JPH10165803A - 難分解物質の分解処理方法及びその装置 - Google Patents

難分解物質の分解処理方法及びその装置

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JPH10165803A
JPH10165803A JP8340560A JP34056096A JPH10165803A JP H10165803 A JPH10165803 A JP H10165803A JP 8340560 A JP8340560 A JP 8340560A JP 34056096 A JP34056096 A JP 34056096A JP H10165803 A JPH10165803 A JP H10165803A
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heater
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喜久 斎藤
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Masazumi Kanazawa
正澄 金沢
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OUEI KAIHATSU KOGYO KK
Tohoku Electric Power Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フロンガスとかポリエチレン,プラスチッ
ク,木材,更にはベンゼン核を持つ有機化合物及びその
他の産業廃棄物等の環境汚染物質を熱分解,加水分解,
還元反応及びこれらの組合せによって分解するようにし
た難分解物質の分解処理方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 被分解処理物と溶媒を混合したものを加
熱器25により加熱して過熱蒸気とし、該過熱蒸気を所
定の温度に加熱された常圧の反応器29内を通過させる
ことにより、被分解処理物を分解処理する方法におい
て、上記加熱器25及び反応器29の何れか一方もしく
は双方に、鉄,炭素,炭素鋼或は過熱水蒸気と反応して
水素を生成する物質を配置して、生成した水素による還
元反応と、過熱水蒸気による加水分解反応によって難分
解物質を分解するようにした難分解物質の分解処理方法
及びその装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は環境汚染物質等の難
分解物質の分解処理方法及びその装置に関し、特にはフ
ロンガスとかポリエチレン,プラスチック,木材,更に
はベンゼン核を持つ有機化合物及びその他の産業廃棄物
等の環境汚染物質を過熱蒸気の雰囲気の中で反応させる
ことにより、熱分解,加水分解,還元反応,酸化反応及
びこれらの組合せによって分解するようにした処理方法
とその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から冷媒とかスプレー剤として使用
されているフロンガス及び消化剤として使用されている
ハロンガスは環境汚染物質であることが指摘されてお
り、これら物質の無害化処理が地球環境を守る観点から
全世界的な関心事となっており、各種の対処手段が提案
されている。例えばフロンガス処理方法に関しては、水
熱反応法,焼却法,爆発反応分解法,微生物分解法,超
音波分解法及びプラズマ反応法等が提案されている。
【0003】これらの処理方法の中で、水熱反応法はフ
ロンガス等に限定することなく、トリクレン等有機溶
剤、廃油、ダイオキシン、PCB、糞尿等の産業廃棄物
を主体とする被分解物質全般に対し汎用性のある処理方
法として注目されている。この水熱反応法では、例えば
フロンガスを塩化ナトリウム、二酸化炭素等の安全な物
質に分解することができる。
【0004】水熱反応法を具体化するための装置に関し
ては、実験室においてオートクレーブを用いた処理実
験、例えば苛性ソーダ液,エタノール,フロン液の混合
比率、温度の設定値、圧力の設定値及び反応時間の設定
値についての実験が行われているが、通常水熱反応は3
00〜450℃で100〜250(kg/cm2)という
高温高圧条件を維持して行われている。
【0005】本願出願人は先に特願平6−204519
号により水熱反応処理による環境汚染物質の処理方法と
装置に関する提案を行った。その内容を図13のフロン
処理システムフローに基づいて簡単に説明すると、タン
ク1にフロン液,苛性ソーダ液,エタノールの混合液を
収容し、これをポンプ2,流量計3を介して配管4から
熱交換器5に送り込み、水熱反応器6で反応させた後に
再び熱交換器5を介して冷却器7に送り、冷却器7から
流量制御のための圧力調整弁8を経て分離器9に送り、
分離器9により清浄水及び清浄物に分離する。同図のタ
ンク1a、ポンプ2a及び流量計3aは、フロンガスの
種類によっては常温でガス化する場合もあるため、この
ようなときに用いる系統である。
【0006】上記ポンプ2,2aは通常のスラリーポン
プを用いる。このスラリーポンプとしては吸入がバキュ
ームで圧送力が高く、容積効率がよいことが必要であ
り、高濃度スラリー、粉体混合スラリー、酸,アルカリ
性スラリー等の高濃度スラリー圧送シリンダが採用され
る。
【0007】水熱反応器6は、図14に示したように熱
交換器5を経由した混合液が入口11からバンドヒータ
13が巻き付けられたパイプ12を通って出口14から
排出されるように蛇行して構成されている。バンドヒー
タ13はパイプ12の長手方向へ適宜間隔にて必要個数
が配設されていて、パイプ12内の温度が一定になるよ
うに制御される。更に前記冷却器7は、反応チューブの
周囲に冷却水の通路を形成した通常の冷却機器が採用さ
れている。
【0008】他方で特公昭58−56396号公報に
は、過熱蒸気発生器で得られる過熱蒸気を分解炉内に噴
射して、廃タイヤを分解ガス、カーボン等の残渣及びビ
ートワイヤに分離して再利用するようにした熱分解装置
が開示されている。更に特開平3−12220号公報に
は、塩弗化アルカン(フロン)を水蒸気の存在下で酸化
鉄を担持した活性炭でなる触媒と接触させることによっ
て無害な化合物に加水分解する方法が開示されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記したように水熱反
応器6は高温高圧条件を維持しなければならないので、
圧力調整弁8の構造は複雑で、かつ、高価となり、更に
高温高圧で使用するために機械的な強度、例えば引張応
力とか熱応力に耐えるための設計が難しく、使用する材
料が限定されるという難点がある。また高温高圧下での
固液混合液の圧送と排出を行う機構は複雑であり、被分
解物質の種類によっても構造を変える必要があり、操作
上のコントロールが難しいという問題点がある。更に高
圧に伴って運転中に配管4の破損事故が生じることがあ
り、安全性確保の観点からも難点を残している。
【0010】上記した水熱反応法はクローズドシステム
であるが、開放型の装置であるロータリキルン法とか焼
却法は残渣中に発生するダイオキシン等に対する対策が
問題であり、その他の処理方法においても被分解物質に
よって反応過程を変えることは困難であるとともに専用
の装置を必要とするため、ランニングコスト及びイニシ
ャルコストが高い上、これらの装置には殆ど汎用性がな
いという欠点を有している。
【0011】前記特公昭58−56396号公報に記載
された熱分解装置では、廃タイヤを分解ガス、カーボン
等の残渣に分離することができるものの、本発明が対象
としているフロン等の難分解物質の効率的な分解につい
ては言及されておらず、これらの物質の分解は実施する
ことが出来ない。更に特開平3−12220号公報に記
載されたフロンを水蒸気の存在下で触媒と接触させて加
水分解する手段では、フロン以外の物質,例えばベンゼ
ン核を持つ有機化合物とかその他の産業廃棄物の分解に
は適用することが出来ない上、フロンの種類によっては
分解効率の面で充分な効果が得られず、又使用する触媒
は耐久性に欠け、更にフロンと油状物との混在物の分解
は行えないという難点が存在する。
【0012】そこで本発明は環境汚染物質であるフロン
ガスとかポリエチレン,プラスチック,木材,更にはベ
ンゼン核を持つ有機化合物及びその他の産業廃棄物等の
難分解物質の分解を行うシステムにおける上記問題点を
解消して、高圧とすることなく常圧の状態で分解可能で
あって、高温高圧に起因する配管とか排出弁の破損がな
く、装置を構成する材質を任意に選択することができる
とともに分解率を高め、かつ、加熱器及び反応器の何れ
か一方もしくは双方に、過熱蒸気と反応して水素を生成
する物質を配置して、加熱器もしくは反応器内で生成し
た水素による還元反応によって分解を促進する難分解物
質の分解処理方法及びその装置を提供することを目的と
するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、難分解物質の分解処理方法として、被分解処
理物と溶媒を混合したものを加熱器を用いて所定の温度
に加熱して過熱蒸気とし、該過熱蒸気を所定の温度に加
熱された常圧の反応器内を所定の反応時間経過させて通
過させることにより、被分解処理物を分解処理する方法
において、溶媒として水を使用すると共に、加熱器及び
反応器の何れか一方もしくは双方に、過熱蒸気と反応し
て水素を生成する物質を配置して、加熱器もしくは反応
器内で生成した水素による還元反応と、過熱蒸気による
加水分解反応によって難分解物質を分解する方法、及び
溶媒を加熱器を用いて所定の温度に加熱して過熱蒸気と
し、該過熱蒸気を所定の温度に加熱された常圧の反応器
内に連続して供給し、この過熱蒸気の雰囲気中の反応器
内に被分解処理物を供給して所定の反応時間経過させて
通過させることにより、被分解処理物を分解処理する方
法において、溶媒として水を使用すると共に、加熱器及
び反応器の何れか一方もしくは双方に、過熱蒸気と反応
して水素を生成する物質を配置して、加熱器もしくは反
応器内で生成した水素による還元反応と、過熱蒸気によ
る加水分解反応によって反応器内において難分解物質を
分解する方法を基本として提供する。
【0014】更に過熱蒸気と反応して水素を生成する物
質として、鉄,炭素,炭素鋼から選択された1種又は複
数のものを使用する方法、溶媒として水に代えて、過酸
化水素水を用いた方法、分解処理の終了した過熱蒸気を
冷却することにより液化して排出する方法、被分解物質
がフロンであるときの過熱蒸気の温度を500℃〜75
0℃とした方法を提供する。
【0015】また、難分解物質の分解処理装置として、
被分解処理物と溶媒を混合したものを所定の温度に加熱
して過熱蒸気を発生させる加熱器と、得られた過熱蒸気
を所定の反応時間経過させて分解処理する所定の温度に
維持された常圧の反応器と、上記加熱器及び反応器の何
れか一方もしくは双方に配置された過熱蒸気と反応して
水素を生成する物質とよりなる構成、溶媒を所定の温度
に加熱して過熱蒸気を発生させる加熱器と、得られた溶
媒の過熱蒸気と被分解処理物を所定の反応時間経過させ
て分解処理する所定の温度に維持された常圧の反応器
と、上記加熱器及び反応器の何れか一方もしくは双方に
配置された過熱蒸気と反応して水素を生成する物質とよ
りなる構成を基本として提供する。
【0016】そして、過熱蒸気と反応して水素を生成す
る物質が鉄,炭素,炭素鋼から選択された1種又は複数
のものである構成、中心部に過熱蒸気の通路が開口さ
れ、周縁部に内部ヒータが挿通する孔部が開口された鉄
板と、周縁部に内部ヒータが挿通する孔部と過熱蒸気の
通路が開口された鉄板との2種類の鉄板を反応器の内部
に、交互に並置して、反応器に導入された過熱蒸気が、
前記過熱蒸気の通路を迂流しながら通過するようにした
構成、分解処理の終了した過熱蒸気を冷却することによ
り液化して排出する冷却器を有する構成を提供する。
【0017】かかる分解処理方法と装置によれば、フロ
ンガスとかベンゼン核を持つ有機化合物及びその他の産
業廃棄物等の難分解物質は溶媒と共に過熱蒸気となり、
或は過熱蒸気の雰囲気中の反応器内に供給されて溶媒と
共に過熱蒸気となり、反応器で更に加熱されて常圧で温
度のみが上昇した過熱蒸気として反応器内を所定の反応
時間経過させて通過することにより、過熱蒸気と反応し
て水素を生成する物質としての鉄,炭素,炭素鋼が過熱
蒸気と反応して水素を生成し、この水素による還元反応
と、過熱蒸気による加水分解反応によって難分解物質が
分解処理される。その後分解の終了した過熱蒸気は冷却
液化して排出される。
【0018】
【発明の実施の形態】以下図面に基づいて本発明にかか
る難分解物質の分解処理方法及びその装置の具体的な実
施形態を説明する。前記した水熱反応処理における問題
点に鑑みて、本願発明者は種々の改良実験を試みた結
果、フロン等の被分解処理物を溶媒としての水,過酸化
水素水を用いて過熱蒸気とし、過熱蒸気の状態のまま所
定の反応時間を保持すれば、反応器内を高圧状態とする
ことなく、常圧とした状態で、即ち反応器の排出口を開
放した状態の常圧であっても温度だけを上げて過熱蒸気
の雰囲気を維持することにより、熱分解,加水分解,還
元反応,酸化反応及びこれらの組合せによって過熱蒸気
中の被分解処理物を分解処理することができるという知
見を得た。
【0019】更に過熱蒸気と略同温度に加熱した鉄,炭
素,炭素鋼或は過熱蒸気と反応して水素を生成する他の
物質と過熱蒸気を接触させることにより、反応容器内で
水素を生成して、この水素による還元反応でフロン等の
被分解処理物を分解し、同時に過熱蒸気による加水分解
によっても被分解処理物を分解可能であるという知見を
得た。以下に具体的な実施形態を説明する。
【0020】本発明はフロンガス等の環境汚染物質を始
めとする難分解物質を常圧の状態で分解処理するもので
あり、対象とする難分解物質は有機化合物で安定なもの
をいうが、特に限定はなく、フロンガス、トリクレン等
有機溶剤、廃油、ダイオキシン、PCB、糞尿等の産業
廃棄物、木材、紙、ゴム等あらゆるものを対象とし、そ
の状態は固体、液体、気体を問わず特に限定がない。な
お、主には有機化合物で有用ではあるが使用後の処理
が困難なものや有害なもの、例えばクロロベンゼン、フ
ロン(ハロゲン炭素化合物)、問題となっているダイオ
キシン等であり、又有機化合物で有用であるが極めて
安定なものであって有害ではないが処理の困難なもの、
例えばPE、プラスチック、ゴム等である。
【0021】これらは石油を原料とする場合が多く、分
解すると殆ど油化できるから燃料として用いるか、リサ
イクルできるように分解処理することを目的とする。ま
た、ゴムの場合は有機化合物を無害化処理するか、リサ
イクルできるように分解処理をすることを目的とする。
更に紙や木材等の分解はセルロースを分解してグルコー
スに変えるものであり、利用価値が少ないものを有用な
ものに変換することを目的とする。
【0022】本発明で使用する溶媒は加熱によって蒸気
もしくは水素を生成するものであればどのようなもので
あってもよいが、最も適当なものは水であり、過酸化水
素水も使用できる。過酸化水素水を溶媒とすれば酸素量
が多くなり湿式酸化ができるようになる。
【0023】また、本発明によればベンゼン環を開環す
ることが可能であり、本発明が分解対象としているベン
ゼンは芳香族炭化水素の基本的化合物であり、C66
表わされ、モノクロロベンゼンはC65Clで表わされ
る。ベンゼン核を持つ有機化合物としてはフェノール類
が挙げられる。このフェノール類はベンゼン核にOH基
が結合した有機化合物の総称であり、C65OHで表わ
される。また、本発明によればベンゼン環を骨格構造と
するダイオキシン、PCBなども分解して無害化するこ
とが可能である。
【0024】図1は本発明の一実施形態を概略的に示す
システム図であり、図中の21はフロン等被分解物タン
ク、22は被分解物ポンプ、23は溶媒としての水タン
ク、24は水ポンプ、25は加熱器であり、この加熱器
25には内部ヒータ26と外部ヒータ27が配置され、
更に加熱器25内には過熱蒸気と反応して水素を生成す
る物質として複数枚の鉄板28,28が配置されてい
る。被分解物ポンプ22としては被分解処理物に応じて
被分解処理物を圧送可能なポンプが選択され、高濃度ス
ラリー、粉体混合スラリー等を圧送できる圧送力が高
く、容積効率がよいスラリーポンプを用いるのが適当で
ある。
【0025】29は反応器であり、所定の温度を保って
被分解処理物と溶媒の過熱蒸気及び水素を所定時間反応
させて分解処理するための装置である。この反応器29
には内部ヒータ30,30と外部ヒータ31,31が配
備され、更に該反応器29内にも鉄板28,28が配置
されている。尚、詳細は後述するように、鉄板28に代
えて、過熱蒸気と反応して水素を生成する物質として炭
素,炭素鋼等を用いることもできる。
【0026】上記反応器29内は加圧されておらず、排
出口側を開放した常圧としている。つまり注入口側の配
管の圧力は管路による圧損のみの圧力勾配となってい
る。このように反応器29は従来の高圧の水熱反応装置
と異なって強制的に加圧をしない開放型の反応器29を
使用して被分解処理物質を分解処理できることが本発明
の特徴のひとつである。この反応器29内は過熱蒸気に
よって僅かな圧力が自然に発生し、圧力勾配となって被
分解物を移送する。本発明で常圧とはこのように従来の
水熱反応装置のように強制的に高圧に加圧することな
く、排出口を開放した状態であることを示している。
【0027】32は冷却器であり、該冷却器32内には
反応器29から導出された配管と連通する配管33が配
置されている。34は冷却水の入口、35は冷却水の出
口である。36は気液分離器、37は中和装置であっ
て、冷却器32から導出された配管38の他端部が気液
分離器36に挿入されており、気液分離器36から導出
された配管39の他端部が中和装置37に挿入されてい
る。40は処理液の排出口である。
【0028】かかる本実施形態の動作態様を説明する。
環境汚染物質であるフロンガスを分解処理する場合を例
に取ると、被分解物タンク21内にフロンを投入し、被
分解物ポンプ22と水ポンプ24を起動することによっ
てフロンと溶媒としての水が配管を通して加熱器25に
送り込まれ、適当な比率で混合される。
【0029】予め加熱器25に配置された内部ヒータ2
6と外部ヒータ27を働かせて、加熱器25の内部を5
00℃〜750℃に加熱しておくことによって過熱蒸気
が発生する。分解処理するために必要な過熱蒸気の温度
は被分解処理物によって異なるため、それぞれ被分解処
理物に応じて設定する。例えばフロンガスの場合は50
0℃〜750℃、ポリエチレンで400℃前後の過熱蒸
気とすることが適当であるが、上記以上の加熱であって
もよい。
【0030】加熱器25内において鉄板28,28がほ
ぼ同温度に加熱されると、過熱蒸気が鉄板28と接触し
て以下の反応式によりマグネタイトと水素を生成する。 3Fe+4H2O → Fe34+4H2………(1)
【0031】ここで生成した水素は非常に還元力が強
く、多くの物質と結合して被分解処理物を分解する。一
方、反応器29内も予め内部ヒータ30,30及び外部
ヒータ31,31の駆動によって過熱蒸気の温度を維持
するように加熱されて保持されており、鉄板28,28
の存在により上記(1)式の反応が進行している。反応
器29内には同じ雰囲気中に過熱蒸気も存在しているた
め、加水分解も併行して起こり、複合的な分解反応が進
行する。これに伴って被分解処理物の分解速度が速くな
るとともに分解率も向上する。
【0032】尚、被分解処理物によっては300℃前後
の過熱蒸気でもよい場合もあって被分解処理物に応じて
個々的に適した温度に設定するものであり、過熱蒸気と
することができれば設定温度に限定はない。被分解処理
物がフロンガスの場合は加熱器25で500℃〜750
℃前後に加熱して過熱蒸気とすることが適当であり、圧
力勾配によって反応器29に移送される。
【0033】反応器29内は加熱器25内と略同じ温度
に加熱しておくことが適当である。反応器29内を過熱
蒸気が通過する間に所定の反応時間が経過して、過熱蒸
気中の被分解処理物が分解処理され、次段の冷却器32
内に送り込まれる。
【0034】冷却装置32では冷却水の入口34から冷
却水を供給して同出口35から流出させることにより、
反応器29と連通する配管33内で分解処理された分解
物のガスが冷却されて液化する。冷却器32内の温度は
分解物のガスを液化できる温度であればよく、フロンガ
スの場合は略18℃とした。このように液化することに
より副生成物の発生が防止されるとともに、ガス状のま
ま放出して大気中に飛散することによる2次汚染の心配
もない。
【0035】排液は配管38を通って気液分離器36に
入り、気液が分離されて液状物が中和装置37に流入
し、所定の中和処理が行われて排出口40から排出さ
れ、図外の排液タンク内に貯留される。上記冷却器32
に熱交換器を組み込んで、熱交換器により冷却する熱を
回収し、回収した熱を過熱蒸気の発生に再利用すること
も可能である。
【0036】上記の説明において、溶媒としての水のみ
を加熱器25により過熱蒸気とし、反応器29に連続し
て供給し、この溶媒の過熱蒸気の雰囲気中の反応器29
内に被分解処理物を供給して所定の反応時間経過させる
こともできる。この構成は被分解処理物として流体状又
は気体状以外の固形状の被分解処理物、例えばPE、プ
ラスチック、ゴム、木材、紙等を分解処理する場合に適
しており、固形状の被分解処理物を反応器29に供給す
ると共に、反応器29内にフィーダ等の被分解処理物の
移送手段を設けておくとよい。
【0037】被分解処理物としてフロンガスを用いた場
合、下記の生成物が確認された。先ず気体はCO2
2,HCl,HF,CO(微量)であり、液体はHC
l,HF,Fe3+である。固体はFe24,C(グラフ
ァイト),FeF2,FeF2・4H2O,FeCl2,F
eCl2・4H2Oである。尚、測定方法として、ガスは
GC−MC法,H2とCOはGC−TCD法,HClと
HFはイオンクロマトグラフ法,CO2は検知管法,金
属はICP発光法,固体はX線回折法を用いた。
【0038】フロンCFC−12の分解反応は以下の通
りである。 [溶媒として水を使用した場合] CCl22+2H2 → +2HCl+2HF+C………(2) CCl22+2H2O → 2HCl+2HF+CO2………(3) 2CCl22+3H2O → 2HCl+2HF+CO2+CO+H2…(4)
【0039】(2)式は水素による還元反応の分解、
(3)(4)式は水による加水分解であり、COの量か
らみて(3)式の反応が主体となっており、全体的には
(2)(3)式の反応が95%以上、(4)式の反応は
5%程度である。
【0040】更に生成物の塩酸ガスとフッ酸ガスが鉄に
作用して以下の反応が生起する。 Fe+2HCl → FeCl2+H2………(5) Fe+2HF → FeF2+H2………(6)
【0041】これを冷却器32で冷却すると、空気中の
水分を吸収してそれぞれFeCl2・4H2O,FeF2
4H2Oに変化する。
【0042】次に鉄板28に代えて炭素もしくは炭素鋼
を用いた場合の反応式を述べる。即ち、炭素に溶媒とし
ての水の過熱蒸気を作用させると、 C+H2O → CO+H2………(7) となり、COとH2の混合ガスである水性ガスが発生す
る。得られた水素によって前記(1)式〜(6)式の反
応が生じてフロンガスが分解される。但し炭素を用いた
場合には、鉄もしくは炭素鋼を用いた場合よりも水素発
生量が若干少なく、99.99の分解率を達成するのに
10秒程度多くの時間がかかるため、分解効率はやや低
下する。
【0043】前記(1)式におけるマグネタイト(Fe
34)は酸に対する耐蝕性が高い不動態であり、容器等
の表面に付着して保護膜を形成する。また、鉄板28上
に付着したマグネタイトは炭素と反応して Fe34+2C → 3Fe+2CO2………(8) 更にCOとも反応して Fe34+4CO → 3Fe+4CO2………(9) となり、前記(1)式の反応に必要な鉄がリサイクルさ
れる。しかし、多くは熱による膨張と収縮が進行してマ
グネタイトが剥離して新しい鉄表面が露出し、反応が継
続する。
【0044】尚、フロンの溶媒として水を用いた場合に
上記(2)式の反応によって生じた塩酸及びフッ酸の作
用で混合液が強酸性となり、パイプ及びチューブ類の腐
食が激しくなって装置の寿命が低下する虞れがある。従
って通常は下記の(10)式に示したようにフロンの濃
度に応じて苛性ソーダNaOHを加えて炭酸ガスを重炭
酸ソーダNaHCO3とし、(11)式のように苛性ソ
ーダと塩酸の反応で食塩NaClを生成して、更に(1
2)式のように苛性ソーダとフッ酸の反応でフッ化ナト
リウムNaFを生成して対処する場合もある。 NaOH+CO2 → NaHCO3………(10) NaOH+HCl → NaCl+H2O………(11) NaOH+HF → NaF+H2O………(12)
【0045】[溶媒として過酸化水素水を使用した場
合]過酸化水素水が熱分解して、水と酸素が生成され
る。 2H22 → 2H2O+O2………(13) そのため、H2O,O2によって加水分解のほかに酸素と
水素により次の反応が同時におきる。 CCl22+O2 → CO2+2HCl+2HF………(14) CCl22+O2=CO2+Cl2+F2………(15) (14)式は燃焼反応であり、(15)式は酸化反応で
ある。酸化反応によって得られたCl2,F2は、 Cl2+H2 → 2HCl………(16) F2+H2 → 2HF………(17) となってHCl,HFに変わる。
【0046】以上のように溶媒として過酸化水素水を使
用した場合は、前記した加水分解、還元反応に加えて、
上記した燃焼反応、酸化反応が同時に進行するため分解
速度は早く、被分解処理物は早くから安定な物質と変わ
るため、余分な副生成物は生成されない。
【0047】この実施形態は流体状或は気体状の被分解
処理物を分解処理するためのものであり、環境汚染物質
としてフロンガスの外にクロロベンゼン,トリクロロエ
タン等のハロゲン炭化化合物の液状物の分解が可能であ
るが、フロンガスの場合の実験条件として過熱器25及
び反応器29内の温度を650℃、冷却器32内の配管
33の温度を18℃とした。また、モル比で溶媒である
水(又は過酸化水素水)の方が過剰になるように選択し
た。即ち、フロンガス:水(又は過酸化水素水)=1:
3とした。この時の分解率はガスクロマトグラフィーで
フロンが検出されない程度まで、換言すれば99.99
%以上の分解率が得られた。
【0048】図10はフロンガスについて水を溶媒とし
て過熱蒸気温度を650℃とし、(イ)反応器29内に
鉄板28を並置した場合、(ロ)反応器29内にカーボ
ンを入れた場合、(ハ)反応器29内に何も入れない場
合について、それぞれの分解率と時間の関係を示すグラ
フであり、分解率が100%に達する時間は(イ)の鉄
板28を並置した場合が最も短くなっているが、カーボ
ンを用いても十分に実用可能である。
【0049】図2は上記加熱器25の平面図、図3は同
側面図、図4は図3の左側から見た正面図である。加熱
器25を構成する容器41の上面には溶媒としての水注
入口42,42と被分解処理物としてのフロン注入口4
3が設けてあり、容器41の内部には複数の扇型の鉄板
28,28が中央部に過熱蒸気が流通するための空間を
有して対向配置されている。27は外部ヒータ、44は
圧力計、45は加熱器25から導出された配管であり、
この配管45は次段の反応器29に連結されている。
【0050】図5は上記鉄板28の他の構成(図1にお
いて使用)を示す平面図、図6は同組付構造を示す側断
面図であり、この鉄板28は円板状に形成され、中心部
に開口された孔部47にヒータ用チューブ48が嵌合固
定されており、この内部にヒータ49が挿入されてい
る。50はヒータ用の電極である。また、鉄板28の周
面適宜位置にはガスが流通するための複数の孔51,5
1が開口されている。
【0051】図7は前記反応器29の側断面図であり、
該反応器29を構成する容器55の一方側にはフランジ
56を介在してガス導入口57が設けてあり、他方側に
はガス導出口58とフランジ59とが設けてある。容器
55の内部には2種類の鉄板28a,28bが交互に並
置されている。これらの鉄板28a,28bを貫通して
内部ヒータ30が配置されている。60は温度計であ
る。
【0052】図8は鉄板28aの正面断面図であり、こ
の例では周縁部に上記内部ヒータ30が挿通する孔部6
2,62と過熱蒸気の通路61,61が開口されてい
る。図9は鉄板28bの正面断面図であり、この例では
円板状の鉄板28bの中心部に過熱蒸気の通路61が開
口され、周縁部に上記内部ヒータ30が挿通する孔部6
2,62が開口されている。従って反応器29に導入さ
れた過熱蒸気は過熱蒸気の通路61,61を迂流しなが
ら通過するので、反応効率が高められるという作用があ
る。
【0053】かかる加熱器25の構成によれば、容器4
1に設けた水注入口42,42から溶媒としての水が注
入され、同時に被分解処理物としてのフロンガスがフロ
ン注入口43から注入されると、容器41内を通過する
間にヒータ49及び外部ヒータ27(第1図)によって
加熱されて蒸発することにより混合ガスを生成し、過熱
蒸気となって鉄板28,28に開口された孔51を流通
して次段の反応器29に流入する。
【0054】そして反応器29のガス導入口57から導
入された過熱蒸気は交互に並置された鉄板28a,28
bに開口された過熱蒸気の通路61,61を迂流しなが
ら通過する間に内部ヒータ30及び外部ヒータ31(第
1図)によって加熱され、鉄板28の存在に伴って発生
する水素の作用により、前記(1)式〜(6)式に示し
た分解反応によりフロンが分解されて、反応器29のガ
ス導出口58から次段の冷却器32に流入する。この冷
却器32内を通過する間に冷却水の入口34と出口35
内に流通される冷却水によって冷却されて液化し、配管
38から気液分離器36に流入する。
【0055】次に本実施形態によるトリクロロエタン
(CH3・CCl3)及びベンゼン核を持つ有機物である
クロロベンゼン(C65Cl)の分解反応を説明する。
反応温度は650℃とした。
【0056】先ずトリクロロエタン(CH3・CCl3
を分解する場合は以下のように反応が進行する。
【0057】[溶媒として水を使用した場合]溶媒とし
て水を使用すると加水分解は、 CH3・CCl3+H2O → 3HCl+CO+C+H2………(18) CH3・CCl3+2H2O → 3HCl+CO2+C+2H2……(19) となる。一方、前記(1)式に示すように過熱蒸気が鉄
板28と接触して生成された水素による分解は、分解途
中のガスを定性分析し、その生成物から分解反応は先
ず、 CH3・CCl3+3H2 → CH3・CH3+3HCl………(20) となる水素による置換反応が認められ、更に CH3・CH3+H2 → 2CH4………(21) なる分解が進行し、次いで CH4 → C+2H2………(22) となる。従って、この分解反応では最終的にCO2,C
O,H2,C,HClに分解される。
【0058】[溶媒として過酸化水素水を使用した場
合]溶媒に過酸化水素水を用いると前記した加水分解と
水素による分解の他に CH3・CCl3+2O2 → 2CO2+3HCl………(23) となる酸化による分解反応が起き(21)式で生成され
たCH4も一部酸化されて、CH4+2O2 → CO2+2
2O………(24)となり、加水分解、水素による還
元反応の分解、酸化分解が並行して起きて、分解効率が
更に改善される。
【0059】図11はトリクロロエタン(CH3・CC
3)について水と過酸化水素水を溶媒として過熱蒸気
温度を650℃とすると共に、反応器29内に鉄板28
を並置した場合の分解率と時間の関係を示すグラフであ
る。グラフに示すように分解効率は過酸化水素水を溶媒
とした方が良いが、大きな差はない。これはトリクロロ
エタン(CH3・CCl3)がベンゼン環を持たない有機
化合物であるためである。
【0060】次にクロロベンゼン(C65Cl)を分解
する場合は以下のように反応が進行する。
【0061】[溶媒として水を使用した場合]溶媒とし
て水を使用すると加水分解は、 C65Cl+H2O → C65OH+HCl………(25) などとなるが、一方、前記(1)式に示すように過熱蒸
気が鉄板28と接触して生成された水素による分解は、
分解途中のガスを定性分析し、その生成物から分解反応
は先ず、ClがHに置換されて、 C65Cl+H2 → C66+HCl………(26) となって、ベンゼンと塩酸が生成されるが、更にHが付
加されて、 C66+3H2 → C612………(27) となり、シクロヘキサン(C612)が生成され、更に
開環されてメタン、エタン等に分解される。 C612+6H2 → 6CH4………(28) このメタンは CH4 → C+2H2………(29) となってC(グラファイト)と塩酸と水素に分解され
る。
【0062】[溶媒として過酸化水素水を使用した場
合]溶媒に過酸化水素水を用いると前記した加水分解と
水素による分解の他に C65Cl+6O2 → 6CO2+HCl+2H2………(30) となる酸化反応が同時に起る。
【0063】図12はクロロベンゼン(C65Cl)に
ついて水と過酸化水素水を溶媒として過熱蒸気温度を6
50℃とすると共に、反応器29内に鉄板28を並置し
た場合の分解率と時間の関係を示すグラフである。グラ
フに示すように溶媒に水を用いても分解は十分するが、
過酸化水素水を用いると更に分解が安定して起り、か
つ、分解速度が早くなる。即ち、過酸化水素水を溶媒と
すると99.99%の分解に到るまでの時間が水を溶媒
とする場合の略半分の時間で分解することができる。
【0064】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
ればフロンガスとか有機化合物及びその他の産業廃棄物
等の難分解物質は溶媒と共に過熱蒸気となり、反応器で
更に加熱されて常圧で温度のみが上昇した過熱蒸気とな
り、反応器内を所定の反応時間経過させて通過した際
に、鉄,炭素,炭素鋼等と反応して水素を生成し、この
水素による還元反応と、過熱水蒸気による加水分解反応
によって難分解物質を分解処理することができる。その
後分解の終了した過熱蒸気を冷却することにより液化し
て排出することができる。特に常圧下での加熱が主工程
となっているため、高圧ポンプは不要であり、排出弁と
か配管が破損する懸念はない。反応は全て反応器の中で
起こるクローズドシステムであるので二次汚染がないと
いう効果が得られる。
【0065】上記加熱器と反応器の反応時間と温度を任
意に設定することにより、分解の程度をコントロールす
ることができ、ポリエチレンは油化の程度を変えて、又
ゴムは再度ゴムとして、更に廃木材中のセルロースは有
用なグルコースとしてリサイクル可能な条件で処理する
ことができる。
【0066】特に従来から知られている触媒法の場合に
は、触媒の酸化等による劣化が生じる難点があるのに対
して、本発明の場合には触媒を使用していないために上
記の問題点はなく、しかもフロンのみならず他の産業廃
棄物とかベンゼン核を持つ有機物にも適用可能である。
【0067】更に本発明によれば、低圧で工程が進行す
るため所定の高温に耐えられる材質であれば材質は任意
に選択することが出来る上、機械的な強度及び引張応力
とか熱応力に耐えるための設計は要求されないという利
点があり、各種機器の破損に対する対策は容易であると
ともに装置自体の自動化も容易である。反応は過熱蒸気
の状態で行われるので、パイプ等の破損があっても送液
を止めれば直ぐに過熱蒸気の発生も停止して安全性が高
いという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本的実施形態を示すシステム図。
【図2】本実施形態で用いた加熱器の平面図。
【図3】図2の側面図。
【図4】図2の正面図。
【図5】本実施形態で用いた鉄板の正面図。
【図6】本実施形態で用いた鉄板の組付構造を示す側断
面図。
【図7】本実施形態で用いた反応器の側断面図。
【図8】本実施形態で用いた鉄板の構造を示す正面断面
図。
【図9】本実施形態で用いた他の鉄板の構造を示す正面
断面図。
【図10】水素を生成する物質の相違によるフロンの分
解率と時間の関係を示すグラフ。
【図11】トリクロロエタンの分解率と時間の関係を示
すグラフ。
【図12】クロロベンゼンの分解率と時間の関係を示す
グラフ。
【図13】先出願にかかるフロン処理システムのフロー
図。
【図14】図11のシステムフロー図における水熱反応
装置の概要図。
【符号の説明】
21…被分解物タンク 22…被分解物ポンプ 23…水タンク 24…水ポンプ 25…加熱器 26,30…内部ヒータ 27,31…外部ヒータ 28,28a,28b…鉄板 29…反応器 32…冷却器 36…気液分離器 37…中和装置 41,55…容器 42…水注入口 43…フロン注入口 44…圧力計 48…ヒータ用チューブ 49…ヒータ 70…電極 57…ガス導入口 58…ガス導出口 60…温度計
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金沢 正澄 高知県高知市長浜5033番地21 旺栄開発工 業株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被分解処理物と溶媒を混合したものを加
    熱器を用いて所定の温度に加熱して過熱蒸気とし、該過
    熱蒸気を所定の温度に加熱された常圧の反応器内を所定
    の反応時間経過させて通過させることにより、被分解処
    理物を分解処理する方法において、 溶媒として水を使用すると共に、加熱器及び反応器の何
    れか一方もしくは双方に、過熱蒸気と反応して水素を生
    成する物質を配置して、加熱器もしくは反応器内で生成
    した水素による還元反応と、過熱蒸気による加水分解反
    応によって難分解物質を分解することを特徴とする難分
    解物質の分解処理方法。
  2. 【請求項2】 溶媒を加熱器を用いて所定の温度に加熱
    して過熱蒸気とし、該過熱蒸気を所定の温度に加熱され
    た常圧の反応器内に連続して供給し、この過熱蒸気の雰
    囲気中の反応器内に被分解処理物を供給して所定の反応
    時間経過させて通過させることにより、被分解処理物を
    分解処理する方法において、 溶媒として水を使用すると共に、加熱器及び反応器の何
    れか一方もしくは双方に、過熱蒸気と反応して水素を生
    成する物質を配置して、加熱器もしくは反応器内で生成
    した水素による還元反応と、過熱蒸気による加水分解反
    応によって反応器内において難分解物質を分解すること
    を特徴とする難分解物質の分解処理方法。
  3. 【請求項3】 過熱蒸気と反応して水素を生成する物質
    として、鉄,炭素,炭素鋼から選択された1種又は複数
    のものを使用する請求項1又は2記載の難分解物質の分
    解処理方法。
  4. 【請求項4】 溶媒として水に代えて、過酸化水素水を
    用いた請求項1,2又は3記載の難分解物質の分解処理
    方法。
  5. 【請求項5】 分解処理の終了した過熱蒸気を冷却する
    ことにより液化して排出する請求項1,2,3又は4記
    載の難分解物質の分解処理方法。
  6. 【請求項6】 被分解物質がフロンであるときの過熱蒸
    気の温度を500℃〜750℃とした請求項1,2,
    3,4又は5記載の難分解物質の分解処理方法。
  7. 【請求項7】 被分解処理物と溶媒を混合したものを所
    定の温度に加熱して過熱蒸気を発生させる加熱器と、得
    られた過熱蒸気を所定の反応時間経過させて分解処理す
    る所定の温度に維持された常圧の反応器と、上記加熱器
    及び反応器の何れか一方もしくは双方に配置された過熱
    蒸気と反応して水素を生成する物質とよりなることを特
    徴とする難分解物質の分解処理装置。
  8. 【請求項8】 溶媒を所定の温度に加熱して過熱蒸気を
    発生させる加熱器と、得られた溶媒の過熱蒸気と被分解
    処理物を所定の反応時間経過させて分解処理する所定の
    温度に維持された常圧の反応器と、上記加熱器及び反応
    器の何れか一方もしくは双方に配置された過熱蒸気と反
    応して水素を生成する物質とよりなることを特徴とする
    難分解物質の分解処理装置。
  9. 【請求項9】 過熱蒸気と反応して水素を生成する物質
    が鉄,炭素,炭素鋼から選択された1種又は複数のもの
    である請求項7又は8記載の難分解物質の分解処理装
    置。
  10. 【請求項10】 中心部に過熱蒸気の通路が開口され、
    周縁部に内部ヒータが挿通する孔部が開口された鉄板
    と、周縁部に内部ヒータが挿通する孔部と過熱蒸気の通
    路が開口された鉄板との2種類の鉄板を反応器の内部に
    交互に並置して、反応器に導入された過熱蒸気が、前記
    過熱蒸気の通路を迂流しながら通過するようにした請求
    項7又は8記載の難分解物質の分解処理装置。
  11. 【請求項11】 分解処理の終了した過熱蒸気を冷却す
    ることにより液化して排出する冷却器を有する請求項
    7,8,9又は10記載の難分解物質の分解処理装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001096147A (ja) * 1999-09-29 2001-04-10 Oei Kaihatsu Kogyo Kk 難分解物質の分解処理方法及びその装置
JP2005111433A (ja) * 2003-10-10 2005-04-28 Kanken Techno Co Ltd フッ素化合物含有排ガスの処理方法およびその装置
JP2008272560A (ja) * 2006-10-30 2008-11-13 Nishimatsu Constr Co Ltd 難分解性有機化合物の分解処理装置および分解処理方法
JP2010214364A (ja) * 2009-02-18 2010-09-30 Junichi Iwamura 加熱装置、産業廃棄物処理方法及び水の淡水化方法

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