JPH10161171A - ブレ補正装置 - Google Patents

ブレ補正装置

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JPH10161171A
JPH10161171A JP8319995A JP31999596A JPH10161171A JP H10161171 A JPH10161171 A JP H10161171A JP 8319995 A JP8319995 A JP 8319995A JP 31999596 A JP31999596 A JP 31999596A JP H10161171 A JPH10161171 A JP H10161171A
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JP
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Application number
JP8319995A
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English (en)
Inventor
Masaru Shintani
大 新谷
Toshihiko Hirota
敏彦 廣田
Hideki Osada
英喜 長田
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブレ補正ができない場合のブレた被写体像の
撮影や観察を低減する。 【解決手段】 制御部20は電圧検出回路30により検
出した電源電池Eの電圧Vがブレ補正レンズ32,33
によるブレ補正を行い得る最小の電圧VB以下のとき、
また、ブレ量検出回路31により検出した被写体像のブ
レ量がブレ補正可能範囲より大きいとき、ファインダー
内の表示部にブレ補正不可の警告表示を行ない、撮影時
はブレ補正を禁止する。ブレ補正不可のときは警告を行
ない、撮影者が適切なブレ防止策を講じ得るようにし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被写体像のカメラ
ブレに基づくブレの補正を行なうブレ補正装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、装置ブレに基づく撮影画像/観察
被写体のブレを補正することのできるブレ補正装置が種
々、提案されている。
【0003】これらのブレ補正装置は、一般に、光軸変
更可能なブレ補正用のレンズを設けるとともに、装置ブ
レに基づく被写体像のブレ方向及びブレ量(以下、これ
らの情報をブレ情報という。)を検出するセンサを設
け、このセンサで検出されたブレ情報に基づきブレ補正
用のレンズの光軸を変更して被写体像のブレをキャンセ
ルするように構成されている。
【0004】装置ブレに基づく撮像画像の補正又は観察
被写体のブレの補正(以下、ブレ補正という。)は、ブ
レ補正用のレンズを駆動して被写体像のブレを低減する
構成のため、ブレ補正を有効かつ高精度に行なうにはブ
レ補正用のレンズの駆動源である電源の安定化が要求さ
れる。
【0005】かかる観点から、従来、例えば特開平7−
218958号公報には、ブレ補正に関係するセンサや
レンズ駆動系等の各部材に電源を供給するブレ補正装置
の電源電池の電圧を検出し、その検出値が所定値(ブレ
補正機能が有効に機能し得る電圧値)より低下している
ときは、ブレ情報の検出、その検出結果の表示及びブレ
補正動作等の一連のブレ補正に関する処理を禁止し、電
源電池の電圧が十分に確保されている場合にのみ上記ブ
レ補正に関する処理を行わせるようにしたブレ補正装置
が示されている。
【0006】このようなブレ補正装置では、ブレ補正機
能が正常に機能するときは、被写体像のブレを適切に補
正することができるが、電源電圧が低く、ブレ補正用の
レンズ駆動が正確に行なえない場合や被写体像のブレ量
が過大で十分にブレ補正ができないような場合等には、
却ってブレ補正機能を動作させることで、不明瞭な撮影
画像/観察被写体となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平7−218
958号公報のものは、電源電圧Vがブレ補正可能な電
圧閾値V2よりも低いか否かの判定(V<V2)のみを
行ない、V<V2のときは、ブレ補正動作及びブレ検出
動作のいずれも行なわないようにしているので、電源電
圧Vが上記電圧閾値V2よりも低いが、撮影可能な電圧
閾値V1(<V2)より高い場合、ブレ情報の検出動作
を行なってブレ情報を使用者に報知することが可能であ
るにも拘らず、使用者にはブレ情報が報知されないよう
になっている。これでは、使用者に対して使用者自身に
よるブレを防止しようという意識付けを喚起することは
できないので、使用者がブレ補正不能な状態において撮
影や観察を行なう場合に適切なブレ防止策を講じること
は困難である。
【0008】また、電源電圧Vは電圧閾値V2を越えて
おり、ブレ補正動作が可能であってもブレ量が過大で実
質的にブレ補正が行なえないような場合、ブレ情報の検
出動作を行なわず、ブレ情報を使用者に報知しないよう
にすると、上述と同様に、使用者にブレ防止の意識付け
を喚起することができず、使用者自身による適切なブレ
防止策を講じることが困難となる。
【0009】本発明は、上記課題に鑑みてなされもので
あり、ブレ補正不可の場合にはそれを使用者に警告して
使用者にブレ防止の意識付けを行ない、使用者自身が適
切なブレ防止策を講じることのできるブレ補正装置を提
供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
被写体像のブレに関する情報を検出し、この検出結果に
基づき上記被写体像のブレの光学的な補正を行なうブレ
補正装置において、上記被写体像の光学的なブレ補正の
可否を判別する判別手段と、ブレ補正不可のとき、警告
を行なう警告手段とを備えたものである。
【0011】上記構成によれば、被写体像のブレに関す
る情報を検出し、この検出結果に基づき被写体像の光学
的なブレ補正が可能であるか否かが判別され、ブレ補正
が不可のときは、ブレ補正不可の警告が行なわれる。こ
の警告により使用者に対してブレ防止の意識付けが行な
われ、使用者は、ブレに対して適切なブレ防止対策を講
じることができる。
【0012】請求項2記載の発明は、上記ブレ補正装置
において、上記判別手段は、検出された被写体像のブレ
量が所定のブレ補正可能範囲に入っているか否かを判別
するものである。
【0013】上記構成によれば、被写体像のブレ量が検
出され、このブレ量が所定の光学的なブレ補正可能な範
囲に入っているか否かが判別される。そして、検出され
たブレ量が所定のブレ補正可能範囲に入っていなけれ
ば、ブレ補正不可と判断され、ブレ量過大によるブレ補
正不可の警告が行なわれる。
【0014】請求項3記載の発明によれば、上記ブレ補
正装置において、被写体像のブレを光学的に補正するブ
レ補正手段に電源を供給する電源供給手段と、上記電源
供給手段の電圧を検出する電圧検出手段とを備え、上記
判別手段は、検出された電圧が上記ブレ補正手段の駆動
可能な所定の電圧閾値を越えているか否かを判別するも
のである。
【0015】上記構成によれば、電源供給手段の電圧が
検出され、この電圧がブレ補正手段の駆動可能な所定の
電圧閾値を越えているかが判別される。そして、検出さ
れた電圧が所定の電圧閾値以下であれば、ブレ補正不可
と判断され、電源電圧低下によるブレ補正不可の警告が
行なわれる。
【0016】請求項4記載の発明によれば、上記ブレ補
正装置において、上記ブレ補正不可の警告とともに、検
出された被写体像のブレに関する情報が表示される。使
用者者は、このブレに関する情報の表示に基づきブレ状
態に応じた適切なブレ防止対策を講じることが可能とな
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係るブレ補正装置につい
て、ブレ補正装置を備えたカメラを例に説明する。
【0018】図1は、本発明に係るブレ補正装置を備え
たカメラの外観を示す正面斜視図であり、図2は、同カ
メラの背面図である。
【0019】カメラ1は、カメラブレによる撮影画像の
ブレを補正して撮影することのできるブレ補正機能を有
している。カメラ1は、カメラ本体2の正面略中央にズ
ームレンズからなる撮影レンズ3を有し、この撮影レン
ズ3の内部に、後述するブレ補正用の光学系が設けられ
ている。また、撮影レンズ3のレンズ系内には複数枚の
シャッタ羽根を組み合わせてなるレンズシャッタが設け
られている。
【0020】カメラ本体2の正面であって撮影レンズ3
の上部に測距窓5が設けられ、この測距窓5の左側に測
光窓4が設けられている。また、測距窓5の右側にファ
インダー対物窓6が設けられ、更にその右側にズーム連
動タイプの内蔵フラッシュ7が設けられている。
【0021】カメラ本体2の測光窓4の後方位置には、
SPC等から成る受光素子を備えた測光回路が設けら
れ、この受光素子により被写体からの光を受光して被写
体の輝度が検出されるようになっている。また、カメラ
本体2の測距窓5の後方位置には、一対のラインイメー
ジセンサからなる受光素子を備えた位相差検出方式の測
距回路が設けられ、被写体からの光を受光素子で受光し
て被写体までの距離が検出されるようになっている。
【0022】また、カメラ本体2のファインダー対物窓
6の後方位置には、被写体光像をカメラ本体2の背面に
設けられたファインダー接眼窓10に導くファインダー
光学系が設けられている。ファインダー光学系内には、
露光面における被写体光像のカメラブレに関する情報
(ブレ方向及びブレ量の情報)を検出するためのCCD
エリアセンサからなるセンサが設けられている。また、
ファインダー光学系内には視野枠やカメラブレしている
被写体光像(以下、ブレ画像という。)のブレ補正に関
する情報を表示する表示部が設けられている。
【0023】図3は、ファインダー内の表示部の一例を
示す図である。表示部は、視野枠Kの下部及び右側部に
設けられ、視野枠Kの下部に設けられた表示エリアA1
には、AF(自動調節)、AE(自動露出調節)及びフ
ラッシュ発光に関する情報が表示され、視野枠Kの右側
部の表示エリアA2にはブレ補正に関する情報が表示さ
れる。ブレ補正に関する情報は、表示エリアA2のLE
D表示P1,P2,P3若しくはシンボルマーク表示S
P1,SP2を点灯することにより行われる。
【0024】LED表示P1は、後述するブレ補正モー
ドが設定されていることを示す表示であり、LED表示
P2は、ブレ補正モードが解除されていることを示す表
示である。また、LED表示P3は、ブレ補正不可を示
す表示であり、シンボルマーク表示SP1,SP2は、
それぞれブレ補正不可の原因を示す表示である。すなわ
ち、シンボルマーク表示SP1は、ブレ量が過大でブレ
補正が有効に行えないことを示し、シンボルマーク表示
SP2は、電源電池の電圧が低すぎてブレ補正動作が行
えないことを示すものである。
【0025】図1に戻り、カメラ本体2の左側部にはグ
リップ部2aが設けられ、カメラ本体2の上面、グリッ
プ部2aの上方位置にシャッタボタン8が設けられてい
る。シャッタボタン8は、半押しでオンになるS1スイ
ッチ(図4参照)と全押しでオンになるS2スイッチ
(図4参照)の操作部材である。S1スイッチは、撮影
準備を指示するスイッチであり、S1スイッチがオンに
なると、測光回路により被写体輝度が検出されるととも
に、この検出結果に基づいて露出制御値(絞り値及びシ
ャッタスピードの制御値)が演算される。また、測距回
路により被写体距離が検出され、この検出結果に基づい
てAF制御が行われる。また、電源電池についてブレ補
正ができるか否かのチェック(以下、バッテリーチェッ
クという。)が行われ、このチェック結果が表示エリア
A2に表示される。
【0026】また、カメラ本体2の上面の右側部にブレ
補正モードを設定するブレ補正モード設定ボタン9が設
けられている。ブレ補正モードとは、カメラブレが生じ
ている場合にブレ画像を補正して撮影するモードであ
る。撮影者によりブレ補正モードを選択設定するように
しているのは、ブレ効果を狙って意図的にブレ画像を撮
影する場合があることを考慮したものである。
【0027】ブレ補正モード設定ボタン9を操作する
と、ブレ補正スイッチSB(図4参照)がオンになり、
その操作情報はカメラの撮影動作を集中制御する制御部
20(図4参照)に入力される。カメラ起動時にはブレ
補正モードは「OFF」に初期設定されており、ブレ補
正スイッチSBのオン信号が入力される毎に、ブレ補正
モードは「ON」と「OFF」とが交互に切換設定さ
れ、ファインダー内の表示エリアA2の対応するLED
表示P1,P2が点灯される。
【0028】カメラ本体2の背面の左側上部にファイン
ダー接眼窓10が設けられ、略中央にLCDからなる表
示部11が設けられている。LCD表示部11は、カメ
ラの撮影に関する各種情報(露出制御値、電池容量、フ
ラッシュ発光、撮影モード、フィルム感度、ブレ補正の
有無等の各種情報)を表示するものである。このLCD
表示部11の下方位置には撮影モード(セルフタイマー
撮影、連写撮影等のモード)の選択、フラッシュ発光モ
ードの選択、撮影シーンの選択等のための操作ボタン1
2が設けられ、LCD表示部11の上方位置にメインス
イッチ13が設けられている。また、カメラ本体2の背
面の右側上部にズームスイッチ14が設けられ、このズ
ームスイッチ14を操作して撮影レンズ3のズーム比が
変更される。
【0029】更に、カメラ本体2の右端部に電池収納室
15が設けられ、この電池収納室15に電源電池Eがセ
ットされる。電源電池Eは、フラッシュ発光、AE/A
F及び露出等の各種制御動作の電源供給源であるととも
に、カメラブレに関する情報の検出及びブレ補正用の光
学系の駆動のための電源供給源である。
【0030】図4は、本発明に係るブレ補正装置を備え
たカメラのブロック構成図である。同図において、制御
部20は、AF、AE、露出制御及びブレ補正等のカメ
ラ1の一連の撮影動作を集中制御するマイクロコンピュ
ータである。測光回路21は被写体輝度を検出する回路
であり、測距回路22は被写体距離を検出する回路であ
る。制御部20は、検出された被写体輝度に基づき露出
制御値を設定するとともに、検出された被写体距離に基
づき撮影レンズ3のAF制御値を設定する。
【0031】また、FL発光制御回路23は、内蔵フラ
ッシュ7の発光を制御する回路である。FL発光制御回
路23は、制御部20から入力される所定の発光タイミ
ングで、制御部20から入力される発光量に基づき内蔵
フラッシュ7を所定の発光量で発光させる。
【0032】また、Zモータ制御回路24は、撮影レン
ズ3内のズームレンズ25の駆動を制御する回路であ
る。Zモータ制御回路24にはズームスイッチ14の操
作方向及び操作量に基づき制御部20で生成された駆動
信号が入力され、Zモータ制御回路24はこの駆動信号
に基づきズームレンズ25の駆動を制御する。AFモー
タ制御回路26は、撮影レンズ3内のフォーカスレンズ
27の駆動を制御する回路である。AFモータ制御回路
26は、制御部20から入力されるAF制御値に基づき
フォーカスレンズ27の駆動を制御して自動的に撮影レ
ンズ3の焦点調節を行う。
【0033】絞り・シャッタ制御回路28は、レンズシ
ャッタ29の開口径及び開閉駆動を制御する回路であ
る。絞り・シャッタ制御回路28は、制御部20から入
力される露出制御値に基づきレンズシャッタ29の最大
開口径を設定し、所定のタイミングでレンズシャッタ2
9の開閉動作を行う。
【0034】また、電源電池Eは、電池収納室15に収
納されたカメラ1のメイン電源であり、電圧検出回路3
0は、電源電池Eの電圧を検出する回路である。電圧検
出回路30は、例えば電源電池Eに並列接続された2個
の高抵抗の直列回路から成り、電源電池Eの電圧を抵抗
分割して検出し、この検出値を制御部20に入力する。
【0035】制御部20は、起動時やS1スイッチによ
る撮影準備動作開始時に電圧検出回路30から入力され
る検出電圧により電源電池Eのバッテリーチェックを行
い、撮影制御の可否を判断する。また、ブレ補正モード
設定ボタン9によりブレ補正モードが設定されていると
きは、ブレ補正スイッチSBやS1スイッチがオンにな
ると、電圧検出回路30から入力される検出電圧により
電源電池Eのバッテリーチェックを行い、光学的なブレ
補正の可否を判断する。
【0036】電源電池Eの電圧Vと露出制御、ブレ補
正、ブレ量検出及びその表示の処理等との間には下記表
1の関係があり、ブレ補正モードが設定されていると
き、制御部20は、VB<V≦Vmaxであれば、ブレ量検
出回路31によりブレ量を検出し、その検出結果に基づ
いて判別したブレ補正不可の警告表示を行うとともに、
露出制御時にはブレ補正を行う。一方、Vmin<V≦VB
であれば、ブレ補正不可の警告表示のみを行い、露出制
御時にはブレ補正を行わない。
【0037】
【表1】
【0038】ブレ量検出回路31は、カメラブレに基づ
く露光面における撮影画像のブレ量を検出するととも
に、このブレ量に基づきブレ補正用のレンズの駆動制御
値を算出するものである。ブレ補正用のレンズは、後述
するように、互いに直交するX方向とY方向とにそれぞ
れ変位可能な1組のレンズ32,33(以下、ブレ補正
レンズという。)から構成されているので、上記ブレ量
はX方向及びY方向のそれぞれについて検出され、この
検出結果に基づきX方向のブレ補正レンズ31とY方向
のブレ補正レンズ32とに対する駆動制御値がそれぞれ
算出される。
【0039】図5は、ブレ量検出回路のブロック構成図
である。本実施の形態では、電池電圧VがVmin<V≦
Bの範囲であってもブレ量検出だけは行なうようにし
ているので、消費電力の省力化を考慮し、CCDエリア
センサを用いてブレ量検出回路31を構成している。同
図に示すブレ量検出回路31は、基本的に、例えば特開
平3−192228号公報に示されている回路と同一で
ある。従って、ここでは詳細説明は省略し、概要説明を
行う。
【0040】ブレ量検出回路31は、CCDエリアセン
サ311を備えた撮像部31A、撮像画像からX方向及
びY方向のコントラスト値Cx,Cy並びに相関値Cを
演算する相関値演算部31B及びこの相関値演算部31
Bでの演算結果に基づいてX方向及びY方向のブレ量を
算出するブレ量算出部31Cから構成されている。
【0041】撮像部31Aは、CCDエリアセンサ31
1、信号処理回路312、A/D変換器313及び画像
メモリ314から構成されている。CCDエリアセンサ
311は、上述したファインダー光学系内のセンサであ
り、被写体光像を電気信号に変換して取り込む撮像素子
である。CCDエリアセンサ311は、カラーセンサ、
モノクロセンサのいずれであってもよい。信号処理回路
312は、CCDエリアセンサ311から出力される各
画素の受光信号のレベル補正やノイズ除去等の信号処理
を行うものである。A/D変換器313は、各画素の受
光信号(アナログ信号)をデジタル信号(以下、画素デ
ータという。)に変換するものである。
【0042】画像メモリ314は、CCDエリアセンサ
311で取り込まれた画像データ(画像を構成する一群
の画素データ)を記憶するメモリである。画像メモリ3
14は、1枚分の画像データの記憶容量を有する基準部
メモリ314aとこれと同一の記憶容量を有する参照部
メモリ314bとから構成され、基準部メモリ314a
にはブレ量検出の基準画像(ブレ量検出処理の最初に撮
像された画像)の画像データが記憶され、参照部メモリ
314bには上記基準画像と比較参照される複数枚の参
照画像(ブレ量検出処理で周期的に撮像される複数枚の
撮像画像)の画像データが順次、更新的に記憶される。
【0043】相関値演算部31Bは、X方向及びY方向
のコントラスト値Cx,Cy並びに相関値Cを演算する
演算回路315とこの演算回路315の演算結果を記憶
するメモリ316とから構成される。相関値演算部31
Bは、相関値Cの演算に際し、図6に示すように、撮像
画像Gを複数の小ブロックの画像G(1)〜G(n)に分割
し、各分割画像G(1)〜G(n)毎にX方向(横方向)及び
Y方向(縦方向)のコントラスト値Cx(I),Cy(I)
(I=1,2,…n)を演算する。そして、これらのコ
ントラスト値Cx(I),Cy(I)からX方向及びY方向の
相関値Cを算出するための所定数m(<n)の分割画像
を抽出する。例えば48個の分割画像G(1)〜G(48)に
対してX方向及びY方向のブレ量算出用の分割画像がそ
れぞれ4個ずつ抽出される。かかる分割画像の抽出は、
撮像画像の内、コントラストの高い部分の画像を抽出
し、その部分画像を用いてブレ量を精度良く検出するた
めの処理である。
【0044】なお、X方向のコントラスト値Cx(I)
は、基準部メモリ314aに記憶された基準画像と参照
部メモリ314bに記憶された参照画像をX方向に1画
素ピッチ分ずらした画像とを比較し、各画素位置におけ
る濃度差(絶対値)を積算したものである。撮像画像の
X方向の濃度変化が大きいほど、コントラスト値Cxは
大きくなるから、各ブロックの画像G(I)についてコン
トラスト値Cx(I)を演算し、このコントラスト値Cx
(I)の大きいブロックを抽出することによりX方向にコ
ントラストの大きい部分画像が抽出される。
【0045】コントラスト値Cx(I)の演算はブレ検出
開始時に最初に取り込まれた画像GRを用いて行われ
る。すなわち、ブレ検出開始当初に取り込まれた画像デ
ータは、基準部メモリ314aと参照部メモリ314b
とに記憶されるので、基準部メモリ314aから各画素
位置(i,j)の画素データg(i,j)を読み出すととも
に、参照部メモリ314bからその画素位置(i,j)
よりX方向に1画素分ずれた位置(i,j+1)の画素
データg(i,j+1)を読み出し、両画素データg(i,j),g
(i,j+1)のレベル差Δgxの絶対値|Δgx|=|g(i,
j)−g(i,j+1)|を積算することにより行われる。
【0046】また、Y方向のコントラスト値Cyについ
てもX方向のコントラスト値Cx(I)と同様に各ブロッ
クの画像G(I)についてコントラスト値Cy(I)が演算さ
れ、このコントラスト値Cy(I)の大きいブロックを抽
出することによりY方向にコントラストの大きい部分画
像が抽出される。
【0047】相関値Cは、ブレ量開始当初の画像GR
対して所定時間t経過後の画像GSがどの方向にどれだ
けずれているか、すなわち、時間tの間の撮影画像のブ
レ方向及びブレ量を算出するためのデータである。画像
Sの画像GRに対するずれは、画像GSをX方向及びY
方向に所定量(例えば1画素ピッチ)ずつずらした画像
S′を画像GRと比較し、両画像が最も一致する画像G
S′を求めることにより算出される。
【0048】相関値Cは、各画像GS′と画像GRとの一
致度を示すもので、コントラスト値Cx,Cyの演算と
同様に、各画素位置における濃度差(絶対値)の積算値
で定義される。なお、上記のように、撮像画像の内、抽
出されたコントラストの高いm個の分割画像G(r)(r
=1,2,…m)についてのみ相関値Cを演算するよう
にしているので、各分割画像毎に算出した相関値をC
(r)(r=1,2,…m)とすると、相関値Cは、C=
C(1)+C(2)+…C(m)で算出される。
【0049】X方向にk画素ピッチ、Y方向にh画素ピ
ッチずらした画像GS′に対する相関値CをC(k,
h)で表し、k=h=0,±1,±2とすると、25個
の相関値C(k,h)が得られる。C(0,0)は、画
像GRと画像GSとを比較した場合の相関値で、カメラブ
レが生じていなければ、画像GSは画像GRと同一となる
から、C(0,0)=0となる。
【0050】一方、C(k,h)=0であれば、X方向
の画素ピッチをPx,Y方向の画素ピッチをPyとする
と、画像GSをX方向にk画素ピッチ分、Y方向にh画
素ピッチ分ずらした画像GS′が画像GRと同一となるか
ら、画像GS′は画像GRに対して斜め方向にP(=√
(Px2+Py2))だけカメラブレが生じていることが
わかる。
【0051】従って、画像GSについて、25個の相関
値C(k,h)(k=h=0,±1,±2)を算出し、
相関値C(k,h)が極小となるシフト位置を求めるこ
とによりカメラブレのブレ方向及びブレ量が算出され
る。この場合、相関値C(k,h)の極小値が画素間の
中間位置にあると推定される場合は、補間演算によりそ
の位置が算出され、この算出値から正確なブレ量
(ξx,ξy)が算出される。
【0052】演算回路315は、上記コントラスト値C
x(I),Cy(I)及び相関値C(k,h)を演算するため
の減算回路315a、絶対値回路315b、加算回路3
15c及びレジスタ315dを備えている。減算回路3
15aは、コントラスト値Cx(I)の演算において、基
準画像の画素データg(i,j)と参照画像の画素データg
(i,j+1)とのレベル差Δgx=g(i,j)−g(i,j+1)を、
また、コントラスト値Cy(I)の演算において、基準画
像の画素データg(i,j)と参照画像の画素データg(i+1,
j)とのレベル差Δgy=g(i+1,j)−g(i,j)を演算す
るものである。また、相関値C(k,h)の演算におい
ては、基準画像GRの画素データg(i,j)と参照画像GS
をX方向及びY方向にそれぞれk画素ピッチ、h画素ピ
ッチだけずらした画像GS′の画素データg(i+k,j+h)と
のレベル差Δg=g(i+k,j+h)−g(i,j)を演算するもの
である。
【0053】また、絶対値回路315bは、上記レベル
差Δgx,Δgy,Δgの絶対値を演算するものであ
る。加算回路315c及びレジスタ315dは、各画素
位置におけるΔgx,Δgy,Δgの絶対値を積算して
コントラスト値Cx(I),Cy(I)及び相関値C(k,
h)を算出するものである。
【0054】メモリ316は、演算回路315で演算さ
れたX方向及びY方向のコントラスト値Cx(I),Cy
(I)と相関値C(k,h)を記憶するものである。
【0055】ブレ量算出部31Cは、メモリ316から
X方向及びY方向のコントラスト値Cx(I),Cy(I)を
読み出し、相関値演算のための分割画像を抽出する。ま
た、抽出された各分割画像について算出された相関値C
(k,h)に対して補間演算を行い、相関値C(k,
h)が極小値となるシフト位置(X座標ξx,Y座標
ξy)を求めることによりブレ方向とブレ量とを算出す
る。このカメラブレに関する情報(ブレ方向とブレ量)
は、制御部20に入力される。
【0056】図4に戻り、ブレ補正レンズ32は、X方
向のブレを補正するためのブレ補正レンズであり、ブレ
補正レンズ33は、Y方向のブレを補正するためのブレ
補正レンズである。また、ブレ補正モータ制御回路34
は、ブレ補正レンズ32を駆動するモータ341の駆動
を制御する回路であり、ブレ補正モータ制御回路35
は、ブレ補正レンズ33を駆動するモータ351の駆動
を制御する回路である。
【0057】図7は、ブレ補正用の光学系の構造を示す
分解斜視図である。ブレ補正用の光学系は、撮影レンズ
3の先端部に設けられている。撮影レンズ3のレンズ保
持体37の先端部には環状の凹部37aが設けられ、こ
の凹部37a内にX方向のブレ補正レンズ32とY方向
のブレ補正レンズ33とがそれぞれ光軸Lに直交する平
面内のX軸方向(カメラ本体2の横方向)とY軸方向
(カメラ本体2の縦方向)に移動可能に設けられてい
る。
【0058】X方向のブレ補正レンズ32は、周縁に相
対向して円筒状のピン穴部381と歯部382とが設け
られるとともに、ピン穴部381の近傍位置にレンズ位
置検出用の投光素子40が設けられた環状の保持枠38
に保持されている。Y方向のブレ補正レンズ33も保持
枠38と同一構造を成す保持枠39に保持されている。
【0059】凹部37aに、図に示すように、光軸Lを
原点とするXY座標を想定すると、凹部37a内の+Y
軸上の適所にピン42が突設され、このピン42を保持
枠38のピン穴部381に遊嵌させてX方向のブレ補正
レンズ32が凹部37a内にX軸方向に変位可能に取り
付けられている。また、凹部37a内の+X軸上の適所
にピン43が突設され、このピン43を保持枠39のピ
ン穴部391に遊嵌させてY方向のブレ補正レンズ33
が凹部37a内にY軸方向に変位可能に取り付けられて
いる。
【0060】レンズ保持体37内には、凹部37a内の
−Y軸上の適所に駆動軸に固着された駆動ギヤ44を突
出させてモータ341が配設され、この駆動ギヤ44は
保持枠38の歯部382に噛合されている。また、凹部
37a内の−X軸上の適所に駆動軸に固着された駆動ギ
ヤ45を突出させてモータ351が配設され、この駆動
ギヤ45は保持枠39の歯部392に噛合されている。
更に、凹部37aの底面であってブレ補正レンズ32の
投光素子40を臨む位置に受光素子46が設けられ、ブ
レ補正レンズ33の投光素子41を臨む位置に受光素子
47が設けられている。
【0061】ブレ補正レンズ32及びブレ補正レンズ3
3は、ブレ補正レンズ32を内側にして凹部37内にそ
れぞれX方向とY方向とに変位可能に取り付けられ、押
え環48により凹部37から飛び出さないように固定さ
れている。
【0062】上記構成において、モータ341を正方向
又は逆方向に回転駆動すると、ブレ補正レンズ32がピ
ン42を中心として微小角だけ時計回り又は反時計回り
に回動し、これによりブレ補正レンズ32の光軸Lxが
光軸Lに対してX軸上を±X方向に変位してX方向のブ
レ補正が行われる。投光素子40からは受光素子46に
向けて縞模様の光像が投光されており、受光素子46に
おけるこの縞模様の光像の受光位置によりブレ補正レン
ズ32の位置情報(例えば基準位置からの変位量等)が
検出され、この位置情報をモータ341のブレ補正モー
タ制御回路34にフィードバックすることによりブレ補
正レンズ32の変位量が正確に制御される。
【0063】同様に、モータ351を正方向又は逆方向
に回転駆動すると、ブレ補正レンズ33がピン43を中
心として微小角だけ時計回り又は反時計回りに回動し、
これによりブレ補正レンズ33の光軸Lyが光軸Lに対
してY軸上を±Y方向に変位してY方向のブレ補正が行
われる。投光素子41からは受光素子47に向けて縞模
様の光像が投光されており、受光素子47におけるこの
縞模様の光像の受光位置によりブレ補正レンズ33の位
置情報が検出され、この位置情報をモータ351のブレ
補正モータ制御回路35にフィードバックすることによ
りブレ補正レンズ33の変位量が正確に制御される。
【0064】図4に戻り、表示制御回路36は、ファイ
ンダー内に設けられた表示部361(図3参照)の表示
を制御する回路である。表示制御回路36は、制御部2
0からの制御信号及び表示データに基づき表示部361
に所定の表示を行う。
【0065】ブレ補正スイッチSBは、ブレ補正モード
設定ボタン9の操作を検出するスイッチである。また、
S1スイッチ及びS2スイッチ、それぞれシャッタボタ
ン8の半押し状態と全押しを検出するスイッチである。
ブレ補正スイッチSB、S1スイッチ及びS2スイッチ
の検出信号は制御部20に入力される。
【0066】次に、上記カメラ1の警告処理に関する制
御について、図8〜図11のフローチャートを用いて説
明する。
【0067】図8,図9は、ブレ補正不可の警告処理の
第1の実施形態を示すフローチャートである。第1の実
施形態は、ブレ補正モード設定ボタン9によりブレ補正
モードが設定されている場合は、シャッタボタン8の半
押し操作による撮影準備の指示の有無に拘らず、ブレ量
検出回路31によるブレ量に基づき警告を行うものであ
る。
【0068】メインスイッチ13が押されて図略の電源
スイッチSMがオンになり、カメラ1が起動すると(#
2でYES)、ブレ補正モード設定ボタン9によりブレ
補正モードが設定されているか否かが判別される(#
4)。
【0069】初期状態では、ブレ補正モードがOFFに
設定されているので、ステップ#36に移行し、ファイ
ンダー内の表示部361のLED表示P1を点灯して
「ブレ補正無し」の表示が行われる。続いて、フラグF
LGB1、FLGB2が「0」にリセットされ(#3
8)、上記表示部361の警告表示の解除(LED表示
P2の消灯)が行なわれた後(#40)、ステップ#4
2に移行する。なお、フラグFLGB1は、電池電圧V
によるブレ補正の可否を判別するためのフラグで、
「1」にセットされていると、電源電池Eの消耗により
ブレ補正が行えないことを示し、「0」にセットされて
いると、ブレ補正可能を示す。また、フラグFLGB2
は、露出制御時のブレ補正の有無を判別するフラグで、
「1」にセットされていると、ブレ補正有りを示し、
「0」にリセットされていると、ブレ補正無しを示す。
【0070】ステップ#42では、シャッタボタン8の
半押し操作がなされたか否かが判別され、シャッタボタ
ン8の半押し操作がなければ(#42でNO)、ステッ
プ#4に戻り、シャッタボタン8の半押し操作がなされ
るまで、上記ステップ#4,#36〜#40,#42の
ループ処理が繰り返される。
【0071】撮影動作待機状態でブレ補正モード設定ボ
タン9が操作され、ブレ補正モードが設定が設定される
と(#4でYES)、ファインダー内の表示部361の
LED表示P2を点灯して「ブレ補正有り」の表示が行
われる(#6)。続いて、電圧検出回路30で検出され
た電源電池Eの電圧Vに基づきバッテリーチェックが行
なわれ(#8)、電池電圧VがVmin<V≦VBであれば
(#10でNO)、フラグFLGB1が「1」にセット
された後(#12)、ファインダー内の表示部361の
LED表示P3とシンボルマークSP2とを点灯して
「電池電圧低下によるブレ補正不可」の警告(以下、こ
の警告を「警告1」という。)の表示が行なわれ(#1
4)、VB<Vであれば(#10でYES)、フラグF
LGB1を「0」にリセットした後(#16)、上記L
ED表示P3及びシンボルマークSP2を消灯して「警
告1」が解除される(#18)。
【0072】続いて、測光回路21により被写体輝度が
検出され(#20)、この検出結果を考慮してブレ量検
出回路31による被写体光像のブレ量の検出が開始され
る(#22)。そして、検出されたブレ量に基づきブレ
補正の要否及びブレ補正の可否が順次、判別される(#
24,#26)。ブレ量が微小でブレ補正を必要としな
い場合は(#24でNO)、ステップ#42に移行し、
ブレ量が過大でブレ補正可能な所定のブレ範囲外であれ
ば(#26でYES)、フラグFLGB2が「1」にセ
ットされた後(#28)、ファインダー内の表示部36
1のLED表示P3とシンボルマークSP1とを点灯し
て「ブレ量過大によるブレ補正不可」の警告(以下、こ
の警告を「警告2」という。)の表示が行なわれ(#3
0)、ブレ量がブレ補正可能な所定のブレ範囲内であれ
ば(#26でNO)、フラグFLGB2を「0」にリセ
ットした後(#32)、上記LED表示P3及びシンボ
ルマークSP2を消灯して「警告2」が解除される(#
34)。
【0073】上記のように、ブレ補正モードでは、撮影
待機状態において、ブレ量は所定の周期で連続的に検出
され、検出される毎にブレ補正の要否、ブレ補正の可否
が判別され、その判別結果に応じたフラグFLGB1,
FLGB2の設定とブレ補正不可の「警告1」,「警告
2」とが行なわれる(#4〜#34,#42のルー
プ)。
【0074】そして、撮影待機状態でシャッタボタン8
の半押し操作が行われると(#42でYES)、測光回
路21により被写体輝度を検出し、この被写体輝度に基
づき露出制御値が設定されるとともに(#44)、測距
回路22により被写体距離を検出し、この被写体距離に
基づき撮影レンズ3の焦点調節が行われる(#46)。
【0075】続いて、ブレ補正モード、フラグFLGB
1及びフラグFLGB2の設定状態が順次、判別され
(#48〜#52)、ブレ補正モードが保持され、か
つ、フラグFLGB1,FLGB2のいずれも「1」に
セットされているときは(#48〜#52でYES)、
ブレ補正動作が開始される(#54)。すなわち、ブレ
量検出回路31により検出されるX方向の撮影画像のブ
レ量ξxに基づきブレ補正レンズ32をX方向に駆動す
るとともに、Y方向の撮影画像のブレ量ξyに基づきブ
レ補正レンズ33をY方向に駆動して露光面における被
写体光像のブレ量ξx,ξyがキャンセルされる。そし
て、補正レンズ32,33の駆動が安定してブレ補正撮
影が可能になると(#56)、レリーズ待機状態となる
(#58,#60のループ)。
【0076】一方、ブレ補正モード設定ボタン9により
ブレ補正モードが解除されているか(#48でNO)、
ブレ補正モードは保持されているが(#48でYE
S)、フラグFLGB1,FLGB2のいずれかが
「0」にリセットされているときは(#50又は#52
でNO)、上記ブレ補正動作を行なうことなく、ステッ
プ#58に移行し、レリーズ待機状態となる(#58,
#60のループ)。
【0077】レリーズ待機状態で、シャッタボタン8の
全押し操作によりレリーズが指示されると(#58でY
ES)、レンズシャッタ29を駆動して撮影が行われた
後(#62)、次の撮影を行なうべくステップ#4に戻
り、シャッタボタン8の半押し操作が解除されると(#
60でNO)、再度、撮影を行なうべくステップ#4に
戻る。
【0078】上記のように、第1の実施形態に係るブレ
補正不可の警告の制御では、撮影者がシャッタボタン8
を操作しなくても電池電圧の低下若しくは過大なブレ量
に基づくブレ補正不可の警告がなされ、撮影者はブレ補
正モード設定時にカメラ1のブレ補正の可否を確実に知
ることができるので、ブレ画像の誤撮影を低減すること
ができるとともに、ブレ補正無しで撮影する場合も適切
なカメラブレ対策を確実に講じることができる。
【0079】第1の実施形態では撮影者のシャッタボタ
ン8の半押し操作による撮影準備の指示前にブレ補正不
可の警告を行うようにしていたが、シャッタボタン8の
半押し操作による撮影準備の指示後にブレ補正不可の警
告を行うようにしてもよい。
【0080】図10,図11は、撮影準備の指示後にブ
レ補正不可の警告を行う警告処理の第2の実施形態を示
すフローチャートである。同図に示すフローチャート
は、図8,図9のフローチャートにおいて、ステップ#
42のS1スイッチの判断処理をステップ#3としてス
テップ#2とステップ#4の間に移動するとともに、ス
テップ#58及びステップ#60のスイッチS1,S2
の判別をそれぞれステップ#47−1,ステップ#47
−2としてステップ#46とステップ#48の間に移動
したもので、S1スイッチがオンになった後でブレ補正
不可の警告に関する処理を行なう一方、S2スイッチが
オンになった後、露出制御直前にブレ補正動作を行なう
ようにしたものである。
【0081】第2の実施形態では、S1スイッチのオン
状態からS2スイッチがオンになる短期間にブレ量検出
及びブレ補正不可の警告処理が行われ、ブレ補正動作は
露出制御直前から露出制御終了の間でのみ行なわれるの
で、第1の実施形態に比してブレ警告処理及びブレ補正
処理のための電力消費を低減することができる。
【0082】ところで、上記実施の形態では、ブレ補正
不可を撮影者に警告し、この状態で撮影をした場合にカ
メラブレが発生するおそれがあることの意識付けを行な
うようにしていたが、更に、検出されたブレ量を表示し
て実際のカメラブレの状態も撮影者に報知するようにし
てもよい。
【0083】図12は、ブレ量の表示部を備えたファイ
ンダー内の表示部の一例を示す図である。
【0084】同図は、図3において、視野枠Kの左下隅
の外側に下辺と左辺とに沿ってレベル表示部A3とレベ
ル表示部A4とを設けたものである。レベル表示部A
3,A4は複数個のドットから構成され、レベル表示部
A3にはX方向のブレ量がレベル表示され、レベル表示
部A4にはY方向のブレ量がレベル表示されるようにな
っている。表示方法としては、ブレ量に対応するドット
分を点灯表示してもよく、ピーク値に対応するドットの
みを点灯するようにしてもよい。また、例えばレベル
を、ブレによる画質劣化が問題とならない範囲、ブレに
よる画質劣化の恐れがある範囲、ブレによる画質劣化が
問題となる範囲に3分割し、カメラブレの撮影に与える
影響が分かるようにするとよい。
【0085】このように、ブレ量を表示するようにすれ
ば、撮影者は、ブレ量の大きさに応じてより適切なカメ
ラブレの防止策を講じることができ、ブレ補正不可の状
態においてもカメラブレの少ない写真撮影を行なうこと
ができる。
【0086】なお、上記実施の形態では、シンボルマー
クSP1,SP2によりブレ補正不可の場合の警告表示
を行なうようにしていたが、警告表示の方法はこれに限
定されるものではない。例えば色の異なるLEDを点灯
して「電池電圧低下によるブレ補正不可」の警告表示と
「ブレ量過大によるブレ補正不可」の警告表示を行なう
ようにしてもよい。また、LCD表示部11に「警告
1」,「警告2」の表示を行なうようにしてもよい。
【0087】また、上記実施の形態では、ブレ補正不可
の警告を表示により行っていたが、ブザー等の音により
警告するようにしてもよく、警告表示と警告音の両方を
行なうようにしてもよい。
【0088】更に、上記実施の形態では、ブレ補正装置
を備えたカメラについて説明したが、本発明は、これに
限定されるものではなく、例えばビデオカメラ、スチル
ビデオカメラ、望遠鏡、双眼鏡等の被写体像を撮影した
り、観察したりするための任意の光学装置に適用するこ
とができる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被写体像のブレに関する情報を検出し、この検出結果に
基づき被写体像のブレの光学的な補正を行なうブレ補正
装置において、例えば検出した被写体像のブレ量が所定
のブレ補正可能な範囲を越えていたり、ブレ補正手段の
駆動源である電源供給手段の電圧が所定のブレ補正可能
な電圧閾値より低下していて被写体像の光学的なブレ補
正が行なえないとき、ブレ補正不可の警告を行なうよう
にしたので、使用者はブレ補正無しで写真撮影や被写体
観察を行なわなければならない場合にもブレのおそれを
確実に認識し、適切なブレ防止策を講じることができ
る。
【0090】また、併せて、検出された被写体像のブレ
に関する情報も表示するようにしたので、使用者はこの
ブレに関する情報に基づきより好適なブレ防止策を講じ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレ補正装置を備えたカメラの外
観を示す正面斜視図である。
【図2】本発明に係るブレ補正装置を備えたカメラの外
観を示す背面図である。
【図3】ファインダー内の表示部の一例を示す図であ
る。
【図4】本発明に係るブレ補正装置を備えたカメラのブ
ロック構成図である。
【図5】ブレ量検出回路のブロック構成図である。
【図6】撮像画像に設けた小ブロックの分割画像を示す
図である。
【図7】ブレ補正用の光学系の構造を示す分解斜視図で
ある。
【図8】ブレ補正不可の警告処理の第1の実施形態を示
すフローチャートである。
【図9】ブレ補正不可の警告処理の第1の実施形態を示
すフローチャートである。
【図10】ブレ補正不可の警告処理の第2の実施形態を
示すフローチャートである。
【図11】ブレ補正不可の警告処理の第2の実施形態を
示すフローチャートである。
【図12】ブレ量の表示部を備えたファインダー内の表
示部の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 カメラ 2 カメラ本体 3 撮影レンズ 4 測光窓 5 測距窓 6 ファインダー対物窓 7 内蔵フラッシュ 8 シャッタボタン 9 ブレ補正モード設定ボタン 10 ファインダー接眼窓 11 LCD表示部 12 操作ボタン 13 メインスイッチ 14 ズームスイッチ 15 電池収納室 20 制御部(判別手段) 21 測光回路 22 測距回路 23 FL発光制御回路 24 Zモータ制御回路 25 ズームレンズ 26 AFモータ制御回路 27 フォーカスレンズ 28 絞り・シャッタ制御回路 29 レンズシャッタ 30 電圧検出回路(電圧検出手段) 31 ブレ量検出回路 32,33 ブレ補正レンズ(ブレ補正手段) 34,35 ブレ補正モータ制御回路 341,351 モータ 36 表示制御回路 361 表示部(警告手段,表示手段) 37 レンズ保持体 38,39 保持枠 40,41 投光素子 42,43 ピン 44,45 駆動ギヤ 46,47 受光素子 48 押え環 E 電源電池(電源供給手段) SB ブレ補正スイッチ S1,S2 スイッチ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体像のブレに関する情報を検出し、
    この検出結果に基づき上記被写体像のブレの光学的な補
    正を行なうブレ補正装置において、上記被写体像の光学
    的なブレ補正の可否を判別する判別手段と、ブレ補正不
    可のとき、警告を行なう警告手段とを備えたことを特徴
    とするブレ補正装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のブレ補正装置において、
    上記判別手段は、検出された被写体像のブレ量が所定の
    ブレ補正可能範囲に入っているか否かを判別するもので
    あることを特徴とするブレ補正装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のブレ補正装置にお
    いて、被写体像のブレを光学的に補正するブレ補正手段
    に電源を供給する電源供給手段と、上記電源供給手段の
    電圧を検出する電圧検出手段とを備え、上記判別手段
    は、検出された電圧が上記ブレ補正手段の駆動可能な所
    定の電圧閾値を越えているか否かを判別するものである
    ことを特徴とするブレ補正装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のブレ補
    正装置において、検出された被写体像のブレに関する情
    報を表示する表示手段を備えたことを特徴とするブレ補
    正装置。
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Cited By (3)

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