JPH11216869A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法

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JPH11216869A
JPH11216869A JP3805398A JP3805398A JPH11216869A JP H11216869 A JPH11216869 A JP H11216869A JP 3805398 A JP3805398 A JP 3805398A JP 3805398 A JP3805398 A JP 3805398A JP H11216869 A JPH11216869 A JP H11216869A
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port plate
top plate
plate
discharge port
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JP3805398A
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English (en)
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Noriyuki Ono
敬之 小野
Takeshi Origasa
剛 折笠
Hiroyuki Kigami
博之 木上
Kimiyuki Hayashizaki
公之 林崎
Hisashi Fukai
恒 深井
Masayoshi Okawa
雅由 大川
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 天板の吐出口プレートの表面に損傷を与える
ことなく、天板の吐出口プレートと素子基板との突き当
て性を向上させることができる液体噴射記録ヘッドの製
造方法を提供する。 【解決手段】 液体噴射記録ヘッドを構成する天板1の
吐出口プレート2の表面をレーザ変位計10a、10b
で測定し、その測定データを基に、複数の吐出エネルギ
ー発生素子4を有する素子基板3の後端を押す突き当て
ピン11a、11bを移動させて、素子基板3の液吐出
側の端面を吐出口プレート2に平行として、以後、素子
基板3の液吐出側の端面を吐出口プレート2に突き当て
て、天板1と素子基板3とをアライメントする。これに
より、吐出口プレート2に損傷を与えることなく、吐出
口プレート2と素子基板3を確実に突き当てることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射記録装置
等に使用される液体噴射記録ヘッドの製造方法に関し、
特に、複数の吐出口や複数の液流路溝を形成した天板と
複数の吐出エネルギー発生素子を形成した素子基板を組
み付けて構成する液体噴射記録ヘッドの製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録装置等に使用される液体噴
射記録ヘッドは、インク等の記録液を吐出する複数の吐
出口(オリフィス)、各吐出口にそれぞれ連通する複数
の液流路および各液流路内に位置付けられた吐出エネル
ギー発生素子を備え、吐出エネルギー発生素子に記録情
報に対応した駆動信号を印加し、吐出エネルギー発生素
子の位置する液流路内の記録液に吐出エネルギーを付与
することによって、記録液を微細な吐出口から飛翔液滴
として吐出させて印字記録を行なうように構成されてい
る。
【0003】この種の液体噴射記録ヘッドは、図4に図
示するように、レーザ加工等により吐出口プレート10
1に高精度に形成された複数の吐出口102、これらの
吐出口102にそれぞれ連通する複数の液流路溝10
3、記録液を溜めておく液室104および液室104に
開口して記録液を導入する液供給口105を有する天板
100と、Si基板上に複数個配列された吐出エネルギ
ー発生素子(例えば、電気熱変換素子)106とこれに
電力を供給するAl等の電気配線(図示しない)が成膜
技術により形成された素子基板107とから構成され、
天板100と素子基板107は、吐出口101や液流路
溝103と吐出エネルギー発生素子106をそれぞれ対
応するように位置決めしてばね等の付勢手段あるいは接
着剤により接合され、素子基板104の電気配線にワイ
ヤボンディング等により接続される配線とこの配線の端
部に位置して本体装置からの電気信号を受けるパッドを
有する配線基板108とともにベースプレート110上
に固定されている。
【0004】このような天板と素子基板の接合において
は、天板の吐出口と素子基板の吐出エネルギー発生素子
との吐出口配列方向の位置合わせとともに、天板の吐出
口プレートを素子基板の液吐出側の端面に適切に当接さ
せる液吐出方向の位置合わせが必要である。ところで、
天板の吐出口プレートを素子基板の液吐出側の端面に当
接させるための突き当ては、従来は、ばね等によって予
め設定された圧力で押し付けることにより、また、天板
の吐出口プレートの両側を少なくとも2点以上押して吐
出口プレートの反り等を考慮することなく押し付けるこ
とにより行なっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の技術においては、天板の吐出口プレートと
吐出エネルギー発生素子を有する素子基板とを突き当て
るためのばねの加圧力は常に一定に設定されているため
に、天板の樹脂成形時の吐出口プレート厚のバラツキ
や、エネルギー発生素子を有する素子基板の位置等によ
り、ばねの加圧力が変化してしまい、また、天板の吐出
口プレートの反り等によって天板と素子基板との突き当
て性が不均一となってしまうことがあった。
【0006】天板の吐出口プレートと素子基板との突き
当て力を増加させることによって、突き当て性を向上さ
せることができるけれども、この突き当て力の増加によ
って吐出口プレートに損傷を与えてしまうという問題が
生じる可能性がある。
【0007】また、天板と素子基板の組み立て装置にお
いては、装置立上げ時における天板の吐出口プレートの
素子基板への突き当て力の調整が難しく、立上げ時間が
必要以上に掛かっていた。
【0008】そこで、本発明は、上記の従来技術の有す
る未解決の課題に鑑みてなされたものであって、天板の
吐出口プレートの表面に損傷を与えることなく、天板の
吐出口プレートと素子基板との突き当て性を向上させる
ことができる液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、複数の
吐出エネルギー発生素子を有する素子基板と、複数の吐
出口が形成された吐出口プレートと吐出口にそれぞれ連
通する複数の液流路溝を有する天板とからなり、天板を
素子基板上にアライメントして構成される液体噴射記録
ヘッドの製造方法において、天板の吐出口プレートの形
状あるいは位置に合わせて素子基板と吐出口プレートの
突き当て量を調整し、素子基板の液吐出側端面を吐出口
プレートに突き当てることを特徴とする。
【0010】そして、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法においては、天板の吐出口プレートの表面を少な
くとも2点で接触式または非接触式の測定手段により測
定し、その測定結果に基づいて、素子基板と吐出口プレ
ートの突き当て量を調整することが好ましい。
【0011】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法においては、天板の吐出口プレートの表面の変位
を観察しながら、素子基板と吐出口プレートとの突き当
て量を調整することが好ましい。
【0012】また、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造
方法は、複数の吐出エネルギー発生素子を有する素子基
板と、複数の吐出口が形成された吐出口プレートと吐出
口にそれぞれ連通する複数の液流路を有する天板とから
なり、天板を素子基板上にアライメントして構成される
液体噴射記録ヘッドの製造方法において、素子基板の液
吐出側端面を少なくとも2点で接触式または非接触式の
測定手段により測定するとともに、天板の吐出口プレー
トの表面を同様に少なくとも2点で接触式または非接触
式の測定手段により測定して、両者の測定結果に基づい
て、天板または素子基板の突き当て量を調整し、素子基
板と天板をアライメントすることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法によれ
ば、天板の吐出口プレートの形状あるいは位置に合わせ
て素子基板と吐出口プレートの突き当て量を調整するこ
とにより、吐出口プレートに損傷を与えることなく吐出
口プレートと素子基板との突き当て性を向上させること
ができる。さらに、天板の吐出口プレートの表面を接触
式または非接触式の測定手段により測定しながら、ある
いは、素子基板の液吐出側端面を少なくとも2点で測定
するとともに、天板の吐出口プレートの表面を同様に少
なくとも2点で測定して、それらの測定データを基に天
板または素子基板の突き当て量を調整して、天板と素子
基板とをアライメントするようになし、天板の吐出口プ
レートの表面に損傷を与えることなく、吐出口プレート
と素子基板との突き当て性を向上させる。
【0014】また、天板の吐出口プレートの表面の変位
を観察しながら素子基板の吐出口プレートへの突き当て
量を調整するようにして、樹脂製天板の成形時の吐出口
プレートのバラツキや反り等に対して素子基板の突き当
て量を調整するために、成形時のロット間のバラツキ等
を吸収し、吐出口プレートと素子基板を確実に突き当て
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0016】先ず、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造
方法の第1の実施例について説明する。
【0017】本実施例は、天板の吐出口プレートの表面
を測定し、そのデータを基に吐出エネルギー発生素子を
有する素子基板の吐出口プレートへの突き当て量の調整
を行なう方式であり、図1は本発明の第1の実施例に基
づいて天板と素子基板とを突き当てる態様を説明する図
面であり、図1の(a)は概略的な斜視図であり、図1
の(b)はその模式図である。
【0018】図1において、1は、複数の吐出口が加工
形成された吐出口プレート2を有しかつ複数の吐出口に
それぞれ連通する複数の液流路溝(図示しない)が形成
された樹脂製の天板であり、3は、複数の吐出エネルギ
ー発生素子4を有する素子基板であり、10aおよび1
0bはレーザ変位計であり、11aおよび11bは、レ
ーザ変位計10aおよび10bの配設位置に対応して素
子基板3の端面を押すように位置付けられた突き当てピ
ンである。
【0019】樹脂製天板1を吐出エネルギー発生素子4
を有する素子基板3上にアライメントする前に、天板1
の吐出口プレート2の表面の離間した2点をレーザ変位
計10aおよび10bによってそれぞれ非接触法にて測
定する。その結果、レーザ変位計10aからDa、レー
ザ変位計10bからDbというデータが出力されると、
これらのレーザ変位計10aおよび10bのデータ差Δ
xは、Da−Db=Δxから算出される。この結果か
ら、天板1の吐出口プレート2は、レーザ変位計10a
側がΔxだけ変位していることとなる。このデータ差を
突き当てピン11aおよび11bの駆動系にフィードバ
ックし、レーザ変位計10a側に対応する突き当てピン
11aを他方の突き当てピン11bに対してΔxだけ変
位させる。これにより、吐出エネルギー発生素子4を有
する素子基板3の液吐出側の端面は、図1の(b)に破
線で図示するように変位する。したがって、天板1の吐
出口プレート2と素子基板3の液吐出側の端面とは平行
となる。そして、以後は平行移動させることによって、
吐出口プレート2と素子基板3の液吐出側の端面を適切
に突き当てることができ、吐出口プレート2と素子基板
3との突き当て性は向上する。
【0020】なお、本実施例においては、レーザ変位計
10a、10bは、膜厚測定用のものを用い、分解能は
0.1μm、ワークディスタンスは5mmのものを使用
した。その結果、吐出口プレートと素子基板のズレは5
μm以下であった。
【0021】このように、天板の吐出口プレートの表面
を非接触式のレーザ変位計により測定し、その測定デー
タを基に素子基板の突き当て量を調整することにより、
天板の吐出口プレートと素子基板の突き当て性を向上さ
せることができ、さらに、天板の突き当て部は吐出口プ
レート以外の部分を押すようにし、そして、非接触式の
変位計を用いることにより、天板の吐出口プレートの表
面に傷をつけることはない。
【0022】次に、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造
方法の第2の実施例につき、図2に基づいて、説明す
る。
【0023】本実施例は、吐出エネルギー発生素子を有
する素子基板に合わせ、天板の吐出口プレートを補正し
てアライメントする方式であり、図2は本発明の第2の
実施例に基づいて素子基板に合わせて天板を補正してア
ライメントする態様を説明する図面である。
【0024】図2において、20aおよび20bは、パ
ルスモーター付きの移動ステージ21に離間して保持さ
れた接触式の変位センサである。
【0025】本実施例においては、先ず、移動ステージ
21を移動させて、接触式の変位センサ20a、20b
を吐出エネルギー発生素子4を有する素子基板3の液吐
出側の端面に対向させた後に、両方の変位センサ20a
および20bの各プローブが素子基板3の液吐出側の端
面に当接して検知するまで押しつづける。このときの両
変位センサ20aおよび20bの移動量の差を移動パル
ス数の差として検出する。そして、移動ステージ21に
より、変位センサ20aおよび20bを天板1の吐出口
プレート2に対向する位置まで移動させて、両変位セン
サ20a、20bを天板1の吐出口プレート2の表面に
押し付け、両変位センサ20a、20bの検知出力が、
前記の移動パルス数の差と一致するように、天板1をθ
方向に回動させて補正する。この天板1の補正が終了し
た後に、天板1と素子基板3とのアライメントを行な
う。これにより、吐出口プレート2と素子基板3の液吐
出側の端面を適切に突き当てすることができ、吐出口プ
レート2と素子基板3との突き当て性は向上する。
【0026】本実施例においては、変位センサとして、
分解能1μmのタッチセンサを用い、変位センサの移動
には、分解能0.25μm/step(Half step時)のパ
ルスモーター付きの自動ステージを使用した。その結
果、吐出口プレートと素子基板のズレは5μm以下であ
った。また、変位センサは10g以下の力で検知できる
ことから、従来の突き当てのばね荷重に比べて非常に軽
いために、吐出口プレートの表面に変位センサのプロー
ブが当接するとしても、吐出口プレート面に傷が生じる
ことはなかった。
【0027】次に、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造
方法の第3の実施例につき、図3に基づいて、説明す
る。
【0028】本実施例は、天板の吐出口プレートの表面
を3か所で測定して、素子基板の吐出口プレートへの突
き当て量を調整するとともに、突き当て時に吐出口プレ
ートの変位を合わせて素子基板の吐出口プレートへの突
き当てをさらに調整する方式であり、天板の吐出口プレ
ートが湾曲状の反りを有している場合に特に有用な方式
である。
【0029】図3において、30a、30bおよび30
cは、天板1の吐出口プレート2の表面を測定するレー
ザ変位計であって、レーザ変位計30aおよび30bは
吐出口プレート2の両側の部位を測定するように、レー
ザ変位計30cは吐出口プレート2の中央の部位を測定
するように配置されている。31aおよび31bは、レ
ーザ変位計30aおよび30bにより測定される部位に
対応して素子基板3の端面を押すように位置付けられた
突き当てピンであり、32aおよび32bは、レーザ変
位計30aおよび30bのレーザビームをそれぞれ折り
曲げるための45°折り曲げミラーである。
【0030】本実施例においては、樹脂製天板1を吐出
エネルギー発生素子を有する素子基板3上にアライメン
トする前に、天板1の吐出口プレート2の表面の両側と
中央の3か所の部位をそれぞれ3個のレーザ変位計30
a、30bおよび30cによって非接触法にて測定す
る。これらの3個のレーザ変位計30a、30bおよび
30cからそれぞれの測定データDa、Db、Dcが得
られる。この測定データの一例を図3の(b)に図示す
る。
【0031】これらの測定データを、突き当てピン31
aおよび31bの駆動系にフィードバックし、突き当て
ピン31aおよび31bを補正する。すなわち、天板1
の吐出口プレート2の両側の部位を測定するレーザ変位
計30aおよび30bの測定データDaおよびDbから
得られるデータ差Δy(=Da−Db)に基づいて、レ
ーザ変位計30bに対応する突き当てピン31bを他方
の突き当てピン31aに対してΔy(=Da−Db)だ
け変位させる。これにより、素子基板3の液吐出側の端
面は図3の(a)に破線で図示するように変位する。し
たがって、素子基板3の液吐出側の端面は、天板1の吐
出口プレート2の反りの直線補間に対し平行となる。そ
の後、平行移動させることによって、天板1の吐出口プ
レート2と素子基板3の液吐出側の端面とをアライメン
トし、吐出口プレート2への突き当てを行なう。
【0032】この突き当てに際して、吐出口プレート2
をレーザ変位計30a、30bおよび30cで測定しな
がら突き当てを行ない、吐出口プレート2が図3に図示
するように反りによって凹形であれば、中央のレーザ変
位計30cが、例えば数μmの所定の変位値Δzに相当
する変位を検出した時、すなわち、中央のレーザ変位計
30cがデータDz(=Dc+Δz)を測定した時に、
素子基板3の吐出口プレート2への突き当てを停止し、
突き当てを終了する。また、吐出口プレート2が反りに
よって凸形であれば、両側のレーザ変位計30aおよび
30bが所定の変位値Δzに相当する変位を検出した時
に、素子基板3の吐出口プレート2への突き当てを停止
し、突き当てを終了する。このように、素子基板3と吐
出口プレート2の突き当てを吐出口プレート2の変位を
測定しながら行なうことにより、吐出口プレート2を大
きく変形させることなく素子基板3と吐出口プレート2
を確実に突き当てることができる。
【0033】本実施例においては、変位センサとして、
0.1μmの分解能のレーザ変位計を用い、突き当てピ
ンの移動には0.25μm/step(Half step時)のス
テッピングモータ付きの自動ステージを使用した。変位
データの取り込みは、1μm移動させるごとに100回
のサンプリングデータの平均を取り行なった。また、デ
ータの変化の検知レベル(Δz)は、3μmとし、変位
データが突き当て前のデータから3μm変化した時点で
突き当てを停止するように設定した。その結果、吐出口
プレートの反り量は10μm以下であり、変位データが
変化する部分の突き当て精度は5μm以下であった。ま
た、変位データの測定ポイントは天板の長さに応じて適
宜増やすことも可能である。
【0034】このように、天板の吐出口プレートの表面
を非接触式のレーザ変位計により少なくとも2点以上で
測定し、それらの測定データを基に素子基板の突き当て
量を調整するとともに、吐出口プレートの反りに対する
突き当て時の吐出口プレートの変位を検知して突き当て
量の調整をさらに行なうことにより、天板の吐出口プレ
ートを大きく変形させることなく、天板の吐出口プレー
トと素子基板の突き当て性を向上させることができる。
【0035】また、本発明は、特に液体噴射記録方式の
中で熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を
行なう、いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッ
ド、記録装置において、優れた効果をもたらすものであ
る。
【0036】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能である。
【0037】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液流路に対応して
配置されている吐出エネルギー発生素子である電気熱変
換体に駆動回路より吐出信号を供給する、つまり、記録
情報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象を越え、
膜沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与えるため
の少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜
沸騰を生じさせる。このように記録液(インク)から電
気熱変換体に付与する駆動信号に一対一に対応した気泡
を形成できるため、特にオンデマンド型の記録法には有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して
記録液(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を
形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適
切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優
れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。なお、上記熱
作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313
124号明細書に記載されている条件を採用すると、さ
らに優れた記録を行なうことができる。
【0038】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されているように、熱
作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも
本発明は有効である。
【0039】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
を有するものにおいても本発明は有効である。
【0040】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である被記録媒体の
最大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッド
がある。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開
示されているような記録ヘッドを複数組み合わせること
によってフルライン構成にしたものや、一体的に形成さ
れた一個のフルライン記録ヘッドであってもよい。
【0041】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0042】また、記録ヘッドに対する回復手段や予備
的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定に
することができるので好ましいものである。これらを具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング
手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子、あるいはこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モード手段を付加することも安定した記
録を行なうために有効である。
【0043】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0044】以上の説明においては、インクを液体とし
て説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクで
あって、室温で軟化もしくは液体となるもの、あるい
は、インクジェットにおいて一般的に行なわれている温
度調整の温度範囲である30℃以上70℃以下の温度範
囲で軟化もしくは液体となるものでもよい。すなわち、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をイン
クの固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとし
て使用せしめることで防止するか、または、インクの蒸
発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いる
かして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じ
た付与によってインクが液化してインク液状として吐出
するものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始
めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化
する性質のインクの使用も可能である。このような場合
インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開
昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質
シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持
された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形
態としてもよい。上述した各インクに対して最も有効な
ものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0045】さらに加えて、インクジェット記録装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わ
せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミ
リ装置の形態を採るものであってもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
天板の吐出口プレートの表面を接触式または非接触式の
測定手段により測定し、その測定データを基に天板また
は素子基板の突き当て量を調整することにより、天板の
吐出口プレートの表面に損傷を与えることなく、吐出口
プレートと素子基板との突き当て性を向上させることが
できる。さらに、天板の成形時の吐出口プレート厚のバ
ラツキや反り等に対して素子基板の突き当て量を調整す
るために、成形時のロット間のバラツキ等を吸収し、吐
出口プレートと素子基板を確実に突き当てることができ
る。
【0047】また、天板の形状が異なる液体噴射記録ヘ
ッドにおいても同様の方法で対応できるために液体噴射
記録ヘッドの開発期間の短縮にもつながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法の第1
の実施例に基づき、天板の吐出口プレートを測定しその
測定データに合わせて素子基板を補正して天板と素子基
板を突き当てる態様を説明する図面であり、(a)は概
略的な斜視図であり、(b)はその模式図である。
【図2】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法の第2
の実施例に基づき、素子基板に合わせて天板を補正しア
ライメントする態様を説明する概略的な斜視図である。
【図3】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法の第3
の実施例に基き、吐出口プレートに反りを有する天板と
素子基板を突き当てる態様を説明する図面であって、
(a)は天板の吐出口プレートを測定しその測定データ
に合わせて素子基板を補正する態様を図示する模式図で
あり、(b)はその測定データを示す図表であり、
(c)は天板の吐出口プレートの反りに対して突き当て
時の吐出口プレートの変位を測定して突き当ての調整を
行なう態様を説明する模式図であり、(d)はそのとき
の測定データを示す図表である。
【図4】液体噴射記録ヘッドの構成を一部破断して概略
的に図示する斜視図である。
【符号の説明】
1 天板 2 吐出口プレート 3 素子基板 4 吐出エネルギー発生素子 10a、10b レーザ変位計 11a、11b 突き当てピン 20a、20b 接触式変位センサ 21 移動ステージ 30a、30b、30c レーザ変位計 31a、31b 突き当てピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林崎 公之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 深井 恒 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 大川 雅由 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の吐出エネルギー発生素子を有する
    素子基板と、複数の吐出口が形成された吐出口プレート
    と吐出口にそれぞれ連通する複数の液流路溝を有する天
    板とからなり、天板を素子基板上にアライメントして構
    成される液体噴射記録ヘッドの製造方法において、天板
    の吐出口プレートの形状あるいは位置に合わせて素子基
    板と吐出口プレートの突き当て量を調整し、素子基板の
    液吐出側端面を吐出口プレートに突き当てることを特徴
    とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 天板の吐出口プレートの表面を少なくと
    も2点で接触式または非接触式の測定手段により測定
    し、その測定結果に基づいて、素子基板と吐出口プレー
    トの突き当て量を調整することを特徴とする請求項1記
    載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 天板の吐出口プレートの表面の変位を観
    察しながら、素子基板と吐出口プレートとの突き当て量
    を調整することを特徴とする請求項1または2記載の液
    体噴射記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 複数の吐出エネルギー発生素子を有する
    素子基板と、複数の吐出口が形成された吐出口プレート
    と吐出口にそれぞれ連通する複数の液流路を有する天板
    とからなり、天板を素子基板上にアライメントして構成
    される液体噴射記録ヘッドの製造方法において、素子基
    板の液吐出側端面を少なくとも2点で接触式または非接
    触式の測定手段により測定するとともに、天板の吐出口
    プレートの表面を同様に少なくとも2点で接触式または
    非接触式の測定手段により測定して、両者の測定結果に
    基づいて、天板または素子基板の突き当て量を調整し、
    素子基板と天板をアライメントすることを特徴とする液
    体噴射記録ヘッドの製造方法。
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