JPH10100416A - インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法

Info

Publication number
JPH10100416A
JPH10100416A JP26215996A JP26215996A JPH10100416A JP H10100416 A JPH10100416 A JP H10100416A JP 26215996 A JP26215996 A JP 26215996A JP 26215996 A JP26215996 A JP 26215996A JP H10100416 A JPH10100416 A JP H10100416A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nozzle plate
substrate
recording head
jet recording
ink jet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26215996A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoshi Kotake
直志 小竹
Yukihisa Koizumi
幸久 小泉
Masaki Kataoka
雅樹 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
Priority to JP26215996A priority Critical patent/JPH10100416A/ja
Publication of JPH10100416A publication Critical patent/JPH10100416A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱接着によってノズル板が膨張しても基板
とノズル板との位置を正確に合わせることのできるイン
クジェット記録ヘッドの製造方法およびその製造方法で
製造されたインクジェット記録ヘッドを提供する。 【解決手段】 ヒーター基板1上には発熱素子などが形
成された後、樹脂層11が設けられ、この樹脂層11に
よって凹部13が形成されている。また、ノズル板2に
は、発熱素子に対応するインク流路が形成されるととも
に、凸部22が形成されている。ヒーター基板1とノズ
ル板2を接合する際には、接着剤55を塗布後、略位置
決めして接合し、凹部13に凸部22を嵌合させる。そ
の後、加熱して接着するが、加熱によってノズル板2が
膨張して伸びる。すると、凸部22が凹部13の壁面に
当接する。これにより、ノズル板2の伸びが抑止される
とともに、その当接によって正確な位置決めがなされ、
接着される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンタに用いられるインクジェット記録ヘッドに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、インクを噴射させ、被記録媒体に
付着させて記録を行なうインクジェットプリンタが広く
利用されるようになってきている。インクを噴射させる
方式としては、ピエゾ素子の変形によってインクに圧力
を与え、インクを噴射させるピエゾ方式や、発熱体の発
熱によってインク中に気泡を発生させ、その気泡が成長
する際の圧力によってインクを噴射させるサーマル方式
などが開発されている。
【0003】これらの方式のインクジェット記録ヘッド
では、上述のようなインクを噴射させるための噴射素子
を有する基板と、噴射素子に対応してインク流路を形成
したノズル板とを接合してインクジェット記録ヘッドを
製造している。例えば、特開昭63−34152号公報
には、サーマル型のインクジェット記録ヘッドについて
記載されており、2枚のシリコン基板の一方に熱硬化性
の接着剤を転写法により塗布し、2枚の基板を接着して
インクジェットヘッドを作製する方法が述べられてい
る。このように同じ材質の基板を用いた場合には、加熱
接着を行なっても問題にはならない。
【0004】近年、インクジェットプリンタの低価格化
とともに、例えば、特願平8−84911号公報などに
記載されているように、インクジェット記録ヘッドのノ
ズル板を樹脂などの低廉な材料によって構成したものが
開発されている。このような構成では、接合する基板と
ノズル板とで材料が異なるため、熱硬化性接着剤を用い
るなどして加熱接着を行なうと、熱膨張率の差によって
基板とノズル板との位置がずれてしまうという問題があ
った。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述した事
情に鑑みてなされたもので、加熱接着によってノズル板
が膨張しても基板とノズル板との位置を正確に合わせる
ことのできるインクジェット記録ヘッドの製造方法を提
供するとともに、基板とノズル板との位置合わせが正確
に行なわれたインクジェット記録ヘッドを提供すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、インクを噴射させるための噴射素子を持つ基板と、
該基板よりも熱膨張率の大きい材料によって形成され前
記噴射素子に対応してインク流路が形成されたノズル板
とを接合してなるインクジェット記録ヘッドにおいて、
前記ノズル板には前記基板との接合時の位置決め用の凸
部が形成されており、また、前記基板には前記ノズル板
に形成されている凸部と嵌合し加熱時に前記ノズル板が
膨張した位置で前記基板との位置決めが行なえるように
凹部が形成されていることを特徴とするものである。
【0007】請求項2に記載の発明は、インクを噴射さ
せるための噴射素子を持つ基板と、該基板よりも熱膨張
率の大きい材料によって形成され前記噴射素子に対応し
てインク流路が形成されたノズル板とを接合してなるイ
ンクジェット記録ヘッドにおいて、前記基板には前記ノ
ズル板との接合時の位置決め用の凸部が形成されてお
り、また、前記ノズル板には前記基板に形成されている
凸部と嵌合し加熱時に前記ノズル板が膨張した位置で前
記基板との位置決めが行なえるように凹部が形成されて
いることを特徴とするものである。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1または
2に記載のインクジェット記録ヘッドにおいて、前記基
板上の凸部または凹部は、ポリイミド樹脂、ドライフィ
ルムレジスト、またはソルダーレジストにより形成され
ていることを特徴とするものである。
【0009】請求項4に記載の発明は、インクを噴射さ
せるための噴射素子を持つ基板と、該基板よりも熱膨張
率の大きい材料によって形成され前記噴射素子に対応し
てインク流路が形成されたノズル板とを接合するインク
ジェット記録ヘッドの製造方法において、前記ノズル板
に前記基板との接合時の位置決め用の凸部を形成し、ま
た前記基板に前記ノズル板に形成されている凸部と嵌合
する凹部を形成し、前記ノズル板と前記基板とを加熱接
合し、該加熱接合時に前記ノズル板が膨張し、前記ノズ
ル板に形成されている凸部が前記基板に形成されている
凹部の周辺部に当接して前記ノズル板と前記基板との位
置決めを行なうことを特徴とするものである。
【0010】請求項5に記載の発明は、インクを噴射さ
せるための噴射素子を持つ基板と、該基板よりも熱膨張
率の大きい材料によって形成され前記噴射素子に対応し
てインク流路が形成されたノズル板とを接合するインク
ジェット記録ヘッドの製造方法において、前記基板に前
記ノズル板との接合時の位置決め用の凸部を形成し、ま
た前記ノズル板に前記基板に形成されている凸部と嵌合
する凹部を形成し、前記ノズル板と前記基板とを加熱接
合し、該加熱接合時に前記ノズル板が膨張し、前記ノズ
ル板に形成されている凹部の周辺部が前記基板に形成さ
れている凸部の外周に当接して前記ノズル板と前記基板
との位置決めを行なうことを特徴とするものである。
【0011】請求項6に記載の発明は、請求項4または
5に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方法におい
て、前記ノズル板に前記インク流路を形成する際には、
加熱接合時のノズル板の伸び量に応じて前記インク流路
の配列ピッチを狭く形成することを特徴とするものであ
る。
【0012】請求項7に記載の発明は、インクを噴射さ
せるための噴射素子を持つ基板と、該基板よりも熱膨張
率の大きい材料によって形成され前記噴射素子に対応し
てインク流路が形成されたノズル板とを加熱接合するイ
ンクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記基板
と前記ノズル板を加熱接合する際に、前記ノズル板の前
記基板と接する反対側の面を、熱線膨張係数が前記ノズ
ル板の材料よりも小さい材料面で加圧することを特徴と
するものである。
【0013】請求項8に記載の発明は、請求項7に記載
のインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記
材料面の材料はポリイミド樹脂であることを特徴とする
ものである。
【0014】請求項9に記載の発明は、請求項7に記載
のインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前記
材料面の材料は金属フィルム材料であることを特徴とす
るものである。
【0015】請求項10に記載の発明は、請求項7に記
載のインクジェット記録ヘッドの製造方法において、さ
らに、前記材料面を冷却する冷却手段を設けたことを特
徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】図1、図2は、本発明のインクジ
ェット記録ヘッドの第1の実施の形態における製造方法
の一例を示す工程図である。図中、1はヒーター基板、
2はノズル板、3はジョイント部材、4はヒートシン
ク、11は樹脂層、31は封止剤注入穴、41はジョイ
ント固定穴、42は封止剤注入穴、43は外部配線中継
基板、51はヒーターウェハ、52は切断位置、53は
洗浄液、54は電気的接続である。
【0017】図1(A)において、シリコンウエハ上に
発熱素子、および発熱素子に接続される個別電極および
共通電極、図示しない駆動回路等を、例えばLSI作製
プロセスで形成し、ヒーターウェハ51とする。発熱素
子上には、気泡の成長および消滅時の圧力からの発熱素
子の保護と絶縁のための保護膜などを成膜してもよい。
【0018】次に図1(B)において、ヒーターウェハ
51の表面に薄い樹脂層11を、例えばスピンコートな
どによって塗布し、プリベーク、露光、現像、キュアな
どのプロセスを経てパターンを形成する。図3は、本発
明のインクジェット記録ヘッドの第1の実施の形態にお
けるヒーターウェハの一例を示す平面図である。図中、
12は発熱素子、13は凹部である。樹脂層11は、少
なくとも発熱素子12上を除いて設けられる。それとと
もに、発熱素子12の並び方向の両端には、ノズル板2
との位置合わせを行なうための凹部13が設けられる。
この凹部13は、具体的には樹脂層11の厚さを10μ
mとしたとき、1辺が100μm程度の矩形パターンと
して形成することができる。この工程で形成する樹脂層
14としては、例えば感光性ポリイミド樹脂がパターニ
ング精度や生産性の面で適している。このほか、例えば
ドライフィルムレジストや、ソルダーレジスト等を用い
ることもできる。
【0019】図1(C)において、ヒーターウェハ51
は切断位置52において例えばダイシング等によって切
断され、個別のヒーター基板1となる。ダイシング等に
よって切断したヒーター基板1は、ダイシング時のダイ
シング粉を除去するため、図1(D)において、例えば
洗浄液53などによって洗浄される。
【0020】一方、チップ固定用の基板として、チップ
と外部との電気的接続用である外部配線中継基板43が
Alの表面に形成された一体部品としてヒートシンク4
が作製される。もちろん、ヒートシンク4と外部配線中
継基板43とが別体であってもよい。ヒートシンク4に
は、ジョイント部材3を固定するためのジョイント固定
穴41および封止剤を注入するための封止剤注入穴42
が設けられている。
【0021】図2(A)において、このヒートシンク4
に洗浄されたヒーター基板1が位置決めされ、銀エポキ
シ等の熱伝導の良好な接着剤で接合される。図2(B)
において、ヒーター基板1と外部配線中継基板43がワ
イヤボンディングまたはTAB方法または異方性導電膜
などにより電気的接続54がなされる。
【0022】また、別にノズル板2が例えば樹脂成型に
よって作製される。図4は、本発明のインクジェット記
録ヘッドの第1の実施の形態におけるノズル板2の一例
を示す断面図であり、図4(A)は流路溝方向の断面
図、図4(B)は流路溝の配列方向の断面図である。図
中、21は流路溝、22は凸部、23は吐出口、24は
共通液室、25は流路溝壁、26はインク供給管であ
る。流路形成部材2には、成型時に各発熱素子12に対
応して、流路溝壁25で隔てられた流路溝21が形成さ
れる。各流路溝21は、後述のようにノズル板2が加熱
されて膨張したときにヒーター基板1上の発熱素子12
と位置が合うように、その間隔を少し狭く形成してお
く。
【0023】各流路溝21は、共通液室24に連通して
いる。また、共通液室24にインクを供給するためのイ
ンク供給管26等も形成される。また、各発熱素子12
に対応して、吐出口23が形成される。なお、インク供
給管26は図2(C)に示されている。さらに、流路溝
21の並び方向の両端部には、ヒーター基板1との位置
合わせを行なうための凸部22が設けられている。この
凸部22の具体例としては、80μm程度の矩形パター
ンとすることができる。ノズル板2の材料としては、例
えばポリサルフォンなどを用いることができるが、これ
に限られるものではない。
【0024】図2(C)において、ヒーター基板1にノ
ズル板2を接合する。まずヒーター基板1上に接着剤層
を例えば転写法等によって形成し、その後、ノズル板2
を位置決めして載せる。接着剤としては、熱硬化性のエ
ポキシ接着剤などを用いることができる。
【0025】図5は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの第1の実施の形態におけるヒーター基板上にノズル
板を載置した状態の一例の説明図であり、図5(A)は
断面図、図5(B)は平面図である。図中、55は接着
剤層である。なお、図5では凹部13および凸部22の
部分のみ示した。ノズル板2を位置決めしてヒーター基
板1上に載置することによって、図5に示すようにヒー
ター基板1に形成した凹部13にノズル板2の凸部22
が嵌合する。この段階では、正確に位置合わせされてい
る必要はなく、凹部13に凸部22が挿入されていれば
よい。従って、上述の具体例のように、寸法としては凹
部13の方が凸部22よりも大きくしてある。
【0026】図5に示す状態において、加熱して接着剤
を硬化させ、ヒーター基板1とノズル板2を接着する。
図6は、本発明のインクジェット記録ヘッドの第1の実
施の形態におけるヒーター基板とノズル板とを加熱接着
した状態の一例の説明図であり、図6(A)は断面図、
図6(B)は平面図である。なお、図6においても凹部
13および凸部22の部分のみ示した。接着時の加熱に
よってノズル板2は膨張する。そのため、ヒーター基板
1の凹部13に挿入されていたノズル板2の凸部22は
外側へと移動し、図6に示すように凹部13の壁面に当
接する。凸部22が凹部13の壁面に当接したところで
ノズル板2の膨張は停止する。そのまま加熱を続けるこ
とによって接着剤55が完全に硬化し、ヒーター基板1
とノズル板2とが接着される。このとき、ノズル板2の
熱膨張で伸びる方向は決まっているので、例えば図6に
示すように、凹部13の決まった位置に凸部22が当接
し、正確な位置合わせが行なえる。また、ノズル板2に
形成されている流路溝21は、この時のノズル板の熱膨
張による伸びを考慮して形成したので、発熱素子12と
流路溝21とがそれぞれ正確に位置合わせされる。
【0027】図7は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの第1の実施の形態におけるヒーター基板とノズル板
の加熱接着後の状態の一例を示す断面図であり、図7
(A)は流路溝方向の断面図、図7(B)は流路溝の配
列方向の断面図である。このようにしてヒーター基板1
とノズル板2とを加熱接着することによって、図7に示
すように正確に位置決めされたインクの流路が形成され
る。
【0028】図2に戻り、図2(D)において、インク
を供給するためのジョイント部材3の図示しない嵌合ピ
ンが、ヒートシンク4に設けられたジョイント固定穴4
1に挿入され、ノズル板2のインク供給管26に対して
位置決めされる。ジョイント部材3内には、インクタン
クからインク供給管26へインクを供給するためのイン
ク流路を有しており、ジョイント部材3の位置決めによ
ってインク流路とノズル板2のインク供給管26とが接
続される。その後、ジョイント部材3の嵌合ピンは、ヒ
ートシンク4の裏面より熱かしめや接着剤により固定さ
れる。
【0029】次に、ジョイント部材3のインク噴射側に
設けた封止剤注入穴31あるいはヒートシンク4に設け
た封止剤注入穴42あるいはその両方から、例えばシリ
コンまたは変形エポキシ樹脂などの封止剤を注入し、硬
化させる。このようにして、インクジェット記録ヘッド
が完成される。
【0030】上述の第1の実施の形態では発熱素子12
の形成面に対して概略平行方向にインクを吐出するサイ
ドシューター型のインクジェットプリントヘッドを示し
たが、発熱素子12の形成面に対し斜め方向(〜45
゜)に吐出するタイプであってもほぼ同一である。ま
た、上述の例ではヒーター基板1のノズル板2との接着
部分に樹脂層11を設けたが、樹脂層11を除去した部
分で接着するように構成してもよい。また、樹脂層11
は、1層のみの構成に限定されるものではなく、2層や
3層以上の構成としてもよく、凹部13はそのうちのい
くつかの層のみで形成してもよい。
【0031】図8は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの第1の実施の形態における変形例の説明図である。
上述の例では、ヒーター基板1に凹部13を、またノズ
ル板2に凸部22を設けた。しかしこれに限られるもの
ではなく、例えば図8に示すように、ノズル板2に凹部
13を設け、ヒーター基板1に凸部22を形成してもよ
い。この場合も、ノズル板2の凹部13にヒーター基板
1の凸部22がはめ込まれるようにノズル板2をヒータ
ー基板1上に位置合わせして載置し、加熱することによ
ってノズル板2が膨張して凹部13が移動し、凹部13
の壁面が凸部22に当接したところでノズル板2の膨張
が停止し、接着がなされる。このようにして、上述の例
と同様に、ヒーター基板1とノズル板2との位置合わせ
を行なうことができる。
【0032】図9は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの第2の実施の形態における製造方法の一例を示す工
程図、図10は、本発明のインクジェット記録ヘッドの
第2の実施の形態を示す分解斜視図である。図中、図1
ないし図8と同様の部分には同じ符号を付して説明を省
略する。44は開口部、56は銀エポキシ、57は封止
材、58はシール材である。この第2の実施の形態で
は、ルーフシューター型のインクジェット記録ヘッドを
示している。
【0033】図9(A)において、図1(A)、(B)
に示したように、シリコンウエハ上に発熱素子、電極、
駆動回路等をLSI作成プロセスで形成し、ヒーターウ
ェハ51とする。表面には樹脂層11を被覆する。この
とき、図3に示した構成と同様に、発熱素子の並び方向
の両側に、ノズル板2との位置合わせを行なうための凹
部13が設けられる。このようにして発熱素子や凹部1
3などを形成したシリコンウエハ41は、ダイシング等
によってそれぞれのヒーター基板1に分離される。
【0034】一方、ノズル板2は、成形により形成され
る。図11は、本発明のインクジェット記録ヘッドの第
2の実施の形態におけるノズル板の一例を示す平面図で
ある。ノズル板2には、共通液室24、共通液室24に
連通する個別の流路溝21が形成される。また、各流路
溝21には吐出口23が形成される。吐出口23の形成
は、例えばレーザ加工によって行なうことができる。さ
らに、流路溝21の配列方向の両端部には、ヒーター基
板1との位置合わせを行なうための凸部22が設けられ
ている。
【0035】図9(B)の工程において、ヒーター基板
1上に接着剤55を塗布し、ノズル板2を接合する。こ
のとき、上述の第1の実施の形態と同様に、まず図5に
示すように概略の位置決めを行なってヒーター基板1に
形成された凹部13に、ノズル板2に形成された凸部2
2をはめ込む。そして、加熱することによってノズル板
2が膨張し、図6に示すように凸部22が凹部13の壁
面に当接してノズル板2の膨張が停止する。この状態で
位置決めがなされる。さらに、加熱によって接着剤55
が硬化し、ヒーター基板1とノズル板2とが接着され
る。
【0036】図12は、本発明のインクジェット記録ヘ
ッドの第2の実施の形態における加熱工程の一例の説明
図である。図中、61は加熱部、62はフィルム材、6
3は弾性部材である。この例では、加熱部61上に、接
着剤55を塗布したヒーター基板1を載せる。基板1に
はノズル板2が概略位置合わせされている。接着剤とし
ては、例えば熱硬化性のエポキシ接着剤等を用いること
ができる。もちろん、他の熱硬化型の接着剤でもよい。
ノズル板2の上には、フィルム材62が載置されてい
る。フィルム材62は、ノズル板2の材料より熱膨張係
数の小さい材料で形成される。例えば、耐熱性があり熱
膨張が小さいという点からポリイミドフィルムや金属フ
ィルムが用いられる。
【0037】そして、加熱部61によってヒーター基板
1を加熱しながら、フィルム材62を介してノズル板2
の上から加圧装置によって押圧する。フィルム材62と
加圧装置の間にはシリコンゴム等の弾性部材63を挟
み、ノズル板2を均一に押圧するようにしている。加熱
温度は、接着剤55に応じて設定されるが、一例として
は100℃程度に加熱する。
【0038】上述のように、加熱によってノズル板2は
熱膨張を起こすが、このノズル板2の熱膨張は、フィル
ム材62で規制され、本来の伸び量より小さくなる。さ
らに、図示しない冷却手段で加圧部を冷却し、ノズル板
2の上面を冷却することによってさらに伸び量を少なく
することができる。
【0039】このようなフィルム材62や、さらには冷
却手段などによってノズル板2の伸びが位置合わせに影
響しない程度となる場合には、ヒーター基板1に設けた
凹部13およびノズル板2に設けた凸部22は不要であ
り、形成しなくてもよい。なお、このようなフィルム材
62や冷却手段を用いた加熱工程は、上述の第1の実施
の形態においても適用可能である。
【0040】なお、ここでは熱膨張係数の小さいフィル
ム材62を用いたが、ノズル板2に接する面の材料の熱
膨張係数が小さければよく、例えば弾性部材63の熱膨
張係数が小さければフィルム材62を用いずに弾性部材
63でそのままノズル板2を押圧すればよい。
【0041】図13は、本発明のインクジェット記録ヘ
ッドの第2の実施の形態におけるヒーター基板とノズル
板の加熱接着後の状態の一例を示す断面図である。この
ようにしてヒーター基板1とノズル板2とを加熱接着す
ることによって、図13に示すように発熱素子12と吐
出口23がそれぞれ正確に位置決めされたインクの流路
が形成される。
【0042】ヒーター基板1とノズル板2とを加熱接着
後、、図9(C)の工程において、ヒートシンク4に例
えば銀エポキシ56等、熱伝導性のよい接着剤を塗布
し、ヒーター基板1と接合する。また、ノズル板2もヒ
ートシンク4と接着してもよい。
【0043】さらに、図9(D)の工程において、ヒー
ター基板1上の配線とヒートシンク4上の配線を、例え
ばワイヤボンディングまたはTAB方法または異方性導
電膜などにより電気的接続54を行なう。電気的接続5
4は、断線などが発生しないように、封止材57等によ
って封止される。また、ジョイント部材3にシリコン又
はエポキシシーリング剤等のシール材58を塗布し、ヒ
ートシンク4の開口部44に挿入し、ヒーター基板1の
裏面およびノズル板2との間でシールする。このように
して、インクジェット記録ヘッドを作成することができ
る。
【0044】上述の例では、ヒーター基板1とノズル板
2とを先に接合し、その後、接合したヒーター基板1と
ノズル板2をヒートシンク4に接着するという順に組み
付けたが、これに限らず、例えば上述の第1の実施の形
態で示したように、先にヒートシンク4にヒーター基板
1を接着し、その上にノズル板2を接合するという順で
組み付けることも可能である。この場合、図12に示す
構成を利用する場合、ヒートシンク4とともにヒーター
基板1を加熱すればよい。あるいは、ヒートシンク4の
開口部44を介してヒーター基板1のジョイント部材3
との接合部を加熱するようにしてもよい。
【0045】また、この第2の実施の形態においても、
上述の第1の実施の形態において図8に示したように、
ヒーター基板1に凸部22を設け、ノズル板2に凹部1
3を設けて嵌合させる構成であってもよい。
【0046】なお、上述の第1および第2の実施の形態
で説明した加熱接着の方法は、ヒーター基板1がシリコ
ン、ノズル板2が樹脂の組み合わせに限られるものでは
なく、熱膨張率の異なる材料同士の接合であれば適用す
ることができる。この時、ヒーター基板1が熱膨張する
場合であっても位置合わせを正確に行なうことができ
る。また、このような製造方法は、上述の第1および第
2の実施の形態で示したような発熱素子を有するサーマ
ル方式のインクジェット記録ヘッドに限らず、例えばピ
エゾ方式のインクジェット記録ヘッドなどであってもよ
い。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ヒーター基板に凹部または凸部、ノズル板に
凸部または凹部を設け、嵌合させた後加熱し、熱膨張に
よって凹部と凸部が突き当たったところで位置合わせさ
れるように構成したので、ヒーター基板とノズル板の位
置合わせ時の精度が要求されず、また熱膨張による位置
ズレは発生せず、熱膨張により伸びたところで位置決め
接着されるため出来上がり精度がよい。
【0048】また、ノズル板を熱膨張の小さいヒーター
基板とフィルムで挟むことにより、加熱時のノズル板の
伸びや位置ズレを低減することができる。さらに、冷却
手段を設けてノズル板を冷却することによって、加熱時
のノズル板の伸びはさらに抑えられ、位置ズレなどを低
減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のインクジェット記録ヘッドの第1の
実施の形態における製造方法の一例を示す工程図であ
る。
【図2】 本発明のインクジェット記録ヘッドの第1の
実施の形態における製造方法の一例を示す工程図(続
き)である。
【図3】 本発明のインクジェット記録ヘッドの第1の
実施の形態におけるヒーターウェハの一例を示す平面図
である。
【図4】 本発明のインクジェット記録ヘッドの第1の
実施の形態におけるノズル板2の一例を示す断面図であ
る。
【図5】 本発明のインクジェット記録ヘッドの第1の
実施の形態におけるヒーター基板上にノズル板を載置し
た状態の一例の説明図である。
【図6】 本発明のインクジェット記録ヘッドの第1の
実施の形態におけるヒーター基板とノズル板とを加熱接
着した状態の一例の説明図である。
【図7】 本発明のインクジェット記録ヘッドの第1の
実施の形態におけるヒーター基板とノズル板の加熱接着
後の状態の一例を示す断面図である。
【図8】 本発明のインクジェット記録ヘッドの第1の
実施の形態における変形例の説明図である。
【図9】 本発明のインクジェット記録ヘッドの第2の
実施の形態における製造方法の一例を示す工程図であ
る。
【図10】 本発明のインクジェット記録ヘッドの第2
の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図11】 本発明のインクジェット記録ヘッドの第2
の実施の形態におけるノズル板の一例を示す平面図であ
る。
【図12】 本発明のインクジェット記録ヘッドの第2
の実施の形態における加熱工程の一例の説明図である。
【図13】 本発明のインクジェット記録ヘッドの第2
の実施の形態におけるヒーター基板とノズル板の加熱接
着後の状態の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…ヒーター基板、2…ノズル板、3…ジョイント部
材、4…ヒートシンク、11…樹脂層、12…発熱素
子、13…凹部、21…流路溝、22…凸部、23…吐
出口、24…共通液室、25…流路溝壁、26…インク
供給管、31…封止剤注入穴、41…ジョイント固定
穴、42…封止剤注入穴、43…外部配線中継基板、4
4…開口部、51…ヒーターウェハ、52…切断位置、
53…洗浄液、54…電気的接続、55…接着剤層、5
6…銀エポキシ、57…封止材、58…シール材、61
…加熱部、62…フィルム材、63…弾性部材。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを噴射させるための噴射素子を持
    つ基板と、該基板よりも熱膨張率の大きい材料によって
    形成され前記噴射素子に対応してインク流路が形成され
    たノズル板とを接合してなるインクジェット記録ヘッド
    において、前記ノズル板には前記基板との接合時の位置
    決め用の凸部が形成されており、また、前記基板には前
    記ノズル板に形成されている凸部と嵌合し加熱時に前記
    ノズル板が膨張した位置で前記基板との位置決めが行な
    えるように凹部が形成されていることを特徴とするイン
    クジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 インクを噴射させるための噴射素子を持
    つ基板と、該基板よりも熱膨張率の大きい材料によって
    形成され前記噴射素子に対応してインク流路が形成され
    たノズル板とを接合してなるインクジェット記録ヘッド
    において、前記基板には前記ノズル板との接合時の位置
    決め用の凸部が形成されており、また、前記ノズル板に
    は前記基板に形成されている凸部と嵌合し加熱時に前記
    ノズル板が膨張した位置で前記基板との位置決めが行な
    えるように凹部が形成されていることを特徴とするイン
    クジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記基板上の凸部または凹部は、ポリイ
    ミド樹脂、ドライフィルムレジスト、またはソルダーレ
    ジストにより形成されていることを特徴とする請求項1
    または2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 インクを噴射させるための噴射素子を持
    つ基板と、該基板よりも熱膨張率の大きい材料によって
    形成され前記噴射素子に対応してインク流路が形成され
    たノズル板とを接合するインクジェット記録ヘッドの製
    造方法において、前記ノズル板に前記基板との接合時の
    位置決め用の凸部を形成し、また前記基板に前記ノズル
    板に形成されている凸部と嵌合する凹部を形成し、前記
    ノズル板と前記基板とを加熱接合し、該加熱接合時に前
    記ノズル板が膨張し、前記ノズル板に形成されている凸
    部が前記基板に形成されている凹部の周辺部に当接して
    前記ノズル板と前記基板との位置決めを行なうことを特
    徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 インクを噴射させるための噴射素子を持
    つ基板と、該基板よりも熱膨張率の大きい材料によって
    形成され前記噴射素子に対応してインク流路が形成され
    たノズル板とを接合するインクジェット記録ヘッドの製
    造方法において、前記基板に前記ノズル板との接合時の
    位置決め用の凸部を形成し、また前記ノズル板に前記基
    板に形成されている凸部と嵌合する凹部を形成し、前記
    ノズル板と前記基板とを加熱接合し、該加熱接合時に前
    記ノズル板が膨張し、前記ノズル板に形成されている凹
    部の周辺部が前記基板に形成されている凸部の外周に当
    接して前記ノズル板と前記基板との位置決めを行なうこ
    とを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ノズル板に前記インク流路を形成す
    る際には、加熱接合時のノズル板の伸び量に応じて前記
    インク流路の配列ピッチを狭く形成することを特徴とす
    る請求項4または5に記載のインクジェット記録ヘッド
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 インクを噴射させるための噴射素子を持
    つ基板と、該基板よりも熱膨張率の大きい材料によって
    形成され前記噴射素子に対応してインク流路が形成され
    たノズル板とを加熱接合するインクジェット記録ヘッド
    の製造方法において、前記基板と前記ノズル板を加熱接
    合する際に、前記ノズル板の前記基板と接する反対側の
    面を、熱線膨張係数が前記ノズル板の材料よりも小さい
    材料面で加圧することを特徴とするインクジェット記録
    ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記材料面の材料はポリイミド樹脂であ
    ることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記
    録ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記材料面の材料は金属フィルム材料で
    あることを特徴とする請求項7に記載のインクジェット
    記録ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 さらに、前記材料面を冷却する冷却手
    段を設けたことを特徴とする請求項7に記載のインクジ
    ェット記録ヘッドの製造方法。
JP26215996A 1996-10-02 1996-10-02 インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法 Pending JPH10100416A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26215996A JPH10100416A (ja) 1996-10-02 1996-10-02 インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26215996A JPH10100416A (ja) 1996-10-02 1996-10-02 インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10100416A true JPH10100416A (ja) 1998-04-21

Family

ID=17371889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26215996A Pending JPH10100416A (ja) 1996-10-02 1996-10-02 インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10100416A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7338570B2 (en) * 2003-12-08 2008-03-04 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Method for producing inkjet head and inkjet head
WO2013088505A1 (ja) * 2011-12-13 2013-06-20 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッド及びその製造方法
JP2016012771A (ja) * 2014-06-27 2016-01-21 三菱電機株式会社 導波管接続構造およびその製造方法
KR20190105650A (ko) * 2017-11-30 2019-09-17 나가노 오토메이션 가부시키가이샤 용착 장치

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7338570B2 (en) * 2003-12-08 2008-03-04 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Method for producing inkjet head and inkjet head
WO2013088505A1 (ja) * 2011-12-13 2013-06-20 キヤノン株式会社 液体吐出ヘッド及びその製造方法
US8814317B2 (en) 2011-12-13 2014-08-26 Canon Kabushiki Kaisha Liquid ejection head and method of manufacturing the same
JP2016012771A (ja) * 2014-06-27 2016-01-21 三菱電機株式会社 導波管接続構造およびその製造方法
KR20190105650A (ko) * 2017-11-30 2019-09-17 나가노 오토메이션 가부시키가이샤 용착 장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3521972B2 (ja) プリント・カートリッジ本体及びノズル部材
JP3450062B2 (ja) プリンタにおける熱応力軽減方法とそのための制限素子
US7753489B2 (en) Connection structure of flexible wiring substrate and connection method using same
US4570167A (en) Ink jet recording head
US6623094B2 (en) Ink jet recording device
US6190492B1 (en) Direct nozzle plate to chip attachment
JPH10100416A (ja) インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法
US11110706B2 (en) Liquid ejecting head and method of manufacturing liquid ejecting head
JPH06134995A (ja) インクジェットヘッドの製造方法
JP2001322276A (ja) インクジェット記録ヘッド、インクジェット記録装置及びヘッド作製方法
JP2005138529A (ja) 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、及び液体吐出ヘッドの製造方法
JPH04161341A (ja) インクジェット記録ヘッドの製造方法
JP3438520B2 (ja) インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法
US8152278B2 (en) Liquid jet head chip and manufacturing method therefor
JPH09239994A (ja) ノズルプレートの接着方法
JP3296115B2 (ja) インクジェットヘッドの作製方法およびインクジェットヘッド
JP3438517B2 (ja) インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法
JP2005138525A (ja) ヘッドモジュール、液体吐出ヘッド、及び液体吐出装置
JPH11129465A (ja) インクジェットヘッド
JP2002326362A (ja) インクジェットヘッド
JPH10264394A (ja) インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法
JP2011189597A (ja) 液体噴射ヘッドの製造方法、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
US20040090497A1 (en) Acoustic ink printer
JP2002067337A (ja) インクジェットヘッド及びその製造方法
JPH10138481A (ja) インクジェットプリントヘッドおよびその製造方法