JPH10163014A - 希土類永久磁石の製造方法 - Google Patents

希土類永久磁石の製造方法

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JPH10163014A
JPH10163014A JP8319296A JP31929696A JPH10163014A JP H10163014 A JPH10163014 A JP H10163014A JP 8319296 A JP8319296 A JP 8319296A JP 31929696 A JP31929696 A JP 31929696A JP H10163014 A JPH10163014 A JP H10163014A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高い磁気特性を有する異方性希土類永久磁石
の製造方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも希土類元素RE(REはYを
含む希土類元素のうちの1種以上、3種以内であり、少
なくともNdを含む)、TM(TMはFe、Co、Ni、Al、S
i、Ga、Ag、Au、Cu、V、Cr、Mn、Sc、Mo、Ti、W、H
f、Ta、Nb、Zr、Pd、Pt、Zn、Ge、Sb、Sn及びInのうち
の1種以上、5種以下であり、少なくともFeを含む)、
Bを含む3種以上の元素からなり、かつその主相である
Fe金属もしくはFeを含む合金または金属間化合物中にR
2 TM14B相が微細に分散した組織を有する希土類永
久磁石の製造方法において、REを0.01〜1.5 at%固溶
したTM相を原料とし、この相にB元素を拡散させるこ
とによって磁気的異方性及び上記微細に分散した組織を
有する主相を得ることを特徴とする希土類永久磁石の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類永久磁石の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】Nd-Fe-B系焼結希土類磁石は、高い磁気
特性を有し、またSm系磁石に比較して低原料コストであ
ることから需要が増大している。この磁石の組織はNd2F
e14 B化合物相を主相とし、さらにNdリッチ相、Bリッ
チ相を加えた三相からなる。この磁石の磁気的特性は主
相が担っている。低融点Ndリッチ相は液相焼結時の焼結
助剤としてはたらき、また主相表面のクリーニングのた
めに必要不可欠である。さらにより高性能な次世代磁石
の探索が行われている中で、近年、ナノコンポジット磁
石が注目を集めている(E.F.Kneller and R.Hawig,IEEE
Transactions onMagnetics,27(1991)3588 他)。これ
はハード磁性相とソフト磁性相とが数十nmオーダーで微
細分散した組織からなり、両相の磁化が交換相互作用で
結び付くことによってソフト相の磁化は容易に反転せ
ず、全体として単一相のように振る舞う。既存材料の組
み合わせでも、これによって保磁力を損なうことなく、
より高い飽和磁化を得られる可能性がある。計算では、
Sm2Co17N3 /Fe-Co において BHmax=137 MGOeの値が報
告されている(R.Skomski and J.M.D.Coey,Physical Re
view B 48(1993)15812)。これまで実際にNd2Fe14B/Fe
3B(R.Coehoon,D.B.de Mooij,J.P.W.B.Duchateauand K.
H.J.Bushow,Journal de Physique 49(1988)C8-669)
や、Sm2Co17N3 /Fe(J.Ding,P.G.McCormick and R.Str
eet,J.Magn.Magn.Mater.124(1993)L 1)などの組み合わ
せが実験報告されてきた。これらの研究で行われている
微細分散組織の作製方法としては、メルトスパン法やメ
カニカルアロイング(MA)法により得られた合金薄帯
や粉末を熱処理して微結晶化する手段が取られている。
しかしこの方法では、熱処理条件により結晶粒径が制御
できる反面、磁気的に等方性のものしか得られず、異方
性Nd-Fe-B焼結磁石の磁気特性には及ばない。また高温
焼結すると、粒径が粗大化して磁気特性が劣化するため
に、現在のところ、ボンド磁石としての用途しか期待で
きないという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の製造
方法では、Nd-Fe-B系焼結磁石を超える磁気特性を得る
ことは難しい。本発明では従来と異なる方法を用い、磁
気的異方性を有するナノコンポジット組織を作製するこ
とにより、より磁気特性の高い希土類永久磁石を実現す
るものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決するために微細分散析出方法を種々検討した結
果、0.01〜1.5at %のNdを固溶したFe単相を出発原料と
し、この相にB元素を拡散させ、さらにRE2 TM14
相(以下、2-14-1相と記述する)生成反応を行わせるこ
とによって微細分散組織が得られることを見出し、諸条
件を確立して本発明を完成させた。すなわち本発明は、
少なくとも希土類元素RE(REはYを含む希土類元素
のうちの1種以上、3種以内であり、少なくともNdを含
む)、TM(TMはFe、Co、Ni、Al、Si、Ga、Ag、Au、
Cu、V、Cr、Mn、Sc、Mo、Ti、W、Hf、Ta、Nb、Zr、P
d、Pt、Zn、Ge、Sb、Sn及びInのうちの1種以上、5種
以下の元素であり、少なくともFeを含む)、Bを含む3
種以上の元素からなり、かつその主相であるFe金属もし
くはFeを含む合金または金属間化合物中にRE2 TM14
B相が微細に分散した組織を有する希土類永久磁石の製
造方法において、REを0.01〜1.5 at%固溶したTM相
を原料とし、この相にB元素を拡散させることによって
磁気的異方性及び上記微細に分散した組織を有する主相
を得る希土類永久磁石の製造方法である。以下に、これ
をさらに詳述する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、詳細に説
明する。本発明において、その主相は、ソフト磁性相中
に、磁化容易軸が一方向に揃ったハード磁性相が極めて
微細に分散した複合組織からなっている。一般に、母相
中に析出物が微細分散した組織を得るためによく用いら
れるのは、過飽和固溶体の熱処理による析出である。ア
モルファス急冷薄帯やMA粉体からの微結晶化もこの方
法の一種とみなせる。しかしこれらは磁化容易軸が特定
方向に向かないため、等方性のものしか得られない。も
しFeに2-14-1相の固溶域があるならば、Feの過飽和固溶
体から2-14-1相を析出させることも可能であるが、報告
されている状態図(M.Sagawa,S.Hirosawa,H.Yamamoto,
S.Fujimura,and Y.Matsuura,Japanese Journal of Appl
ied Physics,26(1987)785など)から明らかなように2-1
4-1相は殆ど固溶しない。そこで本発明では新たな作製
方法を種々検討した結果、Ndを固溶したFe相を出発材料
とし、この相にB元素を拡散させ、さらに2-14-1相生成
反応を行わせることによって上記微細分散組織が得られ
ることを見出した。
【0006】Fe−Ndの状態図より、Ndは室温でほとんど
Feに溶けないが、935 ℃付近(α−Fe)では 0.8at%程
度まで固溶し、γ−Feではさらに固溶度が拡がることが
分かっている。固溶限以下のNdを含むFe合金を所定温度
保持後に急冷する溶体化処理を行うことによって、過飽
和固溶体を作製することができる。得られた試料はNd原
子とFe原子が均質に存在しているので、Bを均一に拡散
させれば2-14-1相も相内で均一に反応生成する。しかし
2-14-1相とFeとの相互拡散は小さいために、これらの生
成相はほとんど成長することなく数十nm以下の微細なサ
イズで母相中に分散した組織とすることができる。2-14
-1相がハード磁性相、Feがソフト磁性相に対応する。こ
のとき、2-14-1相は母相であるFe相の特定方位に優先析
出する。
【0007】Fe−Nd合金は、磁気特性や相安定性をさら
に向上させたり、Ndの固溶限を広げたりするため、Ndの
一部を希土類元素RE、すなわちYを含むLa、Ce、Pr、
Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuから選
択される1種以上、2種以内、具体的にはPr、Pr-Dy 、
Ce-Dy 、Pr-Tb 、Ce-Tb などで置換してもよい。また、
Feの一部を、Co、Ni、Al、Si、Ga、Ag、Au、Cu、V、C
r、Mn、Sc、Mo、Ti、W、Hf、Ta、Nb、Zr、Pd、Pt、Z
n、Ge、Sb、Sn、及びInから選択される1種以上、4種
以下の元素で置換してもよい。具体的には、例えばFe−
Co、Fe−Ni、Fe−Ti、Fe−Mo、Fe−Co−Al、Fe−Co−S
i、Fe−Co−Ga、Fe−Co−Cu、Fe−Co−V、Fe−Co−C
r、Fe−Co−Mn、Fe−Co−Mo、Fe−Co−W、Fe−Co−T
i、Fe−Co−Hf、Fe−Co−Ta、Fe−Co−Nb、Fe−Co−Z
r、Fe−Co−Ni、Fe−Co−Ti−Al、Fe−Co−Ti−Ga、Fe
−Co−Ti−Si、Fe−Co−Ti−Zr、Fe−Co−Ti−Nb、Fe−
Co−Ti−Hf、Fe−Co−Ti−Ta、Fe−Co−Mo−Al、Fe−Co
−Mo−Ga、Fe−Co−Mo−Si、Fe−Co−Mo−Zr、Fe−Co−
Mo−Nb、Fe−Co−Mo−Hf、Fe−Co−Mo−Ta、Fe−Co−Ti
−Al−Ga、Fe−Co−Ti−Al−Zr、Fe−Co−Ti−Al−Nb、
Fe−Co−Ti−Al−Hf、Fe−Co−Ti−Al−Ta、Fe−Co−Mo
−Al−Ga、Fe−Co−Mo−Al−Zr、Fe−Co−Mo−Al−Nb、
Fe−Co−Mo−Al−Hf、Fe−Co−Mo−Al−Ta、Fe−Co−Ti
−Si−Ga、Fe−Co−Mo−Si−Zrなどの組み合わせが例示
される。このとき形成されるハード相は Nd2Fe14Bに限
定されず、(Nd,Pr)2(Fe,Co)14B、(Nd,Dy)2(Fe,Al)14
B、(Nd,Pr,Dy)2(Fe,Co,Si)14 BなどNd、Feの各々が他
元素で置換され得るし、ソフト相もFeに限らず、 Fe-
B、Fe-Co、 Fe-Ni、Fe-Al、Fe-Si、Fe-Ga、 Fe-Ag、Fe-A
u、 Fe-Cu 、 Fe-V、Fe-Cr、 Fe-Mo 、 Fe-W、Fe-Tiその
他の組み合わせからなるFe基合金や化合物であってよ
い。ただしソフト相の条件として、飽和磁化がハード相
よりも大きいこととする。ソフト相の飽和磁化は大きい
ほど好ましいので、より望ましくは Fe、 Fe-C 、 Fe-B
、 Fe-N、 Fe-Co、 Fe-Al、 Fe-Si などの金属、合金や化
合物である。
【0008】Fe−Nd合金のNd組成、もしくはTM−RE
合金のRE組成は、0.01at%〜1.5at %、より好ましく
は0.5at %〜1.0at %である。これらの範囲よりNd組成
比やRE組成比が低いと、飽和磁化の値は大きくなるも
のの、形成される2-14-1相の体積割合が小さすぎて良好
な交換結合力を示さず、ソフト相が独自のふるまいを示
す。逆にNd組成比やRE組成比が高すぎると、溶体化を
行っても均質な相ができにくくNd2 Fe17金属間化合物相
などの異相を析出したり、飽和磁化の十分な向上が得ら
れなかったりする。仮に出発材料のNdが1at%とし、こ
れがすべて2-14-1相を形成するとしたときの2-14-1相体
積割合は約10%である。
【0009】またBを拡散させたとき、同時にTiB2
MoB、CrB2 などの非磁性第3相が析出する場合もあ
る。これは単位体積あたり磁化を減少させるものの、耐
食性を向上させるなどの効果も考えられ、少量ならば特
に問題ない。このように合金もしくは金属間化合物にB
元素を拡散、反応させることにより微細分散組織を有す
る主相を得る方法はこれまで前例がなく、本発明の特徴
である。
【0010】以上のような反応を行わせるためには、ま
ずTM−RE合金中にBを均一に拡散させる工程が必要
である。拡散が不十分な場合は、局所的に未反応部分が
残ったり、B過剰な相が形成されたりして磁気特性が劣
化する。この拡散方法として、いくつかの方法が用いら
れる。ひとつはTM−RE合金粉末とB粉末とを均一混
合した後、プレス成形して不活性雰囲気中で熱処理する
方法である。TM−RE合金粉末、B粉末の粒径は1〜
500 μm程度がよく、さらに望ましくは10〜100 μm程
度である。粒径がこれより大きい場合は、拡散に時間を
要し、未反応部分が残りやすい。また逆に粒径が小さす
ぎる場合は、拡散は速く進行するものの、プロセス中に
酸化しやすく、取り扱いも厄介になる。RE濃度が1at
%程度の合金は粉砕しにくく、通常の溶解品からはこの
ような粉末を得にくいが、例えばアトマイズ法などによ
り所望の粉末を得ることができる。TM−RE合金とB
の混合比は生成するソフト相の種類によって異なるが、
例としてFeを生成する場合は、TM−RE合金のREが
全て2-14-1相を形成するのに必要なB当量、 Fe2Bを生
成する場合は、2-14-1相と Fe2B相を形成するのに必要
なB当量を供給するだけのB量とすればよい。プレス成
形することによって粉末間の空隙が減少し、熱処理によ
る拡散がスムーズに進行する。熱処理は酸化が生じない
ように不活性雰囲気中で行う。温度はTM−RE合金や
2-14-1相の融点を超えないようにしなければならない。
融点以下であっても温度が高すぎる場合は、生成したFe
が微細に分散した状態を保ちにくく粗大化しやすい。一
方、温度が低いと分散の度合いは細かくなるが、低すぎ
るとB拡散が進行しにくい。したがって熱処理温度は 2
00〜1200℃程度がよく、より望ましくは600〜1100℃で
ある。
【0011】もうひとつの拡散方法は、Bの拡散をより
促進するためにさらにCaを加える方法である。Caは 820
〜 830℃で液相となるため、これを媒介としてBの拡散
を促進する。Caは金属粒の形態で用いられる。B源とし
ては前述のB粉末でもよいし、B23 、硼酸などの粉
末を用いてもよい。後者の場合、Caが還元剤として作用
する。これらのB源は条件に応じて1種または2種以上
併用して用いることができる。このときの熱処理温度は
Ca融点以上がよいため、 800〜1200℃程度、より望まし
くは 850〜1100℃である。
【0012】従来のNd-Fe-B焼結磁石は2-14-1主相、Nd
リッチ相、Bリッチ相の三相からなり、低融点Ndリッチ
相が液相焼結の焼結助剤として必要不可欠である。この
ため溶解時組成は三相共存域内とされる。本発明におい
ては,上記方法によって作製した微細分散組織粉体を2-
14-1単相の代わりに主相とするが、これだけではNdリッ
チ相、Bリッチ相が得られないため、これらの相に相当
する組成粉末を別途用意して、作製した粉体と混合す
る。後の二相に相当する合金は、希土類元素20〜40at
%、B 0〜10at%、残りがFeまたはTMなる組成範囲
からなり、鋳造法、液体急冷法、R&D法などを用いて
製造する。その後の工程は従来のNd-Fe-B系焼結磁石と
同様である。すなわち混合粉を微粉砕した後、磁場中配
向プレス、焼結する。焼結工程においてNdリッチ相は液
化して主相表面をクリーニングするとともに、粒成長、
密度化を促進し、保磁力を増大させる。前述のように11
00℃程度の焼結温度においても分散したソフト相は2-14
-1相内を拡散し難いため、上記微細分散組織はその構造
を保持している。本発明の作用は、TM−RE合金粉末
とB粉末とを混合プレス、熱処理することによって、均
一な微細に分散した組織を発達させたことにある。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例、比較例を挙げて説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 Feメタル及びNdメタルを、原子比でFe:Nd=99:1とな
るように秤量し、高周波溶解炉にてAr雰囲気溶解した。
得られた試料を1200℃×10hr加熱して溶体化処理を行っ
た後粉砕して、Fe−Nd合金粉末を得た。上記原料粉末を
粒径50μm以下のBとVミキサーにて混合した後、プレ
ス成形した。秤量割合は、分子モル比でB/(Fe−Nd合
金+B)=0.005 とした。これはFe−Nd合金中のNd全て
を Nd2Fe14Bに変えるのに必要な量である。プレスした
試料をAr雰囲気熱処理炉内で 600℃×10hr熱処理し、炉
冷した。炉から取り出した試料を粒径 100μm程度に粉
砕した。以上の工程により目的とする Nd2Fe14B/Fe微
細分散組織を有する主相粉末が得られた。これとは別
に、Nd−10at% Fe−20at% Co−10at% Bなる平均組成を
持つ合金粉末を高周波溶解により作製した。これを上記
主相粉末と共にVミキサーにて混合後、ジェットミルで
平均粒径3〜4μmまで微粉砕した。さらにこの微粉末
を、磁場強度15kOeの磁場中で磁場方向に配向させなが
ら、圧力 0.7 t/cm2でプレス成形した。該成形体を、Ar
雰囲気中で1100℃×30min 焼結し、室温冷却してから引
き続き 500〜 650℃×1hrの時効処理を行って焼結磁石
を製造した。この焼結体磁石の磁気特性をBHトレーサー
で測定した結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】実施例2 Fe、Nd、Ga各メタルを、原子比98.4:1.5 :0.1 となる
ように秤量した以外は、実施例1と同様に、原料粉末を
得て焼結磁石を製造した。焼結磁石の磁気特性を表1に
併記する。
【0016】実施例3 Fe、Nd、Dy各メタルを、原子比99:0.8 :0.2 となるよ
うに秤量した以外は、実施例1と同様に、原料粉末を得
て焼結磁石を製造した。焼結磁石の磁気特性を表1に併
記する。
【0017】実施例4 Fe、Nd、Dy、Ga各メタルを、原子比98.9:0.7 :0.3 :
0.1 となるように秤量した以外は、実施例1と同様に、
原料粉末を得て焼結磁石を製造した。焼結磁石の磁気特
性を表1に併記する。
【0018】実施例5 Fe、Co、Nd各メタルを、原子比87:12:1となるように
秤量した以外は、実施例1と同様に、原料粉末を得て焼
結磁石を製造した。焼結磁石の磁気特性を表1に併記す
る。
【0019】比較例1 Nd、Feメタル及びFe−B合金を、原子比Nd:Fe:B=1
5:77:8 となるように秤量し、高周波溶解炉にてAr雰
囲気溶解した。得られた試料を1100℃×10hr加熱して溶
体化処理を行った後、ジェットミルで粒径3μm以下に
微粉砕した。この微粉末を用いて、実施例1と同様にプ
レス成形・焼結・時効処理を行って焼結磁石を製造し
た。焼結磁石の磁気特性を表1に併記する。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、磁化容易軸の揃った、
最大エネルギー積の大きな希土類永久磁石が得られ、原
料コストの低減が図れる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも希土類元素RE(REはYを
    含む希土類元素のうちの1種以上、3種以内であり、少
    なくともNdを含む)、TM(TMはFe、Co、Ni、Al、S
    i、Ga、Ag、Au、Cu、V、Cr、Mn、Sc、Mo、Ti、W、H
    f、Ta、Nb、Zr、Pd、Pt、Zn、Ge、Sb、Sn及びInのうち
    の1種以上、5種以下であり、少なくともFeを含む)、
    Bを含む3種以上の元素からなり、かつその主相である
    Fe金属もしくはFeを含む合金または金属間化合物中にR
    2 TM14B相が微細に分散した組織を有する希土類永
    久磁石の製造方法において、REを0.01〜1.5 at%固溶
    したTM相を原料とし、この相にB元素を拡散させるこ
    とによって磁気的異方性及び上記微細に分散した組織を
    有する主相を得ることを特徴とする希土類永久磁石の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 B元素を拡散させる方法として、REを
    固溶したTM相の原料粉末とB粉末とを混合、プレス、
    熱処理する請求項1記載の希土類永久磁石の製造方法。
  3. 【請求項3】 B元素を拡散させる方法として、REを
    固溶したTM相の原料粉末と、B、B23 、硼酸のう
    ち1種以上の粉末と、金属Ca粒とを混合、プレス、熱処
    理する請求項1記載の希土類永久磁石の製造方法。
  4. 【請求項4】 Nd、Fe、Bの元素からなり、かつその主
    相であるFe金属もしくはFeを含む合金または金属間化合
    物中にNd2 Fe14B相が微細に分散した組織を有する希土
    類永久磁石の製造方法において、Ndを0.01〜1.5at %固
    溶したFe相を原料とし、この相にB元素を拡散させるこ
    とによって磁気的異方性及び上記微細に分散した組織を
    有する主相を得ることを特徴とする希土類永久磁石の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 B元素を拡散させる方法として、Ndを固
    溶したFe相の原料粉末とB粉末とを混合、プレス、熱処
    理する請求項4記載の希土類永久磁石の製造方法。
  6. 【請求項6】 B元素を拡散させる方法として、Ndを固
    溶したFe相の原料粉末と、B、B23 、硼酸のうち1
    種以上の粉末と、金属Ca粒とを混合、プレス、熱処理す
    る請求項4記載の希土類永久磁石の製造方法。
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