JP3816218B2 - ハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の分解処理方法およびその装置 - Google Patents

ハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の分解処理方法およびその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超臨界水を用いたハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の分解処理方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、塩素原子等のハロゲン原子や硫黄原子を含む有機化合物の廃棄処理は、焼却処理するのが一般的であった。しかしながら塩素原子を含む有機化合物を焼却処理する場合、焼却温度が低く不完全燃焼を起こすとダイオキシンが発生するおそれがあり、また硫黄原子を含む有機化合物を焼却処理するとSOxが発生し大気を汚染するおそれがあった。
【0003】
ハロゲン原子や硫黄原子を含む有機化合物を、ダイオキシンやSOxを発生させずに分解処理する方法として、これらの被処理物を超臨界水中で酸化分解する超臨界水酸化分解法がある。
【0004】
超臨界水酸化分解法は、有機化合物を水の臨界温度・臨界圧力(374℃、22MPa)以上の条件で酸化処理を行う方法である。超臨界状態の水は有機化合物や気体に対して高い溶解力を有し完全に混合する。よって、均一相に混合されるため物質移動の面でより有利である。その結果、酸化分解を行う場合、酸化速度は非常に速く、その分解時間は分あるいは秒のオーダーで完結できる。超臨界水酸化処理を用いて難分解性有害廃棄物の完全酸化分解処理については既に提案されている(特公平1−38532号、米国特許第4113446号、米国特許第4338199号、米国特許第4543190号)。超臨界水酸化分解法は、短時間で難燃性有機物の完全酸化分解が可能であり、有機物は二酸化炭素と水にまで分解される。
【0005】
しかしながら、処理する有機物がハロゲン原子や硫黄原子を含む場合、超臨界水中で酸化分解を行うと、塩素イオンや硫酸イオンなどの酸性イオンが生成し、反応器内の処理流体のpHが低下する結果、反応器や被処理流体を冷却するための熱交換器が腐食される。超臨界水酸化分解処理装置に用いられる反応器は、高温高圧にさらされるため、安全性を確保するために腐食を受けた反応器は交換する必要がある。この交換頻度が高くなるとランニングコストが高くなる。
【0006】
従って、pH低下による反応器や後段の熱交換器の腐食を防ぐために、図4に示したような超臨界水酸化分解装置が知られている。
【0007】
図4は、ベッセル型反応器による従来の超臨界水酸化分解処理装置のブロック図である。ハロゲン原子や硫黄原子を含む有機化合物(処理対象物)供給ライン1に、中和剤供給ライン2より中和剤を送り込み、処理対象物は酸化剤供給ライン6より送られる空気等の酸化剤および超臨界水とともにベッセル型反応器7へ導入する。ベッセル型反応器7内では、反応器上部では水の超臨界領域が形成され、超臨界水にハロゲン原子や硫黄原子を含む有機化合物と酸化剤が均一に溶解し、酸化反応が極めて短時間のうちに完結する。ベッセル型反応器7内上部の超臨界領域で、ハロゲン原子や硫黄原子を含む有機化合物は酸化分解され、脱離したハロゲン原子や硫黄原子は、塩素イオンや硫酸イオン等の酸性イオンとなる。分離生成した酸性イオンは中和剤のアルカリと反応して塩が生成する。超臨界水は塩の溶解度が低いため、超臨界領域では塩が析出してベッセル型反応器7下部へ落下する。析出した塩をベッセル型反応器から排出させるために、ベッセル型反応器7の下部には水供給ライン9より水を供給して温度を下げて亜臨界領域を形成し、この亜臨界領域の水に塩を落下させる。亜臨界領域の水は塩をよく溶解するので、反応器下部に設けた排出ライン10より塩を含有した排水を排出させる。
【0008】
一方、ハロゲン原子や硫黄原子が脱離した処理対象物は超臨界水酸化分解され、二酸化炭素と水に分解された処理流体は反応器上部の排出ライン8より系外に排出する。系外に排出された処理流体は、冷却器11で冷却し、減圧弁12により減圧した後、気液分離器13で二酸化炭素と水を分離して排出する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示した従来装置は、アルカリ供給量の決定を、処理流体のpHを測定し、フィードバック制御することにより行っているが、処理流体には有機物の酸化分解により生ずる炭酸ガスが含まれているため、pHが4〜5程度までに低下する。そのため、アルカリの添加量を酸化分解により生成する酸性イオンに対し当量以上としても、炭酸ガスの緩衝作用のためにpHを上げにくい。そのため、過剰(例えば1.5倍以上の)のアルカリ剤を添加している。
【0010】
また、従来装置は、pHの測定を反応器出口で行ない、そのpH値によりアルカリ供給量をフィードバック制御しているために、中和剤供給量がpHに影響するのに数分の時間を要する。このため、分解対象物の組成が急激に変動する場合や、分解対象物の組成が不明の場合、リアルタイムでアルカリ供給量を制御することは極めて困難である。そのため、図4において、例えばライン8内の流体のpHは2以下になる場合がある。このような低pHでは反応器を構成する物質の溶出は避けがたい。例えば反応器にNi合金を用いると、Ni,Cr,Fe等が処理液中に1ppm以上含まれる場合がある。
【0011】
本発明が解決しようとする第1の課題は、ハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物を超臨界水酸化分解する方法および装置において、中和の効率を上げて中和剤の添加量を抑制し、反応器の腐食を抑制する方法および装置を提供することである。
【0012】
本発明が解決しようとする第2の課題は、ハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物を超臨界水酸化分解する方法および装置において、リアルタイムでpHの制御が可能な方法および装置を提供することである。
【0013】
本発明が解決しようとする第3の課題は、ハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物を超臨界水酸化分解する装置において、処理流体の廃熱を有効利用し、熱エネルギーコストを低減する装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、反応器内で中和を行わず、予め脱ハロゲンもしくは脱硫処理を行った後中和処理してから超臨界水酸化分解処理を行うことにより上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち、上記第1の課題を解決するための請求項1に記載した本発明は、ハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物を20〜40MPaおよび200〜650℃の水熱反応により脱ハロゲンおよび/または脱硫し、中和した後に、超臨界水酸化分解することを特徴とするハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の分解処理方法に関するものである。
【0017】
上記第2の課題を解決するための請求項に記載した発明は、中和した処理物のpHを測定し、測定したpHに応じて、中和剤供給量をフィードバック制御することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の分解処理方法に関するものである。
【0018】
上記第1の課題を解決するための請求項3に記載した発明は、水の超臨界状態において被処理物を酸化分解する反応器と、超臨界水酸化分解処理物を排出する手段とを備えた超臨界水酸化分解処理装置であって、20〜40MPaおよび200〜650℃の水熱反応によりハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物を脱ハロゲンおよび/または脱硫する加圧熱水処理手段と、脱ハロゲンおよび/または脱硫された処理物を中和する中和手段と、中和処理物を反応器に加圧供給する加圧供給手段とを設けたことを特徴とするハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の超臨界水酸化分解処理装置に関するものである。
【0019】
上記第2の課題を解決するための請求項に記載した本発明は、中和手段と反応器の間に、pHを測定するpH測定手段を設け、pH測定手段により測定された中和処理物のpHに基づいて中和手段の中和剤添加量をフィードバック制御するフィードバック制御手段を設けたことを特徴とする請求項に記載のハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の超臨界水酸化分解処理装置に関するものである。
【0020】
上記第3の課題を解決するための請求項に記載した本発明は、請求項または請求項に記載のハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の超臨界水酸化分解処理装置において、加圧熱水処理手段に熱交換手段を設け、超臨界水酸化分解された高温の処理流体を該加圧熱水処理手段の熱交換手段に導入する手段を設けたことを特徴とするハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の超臨界水酸化分解処理装置に関するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の処理対象となるハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物とは、例えば、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルスルフォキシド、トリクロロベンゼン、ダイオキシン類、フロンのような有機化合物であり、分解に際して塩素イオンや硫酸イオン等の酸性イオンを生成する化合物である。
【0022】
本発明では、ハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物を直接超臨界水酸化分解装置の反応器内で酸化分解せず、前段の水熱反応により脱ハロゲンおよび/または脱硫処理を行って、中和した後、超臨界水酸化分解することを特徴とするものである。
【0023】
前段における水熱反応は、200〜650℃の温度範囲で、20〜40PMaの加圧下に行う。当該水熱反応によりハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物から、容易にハロゲン原子および/または硫黄原子が離脱し、塩素イオンや硫酸イオン等の酸性イオンが生成する。
【0024】
水熱反応により生成した酸性イオンを中和した後、中和処理物を超臨界水酸化分解処理する。中和に用いられる中和剤は、特に限定されないが、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。
【0025】
脱ハロゲンおよび/または脱硫工程と中和工程は、それぞれ別工程として処理してもよいが、中和剤を添加した水熱反応でハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物を処理することにより、脱ハロゲンおよび/または脱硫と中和を同時に行うことが好ましい。
【0026】
超臨界水酸化分解処理の前段で脱ハロゲンおよび/または脱硫と中和を行うため、炭酸ガスが存在しない状態で中和を行うことができる。従来の超臨界水酸化分解法では炭酸ガスによる緩衝作用を避けられなかったが、本発明方法は炭酸ガスの緩衝作用を受けずに中和することができるので、過剰に中和剤を添加する必要がない。また、前段での水熱反応と中和処理は、水の亜臨界状態で行うため、中和剤および生成する無機塩ともよく亜臨界水に溶解するので中和効率が高くなる。
【0027】
後段の、超臨界水酸化分解は、水の超臨界状態で中和処理により得られた中和処理物の酸化分解を行う。前段でハロゲン原子および/または硫黄原子を除去して中和しているので、反応器内における超臨界水酸化分解反応により酸性イオンが生成することはなく、反応器が腐食することはない。
【0028】
水を超臨界状態とする温度、圧力の条件は限定されるものではないが、例えば、温度374℃以上、好ましくは550〜650℃、かつ圧力22MPa以上、好ましくは22〜25MPaの条件とすればよい。前段での水熱反応・中和処理により中和処理物は水の亜臨界状態にあるので、若干加圧および加熱することにより、水の超臨界状態として反応器へ送り込むことができる。
【0029】
超臨界水酸化分解に用いる酸化剤としては、例えば空気、純酸素、過酸化水素、液体酸素を挙げることができ、これらの酸化剤は化学量論要求量以上用いればよい。超臨界水酸化分解を行う反応器は、パイプ(管状)型、ベッセル型のいずれでもよいが、前段の中和で生成した塩を亜臨界水に溶解して排出処理するために、反応器はベッセル型を用いることが好ましい。
【0030】
水は、超臨界状態では、良好な溶媒となるため、反応器内では超臨界水、中和処理物および酸化剤は均一相を形成し、超臨界水酸化反応が進行し、極めて短時間のうちに炭化水素を主体とする中和処理物は二酸化炭素と水に酸化分解される。中和処理物を超臨界水酸化分解した後、処理流体は冷却および減圧されて二酸化炭素と水として系外へ排出される。
【0031】
本発明は、さらに中和のpHをリアルタイムで制御する方法に関するものである。本発明において、pHをリアルタイムで制御するには、脱ハロゲンおよび/または脱硫処理・中和処理後の流体を反応器の手前で、中和処理物のpHを測定し、測定したpHに応じて、中和剤の供給量をフィードバック制御する方法である。本発明の方法は、中和剤供給量位置とpH計測位置が従来と比較して短くなり、しかも炭酸ガスによる緩衝作用を受けないため、pHをリアルタイムで制御することができる。pHの計測は、中和処理後、反応器手前で中和処理流体の一部を取り出し、冷却もしくはそのまま行えばよい。測定したpHが4〜9、好ましくは4〜8の最適値を外れた場合は、例えば流量指示調節計(フロウ・インジケーティング・コントロール、以下「FIC」と略称する)等を用いて、中和剤供給ポンプの流量をコントロールして、中和剤供給量を制御し中和を行えばよい。
【0032】
以下図1〜図3に本発明装置の一実施形態を示す。
【0033】
図1は、本発明のハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の超臨界水酸化分解処理装置の一実施形態を示すブロック図である。
【0034】
供給ライン1より供給されたハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物(処理対象物)は、中和剤供給ライン2および水供給ライン3から供給された中和剤および水と(処理対象物質もしくは中和剤に水が十分存在していれば水は必要ない)共に、加圧熱水処理装置4へ供給される。加圧熱水処理装置4内で、水は亜臨界状態となり、有機物中に含まれるハロゲン原子や硫黄原子は水熱反応により脱離し、塩素イオンや硫酸イオン等の酸性イオンが生成する。生成した酸性イオンは、中和剤により中和され、塩が生成する。生成した塩は、亜臨界状態の水に良好に溶解する。中和処理物は、加圧ポンプ5により加圧され、酸化剤供給ライン6より供給された空気等の酸化剤と共にベッセル型反応器7に供給される。ベッセル型反応器7上部には超臨界領域が形成され、中和処理物および空気等の酸化剤は超臨界水に溶解し均一相を形成し、中和処理物は極めて短時間のうちに酸化分解される。中和処理物は、二酸化炭素と水に分解され、処理流体としてベッセル型反応器7の上部より処理流体排出ライン8より系外へ排出される。系外へ排出された処理流体は、冷却器11により冷却され、減圧弁12により大気圧へ減圧された後、気液分離器13により二酸化炭素と水に分離して排出される。
【0035】
前段の中和工程で生成した塩は、超臨界水にはほとんど溶解しないため、ベッセル型反応器7上部の超臨界領域で析出し、反応器下部へ落下する。ベッセル型反応器7下部には、水供給ライン9より水を供給して温度を下げて、水の亜臨界領域を形成しているので、亜臨界水に落下した塩は亜臨界水に溶解し、塩含有排水として排出ライン10より排出される。
【0036】
前段の加圧熱水処理装置4で、処理対象物は脱ハロゲンおよび/または脱硫され中和されているので、ベッセル型反応器7内で酸性イオンが生成することはなく、ベッセル型反応器7や冷却器11は腐食されない。
【0037】
図2は、本発明装置の第2の実施形態を示すブロック図であり、図1と同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。図2に示す超臨界水酸化分解処理装置が図1のものと異なるのは、中和処理を自動的に制御する点である。
【0038】
加圧熱水処理装置4で処理された中和処理物の一部を取り出し、冷却器14で冷却した後、pH計15で中和処理物のpHを測定する。測定されたpHの信号は、FIC16に送られ、pHが適正値(pH4〜9)の範囲を外れた場合は、FIC16から中和剤供給ポンプ17へ制御信号を送信し、中和剤供給量をコントロールする。すなわち、pHが4未満の場合は、中和剤供給ポンプ17の流量を増やしてアルカリの添加量を増やし、pHが9を超える場合は、中和剤供給ポンプ17の流量を減らしてアルカリの添加量を少なくすればよい。pHの測定地点と、中和剤供給地点が近く、炭酸ガスによる緩衝作用を受けないため、リアルタイムに中和を制御することが可能となる。pHを計測した後の中和処理物は、図2に示したように、中和処理物排出ラインに戻して、反応器へ導入すればよい。
【0039】
図3は、本発明装置の第3の実施形態を示すブロック図であり、図2と同一の要素には同一の符号を付し、説明を省略する。図3に示す超臨界水酸化分解処理装置が図2のものと異なるのは、超臨界水酸化分解された処理流体の熱を有効利用するために、加圧熱水処理装置の熱源として利用したものである。
【0040】
図3に示した加圧熱水処理装置4’は、熱交換手段を設けたものであり、例えば、2重管構造を有した加圧熱水処理装置である。図3に示したように、処理流体排出ライン8より排出された高温高圧の処理流体を、2重管構造の熱交換器となっている加圧熱水処理装置4’のジャケット部に送って熱交換して加圧熱水処理装置4’を加熱し、処理流体を冷却する。加圧熱水処理装置4’を加熱することにより冷却された処理流体は、減圧弁12で減圧し、気液分離器13で二酸化炭素と水に分離して排出すればよい。図3に示したような、加圧熱水処理装置を熱交換器型とすることにより、処理流体の廃熱を有効に利用することができ、熱エネルギーに要するコストを低減することができる。
【0041】
【実施例】
実施例1
図3に示したような超臨界水酸化分解処理装置を用いて、クロロベンゼンを分解処理した。
【0042】
中和剤は水酸化ナトリウムを用い、酸化剤は空気を使用した。クロロベンゼン、水酸化ナトリウム、空気、水の供給量を表1に示す。
【0043】
【表1】
Figure 0003816218
【0044】
クロロベンゼン、水および水酸化ナトリウムは、2重管構造の加圧熱水処理装置中350℃、22MPaで処理した。加圧熱水処理装置内での滞留時間は30分であった。加圧熱水処理装置から出てくる中和処理物の一部(1L/min)を取り出し、冷却して、pHを測定した。このpHが適正値(pH4〜9)を外れた場合には、FICにより中和剤供給ポンプの流量をコントロールし、水酸化ナトリウム水溶液の添加量を増減して中和反応を制御した。中和処理物は、ベッセル型反応器へ加圧ポンプを介して導入し、600℃、25MPaの臨界条件で、超臨界水酸化分解を行った。ベッセル型反応器の下部から水を導入して100℃に温度を下げ、亜臨界領域を形成し、超臨界領域で析出した塩を、亜臨界領域の水に溶解し、塩含有排水として排出した。処理流体は、2重管構造の加圧熱水処理装置のジャケット部に導入し、加圧熱水処理の加熱用熱源とした。
【0045】
超臨界水酸化分解処理後の処理流体の性状を分析したところ、TOC<0.1ppm、クロロベンゼン<1ppb、pH=4.6(分解生成物の炭酸ガスが溶解しているため弱酸性となる)であった。
【0046】
上記結果から明らかなように、本発明は、ハロゲン原子を含有するクロロベンゼンを、完全に分解することができ、中和の制御も容易であった。また、前段においてクロロベンゼンの脱クロル化および中和を行っているため、中和に必要な理論量の中和剤とほぼ同量の中和剤の使用で長時間連続運転を行っても、Ni合金性のベッセル型反応器内は腐食されず、Ni合金構成元素であるNi,Cr,Fe等は処理液中(ライン8)に含まれなかった。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、超臨界水酸化分解の前段の炭酸ガスが存在しない系で脱ハロゲンおよび/または脱硫と中和を行うため、炭酸ガスによる緩衝作用を受けずに中和を行えるため、中和効率が向上し、反応器の腐食を抑制できる。
【0048】
さらに、酸性イオンを中和した後超臨界水酸化分解処理を行うため、反応器が腐食されることがないため、反応器交換に伴うランニングコストを低減することができる。
【0049】
また、前段における中和処理後の中和処理物のpHを測定して制御するため、中和剤供給位置とpH測定位置が短くなり、炭酸ガスによる緩衝作用を受けないので、中和剤の使用量を削減することができると共に、リアルタイムでpHをフィードバック制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超臨界水酸化分解処理装置の第1の実施形態を示すブロック図。
【図2】本発明の超臨界水酸化分解処理装置の第2の実施形態を示すブロック図。
【図3】本発明の超臨界水酸化分解処理装置の第3の実施形態を示すブロック図。
【図4】従来の超臨界水酸化分解処理装置を示すブロック図。
【符号の説明】
4 加圧熱水処理装置
5 加圧ポンプ
7 ベッセル型反応器
11 冷却器
12 減圧弁
13 気液分離器
14 冷却器
15 pH計
16 FIC
17 中和剤供給ポンプ

Claims (5)

  1. ハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物を20〜40MPaおよび200〜650℃の水熱反応により脱ハロゲンおよび/または脱硫し、中和した後に、超臨界水酸化分解することを特徴とするハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の分解処理方法。
  2. 中和した処理物のpHを測定し、測定したpHに応じて、中和剤供給量をフィードバック制御することを特徴とする請求項1に記載のハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の分解処理方法。
  3. 水の超臨界状態において被処理物を酸化分解する反応器と、超臨界水酸化分解処理物を排出する手段とを備えた超臨界水酸化分解処理装置であって、20〜40MPaおよび200〜650℃の水熱反応によりハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物を脱ハロゲンおよび/または脱硫する加圧熱水処理手段と、脱ハロゲンおよび/または脱硫された処理物を中和する中和手段と、中和処理物を反応器に加圧供給する加圧供給手段とを設けたことを特徴とするハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の超臨界水酸化分解処理装置。
  4. 中和手段と反応器の間に、pHを測定するpH測定手段を設け、pH測定手段により測定された中和処理物のpHに基づいて中和手段の中和剤添加量をフィードバック制御するフィードバック制御手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載のハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の超臨界水酸化分解処理装置。
  5. 請求項3または請求項4に記載のハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の超臨界水酸化分解処理装置において、加圧熱水処理手段に熱交換手段を設け、超臨界水酸化分解された高温の処理流体を該加圧熱水処理手段の熱交換手段に導入する手段を設けたことを特徴とするハロゲン原子および/または硫黄原子を含む有機化合物の超臨界水酸化分解処理装置。
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