JP2000350938A - 付着汚れ除去性光触媒薄膜、積層体及びその形成方法 - Google Patents

付着汚れ除去性光触媒薄膜、積層体及びその形成方法

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JP2000350938A
JP2000350938A JP2000096655A JP2000096655A JP2000350938A JP 2000350938 A JP2000350938 A JP 2000350938A JP 2000096655 A JP2000096655 A JP 2000096655A JP 2000096655 A JP2000096655 A JP 2000096655A JP 2000350938 A JP2000350938 A JP 2000350938A
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Kazuya Tsujimichi
万也 辻道
Hiroto Hasuo
博人 蓮生
Hidenori Kobayashi
秀紀 小林
Yoshimitsu Saeki
義光 佐伯
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Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い平滑性、硬度を有し、光励起により親水
性が増大する特性、及び有機物に対する分解力を有する
付着汚れ除去性光触媒薄膜を作成する。また、基材上
に、低温の加熱温度により前記付着汚れ除去性光触媒薄
膜を作製させる。 【解決手段】 金属アルコキシドを含む溶液を基材表面
に配設し、基材表面の熱、または基材の低温加熱処理に
よる熱により金属アルコキシドを熱分解、重合させ、付
着汚れ除去性光触媒薄膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた防汚力、耐
久性を発揮する付着汚れ除去性光触媒薄膜及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】酸化チタンは、光触媒活性に優れた材料
として広く知られ、様々な光触媒反応が知られている。
近年、紫外線照射により光励起した酸化チタン薄膜が高
い親水性を発現することが明らかとなった。その性質を
利用して、酸化チタン薄膜表面に付着した汚れ物質が水
洗により容易に除去可能であるという酸化チタン薄膜の
高い防汚力が示された。
【0003】従来、上記記載の防汚力を備え、かつ耐久
性の優れた酸化チタン薄膜を基材表面に作製する技術と
して、以下の方法が用いられてきた。
【0004】酸化チタン微粒子を溶媒に分散した酸化チ
タンゾルを、基材表面上のバインダー層を有する基材表
面に塗布し約700℃以上の高温で焼成することによ
り、酸化チタン粒子が基材またはバインダー層の内部に
埋没することなく表面上に均一かつ綿密な酸化チタン薄
膜を作製することができる。このようにして作製された
酸化チタン薄膜は紫外線照射下において、酸化チタンの
光触媒作用によって高い親水性を発現する。この効果に
より、酸化チタン薄膜はその表面に付着した有機分の汚
れを水洗により容易に除去できるという高い防汚力を発
揮する。
【0005】しかしながら、これらの方法は球状の酸化
チタン粒子を基材表面に固定化するため、表面には粒子
間の空隙や、粒子同士の凝集に起因する表面の粗さが存
在した。このため、表面の凹凸に入り込んだ汚れ物質の
除去が必ずしも容易ではないという問題があった。
【0006】また、セラミック製品表面に要求される表
面の硬度や対摩耗性を満たすためには、酸化チタン薄膜
を約700℃以上の高温で、なおかつバインダー層を介
してセラミック等の基材に固定化する必要があるという
問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
解決するためになされたもので、本発明の目的は、基材
表面上に光触媒薄膜を固定化するにおいて、従来技術並
みの硬度と紫外線照射による親水性の増大及び有機物に
対する分解力を維持しつつ、固定化に要する加熱温度を
より低温で、バインダー層を必要とせず、なおかつ平滑
性のより高い付着汚れ除去性光触媒薄膜及びその製造方
法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に研究を重ねた結果、金属アルコキシドの一種であるチ
タンアルコキシドを含む溶液を製膜原料とし、それを基
材表面に配設し、基材表面の熱、または基材の低温加熱
処理による熱によりチタンアルコキシドを熱分解、重合
(脱アルコール反応)させ、基材表面に酸化チタン薄膜
を形成することにより、従来技術並みの硬度と紫外線照
射による親水性の増大及び有機物に対する分解力を維持
しつつ、固定化に要する加熱温度をより低温で、バイン
ダー層を必要とせず、なおかつ平滑性のより高いために
表面の凹凸に汚れ物質が入り込むことが少ないという防
汚性の高い付着汚れ除去性光触媒薄膜及びその製造方法
を見い出し、本発明をなすに至った。
【0009】本発明に用いられるチタンアルコキシドと
してはTi−(OR)4 (ここでRはアルキル基を表
す)の化学式で表されるものであれば何れでも使用可能
であるが、特にチタンテトライソプロポキシドを用いる
ことが好ましい。
【0010】本発明に用いられるチタンアルコキシドは
溶媒に希釈して使用することも可能であり、この場合チ
タンアルコキシドに対する溶媒としては、チタンアルコ
キシドと相溶性の良くかつ、チタンアルコキシドを加水
分解しない有機溶媒が用いることができる。特にエタノ
ール、イソプロパノール、イソブタノールが好ましい。
【0011】本発明に用いられるチタンアルコキシドの
溶媒に対する濃度は、特に限定されないが0.5〜20
重量%が好ましい。
【0012】本発明に用いられる製膜原料として、溶媒
に希釈したチタンアルコキシド溶液に他の金属アルコキ
シドを添加したものも用いることができる。この場合、
添加する金属アルコキシド種は、チタンアルコキシドと
相溶性の良いものが望ましい。このような金属アルコキ
シドとして、シリコンアルコキシドの一種であるオルト
けい酸テトラエチルが挙げられる。
【0013】本発明の、金属アルコキシドを基材表面に
配設する方法としては、いかなる方法を用いてもよい
が、金属アルコキシドの蒸気を基材表面に吹き付ける化
学蒸着法を用いれば、製膜後において基材の表面形状を
損なうことがないため、特に好適である。
【0014】前記金属アルコキシドの蒸気を基材表面に
吹き付ける化学蒸着法とは、より具体的には、金属アル
コキシド種としてチタンアルコキシドを用いた場合、以
下の方法をとる。チタンアルコキシドを含む溶液の気化
により発生した蒸気を直接もしくはキャリアガスと混合
したものを基材に吹き付けることにより行う。また、よ
り簡便な方法としては、噴霧法の装置を利用して、チタ
ンアルコキシドの液滴を十分大きい流速を持つキャリア
ガス中に送り込み気化させたものを基材に吹き付ける方
法を用いることができる。いずれの方法においても、チ
タンアルコキシドの気化が速やかに行われるように、チ
タンアルコキシドを含む溶液を加熱し、その蒸気圧を高
めることが好ましい。
【0015】前記記載の方法で、チタンアルコキシドを
含む溶液を基材表面に化学蒸着法等の方法で配設した
後、基材表面に酸化チタン薄膜を形成する方法として、
以下記載の(a)、(b)の方法のどちらかもしくは両
方を適宜選択することができる。これらの方法により、
高い平滑性と硬度を持つアナターゼ型酸化チタン薄膜を
基材上にバインダー層の介在を必要とせず得ることがで
きる。(a)チタンアルコキシドを含む溶液を基材表面
に前記化学蒸着法等の方法で配設する前に、予め基材表
面をその表面温度が50〜600℃になるように加熱し
ておき、基材表面に配設されたチタンアルコキシドの一
部若しくは全てを基材表面の熱により分解、重合させ基
材表面に酸化チタン薄膜を形成する方法。(b)チタン
アルコキシドを含む溶液を基材表面に前記化学蒸着法等
の方法で配設した基材を300〜600℃の温度環境下
で加熱処理し、基材表面に配設されたチタンアルコキシ
ドの一部若しくは全てを熱分解、重合させ基材表面に酸
化チタン薄膜を形成する方法。
【0016】酸化チタン等の半導体酸化物と絶縁体酸化
物を共に配合して備える付着汚れ除去性光触媒薄膜の作
製には、半導体酸化物と絶縁体酸化物の金属種のアルコ
キシドを混合した溶液を製膜原料とし、上記記載の製膜
方法を用いることにより、基材表面に半導体酸化物粒子
と絶縁体酸化物が混在した薄膜を形成することができる
(図1参照)。このように作製した薄膜は半導体酸化物
と絶縁体酸化物が共に表面に露出しているため、半導体
酸化物の光触媒特性を維持することは勿論のことである
が、さらに絶縁体酸化物の化学的諸特性を表面に付与す
ることができる。また、半導体酸化物の金属種のアルコ
キシドと絶縁体酸化物の金属種のアルコキシドを交互に
表面に配設し、加熱処理により目的の酸化物薄膜を形成
することにより、半導体酸化物薄膜と絶縁体酸化物薄膜
を層状に基材表面上に形成することも可能である(図2
参照)。この場合酸化物の形成回数及び酸化物の形成順
序は限定されない。このように作製した薄膜の一例を図
2に示す。図2に示すように、基材と半導体酸化物層の
界面に前記両者と化学的に密着性の良い絶縁体酸化物層
を設けた場合、半導体酸化物層を基材上により強固に設
けることが可能となる。また、絶縁体酸化物層により基
材を構成する元素の半導体酸化物層への拡散が抑制され
半導体酸化物の諸特性が維持される。
【0017】本発明の付着汚れ除去性光触媒薄膜に遷移
金属を備えることにより、付着汚れ除去性光触媒薄膜
に、より大きな有機物に対する分解力を付与することも
できる。本発明の付着汚れ除去性光触媒薄膜に銅、銀、
パラジウム、ニッケル、クロム、コバルト、白金等の遷
移金属を備える方法の一例として、前記遷移金属のイオ
ンが含まれる溶液を本発明の付着汚れ除去性光触媒薄膜
の表面に塗布、紫外線照射を行い、前記遷移金属イオン
を光還元し金属として本発明の付着汚れ除去性光触媒薄
膜上に担持する方法が例示できる。
【0018】本発明における酸化チタン薄膜を形成する
基材としては、その融点が製膜に必要とされる基板の加
熱温度(300〜600℃)より低いものであればいか
なるものを用いてもよい。特にガラス、タイル等の陶磁
器、セメントまたはコンクリート製品等の酸化物からな
るセラミックスが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例により、特
に代表的なものをさらに具体的に説明する。
【0020】(実施例1)まず、本発明の実施例品との
対比を取るために、従来技術を用いて酸化チタン薄膜を
タイル上に作製したサンプル(以下、比較例タイルと記
載)および本発明の方法を用いてタイル上に酸化チタン
薄膜を作製したサンプル(以下、実施例タイルと記載)
を以下のように用意した。比較例タイルは酸化チタンが
0.75重量%の割合で含まれる市販の酸化チタンゾル
をタイル表面に噴霧し、約850℃で焼成したタイルで
あり、この時の酸化チタン薄膜の膜厚は約0.5μmで
ある。
【0021】実施例タイルは、チタンアルコキシドとし
て市販のチタンテトライソプロポキシドを用い、その濃
度が10重量%となるように市販のイソプロピルアルコ
ールで希釈した20℃の溶液を、表面温度が100℃の
施釉タイル上に前記溶液の液滴を乾燥空気中に送り込み
気化させたものを基材に吹き付ける方法により、チタン
テトライソプロポキシドを施釉タイル表面上に配設し
た。続いて、前記施釉タイルを500℃の温度雰囲気下
で30分加熱処理し施釉タイル表面にアナターゼ型酸化
チタン薄膜を作製した。
【0022】得られた比較例タイルおよび実施例タイル
表面上の酸化チタン薄膜の平滑性、硬度、親水性、付着
汚れ除去性を評価した。前記2種の試料タイルの酸化チ
タン薄膜の平滑性は、(株)島津製作所製の原子間力顕
微鏡(SPM−9500)を用いた表面形状測定によ
る、試料タイル表面の5μm四方の領域における表面粗
さ(中心線平均粗さ)により評価した。また、試料タイ
ルの酸化チタン薄膜表面の硬度はモース硬度により評価
した。また、試料タイルの酸化チタン薄膜表面の親水性
は暗所に24時間設置した(以下の表において暗時と記
載)試料タイルおよび1.2mW/cm2の紫外線環境
下に24時間設置した(以下の表において明時と記載)
試料タイルの水の接触角を用いて評価した。また、試料
タイルの酸化チタン薄膜表面の付着汚れ除去性は1.2
mW/cm2の紫外線環境下に24時間設置した試料タ
イル表面約20cm上方から汚染液を1滴/秒の間隔で
5時間にわたって滴下した後の試料タイル表面の色値を
測定し、滴下開始前(試験開始前)の色値との比較値で
ある色差をもって評価した。ここで用いた汚染液は、5
重量%のカーボンブラック、67.5重量%のイエロー
オーカー、22.5重量%の関東ローム、1.0重量%
のシリカ粉を含む汚染物質を1g/リットルの濃度とな
るように水と混合したものである。
【0023】比較例タイルおよび実施例タイルに対する
上記の評価結果と、基材の加熱条件を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】(実施例2)実施例タイルは、チタンアル
コキシドとして市販のチタンテトライソプロポキシドを
用い、その濃度が5重量%となるように市販のイソプロ
ピルアルコールで希釈した80℃に加熱した溶液を、表
面温度が420℃の施釉タイル上に前記溶液の液滴を乾
燥空気中に送り込み気化させたものを基材に吹き付ける
方法により、チタンテトライソプロポキシドを施釉タイ
ル表面上に配設した。実施例1では行ったチタンテトラ
イソプロポキシドを施釉タイル上に配設した後の加熱処
理は実施例2では行わない。
【0026】実施例1と同様の方法を用いて、得られた
実施例1で用いた比較例タイルおよび実施例タイル表面
上の酸化チタン薄膜の平滑性、硬度、親水性、付着汚れ
除去性を評価した。
【0027】比較例タイルおよび実施例タイルに対する
上記の評価結果と、基材の加熱条件を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】(実施例3)比較例タイルは酸化チタンと
シリカがそれぞれ0.75重量%、0.095重量%と
なるように市販の酸化チタンゾルとシリカゾルを蒸留水
で希釈したゾルを施釉タイル表面に噴霧し、約850℃
で焼成したタイルであり、この時の酸化チタン薄膜の膜
厚は約0.5μmである。実施例タイルは、チタンアル
コキシドとして市販のチタンテトライソプロポキシドお
よび市販のオルトけい酸テトラエチルを、それらの濃度
がそれぞれ5重量%、1重量%となるように市販のイソ
プロピルアルコールで希釈した20℃の溶液を、表面温
度が130℃の施釉タイル上に前記溶液の液滴を乾燥空
気中に送り込み気化させたものを基材に吹き付ける方法
により、チタンテトライソプロポキシドおよびオルトけ
い酸テトラエチルを施釉タイル表面上に配設した。続い
て、前記施釉タイルを500℃の温度環境下で加熱処理
し、施釉タイル表面に酸化チタン−シリカ薄膜を作製し
た。
【0030】実施例1と同様の方法を用いて、得られた
比較例タイルおよび実施例タイル表面上の酸化チタン−
シリカ薄膜の平滑性、硬度、親水性、付着汚れ除去性を
評価した。
【0031】比較例タイルおよび実施例タイルに対する
上記の評価結果と、基材の加熱条件を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】実施例1,2,3における比較例タイルと
実施例タイルの中心線平均粗さで示される表面粗さの相
違の発現の理由は以下記載のように推察される。比較例
タイルは製膜原料として酸化チタンゾルを用い、比較的
粒子径の大きな酸化チタン粒子を基材表面に固定化する
ため、表面には粒子間の空隙や、粒子同士の凝集に起因
する表面の粗さが存在する。一方、実施例タイルでは製
膜原料として個々の分子として存在するチタンアルコキ
シドおよびシリコンアルコキシドを用いるため、表面に
大きな粒子径を持つ酸化チタンおよびシリカの粒子が形
成されにくく、表面には粒子間の空隙や、粒子同士の凝
集に起因する表面の粗さが前者のそれらと比較して、相
対的に小さくなると考えられる。また、付着汚れ除去性
に関して、実施例1,2,3において実施例タイルが比
較例タイルより優れている理由としては、実施例タイル
の高い平滑性と親水性によると考えられる。
【0034】(実施例4)前記実施例1で用いた実施例
タイルの表面に、酢酸銅溶液を塗布、紫外線照射を行
い、銅イオンを光還元を利用して、金属の銅として担持
した。表面上の銅の重量は約1.0μg/cm2であ
る。このように作製した銅粒子が表面に固着した酸化チ
タン薄膜の有機物に対する分解力を大腸菌に対する抗菌
力を用いて評価した。
【0035】抗菌力の評価をは、大腸菌(Escher
ichia coil w3110株)に対する抗菌効
果の有無で下すことにした。まず、上記実施例タイルお
よびブランクタイル(光触媒を表面に持たない通常のタ
イル)の表面を70%エタノールで殺菌し、その後、そ
れぞれのタイル表面に大腸菌菌液を0.15ml(1〜
5×104CFU)を滴下した。このタイル表面に透明
なガラス板を載せて大腸菌をタイル表面に密着させてこ
れを試料とし、この試料をそれぞれのタイルについて一
対用意した。次いで、実施例タイルとブランクタイルの
一方のタイルにはガラス板を通して蛍光灯を照射し、他
方の試料は遮光環境下に置いた。そして一定時間経過後
の、蛍光灯照射下の試料と遮光下の試料における大腸菌
の生存数を測定し、ブランクタイル上の大腸菌の生存数
に対する上記実施例タイル上の大腸菌の生存数の割合を
もって実施例タイルにおける大腸菌の生存率とした。さ
らにその生存率から抗菌率(大腸菌が死滅若しくは増殖
を停止した割合)を求めた。
【0036】実施例タイルは蛍光灯照射下及び遮光環境
下において照射開始一時間後時点で、約99%の抗菌率
を示した。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法によ
れば基材上にバインダー層を介さず平滑性の高い酸化チ
タン薄膜を低温で固定化することが可能である。特に、
本方法で得られる酸化チタン薄膜は、その表面の平滑性
が高いために、日常一般に見られる汚れ物質が表面の凹
凸に入り込みその除去が困難になるということはほとん
ど起ないこと、および高い親水性を発現することにより
優れた防汚力を発揮する。また、膜表面の硬度も大き
く、日常の使用において膜の耐久性はなんら問題が無
い。また、本発明では、600℃以下の低温で基材上に
酸化チタン薄膜を作製できることから、加熱処理に要す
るエネルギー量を低減でき、また燃焼機関から排出され
る二酸化炭素等の大気汚染ガスの排出量を低減できると
いう特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】半導体酸化物と絶縁体酸化物が混在した状態で
基材表面上に形成された薄膜を模式的に示す図
【図2】半導体酸化物と絶縁体酸化物が層状に配列した
状態で基材表面上に形成された薄膜を模式的に示す図
【符号の説明】
1…半導体酸化物粒子 2…絶縁体酸化物粒子 3、6…基材 4…半導体酸化物層 5…絶縁体酸化物層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B32B 9/00 B32B 9/00 A G02B 1/10 G02B 1/10 Z (72)発明者 佐伯 義光 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高い平滑性、硬度を有し、光励起により
    親水性が増大する特性、及び有機物に対する分解力を有
    することを特徴とする付着汚れ除去性光触媒薄膜。
  2. 【請求項2】 前記付着汚れ除去性光触媒薄膜の付着汚
    れ除去性光触媒薄膜表面の5μm四方の領域において、
    その中心線平均粗さが2nm以上15nm以下である平
    滑性を有することを特徴とする請求項1に記載の付着汚
    れ除去性光触媒薄膜。
  3. 【請求項3】 光励起した付着汚れ除去性光触媒薄膜表
    面の水の接触角が、光励起前の水の接触角より5°以上
    30°以下の範囲で小さくなる親水性を発現することを
    特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載の
    付着汚れ除去性光触媒薄膜。
  4. 【請求項4】 前記付着汚れ除去性光触媒薄膜が、光励
    起により、酸素と水分の存在下で活性酸素を生成するこ
    とを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の付着汚れ除去性光触媒薄膜。
  5. 【請求項5】 前記付着汚れ除去性光触媒薄膜が、光触
    媒機能を呈する半導体酸化物である酸化チタン、酸化
    錫、酸化亜鉛の少なくとも一つの酸化物から構成される
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記
    載の付着汚れ除去性光触媒薄膜。
  6. 【請求項6】 前記付着汚れ除去性光触媒薄膜が、前記
    半導体酸化物に、絶縁体酸化物を配合して構成されるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の付着汚れ除去性光触媒
    薄膜。
  7. 【請求項7】 前記付着汚れ除去性光触媒薄膜が、遷移
    金属または遷移金属酸化物を配合して構成されることを
    特徴とする請求項5または請求項6のいずれかに記載の
    付着汚れ除去性光触媒薄膜。
  8. 【請求項8】 前記付着汚れ除去性光触媒薄膜におい
    て、光触媒粒子が露出してなることを特徴とする請求項
    1から請求項7のいずれかに記載の付着汚れ除去性光触
    媒薄膜。
  9. 【請求項9】 請求項1または請求項4から請求項8の
    いずれかに記載の前記付着汚れ除去性光触媒薄膜を、基
    材表面に形成してなることを特徴とする積層体。
  10. 【請求項10】 前記積層体の表面のモース硬度が4以
    上である硬度を有することを特徴とする請求項9に記載
    の積層体。
  11. 【請求項11】 前記積層体の基材が、ガラス、タイル
    等の陶磁器、セメントまたはコンクリート製品等の酸化
    物からなるセラミックスであることを特徴とする請求項
    9または請求項10のいずれかに記載の積層体。
  12. 【請求項12】 前記基材表面に金属アルコキシドを被
    覆する工程と、これに加熱焼成する工程を含むとを特徴
    とする請求項9から請求項11のいずれかに記載の積層
    体の形成方法。
  13. 【請求項13】 前記基材表面に金属アルコキシドを被
    覆する工程と、この金属アルコキシドを被覆した基材
    を、300℃以上700℃以下の温度雰囲気下で加熱処
    理する工程を含むことを特徴とする請求項9から請求項
    11のいずれかに記載の積層体の形成方法。
  14. 【請求項14】 前記基材表面に被覆された金属アルコ
    キシドの加熱処理によって、金属アルコキシドを金属酸
    化物に変化させることを特徴とする請求項12または請
    求項13のいずれかに記載の積層体の形成方法。
  15. 【請求項15】 前記基材表面に被覆されたチタンアル
    コキシドの加熱処理によって、チタンアルコキシドをア
    ナターゼ型酸化チタンに変化させることを特徴とする請
    求項12から請求項14のいずれかに記載の積層体の形
    成方法。
JP2000096655A 1998-04-24 2000-03-31 付着汚れ除去性光触媒薄膜、積層体及びその形成方法 Pending JP2000350938A (ja)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007061752A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry Science & Technology 化学物質識別膜の製造方法
JP2010089272A (ja) * 2008-10-03 2010-04-22 Asahi Kasei Construction Materials Co Ltd 難燃性木材の製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007061752A (ja) * 2005-08-31 2007-03-15 Kitakyushu Foundation For The Advancement Of Industry Science & Technology 化学物質識別膜の製造方法
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