JPH10166495A - 親水親油性部材 - Google Patents

親水親油性部材

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JPH10166495A
JPH10166495A JP8344584A JP34458496A JPH10166495A JP H10166495 A JPH10166495 A JP H10166495A JP 8344584 A JP8344584 A JP 8344584A JP 34458496 A JP34458496 A JP 34458496A JP H10166495 A JPH10166495 A JP H10166495A
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oxygen
sample
atmosphere
hydrophilic
lipophilic
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JP8344584A
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Toshiya Watabe
俊也 渡部
Mitsuhide Shimobukikoshi
光秀 下吹越
Makoto Hayakawa
信 早川
Akira Fujishima
昭 藤嶋
Kazuhito Hashimoto
和仁 橋本
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Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面の水との接触角及び油との接触角が極め
て小さく、かつ水との接触角及び油との接触角が極めて
小さい状態を恒久的に維持可能な親水性部材を提供する
こと。 【解決手段】 基体表面に、光触媒粒子を含む層が形成
されており、その表面には、10〜100nmの親水部
と親油部とがモザイク状に分散形成されていることを特
徴とする親水親油性部材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面の水との接触
角及び油との接触角が極めて小さく、かつ水との接触角
及び油との接触角が極めて小さい状態を恒久的に維持可
能な親水親油性部材に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、産業機械、工作機械やベアリン
グ、切削盤等のその部品の分野では、使用時には高潤滑
性を有し、かつ洗浄時には水洗程度で簡便に汚れを除去
できると便利である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】油による高潤滑性を発
揮するためには、油との馴染みが良好である必要があ
る。そのためには、物品表面が親油性であることが好ま
しい。また洗浄時の水洗性を向上するためには、水との
馴染みが良好である必要がある。そのためには、物品表
面が親水性であることが好ましい。そこで本発明の目的
は、表面の水との接触角及び油との接触角が極めて小さ
く、かつその状態を恒久的に維持可能な親水親油性部材
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、光触媒を含有
する表面層を形成した部材において、光触媒を光励起す
ると、驚くべきことに、超親水性及び超親油性を同時に
発揮しうるようになるという発見に基づく。この現象は
以下に示す機構により進行すると考えられる。すなわ
ち、光触媒を含有する表面層をまず暗所に長時間放置す
ると、化1に示すように、表面と酸素との反応により、
表面に化学吸着する水酸基が減少して、表面のチタン原
子に酸素が配位する。それによりまず親油性の表面が形
成される。ただし、このときの親油性はオレイン酸グリ
セリドとの接触角に換算して10゜程度である。次いで
光触媒を含有する表面層に、水分子の存在下で、光触媒
が光励起する波長の光が照射されると、おそらく配位し
た酸素が、化2に示す反応で、局所的に開裂する。開裂
部では再びチタン原子に水酸基が結合して、図1の概念
図に示す如く10〜100nmの親水性ドメインをモザ
イク状に形成する。図1の構造になったときには、水と
の接触角に換算して5゜以下の親水性を呈し、かつトリ
オレイン酸グリセリドとの接触角に換算して5゜以下の
親油性を呈するようになる。このとき、親水性が向上す
る理由は水酸基の増加に伴い、物理吸着水量が増加する
からである。光照射前よりも親油性も向上する理由は、
現在明らかではないが、全面親油性表面の場合よりも、
図1のようにモザイク状に親油性表面が存在するほう
が、おそらくは、平面的な毛細管現象により油滴が表面
に素早く一様に広がるために、より低い接触角を呈する
ようになるのであろう。
【0005】
【化1】
【0006】
【化2】
【0007】本発明では、基体表面に、光触媒粒子を含
む層が形成されており、その表面には、前記光触媒の光
励起により、10〜100nm程度の親水部と親油部が
モザイク状に分散されていることを特徴とする親水親油
性部材を提供する。このような構造をとることで上記に
示した理由で、部材表面は水との接触角に換算して5゜
以下の親水性を呈し、かつトリオレイン酸グリセリドと
の接触角に換算して5゜以下の親油性を呈するようにな
る。
【0008】
【発明の実施の形態】光触媒とは、その結晶の伝導帯と
価電子帯との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネ
ルギ−(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射した
ときに、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、
伝導電子と正孔を生成しうる物質をいい、例えば、アナ
タ−ゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン等の結晶性酸
化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、三酸化二ビスマス、三酸
化タングステン、酸化第二鉄、チタン酸ストロンチウム
等が好適に利用できる。ここで光触媒の光励起に用いる
光源としては、太陽光、室内照明、蛍光灯、白熱電灯、
メタルハライドランプ、水銀ランプ、キセノンランプ等
の光源が好適に利用できる。光触媒の光励起により、基
材表面が親水親油性を呈するためには、励起光の照度
は、0.001mW/cm2以上あればよいが、0.0
1mW/cm2以上だと好ましく、0.1mW/cm2
上だとより好ましい。光触媒を含有する層には、光触媒
以外にシリカ、シリコ−ン等を添加してもよい。
【0009】光触媒を含有する層の膜厚は、0.4μm
以下にするのが好ましい。そうすれば、光の乱反射によ
る白濁を防止することができ、表面層は実質的に透明と
なる。さらに、光触媒を含有する層の膜厚を0.2μm
以下にすると一層好ましい。そうすれば、光の干渉によ
る層の発色を防止することができる。また、層が薄けれ
ば薄いほどその透明度は向上する。更に、膜厚を薄くす
れば、層の耐摩耗性が向上する。
【0010】上記層には、Ag、Cu、Znのような金
属を添加することができる。前記金属を添加した層は、
表面に付着した細菌や黴を暗所でも死滅させることがで
きる。
【0011】上記層には、Pt、Pd、Ru、Rh、I
r、Osのような白金族金属を添加することができる。
前記金属を添加した上記層は、光触媒の酸化還元活性を
増強でき、脱臭浄化作用等が向上する。
【0012】基材がナトリウムのようなアルカリ網目修
飾イオンを含むガラス(ソ−ダライムガラス、並板ガラ
ス等)の場合には、基材と表面層との間にシリカ等の中
間層を形成してもよい。そうすれば、焼成中にアルカリ
網目修飾イオンが基材から上記層へ拡散するのが防止さ
れ、光触媒機能がよりよく発揮される。
【0013】次に、光触媒を含有する層の形成方法につ
いて説明する。まず層が光触媒性酸化物のみからなる場
合の製法について、光触媒がアナタ−ゼ型酸化チタンの
場合を例にとり説明する。この場合の方法は、大別して
3つの方法がある。1つの方法はゾル塗布焼成法であ
り、他の方法は有機チタネ−ト法であり、他の方法は電
子ビ−ム蒸着法である。 (1)ゾル塗布焼成法 アナタ−ゼ型酸化チタンゾルを、基材表面に、スプレ−
コ−ティング法、ディップコ−ティング法、フロ−コ−
ティング法、スピンコ−ティング法、ロ−ルコ−ティン
グ法等の方法で塗布し、焼成する。 (2)有機チタネ−ト法 チタンアルコキシド(テトラエトキシチタン、テトラメ
トキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキ
シチタン等)、チタンアセテ−ト、チタンキレ−ト等の
有機チタネ−トに加水分解抑制剤(塩酸、エチルアミン
等)を添加し、アルコ−ル(エタノ−ル、プロパノ−
ル、ブタノ−ル等)などの非水溶媒で希釈した後、部分
的に加水分解を進行させながら又は完全に加水分解を進
行させた後、混合物をスプレ−コ−ティング法、ディッ
プコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−
ティング法、ロ−ルコ−ティング法等の方法で塗布し、
乾燥させる。乾燥により、有機チタネ−トの加水分解が
完遂して水酸化チタンが生成し、水酸化チタンの脱水縮
重合により無定型酸化チタンの層が基材表面に形成され
る。その後、アナタ−ゼの結晶化温度以上の温度で焼成
して、無定型酸化チタンをアナタ−ゼ型酸化チタンに相
転移させる。 (3)電子ビ−ム蒸着法 酸化チタンのタ−ゲットに電子ビ−ムを照射することに
より、基材表面に無定型酸化チタンの層を形成する。そ
の後、アナタ−ゼの結晶化温度以上の温度で焼成して、
無定型酸化チタンをアナタ−ゼ型酸化チタンに相転移さ
せる。
【0014】次に、層が光触媒性酸化物とシリカからな
る場合について、光触媒がアナタ−ゼ型酸化チタンの場
合を例にとり説明する。この場合の方法は、例えば、以
下の3つの方法がある。1つの方法はゾル塗布焼成法で
あり、他の方法は有機チタネ−ト法であり、他の方法は
4官能性シラン法である。 (1)ゾル塗布焼成法 アナタ−ゼ型酸化チタンゾルとシリカゾルとの混合液
を、基材表面にスプレ−コ−ティング法、ディップコ−
ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティン
グ法、ロ−ルコ−ティング法等の方法で塗布し、焼成す
る。 (2)有機チタネ−ト法 チタンアルコキシド(テトラエトキシチタン、テトラメ
トキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキ
シチタン等)、チタンアセテ−ト、チタンキレ−ト等の
有機チタネ−トに加水分解抑制剤(塩酸、エチルアミン
等)とシリカゾルを添加し、アルコ−ル(エタノ−ル、
プロパノ−ル、ブタノ−ル等)などの非水溶媒で希釈し
た後、部分的に加水分解を進行させながら又は完全に加
水分解を進行させた後、混合物をスプレ−コ−ティング
法、ディップコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、
スピンコ−ティング法、ロ−ルコ−ティング法等の方法
で塗布し、乾燥させる。乾燥により、有機チタネ−トの
加水分解が完遂して水酸化チタンが生成し、水酸化チタ
ンの脱水縮重合により無定型酸化チタンの層が基材表面
に形成される。その後、アナタ−ゼの結晶化温度以上の
温度で焼成して、無定型酸化チタンをアナタ−ゼ型酸化
チタンに相転移させる。 (3)4官能性シラン法 テトラアルコキシシラン(テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメ
トキシシラン等)とアナタ−ゼ型酸化チタンゾルとの混
合物を基材の表面にスプレ−コ−ティング法、ディップ
コ−ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−テ
ィング法、ロ−ルコ−ティング法等の方法で塗布し、必
要に応じて加水分解させてシラノ−ルを形成した後、加
熱等の方法でシラノ−ルを脱水縮重合に付す。
【0015】次に、層が光触媒性酸化物とシリコ−ンか
らなる場合について、光触媒がアナタ−ゼ型酸化チタン
の場合を例にとり説明する。この場合の方法は、未硬化
の若しくは部分的に硬化したシリコ−ン又はシリコ−ン
の前駆体からなる塗料とアナタ−ゼ型酸化チタンゾルと
を混合し、シリコ−ンの前駆体を必要に応じて加水分解
させた後、混合物を基材の表面にスプレ−コ−ティング
法、ディップコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、
スピンコ−ティング法、ロ−ルコ−ティング法等の方法
で塗布し、加熱等の方法でシリコ−ンの前駆体の加水分
解物を脱水縮重合に付して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒
子とシリコ−ンからなる表面層を形成する。形成された
表面層は、紫外線を含む光の照射によりアナタ−ゼ型酸
化チタンが光励起されることにより、シリコ−ン分子中
のケイ素原子に結合した有機基の少なくとも一部を水酸
基に置換され、さらにその上に物理吸着水層が形成され
て、高度の親水性を呈する。ここでシリコ−ンの前駆体
には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、メチルトリブトキシシラン、メチルトリプロポ
キシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエ
トキシシラン、エチルトリブトキシシラン、エチルトリ
プロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェ
ニルトリエトキシシラン、フェニルトリブトキシシラ
ン、フェニルトリプロポキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジブト
キシシラン、ジメチルジプロポキシシラン、ジエチルジ
メトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチル
ジブトキシシラン、ジエチルジプロポキシシラン、フェ
ニルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジエトキ
シシラン、フェニルメチルジブトキシシラン、フェニル
メチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、及びそれらの加水分解物、それら
の混合物が好適に利用できる。
【0016】次に、光触媒粒子を含む層上に、10〜1
00nm程度の親水部と親油部がモザイク状に分散され
ている表面を形成する方法の一例について説明する。ま
ず、上記のようにして形成した光触媒粒子を含む層を、
大気又は酸素雰囲気で酸素と反応させて、化1の反応
で、表面に酸素を配位させることにより親油性表面を形
成する。酸素と反応させる方法は、室温で1か月以上程
度大気又は酸素雰囲気に暴露させてもよいし、大気又は
酸素雰囲気中の熱処理により比較的短時間で反応するよ
うにさせてもよい。次いで、水分子の存在下で、光触媒
が光励起する波長の光を照射し、配位した酸素部に作用
させて、配位酸素の開裂反応(化2)を局所的に生じさ
せる。開裂反応により、チタン原子に水酸基が結合し
て、図1の概念図に示すような10〜100nm程度の
親水部と親油部がモザイク状に分散されている表面が形
成される。
【0017】
【実施例】アナタ−ゼ型酸化チタンゾルをスプレ−コ−
ティング法にてガラス基板上に塗布し、500℃で焼成
することにより、ガラス基板表面に膜厚0.3μmの光
触媒薄膜を形成した#1試料を得た。#1試料の薄膜表
面の水との接触角は37゜と親水性を示した。その理由
は、#1試料の薄膜表面には図2に示すように水が吸着
しているためと考えられる。次いで、#1試料を2か月
間暗所に放置することにより、#2試料を得た。#2試
料について水との接触角を測定したところ、接触角は7
2゜に上昇し、疎水化された。このとき、同時に食用油
の主成分であるトリオレイン酸グリセリドとの接触角も
測定したが、その結果接触角は10゜と親油性を示し
た。さらに、中心波長360nmの紫外線を照度1mW
/cm2で10時間#2試料表面に照射して#3試料を
得た。#3試料について水との接触角を測定したとこ
ろ、接触角は0゜に低下し、超親水化された。このと
き、同時に食用油の主成分であるトリオレイン酸グリセ
リドとの接触角も測定したが、その結果接触角は2゜に
低下し、超親油化された。従って#3試料表面は親水親
油性を呈することが確認された。
【0018】上記結果に至った原因を調べるために、ル
チル型酸化チタン単結晶薄膜の(110)面を用いて試
験した。すなわち、ルチル型酸化チタン単結晶薄膜の
(110)面について、同様に暗所に2か月放置し、#
4試料を得た。#4試料表面について水との接触角を測
定したところ、接触角は63゜と、#2試料と同様に高
い値を示した。このことから、#2試料と#4試料はほ
ぼ同様の微構造を有していると考えられる。#4試料に
ついて、表面を原子間力顕微鏡により観察した。その結
果、平滑面が観察され、試料表面は均質であることが確
認された。#2試料表面の上記トリオレイン酸グリセリ
ドとの接触角の測定結果と#4試料表面の原子間力顕微
鏡による観察結果を総合すると、#2試料表面及び#4
試料表面は均質な親油性表面を呈していると結論でき
る。
【0019】さらに、中心波長360nmの紫外線を照
度1mW/cm2で42時間#4試料表面に照射して#
5試料を得た。#5試料表面について水との接触角を測
定したところ、接触角は37゜と親水化された。#5試
料について、表面を原子間力顕微鏡により観察した。そ
の結果、#4試料と異なり、モザイク状に数10nm程
度の水玉状の突起部が観察された。この結果と、後述す
るフ−リエ変換型赤外分光分析(FT−IR)の結果を
総合すると、このモザイク状に形成された水玉状の突起
部は、水酸基及び物理吸着水による親水部であると考え
られ、#4試料表面の分析結果と比較すると#4試料表
面に紫外線を照射を照射することにより形成された部分
であると結論できる。従って、試料表面は図1のような
数10nm程度の親水部と親油部がモザイク状に分散さ
れた表面を有していることになる。このようなモザイク
構造を有するために2次元的な毛細管現象を生じ、親水
親油性を呈するようになると思われる。
【0020】他方、金を蒸着したガラス基板上に、アナ
タ−ゼ型酸化チタンゾルをスプレ−コ−ティング法にて
塗布し、500℃で焼成することにより、ガラス基板表
面に膜厚0.3μmの光触媒薄膜を形成した#6試料を
得た。次いで、#6試料を7日間暗所に放置することに
より、#7試料を得た。さらに、#7試料表面に、中心
波長360nmの紫外線を照度1mW/cm2で5時間
照射して#8試料を得た。#6〜#8試料表面をフ−リ
エ変換型赤外分光計(FTS−40A)を用いてフ−リ
エ変換型赤外分光分析(FT−IR)により観察した。
赤外吸収スペクトルの分析に際しては、以下の波数の吸
収帯ピ−クが現れるがそれらは以下の情報を示してい
る。 波数3690cm-1のシャ−プな吸収帯:水酸基のOH
伸縮 波数3300cm-1のブロ−ドな吸収帯:物理吸着水の
OH伸縮 波数1640cm-1のシャ−プな吸収帯:物理吸着水の
HOH屈曲 結果を図3に示す。図より、試料を暗所に放置すること
により、水酸基のOH伸縮及び物理吸着水のOH伸縮、
HOH屈曲は減少した。また、試料表面に紫外線を照射
することにより、水酸基のOH伸縮及び物理吸着水のO
H伸縮、HOH屈曲は増加した。以上のことから、試料
を暗所に放置すると、表面の水酸基及び物理吸着水が減
少することにより疎水化し、試料表面に紫外線を照射す
ると、表面の水酸基及び物理吸着水が増加することによ
り親水化すると考えられ、化1による疎水化反応及び化
2による親水化反応が支持された。
【0021】次に、#3試料表面に、トリオレイン酸グ
リセリドを滴下した後、水洗したところ、トリオレイン
酸グリセリドは簡単に除去された。また、#3試料表面
に、水を滴下した後、トリオレイン酸グリセリドでリン
スしたところ、水は簡単に除去された。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、表面の水との接触角及
び油との接触角が極めて小さく、かつ水との接触角及び
油との接触角が極めて小さい状態を恒久的に維持可能な
親水性部材を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る部材の表面構造を示す図。
【図2】光触媒性酸化チタン結晶表面の水の吸着構造を
示す図。
【図3】光触媒性酸化チタン層の表面の赤外分光スペク
トル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤嶋 昭 神奈川県川崎市中原区中丸子710―5 (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区小菅ヶ谷町2000―10― 2―506

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体表面に、光触媒粒子を含む層が形成
    されており、その表面には、10〜100nm程度の親
    水部と親油部がモザイク状に分散形成されていることを
    特徴とする親水親油性部材。
  2. 【請求項2】 前記表面は水との接触角に換算して5゜
    以下の濡れ性を呈し、かつトリオレイン酸グリセリドと
    の接触角に換算して5゜以下の濡れ性を呈することを特
    徴とする請求項1に記載の親水親油性部材。
JP8344584A 1996-03-21 1996-12-09 親水親油性部材 Pending JPH10166495A (ja)

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JP8344584A JPH10166495A (ja) 1996-12-09 1996-12-09 親水親油性部材
US08/987,670 US5939194A (en) 1996-12-09 1997-12-09 Photocatalytically hydrophilifying and hydrophobifying material
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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