JPH10163028A - 積層コイル装置 - Google Patents

積層コイル装置

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JPH10163028A
JPH10163028A JP31521296A JP31521296A JPH10163028A JP H10163028 A JPH10163028 A JP H10163028A JP 31521296 A JP31521296 A JP 31521296A JP 31521296 A JP31521296 A JP 31521296A JP H10163028 A JPH10163028 A JP H10163028A
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coils
print
coil
coil device
laminated
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JP31521296A
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English (en)
Inventor
Seiichi Takahashi
清一 高橋
Koji Kitamura
恒治 北村
Koji Nishi
晃司 西
Takayoshi Nishiyama
隆芳 西山
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、コイル特性の指標であるQ値の
高い積層コイル装置の提供を目的とする。 【解決手段】 複数のプリントコイルが直列接続され
た直列回路を複数有し、複数の直列回路の両端は並列に
共通接続される。複数の直列回路のプリントコイルは、
一方の共通端側から数えて同じ接続順のプリントコイル
同志が同一形状に形成して重ね合わされ、ブロックが形
成される。さらに、このブロックは順次重ね合わされ
て、一体に形成される。このような構造に形成した結
果、上下層のプリントコイル間の電位差は、零またはほ
ぼ一定となり、上下層のプリントコイル層間には寄生容
量が発生しないし、発生したとしても僅かの量で、その
影響はごく小さなものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層コイル装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化をはかるため、
電子回路を構成する電子部品の高密度化が飛躍的に進ん
でおり、インダクタ等のコイル部品についても低背化・
小型化が望まれている。このため、絶縁基板の表裏両面
あるいは片面に形成されたプリントコイルを、絶縁層を
介して複数積層して形成した積層コイル装置が種々開発
されている。
【0003】例えばDC−DCコンバ−タ等に使用され
るインダクタには、大きな電流が流れる。従って、積層
コイル装置をこのようなインダクタとして使用する場合
には、大きな電流容量が必要とされる。このため、図5
に示すように、プリントコイル1A、1Bとが直列接続
された第一の直列回路1と、プリントコイル2A、2B
とが直列接続された第二の直列回路2とを並列に接続し
た積層コイル装置が用いられる。なお、プリントコイル
1A、1B、2A、2Bのタ−ン数および形状等は、コ
イル部品の特性に応じて定められる。
【0004】図6および図7を用いて、第一の直列回路
1と第二の直列回路2とが並列に接続された積層コイル
装置について具体的に説明する。なお、図6は、積層コ
イル装置の断面図であり、図7は、第一の直列回路1と
第二の直列回路2とを構成するプリントコイルを模式的
に示す斜視図である。
【0005】積層コイル装置は、絶縁基板3、4と、プ
リントコイル1A、1B、2A、2Bと、絶縁層5とか
ら構成される。絶縁基板3、4は、例えば厚さ100μ
m程度のガラス布基材にエポキシ樹脂を含浸させた薄板
である。プリントコイル1A、1B、2A、2Bは、例
えば厚さ35〜70μm位の銅箔で形成された渦巻き状
のコイルである。絶縁層5は、ガラス布基材を内包して
硬化したエポキシ樹脂である。
【0006】絶縁基板3の表裏両面には、プリントコイ
ル1Aと1Bとが対向して形成される。プリントコイル
1A、1Bの中心側端部は、スル−ホ−ル6を介して電
気的に接続される。また、プリントコイル1A、1Bに
流れる電流I1によって発生する磁束F1、F2の方向
が同じとなるように、プリントコイル1A、1Bはそれ
ぞれ逆向の渦巻き状に形成される。
【0007】絶縁基板4の表裏両面には、絶縁基板3と
同様に、プリントコイル2Aと2Bとが対向して形成さ
れる。プリントコイル2A、2Bの中心側端部は、スル
−ホ−ル7を介して電気的に接続される。なお、プリン
トコイル2Aはプリントコイル1Aと同方向の渦巻き状
に形成され、プリントコイル2Bはプリントコイル1B
と同方向の渦巻き状に形成される。
【0008】絶縁基板3、4は、プリントコイル1B、
2Aが対向するように絶縁層5を介して一体に積層さ
れ、プリントコイル1Aと2Aの外周側端部はスル−ホ
−ル8を介して電気的に接続され、また、プリントコイ
ル1Bと2Bの外周側端部はスル−ホ−ル9を介して電
気的に接続される。
【0009】この結果、積層コイル装置を構成するプリ
ントコイルは、プリントコイル1A、プリントコイル1
B、プリントコイル2A、プリントコイル2Bの順番に
積層される。なお、プリントコイル1A、1B、1C、
1Dを流れる電流によって発生する磁束は、プリントコ
イルの中心側に集中する。
【0010】次に、図8を用いて、第一の直列回路1と
第二の直列回路2とが並列接続された積層コイル装置の
製造方法を概略説明する。
【0011】絶縁基板3の表裏両面に積層された銅箔を
エッチングすることにより、渦巻き状のプリントコイル
1A、1Bが形成される。この後、絶縁基板3に貫通孔
が形成され、この後、貫通孔の内壁に銅メッキ処理が施
されてスル−ホ−ル6が形成される。絶縁基板4には、
絶縁基板3と同様に、プリントコイル2A、2Bと、ス
ル−ホ−ル7が形成される。
【0012】絶縁基板3、4は、プリントコイル1Bと
2Aとが対向するようにプリプレグ10を介して積み重
ねられる。プリプレグ10は、ガラス布基材にエポキシ
樹脂を含浸させ半硬化状態にした薄いシ−トである。
【0013】積み重ねられた絶縁基板3、4とプリプレ
グ10は、積層方向に加圧されるとともに全体が加熱さ
れる。この結果、加熱硬化性の特徴を有するエポキシ樹
脂は一旦溶融した後に硬化し、絶縁基板3、4は相互に
接着される。
【0014】この後、絶縁基板3、4と絶縁層5とから
なる積層体にスル−ホ−ル8、9が形成される。スル−
ホ−ル8、9は、スル−ホ−ル6、7と同様に形成され
る。この結果、積層コイル装置が形成される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プリン
トコイルを直列に接続するスル−ホ−ルは、長さが短い
方が製造しやすい。従って、厚みの薄い絶縁基板の表裏
両面にプリントコイルを形成した後、絶縁基板にスル−
ホ−ルを形成して表裏両面に形成されたプリントコイル
を直列接続するのが一般的であった。また、直列接続さ
れたプリントコイルの間には、電圧降下による電位差が
生じる。この結果、直列接続されたプリントコイルは薄
い絶縁基板の両側に形成された対向電極の働きをし、両
者の間には寄生容量が発生する。このため、寄生容量に
電荷が充放電されるので、コイル特性の指標であるコイ
ルの実効抵抗とリアクタンスの比の逆数であるQ値が低
くなり、積層コイル装置の特性が悪化するという問題が
あった。
【0016】そこで、本発明は、上記問題を解決した積
層コイル装置の提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の積層コイル装置
は、上記目的を達成するために次のように構成される。
すなわち、第一に、複数のプリントコイルを積層して構
成した積層コイル装置において、プリントコイルの半径
方向の電位差の傾度が一定となるように前記複数のプリ
ントコイルを一体に積層したものである。
【0018】上下層のプリントコイル間の電位差の傾度
を一定としたので、両者間の電位差は、プリントコイル
の接続に応じて零またはほぼ一定となり、上下層のプリ
ントコイル間には寄生容量が発生しないか、発生したと
しても僅かの量で、その影響はごく小さなものとなる。
【0019】第二に、複数のプリントコイルが直列接続
された直列回路を複数有し、該複数の直列回路の両端は
共通接続されるとともに該複数の直列回路のプリントコ
イルが積層されて配置されている積層コイル装置におい
て、前記複数の直列回路のプリントコイルは、一方の共
通接続端側から数えて同じ接続順のプリントコイル同志
を同一形状に形成に形成して重ね合わせ、さらにこのブ
ロックを順次重ね合わせて一体に形成したものである。
【0020】積層された各プリントコイルに流れる電流
の向きは同じである。このため、プリントコイルを流れ
る電流によって発生する磁束は、プリントコイルの中心
側に集中する。また、各プリントコイルにおける電圧降
下の割合は等しくなる。このため、一方の共通接続端側
から数えて同じ接続順のプリントコイルの間における電
位差はほぼ零となり、上下層のプリントコイル間には寄
生容量が発生しないか、発生したとしてもその影響はご
く小さなものとなる。また、前の接続順のプリントコイ
ルと、次の接続順のプリントコイル間には、プリントコ
イルの接続の仕方によって電位差が生じるが、積層コイ
ル装置全体としては寄生容量は小さなものとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1および図2を用いて、本発明
に係る第一の積層コイル装置について説明する。なお、
従来例と同じ構成部分は同じ番号を用いて説明する。
【0022】本発明に係る第一の積層コイル装置と、従
来の積層コイル装置との差異は、積層コイル装置を構成
するプリントコイルの積層順序にある。
【0023】第一の積層コイル装置は、プリントコイル
1A、1Bとが直列接続された第一の直列回路1と、プ
リントコイル2A、2Bとが直列接続された第二の直列
回路2とから構成される。プリントコイル1A、1B、
2A、2Bは、同一形状、すなわち同じタ−ン数、同じ
パタ−ン幅、同じパタ−ン長に形成される。このため、
プリントコイル1A、1B、2A、2Bの実効抵抗は、
それぞれ等しくなる。第一の直列回路1と第二の直列回
路2は並列に接続される。従って、プリントコイル1
A、1B、2A、2Bには、それぞれ等しい電流I2が
流れる。
【0024】積層コイル装置は、絶縁基板11、12、
13、14と、プリントコイル1A、1B、2A、2B
と、接続パタ−ン15A、15B、15C、15Dと、
絶縁層16とから構成される。絶縁基板11、12、1
3、14は、例えば厚さ100μm程度のガラス布基材
にエポキシ樹脂を含浸させた薄板である。プリントコイ
ル1A、1B、2A、2Bは、例えば厚さ35〜70μ
m位の銅箔で形成された同方向の渦巻き状のコイルであ
る。接続パタ−ン15A、15B、15C、15Dは、
例えば厚さ35〜70μm位の銅箔で形成された直線状
のパタ−ンである。絶縁層16は、ガラス布基材を内包
して硬化したエポキシ樹脂である。
【0025】絶縁基板11の表面にはプリントコイル1
Aが形成され、裏面には接続パタ−ン15Aが形成され
る。プリントコイル1Aおよび接続パタ−ン15Aは、
絶縁基板11の表裏両面に積層された銅箔をエッチング
することにより形成される。プリントコイル1Aの中心
側端部は、絶縁基板11に形成されたスル−ホ−ル17
を介して接続パタ−ン15Aの一端部と電気的に接続さ
れる。この結果、プリントコイル1Aの中心側端部はプ
リントコイル1Aの外周端側に引き出される。同様に、
絶縁基板12の表裏両面には、プリントコイル2Aと接
続パタ−ン15Bが形成される。プリントコイル2Aの
中心側端部は、スル−ホ−ル18を介して接続パタ−ン
15Bの一端部と電気的に接続される。また、絶縁基板
13の表裏両面には、プリントコイル1Bと接続パタ−
ン15Cが形成される。プリントコイル1Bの中心側端
部は、スル−ホ−ル19を介して接続パタ−ン15Cの
一端部と電気的に接続される。さらに、絶縁基板14の
表裏両面には、プリントコイル2Bと接続パタ−ン15
Dが形成される。プリントコイル2Bの中心側端部は、
スル−ホ−ル20を介して接続パタ−ン15Dの一端部
と電気的に接続される。
【0026】プリントコイル1A、2Aの外周側端部
は、スル−ホ−ル21を介して電気的に接続される。同
様に、接続パタ−ン15Aの他端部とプリントコイル1
Bの外周側端部は、スル−ホ−ル22を介して電気的に
接続される。また、接続パタ−ン15Bの他端部とプリ
ントコイル2Bの外周側端部は、スル−ホ−ル23を介
して電気的に接続される。さらに、接続パタ−ン15C
と15Dの他端部は、スル−ホ−ル24を介して電気的
に接続される。なお、スルホ−ル21、22、23、2
4は、例えば絶縁基板11、12、13、14と絶縁層
16とから構成される積層体に貫通孔を形成した後、貫
通孔の内壁に銅メッキ処理を施すことにより形成され
る。
【0027】この結果、第一の積層コイル装置を構成す
るプリントコイルは、プリントコイル1A、プリントコ
イル2A、プリントコイル1B、プリントコイル2Bの
順番に積層される。プリントコイル1A、1B、2A、
2Bは同方向の渦巻き状に形成されるので、電流I2に
よって各プリントコイルに発生する磁束F3は同じ方向
となり、プリントコイルの中心側に集中する。また、プ
リントコイル1A、1B、2A、2Bに電流I2が流れ
た場合、各プリントコイルの電圧降下の割合、すなわち
電位傾度は同じとなる。
【0028】従って、プリントコイル1A、2Aの間、
プリントコイル1B、2Bの間の電位差は零となり、ま
た、プリントコイル2A、1Bの間の電位差はほぼ一定
となる。このため、プリントコイル1A、2Aの間、プ
リントコイル2A、1Bの間、プリントコイル1B、2
Bの間には寄生容量が発生しないし、発生したとしても
ごく僅かなものとなる。従って、積層コイル装置は寄生
容量の影響を受けないし、受けたとしても極めて小さい
ため、コイル特性の指標であるQ値を高く保つことがで
きる。
【0029】上述した第一の積層コイル装置では、二つ
のプリントコイルが直列接続された直列回路を二つ並列
に接続した場合について説明したが、これに限られるこ
とはない。すなわち、三つ以上のプリントコイルが直列
接続された直列回路を三つ以上並列に接続しても良い。
この場合、各直列回路は、同一形状に形成された同数の
プリントコイルから構成される。そして、一方の共通接
続端側から順番に接続された各直列回路のプリントコイ
ルは同じ接続順番同志が上下層となるように重ね合わさ
れてブロックが形成される。さらに前の接続順のブロッ
クと次の接続順のブロックは順次重ね合わされ、一体に
形成される。
【0030】なお、第一の積層コイル装置では、プリン
トコイルの中心側端部を外周端側に引き出さなければな
らないので、絶縁基板の両面にプリントコイルを形成す
ることができない。このため、片面にプリントコイルを
形成した多くの絶縁基板を積層しなければならず、結果
的に第一の積層コイル装置は比較的厚くなる。このた
め、図3および図4を用いて、比較的厚さの薄い第二の
積層コイル装置について説明する。
【0031】本発明に係る第二の積層コイル装置と、従
来の積層コイル装置との差異は、積層コイル装置を構成
するプリントコイルの積層順序にある。
【0032】第二の積層コイル装置は、プリントコイル
1A、1Bとが直列接続された第一の直列回路1と、プ
リントコイル2A、2Bとが直列接続された第二の直列
回路2とから構成される。プリントコイル1A、2A
は、中心からみて反時計方向の渦巻き状の同一の形状、
すなわち同じタ−ン数、同じパタ−ン幅、同じパタ−ン
長に形成される。また、プリントコイル1B、2Bは、
中心からみて時計方向の渦巻き状の同一の形状、すなわ
ち同じタ−ン数、同じパタ−ン幅、同じパタ−ン長に形
成される。このため、プリントコイル1A、1B、2
A、2Bの実効抵抗は、それぞれ等しくなる。第一の直
列回路1と第二の直列回路2は並列に接続される。従っ
て、プリントコイル1A、1B、2A、2Bには、それ
ぞれ等しい電流I3が流れる。
【0033】積層コイル装置は、絶縁基板25、26、
プリントコイル1A、1B、2A、2Bと、絶縁層27
とから構成される。なお、これらは、第一の積層コイル
装置と同じ部材である。
【0034】絶縁基板26の表面にはプリントコイル1
Bが形成され、裏面にはプリントコイル1Bと対向して
プリントコイル2Bが形成される。なお、プリントコイ
ル1B、2Bは、絶縁基板26の表裏両面に積層された
銅箔をエッチングすることにより形成される。
【0035】プリントコイル1A、2Aの中心側端部
は、スル−ホ−ル28を介して電気的に接続される。ま
た、プリントコイル1B、2Bの中心側端部は、スル−
ホ−ル29を介して電気的に接続される。なお、スル−
ホ−ル28、29は、例えば絶縁基板25、26と、絶
縁層27とからなる積層体に形成される。
【0036】この結果、第二の積層コイル装置を構成す
るプリントコイルは、プリントコイル1A、プリントコ
イル2A、プリントコイル1B、プリントコイル2Bの
順番に積層される。プリントコイル1A、2Aは同方向
の渦巻き状に形成されるため、流れる電流I3によって
それぞれに発生する磁束F4、F5は方向が同じとな
る。また、プリントコイル1B、2Bはプリントコイル
1A、2Aと逆方向の渦巻き状に形成されるため、流れ
る電流I3によってそれぞれに発生する磁束F6、F7
の方向は磁束F4、F5と同じとなる。この結果、各プ
リントコイルで発生する磁束は、プリントコイルの中心
側に集中する。
【0037】さらに、プリントコイル1A、1B、2
A、2Bの実効抵抗は等しいため、各プリントコイルに
電流I3が流れた場合、各プリントコイルの電圧降下は
同じとなる。このため、プリントコイル2A、1Bの間
には電位差が生じるが、プリントコイル1A、2Aの
間、およびプリントコイル1B、2Bの間の電位差は零
となる。従って、寄生容量は、プリントコイル2A、1
Bの間には発生するが、プリントコイル1A、2Aの
間、およびプリントコイル1B、2Bの間には発生しな
い。
【0038】一方、プリントコイル1A、1B、2A、
2Bを順番に積層した従来の積層コイル装置では、プリ
ントコイル1A、1Bの間、プリントコイル1B、2A
の間、プリントコイル2A、2Bの間に電位差が生じ、
寄生容量が発生する。従って、第二の積層コイル装置の
寄生容量は、従来の積層コイル装置の寄生容量と比べる
と1/3に低減される。この結果、コイル特性の指標で
あるQ値を比較的高く保つことができる。また、積層コ
イル装置の厚みを比較的薄くすることができ、第一の積
層コイル装置の約1/2となる。
【0039】上述した第二の積層コイル装置では、二つ
のプリントコイルが直列接続された直列回路を二つ並列
に接続した場合について説明したが、これに限られるこ
とはない。すなわち、三つ以上のプリントコイルが直列
接続された直列回路を三つ以上並列に接続しても良い。
この場合、各直列回路を構成するプリントコイルは同数
のプリントコイルから構成されるとともに、接続順ごと
に同一形状に形成される。そして、一方の共通接続端側
から順番に接続された各直列回路のプリントコイルは、
同じ接続順番同志が上下層となるように重ね合わされて
ブロックが形成される。さらに前の接続順のブロックと
次の接続順のブロックは順次重ね合わされ、一体に形成
される。
【0040】なお、本発明に係る積層コイル装置は、イ
ンダクタだけでなく、電流が多く流れるトランスの一次
側コイル、あるいは二次側コイル等としても使用するこ
とができる。
【0041】また、このような積層コイル装置は、コイ
ル部品単体として形成しても良く、抵抗等の他の部品が
実装される多層基板の一部として積層コイル装置を形成
しても良い。
【0042】
【発明の効果】本発明は、上述のような構成であるか
ら、一方の共通接続端側から数えて同じ接続順のプリン
トコイルの間における電位差は零となり、電位差が零で
あるプリントコイルの間にはほとんど寄生容量が発生し
ない。従って、従来の積層コイル装置と比べて寄生容量
が著しく低減される。この結果、コイル特性の指標であ
るQ値を高く保つことができるので、積層コイル装置の
特性が著しく改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第一の積層コイル装置の断面図で
ある。
【図2】本発明に係る第一の積層コイル装置を構成する
プリントコイルの積層状態を模式的に示す斜視図であ
る。
【図3】本発明に係る第二の積層コイル装置の断面図で
ある。
【図4】本発明に係る第二の積層コイル装置を構成する
プリントコイルの積層状態を模式的に示す斜視図であ
る。
【図5】プリントコイルが直列接続された第一の直列回
路と第二の直列回路を、並列に接続した状態を示す回路
図である。
【図6】従来に係る積層コイル装置の断面図である。
【図7】従来に係る積層コイル装置において、例えばプ
リントコイルが四層に積層された場合を模式的に示す斜
視図である。
【図8】従来に係る積層コイル装置の製造方法を説明す
るための斜視図である。
【符号の説明】
1A、1B、2A、2B プリントコイル 11、12、13、14 絶縁基板 15A、15B、15C、15D 接続パタ−ン 16 絶縁層 17、18、19、20、21、22、23、24 ス
ル−ホ−ル
フロントページの続き (72)発明者 西山 隆芳 京都府長岡京市天神二丁目26番10号 株式 会社村田製作所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のプリントコイルを積層して構成し
    た積層コイル装置において、プリントコイルの半径方向
    の電位差の傾度が一定となるように前記複数のプリント
    コイルを一体に積層したことを特徴とする積層コイル装
    置。
  2. 【請求項2】 複数のプリントコイルが直列接続された
    直列回路を複数有し、該複数の直列回路の両端は共通接
    続されるとともに該複数の直列回路のプリントコイルが
    積層されて配置されている積層コイル装置において、前
    記複数の直列回路のプリントコイルは、一方の共通接続
    端側から数えて同じ接続順のプリントコイル同志を同一
    形状に形成して重ね合わせ、さらにこのブロックを順次
    重ね合わせて一体に形成したことを特徴とする積層コイ
    ル装置。
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