JP2010214364A - 加熱装置、産業廃棄物処理方法及び水の淡水化方法 - Google Patents

加熱装置、産業廃棄物処理方法及び水の淡水化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高いベクトルを有する加熱蒸気の製造や、食品、産業廃棄物の加熱処理による有価物への変換、亜臨界状態の形成、海水等の電解質を含有する水の淡水化工程において、特に好適に使用することができる簡便な加熱装置を提供する。
【解決方法】流路を通過する被加熱物を加熱する加熱装置であって、上記流路は、電気抵抗率が100μΩ・cm以上である高抵抗素材からなり、外部が断熱層で被覆された中空状の発熱パイプの中空部であり、上記発熱パイプ両端に設けられた電気接続端子を備え、上記発熱パイプに通電することによって、被加熱物を加熱する加熱水蒸気、亜臨界水又は加熱不活性ガスを得るための加熱装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、加熱蒸気の製造や、飲料水、海水等の電解質を含有する水を用いた0.1〜2.5MPaで多様な含水量の蒸気、亜臨界の環境を作る方法、淡水化工程における加熱、食品産業廃棄物、クリーニング工場や染色工場から排出されるスラッジ等の工業廃棄物中の熱揮発性,難揮発性油分を含有する物質から熱分解を伴う揮発性油分回収のための水の加熱に適した加熱装置並びにこれを用いた産業廃棄物処理方法及び水の淡水化方法である。
高いベクトルを持った加熱水蒸気は、食品調理、ウェブや紙類の乾燥、廃プラスチックの処理等の種々の分野において使用されている(特許文献1,2等)。
従来、高いベクトル(運動エネルギー)を持った水蒸気の製造は、火力、原子力発電分野で行われており、いずれも加熱はバーナー・核分裂時に生じる熱による間接加熱である。このため熱損失が大きいことに加え、装置建設に莫大な費用とエネルギーを必要とする。また、安全性の面からその使用範囲は制限があった。
更に、電磁誘導による水蒸気の加熱による方法も知られている(特許文献3,4等)。しかし、電磁誘導による加熱は、発生させた加圧蒸気の圧力を解放した後に加熱するため、高いベクトルを付加することはできない。このように、コンパクトで安全・安定的に高温で高いベクトルを有した加熱蒸気を得ることができる加熱装置は、知られていない。
特許文献5,6には、導電性の管体を加熱することによって管体内の流体を加熱する加熱装置が記載されている。しかし、これらは水を加熱したり、水蒸気を製造したりするために使用するものであって、水や水蒸気を更に加熱して加熱水蒸気や亜臨界水を製造するものではない。
亜臨界水は、高温高圧条件下で液体状態を保った水である。このような亜臨界水は、有機物の溶解作用と強い加水分解作用を有する。この亜臨界水の性質を産業上利用する種々の試みがなされている。従って、効率よく低コストで亜臨界水を得る方法が求められている。
他方、近年、水資源の重要性が認識されるようになり、特に海水等の電解質を含有する水の淡水化技術の重要性が高まっている。このような淡水化技術としては、限外濾過膜法、イオン交換膜法、多段フラッシュ蒸発法、多重効用蒸発罐法等の方法が検討され、実用化されている。
しかし、これらの方法は塩が濃縮された廃水が発生したり、大規模な設備が必要であったりするため、簡便に、かつ、多量の廃棄物が発生することなく海水を淡水化する方法は知られていない。
また、石油系原料や動物系原料を使用する工場から排出される種々の産業廃棄物には、多くの油分が含有されている。近年の環境負荷の低減という観点から、これらを回収・再利用するための方法が求められている。しかし、このような成分は多くの成分が混合した複雑な混合物として排出されるため、分離・回収することが必要となる。これを低コストで行うことは極めて困難であることから、現実には回収・再利用は充分に行われていない。
更に、高温加熱した不活性ガスは、被加熱物と接触させることで効率よく短時間で被加熱物を加熱する用途に使用することができる。このような加熱不活性ガスの安価で効率よい製造方法も求められている。
特開2005−274033号公報 特開平09−48981号公報 特開2006−71116号公報 特開2006−71180号公報 特開2004−333040号公報 特開平08−178202号公報
本発明は、上述したような高いベクトルを有する加熱蒸気の製造や、食品、産業廃棄物の加熱処理による有価物への変換、亜臨界状態の形成、海水等の電解質を含有する水の淡水化工程、不活性ガスの加熱において、特に好適に使用することができる簡便な加熱装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、流路を通過する被加熱物を加熱する加熱装置であって、上記流路は、電気抵抗率が100μΩ・cm以上である高抵抗素材からなり、外部が断熱層で被覆された中空状の発熱パイプの中空部であり、上記発熱パイプ両端に設けられた電気接続端子を備え、上記発熱パイプに通電することによって、被加熱物を加熱することを特徴とする加熱水蒸気、亜臨界水又は加熱不活性ガスを得るための加熱装置である。
上記加熱装置は、被加熱物が水、水蒸気又は不活性ガスであることが好ましい。
上記加熱装置において、被加熱物が水蒸気である場合、導入する蒸気の圧力は、0.1MPa以上であることが好ましい。
上記被加熱物は電解質を含有する水であってもよい。
本発明は、上述した加熱装置によって得られた亜臨界水又は加熱水蒸気を産業廃棄物と接触させる工程を有することを特徴とする産業廃棄物の処理方法でもある。
本発明は、上述した加熱装置によって、被処理水を加熱する工程を有することを特徴とする水の淡水化方法でもある。
本発明の加熱装置による加熱水蒸気の製造は、制御が容易で、所定温度に到達する時間が極めて短時間である点及び大規模設備でも小規模設備でも対応ができる簡便な装置である点で優れている。また、高いベクトルを持った水蒸気を簡便に得ることができる点でも優れている。
本発明の加熱装置による電解質を含有する水の処理は、高い収率で真水又は水蒸気を得ることができ、廃棄物の発生量が少ない点及び大規模設備でも小規模設備でも対応ができる簡便な装置である点で優れている。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の加熱装置の一例の模式図を図1,2に示した。以下これらの模式図に従って本発明を説明する。
図1は、本発明の加熱装置の主要構成要素である中空状の発熱パイプの断面図を示した。図1の中空部Aが流路となり、被加熱物が通過する。高抵抗素材Bは、電気抵抗率が100μΩ・cmの高い抵抗値を有する高抵抗素材からなることから、通電されると発熱する。この熱が中空部A中の被加熱物に直接伝導することによって被加熱物は加熱されるものである。熱効率を向上させるため、金属素材の外部は断熱層Cで被覆されている。
本発明による加熱装置は電力を用いるため加熱の制御が容易で、所定温度に到達する時間が極めて短時間であること、蒸気雰囲気下であるため引火・発火などの危険性が極めて低いことを特長とした装置である。
また、理由は不明であるが、本発明の加熱装置は、被加熱物が電解質を含有する水であっても通電時に漏電を生じることがないという利点を有する。電解質を含有する水(海水等)は、導電性を有する。よって、高抵抗素材Bと電解質を含有する水とが接触した状態で通電すると、漏電するために加熱は困難であると考えられていた。しかしながら、本発明者らが実験を行った結果、漏電を生じることなく、加熱を行うことができた。
上記高抵抗素材Bとしては、例えば、ニッケル・クロム、マンガン、ケイ素、炭素などを主成分とする公知の高抵抗金属素材を使用することができる。
上記断熱層Cは、耐熱セメント、ガラスセラミックウール、耐火レンガ、セラミック円筒等を使用して通常の方法によって形成することができる。
発熱性パイプは、高抵抗素材をコルゲーション又は直管加工して得られたパイプをそのまま又はスパイラル加工して得た発熱パイプであることが好ましい。上記高抵抗素材からなるパイプは、例えば、高抵抗素材からなる薄板を加工して発熱パイプとする方法等によって得ることができる。
上記発熱性パイプは、中空部の直径が5〜25mmであることが好ましい。5mm未満とすると、加工が困難であり、かつ、流量を高くすることができないため、加熱効率が悪化するおそれがある。25mmを超えると、加熱効率が悪化するおそれがある。
本発明の加熱装置によって加熱される被加熱物は、水、水蒸気又は不活性ガスであることが好ましい。上記被加熱物が水又は水蒸気である場合、電解質を含有する海水等の天然水、水道水、水蒸気発生装置によって製造された水蒸気等の任意のものを使用することができる。上記不活性ガスとしては、窒素、希ガス等を挙げることができる。これらのいずれを使用した場合であっても良好な加熱を行うことができ、目的に応じていずれかを選択することができる。
図1に示した構造を有する中空状の発熱パイプを使用した本発明の加熱装置の一例の模式図を図2として示した。図2に示した態様では、本発明の装置は構成要素として、上述した発熱パイプ6及び発熱パイプの両側の電気接続端子5を備えている。上記発熱パイプ6において、電気接続端子5より通電することによって、加熱を行うものである。
通電する際の電圧・電流は、装置の規模や得ようとする加熱水蒸気の温度等によって適宜設定することができるが、例えば、100〜250V、電流は2.0〜60Aといった条件で加熱を行うことができる。
図2に示した加熱装置は、上述した発熱パイプ及び電気接続端子に加えて更に、
(i)水蒸気を発生させる手段(図中、蒸気発生装置1)
(ii)水蒸気を連続的に送出する手段(図中、上記調整弁2)
(iii)(i)、(ii)、及び発熱パイプ6において制御・表示する手段(図中、圧力計3、電圧・電流表示装置8等)
を有する加熱装置である。このような図2に示した加熱装置は、水蒸気を更に加熱して高いベクトルを有する加熱水蒸気製造装置としての使用に適した加熱装置である。
本発明の加熱装置を製造する際、装置を構成する各ユニットの連結においては、絶縁・耐熱性の継ぎ手を使用することが好ましい。これによって、漏電、加熱による劣化を防止することができる。耐熱性の継ぎ手としては特に限定されず、例えば、市販のセラミックス製、湿度・圧力によってはフッ素樹脂製等のものを使用することができる。
圧力制御のためのノズルなどは、市販の種々な型式のもの使用することができる。蒸気調節弁は、手動からから自動まで種々のものの入手が可能である。本発明の加熱水蒸気製装置の蒸気の各構成要素は、使用する蒸気温度、蒸気量によって適宜選択することができる。
図2に示した加熱装置においては、水蒸気発生装置1によって発生させた水蒸気を、流速をコントロールしながら上記中空状の発熱パイプの中空部へ導入する。その搬出量、流速等を調整することによって、目的とする温度を有する加熱水蒸気を得ることができる。
以下に、高抵抗素材径が6mmで長さ約16mの場合の水蒸気の圧力、1時間あたりの蒸気量及び吐出時の温度の好ましい範囲の一例を示す。
圧力(MPa):0.1〜0.5
蒸気量(kg/h):0.5〜5.0
温度(℃):200〜750
上記発熱パイプ6中の加熱水蒸気の圧力は0.1〜5.0MPaであることが好ましく、より好ましくは0.1〜2.5MPaである。上記範囲外であると、耐圧のための費用が増大するという点で好ましくない。
上記蒸気発生装置1は、特に限定されず、例えば、市販で動力源が電気・石油系燃料のものを使用することができる。工場・発電所等において発生する余剰の蒸気を利用することもできる。
このような図2に示した加熱装置は、不活性ガスの加熱にも好適に使用することができる。この場合は、水蒸気発生装置によって発生させた水蒸気のかわりに、被加熱物である不活性ガスを導入することによって、加熱不活性ガスを得ることができる。上記加熱装置によって、200〜600℃の加熱不活性ガスを得ることができる。
第2の態様の本発明は、液体状態の水を加熱処理するための加熱装置であり、水から高いベクトルを持った蒸気を製造したり、亜臨界の環境を作ったり、海水等を加熱して蒸気化し、蒸気を回収することで淡水を得て、残渣を固体として回収したりする目的で使用できるものである。上記第2の態様において使用する装置は、図2として示した装置とほぼ同一であるが、上記発生装置1と上記調整弁2にかえて、水導入部を有し、一定の流量で液体状態の水を加熱装置に対して導入するものである。
被処理物が海水等の電解質を含有する水である場合、回収された電解質はそれ自体が工業的に有用なものであるし、更に、固体分又高濃度に濃縮された濃縮物であるから多量の廃水を生じることがない。これによって、従来の方法よりも簡便で、かつ、環境に影響を与えることなく淡水を得ることができる。
第2の態様の本発明も、第1の態様の本発明と実質的に同様の構成を有するものであり、発熱パイプ6及び発熱パイプの両側の電気接続端子5を必須とし、耐熱性の継手、圧力制御のためのノズル、被加熱物を連続的に発熱パイプに送り出す手段、圧力計、電流表示装置等、運転条件を制御するための手段等を備えることが好ましい。
当該加熱装置に対して、被加熱物である水を導入し、発熱パイプによって加熱を行うと、密閉状態の発熱パイプ中で水温が上昇し、発熱パイプ内が加圧状態となる。その後、蒸気の状態で水を排出させることもできるし、圧力を維持したまま亜臨界状態の水を排出することもできる。
被処理物が海水等の電解質を含有する水である場合、最終的に発熱パイプから外に排出された際に、水は水蒸気として排出され、電解質は固形分又は濃縮物として排出され、瞬時に水と電解質とを分離することができる。排出された水蒸気を冷却することによって、淡水化された水を得ることができる。
本発明の加熱装置は、上述したような方法で淡水化装置として使用することもできる。上述した淡水化装置は、水を高い収率で得ることができ、電解質を高濃度で含有する排水の発生がなく、電解質は固形分又は濃縮物として得ることができる。このため、環境への負荷の少ない優れた水の淡水化装置である。
本発明の加熱装置によって得られた高ベクトルの水又は水蒸気は、廃棄物の処理に使用することもできる。例えば、食品業界から排出される魚のアラ、食肉用の動物の使用されない部位等は食品産業廃棄物となる。これらの未使用部位中には、油脂成分等の有機成分が多量に含まれており、これらを回収して使用することができれば、環境の観点から非常に好ましいものである。
本発明の加熱装置によって得られた加熱水蒸気又は亜臨界水を使用して処理をすると、これらの有機成分が分解・揮発する。そして得られた揮発分を冷却すると、水と揮発性油分とが分離した状態で得られる。ここから容易に揮発性油分を得ることができる。このようにして得られた揮発性油分は、天然由来のエネルギーとして使用してもよいし、その他の用途に利用してもよい。また、揮発性油分が揮発した後には、乾燥した固形分が得られる。このような固形分は廃棄物とされるが、処理前よりも大幅な減量がされるため、廃棄物処理のコスト低減が図れるというメリットも有する。
更に、工業上、油分を含有する各種廃棄物が多量に発生する。このような産業廃棄物もまた、油脂成分や樹脂成分等の有機成分を多量に含むものである。これらを回収して使用することも、環境の観点から非常に好ましい。
このような工業廃棄物としては、例えば、クリーニング工場や染色工場から排出されるスラッジ等を挙げることができる。クリーニング工場においてドライクリーニングを行った後のスラッジや、染色工場において排出されるスラッジは、界面活性剤、汚れ成分、染料、顔料等の多くの成分を含有する混合物であり、固形分等も分散した状態であることから、分離回収して再利用することは極めて困難である。このようなスラッジに対して、本発明の加熱装置によって製造された加熱水蒸気又は亜臨界水による処理を行うと、容易に分解・揮発を生じさせることができる。そして得られた揮発分を冷却すると、水と揮発性油分とが分離した状態で得られる。ここから容易に揮発性油分を得ることができる。回収された揮発性油分は、再度工場内で利用することができる。揮発性油分を回収した後の固形分は、廃棄物として処理されるが、処理前よりも廃棄物としての量が著しく減量されるという利点も有する。
更に、原油の運搬工程や精製工程において発生する原油スラッジの処理も同様に行うこともできる。
本発明の加熱装置によって得られた高ベクトルの水又は水蒸気によって、上記産業廃棄物の処理を行うこともできる。このような産業廃棄物の処理方法もまた本発明の一つである。
上記処理は、容器中の廃棄物に対して、高ベクトルの水又は水蒸気を接触させることによって行うことができる。上記高ベクトルの水又は水蒸気は、加熱装置から排出して常圧とした高温水蒸気の状態で接触させてもよいし、加圧状態を維持したまま亜臨界状態で接触させてもよい。
上記接触をさせることによって、高分子量の難揮発性の油性成分が低分子量の揮発性の油性成分に分解される。その後、蒸留することによって水と揮発性油性成分を揮発させ、有用成分を回収することができる。このようにして得られた揮発性油性成分は、溶剤、燃料等の産業分野において使用することができる。本発明においては、良好な熱効率で高ベクトルの水又は水蒸気を得ることができるため、このような回収をより効率よく、安価に行うことができる、という利点を有するものである。
更に、本発明の加熱装置によって得られた加熱水蒸気は、海水等の溶解物を多量に含んだ水の淡水化にも使用することができる。溶解物を多量に含んだ水を被加熱物として、加熱水蒸気によって処理すると、当該被加熱物が加熱されることによって水が揮発し、これによって、被処理物の淡水化を行うことができる。このような方法は、加熱媒体が加熱水蒸気であることから、水以外の成分が混入することがなく、効率よく淡水化することができる点で優れた方法である。
本発明の加熱装置によって製造された加熱不活性ガスは、被加熱物を加熱する加熱媒体として使用することができる。すなわち、被加熱物に対して連続的に加熱不活性ガスを接触させると、簡便、かつ安価に効率よく被加熱物を加熱することができるものである。
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)高温・高ベクトル蒸気の検証
約0.3mm のニッケル・クロム合金の薄板を用いて、まず製管して直管(外径約6mm)を作り、次にこのものをコルゲート加工して、フレキシブルなコイル状に成形した後、耐熱セメント、ガラスセラミックウールを用いて絶縁耐熱加工し、図1の発熱抵抗体(発熱パイプ)を製作した。このようにして得られた発熱抵抗体約16m (直管:16.5m,フレキシブルパイプ:16.7m)を使用して図2の加熱装置を製造した。
図2中の蒸気発生装置1より発生する蒸気圧を0.5Mpaに調整し、この時の発熱抵抗体にかける電流:ストレートパイプ:20.0A、フレキシブルパイプ:20.0A、電圧:ストレートパイプ:65.0V、フレキシブルパイプ:55.0Vの条件下で圧力調整ノズル9を用いて、それぞれ0.2,0.3,0.4Mpaに調整した時の1時間当たりの蒸気量、その圧力調整ノズル直近の温度を測定した結果を下記に示した。
上記表1の結果から、本発明の加熱装置によって100℃を大きく超える高圧の高ベクトルの水が得られたことは明らかである。
(実施例2)食品廃棄物
図2の装置を用いて蒸気温度が約400℃ になるよう電流.・電圧を調整し、鶏肉3種、魚のアラ及び豚皮の加熱水蒸気処理実験を行った。試料を格納したガラス蓋付のステンレス製漏斗(直径20cm)内に噴霧した結果を下記に示した。
上記結果から、鶏肉3種、魚のアラ及び豚皮いずれを使用した場合も高い回収率で油分を回収することができたことが明らかである。得られた油分はわずかに着色した透明な液体であった。
(実施例3)産業廃棄物
印刷工場において発生するウェスを洗浄した際のクリーニングスラッジに対し、図2の装置を用いて製造した加熱水蒸気による処理実験を行った。ジェネレーターから排出された水蒸気(約120℃)を電流,電圧を調整することによって、それぞれ約300℃、500℃の加熱水蒸気に変え、連続装置内に噴射し連続的に注入されるスラッジを処理した。
上記表3から、スラッジから高収率で油分を回収できたことが明らかである。得られた油分は300℃では淡黄色、500℃では黄色で透明な液体であった。500℃では300℃より収油率が11.2%向上し、クラッキングが起こり収油率が向上したことが示唆される。
(実施例4)淡水化(1)
海水に対し、図2の装置を用いて加熱水蒸気処理実験を行った。ジェネレーターから排出された水蒸気(約120℃)を電流・電圧を調整し、400-500℃の加熱水蒸気に変え、連続的に注入される海水を処理した。
上記結果から、本発明の加熱装置によって高収率で水分を回収することができ、本発明の加熱装置が水の淡水化に有用であることが明らかとなった。
(実施例5)淡水化(2)
図2の装置を用い、400-500℃になるよう電流・電圧を調整し、海水吐出量を2.40kg/hrで注入した。この時の回収水(真水)1.66kg、釜残渣0.74kgで、海水中のミネラル含有率は4.0%である。真水としての回収率は71.9%であった。
(実施例6)多様な気液の相の調整
図2の装置を用い、加えるエネルギー(電流・電圧)を一定として、注入水量を変化させることによって容易に熱水から飽和蒸気、過飽和蒸気、100℃の熱水、多様な温度の蒸気、又、圧力と注入量を調整することによって2.2MPa,232.4℃の亜臨界の環境を作ることができた。よって、本発明の加熱装置は、種々の目的に応じて種々の状態の水、水蒸気を得るために好適であることが明らかになった。
本発明の加熱装置は、還元雰囲気下(無酸素状態)での加熱が必要もしくは好ましいような処理を必要とする分野、例えば石油産業分野における蒸留、クラッキングなど;食安分析における加熱、殺菌、乾燥など;廃棄物処理分野における揮発油分回収,減却;海水の淡水化;軟水化を必要としないジェネレーター等、種々の分野の熱源として利用可能である。
本発明で使用する中空状発熱パイプの断面を示す図である。 本発明の加熱装置の第1の態様を示す模式図である。
A 中空部
B 高抵抗素材
C 断熱層
1 蒸気発生装置
2 蒸気調整弁
3 圧力計
4 絶縁・耐熱性継ぎ手
5 電機接続端子
6 発熱抵抗体(発熱パイプ)
7 変圧器
8 電圧・電流、温度表示装置
9 圧力調整ノズル
10 発熱パイプ内・発熱パイプ出口温度、蒸気温度、蒸気量測定・表示装置

Claims (6)

  1. 流路を通過する被加熱物を加熱する加熱装置であって、
    前記流路は、電気抵抗率が100μΩ・cm以上である高抵抗素材からなる外部が断熱層で被覆された中空状の発熱パイプの中空部であり、
    前記発熱パイプ両端に設けられた電気接続端子を備え、
    前記発熱パイプに通電することによって、被加熱物を加熱することを特徴とする加熱水蒸気、亜臨界水又は加熱不活性ガスを得るための加熱装置。
  2. 被加熱物は、水、水蒸気又は不活性ガスである請求項1記載の加熱装置。
  3. 被加熱物は、水蒸気であり、導入する蒸気の圧力は、0.1MPa以上である請求項2記載の加熱装置。
  4. 被加熱物は、電解質を含有する水である請求項2記載の加熱装置。
  5. 請求項1,2,3又は4の加熱装置によって得られた亜臨界水又は加熱水蒸気を産業廃棄物と接触させる工程を有することを特徴とする産業廃棄物の処理方法。
  6. 請求項1,2,3又は4の加熱装置によって、被処理水を加熱する工程を有することを特徴とする水の淡水化方法。
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