JPH10162771A - 大気圧イオン源 - Google Patents

大気圧イオン源

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JPH10162771A
JPH10162771A JP8317469A JP31746996A JPH10162771A JP H10162771 A JPH10162771 A JP H10162771A JP 8317469 A JP8317469 A JP 8317469A JP 31746996 A JP31746996 A JP 31746996A JP H10162771 A JPH10162771 A JP H10162771A
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JP
Japan
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orifice
sample
atmospheric pressure
ion source
ions
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JP8317469A
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Tatsuji Kobayashi
小林達次
Susumu Fujimaki
奨 藤巻
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Jeol Ltd
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Jeol Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】分析部へ導入できる試料の量をより多くするこ
とができるようにしながら、しかも試料イオンを安定状
態で供給して感度をより一層向上させる。 【解決手段】加熱ヒータ部4で生成された試料のイオン
が、大気圧下から第1オリフィスの複数個の孔7aを通
過して大気圧より低い第1所定圧の第1圧力室8に導入
される。このとき、試料のイオンが複数個の孔7aを通
過するので、従来より多量のイオンが第1圧力室8に導
入されるにもかかわらず、第1オリフィス7の1つの孔
7aあたりの試料のイオンの通過量は少ない。したがっ
て、試料のイオンの断熱膨張によるクラスター化が抑え
られ、イオンは安定状態で供給される。そして、この安
定した多量の試料のイオンが、第2オリフィス10を通
って第1所定圧より低い第2所定圧の第2圧力室11に
導入され、更に第3オリフィスを通して分析部に導入さ
れるので、分析部の感度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば質量分析装
置(Mass Spectrometer;以下、MSとも表記する)等
ので用いられるイオン源の技術分野に属し、特に試料を
大気圧または大気圧に近い圧力下でイオン化する大気圧
イオン源の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】液体クロマトグラフ質量分析装置(LC
MS)では、LCから流出した移動相をイオン源に導入
してイオン化し、生成されたイオンを高真空下の質量分
析部(MS分析部)に導いて分析するようになってい
る。
【0003】ところで、このようにLCからの移動相を
イオン化する方法としては、前述のように大気圧下でイ
オン化する大気圧イオン化(Atmospheric Pressure Ion
ization;以下、APIとも表記する)が広く用いられ
ている。このAPIには、主に次の3つの方法がある。
【0004】1つは、エレクトロスプレ−イオン化法
(Electro Spray Ionization;以下、ESIとも表記す
る)であり、このESIは大気圧下で高電圧を使った静
電場噴霧によりイオンを生成する方法である。
【0005】また他の1つは、大気圧化学イオン化法
(Atmospheric Pressure Chemical Ionization;以下、
APCIとも表記する)であり、このAPCIは大気圧
で噴霧した後、コロナ放電で化学イオン化することによ
りイオンを生成する方法である。
【0006】更に他の1つは、ソニックスプレーイオン
化法(Sonic Spray Ionization;以下、SSとも表記す
る)であり、このSSは大気圧下でガスにより噴霧し、
噴出ガスの作用効果でイオン化することによりイオンを
生成する方法である。
【0007】図5は、従来のESIによる大気圧イオン
源の一例を模式的に示す図である。図中、1はLC、2
はLC1からの混合液が流動する細管、3は霧化プロー
ブ、4はブロック状の加熱ヒータ部(気化器)、5は加
熱ヒータ部4に配設されたヒータ、6は加熱ヒータ部4
に穿設され、霧化された移動相が流動するた細孔、7は
第1オリフィス、8は図示しない第1真空ポンプによっ
て大気圧より低い第1所定圧に保持されている第1圧力
室、9は第1圧力室8内に配設されたリングレンズ、1
0は第2オリフィス、11は図示しない第2真空ポンプ
によって第1所定圧より低い第2所定圧に保持されてい
る第2圧力室、12は第2圧力室11内に配設されたイ
オンフォーカスレンズ、13は主スリット部、14は第
2所定圧より低い第3所定圧の高真空に保持されている
MS分析部である。
【0008】細管2と加熱ヒータ部4との間に所定の高
電圧が印加されているとともに、第1および第2オリフ
ィス7,10、およびリングレンズ9にもそれぞれ所定
の高電圧が印加されている。
【0009】このように構成されている従来のESIに
よるイオン源においては、細管2に高電圧を印加して、
LC1から流動してくる試料と溶媒との混合液中の試料
をイオン化する。この状態で、霧化プローブ3から霧化
用窒素ガスを噴出させると、LC1の試料と溶媒との混
合液が細管2を通って大気圧中に霧吹き状に流出して霧
化することにより、試料を含む溶媒が帯電液滴となり、
その後加熱ヒータ部4の細孔6中を移動する。このと
き、細孔中6の液滴はヒータ5により加熱ヒータ部4を
介して加熱されて残存する溶媒が気化し、MS分析部1
4で分析可能な試料のイオンそのものが生成される。こ
の生成されたイオンが第1オリフィス7を通って第1圧
力室8内に導入され、更にこのイオンは第1圧力室8内
のリングレンズ9により第2オリフィス10を通過させ
られて第2圧力室11に導入される。最後に、第2圧力
室11内のイオンはイオンフォーカスレンズ12により
主スリット部13を通って高真空下のMS分析部14に
フォーカスされ、MS分析部14によって質量分析され
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、加熱ヒータ
部4おいて生成された試料のイオンを第1圧力室8に導
入する第1オリフィス7の内径を大きくしていくと、図
6において実線で示すようにMS分析部14における質
量分析の感度が向上するようになる。これは、第1オリ
フィス7の内径が大きくなると、この第1オリフィス7
を通過するイオン化した試料の導入量が多くなるからで
ある。
【0011】しかしながら、第1オリフィス7の内径が
ある程度大きくなると、図6において破線で示すように
それ以上は逆にビームが不安定になるばかりでなく、感
度も低下していくようになる。これは、前述のように第
1オリフィス7の内径が大きくなることにより、試料導
入量が増えるが、多量の試料が大気圧下から真空領域の
第1圧力室8に一気に進入するため、断熱膨張により試
料温度が急激に低下してしまう。このため、加熱ヒータ
部4においてせっかく気化した試料イオンを核にして溶
媒分子がその回りに多数付加される現象(クラスター
化)が起こり、試料のイオンが脱溶媒され難くなって不
安定になると同時に感度も上がらなくなってしまうと考
えられる。したがって、従来のイオン源では、第1オリ
フィス7の内径をそれほど大きくすることができなく、
第1圧力室8に導入できる試料の量がある程度に制限さ
れるので、感度を上げることには限度があった。
【0012】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、分析部へ導入できる試料イ
オンの量をより多くすることができるようにしながら、
しかも試料イオンの供給を安定にして感度をより一層向
上させることのできる大気圧イオン源を提供することで
ある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、請求項1の発明は、大気圧下でイオン化し、生成
した試料のイオンを大気圧下からオリフィスを通して大
気圧より低い圧力下の分析部に導入する大気圧イオン源
において、前記オリフィスの孔が複数個設けられている
ことを特徴としている。
【0014】また請求項2の発明は、大気圧下でイオン
化し、生成した試料のイオンを大気圧下から第1オリフ
ィスを通して大気圧より低い所定圧に保持された圧力室
に導入し、更に前記圧力室から第2オリフィスを通して
より低い圧力下の分析部に導入する大気圧イオン源にお
いて、前記第1オリフィスの孔が複数個設けられている
ことを特徴としている。
【0015】更に請求項3の発明は、前記第1オリフィ
スの各孔の方向がそれぞれ前記第2オリフィスの孔の方
向と同方向に設定されていることを特徴としている。更
に請求項4の発明は、前記第1オリフィスの各孔の方向
がそれぞれ前記第2オリフィスの孔の同方向に対して傾
斜して設定されていることを特徴としている。
【0016】更に請求項5の発明は、生成された前記試
料のイオンが前記第1オリフィスに移動する方向が前記
第2オリフィスの孔の方向に対して所定角に交差する方
向に設定されていることを特徴としている。
【0017】
【作用】このような構成をした請求項1の発明の大気圧
イオン源においては、試料と溶媒との混合液が霧化され
た後加熱されて脱溶媒されることにより、生成された試
料のイオンが、大気圧下からオリフィスの複数個の孔を
通過して大気圧より低い所定圧の分析部に導入されるよ
うになる。このとき、試料のイオンがオリフィスの複数
個の孔を通過するので、多量のイオンが分析部に導入さ
れる。また、オリフィスの各孔の断面積の総和が従来の
オリフィスの孔の断面積より大きくなるようにしかつ1
つの孔の断面積が小さくなるように、各孔の断面積を設
定することにより、オリフィスを通過する試料のイオン
の総量が従来のオリフィスより多いにもかかわらず、オ
リフィスの1つの孔あたりの試料のイオンの通過量は少
なくできる。
【0018】したがって、試料のイオンが大気圧下から
真空下に進入しても、試料のイオンが断熱膨張により冷
却されてクラスター化することはない。これにより、脱
溶媒された気化した多量の試料のイオンが大気圧下から
真空下に導入されても不安定になることはなく、イオン
は安定状態に保持される。こうして、安定した多量の試
料のイオンが分析部に導入されるようになり、分析部の
感度が向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の実施
の形態を説明する。図1は本発明にかかる大気圧イオン
源の実施の形態の一例を示す図である。なお、前述の図
5に示すイオン源と同じ構成要素には同じ符号を付すこ
とにより、その詳細な説明は省略する。
【0020】図5の従来の加熱ヒータ部4では、細孔6
が細管2と第1オリフィス7とを結ぶ軸線からずれた位
置に穿設されているとともに、ヒータ5がこれらの細孔
6から離隔して設けられているが、本例の加熱ヒータ部
4では、図1に示すように細孔6が削除されているとと
もに、太孔15が細管2と第1オリフィス7とを結ぶ軸
線上で同軸線方向に貫通して穿設されている。この太孔
15の断面積は細孔6のそれに比べてかなり大きな値に
設定されている。
【0021】また、図5の加熱ヒータ部4では、ヒータ
5が細孔6から離隔して設けられているが、本例の加熱
ヒータ部4では、太孔15の細管2側内周面に環状溝1
6が形成されているとともに、カートリッジヒータ5が
この環状溝16を貫通して太孔15に交差するようにし
て配設されている。すなわち、細管2から流出した霧化
された試料(以下、サンプルともいう)を含む移動相は
直接このカートリッジヒータ5に当接するようにされて
いる。
【0022】更に、図5のイオン源で細管2と加熱ヒー
タ部4との間に印加されている高電圧は、本例のイオン
源では削除されている。なお、17は加熱ヒータ部4お
よびカートリッジヒータ5の温度を制御するために加熱
ヒータ部4の温度を検出する温度センサである。
【0023】更に、図5のイオン源では試料を大気圧下
から大気圧より低い第1所定圧の第1圧力室8の導入す
るための第1オリフィス7が、比較的大きな径の1個の
孔により形成されている、本例のイオン源では第1オリ
フィス7は、図5の第1オリフィス7の径よりは小さい
径の複数個の孔7aにより形成されている。図2(a)
に詳細に示すように、これらの孔7aは第1オリフィス
7の中心と第2オリフィス10の中心とを結ぶ軸線と平
行に穿設されているとともに、同図(b)に示すように
第1オリフィス7の中心のまわりに、4個円周方向に等
間隔に配置されている。そして、1つの孔7aの断面積
は図5のイオン源の第1オリフィス7の断面積より小さ
く設定されているが、4個の孔7aの断面積を合わせた
総断面積すなわち本例の第1オリフィス7の断面積は図
5の第1オリフィス7の断面積より大きくなるように設
定されている。なお、孔7aの数は4個に限定されるこ
となく、複数であれば適宜の数を設けることができる。
また、1つの孔7aの断面積は、後述するようにサンプ
ルに断熱膨張による熱放出が生じない範囲であれば、図
5の第1オリフィス7の断面積と同じでもあるいはそれ
以上に設定することもできる。本例のイオン源の他の構
成は図5に示す従来のイオン源と同じである。
【0024】このように構成された本例のイオン源にお
いては、霧化プローブ3から霧化用窒素ガスを噴出させ
ることにより、LC1内の試料と溶媒との混合液が細管
2を通って加熱ヒータ部4の方へ霧化されて噴出する。
なお、霧化用ガスは、窒素の他に酸素ガス、希ガス、空
気、あるいは熱風等を使用することもできる。噴霧され
た混合液の霧状の液滴はカートリッジヒータ5に直接衝
突し、このカートリッジヒータ5により例えば200℃
以上の高温で加熱される。その場合、加熱ヒータ部4お
よびカートリッジヒータ5の温度が温度センサ17によ
って検出された加熱ヒータ部4の温度に基づいて制御さ
れる。
【0025】この高温加熱により、混合液の液滴は効果
的に脱溶媒され、サンプルのイオンが生成される。生成
されたイオンは、大気圧下から4個の孔7aからなる第
1オリフィス7を通過して大気圧より低い所定圧に設定
されている第1圧力室8に導入される。このとき、第1
オリフィス7は4個の孔7aから構成されていて、イオ
ンの通過する総断面積は図5に示す従来のイオン源の第
1オリフィス7の通過断面積よりも大きく設定されてい
るので、従来よりも多くのサンプルが第1圧力室8に導
入されるようになる。
【0026】しかも、サンプルは4個の孔7aから分割
されて第1圧力室8内に導入されるが、1つの孔7aの
断面積は比較的小さく設定されているので、1つの孔7
aににおけるサンプル通過量は少ない。したがって、サ
ンプルが大気圧下から第1所定圧の第1圧力室8内に進
入しても、サンプルからの断熱膨張による熱の放出が少
なく、サンプルが冷却されて液化することはない。これ
により、脱溶媒された気化した多量のサンプルが大気圧
下から第1所定圧の第1圧力室8内に導入されても不安
定になることはなく、サンプルは安定状態に保持され
る。
【0027】そして、脱溶媒された気化した多量のサン
プルが、前述の図5のイオン源と同様に第1圧力室8か
ら更に第2オリフィス10、第2圧力室11、および主
スリット部13を通ってMS分析部14に送られるよう
になる。その場合、4個の孔7aを通過して第1圧力室
8内に進入したサンプルのイオンは第1圧力室8内で拡
散しようとするが、イオンをリングレンズ9により絞る
ことにより、効率よく第2オリフィス10に導入される
ようになる。こうして、安定した多量のサンプルが導入
されることから、MS分析部14の感度が向上する。
【0028】図3は本発明の実施の形態の他の例を示
す、図2(a)と同様の図である。なお、前述の図1、
図2および図5に示すイオン源と同じ構成要素には同じ
符号を付すことにより、その詳細な説明は省略する。前
述の図2(a)に示す例のイオン源では、第1オリフィ
ス7の4個の孔7aが、第1オリフィス7の中心と第2
オリフィスの中心とを結ぶ軸線に平行に設けられている
が、本例のイオン源は、これらの孔7aが第1オリフィ
ス7の中心と第2オリフィスの中心とを結ぶ軸線に対し
て第2オリフィス10の中心方向に傾斜して設けられて
いる。
【0029】本例のイオン源の他の構成は図1に示すイ
オン源と同じである。
【0030】このように構成された本例のイオン源は、
第1オリフィス7の各孔7aが第2オリフィス10に向
かって傾斜しているので、各孔7aを通って第1圧力室
8内に進入してきたサンプルは、第2オリフィス10に
向かって効果的に移動するようになる。これにより、M
S分析部に導入されるサンプル量も更に多くでき、した
がって感度も更に上昇する。本例のイオン源の他の作用
効果は図1に示すイオン源と同じである。
【0031】図4は本発明の実施の形態の他の例を示
す、図2(a)と同様の図である。なお、前述の図1、
図2および図5に示すイオン源と同じ構成要素には同じ
符号を付すことにより、その詳細な説明は省略する。
【0032】前述の各例のイオン源では、いずれも、第
1オリフィス7の向きと第2オリフィス10の向きとが
同一方向に設定されているが、本例のイオン源では、図
4に示すように第1オリフィス7の向きと第2オリフィ
ス10の向きとが互いに直交する方向に設定されてい
る。すなわち、本例のイオン源は、加熱ヒータ部4のあ
る大気圧下の室と第1圧力室8とを区画するとともに第
1オリフィス7が設けられる隔壁18に、先端が閉塞さ
れた円筒状部18aが設けられている。この円筒状部1
8aの延設方向は第2オリフィス10の向きと同方向に
設定されているとともに、この円筒状部18aの側部
に、第1オリフィス7の複数個(図4の例では3個)の
孔7aが、ともに円筒状部18aの延設方向と直交する
方向に穿設されている。そして、加熱ヒータ部4は、そ
の太孔15が円筒状部18aの延設方向と直交しかつ孔
7aと対向するように設けられている。本例のイオン源
の他の構成は、前述の各例のイオン源と同じである。
【0033】このように構成された本例のイオン源にお
いては、加熱ヒータ部4で気化されイオン化されたサン
プルは、太孔15から図4において上方に移動し、第1
オリフィス7の各孔7aを通って円筒状部18a内の第
1圧力室18内に進入する。第1圧力室18内に進入し
たサンプルは、円筒状部18aの孔7aと対向する側壁
に衝突した後、直角に曲げられて第2オリフィス10の
方へ移動し、更に前述の各例および従来例のイオン源と
同様に、リングレンズ9によって絞られ、第2オリフィ
ス10を通って第2圧力室11内に移動する。
【0034】この例のイオン源によれば、加熱ヒータ部
4から放出される試料のイオンの移動の向きと第2オリ
フィス10の向きとを所望の角度に変えることができる
ので、イオン源の第1オリフィス7より前の設備と第1
オリフィス7より後の設備との配置関係の自由度が大き
くなる。なお、本例のイオン源では、第1オリフィス7
の孔7aの向きと円筒状部18aの延設方向とが互いに
直交するように設定しているが、第1オリフィス7の孔
7aの向きは円筒状部18aの延設方向に対して傾斜す
るように設定することもできる。このようにすれば、前
述の配置の自由度が更に大きくなる。
【0035】本例のイオン源の他の作用効果は、前述の
各例のイオン源および従来例のイオン源と同じである。
なお、本発明のイオン源は、大気圧におけるイオン化で
あれば、前述のESIおよびAPCIなど、どのような
大気圧イオン化にも適用することができる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1ないし5の発明のイオン源によれば、試料のイオンが
大気圧下から真空下に進入しても、試料のイオンの断熱
膨張による温度低下が抑制されるため、試料のイオンを
安定状態に保持できる。したがって、安定した多量の試
料のイオンを分析部に導入でき、分析部の感度が向上す
る。
【0037】特に、請求項4の発明によれば、試料のイ
オンが第1オリフィスから第2オリフィスに向かって効
果的に移動させることができるので、分析部に導入され
る試料のイオン量も更に多くでき、したがって感度も更
に上昇できる。
【0038】また請求項5の発明によれば、生成された
試料のイオンの、第1オリフィスに移動する方向を、第
2オリフィスの孔の方向に対して所定角に交差するよう
にしているので、イオン源の第1オリフィスより前の設
備と第1オリフィスより後の設備との配置関係の自由度
を大きくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる大気圧イオン源の実施の形態
の一例を示す図である。
【図2】 図1に示す例の大気圧イオン源を部分的に拡
大して示し、(a)は第1および第2オリフィス部分の
部分拡大断面図、(b)は(a)におけるIIB方向から
見た第1オリフィスを示す図である。
【図3】 本発明の実施の形態の更に他の例を示す、図
2(a)と同様の図である。
【図4】 本発明の実施の形態の更に他の例を示す、図
2(a)と同様の図である。
【図5】 従来の大気圧イオン源の一例を示す図であ
る。
【図6】 オリフィス内径と質量分析の相対感度との関
係を示す図である。
【符号の説明】
1…液体クロマトグラフ(LC)、2…細管、3…霧化
プローブ、4…加熱ヒータ部、5…カートリッジヒー
タ、7…第1オリフィス、7a…第1オリフィス7の
孔、8…第1圧力室、9…リングレンズ、10…第2オ
リフィス、11…第2圧力室、13…主スリット部、1
4…質量分析部(MS分析部)15…太孔、16…環状
溝、18…隔壁、18a…円筒状部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧下でイオン化し、生成した試料の
    イオンを大気圧下からオリフィスを通して大気圧より低
    い圧力下の分析部に導入する大気圧イオン源において、 前記オリフィスの孔が複数個設けられていることを特徴
    とする大気圧イオン源。
  2. 【請求項2】 大気圧下でイオン化し、生成した試料の
    イオンを大気圧下から第1オリフィスを通して大気圧よ
    り低い所定圧に保持された圧力室に導入し、更に前記圧
    力室から第2オリフィスを通してより低い圧力下の分析
    部に導入する大気圧イオン源において、 前記第1オリフィスの孔が複数個設けられていることを
    特徴とする大気圧イオン源。
  3. 【請求項3】 前記第1オリフィスの各孔の方向がそれ
    ぞれ前記第2オリフィスの孔の方向と同方向に設定され
    ていることを特徴とする請求項2記載の大気圧イオン
    源。
  4. 【請求項4】 前記第1オリフィスの各孔の方向がそれ
    ぞれ前記第2オリフィスの孔の同方向に対して傾斜して
    設定されていることを特徴とする請求項2記載の大気圧
    イオン源。
  5. 【請求項5】 生成された前記試料のイオンが前記第1
    オリフィスに移動する方向が前記第2オリフィスの孔の
    方向に対して所定角に交差する方向に設定されているこ
    とを特徴とする請求項2記載の大気圧イオン源。
JP8317469A 1996-11-28 1996-11-28 大気圧イオン源 Withdrawn JPH10162771A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010512513A (ja) * 2006-12-06 2010-04-22 ザ・キュレイターズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミズーリ 液体クロマトグラフィー検出器、及び液体クロマトグラフィー検出器用流れ制御装置

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JP2010512513A (ja) * 2006-12-06 2010-04-22 ザ・キュレイターズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・ミズーリ 液体クロマトグラフィー検出器、及び液体クロマトグラフィー検出器用流れ制御装置

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