JPH10166601A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法

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JPH10166601A
JPH10166601A JP8351993A JP35199396A JPH10166601A JP H10166601 A JPH10166601 A JP H10166601A JP 8351993 A JP8351993 A JP 8351993A JP 35199396 A JP35199396 A JP 35199396A JP H10166601 A JPH10166601 A JP H10166601A
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JP8351993A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kigami
博之 木上
Takeshi Origasa
剛 折笠
Kimiyuki Hayashizaki
公之 林崎
Hisashi Fukai
恒 深井
Noriyuki Ono
敬之 小野
Masayoshi Okawa
雅由 大川
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板ばね部材のばね端部で天板の溝部と素子基
板のヒータが接合している位置を安定して精度良く押し
付け、接合部分での密着性の安定化さらにインク吐出性
能の信頼性を向上させる液体噴射記録ヘッドの製造方
法。 【解決手段】 固定治具17にセットされた液体噴射記
録ヘッドを構成する天板3と素子基板2に対してばね掛
けする板ばね部材1を、ばね組付け治具19に固定した
状態でZ軸方向に移動させて、近接センサ9によって、
板ばね部材1の板ばね片7の先端部等の押し付け部の位
置を検知して予め設定されている位置に規制し、位置出
し補正を行なう。そして、この状態で板ばね部材1を天
板3にばね掛けすることによって、板ばね部材1の寸法
精度にバラツキがあっても、天板3の溝部4と素子基板
2のヒータ5の接合部分を精度良く正確に押圧し、接合
部分の密着性を安定化し、インク吐出性能の信頼性を向
上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射記録装置
等に使用される液体噴射記録ヘッドの製造方法に関し、
特に、板ばね等の弾性部材により天板と素子基板を圧着
接合して構成する液体噴射記録ヘッドの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録装置等に使用される液体噴
射記録ヘッドは、複数の吐出エネルギー発生素子(例え
ば、電気熱変換素子)を所定の間隔をおいて形成した素
子基板(ヒータボード)と、インクを吐出する複数のイ
ンク吐出口および各インク吐出口にそれぞれ連通する複
数のインク流路溝が形成された天板とからなり、吐出エ
ネルギー発生素子とインク流路溝とを対応するように正
確に位置合わせした状態で、素子基板と天板を組み付け
て、板ばね等の弾性部材により両者を圧着接合し、吐出
エネルギー発生素子によりインク流路溝内のインクに吐
出エネルギーを付与することによってインク吐出口から
インクを液滴として噴射させて印字記録を行なうように
構成されている。
【0003】この種の液体噴射記録ヘッドの製造に際し
ては、天板における複数の溝やノズル等が形成された箇
所に素子基板の吐出エネルギー発生素子を、画像処理や
機械的な突当て位置決め等によって精密な位置合わせを
した後に、板ばね等の弾性部材の付勢手段によって、天
板と素子基板とを圧着し接合させている。このとき、板
ばね等の弾性部材で、素子基板の吐出エネルギー発生素
子と天板の溝部が接合している位置を、素子基板の裏面
から正確に押し付け押圧するようにばね掛けすることが
必要があった。
【0004】これは、素子基板と天板の接合において、
天板における複数の溝部と素子基板上の吐出エネルギー
発生素子のパターン部分の密着性が、液体噴射記録ヘッ
ドのインク吐出能力を決める重要な要因となるからであ
る。なお、素子基板上の吐出エネルギー発生素子のパタ
ーンは全長が略100μm程度であるので、板ばね等の
弾性部材の端部での押圧位置は±50μm程度の精度が
要求されている。
【0005】上記のような条件において、素子基板また
は天板に対する板ばね等の弾性部材端部の位置出しは、
従来においては、板ばね等のばね掛け治具あるいはばね
組付け治具に設けてある機械的な突当て基準に、板ばね
等に設けられた位置出し用の基準部を突き当てる方法で
行なっていた。
【0006】このようなばね掛けに関する従来技術を図
4ないし図6に基づいてさらに詳細に説明すると、液体
噴射記録ヘッドは、図4および図5に示すように、溝部
4および吐出口(図示しない)が形成された天板3と吐
出エネルギー発生素子5(以下、ヒータという)が形成
された素子基板2と板ばね部材1を備え、天板3の溝部
4に素子基板2上に形成されたヒータ5を、画像処理や
機械的な突当て位置決め等によって、精密に位置決めし
て、この状態で板ばね部材1をばね掛けし、天板3と素
子基板2を接合して密着させる構成としている。
【0007】ところで、板ばね部材1は、天板3にばね
掛けされた状態で、板ばね片7の端部8が素子基板2の
裏面に当接して素子基板2を天板3に押圧して密着させ
るように構成され(図5参照)、両側枠の下部に突当て
用の基準片13、13が設けられ、両側枠には天板3に
係合する係合突片15、15が設けられている(図4参
照)。
【0008】そして、板ばねのばね掛けにおいては、図
6に示すように、板ばね部材1の突当て基準片13がば
ね組付け治具の固定治具11に設けられた突当て基準部
12に突き当てられた状態で、ばねチャージ用ピン10
を板ばね片7のチャージ用部片14に引っ掛けて後退さ
せることによって、板ばね部材1をばね組付け治具の固
定治具11にセットし、板ばね部材1とばね組付け治具
を、予め精密な位置決めがなされて仮クランプされてい
る天板3と素子基板2のばね掛け位置に移動させること
によって、板ばね部材1のばね掛けを行ない、天板3と
素子基板2とを圧着して接合している。
【0009】このようにばね掛けされた板ばね部材1
は、図5に示すように、その板ばね片7の端部8によっ
て、天板3の溝部4と素子基板2のヒータ5が接合して
いる位置を素子基板2の裏面の押し付け位置6から押圧
するようにばね掛けされ、このような状態のときに、天
板3の溝部4と素子基板2のヒータ5のパターン部が密
着した状態にあり、インク吐出性能も安定している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の技術においては、板ばね部材の製作上の問
題から、板ばね部材の位置出し用の基準片と素子基板を
押圧する板ばね片の端部との間の寸法h(図3における
突当て基準片13と板ばね片7の端部8の間の寸法)の
精度は、±0.2程度しか出すことができず、そのため
に、板ばねの位置出し用の基準片をばね掛け治具(また
はばね組付け治具)の突当て基準部に突き当てて精度を
出す方法では、その板ばね部材の寸法精度のバラツキに
より、板ばね片の端部で素子基板のヒータのパターン部
の位置を常に正確に押圧することは困難であり、さらに
板ばね部材はその製作上の問題からロット間の寸法差も
大きい。それ故に、板ばね部材の突当て用の基準片の位
置のみを基準にして、天板または素子基板に対する位置
出しおよびばね掛けをすると、板ばね部材の寸法hのバ
ラツキによって、板ばね部材の端部の位置は個々に上下
にバラツキのある状態で素子基板を押し付けることにな
り、天板の溝部と素子基板のヒータのパターン部におけ
る密着性が悪くなる場合があり、また、ロット間の寸法
差をなくすように精度の良い板ばね部材を製作するには
製作コストが大となり、生産性にも影響を与えていた。
【0011】そこで、本発明は、上記従来技術の有する
未解決な課題に鑑みてなされたものであって、製作コス
トをかけて精度の良い板ばね部材を製作することなし
に、ある程度ラフな精度の板ばね部材を使用しても、ま
たロット間に寸法差があったとしても、板ばね片の端部
等の押し付け部で素子基板のヒータのパターン部と天板
の溝部が接合している位置を±50μm程度の精度をも
って正確に押し付け押圧することができるようにし、前
記接合部分での密着性の安定化、さらにインク吐出性能
の信頼性の向上を可能とする液体噴射記録ヘッドの製造
方法を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、複数の
吐出エネルギー発生素子が形成された素子基板と前記吐
出エネルギー発生素子にそれぞれ対応する複数の流路溝
および該流路溝の各々に連通した複数の吐出口を有する
天板とを、板ばね等の弾性部材により圧着接合して構成
する液体噴射記録ヘッドの製造方法において、前記板ば
ね等の弾性部材における天板または素子基板に対する押
し付け部の位置について各弾性部材毎に位置出し補正を
行なった後に、前記弾性部材をばね掛けして、前記天板
と前記素子基板を圧着して接合することを特徴とする。
【0013】また、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造
方法において、板ばね等の弾性部材における押し付け部
の位置出し補正は、近接センサ等の検知器によって、前
記弾性部材の押し付け部または押し付け部より精度の出
ている部分の位置を検知することによって行なうことが
好ましく、さらに、板ばね等の弾性部材における天板ま
たは素子基板に対する押し付け部は、天板の溝部と素子
基板の吐出エネルギー発生素子のパターン部が接合する
部分を押圧するように設定されていることが好ましい。
【0014】
【作用】複数の吐出エネルギー発生素子が形成された素
子基板と前記吐出エネルギー発生素子にそれぞれ対応す
る複数の流路溝および該流路溝の各々に連通した複数の
吐出口を有する天板を板ばね等の弾性部材により圧着接
合する工程において、板ばね等の弾性部材を天板および
素子基板にばね掛けする前に、弾性部材の押し付け部の
位置について、近接センサ等の検知器による弾性部材の
押し付け部または押し付け部より精度の出ている部分の
検知によって位置出し補正を毎回行ない、その状態で弾
性部材をばね掛けすることにより、弾性部材の押し付け
部によって天板の溝部と素子基板の吐出エネルギー発生
素子のパターン部を常に安定して精度良く押圧して接合
することができ、前記接合部分の密着性を良好なものと
し、インク吐出性能の信頼性を向上させることができ
る。
【0015】そして、板ばね等の弾性部材の押し付け部
の位置出し補正を、弾性部材のばね掛けの度に行なうこ
とによって、寸法精度にバラツキのある弾性部材を用い
ても精度良く安定して押圧することができ、コストをか
けて精度を良くした弾性部材を製作する必要がなく、板
ばね等の弾性部材は従来の板ばね製造工程によって作成
されるラフな精度の弾性部材が使用可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0017】図1は本発明の液体噴射記録ヘッドの製造
方法を実施するための装置の概略的な構成図であり、図
2はその一部を拡大して示す構成図である。なお、従来
技術に関連して説明した部材と同様の部材には同じ符号
を用いる。
【0018】図1において、定盤26上には、天板3お
よび素子基板2をセットするステージ27と、ステージ
27上の天板3および素子基板2に対向して板ばね部材
1を保持し、板ばね部材1を天板3および素子基板2の
方に移動させるためのステージ28が設けられており、
ステージ28は、板ばね部材1をセットするばね組付け
治具19を上下方向(Z軸方向)に移動させるZ軸ステ
ージ24と、ばね組付け治具19やZ軸ステージ24を
定盤26に沿ってX軸方向に移動させるX軸ステージ2
5とを備えている。
【0019】天板3は天板用の固定治具17によってス
テージ27上にセットされ、この天板3に対して精密に
位置合せされた素子基板2はクランプ治具16によって
天板3に接合されて仮クランプされる。そして天板3お
よび素子基板2に対してばね掛けする板ばね部材1は、
ステージ28のばね組付け治具19の固定治具11に設
けられた突当て基準部12に板ばね部材1の突当て基準
片13を突き当てた状態で、ばねチャージ用ピン10を
板ばね部材1のチャージ用部片14に引っ掛け、ばねチ
ャージ用シリンダ18によってばねチャージ用ピン10
を後退させることによって、板ばね用の固定治具11に
セットされる。
【0020】9は、定盤26上に位置調整可能に配設さ
れた近接センサ等の検知器であり、板ばね部材1がばね
組付け治具19の固定治具11にセットされた状態でZ
軸方向(上下方向)に移動され、板ばね部材1における
板ばね片7の押し付け部(例えば端部8)あるいは押し
付け部よりも精度の出ている部分等の部位がZ軸方向の
所定の位置に達したときに、その部位を検知し、そのZ
軸方向の移動を停止するように設定されている。なお、
前記の所定の位置は、ばね組付け治具19にセットされ
た板ばね部材1における板ばね片7の押し付け部として
の端部8あるいは押し付け部よりも精度の出ている部分
等の部位が検知された状態において、板ばね部材1をX
軸方向に移動させて天板3にばね掛けしたときに、その
板ばね片7の端部8等の押し付け部が、素子基板2のヒ
ータ5と天板3の溝部4が接合している位置を正確に押
圧できるように予め設定された位置である。
【0021】次に、本発明の製造方法について、板ばね
部材1のばね掛け工程の詳細を説明する。
【0022】1)天板3を固定治具17を介してステー
ジ27にセットする。
【0023】2)近接センサ9を、板ばね部材1の板ば
ね片7の端部8等の押し付け部または押し付け部よりも
精度の出ている部分などの被検知部位が所定の位置にく
るとONするように設定する。ここで、所定の位置は、
前記したように、板ばね部材1の端部8等の押し付け部
が、X軸方向に移動されてばね掛けされたときに、素子
基板2のヒータ5と天板3の溝部4が接合している位置
を正確に押し付け押圧することができるように予め設定
された位置である。
【0024】3)素子基板2を天板3の溝部4に対して
精密な位置合わせをして、クランプ治具16によって精
密に位置決めされた状態に保持する。
【0025】4)板ばね部材1の突当て基準片13を、
ばね組付け治具19の固定治具11の突当て基準部12
に突き当てた状態において、ばねチャージ用ピン10を
板ばね部材1のチャージ用部片14に引っ掛け、ばねチ
ャージ用シリンダ18によりばねチャージ用ピン10を
後退させることによって、板ばね部材1を固定治具11
にセットする。
【0026】5)板ばね部材1を固定治具11にセット
した状態で、Z軸ステージ24を近接センサ9がONに
なるまで上昇させる。
【0027】6)近接センサ9がONとなったときにZ
軸ステージ24の上昇移動を止め、この状態でX軸ステ
ージ25によって、板ばね部材1をばね組付け治具19
とともに天板3のばね掛け位置に移動させる。
【0028】7)ばね掛けを行ない、板ばね部材1によ
り天板3と素子基板2を接合し密着させる。この際に、
板ばね部材1の板ばね片7は、ばねチャージ用ピン10
によりチャージされた状態(図2に示した状態、および
図5において符号20で示す破線で図示した状態)から
徐々に解放され、板ばね片7の押し付け部が素子基板2
の裏面を押し付け押圧する。
【0029】上記のように、本発明の製造方法によっ
て、天板3と素子基板2の圧着接合を板ばね部材1によ
り行なう際に、近接センサ9によって、各板ばね部材1
の板ばね片7の端部8等の押し付け部の位置を常に一定
に維持することができ、この状態でばね掛けを行なうよ
うにしたので、板ばね片7の端部8等の押し付け部は、
天板3の溝部4と素子基板2上のヒータ5のパターン部
が接合している位置を常に正確に押圧することとなる。
したがって、板ばね部材1においてその寸法hに種々の
バラツキがあっても、板ばね部材1の板ばね片7の端部
8等の押し付け部の位置を常に一定に補正し維持するこ
とができる。それ故に、コストをかけて精度の良い板ば
ね部材を作成することなくある程度ラフな精度の板ばね
部材を使用しても、また、ロット間の寸法差があったと
しても、板ばね片7の端部8等の押し付け部により、天
板3の溝部4と素子基板2上のヒータ5のパターン部が
接合している位置を安定して精度良く正確に押圧するこ
とが可能となり、その接合部分での密着性の安定化、さ
らにインク吐出性能の信頼性を向上させることができ
る。
【0030】なお、本発明は、特に液体噴射記録方式の
中で熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を
行なう、いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッ
ド、記録装置において、優れた効果をもたらすものであ
る。
【0031】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能である。
【0032】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液流路に対応して
配置されている吐出エネルギー発生素子である電気熱変
換体に駆動回路より吐出信号を供給する、つまり、記録
情報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象を越え、
膜沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与えるため
の少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜
沸騰を生じさせる。このように記録液(インク)から電
気熱変換体に付与する駆動信号に一対一に対応した気泡
を形成できるため、特にオンデマンド型の記録法には有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して
記録液(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を
形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適
切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優
れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。なお、上記熱
作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313
124号明細書に記載されている条件を採用すると、さ
らに優れた記録を行なうことができる。
【0033】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されているように、熱
作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも
本発明は有効である。
【0034】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
を有するものにおいても本発明は有効である。
【0035】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である被記録媒体の
最大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッド
がある。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開
示されているような記録ヘッドを複数組み合わせること
によってフルライン構成にしたものや、一体的に形成さ
れた一個のフルライン記録ヘッドであってもよい。
【0036】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0037】また、記録ヘッドに対する回復手段や予備
的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定に
することができるので好ましいものである。これらを具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング
手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子、あるいはこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モード手段を付加することも安定した記
録を行なうために有効である。
【0038】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0039】以上の説明においては、インクを液体とし
て説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクで
あって、室温で軟化もしくは液体となるもの、あるい
は、インクジェットにおいて一般的に行なわれている温
度調整の温度範囲である30℃以上70℃以下の温度範
囲で軟化もしくは液体となるものでもよい。すなわち、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をイン
クの固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとし
て使用せしめることで防止するか、または、インクの蒸
発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いる
かして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じ
た付与によってインクが液化してインク液状として吐出
するものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始
めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化
する性質のインクの使用も可能である。このような場合
インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開
昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質
シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持
された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形
態としてもよい。上述した各インクに対して最も有効な
ものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0040】さらに加えて、インクジェット記録装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わ
せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミ
リ装置の形態を採るものであってもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明は、上述したように構成されてい
るので、寸法精度にバラツキのあるラフな精度の板ばね
部材を使用しても、天板の溝部と素子基板のヒータのパ
ターン部が接合している位置を±50μm程度の精度で
板ばね片の端部等の押し付け部により精度良く安定して
押圧することができ、天板における複数の溝部と素子基
板のヒータのパターン部の密着性が安定し、その結果、
インク吐出性能を安定させることが可能となる。そし
て、従来の板ばね製造工程によって作成されるラフな精
度の板ばね部材が使用可能であって、コストをかけて精
度を良くした板ばね部材を作成することを必要とせず、
部品コストを低減させることができる。さらに、板ばね
製造のロット間の差があったとしても、その影響を受け
ることなく、天板の溝部と素子基板のヒータ部が接合し
ている位置を精度良く板ばねの端部等の押し付け部によ
り押圧することができ、ロット間での再調整や位置出し
等の作業も不要であり、液体噴射記録ヘッド製造工程の
稼働率の向上にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法を実施
するための装置の概略的な構成図である。
【図2】図1に示す装置の一部を拡大して示す構成図で
ある。
【図3】液体噴射記録ヘッドに用いられる板ばね部材の
側面図である。
【図4】液体噴射記録ヘッドの構成を分解した状態で示
す模式的な斜視図である。
【図5】液体噴射記録ヘッドにおいて、天板および素子
基板に対してばね掛けされた板ばね部材の状態を示す模
式図である。
【図6】ばね組付け治具にセットされた板ばね部材の状
態を示す模式図である。
【符号の説明】 1 板ばね部材 2 素子基板 3 天板 4 溝部 5 吐出エネルギー発生素子(ヒータ) 7 板ばね片 8 (ばね)端部 9 近接センサ 10 ばねチャージ用ピン 11 (板ばね部材用)固定治具 12 突当て基準部 13 突当て基準片 14 チャージ用部片 15 係合突片 17 (天板用)固定治具 19 ばね組付け治具 24 Z軸ステージ 25 X軸ステージ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深井 恒 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 小野 敬之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大川 雅由 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の吐出エネルギー発生素子が形成さ
    れた素子基板と前記吐出エネルギー発生素子にそれぞれ
    対応する複数の流路溝および該流路溝の各々に連通した
    複数の吐出口を有する天板とを、板ばね等の弾性部材に
    より圧着接合して構成する液体噴射記録ヘッドの製造方
    法において、 前記板ばね等の弾性部材における天板または素子基板に
    対する押し付け部の位置について各弾性部材毎に位置出
    し補正を行なった後に、前記弾性部材をばね掛けして、
    前記天板と前記素子基板を圧着して接合することを特徴
    とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 板ばね等の弾性部材における押し付け部
    の位置出し補正は、近接センサ等の検知器によって、前
    記弾性部材の押し付け部または押し付け部より精度の出
    ている部分の位置を検知することによって行なうことを
    特徴とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 板ばね等の弾性部材における天板または
    素子基板に対する押し付け部は、天板の溝部と素子基板
    の吐出エネルギー発生素子のパターン部が接合する部分
    を押圧するように設定されていることを特徴とする請求
    項1または2記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
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