JPH08127127A - インクジェットヘッドの製造方法、インクジェットヘッド、およびインクジェットヘッド記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッドの製造方法、インクジェットヘッド、およびインクジェットヘッド記録装置

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JPH08127127A
JPH08127127A JP26659094A JP26659094A JPH08127127A JP H08127127 A JPH08127127 A JP H08127127A JP 26659094 A JP26659094 A JP 26659094A JP 26659094 A JP26659094 A JP 26659094A JP H08127127 A JPH08127127 A JP H08127127A
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敬之 小野
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剛 折笠
Masaki Inaba
正樹 稲葉
Haruhiko Terai
晴彦 寺井
Kiyomitsu Kudo
清光 工藤
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    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 天板のインク流路用溝とヒーターボードのヒ
ーターとの位置精度が良く、クロストーク現象等を防止
し、低コストでかつ歩留りが良いフルラインタイプのイ
ンクジェットヘッドの製造方法を提供する。 【構成】 複数個の熱エネルギー発生素子を有するヒー
ターボード1をベースプレート2上に複数個互いに隙間
を設け、かつ、該隙間量をヒーターボード1の配列方向
の切断精度によって変えて配列した後、各熱エネルギー
発生素子に対応する複数のインク流路用溝が形成された
一つの天板(不図示)を接合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基台(以下、「ベース
プレート」と称する)上に、複数のエネルギー発生素子
(以下、「ヒーター」と称する)を有する基板(以下、
「ヒーターボード」と称する)を複数個配列し、各ヒー
ターに対応する複数のインク流路用溝とインク流路用溝
の各々に連通した複数のインク吐出口を有する一つの天
板を組付けて成るフルラインタイプのインクジェットヘ
ッドの製造方法、インクジェットヘッド、およびインク
ジェットヘッド記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、128ノズル、256ノズル、A
4幅などのフルラインタイプのインクジェットヘッド
は、Siやガラスなどからなる複数個のヒーターボード
同士の端面を、特開平2−212162号公報(欧州特
許第0376514号明細書)に示されているように直
線状に突き当てて配列し、その上に、ヒーターと対応す
る複数のインク流路用溝と各インク流路用溝と連通した
複数のインク吐出口とを有する一つの天板を接合するこ
とにより製造されている。
【0003】その他、特開平4−229278号公報
(米国特許第5098503号明細書)に示されている
ようなヒーターボードと天板のユニットの一部に切欠き
部を作り、そこをベースプレート上にある基準に突き当
てる方法もある。
【0004】一方、複数のヒーターが形成された1個の
ヒーターボード上に、各ヒーターに対応するインク流路
用溝等が形成された天板を組付けて成るインクジェット
ヘッドの製造方法においては、インクを加熱するための
ヒーターと、このヒーターで加熱・沸騰され、泡状とな
ったインクを記録媒体に向けて吐出するインク吐出口と
連通するインク流路用溝とを、ミクロンオーダで正確に
位置決めする必要性から、前記ヒーターボード上のヒー
ターを撮像する第1の撮像工程と、この第1の撮像工程
で撮影された画像情報から、基準となるヒーターを示す
認識マークが存在するか否かを判断する判断工程と、こ
の判断工程で、認識マークの存在が確認された場合に、
基準となるヒーターの位置を測定する第1の測定工程
と、前記基準となるヒーターに対応した基準となるノズ
ル穴を撮像する第2の撮像工程と、この第2の撮像工程
で撮影された画像情報から、前記基準となるノズル穴の
位置を測定する第2の測定工程と、前記第1及び第2の
測定工程における測定結果に基づき、前記基準となるヒ
ーターと前記基準となるノズル穴とが、ノズル穴の並び
方向に関して一致するように、前記ヒーターボードもし
くは前記天板を移動させる移動工程とを有する製造方法
が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のフルラインタイプのインクジェットヘッドの製造方
法では次のような問題点が生ずる。 (1)突き当て方法による配列のためヒーターボードの
切断精度のバラツキが、そのまま配列精度になってしま
うという問題点がある。この問題点を図13を参照して
説明する。図13は、ヒーターボード同士を直線状に突
き当てて配列した状態を示している。この図に示すよう
に、複数個のヒーターボード101をベースプレート1
03上に、各ヒーターボード101の端部同士を突き当
てて一直線に配列する場合、ヒーターボード101の切
断精度が影響して各ヒーターボード101の中心ピッチ
Pがばらつく。このため、突き当てて配列した複数のヒ
ーターボード上に、各ヒーターに対応すべき複数のイン
ク流路用溝が形成された一つの天板を組付けるときに、
インク流路用溝の位置とヒーターの位置が対応しない事
が生じてしまう。 (2)基準となる突き当てコマなどを機械加工で精度を
出さなくてはならなくなり、非常に困難である。 (3)上記(1)と同様、突き当てにより配列精度を出
すため、ヒーターボード等の切断精度が厳しく、量産性
あるいは装置能力上問題がある。 (4)突き当てによる配列のため切断精度のバラツキに
より、位置補正等の手段を用いることができないという
問題がある。
【0006】一方、長尺ヘッドとするために、ベースプ
レート上にヒーターボードを複数配列し、その上に、ヒ
ーターと対応する複数のインク流路用溝と各インク流路
用溝と連通した複数のインク吐出口とを有する一つの天
板を接合する組み付けを行った場合、ヒーターボードの
配列精度が少しでも悪いと、天板のインク流路用溝がヒ
ーターボード同士の隙間をまたぎ、クロストーク現象の
原因となる。また、ひどくなると不吐出、ショボ等にな
ることもある。
【0007】そこで本発明は、上記従来技術の有する問
題点に鑑み、天板のインク流路用溝とヒーターボードの
ヒーターとの位置精度が良く、クロストーク現象等を防
止し、低コストでかつ歩留りが良いフルラインタイプの
インクジェットヘッドの製造方法、インクジェットヘッ
ド、およびインクジェットヘッド記録装置を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は、複数個のエネルギー発生素子を有する
基板を基台上に複数個配列した後、該各エネルギー発生
素子に対応する複数のインク流路用溝が形成された一つ
の天板を前記基台に接合するインクジェットヘッドの製
造方法において、前記基台に前記基板を互いに隙間を設
け、かつ、該隙間量を前記基板の配列方向の切断精度に
よって変えて配列したことを特徴とする。
【0009】このインクジェットヘッドの製造方法にお
いて、前記基台の前記基板を配置する面には、ある特定
の枠パターンが形成されていることを特徴とし、前記基
板を前記基台に複数個配列する際、前記枠パターンの中
に接着剤を塗布した後、前記基板を前記基台に置き、前
記基板の位置を前記接着剤が固まるまで保持することを
特徴とする方法や、前記基板を前記基台に置き、前記基
板の外側から接着剤を前記基板下の前記枠パターン内に
流し込み、前記基板の位置を前記接着剤が固まるまで保
持することを特徴とする方法でもよい。
【0010】加えて、前記基板を前記基台に複数個配列
する際、前記基板の裏面に接着剤を塗布した後、前記基
板を前記基台に配置することを特徴とする方法でもよ
い。
【0011】さらに、上記のいずれかのインクジェット
ヘッドの製造方法において、前記基板を前記基台に複数
個配列する際、前記基板の配列方向の幅寸法がばらつい
ていて、前記基板の配列方向の一側面から当該基板の一
側面に最も近い当該基板上のエネルギー発生素子までの
距離と、当該基板の他側面から当該基板の他側面に最も
近い当該基板のエネルギー発生素子までの距離が著しく
異なる場合、前記天板と前記基台を接合する際に前記各
エネルギー発生素子が前記天板の各インク流路用溝から
はみ出さない範囲で、これから配置する基板を正規の配
列位置から先に配置してある基板側あるいはその反対側
にずらして配置することを特徴とする。
【0012】このような場合、前記基板の寸法を予め非
接触法により複数個測定して、前記各基板のエネルギー
発生素子が前記天板のインク流路用溝の内側に入るよう
に前記各基板を組み合わせておき、順に配列していく方
法や、前記基板を配置する直前に前記基板の寸法を非接
触法により測定し、その測定寸法をもとに位置補正を行
なった後、配置する方法でもよい。
【0013】また、上記のいずれかのインクジェットヘ
ッドの製造方法において、前記基板を前記基台に複数個
配列する際、前記天板のインク流路用溝の加工によるズ
レに合わせて、前記基板の配列位置を補正して配置する
ことを特徴としてもよい。
【0014】上記目的を達成するために第2の発明は、
複数個のエネルギー発生素子を有する基板を基台上に複
数個配列した後、該各エネルギー発生素子に対応する複
数のインク流路用溝および該各インク流路用溝と連通す
る複数の吐出口が形成された天板を前記基台に接合する
インクジェットヘッドの製造方法において、前記各基板
の所定位置には認識マークが設けられており、前記各基
板のうち基準となる基板を撮像し、該基準となる基板の
認識マークの位置を測定する第1の測定工程と、前記基
準となる基板の認識マークとは別の、少なくとも二つの
基板の認識マークにおいて、前記基準となる基板の認識
マークの位置に対する正規の位置からのずれ量をそれぞ
れ測定し、それらの測定結果に基づき、前記基準となる
基板のエネルギー発生素子に対し、基準となる吐出口を
配置させたい位置を算出する演算工程と、該基準となる
吐出口を撮像し、前記基準となる吐出口の位置を測定す
る第2の測定工程と、前記演算工程の算出結果と前記第
2の測定工程の測定結果に基づき、該基準となる吐出口
を配置させたい位置と前記基準となる吐出口とが、吐出
口の並び方向に関して一致するように、前記基台もしく
は前記天板を移動させる移動工程と、を具備することを
特徴とする。
【0015】このインクジェットヘッドの製造方法にお
いて、前記認識マークは、各基板上の中央に位置するエ
ネルギー発生素子に対応して付されていることを特徴と
する。
【0016】また上記同様、複数個のエネルギー発生素
子を有する基板を基台上に複数個配列した後、該各エネ
ルギー発生素子に対応する複数のインク流路用溝および
該各インク流路用溝と連通する複数の吐出口が形成され
た天板を前記基台に接合するインクジェットヘッドの製
造方法において、前記基板間の隙間を撮像し、該隙間の
位置を測定する第1の測定工程と、前記隙間に対応する
前記インク流路用溝間の溝壁を撮像し、該溝壁を測定す
る第2の測定工程と、前記第1及び第2の測定工程にお
ける測定結果に基づき、前記隙間と前記溝壁とが、吐出
口の並び方向に関して一致するように、前記基台もしく
は前記天板を移動させる移動工程と、を具備することを
特徴とするものや、前記各基板のうち基準となる基板間
の隙間を撮像し、該基準となる基板間の隙間の位置を測
定する第1の測定工程と、前記基準となる基板間の隙間
とは別の、少なくとも二箇所の基板間の隙間において、
前記基準となる基板間の隙間の位置に対する正規の位置
からのずれ量をそれぞれ測定し、それらの測定結果に基
づき、前記基準となる基板間の隙間に対し、基準となる
インク流路用溝間の溝壁を配置させたい位置を算出する
演算工程と、該基準となるインク流路用溝間の溝壁を撮
像し、前記基準となるインク流路用溝間の溝壁の位置を
測定する第2の測定工程と、前記演算工程の算出結果
と、前記第2の測定工程の測定結果に基づき、該基準と
なるインク流路用溝間の溝壁を配置させたい位置と前記
基準となるインク流路用溝間の溝壁とが、吐出口の並び
方向に関して一致するように、前記基台もしくは前記天
板を移動させる移動工程と、を具備することを特徴とす
るものも考えられる。
【0017】さらに、上記のいずれかの製造方法によっ
て製造されたことを特徴とするインクジェットヘッドも
本発明に属する。
【0018】このようなインクジェットヘッドにおい
て、前記エネルギー発生素子は、インク吐出用の熱エネ
ルギーを発生するための電気熱変換体であり、前記電気
熱変換体によって印加される熱エネルギーにより、イン
クに生じる膜沸騰を利用して吐出口よりインクを吐出さ
せることを特徴とする。
【0019】加えて、上記のインクジェットヘッドを備
え、記録信号に基づいてインクを前記インクジェットヘ
ッドの吐出口から吐出して記録を行なうインクジェット
ヘッド記録装置も本発明に属する。
【0020】
【作用】上記のとおりに構成された第1の発明では、複
数個のエネルギー発生素子を有する基板を基台に複数個
配列する際に互いに隙間を設け、かつ該隙間量を基板の
配列方向の切断精度によって変えることで、基板の配列
方向の切断精度がばらついていても、配列した各エネル
ギー発生素子の位置を天板に形成された複数のインク流
路用溝の位置とずれることなく対応させることが可能と
なる。
【0021】また、上記のとおりに構成された第2の発
明では、基台上に複数個配列された、複数個のエネルギ
ー発生素子を有する基板に対し、一つの天板を組付けす
る前、まず、基準となる基板の認識マークを撮像し、該
認識マークの位置を測定し、さらに、これとは別に少な
くとも二箇所以上の基板の認識マークを測定し、これら
の測定結果に基づき、前記基準となる基板のエネルギー
発生素子に対し、配置させたい基準となる吐出口の位置
を算出する。次いで、天板の組付け後、天板の吐出口を
撮像し、基準となる吐出口の位置を測定し、前記配置さ
せたい基準となる吐出口の位置に前記基準となる吐出口
が、吐出口の並び方向に関して一致するように、前記基
台もしくは前記天板を移動させる。
【0022】この事により、天板の位置精度が向上し、
基板間の隙間にインク流路が重なることがなくなる。よ
って、クロストーク現象及び不吐出、ショボ等が防止さ
れることとなる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0024】図1は、本発明の製造方法を用いて作成さ
れる長尺型インクジェットヘッドの一例を示す概略斜視
図、図2は図1に示す天板の構造図であり、(a)は平
面図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は
(b)のX−X線拡大断面図である。
【0025】図1に示されるインクジェットヘッドは、
インク吐出口の密度360dpi(70.5μm)、イ
ンクの吐出口数3008ノズル(印字幅212mm)か
らなるフルラインタイプ(長尺型)のもので、金属やセ
ラミックなどの材質で造られたベースプレート2を備え
ている。
【0026】このベースプレート2上には、ガラスやS
i等からなる複数個の基板としてのヒーターボード1
が、そのベースプレート2の一端に揃えられて一直線上
に配列されている。
【0027】各ヒーターボード1上の、ベースプレート
2の一端側の位置には、複数個の、エネルギー発生素子
としてのヒーター10がヒーターボード2の配列方向と
同じ方向に一定ピッチで配列している。
【0028】各ヒーターボード1上の、ベースプレート
2の他端側の位置には、電力パッドがヒーターボード1
の配列方向と同一方向に配列している。なお、エネルギ
ー発生素子としてのヒーター10は、インク吐出用の電
気熱変換体であって、本発明はこれに限られず、ヒータ
ー10の電気熱変換体に代えて、積層圧電素子を用いて
もよい。
【0029】さらにベースプレート2上には、各々のヒ
ータボード1の電力パッドに信号線や電力供給線を配す
るための、一枚の配線基板12が固定されている。この
とき、ヒーターボード1上の電力パッドと、配線基板1
2上に設けられた信号・電力供給パッドとは所定の位置
関係になるように設置され、金ワイヤー11などで電気
的に接続されている。
【0030】配線基板12には、外部からの印字信号や
駆動電力を供給するためのコネクター13が取り付けら
れている。
【0031】そして、複数個のヒーターボード1上を覆
うように天板7が接着される。図2に示すように、天板
7は樹脂の成形からなり、同時にインクを貯留するため
の共通液室用凹部15、およびインクを供給するための
共通液室用凹部15と連通するインク供給口18も形成
される。また、各ヒーター10に対応して形成された複
数のインク流路用溝(ノズル用溝)16、および各イン
ク流路用溝(ノズル用溝)16に対応して形成された複
数のインク吐出口17は、エキシマレーザーなどでレザ
ー加工される。
【0032】あるいは、ガラスや金属などを用いて天板
7を作製する場合には、切削またはエッチング等により
インク流路用溝16、共通液室用凹部15、インク吐出
口17を加工することも可能である。
【0033】ここで、各インク吐出口17からインクが
吐出されるときの動作について説明すると、共通液室用
凹部15にインク供給口18から供給されて一時的に貯
えられたインクは、毛細管現象により各インク流路用溝
16に侵入し、各インク吐出口17でメニスカスを形成
して各インク流路17を満たした状態を保つ。このと
き、外部装置より図1に示すコネクター13および配線
基板12を通じ、所定のヒーター10が通電されて発熱
すると、そのヒーター10上のインクが急激に加熱され
てインク流路内で気泡が発生し、この気泡の膨張により
所定のインク吐出口からインクが吐出される。
【0034】このようなインクジェットヘッドを備え、
記録信号に基づいてインクを前記インックジェットヘッ
ドの吐出口から吐出して記録を行なうインクジェットヘ
ッド記録装置も製造できる。
【0035】その1 次に、上記構成のインクジェットヘッドの製造時にベー
スプレートに複数個のヒーターボードを配列するときの
種々の方法について詳述する。
【0036】(第1の実施例)図3は、本発明のインク
ジェットヘッドの製造方法の第1の実施例を説明するた
めの、ベースプレートにヒーターボードを直接置いて接
着固定した際の概略図である。
【0037】本実施例における製造方法では、図3に示
すように、まず、ヒーターボード1を配列する面に枠パ
ターンが加工されたベースプレート2に予め接着剤3を
塗布しておく。そして、別の箇所にて被接触法で位置決
めされたヒーターボード1を、ベースプレート2の接着
剤3の塗布された各位置にヒーターボード1間に隙間を
開けて一列に配置し、前記枠パターンに形成された接着
剤塗布領域内の区画された吸引孔(不図示)より、ヒー
ターボード1をベースプレート2に吸引させ、接着剤3
が固まった時点で吸引を解除する。
【0038】但し、接着剤3は、ヒーターボード1を配
置した際、接着剤塗布領域からはみ出さない量としてお
く。また、ヒーターボード間の隙間によりヒーターボー
ドの切断精度を吸収するようにヒーターボードを配列し
た。
【0039】ベースプレートにヒーターボードを直接置
くので、配列したヒーターボード上面の平面度が向上す
る。
【0040】(第2の実施例)図4は、本発明のインク
ジェットヘッドの製造方法の第2の実施例を説明するた
めの図である。
【0041】上記第1の実施例において各ヒーターボー
ドをベースプレート上に配置する際、予めベースプレー
ト上に接着剤を塗布しておいたが、本実施例において
は、図4に示すように、ヒーターボード1をクランプす
るための吸引孔5、塗布領域6を形成する枠パターン、
および塗布領域6の位置にヒーターボードが置かれた後
ヒーターボード1の外側より塗布領域6へ接着剤3を注
入することができる注入口4をベースプレート2に加工
しておき、各々のヒーターボード1を配置した後、注入
口4から接着剤4を注入し、ヒーターボード1を固定す
る方法とした。
【0042】すなわち、まず、第1の実施例と同様に、
別の箇所にて非接触法により位置決めされたヒーターボ
ード1をベースプレート2上に一列に配置して吸引孔4
により吸着固定する。その後、ヒーターボード1の注入
口4から接着剤3を塗布領域6に流し込む。この際、接
着剤注入の順番はヒーターボードを複数個すべて配置し
た後にまとめて行なってもかまわない。その後、接着剤
3が固着したら吸引孔からの吸引を解除する。
【0043】なお、注入口4の位置は、ヒーターボード
下の塗布領域6内に通じるように形成されていれば、図
2に示す箇所に限られない。
【0044】(第3の実施例)図5は、本発明のインク
ジェットヘッドの製造方法の第3の実施例を説明するた
めの図である。
【0045】上記第1および第2の実施例においては接
着剤をベースプレート側に塗布していたが、本実施例に
おいては、図5に示すように、ヒーターボード1側に接
着剤3を塗布してベースプレート2に押し付けながら置
く。
【0046】まず、上記第1および第2の実施例と同様
に、別の箇所にて非接触法により位置決めされたヒータ
ーボード1をベースプレート2に配置する前に、ヒータ
ーボード1の裏面に接着剤3を1ヶ所あるいは数ヶ所塗
布する。この際、接着剤3はベースプレート2に形成さ
れている吸引孔5を避けて塗布するものとする。
【0047】そして、ベースプレート2上にヒーターボ
ードを一列に配置し、吸引孔5よりヒーターボード1を
吸引した後、接着剤3が固まったら上記第1および第2
の実施例と同様に吸引を解除する。
【0048】なお、接着剤3はシリコン系の硬化収縮率
の小さいものを使用し、硬化時のヒーターボード2のズ
レを防止している。接着剤の材質については第1および
第2の実施例も同様とした。
【0049】(第4の実施例)図6が本発明のインクジ
ェットヘッドの製造方法の第4の実施例を説明するため
の図である。
【0050】本実施例における製造方法では、図6
(A)に示すように、ベースプレート上に配列されてい
る切断公差内のヒーターボード1aに対して、切断公差
より大きめのヒーターボード1bを通常の配列位置に置
くと、ヒーターボードの切断ばらつきによりヒーターボ
ードの端部同士がぶつかってしまう。そのため、図6
(B)に示すように吐出性能を害さない範囲で配列方向
にヒーターボードをずらして置く。
【0051】また、すべてのヒーターボードの寸法が切
断公差内であっても、ヒーターボードの一端部からその
ヒーターボードの一端部に最も近いそのヒーターボード
上のヒーターまでの距離と、ヒーターボードの他端部か
らそのヒーターボードの他端部に最も近いそのヒーター
ボード上のヒーターまでの距離とが著しく異なった場
合、ヒーターボードを吐出性能を害さない範囲で先に配
置してあるヒーターボード側あるいはその反対側に配置
する。
【0052】本実施例では、「吐出性能を害さない範
囲」をヒーターボード上のヒーターが天板7のインク流
路用溝の内側にある範囲とした(±8μm)。
【0053】その結果、図6(c)に示すように、天板
7を接合した場合でもヒーターがインク流路用溝の内側
に確実にあり印字には何の問題も起きない。
【0054】また、ずらして置いたヒーターボード1b
の次に置くヒーターボードは、そのずらし量に対して反
対側にずれる寸法を持つヒーターボードを置くことが好
ましい。
【0055】またこのとき、予めヒーターボードの寸法
を非接触法により測定し、ヒーターボードを組み合わせ
ておき順に一列に配置していく。例えば、画像処理など
の非接触法を用いてヒーターボードをその配列方向にお
ける幅によって選別し、別々のトレーに分け、このとき
の選別データをもとに各ヒーターボードのヒーターが長
尺の天板7のインク流路用溝の内側に入るような数種類
の組合せを計算し、その中で最も適している組合せを用
いて一列に配置する。あるいは配置する直前にヒーター
ボードの寸法を前記同様に非接触法により測定し、その
寸法に合わせて位置補正を行ないながら配置してもよ
い。
【0056】さらに本発明は、長尺の天板のインク流路
用溝のピッチズレに対しても適応できる。
【0057】すなわち、長尺の天板を射出成形等で製作
し、インク流路用溝や吐出口をエキシマ・レーザ等で加
工した際にインク流路用溝のピッチ等に加工ズレ(ピッ
チズレ)が生じた場合、一列に配置したヒーターボード
のヒーターの位置に対応すべきインク流路用溝の位置
を、非接触法により予め別の位置で測定するかあるいは
配置する直前に前記同様に非接触法にて測定し、そのデ
ータをもとにヒーターボードの配列位置を補正し、確実
にノズル壁内側にヒーターが入るようにする。
【0058】(第5の実施例)図7は本発明のインクジ
ェットヘッドの製造方法の第5の実施例を説明するため
の図であり、図(A)および図(B)はベースプレート
にヒーターボードを突き当てる際の位置決めの方法を示
している。これらの図において、符号1aは先に配列し
てあるヒーターボード、符号1bはこれからベースプレ
ートに配列するヒーターボード、Δxは隣接するヒータ
ーボードの隙間、Δyは隣接するヒーターボードのイン
ク吐出方向のずれである。
【0059】上述の第1乃至第4の実施例において、ヒ
ーターボードをベースプレート上に配置する前に位置決
めを行なわなくてはならない。そこでその一例を示す。
【0060】本実施例における製造方法では、図7
(A)に示すように、まず、これから配置するヒーター
ボード1bをベースプレート2の上空で一度止め、隣接
するヒーターボードの隙間Δxを画像処理などの非接触
法で測定しつつ、横方向の位置決めを行なう。その際、
ヒーターボードの隙間Δxの値はヒーターボードの切断
精度のバラツキによりその都度変えられる。
【0061】また、図7(B)に示すように、インク吐
出方向のずれは、ヒーターボードをベースプレート2の
上空で止めた状態で、ヒーターボードの表面を上方から
前記同様、画像処理などの非接触法で測定し、隣接する
ヒーターボードの吐出方向のずれ量Δyがゼロになるよ
うにこれから配置するヒーターボード1bを移動させ
る。
【0062】以上の2方向の位置決めが行なわれたヒー
ターボード1bをベースプレート2に一列に配置する。
【0063】その結果、隣接するヒーターボードの隙間
Δxは設定値に対して±1μm以下となりインクの吐出
方向のずれΔyは±2μm以下となった。図8は図6に
示したヒーターボードの概略図である。
【0064】その2 次に、図1および図2に示したインクジェットヘッドの
製造時に複数個のヒーターボードが配列されたベースプ
レート上に天板を組付けるときの方法について詳述す
る。
【0065】ここで先ず天板の組付け方法の説明の前
に、天板の組付け等に使用するインクジェットヘッドの
組立装置の構成について説明する。
【0066】図8は本発明のインクジェットヘッドの製
造方法で使用する組立装置の一例を示す概略斜視図であ
る。
【0067】図8に示す組立装置は、y方向に移動する
y方向移動機構20と、y方向移動機構20に搭載され
x方向に移動するx方向移動機構21と、x方向移動機
構21に搭載され、x方向移動機構21上に置かれたベ
ースプレート2をクランプするためのベースプレートク
ランプ23と、ベースプレート上に一直線に配列された
複数個のヒーターボード1に組付けた天板7をクランプ
するために天板7の上面側と前面側に配置された天板上
面クランプ24および天板前面クランプ25と、ヒータ
ーボード1の位置を計測するためのヒーターボード画像
処理用カメラ26と、天板7の形成された吐出口の穴の
位置を計測するための穴画像処理用カメラ27と、天板
7の両側端部付近にそれぞれ配設され、ヒーターボード
1の配列方向に対して天板7の位置をずらす天板位置調
整手段28(天板1の片側端部付近の天板位置調整手段
は不図示)と、から構成される。
【0068】図9はヒーターボードの概略図であり、図
8に示した組立装置のヒーターボード画像処理用カメラ
26による画像処理のため、各々のヒーターボード1上
のX軸方向に関して略中央に位置するヒーター10の近
傍には、このヒータ10が基準ヒーターであることを認
識させるための認識マーク8が付されている。また以下
の実施例の説明では、ヒーターボード1がベースプレー
ト上に11個並べてあるものとする。
【0069】以下、図8に示した組立装置による種々の
製造方法を述べる。
【0070】(第6の実施例)図10は、本発明の製造
方法の第6の実施例における画像処理を説明するための
図である。
【0071】図8を参照して本実施例の製造方法を説明
すると、まず、ヒーターボード1が11枚配列されたベ
ースプレート2をx方向移動機構21上の所定の位置に
置き、ベースプレートクランプ23で固定する。次い
で、y方向移動機構20により、ヒーターボード画像処
理用カメラ26でヒーターボード1が観察できる位置ま
で移動する。ここで、基準となる6番目(11個配列さ
れた真ん中)のヒーターボード1を観察し、認識マーク
8の位置を画像処理する。この結果を基準とし、x方向
移動機構21により、1番目のヒーターボード1を観察
できる位置まで移動する。この時、基準とした6番目の
ヒーターボード1の認識マーク8から正確に移動させる
(本実施例では、45.12mm=0.0705×12
8×(6−1))。この状態で1番目のヒーターボード
1の認識マーク8の位置を画像処理を行い、同様の方法
で11番目のヒーターボード1の認識マーク8の位置も
画像処理を行う。
【0072】上述の測定結果により、配列精度がでてい
ないヒーターボード列に対する天板組付けの際の校正値
を求める。
【0073】図10(A)に示すように、基準に対し左
右にずれている時の校正値は、 校正値=基準+(X1 +X2 )/2(左、右の最大値) となる。また、図10(B)に示すように、基準に対し
片方向にずれている時の校正値は、 校正値=基準+X4 /2(片方向の最大値) となる。
【0074】次に図8に戻り、天板7を配列されたヒー
ターボード1に置き、天板上面クランプ24、天板前面
クランプ25を押し当てることにより、ヒーターボード
1と天板7との隙間をなくし、穴画像処理用カメラ27
でインク吐出口の穴を観察する。ここで、天板位置調整
手段28により前述した校正値の位置に基準穴を合わせ
る。
【0075】以上のような方法をとることにより、ベー
スプレート上に配列された複数個のヒーターボードに対
する天板の位置精度が向上し、ヒーターボードの隙間
に、インク流路が重なることがなくなる。よって、クロ
ストーク現象及び不吐出、ショボ等を防止できる。ま
た、本実施例では、校正値を求めるのに6番目と11番
目の2つのヒーターボードに画像処理を行なったが、本
発明はこれに限られるものではなく、より天板の位置精
度を向上させるために、基準となる中央のヒーターボー
ドと異なる2つ以上のヒーターボードに行なってもよ
い。
【0076】(第7の実施例)図11は本発明の製造方
法の第7の実施例における画像処理を説明するための図
である。
【0077】前記第6の実施例と同様に図8を参照し、
本実施例の製造方法について説明すると、まず、ヒータ
ーボード1が11枚配列されたベースプレート2をx方
向移動機構21上の所定の位置に置き、ベースプレート
クランプ23で固定する。次いで、x方向移動機構21
により、穴画像処理用カメラ27で5番目と6番目のヒ
ーターボードの隙間の位置が観察できる位置まで移動す
る。ここで5番目と6番目のヒーターボードの隙間を画
像処理する。
【0078】次に、配列されたヒーターボード1に天板
7を置き、天板上面クランプ24、天板前面クランプ2
5を押し当てることにより、ヒーターボード1と天板7
との隙間をなくし、穴画像処理用カメラ27で5番目と
6番目のヒーターボードの隙間付近のインク吐出口17
を観察する。
【0079】ここで、天板位置調整手段28により、前
述した画像処理の結果に基づき天板7をずらし、図11
に示すように、インク流路用溝16間の溝壁29がヒー
ターボード1間の隙間にくるように合わせる。
【0080】以上のような方法をとることにより、第6
の実施例と同様の効果が得られる。また、ヒーターボー
ド画像処理用カメラ26を使用しないため、第6の実施
例より安価に製造することができる。
【0081】(第8の実施例)図12は本発明の製造方
法の第8の実施例における画像処理を説明するための図
である。
【0082】前記第7および第8の実施例と同様に図8
を参照し、本実施例の製造方法について説明すると、ま
ず、ヒーターボード1が11枚配列されたベースプレー
ト2をx方向移動機構21上の所定の位置に置き、ベー
スプレートクランプ23で固定する。次いで、x方向移
動機構21により、穴画像処理用カメラ27で5番目と
6番目のヒーターボードの隙間の位置が観察できる位置
まで移動する。ここで5番目と6番目のヒーターボード
の隙間を画像処理する。この結果を基準とし、x方向移
動機構21により、1番目と2番目のヒーターボード間
の隙間を観察できる位置まで移動する。この時、基準と
した5番目と6番目のヒーターボード間の隙間から正確
に移動させる(本実施例では36.096mm=0.0
705×128×(5−1))。この状態で1番目と2
番目のヒーターボードの隙間の画像処理を行い、同様の
方法で10番目と11番目のヒーターボード間の隙間の
画像処理を行う。
【0083】上述の測定結果により、配列精度がでてい
ないヒーターボード列に対する天板組付けの際の校正値
を求める。
【0084】図12(A)に示すように、基準に対し左
右にずれている時の校正値は、 校正値=基準+(X1 +X2 )/2(左、右の最大値) となる。また、図12(B)に示すように、基準に対し
片方向にずれている時の校正値は、 校正値=基準+X4 /2(片方向の最大値) となる。
【0085】次に図8に戻り、天板7を配列されたヒー
ターボード1に置き、天板上面クランプ24、天板前面
クランプ25を押し当てることにより、ヒーターボード
1と天板7との隙間をなくし、穴画像処理用カメラ27
で、5番目と6番目のヒーターボード間の隙間付近のイ
ンク吐出口を観察する。
【0086】ここで、天板位置調整手段28により、天
板のインク流路用溝間の溝壁のうちの基準溝壁を前記し
た校正値の位置に合わせる。
【0087】以上のような構成をとることにより、第7
の実施例よりも、さらに天板の位置精度が向上し、第7
の実施例と同等以上の効果を得ることができる。また、
本実施例では、校正値を求めるのに基準以外に2箇所
で、すなわち1番目と2番目のヒーターボードの隙間、
および10番目と11番目のヒーターボード間の隙間に
画像処理を行なったが、本発明はこれに限られるもので
はなく、より天板の位置精度を向上させるために、基準
となる5番目と6番目のヒーターボード間の隙間と異な
る2箇所以上のヒーターボード間の隙間に行なってもよ
い。
【0088】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載するような効果を奏する。
【0089】請求項1に記載した発明においては、複数
のエネルギー発生素子を有する基板間に隙間を設け、か
つ、該隙間量を基板の配列方向によって変えて配列した
ことにより、切断精度のバラツキが吸収できる。
【0090】請求項2に記載した発明においては、基台
の基板を配置する面に枠パターンを形成したことによ
り、ゴミなどの異物の混入による配列ミスを防止するこ
とができる。
【0091】請求項3、4、5に記載した発明において
は、接着剤を用いた基板の配置固定が高精度に行なうこ
とができる。
【0092】請求項6に記載した発明においては、吐出
性能を害さない範囲で配列位置をずらせるため、切断の
公差範囲を広げ、基板の切断による歩留りの向上にもつ
ながる。
【0093】請求項7、8に記載した発明においては、
基板間の隙間や基板の配列方向の寸法などを非接触法で
測定し、配列するため、機械加工による位置決めコマ等
の基準を作る場合に比べ加工精度による問題もなく、さ
らには基板の配置位置のバラツキも問題とならない。
【0094】また、基台上に基板を配置するまで、隣接
したヒーターボードを確認できるため、配列時のミスの
減少や補正可能となり、歩留りの向上にもつながる。
【0095】請求項9に記載の発明においては、天板の
インク流路用溝ピッチにも合わせて配列可能なため、天
板の成形あるいは加工による歩留りの向上にもつなが
る。
【0096】請求項10、11に記載の発明において
は、複数のエネルギー発生素子を有する基板を複数個配
列した基台に一つの天板を接合する際、天板組付け前に
画像処理によって基板の配列ずれを二箇所以上で測定
し、これらのずれ量に基づき、基準となる吐出口を配置
させたい位置を求め、天板組付け後に基準となる吐出口
の位置を測定し、この基準となる吐出口を、前記基準と
なる吐出口を配置させたい位置に、基台もしくは天板を
ずらして配置させることにより、基台上に複数の配列さ
れた各基板の対する天板の位置精度が向上し、基板間の
隙間に、インク流路が重なることがなくなる。よってク
ロストーク現象及び不吐出、ショボ等を防止することが
できる。
【0097】請求項12に記載した発明においては、複
数のエネルギー発生素子を有する基板を複数個配列した
基台に一つの天板を接合する際、天板組付け後に基板間
の隙間の位置と該隙間に対応すべきインク流路用溝間の
溝壁の位置とを測定し、これらの測定結果に基いて、基
板間の隙間に、該隙間に対応すべきインク流路用溝間の
溝壁が合うように基台もしくは天板をずらして配置させ
ることにより、請求項10、11と同様の効果が得られ
るとともに、天板組付け前に基板の配列位置を測定しな
くてもよいので、コストが低減できる。
【0098】請求項13に記載した発明においては、複
数のエネルギー発生素子を有する基板を複数個配列した
基台に一つの天板を接合する際、天板組付け前に画像処
理によって基板間の隙間の配列ずれを二箇所以上で測定
し、これらのずれ量に基づき、基準となるインク流路用
溝間の溝壁を配置させたい位置を求め、天板組付け後に
基準となるインク流路用溝間の溝壁の位置を測定し、こ
の基準となるインク流路用溝間の溝壁を、前記基準とな
るインク流路用溝間の溝壁を配置させたい位置に、基台
もしくは天板をずらして配置させることにより、請求項
10、11と同様の効果が得られ、かつ、請求項12に
記載した発明と同等以上の効果を奏する。
【0099】請求項14に記載した発明においては、請
求項1乃至13のいずれかに記載の製造方法により、目
的に応じた自由幅のインクジェットヘッドが低コストで
かつ、歩留りがよく製作することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を用いて作製される長尺型イ
ンクジェットヘッドの一例を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す天板の構造図であり、(a)は平面
図、(b)は正面図、(c)は底面図、(d)は(b)
のX−X線拡大断面図である。
【図3】本発明のインクジェットヘッドの製造方法の第
1の実施例を説明するための、ベースプレートにヒータ
ーボードを直接置き接着固定した際の概略図である。
【図4】本発明のインクジェットヘッドの製造方法の第
2の実施例を説明するための図である。
【図5】本発明のインクジェットヘッドの製造方法の第
3の実施例を説明するための図である。
【図6】本発明のインクジェットヘッドの製造方法の第
4の実施例を説明するための図である。
【図7】本発明のインクジェットヘッドの製造方法の第
6の実施例を説明するための図である。
【図8】本発明のインクジェットヘッドの製造方法で使
用する組立装置の一例を示す概略斜視図である。
【図9】ヒーターボードの概略図である。
【図10】本発明の製造方法の第6の実施例における画
像処理を説明するための図である。
【図11】本発明の製造方法の第7の実施例における画
像処理を説明するための図である。
【図12】本発明の製造方法の第7の実施例における画
像処理を説明するための図である。
【図13】ヒーターボード同士を直線状に突き当てて配
列した状態を示した図である。
【符号の説明】
1 ヒーターボード 2 ベースプレート 3 接着剤 4 注入口 5 吸引孔 6 塗布領域 7 天板 8 認識マーク 10 ヒーター 11 金ワイヤー 12 配線基板 13 コネクター 15 共通液室用凹部 16 インク流路用溝 17 インク吐出口 18 インク供給口 20 y方向移動機構 21 x方向移動機構 22 ベースプレート 23 ベースプレートクランプ 24 天板上面クランプ 25 天板前面クランプ 26 ヒーターボード画像処理用カメラ 27 穴画像処理用カメラ 28 天板位置調整手段 29 溝壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺井 晴彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 工藤 清光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数個のエネルギー発生素子を有する基
    板を基台上に複数個配列した後、該各エネルギー発生素
    子に対応する複数のインク流路用溝が形成された一つの
    天板を前記基台に接合するインクジェットヘッドの製造
    方法において、 前記基台に前記基板を互いに隙間を設け、かつ、該隙間
    量を前記基板の配列方向の切断精度によって変えて配列
    したことを特徴とする、インクジェットヘッドの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 前記基台の前記基板を配置する面には、
    ある特定の枠パターンが形成されていることを特徴とす
    る、請求項1に記載のインクジェットヘッドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記基板を前記基台に複数個配列する
    際、前記枠パターンの中に接着剤を塗布した後、前記基
    板を前記基台に置き、前記基板の位置を前記接着剤が固
    まるまで保持することを特徴とする、請求項2に記載の
    インクジェットヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記基板を前記基台に複数個配列する
    際、前記基板を前記基台に置き、前記基板の外側から接
    着剤を前記基板下の前記枠パターン内に流し込み、前記
    基板の位置を前記接着剤が固まるまで保持することを特
    徴とする、請求項2に記載のインクジェットヘッドの製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記基板を前記基台に複数個配列する
    際、前記基板の裏面に接着剤を塗布した後、前記基板を
    前記基台に配置することを特徴とする、請求項1に記載
    のインクジェットヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板を前記基台に複数個配列する
    際、前記基板の配列方向の幅寸法がばらついていて、前
    記基板の配列方向の一側面から当該基板の一側面に最も
    近い当該基板上のエネルギー発生素子までの距離と、当
    該基板の他側面から当該基板の他側面に最も近い当該基
    板のエネルギー発生素子までの距離が著しく異なる場
    合、前記天板と前記基台を接合する際に前記各エネルギ
    ー発生素子が前記天板の各インク流路用溝からはみ出さ
    ない範囲で、これから配置する基板を正規の配列位置か
    ら先に配置してある基板側あるいはその反対側にずらし
    て配置することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれ
    か1項に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記基板の寸法を予め非接触法により複
    数個測定して、前記各基板のエネルギー発生素子が前記
    天板のインク流路用溝の内側に入るように前記各基板を
    組み合わせておき、順に配列していくことを特徴とす
    る、請求項6に記載のインクジェットヘッド製造方法。
  8. 【請求項8】 前記基板を配置する直前に前記基板の寸
    法を非接触法により測定し、その測定寸法をもとに位置
    補正を行なった後、配置することを特徴とする、請求項
    6に記載のインクジェットヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記基板を前記基台に複数個配列する
    際、前記天板のインク流路用溝の加工によるズレに合わ
    せて、前記基板の配列位置を補正して配置することを特
    徴とする、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のイン
    クジェットヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 複数個のエネルギー発生素子を有する
    基板を基台上に複数個配列した後、該各エネルギー発生
    素子に対応する複数のインク流路用溝および該各インク
    流路用溝と連通する複数の吐出口が形成された天板を前
    記基台に接合するインクジェットヘッドの製造方法にお
    いて、 前記各基板の所定位置には認識マークが設けられてお
    り、 前記各基板のうち基準となる基板を撮像し、該基準とな
    る基板の認識マークの位置を測定する第1の測定工程
    と、 前記基準となる基板の認識マークとは別の、少なくとも
    二つの基板の認識マークにおいて、前記基準となる基板
    の認識マークの位置に対する正規の位置からのずれ量を
    それぞれ測定し、それらの測定結果に基づき、前記基準
    となる基板のエネルギー発生素子に対し、基準となる吐
    出口を配置させたい位置を算出する演算工程と、 該基準となる吐出口を撮像し、前記基準となる吐出口の
    位置を測定する第2の測定工程と、 前記演算工程の算出結果と前記第2の測定工程の測定結
    果に基づき、該基準となる吐出口を配置させたい位置と
    前記基準となる吐出口とが、吐出口の並び方向に関して
    一致するように、前記基台もしくは前記天板を移動させ
    る移動工程と、を具備することを特徴とする、インクジ
    ェットヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記認識マークは、各基板上の中央に
    位置するエネルギー発生素子に対応して付されているこ
    とを特徴とする、請求項10に記載のインクジェットヘ
    ッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 複数個のエネルギー発生素子を有する
    基板を基台上に複数個配列した後、該各エネルギー発生
    素子に対応する複数のインク流路用溝および該各インク
    流路用溝と連通する複数の吐出口が形成された天板を前
    記基台に接合するインクジェットヘッドの製造方法にお
    いて、 前記基板間の隙間を撮像し、該隙間の位置を測定する第
    1の測定工程と、 前記隙間に対応する前記インク流路用溝間の溝壁を撮像
    し、該溝壁を測定する第2の測定工程と、 前記第1及び第2の測定工程における測定結果に基づ
    き、前記隙間と前記溝壁とが、吐出口の並び方向に関し
    て一致するように、前記基台もしくは前記天板を移動さ
    せる移動工程と、を具備することを特徴とする、インク
    ジェットヘッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 複数個のエネルギー発生素子を有する
    基板を基台上に複数個配列した後、該各エネルギー発生
    素子に対応する複数のインク流路用溝および該各インク
    流路用溝と連通する複数の吐出口が形成された天板を前
    記基台に接合してなるインクジェットヘッドの製造方法
    において、 前記各基板のうち基準となる基板間の隙間を撮像し、該
    基準となる基板間の隙間の位置を測定する第1の測定工
    程と、 前記基準となる基板間の隙間とは別の、少なくとも二箇
    所の基板間の隙間において、前記基準となる基板間の隙
    間の位置に対する正規の位置からのずれ量をそれぞれ測
    定し、それらの測定結果に基づき、前記基準となる基板
    間の隙間に対し、基準となるインク流路用溝間の溝壁を
    配置させたい位置を算出する演算工程と、 該基準となるインク流路用溝間の溝壁を撮像し、前記基
    準となるインク流路用溝間の溝壁の位置を測定する第2
    の測定工程と、 前記演算工程の算出結果と、前記第2の測定工程の測定
    結果に基づき、該基準となるインク流路用溝間の溝壁を
    配置させたい位置と前記基準となるインク流路用溝間の
    溝壁とが、吐出口の並び方向に関して一致するように、
    前記基台もしくは前記天板を移動させる移動工程と、を
    具備することを特徴とする、インクジェットヘッドの製
    造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1乃至13のいずれか1項に記
    載のインクジェットヘッドの製造方法によって製造され
    たことを特徴とするインクジェットヘッド。
  15. 【請求項15】 前記エネルギー発生素子は、インク吐
    出用の熱エネルギーを発生するための電気熱変換体であ
    る、請求項14に記載のインクジェットヘッド。
  16. 【請求項16】 前記電気熱変換体によって印加される
    熱エネルギーにより、インクに生じる膜沸騰を利用して
    吐出口よりインクを吐出させることを特徴とする、請求
    項15に記載のインクジェットヘッド。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載のインクジェットヘ
    ッドを備え、記録信号に基づいてインクを前記インクジ
    ェットヘッドの吐出口から吐出して記録を行なうインク
    ジェットヘッド記録装置。
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