エステル系可塑剤、塩素系可塑剤などがあげ
られる。これらの可塑剤は、樹脂組成物100重量部当
たり15重量部以下、特に1乃至10重量部の量で用い
るのがよい。
【0048】本発明に用いる紫外線硬化性樹脂組成物は
著しい非ニュートン挙動を示すため、その粘度を定義す
るのは難しいが、一般に剪断速度が1sec-1における
見かけ粘度が1乃至5000ポイズ(p、20℃)の範
囲にあるのが望ましい。
【0049】本発明の紫外線硬化型樹脂組成物には、初
期硬化性を増大させる目的からアクリレート系のラジカ
ル硬化型モノマ−、オリゴマー及びラジカル硬化型開始
剤を含有させることもできる。この場合のアクリレート
系モノマ−及びオリゴマーの配合量は、本発明の樹脂組
成物100重量部当たり20重量部以下、特に15重量
部以下が望ましい。アクリレート系モノマー及びオリゴ
マーはそれ自体公知のものでよいが、アクリロイルモル
フォリンやウレタンアクリレートなどは本発明の樹脂組
成物の硬化阻害を起こすので好ましくない。また、ラジ
カル硬化型開始剤もそれ自体公知のものでよいが、α−
アミノアルキルフェノン系の光重合開始剤など本発明の
樹脂組成物の硬化阻害を起こすので好ましくない。ま
た、本発明の紫外線硬化樹脂組成物には、樹脂の架橋に
起因する硬化収縮を緩和させる、或いは塗膜の硬度を調
整することを目的として、それ自体は架橋性官能基(エ
ポキシ基、水酸基、オキセタニル基、不飽和ビニル基
等)を持たない公知の樹脂を配合することができる。こ
の例としてはこれに限定されないが、アクリル樹脂、石
油樹脂がある。
【0050】[用途]本発明の紫外線硬化性樹脂組成物
は、各種成形体へのコーテイングや印刷インク層の形成
に広く使用できるが、包装容器への用途に特に適してい
る。コーティング層乃至印刷インク層を設ける容器は、
金属、プラスチック或いはそれらの積層体から形成され
た包装容器であれば何れでもよく、例えば、金属素材乃
至被覆金属素材から成る缶、熱可塑性樹脂から成るボト
ル、熱可塑性樹脂積層体或いは熱可塑性樹脂金属箔積層
体から成るカップ、パウチ、チューブ等であってよい。
特にレトルト殺菌等の加熱殺菌を行う缶詰用缶やカッ
プ、ボトル、パウチ、チューブ等の仕上げニス、印刷イ
ンク、アンダーコート、トップコート層等として有用で
ある。以下その例について説明する。
【0051】(1)缶詰用缶 缶詰用缶としては、金属素材或いは樹脂被覆金属素材の
絞り・深絞り成形や絞り・しごき成形で形成されたシー
ムレス缶が挙げられる。金属基体の表面にポリエステル
等の熱可塑性樹脂フィルムを積層し、この積層体を深絞
り成形或いは絞り−しごき成形に付したものが、耐腐食
性、加工性に優れたものとして着目されている。このポ
リエステル被覆層は、機械的性質、腐食成分に対するバ
リアー性には優れているものの、ホワイトコート、印刷
インク或いは仕上げニスとの密着性に乏しく、これらの
コート、インク或いはニスを施した後の缶体をネックイ
ン加工やビード加工等に付した場合には、コート、イン
クやニスが容易に剥離するという問題があった。
【0052】これに対して、本発明の樹脂組成物を、上
記缶体のポリエステル被覆層上にホワイトコート、イン
ク或いはニスの形で施し、紫外線硬化を行わせると、過
酷なネックイン加工やビード加工を行った後にも剥離等
の損傷を受けることがなく、内容物充填、密封後レトル
ト殺菌を行った場合にも、優れた密着状態が維持される
のであって、商品価値を高めることができる。
【0053】缶を構成する金属板としては各種表面処理
鋼板やアルミニウム等の軽金属板が使用される。表面処
理鋼板としては、冷圧延鋼板を焼鈍後二次冷間圧延し、
亜鉛メッキ、錫メッキ、ニッケルメッキ、電解クロム酸
処理、クロム酸処理等の表面処理の一種または二種以上
行ったものを用いることができる。好適な表面処理鋼板
の一例は、電解クロム酸処理鋼板であり、特に10乃至
200mg/m2 の金属クロム層と1乃至50mg/m
2 (金属クロム換算)のクロム酸化物層とを備えたもの
であり、このものは塗膜密着性と耐腐食性との組合せに
優れている。表面処理鋼板の他の例は、0.5乃至1
1.2g/m2 の錫メッキ量を有する硬質ブリキ板であ
る。このブリキ板は、金属クロム換算で、クロム量が1
乃至30mg/m2 となるようなクロム酸処理或いはク
ロム酸/リン酸処理が行われていることが望ましい。更
に他の例としてはアルミニウムメッキ、アルミニウム圧
接等を施したアルミニウム被覆鋼板が用いられる。これ
らの内でも、上記電解クロム酸処理鋼板に適用した場合
に効果が特に大きい。一方、軽金属板としては、所謂純
アルミニウム板の他にアルミニウム合金板が使用され
る。耐腐食性と加工性との点で優れたアルミニウム合金
板は、Mn:0.2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至
5重量%、Zn:0.25乃至0.3重量%、及びC
u:0.15乃至0.25重量%、残部がAlの組成を
有するものである。これらの軽金属板も、金属クロム換
算で、クロム量が20乃至300mg/m2 となるよう
なクロム酸処理或いはクロム酸/リン酸処理が行われて
いることが望ましい。
【0054】金属板の素板厚、即ち缶底部の厚み(tB)
は、金属の種類、容器の用途或いはサイズによっても相
違するが、一般に0.10乃至0.50mmの厚みを有
するのがよく、この内でも表面処理鋼板の場合には、
0.10乃至0.30mmの厚み、また軽金属板の場合
には0.15乃至0.40mmの厚みを有するのがよ
い。
【0055】上記金属板上に被覆される熱可塑性樹脂と
しては、結晶性の熱可塑性樹脂が好ましく、その例とし
て、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリルエステル共重合体、アイオノマー等のオレ
フィン系樹脂フィルム;ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート
/イソフタレート共重合体等のポリエステル;ナイロン
6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12等の
ポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン等を
挙げることができる。
【0056】被覆熱可塑性樹脂の金属板への被覆は、熱
融着法、ドライラミネーション、押出コート法等により
行われ、被覆樹脂と金属板との間に接着性(熱融着性)
が乏しい場合には、例えばウレタン系接着剤、エポキシ
系接着剤、酸変性オレフィン樹脂系接着剤、コポリアミ
ド系接着剤、コポリエステル系接着剤等を介在させるこ
とができる。
【0057】熱可塑性樹脂の厚みは、一般に3乃至50
μm、特に5乃至40μmの範囲にあることが望まし
い。フィルムを用いた熱融着の場合、未延伸のものでも
延伸のものでもよい。
【0058】特に好適なフィルムとして、エチレンテレ
フタレート単位を主体とするポリエステルを、T−ダイ
法やインフレーション製膜法でフィルムに成形し、この
フィルムを延伸温度で、逐次或いは同時二軸延伸し、延
伸後のフィルムを熱固定することにより製造されたフィ
ルムを挙げることができる。
【0059】原料ポリエステルとしては、ポリエチレン
テレフタレートそのものも著しく制限された延伸、熱固
定及びラミネート条件下で使用可能であるが、フィルム
の到達し得る最高結晶化度を下げることが耐衝撃性や加
工性の点で望ましく、この目的のためにポリエステル中
にエチレンテレフタレート以外の共重合エステル単位を
導入するのがよい。エチレンテレフタレート単位を主体
とし、他のエステル単位の少量を含む融点が210乃至
252℃の共重合ポリエステルの二軸延伸フィルムを用
いることが特に好ましい。尚、ホモポリエチレンテレフ
タレートの融点は一般に255〜265℃である。
【0060】用いるコポリエステルは、フィルムを形成
するに足る分子量を有するべきであり、このためには固
有粘度(I.V.)が0.55乃至1.9dl/g 、特に
0.65乃至1.4dl/gの範囲にあるものが望まし
い。
【0061】ポリエステルフィルムと金属素材の間に所
望により設ける接着プライマーは、金属素材とフィルム
との両方に優れた接着性を示すものである。密着性と耐
腐食性とに優れたプライマー塗料の代表的なものは、種
々のフェノール類とホルムアルデヒドから誘導されるレ
ゾール型フェノールアルデヒド樹脂と、ビスフェノール
型エポキシ樹脂とから成るフェノールエポキシ系塗料で
あり、特にフェノール樹脂とエポキシ樹脂とを50:5
0乃至5:95重量比、特に40:60乃至10:90
の重量比で含有する塗料である。
【0062】接着プライマー層は、一般に0.3乃至5
μmの厚みに設けるのがよい。接着プライマー層は予め
金属素材上に設けてもよく或いは予めポリエステルフィ
ルム上に設けてもよい。
【0063】金属製カップ状容器への成形は、側壁部が
薄肉化されるようにそれ自体公知の手段、例えば絞り再
絞りしごき加工、絞り曲げ延ばし再絞り加工、絞り曲げ
延ばし再絞りしごき加工等で行われる。
【0064】例えば、深絞り曲げ延ばし成形(絞り−曲
げ延ばし再絞り成形)によれば、被覆金属板から成形さ
れた前絞りカップを、このカップ内に挿入された環状の
保持部材とその下に位置する再絞りダイスとで保持す
る。これらの保持部材及び再絞りダイスと同軸に、且つ
保持部材内を出入し得るように再絞りポンチを配置す
る。再絞りポンチと再絞りダイスとを互いに噛みあうよ
うに相対的に移動させる。
【0065】これにより、前絞りカップの側壁部は、環
状保持部材の外周面から、その曲率コーナー部を経て、
径内方に垂直に曲げられて環状保持部材の環状底面と再
絞りダイスの上面とで規定される部分を通り、再絞りダ
イスの作用コーナー部により軸方向にほぼ垂直に曲げら
れ、前絞りカップよりも小径の深絞りカップに成形する
ことができる。
【0066】この際、再絞りダイスの作用コーナー部の
曲率半径(Rd)を、金属板素板厚(tB)の1乃至
2.9倍、特に1.5乃至2.9倍の寸法とすることに
より、側壁部の曲げ引張りによる薄肉化を有効に行うこ
とができる。のみならず、側壁部の下部と上部とにおけ
る厚みの変動が解消され、全体にわたって均一な薄肉化
が可能となる。一般に、缶胴の側壁部は下記数式 式中、tBは素板厚であり、tWは側壁部の厚みであ
る。で定義される薄肉化率が5乃至45%、特に5乃至
40%の厚みに薄肉化することができる。
【0067】深絞り缶の場合、下記数式 式中、Dは剪断したラミネート材の径であり、dはポン
チ径である、で、定義される絞り比RD は一段では1.
1乃至3.0の範囲、トータルでは1.5乃至5.0の
範囲にあるのがよい。
【0068】また、再絞り或いは曲げ伸ばし再絞りの後
方にしごきダイスを配置して、側壁部に対して、しごき
も含めた薄肉化率が5乃至70%、特に10乃至60%
の厚みになるようにしごきで薄肉化することもできる。
【0069】(2)プラスチック包装容器 プラスチック包装容器としては、例えばボトル、カッ
プ、チューブ、プラスチック缶、パウチ、キャップ等が
好適なものとして挙げられる。
【0070】プラスチックの容器への成形は、押出機や
射出機を用いて行うことができる。押出機としては、任
意のスクリュウを備えた押出機が好適に使用される。ダ
イスとしては、フラットダイやリングダイを使用するこ
とができ、例えばフィルムの成形には、Tダイ法やイン
フレーション製膜法が使用される。また、押し出された
パリソンを中空成形することにより、ボトル、チュー
ブ、タンク等の中空成形容器が成形される。
【0071】射出機としては、射出プランジャまたはス
クリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノズ
ル、スプルー、ゲートを通して前記プラスチックを射出
型中に射出する。これにより、樹脂が射出型キャビティ
内に流入し、冷却固化されて、成形容器或いは延伸ブロ
ー成型用のプリフォームとなる。
【0072】容器を構成するプラスチックとして、オレ
フィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ
カーボネート等が好適に使用される。。
【0073】オレフィン樹脂としては、低−、中−或い
は高−密度のポリエチレン(LDPE,MDPE,HD
PE)、アイソタクティックポリプロピレン(PP)、
線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プ
ロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン
−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチ
レン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(ア
イオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体
或いはこれらのブレンド物等が挙げられる。線状低密度
ポリエチレンのように融点の低い樹脂に対してもコーテ
ィング或いは印刷を適応できることが本発明の利点でも
ある。
【0074】ポリエステルとしては、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート、エチレンテレフタレート/
イソフタレート共重合体等のポリエステルやそのブレン
ド物等を挙げることができる。
【0075】一方、ポリアミドとしては、ナイロン6
(N6)、ナイロン6,6(N6,6)ナイロン11、
ナイロン12等のポリアミドや、ナイロン6/6,6等
のこれらの共重合ポリアミド、或いはこれらの2種以上
のブレンド物等を挙げることができる。
【0076】また、ポリカーボネート(PC)として
は、ビスフェノールA或いはF等のビスフェノール類か
らのポリカーボネート、ポリカーボネートZ等が使用さ
れる。
【0077】本発明に用いるプラスチック容器やパウチ
形成用ウエッブは、単層のプラスチック容器やウエッブ
であっても、また多層のプラスチック容器やウエッブで
あってもよい。例えば、外表面層が線状低密度ポリエチ
レンからなり、内層が高密度ポリエチレンやアイソタク
ティックポリプロピレンから成るような同種の樹脂の積
層体でも、オレフィン樹脂とポリエステル或いはポリア
ミドとの積層体のように異種の樹脂の積層体であっても
よい。勿論、この成形体乃至ウエッブは、上記の2層構
造のものに限定されず、3層或いは4層以上の多層構造
であってよい。
【0078】また、このプラスチック成形容器乃至ウエ
ッブは、他のプラスチックや金属箔を含んでいてもよ
い。例えば、形成される容器に、酸素等に対する耐気体
透過性を付与するために、ガスバリヤー性樹脂やアルミ
箔、鋼箔等を多層構造中に組み込むことができる。
【0079】ガスバリヤー性樹脂としては、一般に酸素
透過係数(PO2 )が5.5×10 -12 cc・cm/cm2 ・sec
・cm Hg以下、特に4.5×10-12 cc・cm/cm2 ・sec・cmH
g 以下で、特にエチレン含有量が20乃至50モル%で
且つ未ケン化ビニルエステル残基の含有量が5モル%以
下のエチレン−ビニルアルコール共重合体や、炭素数1
00個当りのアミド基の数が3乃至30個、特に4乃至
25個の範囲で含有されるホモポリアミド、コポリアミ
ドまたはそのブレンド物が好適に使用される。勿論、上
述したエチレン−ビニルアルコール共重合体とポリアミ
ドとはブレンド物の形で使用することもできるし、この
ものの本質を損なわない範囲内、例えば20重量%以下
の範囲内で、他の熱可塑性樹脂、例えばポリオレフィン
やポリオレフィンとの間の接着性を付与する樹脂等をブ
レンドして用いることもできる。これらのガスバリヤー
性樹脂は、全体の厚みに比べて非常に薄く設けることが
できるので、近赤外域に吸収があってもその影響は小さ
い。
【0080】上記中間層に置換して、或いは上記中間層
と共に、酸素吸収剤含有樹脂層、乾燥剤含有樹脂層等を
中間層として設けることができ、また、ブロー成形等の
際生じるリグラインド(スクラップ樹脂)を再利用のた
め、中間層として用いてもよい。
【0081】尚、プラスチック成形容器に対するコーテ
ィング層や印刷インク層の施用は、成形体に直接行う
が、パウチに対するコーティング層や印刷インク層の施
用は、製袋前のウエッブに行い、その後ヒートシール等
による製袋を行うことになる。
【0082】[施用及び硬化]本発明において、紫外線
硬化型塗料、例えばホワイトコート等のアンダーコー
ト、或いは仕上ワニス等のトップコートの塗布は、グラ
ビアロール、通常のコーティングロール等を用いて行う
ことができる。ホワイトコートや仕上げワニスの塗布厚
みは一般に2乃至20μmの範囲にあるのがよい。
【0083】一方、紫外線硬化型インクの印刷は、オフ
セット印刷、平版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷
等のそれ自体公知の製缶印刷法により行うことができ
る。
【0084】印刷インク層及び仕上げワニスの二層を設
ける場合、所謂ウエット・オン・ウエットの関係で各層
を設け、これらに紫外線照射を行って一挙に硬化を行う
のがよい。また、ホワイトコート、印刷インク層及び仕
上げワニス層の三層を設ける場合には、まずホワイトコ
ート層を形成し硬化させた後に、印刷インク層と仕上げ
ワニス層をウエット・オン・ウエットの関係で設け、こ
れらに紫外線照射を行って一挙に硬化を行うのがよい。
【0085】インク層等の硬化に使用する紫外線として
は、近紫外領域をも含めて、一般に波長200乃至44
0nm、特に240乃至420nmの光線が使用され
る。紫外光源としては、ハライドランプ、高圧水銀灯、
低圧水銀灯等が使用される。インク層及び仕上げニス層
の厚みは著しく小さいので、硬化に要するエネルギーは
かなり少なくてすむことが利点であり、一般に500乃
至5000ジュール/m 2 等のエネルギーで十分であ
る。
【0086】紫外線照射後のコーティング層乃至印刷イ
ンク層には、所望により、30乃至80℃の温度に加熱
して、歪みの除去と後硬化を行わせることも可能であ
る。勿論、この操作は、任意的なものである。
【0087】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳しく説明
する。本発明の塗料の製造及び評価は以下に記載の方法
により行った。
【0088】[開始剤の製造] (1)2−ナフチルエトキシカルボニルメチルメチルス
ルホニウムヘキサフルオロホスホネートの製造(化学式
(1)の化合物の製造) 重量で2−ナフチルエトキシカルボニルメチルスルフィ
ド24.63部とジメチル硫酸13.24部を混合し、
80℃で10時間反応させた。この反応物を蒸留水30
0部と酢酸エチル100部に溶解させ、攪拌後、水溶液
層を取り出し、6フッ化リン酸カリウム18.41部と
酢酸エチル300部を加え攪拌した。酢酸エチル層を蒸
留水100部で2回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで酢
酸エチル層の水分を除去した後、酢酸エチルをエバポレ
ートし、更に40℃で減圧乾燥させ、目的物を得た。得
られた開始剤は樹脂組成物への配合を容易にするためγ
ーブチロラクトンに固形分50重量%で溶解した。
【0089】(2)ジフェニル−4−フェニルチオフェ
ニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート及びビス
−[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィ
ドビス−ヘキサフルオロホスフェートの製造(化学式
(3)及び(4)の化合物の製造) ジフェニルスルフィッドと塩素ガスとフリーデルクラフ
ツ触媒を利用し、更に6フッ化リン酸カリウムを用いて
公知の方法によりジフェニル−4−フェニルチオフェニ
ルスルホニウムヘキサフルオロホスフェートとビス−
[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィド
ビス−ヘキサフルオロホスフェートを製造し、所定の配
合比のものを得た。得られた固形の開始剤は樹脂組成物
への配合を容易にするためプロピレンカーボネートに固
形分50重量%で溶解した。
【0090】[塗料の製造]下記の重量部で樹脂、顔料
等を配合し、予備混合の後、3本ロールミルで十分練っ
てホワイトコーティング用塗料ベースを得た。次いで、
塗料ベース、開始剤溶液、増感剤を表1の配合で混合
し、十分攪拌溶解することで、紫外線硬化性塗料を得
た。 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4− エポキシシクロヘキシルカルボキシレート 43部 ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート 6部 リモネンジオキサイド 9部 ジプロピレングリコールモノメチルエーテル 2部 分散剤 0.1部 シリコーン樹脂 0.1部 ルチル型酸化チタン 48部
【0091】[塗料の硬化性評価]素板厚0.30mm
の缶胴用アルミ合金材(3004−H39)に#4のバ
ーコーターを用いて、表1に記載の紫外線硬化性塗料を
塗装した。塗装板を40m/分のコンベヤに乗せ、16
0W/cmのガリウムランプを用いて紫外線を照射し、
塗膜を硬化させた。紫外線照射1分後に塗膜の鉛筆硬度
を測定し、硬化性を判定した。
【0092】[塗料の経時安定性評価]表1に記載した
紫外線硬化性塗料を30℃の保管庫に保存し、ダイナミ
ックスペクトルメーターRD(レオメトリックスファー
イースト(株))でコーン・カップ型のフィックスチャ
ーを用いて、製造直後と1週間経時後の30℃での塗料
の見掛け粘度を測定し、せん断速度100sec−1に
おける経時粘度/初期粘度比で増粘のレベルを判定し
た。
【0093】[塗膜の色調]紫外線照射1時間後の硬化
塗膜の色調を目視により判定した。
【0094】[実施例1〜6]表1に記載の配合で紫外
線硬化性塗料を製造し、硬化性、保存安定性、塗膜の色
調を評価した。何れの塗料も開始剤、増感剤の配合量が
本発明の範囲内であるため硬化性、保存安定性、塗膜の
色調とも良好であった。
【0095】[比較例1〜3]表1に記載の配合で紫外
線硬化性塗料を製造し、硬化性、保存安定性、塗膜の色
調を評価した。開始剤Cがないため、開始剤Aがカチオ
ン硬化性樹脂基準で1.5重量%(比較例1)、2重量
%(比較例2)では十分な硬化性が得られていない。こ
れに対して、開始剤Aが3.5重量%(比較例3)にな
ると、開始剤Cがなくとも十分な硬化性が発現するが、
開始剤Aの熱分解に起因すると推定される増粘のため、
塗料の保存安定性が悪くなっている。
【0096】[比較例4]表1に記載の配合で紫外線硬
化性塗料を製造し、硬化性、保存安定性、塗膜の色調を
評価した。開始剤Aの量が本発明の範囲を下回っている
ため、硬化性が不十分であった。
【0097】[比較例5]表1に記載の配合で紫外線硬
化性塗料を製造し、硬化性、保存安定性、塗膜の色調を
評価した。開始剤Cの量が本発明の範囲を下回っている
ため、硬化性が不十分であった。
【0098】[比較例6]表1に記載の配合で紫外線硬
化性塗料を製造し、硬化性、保存安定性、塗膜の色調を
評価した。開始剤Cの組成中、ジフェニル−4−フェニ
ルチオフェニルヘキサフルオロホスフェート/ビス−
[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィッ
ドビス−ヘキサフルオロホスフェート重量比が1を越え
たため良好な硬化性は得られなかった。
【0099】[比較例7〜8]表1に記載の配合で紫外
線硬化性塗料を製造し、硬化性、保存安定性、塗膜の色
調を評価した。増感剤であるチオキサントンが少ない場
合(比較例8)には硬化性が不十分であり、また多い場
合(比較例9)には硬化性の顕著な増大がないばかり
か、チオキサントン類の持つ黄色の色調のため、黄色み
がかったホワイトコート皮膜となった。
【0100】[比較例9]表1に記載の配合で紫外線硬
化性塗料を製造し、硬化性、保存安定性、塗膜の色調を
評価した。開始剤Aを配合していないため、硬化性が著
しく悪く、紫外線照射後も塗膜はほぼ液体状態であっ
た。
【0101】以上の結果は、塗料の配合と共に表1にま
とめた。
【0102】
【表1】
【0103】
【発明の効果】本発明によれば、光カチオン硬化型触媒
として、前記式(1)の特定のスルフォニウム塩と前記
式(2)の特定のスルフォニウム塩とを光カチオン系硬
化触媒として選択し、これをチオキサントン系増感剤及
び脂環式エポキシ樹脂含有樹脂と組み合わせたことによ
り、保存安定性と紫外線硬化性との組み合わせに優れ、
比較的長期の保存においても増粘や早期ゲル化を示すこ
となく、長波長側の紫外線に対して満足すべき光硬化性
能を示すと共に、形成される硬化膜の耐傷性や耐レトル
ト性に優れている紫外線硬化性樹脂組成物が得られる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 2/00 - 2/60 C09D 5/00,163/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記式(1) 【化1】 で示される光カチオン系硬化触媒と、(B)チオキサン
    トン系増感剤と、(C)下記式(2) 【化2】 で示される光カチオン系硬化触媒と、(D)カチオン硬
    化性樹脂とを必須成分とし、光カチオン系硬化触媒
    (A)がカチオン硬化性樹脂基準で0.65乃至3重量
    %、チオキサントン系増感剤(B)がカチオン硬化性樹
    脂基準で1乃至5重量%、及び光カチオン系硬化触媒
    (C)がカチオン硬化性樹脂基準で2乃至15重 量%の
    量で含有されていると共に、光カチオン系硬化触媒
    (C)が、下記式(3) 【化3】 の化合物が下記式(4) 【化4】 の化合物を重量比で上回らない量で存在する混合物であ
    ことを特徴とする紫外線硬化型樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (E)顔料成分を更に含有する請求項1
    記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 顔料成分(E)がルチル型二酸化チタン
    である請求項2記載の紫外線硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3の何れかに記載の紫外線
    硬化性樹脂組成物を容器外表面に設けてなることを特徴
    とする包装容器。
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