JPH1016496A - 転写シート - Google Patents

転写シート

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JPH1016496A
JPH1016496A JP18657196A JP18657196A JPH1016496A JP H1016496 A JPH1016496 A JP H1016496A JP 18657196 A JP18657196 A JP 18657196A JP 18657196 A JP18657196 A JP 18657196A JP H1016496 A JPH1016496 A JP H1016496A
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JP18657196A
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Kazuhiro Suga
和宏 須賀
Kazuhisa Kobayashi
和久 小林
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の、透明樹脂層を絵柄層の上に塗布して
装飾を施した被装飾成形品においては、透明樹脂層塗工
後に成形する場合は該透明樹脂層を薄くすれば塗装感が
得られず、逆に厚くしようとすれば特殊な塗工設備が必
要で且つ生産効率が悪いのと共に成形時に塗膜の割れが
発生するという問題があり、また成形後に透明樹脂層を
塗工する場合は透明樹脂層を薄くすれば塗装感が得られ
ず、逆に厚くしようとすれば生産効率が悪いのと共に成
形品形状に制約があるという問題があり、いずれの場合
も、優れた塗装感を有ししかも塗膜の割れのない被装飾
成形品を生産効率良く得ることはできず、このような成
形品はなかった。 【解決手段】 少なくとも、離型性を有する基材2、剥
離層3、透明層4、絵柄層7、接着剤層8がこの順で設
けられ、透明層4が、剥離層3側に配された樹脂9から
なり前記剥離層3よりも屈折率が大きい第1透明層と、
樹脂10からなり前記第1透明層よりは屈折率が大きい
第2透明層とからなる転写シート1を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は転写シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、表面に絵柄等の模様を有する塗装
を施した成形品、例えば自転車外装・内装部品、家具、
家具用化粧板、化粧品ケース等、を得るためには、成形
前の平坦な状態の被塗装物表面に設けた絵柄層の上に透
明樹脂を厚く塗工する必要があり、通常、透明樹脂層の
厚みは200μm以上必要であった。しかし、この方法
では透明樹脂を厚塗りするために必要な機能を備えた特
別のコーター設備が必要であり設備コストがかかるのみ
ならず、厚塗りに適した塗工条件範囲が狭くそのための
機能の維持管理に多大な労力とコストを要していた。ま
た厚塗りであるために乾燥が不充分となりがちであり、
逆に充分な乾燥を行なおうとすれば長時間を要して生産
効率を低下させるという問題があった。
【0003】更に、塗装が厚いので、これを所望の形状
に成形しようとすれば塗膜が割れる等の不具合が発生す
るという問題があった。塗膜の割れが起こらない限界の
厚みは、最大でも20μm程度であり、それを超えると
割れが生じる。
【0004】これに対し、成形前には絵柄層のみ或いは
絵柄層と成形時に割れない程度の薄い透明樹脂層を設け
ておき、成形後に、成形品の表面に厚く透明樹脂層の塗
装を施す方法が考えられるが、絵柄層の形成、成形、透
明樹脂層の形成というように、成形・塗装を交互に行な
うために工程数が増加して生産効率が悪いという問題
と、最終塗装の前に成形工程が入り成形品表面にゴミや
埃等が付着するため、最終塗装前に成形品表面の洗浄が
必要となり、更に生産効率を低下させるという問題を有
していた。
【0005】更に、成形後の成形品表面に透明樹脂を塗
装するに当っては、ディップコーティング方式やフロー
コーティング方式などしか用いられないが、しかしそれ
らの方法でも気泡、液ダレ、液ダマリが生じないように
するために塗装液からの成形品の引き上げ速度や成形品
形状に制約があり、成形品形状によっては均一な塗装が
全く行なえない場合があったり、或いは比較的均一に塗
装できるにしても引き上げ速度を極めて遅くしなければ
ならない等のように生産効率を著しく低下させる場合も
あった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一方、成形品の表面に
意匠性を付与する手段として、成形前の平坦な状態の被
成形品表面に、転写シートを用いて絵柄を転写するとい
う方法も考えられる。このようにすれば成形品形状に制
約されることはない。また転写シートを用いて転写する
場合には、塗装後に成形するものではなく、その都度、
塗装−乾燥−成形という順序で各工程を経るものではな
いから、乾燥に要する時間の効率的な配分を考えなくて
済み、結果的には生産効率を著しく向上させることがで
きる。また転写シートの絵柄層の表面側を構成する透明
樹脂層を厚くすれば塗装感を出すことは可能である。
【0007】しかし、塗装感を出すために透明樹脂層を
厚くすれば、やはり、転写シートを転写した後の被成形
品を所望の形状に成形する時に塗膜が割れるという問題
が生じ、結局、成形品形状に制約されずに、塗装感のあ
る意匠を、良好な塗装状態で生産効率良く表面に付与さ
れた成形品を得ることは不可能であった。
【0008】そこで本発明者らは、成形に当っても割れ
が生じない程度に透明層の膜厚を薄くしても充分な塗装
感が得られる転写シートを得るため鋭意研究した結果、
ついに本発明を完成するに至った。即ち、本発明は上記
従来技術の欠点を解消し、成形品形状に制約されずに、
塗装感のある意匠を、比較的均一な膜厚で生産効率良く
付与された成形品を得ることのできる転写シートを提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)少なく
とも、離型性を有する基材、剥離層、透明層、絵柄層、
接着剤層がこの順で設けられた転写シートにおいて、前
記透明層が、剥離層側から屈折率が順次大きくなるよう
に複数の透明層が配されてなるものであると共に、剥離
層よりも屈折率が高く構成されていることを特徴とする
転写シート、(2)透明層が、剥離層側から第1透明
層、第2透明層・・・第n透明層(但し、nは正の整
数)で構成される場合において、前記各層の屈折率をN
nで表わす時、前記各層の屈折率の関係がN1 <N2
・・・<Nnを満足することを特徴とする上記(1)記
載の転写シート、(3)透明層が、剥離層側から第1透
明層、第2透明層・・・第n透明層(但し、nは正の整
数)で構成される場合において、前記各層の屈折率をN
nで表わす時、透明層N1 と透明層Nnの各屈折率が、
1 <1.55、Nn>1.6を満足することを特徴と
する上記(1)又は(2)記載の転写シート(4)剥離
層と透明層とを合わせた合計膜厚が20μm以下である
ことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載
の転写シート、(5)剥離層が多官能型電離放射線硬化
型樹脂を含有するものであることを特徴とする上記
(1)〜(4)のいずれかに記載の転写シートを要旨と
する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を用いて詳細
に説明する。図1は本発明の転写シートの一例を示す厚
み方向断面図であり、図中、1は転写シート、2は基
材、3は剥離層、4は透明層、5,6はそれぞれ透明層
4を構成する第1透明層,第2透明層、7は絵柄層、8
は接着剤層をそれぞれ表わす。9、10は各々第1透明
層、第2透明層を構成する樹脂である。
【0011】基材2としては、例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカー
ボネート、ボリスチレン、ボリ塩化ビニル、トリアセチ
ルセルロース、ボリアミド等からなる樹脂系フィルムま
たはシート等を用いることができ、厚みは9〜100μ
m、好ましくは16〜50μmである。尚、厚みが16
μm未満であると強度不足となり易いと共に表面が柚子
肌状になり易く平滑性不足となり易い。また50μmを
超えると、インモールド転写には使用可能であるが、ロ
ール転写では熱の伝導が悪く転写不良の原因となり易
い。基材2としてはそれ自体が離型性を有するものが好
ましく、後述する離型層を設けない場合には、基材2と
してはそれ自体が離型性を有している必要がある。
【0012】剥離層3は、耐摩耗性、透明性を考慮する
とアクリル樹脂が好ましい。更に耐摩耗性を向上させる
ために多官能電離放射線硬化形樹脂を含有させることが
好ましい。多官能電離放射線硬化形樹脂を含有させる場
合、好ましい含有量はアクリル樹脂に対して20〜20
0重量%である。20重量%を下回ると架橋性に乏しく
表面における耐摩耗性の向上効果が小さく多官能電離放
射線硬化形樹脂を含有させた意味があまりない。200
重量%を超えると架橋性が多すぎて成形時の伸びが乏し
く、破壊する危険が出てくる。またタック性が生じ易く
なりハンドリングに支障をきたし易くなる。
【0013】剥離層3の膜厚は2〜20μm、好ましく
は2〜10μmであり、該剥離層3と後述する透明層4
とを合わせた膜厚は20μm以下であることが好まし
い。
【0014】剥離層3は、グラビア印刷、ロールコー
ト、スクリーン印刷等、公知の手段により設けることが
できる。
【0015】透明層4は剥離層3側の第1透明層5と絵
柄層7側の第2透明層6とから構成されており、第1透
明層5及び第2透明層6は、各々、透明な樹脂9,10
で構成されている。
【0016】第1透明層5、第2透明層6を構成する各
樹脂9,10としてはアクリル、塩化ビニル、酢酸ビニ
ル、ポリエステル、ウレタン等の単独或いはそれらの共
重合樹脂が好ましい。尚、樹脂9と10とは、同種のも
のでもよく、また異種のものでもよい。
【0017】最終的に、透明層4は、剥離層3よりも屈
折率が高くなるように構成される。透明層4が複数の透
明層から構成される場合は、その各透明層の各々がいず
れも剥離層3よりも屈折率が高くなるように構成され
る。
【0018】透明層4を以上のように構成すれば、各層
間の界面で光の反射が発生する。各層間の界面での反射
は、絵柄を観察する人の視点をボヤかす効果があり、こ
の効果による視点のボケが塗装感を生ぜしめるのに大き
く寄与する。その結果、透明層の下にある絵柄層の絵柄
は見る人にボケて、いかにも塗装感のあるように見える
という訳である。
【0019】尚、屈折率を剥離層3より順次低下させ
て、剥離層3との界面での反射を起こさせる方法や、光
路長を長くする方法も考えられるが、同様の塗装感を得
るためにはより厚膜にする必要があり、経済的に不利で
ある。
【0020】本発明においては、透明層が、剥離層側か
ら第1透明層、第2透明層・・・第n透明層(但し、n
は正の整数)で構成される場合において、前記各層の屈
折率をNnで表わす時、前記各層の屈折率の関係がN1
<N2 <・・・<Nnを満足するように構成されている
のが好ましい。この様に、透明層を構成する各層の屈折
率が剥離層側から順に大きくなるように各層が配されて
設けられている場合は、透明層の各層が順次積層される
度に屈折率が増加する。そしてそれにより、各透明層間
の界面での反射は、各層を光が通り抜けていく度に助長
され、確実に反射光の強度を増す。そのため、最終的に
得られる反射光は極めて強いものとなり、透過光と反射
光とのバランスの関係で、絵柄層の絵柄をより一層、ボ
ケさせることとなり、一層優れた塗装感を現出させるこ
とができる。
【0021】更に、透明層が、剥離層側から第1透明
層、第2透明層・・・第n透明層(但し、nは正の整
数)で構成される場合において、前記各層の屈折率をN
nで表わす時、透明層N1 と透明層Nnの各屈折率が、
1 <1.55、Nn>1.6を満足するものである場
合は、反射の程度が大きいため、同じ層間界面を通り抜
けてくる反射光で比較した場合、より強い反射光が得ら
れる。そのため、同じ厚みの同じ数の層で構成された透
明層と比較して、絵柄層の絵柄をより一層、ボケさせる
こととなり、一層優れた塗装感を現出させることができ
る。
【0022】透明層4を構成する第1透明層5と第2透
明層6の膜厚は各々、2〜20μm、好ましくは3〜1
0μmであり、透明層4と剥離層3とを合わせた合計膜
厚は20μm以下であるのが好ましい。
【0023】透明層4は、グラビア印刷、ロールコー
ト、スクリーン印刷等の手段により設けることができ
る。
【0024】絵柄層7は、顔料、染料によって着色され
たインキバインダーとしてアクリル、塩化ビニル、酢酸
ビニル、ポリエステルより選択される1種又は2種以上
の樹脂によって構成される。絵柄層7は、グラビア印
刷、スクリーン印刷、オフセット印刷等、公知の手段に
より設けることができる。
【0025】絵柄層7には、特に図示しないが、必要に
応じて蒸着層、帯電防止層、赤外線遮断層、隠蔽層等の
いずれか或いは任意の複数層を設けることもできる。
【0026】接着剤層8は、アクリル、スチレン、塩化
ビニル、酢酸ビニル、ポリエステル、塩素化ポリプロピ
レン、塩素化ゴム等からなる感熱接着剤によって構成さ
れる。接着剤層8は公知の塗工手段を用いて設けること
ができる。
【0027】本発明においては、特に図示しないが、剥
離層と透明層との間に、必要に応じて離型層を設けるこ
ともできる。離型層はメラミン、シリコン、フッ素、ア
クリル系熱硬化樹脂の単独または混合物により形成され
る。上記樹脂にシリコン、フッ素、ポリエステル、ポリ
エチレン等の添加剤を加えて剥離強度を調整することも
可能である。
【0028】
【実施例】次に、具体的な実施例を挙げて本発明を更に
詳細に発明する。 実施例、比較例 下記表1乃至表3に示す基材上に、表1〜表3に示す剥
離層をグラビアコートした後乾燥し、表1〜表3に示す
第1透明層をグラビアコートした後乾燥し、次いで表1
〜表3に示す第2透明層をグラビアコートした後乾燥
し、表1〜表3に示す絵柄層をグラビア印刷した後乾燥
し、更に表1〜表3に示す接着剤層をグラビアコートし
た後乾燥して、実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例
3の転写シートを得た。尚、実施例2については全ての
層を積層した後、EB(175kV、6Mrad)を照
射して剥離層を電離放射線硬化させた。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3
で得た転写シートを用いABS樹脂基材にロール転写に
より剥離層〜接着剤層までの転写層を転写して、下記表
4に示す各種物性の評価を行なった。各物性の評価方法
については以下に示す通りである。
【0033】塗装感について パネラー10人によって塗装感の程度を評価した。実施
例1〜3、比較例1〜3の計6個のサンプルを並べ、比
較例2を基準として他のサンプルの該基準に対する塗装
感を評価した。
【0034】延伸性について 実施例、比較例の転写シートからサンプルを採り、強伸
度試験機を用いて常温にて20mm/minの速度で延
伸し、転写層にクラックが発生した時の伸びをレコーダ
ーに記録してこの値を示した。数値の大きい方が延伸性
に優れる。
【0035】箔もち性について 10cm角大に切り取った箔を、2つ折りにした後元の
大きさに拡げる操作を計8回繰り返し、その際にこぼれ
る箔の量及び基材フィルムより浮いた箔の量の多少によ
って評価した。こぼれる箔の量の少ないもの及び箔浮き
の量の少ないものを良好とし、それ以外のものはその状
態を示した。
【0036】また、転写層転写後のABS樹脂基材を図
2に示す形状(化粧品用コンパクトの蓋部分の形状)に
成形して、転写層の割れについて調べた。図2において
(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図であ
る。11はABS樹脂基材、12は転写層をそれぞれ表
わす。これらの試験結果及びそれらを総合した総合評価
を表4に併せて示す。総合評価の欄の◎は特に優れてい
るもの、○は優れているもの、×は劣るものを示す。
【0037】
【表4】
【0038】表4より、実施例1〜実施例3に示す本発
明の転写シートは、比較例1〜比較例3に示す従来の転
写シートと比較して、成形後も転写層が割れることな
く、優れた塗装感を現出できることが判る。尚、その他
の物性において本発明の転写シートは従来の転写シート
と比べて同等以上の物性を有することが判る。
【0039】また、比較例の転写シートは、透明層の膜
厚を75μmとした時、塗装感において劣ると共に成形
時に割れも生じ(比較例3)、透明層の膜厚がそれを下
回ると塗装感において劣り(比較例2)、またそれを上
回ると成形時の透明層の塗膜割れは助長される(比較例
1)から、比較例においては塗膜の割れも生じず塗装感
も得られるという適当な膜厚が存在しないことが判る。
【0040】本発明転写シートは、化粧品用コンパクト
ケース及びその蓋、家具、自動車外装・内装部品、家具
用化粧板等に好適に利用され得る。特に、現在塗装を行
なっている家具、家具用化粧板等の用途に利用した場合
は、転写によってより優れた塗装感が得られるという効
果がある。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の転写シー
トは、少なくとも、離型性を有する基材、剥離層、透明
層、絵柄層、接着剤層がこの順で設けられた転写シート
において、前記透明層が、剥離層側から屈折率が順次大
きくなるように複数の透明層が配されてなるものである
と共に、剥離層よりも屈折率が高く構成されているの
で、透明層を構成する複数の透明層の屈折率の差によ
り、各透明層間の界面で光の反射が発生する。該光の反
射は、絵柄を観察する人の視点をボヤかす効果があり、
これにより優れた塗装感を生ぜしめる。
【0042】従って、本発明の転写シートは透明層の膜
厚が薄くても充分に塗装感のある転写層を有するものと
することができる。そのため、塗装感を得るために透明
層の膜厚を厚くする必要がない。薄い膜厚で充分な塗装
感が得られるから、成形前の被成形品に転写した後該比
成形品を所望の形状に成形しても塗膜の割れ等の不具合
が生じることがなく、塗装感に優れ且つ外観良好な擬似
塗装成形品が得られるという効果を奏する。
【0043】また、厚い塗装により塗装感を現出させる
のではないので、厚い塗装を行なうために必要な特殊設
備の必要がなく、また成形後の成形品に塗装を行なう場
合のような特殊な塗装設備や塗装条件の管理が不要であ
り、設備コスト、条件管理などに伴う労務コストを大幅
に削減できる。更に塗装−成形−塗装というような繰り
返しの工程を要しないので、塗膜乾燥が工程間に入って
結果的にロスタイムを生じるようなことがなく、生産効
率において優れているという利点がある。
【0044】更に、インモールド転写等の手段を用いれ
ば、成形と転写を同時に行なうことができるので、成形
品毎に、塗装−乾燥−成形を行なわなければならない従
来技術と比較して、途中で乾燥工程が入ることによる工
程時間配分の煩雑さ、及びそれによるロスタイム発生の
虞れがなく、優れた生産効率を実現することが可能であ
るという効果を奏する。
【0045】また、上記の転写シートにおいて、透明層
が、複数の透明層で構成される時、前記各層の屈折率が
剥離層側から順に大きくなるように構成されている場合
は、透明層が順次積層される度に屈折率が増加するの
で、各層間の界面での反射が確実に助長され、最終的に
強い反射が得られる。そのため、絵柄を観察する人の視
点をボカす効果が強く、より一層優れた塗装感が得られ
るという効果を奏する。
【0046】また、上記したいずれの転写シートにおい
ても、透明層が、複数の透明層で構成される場合におい
て、最も剥離層側の透明層の屈折率をN1 、最も絵柄層
側の透明層の屈折率をNnとした時、N1 <1.55、
Nn>1.6を満足するものである場合は、透明層を構
成する各層間のそれぞれの界面での反射が強く得られ
る。従って、前記した優れた塗装感が得られるという効
果が、より一層顕著に得られるという効果を奏する。
【0047】また、上記の転写シートにおいて、剥離層
と透明層とを合わせた合計膜厚が20μm以下である場
合は、成形前の被成形品に転写した後に被成形品を成形
する場合、曲げ部分のおおくなる形状に成形しても塗膜
の割れ等の不具合が生じず、成形の自由度を高くするこ
とができる。而して、転写層の割れのない外観に優れた
所望の形状の成形品を得ることができるという効果を奏
する。
【0048】また、上記の転写シートにおいて、剥離層
が、多官能型電離放射線硬化型樹脂を含有するものであ
る場合は、耐摩耗性や耐スチールウール性、耐スクラッ
チ性等の物性に優れ、繰り返し摩擦や引っ掻きを受けて
も傷つきにくいという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明転写シートの例を示す厚み方向断面図で
ある。
【図2】具体的実施例において転写シート転写後のAB
S樹脂基材の成形形状を示す図である。
【符号の説明】
1 転写シート 2 基材 3 剥離層 4 透明層 5 第1透明層 6 第2透明層 7 絵柄層 8 接着剤層 9 第1透明層の構成樹脂 10 第2透明層の構成樹脂

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、離型性を有する基材、剥離
    層、透明層、絵柄層、接着剤層がこの順で設けられた転
    写シートにおいて、前記透明層が、剥離層側から屈折率
    が順次大きくなるように複数の透明層が配されてなるも
    のであると共に、剥離層よりも屈折率が高く構成されて
    いることを特徴とする転写シート。
  2. 【請求項2】 透明層が、剥離層側から第1透明層、第
    2透明層・・・第n透明層(但し、nは正の整数)で構
    成される場合において、前記各層の屈折率をNnで表わ
    す時、前記各層の屈折率の関係がN1 <N2 <・・・<
    Nnを満足することを特徴とする請求項1記載の転写シ
    ート。
  3. 【請求項3】 透明層が、剥離層側から第1透明層、第
    2透明層・・・第n透明層(但し、nは正の整数)で構
    成される場合において、前記各層の屈折率をNnで表わ
    す時、透明層N1 と透明層Nnの各屈折率が、N1
    1.55、Nn>1.6を満足することを特徴とする請
    求項1又は2記載の転写シート。
  4. 【請求項4】 剥離層と透明層とを合わせた合計膜厚が
    20μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれかに記載の転写シート。
  5. 【請求項5】 剥離層が多官能型電離放射線硬化型樹脂
    を含有するものであることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の転写シート。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006347097A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Dainippon Printing Co Ltd 転写方法
EP3187068A4 (en) * 2014-09-26 2018-04-25 Pum-Tech Korea Co., Ltd Decorative plate formed on lid of compact case, and method for producing same

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