JPH11326302A - 液体クロマトグラフ質量分析装置 - Google Patents

液体クロマトグラフ質量分析装置

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JPH11326302A
JPH11326302A JP15065298A JP15065298A JPH11326302A JP H11326302 A JPH11326302 A JP H11326302A JP 15065298 A JP15065298 A JP 15065298A JP 15065298 A JP15065298 A JP 15065298A JP H11326302 A JPH11326302 A JP H11326302A
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solvent
composition ratio
target temperature
section
liquid chromatograph
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JP15065298A
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Yoshitake Yamamoto
善丈 山本
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Shimadzu Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 面倒な設定を行うことなしに最適な温度で脱
溶媒及びイオン化を行う。 【解決手段】 分析開始前に、操作者が溶媒の種類、組
成比、流量等を指示すると、目標温度パターン算出部4
1は予め各種溶媒の沸点等がデータベース化されている
記憶部43から対応したデータを読み出し、これを基
に、溶媒の組成比の変化に対応した適切な制御目標温度
パターンを算出する。分析開始後、送液部11では、設
定された組成比及び流量に基づいてバルブ14、15、
送液ポンプ17が制御され、溶媒がカラム19に送られ
る。試料溶液がノズル21に達して噴霧されるとき、加
熱制御部42は、制御目標温度パターンに基づいて、そ
のときの溶媒の組成比に対応した温度になるように脱溶
媒管23を加熱する。これにより、加熱が過不足なく行
われ、目的成分が分解や変性することなく好適にイオン
化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体クロマトグラ
フ部により分離した液体試料を気化及びイオン化して質
量分析部に導入して分析する液体クロマトグラフ質量分
析装置(以下「LC/MS」という)に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に質量分析装置では、イオン化部に
て試料分子又は原子をイオン化し、発生したイオンを四
重極フィルタ等の質量分離部にて質量数毎に分離して、
検出器に到達したイオン量に応じた電流を測定してい
る。質量分析装置の前段にガスクロマトグラフ装置を接
続したガスクロマトグラフ質量分析装置(GC/MS)
では、カラムから流出する気体試料を直接イオン化部に
導入し、例えばイオン衝撃法、化学イオン化法等によっ
て試料分子をイオン化する。
【0003】一方、質量分析装置の前段に液体クロマト
グラフ装置を接続したLC/MSでは、カラムから試料
溶液が溶出するので、該試料溶液の気化、溶媒の除去及
び目的成分のイオン化を行うための専用のインタフェイ
スが用いられる。こうしたインタフェイスは、試料溶液
を加熱、高速気流、高電界等により霧化させることで気
体イオンを生成するものであって、大気圧化学イオン化
法(APCI)やエレクトロスプレイイオン化法(ES
I)が最も広く使用されている。
【0004】APCIでは、カラムから溶出した試料溶
液を高温に加熱したノズルに導入して該試料溶液を霧化
させる。そして、その微細液滴に、コロナ放電により生
成したキャリアガスイオン(バッファイオン)を化学反
応させて目的成分のイオン化を行なう。一方、ESIで
は、ノズルに数kV程度の高電圧を印加することによ
り、ノズル先端付近に強い不平等電界を発生させる。試
料溶液はこの電界により電荷分離してクーロン引力によ
り引きちぎられて霧化し、液滴はクーロン反発力により
更に細かな液滴に粉砕されつつ、その過程で液滴中の溶
媒が蒸発して気体イオンが発生する。
【0005】APCI又はESIのいずれの方法でも、
気体イオンが入り混じった微細液滴は、ノズル出口の前
方に配設された脱溶媒管(例えばヒーテッドキャピラ
リ)の中に飛び込む。脱溶媒管はヒータにより適度な温
度に加熱されており、飛び込んだイオンや液滴が脱溶媒
管を通して質量分析装置の分析室へ輸送される間に、該
液滴中の溶媒が蒸発して除去される。液滴のサイズが小
さくなるとクーロン反発による自発的な液滴破壊が一層
進行するので、目的イオンの発生も促進される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】溶媒を短時間で蒸発さ
せるには、APCIではノズルと脱溶媒管、ESIでは
脱溶媒管の温度が高いほうが好ましい。しかしながら、
その温度が高過ぎると、目的成分自体が分解や変性を生
じる恐れがある。そこで、従来のLC/MSでは、測定
者自身が、LC部で使用する溶媒の沸点を考慮した上
で、ノズルや脱溶媒管の制御目標温度を適宜に設定する
必要があった。このような設定は面倒であるのみなら
ず、設定が適切でないと分析の精度低下を生じる恐れが
あった。
【0007】更に、複数の溶媒を混合してその濃度を時
間経過に伴って変化させるグラジエント分析を行う場合
には、上述の温度設定の作業は一層面倒で困難なものと
なる。すなわち、測定者は、各溶媒の沸点をそれぞれ考
慮した上で、時間経過に伴う適切な温度変動曲線を作成
し、これをLC/MSに入力設定しなければならない。
このような設定は面倒であるのみならず、測定者が或る
程度測定に熟練していないと適切な温度変動曲線を作成
することが困難であるという問題もある。
【0008】本発明は上記課題を解決するために成され
たものであり、その目的とするところは、測定者が面倒
な操作を行うことなしに、最適な温度で溶媒の気化やイ
オン化を行うことができる液体クロマトグラフ質量分析
装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に成された本発明は、液体クロマトグラフ部のカラムか
ら溶出した試料をインタフェイス部にて気化、脱溶媒化
及びイオン化し、発生したイオンを質量分析部に導入す
る液体クロマトグラフ質量分析装置において、 a)液体クロマトグラフ部で移動相として用い得る各種溶
媒に関する情報を予め格納しておく記憶手段と、 b)分析に際して使用する1以上の溶媒の種類や流量を含
む分析条件を外部より入力するための入力手段と、 c)入力された分析条件に応じてカラムに溶媒を送給する
送液手段と、 d)入力された分析条件に含まれる溶媒の種類に対応した
情報を前記記憶手段から読み出し、該情報を利用して、
インタフェイス部に到達する移動相の組成比の時間変化
に対応した温度パターンを算出する演算手段と、 e)該温度パターンに従って前記インタフェイス部の所定
部位の加熱を行う加熱手段と、 を備えることを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る液体クロマトグラフ
質量分析装置では、記憶手段には、例えば、各種溶媒の
種類と沸点、複数の溶媒が共沸混合物を成す場合にはそ
の組合せと共沸温度、等の情報が予めデータベース化し
て格納される。分析に先立って、操作者は入力手段を介
し、実際に用いる溶媒の種類や組成比、流量及び配管容
量等を含む分析条件を入力設定する。すると、演算手段
は、入力された溶媒の種類に対応した情報を記憶手段に
格納されている情報から検索して、該溶媒の沸点、また
その複数の溶媒が共沸混合物を成す場合には共沸温度を
取得する。また、入力された流量及び配管容量(具体的
にはカラム寸法や内径等として入力することができる)
に基づいて、移動相(溶媒)がカラムを通過してインタ
フェイス部に到達するまでの遅延時間を算定する。そし
て、インタフェイス部に到達する溶媒の組成比の時間変
化に対応して、該溶媒を蒸発させるに好適な温度を与え
る温度パターンを算出する。
【0011】分析が開始されると、送液手段は入力設定
された組成比及び流量に応じてカラムに溶媒を送給し、
一方、加熱手段は上記温度パターンに従ってインタフェ
イス部の所定部位の加熱を実行する。ここで所定部位と
は、インタフェイス部において少なくとも試料溶液の脱
溶媒化に最も寄与する部位であって、例えばESIでは
噴霧された液滴を質量分析部へ輸送するための脱溶媒
管、APCIでは試料溶液を霧化するための噴霧用ノズ
ルである。このような部位が上述のように温度制御され
ると、溶媒が適切に蒸発して除去され、目的成分が気体
イオンとなって質量分析部に導入される。
【0012】
【発明の効果】このように本発明に係る液体クロマトグ
ラフ質量分析装置によれば、インタフェイス部の上記所
定部位の温度は、その時点でインタフェイス部に導入さ
れる試料溶液の気化、脱溶媒化及びイオン化に最適な温
度になるように自動的に制御される。したがって、イン
タフェイス部において液滴からの溶媒の蒸発、液滴の粉
砕が安定して行なわれるとともに、目的成分が分解され
たり変性したりすることもない。このため、イオンの生
成効率が高く、より多くの目的イオンが質量分析部に導
入される。その結果、質量分析部でのイオンの検出感度
が改善され、質量分析の精度向上や再現性の向上に寄与
する。
【0013】また、分析の度に測定者がインタフェイス
部の温度を設定するといった面倒な作業が不要になるた
め、作業効率が改善できるとともに、設定ミスによる誤
った分析を行う恐れもなくなる。更には、溶媒の種類
等、簡単な項目のみを入力すればよいので、分析に未熟
練の者でもミスのない適切な分析を遂行することができ
る。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例であるLC/MSを
図1〜図4により説明する。図1は本実施例のLC/M
Sの要部の構成図である。ここでは、2種類の溶媒を混
合することにより移動相の組成を変化させるグラジエン
ト分析を行うものを示しているが、3液以上を混合する
グラジエント分析や1液のみの通常分析にも適用し得る
ことは明らかである。また、図1の例はイオン化インタ
フェイスとしてESIを利用したものであるが、後述の
ようにAPCIにも適用可能である。
【0015】このLC/MSは、LC部10、インタフ
ェイス部20及びMS部30から成る分析部と、該分析
部の動作を制御する制御部40とを含んでいる。
【0016】LC部10は送液部11、試料導入部18
及びカラム19から構成されており、送液部10は、そ
れぞれ溶媒a、bを満たした第1溶媒槽12、第2溶媒
槽13と、各溶媒槽12、13からの吸引管に設けられ
た第1バルブ14、第2バルブ15と、混合室16と、
混合された溶媒を送給する送液ポンプ17とを含んでい
る。第1、第2バルブ14、15はそれぞれ独立に開度
が制御できるようになっており、その開度によって溶媒
a、bの混合比が決まる。また、送液ポンプ17によっ
て全体の送液量が決まる。なお、送液部11は、第1、
第2バルブ14、15を用いる代わりに、吸引管にそれ
ぞれ流量ポンプを設け、流量を調節した各溶媒を混合す
る構成としてもよい。
【0017】試料導入部18は、例えばマイクロシリン
ジにより一定量が計量された試料液をループ管内に保持
しておき、バルブの切替動作により該ループ管内に移動
相を流して試料液をカラム19に導入する構成となって
いる。このようにしてカラム19に導入された試料液
は、カラム19を通過する間に時間方向に分離されカラ
ム19出口から溶出してインタフェイス部20に導入さ
れる。
【0018】インタフェイス部20は、霧化室22内に
配設されたノズル21、インタフェイス部20とMS部
30との間に設けられた脱溶媒管23、該脱溶媒管23
に周設されたヒータ24、脱溶媒管23に密着して設け
られた温度センサ25を含んでいる。ノズル21先端に
は高電圧が印加されており、ノズル21先端に達した試
料溶液は電荷分離して霧化室22内に噴霧され、帯電し
た液滴は周囲の空気に接触して溶媒が蒸発する。気体イ
オンが入り混じった微細液滴は、脱溶媒管23を通って
MS部30へと送り込まれる。この脱溶媒管23はヒー
タ24により後述のように加熱されており、脱溶媒管2
3内を通過することにより液滴の脱溶媒化が一層進行し
て目的イオンが得られる。
【0019】MS部30は、第1中間室31、第2中間
室32及び分析室33の三室から成り、第1中間室31
と第2中間室32との間に極小径の通過孔(オリフェ
ス)を有するスキマー34が設けられている。上記霧化
室22内はほぼ大気圧に維持され、第1中間室31はロ
ータリーポンプによって約1Torr程度まで、第2中間室
32及び分析室33はターボ分子ポンプによってそれぞ
れ約10-3〜10-4Torr程度及び約10-5〜10-6Torr
程度まで真空排気されている。すなわち、図1で右方向
へ進むほど真空度が高くなっている。
【0020】上述のように脱溶媒管23を通過したイオ
ンは、スキマー34の通過孔を通って第1中間室31か
ら第2中間室32に導入され、イオンレンズ35により
収束及び加速されて分析室33へ送られる。そして、特
定の質量数(質量/電荷)を有する目的イオンのみが分
析室33内に配置された四重極フィルタ36を通り抜け
て検出器37に到達する。検出器37では到達したイオ
ン数に応じた電流が取り出される。
【0021】制御部40は機能的に目標温度パターン算
出部41及び加熱制御部42を含んでおり、CPUやR
OM等から成る周知のパーソナルコンピュータを中心に
具現化することができる。この制御部40には、ハード
ディスク、フロッピーディスク等の記憶部43、キーボ
ード等の入力部44及びディスプレイモニタ等の表示部
45が接続されている。なお、制御部40は、図示した
以外にもLC/MS各部の動作を制御する機能を有して
いるが、それについては図1中に記載していない。ま
た、制御部40を具現化するパーソナルコンピュータ
は、検出器37により取得したデータを解析処理するデ
ータ処理の機能をも有している。
【0022】記憶部43には、後述のように、移動相と
して使用され得る溶媒の種類と該溶媒の沸点、共沸混合
物を成す溶媒の組合せとその共沸温度といった溶媒に関
する情報である溶媒データ431と、主として脱溶媒管
23の寸法、材質等に依存して決まる熱容量等の装置デ
ータ432とが格納されている。これらは、例えばメー
カ側が標準的なデータベースとして提供することができ
るほかに、ユーザが必要な溶媒に関する情報を適宜追加
登録することができるようになっている。
【0023】以下、本発明の特徴であるインタフェイス
部20での温度制御処理を、分析の順序に従って説明す
る。まず、操作者は、入力部44を介して、送液部11
にて用いる溶媒の種類、組成比(但し、複数の溶媒を用
いる場合)、送液量、配管容量(カラム19の寸法等)
を含む各種の分析条件を入力する。例えば、溶媒の種類
を入力する際には、制御部40は記憶部43に格納され
ている溶媒データ431を読み出し、該溶媒データ43
1に登録されている溶媒の種類を一覧表をして表示部4
5の画面上に表示させる。操作者は、その画面を見なが
ら、入力部44の操作により使用する溶媒を選択するよ
うにするとよい。このようにすると、使用する溶媒が溶
媒データ431に登録されているか否かが容易に認識で
き、未登録の溶媒を用いる場合には、その溶媒の沸点等
の後述の処理で必要な情報を同時に入力することができ
る。また、溶媒の組成比は、図2(a)に示すようなグ
ラジエントパターンとして入力する。図2(a)中、A
1は線形関数である場合、A2は凹形関数である場合であ
る。その以外にも適宜の関数とすることができる。
【0024】このように入力された組成比及び送液量の
情報は、制御データとして送液部11に送られる。一
方、目標温度パターン算出部41では、入力された溶媒
の種類及び組成比を基に、記憶部43に格納されている
溶媒データ431から、対応する溶媒の沸点、2種の溶
媒の組合せが共沸混合物である場合にはその共沸温度を
検索して読み出す。更に、入力された送液量及び配管容
量に基づき、溶媒がカラム19を通過してノズル21に
到達するまでの遅延時間tdを計算する。そして、これ
らにより所定のアルゴリズムに従って、制御目標温度パ
ターンを算出する。
【0025】この制御目標温度パターンの算出方法の一
例を述べる。2種の溶媒a、bが共沸混合物とならない
場合、溶媒aの沸点Taに対して求まる最適の制御目標
温度をF(Ta)、溶媒bの沸点Tbに対して求まる最適
の制御目標温度をF(Tb)とすると、両者の混合物の
最適の制御目標温度は、図3に示すように、溶媒組成比
に対してF(Ta)とF(Tb)を結ぶ直線上にあると看
做せる。なお、或る沸点に対する制御目標温度は、予め
実験により得られた計算式を用いて求める。図2(a)
中のA1のグラジエントパターンが与えられたとする
と、このグラジエントパターンA1の各時刻における組
成比に対応した制御目標温度が図3から取得され、これ
が遅延時間tdだけオフセットされることにより図2
(b)中のB1に示す制御目標温度パターンが得られ
る。また、図2(a)中のA2のグラジエントパターン
が与えられた場合にも、同様に図3が利用されて、図2
(b)中のB2に示す制御目標温度パターンが得られ
る。
【0026】一方、2種類の溶媒a、bが共沸混合物で
あると、或る組成比において極小沸点(溶媒の組み合わ
せによっては極大沸点)が生じる。このため、混合物の
最適の制御目標温度は、図4に示すように、F(Ta)
とF(Tb)を結んで下に凹む曲線になる。したがっ
て、図2(a)中のA1のグラジエントパターンが与え
られた場合にも、図2(b)中のB3に示すように凹形
の制御目標温度パターンが得られる。
【0027】操作者の指示により分析が開始されると、
送液部11では、組成比に対応して第1、第2バルブ1
4、15の開度が制御されるとともに、指示された送液
量となるように送液ポンプ17が駆動される。これによ
り、図2(a)に示すように組成比が変動しつつ一定量
の移動相が試料導入部18を介してカラム19に流され
る。試料導入部18において、その移動相中に導入され
た試料液はカラム19を通過する間に時間軸方向に広が
る。カラム19に導入された移動相は上記遅延時間td
を経た後にカラム19から出てノズル21に導入され、
ノズル21から霧化室22内に噴霧される。
【0028】一方、分析が開始されると、加熱制御部4
2は、温度センサ25によるモニタ温度が上記制御目標
温度パターンで示される各時刻の制御目標温度に一致す
るように、ヒータ24に与える加熱電力を制御する。こ
のとき、加熱電力と実際の温度上昇の度合との関係は脱
溶媒管23の熱容量に依存するから、記憶部43に格納
されている装置データ432から脱溶媒管23の熱容量
データを読み出して係数とし、モニタ温度及び制御目標
温度をパラメータとする所定の計算式に基づいて加熱電
力を算出する。
【0029】その結果、ノズル21から噴霧される液滴
中の溶媒の組成比が変化するに伴い、それに適したよう
に脱溶媒管23の温度は上昇してゆく。したがって、噴
霧された微細液滴が脱溶媒管23を通ってMS部30へ
輸送される間に、該液滴中の溶媒は蒸発して、試料成分
は分解や変性することなく気体イオンとなる。
【0030】図5は、本発明をAPCIによるイオン化
を行う構成に適用した場合の構成図である。図1のES
Iの場合と相違しているのは、脱溶媒管23のみなら
ず、ノズル21にもヒータ26及び温度センサ27が設
けられている点である。また、ノズル21の開口前方に
は針状の放電電極28が配置され、放電電極28には数
kV程度の高電圧が印加される。加熱制御部42は、目
標温度パターン算出部41にて算出された制御目標温度
パターンに従って、ノズル21及び脱溶媒管23の両方
の加熱を制御する。
【0031】カラム19から供給される試料溶液がノズ
ル21に達すると、高温の液滴として霧化室22内に噴
霧される。飛び出した液滴は大気圧のガス分子と衝突
し、更に微細な液滴に粉砕され、速やかに乾燥して(脱
溶媒化されて)試料分子が気化する。この気体微粒子は
放電電極28からのコロナ放電により生成されるバッフ
ァイオンと接触し、化学反応を生じてイオン化される。
そして、発生したイオンを含む微細液滴は脱溶媒管23
に飛び込み、脱溶媒管23を通過する間に一層脱溶媒化
が進行する。なお、APCIでは、液滴の脱溶媒化はノ
ズル21から与えられる熱が支配的であるため、ノズル
21の温度のみを変化させ、脱溶媒管23の温度は所定
温度に一定に維持するようにしてもよい。
【0032】なお、上記実施例は一例であって、本発明
の趣旨の範囲で適宜変更や修正を行なえることは明らか
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例によるLC/MSの要部の
構成図(ESIの場合)。
【図2】 グラジエント分析の場合の溶媒組成比の一例
を示すグラフ(a)及びそれに対応する制御目標温度パ
ターンの一例を示すグラフ(b)。
【図3】 2種の溶媒が共沸混合物でない場合の溶媒組
成比に対する制御目標温度の変化を示す状態図。
【図4】 2種の溶媒が共沸混合物である場合の溶媒組
成比に対する制御目標温度の変化を示す状態図。
【図5】 本発明の他の実施例によるLC/MSの要部
の構成図(APCIの場合)。
【符号の説明】
10…LC部 11…送液部 12、13…溶媒
槽 14、15…バルブ 16…混合室 17…送液ポンプ 18…試料導入部 19…カラム 20…インタフェイス部 21…ノズル 22…霧化室 23…脱溶媒管 24、26…ヒー
タ 25、27…温度センサ 30…MS部 40…制御部 41…目標温度パターン算出部 42…加熱制御部 43…記憶部 431…溶媒データ 432…装置デ
ータ 44…入力部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体クロマトグラフ部のカラムから溶出
    した試料をインタフェイス部にて気化、脱溶媒化及びイ
    オン化し、発生したイオンを質量分析部に導入する液体
    クロマトグラフ質量分析装置において、 a)液体クロマトグラフ部で移動相として用い得る各種溶
    媒に関する情報を予め格納しておく記憶手段と、 b)分析に際して使用する1以上の溶媒の種類や流量を含
    む分析条件を外部より入力するための入力手段と、 c)入力された分析条件に応じてカラムに溶媒を送給する
    送液手段と、 d)入力された分析条件に含まれる溶媒の種類に対応した
    情報を前記記憶手段から読み出し、該情報を利用して、
    インタフェイス部に到達する移動相の組成比の時間変化
    に対応した温度パターンを算出する演算手段と、 e)該温度パターンに従って前記インタフェイス部の所定
    部位の加熱を行う加熱手段と、 を備えることを特徴とする液体クロマトグラフ質量分析
    装置。
JP15065298A 1998-05-13 1998-05-13 液体クロマトグラフ質量分析装置 Pending JPH11326302A (ja)

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