JP2005099123A - 画像支持材及びその使用方法並びにこれを用いた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 カラートナー像4を定着可能に支持する画像支持材1において、ベース材1aと、このベース材1a上に設けられ且つ白色顔料と熱可塑性樹脂とが含まれる光散乱層1bと、この光散乱層1b上に設けられ且つ熱可塑性樹脂が少なくとも含まれるカラートナー受容層1cとを備え、光散乱層1bの熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン系又はポリオレフィン系共重合体からなり、その粘度が5×103Pa・sとなる温度Tbが115℃以上であり、一方、カラートナー受容層1cの熱可塑性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とを溶融混合したポリエステル系樹脂であり、その粘度が103Pa・sとなる温度Tmが80〜110℃であるものを用いる。
【選択図】 図1
Description
すなわち、原稿に照明を当て、その反射光をカラースキャナにより色分解し、画像処理装置で画像処理、色補正を施して得られる複数色の画像信号を、色別に、例えば半導体レーザなどを用いて変調されたレーザ光線とする。このレーザ光線を、Se、アモルファスシリコンなどの無機感光体又はフタロシアニン顔料、ビスアゾ顔料などを電荷発生層として用いた有機感光体等からなる像担持体に一色ずつ複数回照射することで、複数個の静電潜像を形成する。これら複数個の静電潜像を例えば、帯電されたY(イエロ)、M(マゼンタ)、C(シアン)、及びK(ブラック)の4色のカラートナーで順番に現像する。そして、現像されたトナー像を無機または有機感光体からなる像担持体から用紙等の画像支持材に転写し、例えば加熱加圧定着方式の定着装置にて定着する。こうして、画像支持材上にカラー画像を形成するようにしていた。
また、前記着色剤は、例えば、Y(イエロ)としてベンジジンイエロ、キノリンイエロ、ハンザイエロ等、M(マゼンタ)としてローダミンB、ローズベンガル、ピグメントレッド等、C(シアン)としてフタロシアニンブルー、アニリンブルー、ピグメントブルー等、K(ブラック)としてカーボンブラック、アニリンブラック、カラー顔料のブレンド等である。
例えば特許文献1〜3などに記載されているように、特に銀塩写真プリント同等の高光沢の画像を形成する場合には、普通紙、コート紙又は白色フィルムをベースとして、その上に所定厚の熱可塑性樹脂からなる層を設けた画像支持材が好ましいことが知られている。
また、写真プリント画像の場合には、一般に、画像支持材の厚みが厚いことが好まれている。
また、前記転写工程では、例えば感光体等からなる像担持体に対向して誘電体などで形成される例えばベルト状の中間転写体を配設し、所定の一次転写部材(転写コロトロン、バイアスを印加した転写ロール又はバイアスを印加した転写ブラシ等)を使って、中間転写体背面からトナーの帯電と逆極性の電界を付与することで、像担持体上に形成されたトナー像を中間転写体上に一色ずつ転写し、中間転写体上に一旦カラートナー像を形成した後で、所定の二次転写部材(例えば転写コロトロン、バイアスを印加した転写ロール又はバイアスを印加した転写ブラシ等)を使って、基材背面からトナーの帯電と逆極性の電界を付与することで、カラートナー像を基材に静電気的に転写する方法も知られている。
特に、銀塩写真プリント同等の高光沢の画像を作成する場合には、後者の定着方式が好ましいことが知られている。更に、後者の定着方式と前記の熱可塑性樹脂層を設けた基材とを組み合わせることで、画像濃度によらず一様な高光沢が得られる。
また、前記の熱可塑性樹脂層の主成分をポリエステル系、ポリスチレン系、ポリアクリル系などの非晶質樹脂とした場合には、低温定着性、耐熱性、機械強度のすべてを満足することはできないという技術的課題が生ずる。
一方、写真のような平滑な表面を持つ画像は、画像表面と裏面、画像表面同士、画像表面とアルバム材料等が重なった状態で、夏の自動車内や倉庫内において保管されたり、船底での輸送などの高温環境下において放置されると、ブロッキング(接着して剥がれなくなる、または、剥がれても表面傷付く)という問題が生ずる懸念がある。
この場合、高温化での耐久性、すなわち耐熱性を改善するには、ガラス転移点を上げること、分子量を高めることが有効となる。
さらに、画像を折り曲げたりしたときの丈夫さ、すなわち、機械強度の向上も重要な課題である。機械強度を上げるには、分子量を高めることが有効な解決策となる。
このように、機械強度と耐熱性の改善方向は、低温定着性の改善方向と相反することになる。特に、銀塩写真のような高い光沢の画像を作る場合、定着温度をより高くする必要があるため、3つの要求をすべて満たすことはさらに困難になる。
この画像支持材は、比較的に安価に製造でき、かつ、白色度の高い画像を得ることが可能である。
しかし、この場合には、定着過程において、画像支持材表面の光拡散層の溶融粘度が高いため、画像全面に渡って一様で高光沢な好ましい表面構造が得られないという技術的課題が見られる。
ここで、ベース材1aとしては、写真印画紙に一般的に用いられる原紙でよく、この原紙としては、手に持った感触を良好に保つという観点からすれば、坪量が100〜250gsmのものであることが好ましい。
この粘度条件を満たすと、定着時にベース材1aから発生する水蒸気による気泡が光散乱層1b表面の平滑性を損なうという問題点を回避することができる。
そして、光散乱層1bの好ましい態様としては、裏写り防止及び機械強度、平面性を確保するという観点からすれば、20wt%〜40wt%の白色顔料を含む態様が好ましく、更に、裏写り(裏面印字が透けて見えること)及びひび割れを有効に防止するという観点からすれば、その厚さが20〜50μmであることが好ましい。
この粘度条件を満たせば、図1に示すように、定着により、カラートナー受容層1c中にカラートナー像4を完全に埋没させ、平滑で光沢の高い画像表面を得ることができる。
このとき、前記103Pa・sとなる温度Tmが80℃未満の場合、耐熱性が悪く、高温で放置するとブロッキング等の問題が生ずる。一方、110℃を超えると、定着により、平滑で光沢の高い画像表面を得ることができない。特に、定着された画像表面においても、高濃度部と低濃度部との境界に段差が残るという問題がある。
また、カラートナー受容層1cの厚みについては、光沢性やひび割れを防止するという観点からすれば、5〜20μmが好ましい。
更に、カラートナー受容層1cの熱可塑性樹脂のうち、結晶質ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂との混合比率の好ましい態様としては、耐熱性、機械強度、溶融混合性を考慮すると、結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂との重量比が35:65から65:35の範囲であることが好ましい。
このような態様において、耐熱性、機械強度の観点からすれば、温度T(℃)が、T0+5〜T0+10の範囲であり、時間t(分)が、t0〜3×t0の範囲に設定されることがより好ましい。
ここで、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分、酸由来構成成分の好ましい態様としては、低温定着性、耐熱性、溶融混合性、機械強度の観点を考慮すれば、前記結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は炭素数6〜12の直鎖脂肪族を主成分とし、全アルコール由来構成成分に対して直鎖脂肪族成分が85〜98モル%の範囲であり、前記結晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分はテレフタル酸又はイソフタル酸又はナフタレンジカルボン酸に由来する芳香族を主成分とし、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲である態様が挙げられる。
このような態様において、低温定着性、耐熱性、溶融混合性などを満たす上で、非晶質ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分、酸由来構成成分の好ましい態様としては、非晶質ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分である炭素数6〜12の直鎖脂肪族と同じ直鎖脂肪族を含み、全アルコール由来構成成分に対して直鎖脂肪族成分が10〜30モル%の範囲であり、前記非晶質ポリエステル樹脂の酸由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分の主成分であるテレフタル酸又はイソフタル酸又はナフタレンジカルボン酸に由来する芳香族と同じ芳香族を含み、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲である態様が挙げられる。
更に、カラートナー受容層1cとしては、定着後の樹脂の固化を早めることができるという点で無機微粒子を3〜15wt%含む態様が好ましい。
ここで、無機微粒子の好ましい態様としては、粒子径8〜200nmの二酸化チタン又はシリカを挙げることができる。
更にまた、画像支持材1として、画像の光沢度を高めるという観点からすれば、光散乱層1bとカラートナー受容層1cとの間にゼラチン層を備えた態様が好ましい。
この場合、本発明としては、図1に示すように、熱可塑性樹脂と着色剤とが少なくとも含まれるカラートナー像4を定着可能に支持する画像支持材1と、この画像支持材1上にカラートナー像4を形成する作像ユニット2と、この作像ユニット2にて形成されたカラートナー像4を画像支持材1上に定着する定着装置3とを備えた画像形成装置であって、前記画像支持材1としては、ベース材1aと、このベース材1a上に設けられ且つ白色顔料と熱可塑性樹脂とが含まれる光散乱層1bと、この光散乱層1b上に設けられ且つ熱可塑性樹脂が少なくとも含まれるカラートナー受容層1cとを具備させ、前記光散乱層1bの熱可塑性樹脂がポリオレフィン系又はポリオレフィン系共重合体からなり、その粘度が5×103Pa・sとなる温度Tbが115℃以上であり、前記カラートナー受容層1cの熱可塑性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とを溶融混合したポリエステル系樹脂からなり、その粘度が103Pa・sとなる温度Tmが80〜110℃であるものが挙げられる。
本態様によれば、加熱加圧工程後に冷却剥離すると、画像支持材1上の画像表面部には定着部材3aの表面性がそのまま転写されるため、定着部材3aの表面性が良好であれば好ましい画像構造が得られる。
また、このような画像支持材を用いた画像形成装置にあっては、エネルギ消費量の少ない定着装置を使用でき、低コストで、しかも、高画質の画像を簡単に形成することができる。
◎実施の形態1
図2は本発明が適用されたカラー画像形成装置の実施の形態1を示す。
同図において、本実施の形態に係るカラー画像形成装置は、画像支持材11に例えばイエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分からなるカラートナー像12(図6参照)を形成する作像ユニット30と、この作像ユニット30にて形成された画像支持材11上のカラートナー像12を定着させる定着装置40と、この定着装置40に画像支持材11を搬送する搬送装置50とを備えている。
前記原紙11aの坪量は100〜250gsmの範囲とする。坪量がこの範囲外になると、手に持った感触に難が生じる。原紙11aは平滑性及び平面性を付与する目的で、マシンカレンダー、スーパーカレンダー等の装置を用いて熱及び圧力を加えて表面処理することが好ましい。
また、原紙11aに光散乱層(光拡散層)11bを形成するに際しては、原紙11a表面に、予めグロー放電処理、コロナ放電処理、火炎処理、アンカーコート等の前処理をすることが光散乱層11bと原紙11aとの密着性を向上する観点から好ましい。
また、光散乱層11bは白色顔料を20〜40wt%少なくとも含む。
白色顔料の量が20wt%未満の場合、白色度が低く、また、裏面に文字等を書き込んだり、印刷したりした際に裏写りするという問題点がある。一方、40wt%を超えると、光散乱層11bの機械強度が不足すること、平滑な表面を持つ層を形成しにくくなることなどの問題点を生ずる。
更にまた、前記光散乱層11bに含まれる熱可塑性樹脂の粘度が5×103Pa・sとなる温度Tbが115℃以上である必要がある。これを満たすことで、定着時に原紙11aから発生する水蒸気による気泡が光散乱層11bを抜けて画像表面から発散され、画像表面の平滑性を損なうという問題点を回避できる。
更に、光散乱層11bには紫外線を吸収して蛍光を発する蛍光増白剤を添加することが好ましい。このような画像支持材11は白色度が高く、色が鮮やかな画像を提供することができる。
そして、光散乱層11bの塗膜方法は、均一で平滑な光散乱層11bを形成する目的を満たす限り特に限定する必要はない。
例えば、樹脂中に、白色顔料とその他の添加物を均一に分散することをも兼ね備えた溶融押出し法に基づく装置が挙げられる。溶融押出し法においては、加熱された押出し機から広幅のスリットダイ(いわゆるT−ダイ)を経て押し出された溶融樹脂膜を、原紙11aに接触させロールで連続的に圧接するラミネート方法や、同じく溶融樹脂を冷却ロール上に押出し、巻き取ってフィルム化する一般的な方法等が挙げられる。この溶融押出し法によれば、原紙11aに、前記の樹脂、白色顔料、その他の添加物からなる均一な膜を容易に形成することができる。尚、溶融押出し法による被転写層の形成に使用する押出し機は、一軸のものでも、二軸のものでもよいが、前記樹脂中に白色顔料とその他の添加物を均一に混合しうる能力を有するものであることが重要である。
また、光散乱層11bの塗膜においては、スリットダイ(いわゆるT−ダイ)を経て押し出された溶融樹脂膜の片面または両面を火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理などの方法で処理することが好ましい。これによって、原紙11a及びカラートナー受容層11cとの密着性が改善できる。
カラートナー受容層11cの熱可塑性樹脂は、図3(b)に示すように、結晶性ポリエステル樹脂111と非晶質ポリエステル樹脂112とを溶融混合したポリエステル系樹脂110からなる。結晶性ポリエステル樹脂は一種類でもよいが、複数の異なる結晶性ポリエステル樹脂を混合したものでもよい。また、非晶質ポリエステル樹脂は一種類でもよいが、複数の異なる非晶質ポリエステル樹脂を混合したものでもよい。
本実施の形態において、カラートナー受容層11cは、その粘度が103Pa・sとなる温度Tmが80〜110℃となる必要がある。80℃未満の場合、耐熱性が悪く、高温で放置するとブロッキング等の問題を生ずる。110℃を超えると、定着により平滑で光沢の高い画像表面を得ることができない。特に、定着された画像表面においても、高濃度部と低濃度部との境界に段差が残るという問題がある。
更に、本実施の形態においてカラートナー受容層11cの厚さは5〜20μmの範囲とする。
5μm未満の場合、120℃を超えると、定着により平滑で光沢の高い画像表面を得ることができない。特に、定着された画像表面においても、高濃度部と低濃度部との境界に段差が残るという問題がある。一方、20μmを越えると、折り曲げたときにカラートナー受容層11cがひび割れするという問題がある。
耐熱性、機械強度の観点から、更に好ましくは、前記Tが、T0+5〜T0+10(℃)の範囲であり、tが、t0〜3×t0(分)の範囲に設定するとよい。
同図において、先ず、表面と裏面の散乱成分を除くため、測定する樹脂フィルム(ポリエステル系樹脂からなるフィルム)123を、顕微鏡観察用の透明なカバーガラス121,122で挟み、カバーガラス121,122と樹脂フィルム123との間を図示外の屈折率マッチング液(テトラデカン)で満たす。この試料120(カバーガラス121,122+樹脂フィルム123)をライトトラップ125上に載置し、光源126からの光を前記試料120に照射すると共に、0/45度の幾何学的測色条件を満たす測色器127(例えばX−rire968など)で反射測定する。尚、ライトトラップ125としては、例えば一端が開口した筒体131の開口側に載置台132を設けると共に、筒体131の内壁を黒塗り等の光吸収部133として構成し、試料120を透過した光をトラップするものであれば適宜選定して差し支えない。
また、測定する樹脂フィルム123の膜の厚みは20μmであることが好ましいが、散乱が2%以下の場合には、Yの大きさは膜の厚みに略比例するので、樹脂フィルム123の厚みが正確に20μmでない場合には、厚みで換算してYを算出してもよい。
また、基材上に作った膜(樹脂フィルム123)をPETフィルムなどの透明フィルムに重ね、加熱加圧した後に基材を剥離して透明フィルムに転写したものを使って、Yを測定してもよく、この試料の反射率Ytから転写フィルム自体の反射率Y0を引き算すると、測定されるべき樹脂フィルム123に対するYが算出できる。
[結晶性ポリエステル樹脂]
前記結晶性ポリエステル樹脂は融点が80〜130℃であり、好ましくは80〜100℃であり、より好ましくは85〜95℃である。重量平均分子量は15000〜50000であり、低温定着性、機械強度の観点からより好ましくは17000〜40000である。尚、本実施の形態において、前記ポリエステル樹脂の融点の測定には、示差走査熱量計(DSC)を用い、室温から150℃まで毎分10℃の昇温速度で測定を行った時の吸熱ピークのトップの値を用いた。
また、本実施の形態において、「結晶性ポリエステル樹脂」の「結晶性」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指す。また、前記結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が少量であり、示差走査熱量測定(DSC)において明確な吸熱ピークを有するならば、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
前記アルコール由来構成成分となるためのアルコールとしては、脂肪族ジオールが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,20-エイコサンジオール、などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。定着性と耐熱性の観点から、これらのうち炭素数が6〜12の範囲の直鎖脂肪族系のジオールであることが好ましく、炭素数が9のノナンジオールを用いることがより好ましい。
溶融混合性、低温定着性の観点から、全アルコール由来構成成分に対して、上記炭素数が6〜12の範囲の直鎖脂肪族系のジオールを85〜98モル%の範囲で含むことが好ましい。
芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ビフェニルジカルボン酸等が挙げられる。中でもテレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、イソフタル酸、イソフタル酸ジメチル、2,6-ナフタレンジカルボン酸が、低温定着性、機械強度の点で好ましく、機械強度と溶融混合性の観点からすれば、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲であることが好ましい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,11-ウンデカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,13-トリデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,16-ヘキサデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。
第三成分としては、溶融混合性を高める観点から、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等のジオール成分を用いることが好ましい。耐熱性の観点から、全アルコール由来構成成分に対して、アルコール由来の第三成分が2〜15モル%の範囲にあることが好ましく、更に好ましい範囲は3〜8モル%の範囲である。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、酸成分とアルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができる。すなわち、二塩基酸と二価アルコールをエステル化反応もしくはエステル交換反応させることによりオリゴマーを得、次いで真空下で重縮合反応を行って合成することができる。また、例えば特公昭53−37920号公報に記載のように、ポリエステルの解重合法によっても得ることができる。また、二塩基酸としては、ジメチルテレフタレート等のジカルボン酸のアルキルエステルを少なくとも一方に用いてエステル交換反応を行なった後、重縮合反応を行なっても、ジカルボン酸を用いて直接エステル化、次いで重縮合反応を行なってもよい。
例えば、二塩基酸と二価アルコールを、大気圧下180〜200℃で2〜5時間反応させ、水又はアルコールの留出を終了させて、エステル交換反応を完結させる。次いで、反応系内の圧力を1mmHg以下の高真空にすると共に、200〜230℃に昇温し、この温度にて1〜3時間加熱して結晶性ポリエステル樹脂を得る。
前記非晶質ポリエステル樹脂はガラス転移点が50〜80℃であり、好ましくは55〜65℃である。重量平均分子量は8000〜30000の範囲であるが、低温定着性と機械強度の観点から、重量平均分子量は8000〜16000の範囲であることが好ましい。そして、低温定着性、混合性の観点から、第三成分を共重合してもよい。
また、前記結晶性ポリエステル樹脂と共通のアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分を持つことが溶融混合性を高める上で好ましい。特に、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分が直鎖脂肪族成分で、酸由来構成成分の主成分が芳香族系成分である場合、同じ直鎖脂肪族のアルコール由来構成成分を全ジオールに対して10〜30モル%の範囲で含み、同じ酸由来構成成分の芳香族系成分を全酸由来構成成分に対して90モル%以上含むことで、低温定着性を満たす上に、溶融混合性が高められ、低温で溶融混合でき、耐熱性の良好な混合物を得ることができる。
更に、結晶性ポリエステル樹脂の第三成分としてアルコール由来構成成分である芳香族系成分を含む場合、同じ芳香族系成分を非晶質ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分として、全アルコール由来構成成分に対してこの芳香族系成分を70〜90モル%の範囲で含むことが、溶融混合性、耐熱性、低温定着性の観点から特に好ましい。
前記酸由来構成成分としては、結晶性ポリエステルに関して挙げた種々のジカルボン酸を同様に用いることができる。前記アルコール由来構成成分としては、種々のジオールを用いることができるが、結晶性ポリエステルに関して挙げた脂肪族ジオールに加えて、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等を用いることができる。また、非晶性ポリエステル樹脂の場合は酸由来構成成分、アルコール由来構成成分とも複数の成分を含んでもよい。
但し、熱可塑性樹脂80wt%以上の比率で構成されることが好ましい。これは、80wt%未満の場合、粘度が高くなる、耐熱性が低下するなどの問題点を生ずる懸念があることによる。
前記無機微粒子としては、白色度を阻害しない限り特に制限はなく、公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、シリカ、二酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。また、樹脂への分散性を考慮し、これらの無機微粒子に対して、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用いて疎水化処理したものも使用できる。
無機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。前記平均粒径が0.005μm未満であると、樹脂と混合したときに凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを越えたときにはより高光沢な画像を得ることが困難になる。
また、無機微粒子を添加することで、定着後の樹脂の固化が早まる。
添加量が3wt%を下回ると固化を早める効果がほとんどなく、15wt%を超えると定着温度における粘度が上がるため、所望の定着温度において高光沢な画像表面を形成できなくなる。
更に、無機微粒子としては、その主成分が粒子径8〜200nmの二酸化チタン又はシリカであることが好ましい。このような無機微粒子は白色度を損なうことがない上に、添加量が少量であっても固化を早めることができる。
前記有機微粒子としては、白色度を阻害しない限り特に制限はなく、公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、タルク、カオリンクレー、ポリアクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。
有機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。前記平均粒径が0.005μm未満であると、樹脂と混合したときに凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを越えたときにはより高光沢な画像を得ることが困難になる。
例えば、押出し式混練機を使って、溶融した樹脂のなかに、白色顔料とその他の添加物を混合していく方法、また、樹脂、無機微粒子、その他の添加物、さらに界面活性剤を水中に入れて、高速攪拌して水分散して混合する方法がある。特に、樹脂中に、無機微粒子とその他の添加物を均一に分散するという観点から、溶融混合することが好ましい。
例えば、樹脂中に、無機微粒子とその他の添加物を均一に分散することをも兼ね備えた溶融押出し法に基づく装置が挙げられる。
溶融押出し法においては、加熱された押出し機から広幅のスリットダイ(いわゆるT−ダイ)を経て押し出された溶融樹脂膜を、原紙11a上の光散乱層11bに接触させ、ロールで連続的に圧接するラミネート方法や、同じく溶融樹脂を冷却ロール上に押出し、巻き取ってフィルム化し、これをラミネート装置で光散乱層11b上に被覆するなどの一般的な方法等が挙げられる。
溶融押出し法によれば、原紙11a上の散散乱層11bに、前記の樹脂、無機微粒子、その他の添加物からなる均一な膜を容易に形成することができる。
溶融押出し法を使うと、混合すべき結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とを、所定の条件で溶融混合することを兼ねることも可能である。所望の特性が得られるように、溶融温度と押出し時間とを設定した装置に、樹脂と添加物とを仕込んで溶融押出しして成膜すると、所望の特性を満たす均質な膜を形成することができる。
尚、溶融押出し法による被転写層の形成に使用する押出し機は、一軸のものでも、二軸のものでもよいが、前記樹脂中に白色顔料とその他の添加物を均一に混合しうる能力を有するものであることが重要である。また、樹脂、無機微粒子、その他の添加物を水中に分散した水分散物を、ロールコーター、バーコーター、スピンコーターなどの公知の方法で塗布することもできる。
例えば図5(a)に示すように、前記画像支持材11が、原紙11aの裏面にポリエチレン樹脂層からなる補強層11dを形成し、更に、その外側に帯電防止層11eを備えたものが挙げられる。
本態様によれば、このような画像支持材11は、白色度が高く、表面が平滑で光沢も高く、裏面に画像を作った場合でも裏写りせず、かつ、色が鮮やかで、滑らかな粒状感の良い画像を提供することができる上に、画像支持材11の搬送性が良く、ほこり汚れが付き難いという利点をもつ。
帯電防止層11eは裏面の表面抵抗値を106〜1010Ω/□程度の範囲に保つことを目的とするものであり、目的を達する限り特に限定する必要はない。
例えば、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナなどの塗布層、またはアルミナ、シリカ等の粒子を少量の結着樹脂に混ぜて塗布した層、イオン性の界面活性剤を分散した樹脂を塗布した層などが挙げられる。
本態様は、カラートナー受容層11cと光散乱層11bとの接着性を上げるという効果がある。特に、カラートナー受容層11cを、構成する材料の水分散体として塗布するときには、ゼラチン層11fは均一なカラートナー受容層11cを形成する上で有効に作用する。
前記結着樹脂としては、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、その他のビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリウレア系樹脂などの一般トナー用に用いられる公知の樹脂とその共重合体があげられる。これらの中でも、低温定着性、定着強度、保存性などのトナー特性を同時に満足し得る点でポリエステル系またはスチレン−アクリル共重合体からなる樹脂が好ましい。また、結着樹脂は、重量平均分子量が5000〜40000、かつ、ガラス転移点が55度以上75度未満であることが好ましい。
染料系、顔料系のいずれも使うことが可能であるが、耐光性の観点から顔料系の着色剤が好ましい。例えば、Y(イエロ)用としてベンジジンイエロ、キノリンイエロ、ハンザイエロ等、M(マゼンタ)用としてローダミンB、ローズベンガル、ピグメントレッド等、C(シアン)用としてフタロシアニンブルー、アニリンブルー、ピグメントブルー等、K(ブラック)用としてカーボンブラック、アニリンブラック、カラー顔料のブレンド等である。
好ましくは、色再現範囲を広めるためには、着色剤の顔料とバインダーとの界面での乱反射を抑えることが重要であり、例えば特開平4−242752号公報に示された小粒径の顔料を高分散した着色剤との組合せが有効である。
更にまた、前記カラートナーにはWAXが添加されていることが好ましい。
WAXの組成としては、実施の形態の効果を害しない限り特に制限はなく、WAXとして用いられている公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質として例えば、ポリエチレン系樹脂、カルナバ天然ワックスなどが挙げられる。ここで、融点80〜110℃の範囲のWAXが0.2〜8wt%の比率で添加されていることが好ましい。
尚、粒状性や調子再現性の良い画像を得るためには、トナーの流動性と帯電性の制御が必要になる。この観点から、前記カラートナーの表面に、無機微粒子及び/又は樹脂微粒子を外添ないし付着させることが好ましい。
前記無機微粒子としては、本発明の効果を害しない限り特に制限はなく、外添剤として用いられている公知の微粒子の中から目的に応じて適宜選択することができるが、その材質としては、例えば、シリカ、二酸化チタン、酸化すず、酸化モリブデンなどが上げられる。また、帯電性などの安定性を考慮し、これらの無機微粒子に対して、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等を用いて疎水化処理したものも使用できる。
無機微粒子及び有機微粒子の平均粒径は0.005〜1μmであるのが特に好ましい。前記平均粒径が0.005μm未満であると、トナーの表面に該無機微粒子及び/又は樹脂微粒子を付着させたときに凝集が起こり、所望の効果が得られないことがある一方、1μmを越えたときにはより高光沢な画像を得ることが困難になる。
ここで、粘度が104Pa・sとなる温度Tm’が、カラートナー受容層11cの粘度が103Pa・sとなる温度Tmより20℃を超えて高いと、カラートナー像の現像量の多い高濃度ソリッド画像部とカラートナー像のない非画像部との境界の画像エッジ近傍部分に気泡を発生するという問題点がある。一方、Tm’がTm未満の場合、中濃度部においてカラートナー像が乱れて粒状性を損なうこと、線の太りや文字のつぶれを生じることなどの問題点を起こす懸念がある。
尚、前記カラートナー像は、適宜選択したそれ自体公知のキャリアと組み合わされて現像剤とされた後で使用される。また、一成分系現像剤として、現像スリーブまたは帯電部材と摩擦帯電して帯電トナーを形成し、静電潜像に応じて現像する手段も適用できる。
例えば感光体、感光体に対向する帯電装置、感光体を露光する露光装置、カラー画像を形成するための画像信号を制御するための画像信号形成装置、感光体に対向する現像装置、感光体上のトナー像を画像支持材11に転写する転写装置からなる態様が挙げられる。
また、中間転写体を備え、感光体のトナー像を一旦中間転写体上に転写した後、中間転写体から画像支持材11にトナー像を二次転写装置で転写する態様もある。
ここで、感光体としては、特に制限はなく公知のものでよく、単層構造のものであってもよいし、多層構造で機能分離型のものであってもよい。また、材質としては、セレン、アモルファスシリコン等の無機ものであってもよいし、有機のものであってもよい。
また、帯電装置には、例えば、導電性または半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いた接触帯電、コロナ放電を利用したコロトロン帯電やスコロトロン帯電などのそれ自体公知の手段を使うことができる。
更に、露光装置には、半導体レーザ、走査装置及び光学系からなるレーザ走査装置(ROS:Raster Output Scanner)、そして、LEDヘッドなどの公知の露光手段を使うことができる。均一で、解像度の高い露光像を作るという好ましい実施形態を考えると、ROS又はLEDヘッドを使うことが好ましい。
更にまた、画像信号形成装置には、画像支持材11上の所望の位置にトナー像を現像するように、信号を形成するものであれば公知の手段を適宜使うことができる。
また、現像装置は、感光体上に均一で、解像度の高いトナー像を形成できるという目的を果たす限り、一成分、二成分を問わず公知の現像装置を使うことができる。粒状性が良好で、滑らかな調子再現ができるという観点から、二成分現像方式の現像装置が好ましい。
また、中間転写体には、絶縁性または半導電性のベルト材料、絶縁性または半導電性の表面を持つドラム形状のものを使うことができる。連続した画像作製時において安定的に転写性を維持し、装置を小型化できるという観点から、半導電性のベルト材料が好ましい。このようなベルト材料としては、カーボンファイバーなどの導電性のフィラーを分散した樹脂材料からなるベルト材料が知られている。この樹脂としては、例えばポリイミド樹脂が好ましい。
また、二次転写装置には、例えば、電圧を印加した導電性または半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を用いて、中間転写体と画像支持材11との間に電界を作り、帯電したトナー粒子からなるトナー像を転写する手段、コロナ放電を利用したコロトロン帯電器やスコロトロン帯電器などで中間転写体の裏面をコロナ帯電して、帯電したトナー粒子からなるトナー像を転写する手段など、公知の手段を使うことができる。
ここで、ベルト状定着部材には、ポリイミド等の樹脂フィルム、ステンレスなどの金属フィルムを用いることができる。耐熱温度が高く、離型性が良いことが求められるため、耐熱性のベース基材に離型層を積層したものが好ましい。ベース基材としては、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの樹脂フィルム、ステンレスベルトなどの金属ベルトを使うことが好ましい。また、離型層にはシリコンゴム、フッ素ゴム、フッ素樹脂などを使うことが好ましい。
安定な剥離性を維持したり、ほこりなどによる汚れを軽減するためには、導電性カーボン粒子や導電性ポリマー等の導電性の添加剤を分散する等により抵抗値が調整されていることが好ましい。
また、形状はシート状のものであってもよいが、無端ベルト形状のものを使うことも好ましい。また、平滑性の観点から、75度光沢度計で測ったときの表面の光沢度が60以上であることが好ましい。
例えば一定速度で駆動された一対のロールの間にベルト状定着部材及び画像が形成された画像支持材11を挟んで駆動するものが挙げられる。
ここで、このロールの一方または両方ともに、例えば内部に熱源を備える等の装置で、その表面が透明トナーの溶融する温度に加熱されており、かつ、二つのロールは圧接されている。好ましくは、一方または両方のロール表面にはシリコンゴムまたはフッ素ゴム層が設けられていて、加熱加圧される領域の長さが1〜8mm程度の範囲にあることがよい。
また、定着における加熱ロール、加圧ロールの表面温度は、両ロールが圧接する領域の後端部(定着ニップ域出口側)におけるカラートナー受容層11cの粘度が102〜104Pa・sとなるように調節されていることが好ましい。
このとき、冷却手段としては、自然冷却でもよいが、装置の大きさの観点から、ヒートシンクまたはヒートパイプ等の冷却部材を使って冷却速度を速めることが好ましい。また、剥離部材としては、剥離爪をベルト状定着部材と画像支持材11の間に挿入する態様や、剥離位置に曲率の小さなロール(剥離ロール)を設けて剥離させる態様が好ましい。
このとき、搬送速度が一定であることが好ましいので、例えば、一定の回転数で回る一対のゴムロールの間に前記画像支持材11を挟んで駆動する装置、あるいは、一方がモータ等で一定速度に駆動された一対のロールにゴム等でできたベルトを巻いて、このベルトの上に前記画像支持材11をおいて定速駆動する装置を使うことができる。
特に、未定着のトナー画像が形成されている場合は、トナー像を乱さないという観点から後者の装置が好ましい。
同図において、作像ユニット30としては、感光体ドラム31の周囲に、図示外の帯電器と、原稿32を露光走査して感光体ドラム31上に静電潜像を形成する露光装置33と、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの各色トナーが収容された現像器34a〜34dを搭載したロータリ型現像装置34と、感光体ドラム31上の画像を一時的に保持する中間転写ベルト35と、感光体ドラム31上の残留トナーを清掃する図示外のクリーニング装置とを配設し、前記中間転写ベルト35のうち感光体ドラム31の対向部位には一次転写装置(例えば転写コロトロン)36を配設すると共に、中間転写ベルト35のうち画像支持材11の通過部位には二次転写装置(本例では中間転写ベルト35及び画像支持材11を挟む一対の転写ロール37a及びバックアップロール37bを配設したもの)37が用いられる。
また、定着装置40は、適宜数(本例では3つ)の張架ロール42〜44に掛け渡される定着ベルト(例えば表面にSiゴムが塗布されたベルト材を使用)41と、この定着ベルト41の入口側に位置する張架ロールを加熱可能に構成した加熱ロール42と、この定着ベルト41の出口側に位置する張架ロールを画像支持材11が剥離可能となるように構成する剥離ロール44と、前記加熱ロール42に対向して定着ベルト41を挟んで圧接配置される加圧ロール(必要に応じて熱源を付加して差し支えない)46と、定着ベルト41の内側に設けられ且つ加熱ロール42から剥離ロール44に至る途中で定着ベルト41を冷却する冷却部材としてのヒートシンク47とを備えている。
尚、定着装置40と作像ユニット30の画像形成部位との間には例えば搬送ベルトからなる搬送装置50が配設されている。
図2に示すように、本実施の形態に係る画像形成装置を用いてカラーコピーをとる場合には、まずコピーをとる原稿32に照明ランプ331からの光を照射し、その反射光をカラースキャナ332により色分解し、画像処理装置333で画像処理して色補正を施して得られる複数色のカラートナーの画像データと透明トナーの画像データとを色別にレーザダイオード334を用いて、変調されたレーザ光線とする。
このレーザ光線を感光体ドラム31に1色ずつ複数回照射して複数個の静電潜像を形成する。これら複数個の静電潜像については、イエロ、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のカラートナーを用い、これらをイエロ現像器34a、マゼンタ現像器34b、シアン現像器34c、ブラック現像器34dにて順番に現像する。
この後、カラートナー像12が転写された画像支持材11は、図6に示すように、搬送装置50を経て定着装置40に搬送される。
このとき、カラートナー像12は、画像支持材11のカラートナー受容層11c上に未定着の粒子が積層された状態で保持されている。
そして、定着ベルト41は、加熱ロール42と加圧ロール46とのニップ部で、カラートナー像12が転写された画像支持材11の表面と接触し、カラートナー像12が加熱溶融される(加熱加圧工程)。
このとき、画像支持材11上の光散乱層11b及びカラートナー受容層11c、更にはカラートナー像12の溶融特性が好ましい範囲に選定されているため、図6に示すように、カラートナー像12がカラートナー受容層11c内に完全に埋没し、かつ、定着ベルト41の平滑性の高い表面形状が画像支持材11の表面部であるカラートナー受容層11cにそのまま転写される。
このため、画像支持材11が剥離ロール44に到達すると、剥離ロール44の曲率によって、カラートナー像12及び画像支持材11は一体となって定着ベルト41から剥離される(剥離工程)。
以上により、画像支持材11上には、平滑で高光沢のカラー画像が形成される。
このような性能については後述する実施例にて裏付けられる。
[結晶性ポリエステル樹脂の作製]
結晶性ポリエステル樹脂A:TPA/ND/BPA=100/95/5(モル比)
ここで、TPAはテレフタル酸、NDはノナンジオール、BPAはビスフェノールAエチレンオキサイド付加物である。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物15.8重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Aとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は10900であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Aの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は94℃であった。
ここで、BPSはビスフェノールSエチレンオキサイド付加物である。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物16.9重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Bとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は23000であり、数平均分子量(Mn)は12000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Bの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は92℃であった。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール144重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物31.6重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Cとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Cの重量平均分子量(Mw)は22000であり、数平均分子量(Mn)は11000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Cの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は90℃であった。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール160重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を結晶性ポリエステル樹脂Dとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Dの重量平均分子量(Mw)は24000であり、数平均分子量(Mn)は13000であった。
また、結晶性ポリエステル樹脂Dの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は95℃であった。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール152重量部と、ビスフェノールAエチレンレンオキサイド付加物15.8重量部と、エチレングリコール136重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。反応により生成したメタノールと過剰なエチレングリコールを減圧して留去し、その後、減圧下にて220℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶性ポリエステル樹脂Eとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂Eの重量平均分子量(Mw)は43000であり、数平均分子量(Mn)は22000であった。
また、結晶性ポリエステルEの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを有し、ピークトップの温度は96℃であった。
ここで、作製した結晶性ポリエステルA〜Eの一覧を図7に示す。
非晶質ポリエステル樹脂F:TPA/ND/BPA=100/25/75
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール40重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物237重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶質ポリエステル樹脂Fとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶質ポリエステル樹脂Fの重量平均分子量(Mw)は13000であり、数平均分子量(Mn)は6000であった。
また、非晶質ポリエステル樹脂Fの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は58℃であった。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、1,9-ノナンジオール47重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物136重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶質ポリエステル樹脂Gとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶質ポリエステル樹脂Gの重量平均分子量(Mw)は12000であり、数平均分子量(Mn)は5600であった。
また、非晶質ポリエステル樹脂Gの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は62℃であった。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物316重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶質ポリエステル樹脂Hとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶質ポリエステル樹脂Hの重量平均分子量(Mw)は13000であり、数平均分子量(Mn)は6000であった。
また、非晶質ポリエステルCの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は82℃であった。
ここで、CHDMはシクロヘキサンジメタールである。
加熱乾燥した3口フラスコに、テレフタル酸ジメチル194重量部と、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物253重量部と、シクロヘキサンジメタノール28.8重量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.15重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させた。得られた樹脂を非晶質ポリエステル樹脂Iとした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非晶質ポリエステル樹脂Iの重量平均分子量(Mw)は13000であり、数平均分子量(Mn)は6000であった。
また、非晶質ポリエステル樹脂Iの融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱変化が確認された。階段状の吸熱変化量の中間点をとったガラス転移点(Tg)は65℃であった。
作製した非晶性ポリエステル樹脂F〜Iの一覧を図8に示す。
−カラートナー現像剤−
結着樹脂にテレフタル酸/ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物/シクロヘキサンジメタノールから得た線状ポリエステル(モル比=5:4:1、Tg=62度、Mn=4500、Mw=10000)を用い、これを100重量部に対して、イエロトナーの場合、着色剤としてベンジジンイエロ5重量部、マゼンタトナーの場合、着色剤としてピグメントレッド4重量部、シアントナーの場合、着色剤としてフタロシアニンブルー4重量部、ブラックトナーの場合、着色剤としてカーボンブラック5重量部をそれぞれ混合してバンバリーミキサーを使って加熱溶融混合し、これをジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級することで、d50=7μmの微粒子を作製した。
この微粒子100重量部に、下記の二種類の無機微粒子a及びbを高速混合機で付着させた。
無機微粒子aはSiO2(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.05μm、添加量1.0重量部)である。無機微粒子bはTiO2(シランカップリング剤で表面を疎水化処理、平均粒径0.02μm、屈折率2.5、添加量1.0重量部)である。
このトナーのTm’は105℃となった。
Acolor635(富士ゼロックス(株)製)用のブラック現像剤と同じキャリア100重量部とこのトナー8重量部とを混合して、二成分現像剤を作製した。
−カラー画像作製装置−
画像形成装置として、上述した図2のカラー画像形成装置を用いた。定着過程を除く画像形成プロセスの速度は160mm/sである。ソリッド画像部分でのカラートナーの現像量が各色とも0.7mg/cm2となるように、トナーとキャリアの重量比率、感光体帯電電位、露光量、現像バイアスを調整した。
(原紙)
原紙にはパルプ原料からなる厚さ150μmのものを使った。
(光散乱層)
ポリエチレン樹脂100重量部に対して二酸化チタン(チタン工業(株)製 KA−10、粒径300−500nm)を25重量部の割合で混合して200℃に加熱された溶融押出し機に投入し、T−ダイから吐出させ、火炎処理した原紙表面に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、30μmの厚さの光拡散層を作製した。ここで、T−ダイを抜けた後の膜の両面はコロナ処理装置でコロナ放電処理している。この光散乱層においてTbは130℃である。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂A50重量部と非晶質ポリエステル樹脂F50重量部とを190℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出し機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t0=5分とすると、T0=185℃であった。このカラートナー受容層においてTmは90℃である。
(裏面層の作製)
また、ポリエチレン樹脂を200℃に加熱された溶融押出し機に投入し、T―ダイから吐出させ、火炎処理した原紙裏面に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、30μmの厚さのポリエチレン層を作製し、その上にさらに帯電防止剤としてコロイダルシリカをバーコーターで塗布して帯電防止層を作製した。ここで、T−ダイを抜けた後の膜の両面はコロナ処理装置でコロナ放電処理している。
ベルト基材は、厚さ80μmの導電性カーボンが分散されたポリイミドフィルムに、50μm厚みのKE4895シリコンゴム(信越化学工業(株)製)を塗布したものを用いた。
また、二つの加熱ロールは、アルミニウム製の心材の上に2mm厚みのシリコンゴム層を設けたものを用い、それらの中央に熱源としてハロゲンランプを配している。ロール表面の温度は双方ともに100℃〜170℃の間で変化させた。
定着速度は30mm/sとした。
剥離位置での支持体の温度は70℃となっている。
以上の装置で、ポートレート写真画像を出力した。
分子量の測定はゲルパーミエイションクロマトグラフィを用いた。溶剤にはテトラヒドロフランを用いた。
トナーの平均粒径はコールターカウンタを用いて測定して、重量平均のd50を適用した。
尚、樹脂の粘度は、回転平板型レオメータ(レオメトリックス社製:RDAII)を用いて、角速度1rad/sのもとで測定した。
Yの測定は以下の手順で実施した(図4参照)。
実施例と比較例で得たカラートナー受容層形成用の熱可塑性樹脂をのカラー用OHPシート(富士ゼロックス(株)製)上に、それぞれの例と同じ厚みで塗布して透明画像を作った。
この透明画像の表面と裏面に顕微鏡観察用のカバーガラスを重ね、画像とカバーガラスとの隙間をテトラデカンで満たした。
これをライトトラップ上において、X−rite968で測色してY’を測定した。
熱可塑性樹脂を塗布していないOHPシートの表面と裏面に顕微鏡観察用のカバーガラスを重ね、画像とカバーガラスとの隙間をテトラデカンで満たし、同様の手順でY0を測定した。
YはY’−Y0で算出した。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂A40重量部と非晶質ポリエステル樹脂F60重量部とを190℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出し機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t0=5分とすると、T0=190℃であった。このカラートナー受容層においてTmは95℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂A60重量部と非晶質ポリエステル樹脂F40重量部とを190℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出し機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t0=5分とすると、T0=180℃であった。このカラートナー受容層においてTmは90℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂B50重量部と非晶質ポリエステル樹脂F50重量部とを190℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出し機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t0=5分とすると、T0=170℃であった。このカラートナー受容層においてTmは85℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂C50重量部と非晶質ポリエステル樹脂F50重量部とを190℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出し機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t0=5分とすると、T0=165℃であった。このカラートナー受容層においてTmは85℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂D50重量部と非晶質ポリエステル樹脂F50重量部とを185℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出し機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t0=5分とすると、T0=200℃であった。このカラートナー受容層においてTmは90℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂D50重量部と非晶質ポリエステル樹脂F50重量部とを210℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出し機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t0=5分とすると、T0=200℃であった。このカラートナー受容層においてTmは90℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂A50重量部と非晶質ポリエステル樹脂G50重量部とを200℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出し機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t0=5分とすると、T0=195℃であった。このカラートナー受容層においてTmは105℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂D50重量部と非晶質ポリエステル樹脂I50重量部とを200℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出し機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t0=5分とすると、T0=220℃であった。このカラートナー受容層においてTmは105℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂D50重量部と非晶質ポリエステル樹脂H50重量部とを210℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出し機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t0=5分とすると、T0=210℃であった。このカラートナー受容層においてTmは95℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂E50重量部と非晶質ポリエステル樹脂H50重量部とを210℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出し機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t0=5分とすると、T0=190℃であった。このカラートナー受容層においてTmは105℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂A50重量部、非晶質ポリエステル樹脂F50重量部及び二酸化チタン(チタン工業(株)製 KA−10、粒径300−500nm)10重量部を、200℃に加熱された押出し式混練機で20分間溶融混練し、これで得たペレットを170℃に加熱された溶融押出し機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t0=5分とすると、T0=185℃であった。このカラートナー受容層においてTmは90℃である。
カラートナーを以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー)
DCC500(富士ゼロックス(株)製)用のカラートナーを使用した。このカラートナーのTm’は100℃であった。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂E50重量部と非晶質ポリエステル樹脂H50重量部とを185℃に加熱された押出し式混練機で10分間溶融混練し、これで得たペレットを180℃に加熱された溶融押出し機に投入してT−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。この樹脂の溶融混合において、t0=5分とすると、T0=190℃であった。このカラートナー受容層においてTmは115℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂Bを170℃に加熱された溶融押出し機に投入し、T−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。このカラートナー受容層においてTmは85℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂Dを170℃に加熱された溶融押出し機に投入し、T−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。このカラートナー受容層においてTmは95℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
結晶性ポリエステル樹脂Eを170℃に加熱された溶融押出し機に投入し、T−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。このカラートナー受容層においてTmは105℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
非晶質ポリエステル樹脂Hを220℃に加熱された溶融押出し機に投入し、T−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。このカラートナー受容層においてTmは135℃である。
カラートナー受容層を以下の様に変更したこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
(カラートナー受容層)
非晶質ポリエステル樹脂Iを200℃に加熱された溶融押出し機に投入し、T−ダイから吐出させ、光散乱層を形成した原紙に対して、ニップロールと冷却ロールとの間でニップしラミネートすることにより、20μmの厚さのカラートナー受容層を作製した。このカラートナー受容層においてTmは115℃である。
画像支持材をミラーコートゴールド紙(210gsm、王子製紙(株)製)に変更したこと以外、実施例1と同じ装置でカラー画像を作製した。
画像支持材をJ紙(富士ゼロックス(株)製)に変更したこと以外、実施例1と同じ装置でカラー画像を作製した。
画像支持材にカラートナー受容層を設けなかったこと以外は実施例1と同様にカラー画像を作製した。
−機械強度−
実施例と比較例において得られた画像支持材を半径の異なる金属ロールに巻きつけ、ひび割れを発生しない最小半径を調べた。この半径が、
10mm未満の場合:○
10mm以上30mm未満の場合:△
30mm以上の場合:×
とした。
−耐熱性−
実施例と比較例において得られた支持体の表面と表面を接触させ重ね、30g重/cm2の加重を付加した状態で、一定温度に保たれた恒温層に入れ、3日間経過した後に、約22℃の室温に戻して剥離した。温度を変化させながらこの試験を繰り返した。画像表面が破壊した温度が、
55℃以上の場合:○
45℃以上55℃未満の場合:△
45℃以下の場合:×
とした。
・光沢性の評価
実施例と比較例で得られた画像の白紙部の光沢度を75度光沢度計(村上色彩技術研究所(株)製)で測定した。光沢度が90以上となった定着温度が、
110℃未満の場合:○
110℃以上130℃未満の場合:△
130℃以上の場合:×
とした。
・平滑性の評価
実施例と比較例で得られた画像平滑性を目視で確認した。画像表面に気泡が認識できななった温度範囲が、
30℃以上の場合:○
10℃以上30℃未満の場合:△
10℃以上の場合:×
とした。
−固化速度−
固化の速さは以下のように評価した。
定着装置から出力された画像が完全に固化していて、手で触っても指紋等がつかない場合:○
定着装置から出力された画像が完全に固化していないものの、画像表面に欠陥なく出力でき、次の出力画像が重なっても画像表面の平滑性に問題がなかった場合:△
定着装置から出力された画像が固化しておらず、画像表面にが平滑でなく、光沢ムラを生じていたり、剥離ロールを過ぎてもベルトに画像がくっついていて剥離できなかった場合:×
実施例と比較例において定着温度140℃のもとで得られた画像の総合的な好ましさを、以下の5段階のカテゴリー分類させて評価した。
非常に好ましい:5点
好ましい:4点
普通:3点
好ましくない:2点
非常に好ましくない:1点
被験者は10人で、10人の点数の平均点が、
3.5点以上の場合:○
2.5℃点以上3.5点未満の場合:△
2.5点未満の場合:×
とした。
図9によれば、実施例1〜実施例13の画像は、機械強度、耐熱性、低温定着性をすべて満たす画像が得られた。また、総合画質も高く、好ましい画像が得られている。
実施例6は、画像の平滑さがやや低めで総合画質が△であり、また、実施例11は光沢がやや低めで総合画質が△であるが、それ以外の特性は満足しており、実使用上問題ないレベルの画像であった。
これに対し、比較例1の画像は、低温定着性と耐熱性が悪かった。また、定着温度を130℃では、カラートナー受容層が溶け出すためか、1mm程度の大きな気泡が数多く発生した。また、このためか130℃以上の温度では粒状も悪化していた。
比較例2の画像は、剥離ロールで剥離できたものの、次の画像が出力されて重なったときに表面層が固化しきれておらず、画像表面の光沢ムラを生じた。
比較例3の画像は、剥離ロールで剥離できなかった。剥離ロールを通過したあとで、手でベルトからはがしたところ、画像表面が平滑にならず、光沢ムラが生じた。
比較例4の画像は、剥離ロールで剥離できなかった。剥離ロールを通過したあとで、手でベルトからはがしたところ、画像表面が平滑にならず、光沢ムラが生じた。
比較例5の画像は、光拡散層が溶け出す145℃の定着温度では光沢が得られず、また、150℃の定着温度では、1mm以上の気泡がある上に、カールが大きく、画像表面はひび割れていた。
比較例6の画像は、光拡散層が溶け出す145℃の定着温度では光沢が得られず、また、150℃の定着温度では、1mm以上の気泡がある上に、カールが大きく、画像表面はひび割れていた。
比較例7の画像は、色再現が悪く、粒状感も悪かった。
比較例8の画像は、光沢が低く、色調、粒状感が悪かった。
比較例9の画像は、低濃度部や高濃度部の光沢は高かったが、中濃度部で平滑性が悪く、光沢も低かった。
以上から、各実施例1〜13を使うことで、機械強度、耐熱性、低温定着性をすべて満たし、かつ、固化速度も速く、総合画質も高く、好ましい画像が得られような画像支持材、及び、そのような画像支持体を使って好ましい画像を作製する画像作製装置を提供できると判明した。
Claims (21)
- 熱可塑性樹脂と着色剤とが少なくとも含まれるカラートナー像を定着可能に支持する画像支持材において、
ベース材と、
このベース材上に設けられ且つ白色顔料と熱可塑性樹脂とが含まれる光散乱層と、
この光散乱層上に設けられ且つ熱可塑性樹脂が少なくとも含まれるカラートナー受容層とを備え、
前記光散乱層の熱可塑性樹脂はポリオレフィン系又はポリオレフィン系共重合体からなり、その粘度が5×103Pa・sとなる温度Tbが115℃以上であり、
前記カラートナー受容層の熱可塑性樹脂は結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とを溶融混合したポリエステル系樹脂からなり、その粘度が103Pa・sとなる温度Tmが80〜110℃であることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材において、
ベース材は坪量が100〜250gsmの原紙であることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材において、
光散乱層は20〜40wt%の白色顔料を含むものであることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材において、
光散乱層の厚さは20〜50μmであることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材において、
カラートナー受容層は80wt%以上の熱可塑性樹脂を含むものであることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材において、
カラートナー受容層の厚さは5〜20μmであることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材において、
カラートナー受容層の熱可塑性樹脂のうち、結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂との重量比が35:65から65:35の範囲であることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材において、
結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とを溶融混合する条件として、
結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とを時間t0(分)間、溶融混合して得た樹脂を20μmのフィルムにしたとき、このフィルムの視感反射率Yが1.5%になる温度をT0(℃)とし、溶融混合における温度をT(℃)、時間をt(分)とすると、T(℃)が、T0〜T0+20の範囲であり、t(分)が、t0〜10×t0の範囲に設定されることを特徴とする画像支持材。 - 請求項8記載の画像支持材において、
温度T(℃)が、T0+5〜T0+10の範囲であり、時間t(分)が、t0〜3×t0の範囲に設定されることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材において、
結晶質ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とは共通のアルコール由来構成成分あるいは酸由来構成成分を備えていることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材において、
結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は炭素数6〜12の直鎖脂肪族を主成分とし、全アルコール由来構成成分に対して直鎖脂肪族成分が85〜98モル%の範囲であり、
前記結晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分はテレフタル酸又はイソフタル酸又はナフタレンジカルボン酸に由来する芳香族を主成分とし、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲であることを特徴とする画像支持材。 - 請求項11記載の画像支持材において、
非晶質ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分である炭素数6〜12の直鎖脂肪族と同じ直鎖脂肪族を含み、全アルコール由来構成成分に対して直鎖脂肪族成分が10〜30モル%の範囲であり、
前記非晶質ポリエステル樹脂の酸由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂の酸由来構成成分の主成分であるテレフタル酸又はイソフタル酸又はナフタレンジカルボン酸に由来する芳香族と同じ芳香族を含み、全酸由来構成成分に対して芳香族成分が90モル%以上の範囲であることを特徴とする画像支持材。 - 請求項12記載の画像支持材において、
結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、炭素数6〜12の直鎖脂肪族及び芳香族系ジオール由来成分を含み、全アルコール由来構成成分に対して、直鎖脂肪族成分が85〜98モル%の範囲であり、かつ、芳香族系ジオール由来成分が2〜15モル%の範囲であり、
非晶質ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分は、結晶性ポリエステル樹脂のアルコール由来構成成分の主成分と同じ直鎖脂肪族成分及び芳香族系ジオール由来成分を含み、全アルコール由来構成成分に対して、直鎖脂肪族成分が10〜30モル%の範囲であり、かつ、芳香族系ジオール由来成分が70〜90モル%の範囲であることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材において、
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量が17000〜40000であり、非晶質ポリエステル樹脂の重量平均分子量が8000〜16000であることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材において、
カラートナー受容層は無機微粒子を3〜15wt%含むことを特徴とする画像支持材。 - 請求項15記載の画像支持材において、
無機微粒子が粒子径8〜200nmの二酸化チタン又はシリカであることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材において、
表面及び裏面の少なくともいずれか一方に帯電防止層を備えていることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材において、
光散乱層とカラートナー受容層との間にゼラチン層を備えていることを特徴とする画像支持材。 - 請求項1記載の画像支持材を使用するに際し、
カラートナー像の熱可塑性樹脂はその粘度が104Pa・sとなる温度Tm’(℃)がTm以上Tm+20℃未満のポリエステル系又はスチレンアクリル系の樹脂を主成分とすることを特徴とする画像支持材の使用方法。 - 熱可塑性樹脂と着色剤とが少なくとも含まれるカラートナー像を定着可能に支持する画像支持材と、
この画像支持材上にカラートナー像を形成する作像ユニットと、
この作像ユニットにて形成されたカラートナー像を画像支持材上に定着する定着装置とを備えた画像形成装置であって、
前記画像支持材は、
ベース材と、
このベース材上に設けられ且つ白色顔料と熱可塑性樹脂とが含まれる光散乱層と、
この光散乱層上に設けられ且つ熱可塑性樹脂が少なくとも含まれるカラートナー受容層とを備え、
前記光散乱層の熱可塑性樹脂はポリオレフィン系又はポリオレフィン系共重合体からなり、その粘度が5×103Pa・sとなる温度Tbが115℃以上であり、
前記カラートナー受容層の熱可塑性樹脂は結晶性ポリエステル樹脂と非晶質ポリエステル樹脂とを溶融混合したポリエステル系樹脂からなり、その粘度が103Pa・sとなる温度Tmが80〜110℃であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項20記載の画像形成装置において、
定着装置は、画像支持材上の画像を挟んで密着する定着部材を有し、画像支持材上のカラートナー像を加熱加圧する加熱加圧手段と、加熱加圧されたカラートナー像を冷却して定着部材から剥離する冷却剥離手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
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