JPH10159674A - 噴射弁 - Google Patents

噴射弁

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JPH10159674A
JPH10159674A JP32395596A JP32395596A JPH10159674A JP H10159674 A JPH10159674 A JP H10159674A JP 32395596 A JP32395596 A JP 32395596A JP 32395596 A JP32395596 A JP 32395596A JP H10159674 A JPH10159674 A JP H10159674A
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needle
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Takayuki Arai
孝之 荒井
Masahiko Katsu
雅彦 勝
Takashi Fukuda
隆 福田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子をアクチュエータとする噴射弁にお
いて、構造の簡素化をはかるとともに、燃料噴射量のバ
ラツキを抑える。 【解決手段】 噴口1bが開口する座面1aと、座面1
aに対して移動可能に設けられるニードル2と、ニード
ル2を座面1aから遠ざける開弁方向に付勢するサラバ
ネ4と、印加される電圧により伸長してニードル2を座
面1aに近づける閉弁方向に駆動する圧電素子10とを
備えるものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの燃料噴
射弁等に適用される、圧電素子をアクチュエータとする
弁構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジンに備えられる燃料噴射
弁等に、印加電圧に応じて伸張する積層圧電素子(ピエ
ゾ素子)を用いてニードル(弁体)を開弁作動させるも
のがあった。ニードルを圧電素子により駆動することに
より、燃料噴射弁の高速応答性が高まり、高出力化に対
応するための噴射可能範囲を拡大できる。また、少量の
燃料を安定して噴射することが可能となり、燃費の低減
がはかれる。
【0003】従来、この種の燃料噴射弁として、例えば
図4に示すようなものがある(特公平7−72520号
公報、参照)。
【0004】これについて説明すると、ノズルボディ5
1にニードル52が摺動可能に収装される。ノズルボデ
ィ51の内部にはニードル52のまわりに燃圧室53が
画成される。ノズルボディ51の先端に噴口51bが開
口し、噴口51bはニードル52によって開閉される。
【0005】図示しない燃料噴射ポンプから圧送される
燃料は、燃料入口63から燃料通路62を通して燃圧室
53に導入され、ニードル52のリフトに伴って噴口5
1bから噴射される。
【0006】ニードル52をロッド64等を介して閉弁
方向に付勢するスプリング54が設けられる。
【0007】ニードル52を開弁方向に駆動する圧電素
子60が設けられる。圧電素子60はリード線68を介
して電圧が印加されることによりスプリング54に抗し
て伸長すると、リテーナ67を介してロッド64が引き
込まれ、ロッド64に追従させてニードル2をリフトさ
せる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の燃料噴射弁にあっては、圧電素子60の変位
方向とニードル52の変位方向が逆転しているため、圧
電素子60の駆動力を逆転させてニードル52に伝達す
るリテーナ67およびロッド64等の機構が必要とな
り、構造が複雑化するという問題点が考えられる。
【0009】また、ニードル52のフルリフト量が圧電
素子60の変位量によって決まるため、ニードル52の
フルリフト量Aが圧電素子60の固体バラツキに影響さ
れ、燃料噴射量にバラツキが生じるという問題点が考え
られる。
【0010】本発明は上記の問題点を鑑みてなされたも
のであり、圧電素子をアクチュエータとする噴射弁にお
いて、構造の簡素化をはかるとともに、燃料噴射量のバ
ラツキを抑えることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の噴射弁
は、噴口が開口した座面に接離して噴口を開閉するニー
ドルと、ニードルを開弁方向に付勢する手段と、印加さ
れる電圧により伸長してニードルを直接的に閉弁方向に
駆動する圧電素子とを備えるものとした。
【0012】請求項2に記載の噴射弁は、請求項1に記
載の発明において、前記ニードルのフルリフト量Aを規
制する手段を備え、圧電素子の最大伸長量Yをニードル
のフルリフト量Aより大きく設定するものとした。
【0013】請求項3に記載の噴射弁は、請求項1また
は2に記載の発明において、前記ニードルのフルリフト
量Aを規制する手段として、ニードルとニードルを収装
するハウジングの間にシムを介装するものとした。
【0014】請求項4に記載の噴射弁は、請求項1から
3のいずれか一つに記載の発明において、前記ニードル
を開弁方向に付勢する手段として、ニードルと同心上に
配置されるサラバネを備えるものとした。
【0015】請求項5に記載の噴射弁は、請求項1から
4のいずれか一つに記載の発明において、前記ニードル
と圧電素子間の当接部の少なくとも一方に凸面状に形成
するものとした。
【0016】
【発明の作用および効果】請求項1に記載の噴射弁にお
いて、圧電素子に電圧が印加されると、圧電素子が伸長
してニードルを座面に近づけ、噴口を閉じる。
【0017】圧電素子に印加される電圧を遮断し、かつ
両端子を短絡させて内部の電荷を除去することにより瞬
時に収縮する。そして、付勢手段がニードルを圧電素子
の収縮に追従させてニードルを座面から離し、噴口を開
く。
【0018】圧電素子の変位方向とニードルの変位方向
が一致しているため、圧電素子とニードルを直列に並
べ、圧電素子にニードルを当接させて駆動することが可
能となる。この結果、従来装置のように圧電素子の駆動
力を逆転させてニードルに伝達する機構が不要となり、
構造の簡素化がはかれる。
【0019】請求項2に記載の噴射弁において、圧電素
子の最大伸長量Yをニードルのフルリフト量Aより大き
く設定したため、圧電素子の固体バラツキに影響される
ことなく、一定のフルリフト量Aが得られる。この結
果、多気筒エンジンの燃料噴射弁に適用した場合、各気
筒の燃料噴射量にバラツキが生じることを抑え、安定し
た運転性が確保される。
【0020】請求項3に記載の噴射弁において、シムは
ニードルに当接してニードルの開弁方向の変位量を規制
するため、シムの板厚によってニードルのフルリフト量
Aを調節することができる。
【0021】請求項4に記載の噴射弁において、ニード
ルを開弁方向に付勢する手段として、ニードルと同心上
に配置されるサラバネは、ニードルに対して周方向に均
一に分布する力を付与するため、ニードルを偏心方向に
付勢することなく、ニードルの動きを円滑にして、安定
した作動性が確保される。
【0022】請求項5に記載の噴射弁において、ニード
ルと圧電素子の当接部の少なくとも一方に凸面状に形成
したため、圧電素子の寸法誤差等に影響されることな
く、ニードルの動きを円滑にして、安定した作動性が確
保される。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を筒内噴射式火花点
火エンジンに備えられる燃料噴射弁に適用した実施形態
を添付図面に基づいて説明する。
【0024】図1に示すように、ノズルボディ1とハウ
ジング9の内部にニードル2が摺動可能に収装される。
ノズルボディ1とハウジング9の内部にはニードル2の
まわりに燃圧室3が画成される。ノズルボディ1の先端
に噴口1bが開口し、噴口1bはニードル2によって開
閉される。
【0025】図示しない燃料噴射ポンプから圧送される
燃料は、燃料入口13から燃料通路12を通して燃圧室
3に導入され、ニードル2のリフトに伴って噴口1bか
ら噴射される。ノズルボディ1はエンジンの燃焼室天井
壁から燃焼室に臨み、噴口1bから燃料噴霧をピストン
の冠部に向けて噴出するようになっている。
【0026】ノズルボディ1の内側には噴口1bのまわ
りに座面1aが円錐面状に窪む。一方、ニードル2の先
端にはシート部2aが円錐面状に突出する。シート部2
aが座面1aに着座することにより、噴口1bが閉塞さ
れる。シート部2aが座面1aから離れることにより、
噴口1bが開かれる。
【0027】ニードル2の途中からは支持部2bが外径
方向に突出し、支持部2bがノズルボディ1の円筒状を
した内壁面に摺接することにより、シート部2aを座面
1aと同軸上に案内する。支持部2bとノズルボディ1
の内壁面の間には燃料が流通する通路が形成されてい
る。
【0028】ニードル2はその基端側にピストン部2c
が環状に突出形成される。ピストン部2cの外周に形成
された環状溝にはOリング5が介装される。Oリング5
がハウジング9の円筒状をした内壁面に摺接することに
より、燃圧室3の密封がはかれる。環状溝にはOリング
5の背後にバックアップリング6が介装され、液圧によ
りOリング5が環状溝からはみ出さないようになってい
る。
【0029】ニードル2を開弁方向に付勢するサラバネ
4が設けられる。サラバネ4は底のない皿状をしてい
る。ニードル2のピストン部2cとノズルボディ1の間
にはサラバネ4が圧縮された状態で介装され、ニードル
2と同心上に配置される。サラバネ4はその弾性復元力
によりニードル2のシート部2aを座面1aから離すよ
うになっている。
【0030】ニードル2を閉弁方向に駆動する圧電素子
10が設けられる。圧電素子10はリード線18を介し
て電圧が印加されることにより、図1に示すようにニー
ドル2の摺動方向に伸長し、シート部2aを座面1aに
着座させる。圧電素子10はこれに印加される電圧を遮
断し、かつ両端子を短絡させて内部の電荷を除去するこ
とにより瞬時に収縮する。そして、ニードル2が燃圧室
3の燃料圧力とサラバネ4の付勢力を合わせた力Fによ
って軸方向に移動し、シート部2aが座面1aから離れ
る。圧電素子10がニードル2を閉弁方向に駆動する力
は、燃圧室3の燃料圧力とサラバネ4の付勢力を合わせ
た力Fより大きく設定されている。
【0031】圧電素子10は円盤状をした複数の圧電単
体が、同じく円盤状をした内部電極板を挟んで積層され
る。圧電単体は、電圧が印加され、電荷が蓄えられるこ
とによりその板厚が増える一方、電圧を遮断し、内部の
電荷を除去することによりその板厚が減るようになって
いる。
【0032】圧電素子10の固定端(基端)は端板15
とナット16およびカバー14を介してハウジング9に
固定される。端板15は圧電素子10の固定端に結合さ
れるとともに、これに螺合するナット16を介してカバ
ー14に締結される。カバー14はハウジング9の外周
に螺合して結合される。
【0033】圧電素子10の駆動端(先端)とニードル
2の間には端板11とボール8およびシム7が介装され
る。
【0034】圧電素子10の駆動端には端板11が結合
される。ボール8は端板11とニードル2の間に介装さ
れる。端板11とニードル2の基端面には球面状に窪む
一対の凹部がそれぞれ形成される。ボール8は各凹部の
間に挟持される。
【0035】シム7は円盤状に形成される。シム7はニ
ードル2の基端とハウジング9の間に介装され、ニード
ル2の軸方向の移動を規制する。すなわち、シム7の板
厚によってニードル2のフルリフト量Aが決まる。
【0036】圧電素子10の最大伸長量Yはニードル2
のフルリフト量Aより大きく設定される。
【0037】リード線18はハウジング9の穴17から
取り出され、穴17とリード線18の間はシール19を
介して密封される。
【0038】リード線18は図示しない駆動回路へと延
びている。図示しないコントロールユニットはエンジン
の吸入空気量や回転数に応じて燃料噴射量を演算する。
コントロールユニットで演算された燃料噴射量に対応す
るパルス信号がパルス発生器でつくられ、このパルス信
号に応じた電圧が駆動回路を介して圧電素子10に印加
される。
【0039】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0040】図1はエンジン始動前の状態である燃料噴
射弁を示しており、圧電素子10は電圧が印加されて伸
長しており、ニードル2のシート部2aを座面1aに着
座させている。
【0041】図2は燃料噴射弁の開弁作動の過程を示し
ている。圧電素子10はエンジン回転に同期して印加さ
れる電圧を遮断し、両端子間を短絡することにより瞬時
に収縮し、ニードル2は燃圧室3の燃料圧力とサラバネ
4の付勢力を合わせた力Fによって軸方向に移動し、図
(a)(b)(c)の順にシート部2aが座面1aから
離れる。
【0042】この開弁作動時、サラバネ4はニードル2
に対して周方向に均一に分布する力を付与するため、ニ
ードル2を偏心方向に付勢することなく、ニードル2の
動きを円滑にして、安定した作動性が確保される。
【0043】この開弁作動時、圧電素子10の伸長量Y
は、ニードル2のフルリフト量Aより大きく設定されて
いるため、ニードル2はシム7に着座して所定のフルリ
フト量Aだけ移動する。したがって、ニードル2のフル
リフト時には、(c)図に示すように、ニードル2のシ
ート部2aと座面1aの間には一定の燃料流路が画成さ
れ、燃圧室3に導かれる燃料圧力によって定まる燃料噴
射率が得られる。
【0044】ニードル2のフルリフト時に、ボール8と
ニードル2の間には距離B(=Y−A)の間隙が空く。
圧電素子10の伸長量Yに生じる固体バラツキに対応し
て、間隙の距離Bを伸長量Yのバラツキ幅より大きく設
定することにより、圧電素子10の固体バラツキに影響
されることなく、一定のフルリフト量Aが得られる。こ
の結果、多気筒エンジンの場合、各気筒の燃料噴射量に
バラツキが生じることを抑え、安定した運転性が確保さ
れる。
【0045】なお、図示した距離Bの寸法は、便宜上実
際よりも誇張して大きくしてあるが、実際には数十μm
の値であり、ボール8が端板11とニードル2の凹部間
から脱落することはない。
【0046】図3は燃料噴射弁の閉弁作動の過程を示し
ている。圧電素子10はエンジン回転に同期して電圧が
印加されることにより伸長し、ニードル2は燃圧室3の
燃料圧力とサラバネ4の付勢力を合わせた力Fに抗して
軸方向に移動し、図(d)(e)(f)の順にシート部
2aが座面1aに近づいて着座する。
【0047】この閉弁作動時、圧電素子10の伸長量Y
は、ニードル2のフルリフト量Aより大きく設定されて
いるため、圧電素子10の伸長に伴ってニードル2のシ
ート部2aは座面1aに着座する。
【0048】この閉弁作動時、圧電素子10はボール8
を介してニードル2に当接するため、圧電素子10の寸
法誤差や圧電素子10の傾き等に影響されることなく、
ニードル2の動きを円滑にして、安定した作動性が確保
される。そして、圧電素子10に偏荷重が加わることを
防止でき、圧電素子の耐久性も向上できる。
【0049】燃料噴射弁は、圧電素子10の変位方向と
ニードル2の変位方向が一致しているため、圧電素子1
0とニードル2を直列に並べ、圧電素子10にニードル
2を当接させて駆動することが可能となる。この結果、
従来装置のように圧電素子10の駆動力を逆転させてニ
ードル2に伝達する機構が不要となり、構造の簡素化が
はかれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す燃料噴射弁の断面図。
【図2】同じく燃料噴射弁の閉弁作動の過程を示す断面
図。
【図3】同じく燃料噴射弁の開弁作動の過程を示す断面
図。
【図4】従来例を示す燃料噴射弁の断面図。
【符号の説明】
1 ノズルボディ 1a 座面 1b 噴口 2 ニードル 2a シート部 3 燃圧室 4 サラバネ 5 Oリング 6 バックアップリング 7 シム 8 ボール 9 ハウジング 10 圧電素子 11 端板 12 燃料通路 13 燃料入口 14 カバー 15 端板 18 リード線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】噴口が開口した座面に接離して噴口を開閉
    するニードルと、 ニードルを開弁方向に付勢する手段と、 印加される電圧により伸長してニードルを直接的に閉弁
    方向に駆動する圧電素子と、 を備えたことを特徴とする噴射弁。
  2. 【請求項2】前記ニードルのフルリフト量Aを規制する
    手段を備え、 圧電素子の最大伸長量Yをニードルのフルリフト量Aよ
    り大きく設定したことを特徴とする請求項1に記載の噴
    射弁。
  3. 【請求項3】前記ニードルのフルリフト量Aを規制する
    手段として、ニードルとニードルを収装するハウジング
    の間にシムを介装したことを特徴とする請求項1または
    2に記載の噴射弁。
  4. 【請求項4】前記ニードルを開弁方向に付勢する手段と
    して、ニードルと同心上に配置されるサラバネを備えた
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載
    の噴射弁。
  5. 【請求項5】前記ニードルと圧電素子間の当接部の少な
    くとも一方を凸面状に形成したことを特徴とする請求項
    1から4のいずれか一つに記載の噴射弁。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003018996A3 (de) * 2001-08-17 2007-11-29 Bosch Gmbh Robert Piezoelektrisches aktormodul
JP2010138771A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Denso Corp 燃料噴射装置

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JP2010138771A (ja) * 2008-12-10 2010-06-24 Denso Corp 燃料噴射装置

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