JPH1015941A - スチレン系樹脂組成物への液状添加剤添加方法 - Google Patents

スチレン系樹脂組成物への液状添加剤添加方法

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JPH1015941A
JPH1015941A JP8172405A JP17240596A JPH1015941A JP H1015941 A JPH1015941 A JP H1015941A JP 8172405 A JP8172405 A JP 8172405A JP 17240596 A JP17240596 A JP 17240596A JP H1015941 A JPH1015941 A JP H1015941A
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styrene
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supply opening
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JP8172405A
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Hajime Nishihara
一 西原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/285Feeding the extrusion material to the extruder
    • B29C48/297Feeding the extrusion material to the extruder at several locations, e.g. using several hoppers or using a separate additive feeding
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B29C48/25Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C48/36Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die
    • B29C48/395Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders
    • B29C48/40Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it through the nozzle or die using screws surrounded by a cooperating barrel, e.g. single screw extruders using two or more parallel screws or at least two parallel non-intermeshing screws, e.g. twin screw extruders

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 押出し安定性に優れ、高い生産性で衝撃強
度、耐熱性、成形加工流動性、外観の向上したスチレン
系樹脂組成物を得る液状添加剤添加方法の提供。 【解決手段】 (a)スチレン系樹脂/(b)ポリフェ
ニレンエーテル樹脂組成物に(c)液状添加剤を添加す
る方法において、先端部からの距離を異にする一箇所の
メインフィード開口部と複数箇所のサイドフィード可能
な供給用開口部を有する二軸押出機を用い、(c)を分
割して、メインフィード開口部に近い供給用開口部から
順に数えて第N番目の供給用開口部での(c)添加前の
樹脂のせん断粘度ηN(ポイズ)とその次に近い第(N
+1)番目の供給用開口部での(c)添加前の樹脂のせ
ん断粘度ηN+1(ポイズ)の粘度比ηN+1/ηNが0.01
〜1.0であることを特徴とするスチレン系樹脂組成物
への液状添加剤添加方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスチレン系樹脂組成
物への液状添加剤添加方法に関する。更に詳しくは、押
出し安定性に優れ、高い生産性を有する方法により、衝
撃強度、耐熱性、成形加工流動性及び外観の向上を可能
にしたスチレン系樹脂組成物への液状添加剤添加方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテ
ルからなる樹脂組成物は、優れた流動性、耐熱性、耐衝
撃性を有するために自動車部品、家電部品、OA機器部
品を始めとする多岐の分野で使用されている。
【0003】近年かかる分野でより高機能化のために各
種ポリマー添加剤が用いられている。例えば、加工性を
改良するために流動パラフェン(ミネラルオイル)を添
加したり、また難燃性を付与するために有機リン化合物
を混合することが通常行なわれている。しかしながら、
ポリマー添加剤は一般的に液状である場合が多く、液状
のポリマー添加剤と耐熱性の高いポリフェニレンエーテ
ルとを溶融混合する場合には、両者の溶融粘度の差が大
きいために相分離して生産性が低下したり、ポリフェニ
レンエーテルの未溶融物の発生により外観が低下する等
の問題があった。
【0004】これに対して、独特許DE4024872
号公報には、2ゾーンからなる押出機を用い、前段でポ
リフェニレンエーテルとスチレン系樹脂を220℃〜3
50℃で溶融し、引き続き後段で液状添加剤の一種のリ
ン系難燃剤を50〜200℃で溶融押出しする連続製造
方法が開示されている。しかし、該公報により生産性が
ある程度向上するものの、充分ではなく工業的使用が狭
められる。
【0005】また、ポリマー添加剤は揮発性のものが多
く、液状のポリマー添加剤を含有しているスチレン系樹
脂とポリフェニレンエーテルからなる樹脂組成物を成形
する時に、揮発して金型汚染、いわゆるモールドディポ
ジットの発生により生産性を低下させたり、または金型
汚染物が成形品に転写しストレスクラックを引き起こす
という問題がある。
【0006】それに対して特開平8−67789号公報
には、スチレン系樹脂と、芳香族ポリカーボネート及び
/または芳香族ポリエステルからなる樹脂組成物の製造
に際して、特定の脱気装置を接続した混練機で特定の温
度条件で製造することが開示されている。上記公報の製
造方法は、芳香族ポリカーボネート及び/または芳香族
ポリエステルが必須成分である点で、本発明と異なるだ
けでなく、特定の液状添加剤を特定の溶融押出すること
により、顕著な低揮発化が達成されることは開示されて
いないし、予想さえされない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、上記のような問題点のない、即ち、押出し
安定性に優れ、高い生産性を有する方法により、衝撃強
度、耐熱性、成形加工流動性及び外観の向上を可能にし
たスチレン系樹脂の液状添加剤添加方法を提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、スチレン
系樹脂とポリフェニレンエーテル系樹脂を含有した樹脂
組成物に液状添加剤を添加する方法を鋭意検討した結
果、複数箇所のサイドフィード可能な供給開口部を有す
る二軸押出機を用い、スチレン系樹脂とポリフェニレン
エーテルを含有する樹脂組成物に、特定のせん断粘度変
化を有するように液状添加剤を分割してサイドフィード
することにより、押出安定性が向上し、そして、驚くべ
きことに得られた樹脂組成物の衝撃強度、耐熱性、成形
加工流動性、外観、及び難燃性が飛躍的に向上すること
を見出し、本発明に到達した。
【0009】即ち、本発明は、(a)スチレン系樹脂、
(b)ポリフェニレンエーテルからなる樹脂組成物に
(c)液状添加剤を添加する方法において、先端部から
の距離を異にする一箇所のメインフィード開口部と複数
箇所のサイドフィード可能な供給用開口部を有する二軸
押出機を用い、(c)を分割して上記供給用開口部から
サイドフィードする際に、メインフィード開口部に近い
供給用開口部から順に数えて第N番目の供給用開口部で
の(c)を添加する前の溶融樹脂のせん断粘度ηN(ポ
イズ)とその次に近い第(N+1)番目の供給用開口部
での(c)を添加する前の溶融樹脂のせん断粘度ηN+1
(ポイズ)の粘度比ηN+1/ηN(Nは自然数、溶融条件
は200℃、せん断速度1000sec~1である)が
0.01〜1.0であることを特徴とするスチレン系樹脂
組成物への液状添加剤添加方法、とりわけ二軸押出機と
して、シリンダー内径(D)に対するスクリュー長さ
(L)の割合(L/D)が20〜50であり、メインフ
ィード開口部と第一供給用開口部の間及び第一供給用開
口部と上記先端部との間にニーディング部分を有し、上
記ニーディング部分の長さが、それぞれ3D〜10Dで
あることを特徴とするスチレン系樹脂組成物への液状添
加剤添加方法、及び(c)が難燃剤であり、とりわけ
(c)が下記式(1)で示される難燃剤であるスチレン
系樹脂組成物への液状添加剤添加方法、
【0010】
【化2】
【0011】(式中、a、b、cは1から3、R1
2、R3は水素または炭素数が1から30のアルキル基
であり、化合物全体として、置換基R1、R2、R3の炭
素数の合計が平均12から30である。ここで、異なっ
た置換基を有する、複数の芳香族リン酸エステルからな
る場合には、上記難燃剤の置換基R1、R2、R3の炭素
数の合計は、数平均で表し、上記難燃剤中の各芳香族リ
ン酸エステル成分の重量分率と、各成分の置換基の炭素
数の合計との積の和である。) そして、(a)樹脂部分の還元粘度ηsp/Cが0.4
〜0.6であるゴム変性スチレン系樹脂100重量部、
(b)還元粘度ηsp/Cが0.3〜0.6であるポリ
フェニレンエーテル1〜100重量部、及び(c)上記
難燃剤1〜100重量部からなるスチレン系樹脂組成物
への液状添加剤添加方法を提供するものである。
【0012】以下、本発明を詳しく説明する。
【0013】本発明は、複数箇所のサイドフィード可能
な供給開口部を有する二軸押出機を用い、(a)スチレ
ン系樹脂と(b)ポリフェニレンエーテルを含有する樹
脂組成物に、特定のせん断粘度変化を有するように
(c)液状添加剤を分割してサイドフィードする液状添
加剤添加方法である。
【0014】上記(a)は成形用樹脂組成物の主成分を
なし、成形品の強度保持の役割を担い、(b)は(a)
に衝撃強度、耐熱性及び難燃性を付与するための成分で
あり、(c)はスチレン系樹脂組成物に難燃性や流動性
等の機能性を付与するための液状添加剤である。
【0015】ここで、(c)液状添加剤を添加する方法
において、上述のように、メインフィード開口部に近い
供給用開口部から順に数えて第N番目の供給用開口部で
の(c)を添加する前の溶融樹脂のせん断粘度ηN(ポ
イズ)とその次に近い第(N+1)番目の供給用開口部
での(c)を添加する前の溶融樹脂のせん断粘度ηN+1
(ポイズ)の粘度比ηN+1/ηN(Nは自然数、溶融条件
は200℃、せん断速度1000sec~1である)が
0.01〜1.0であることが重要である。好ましくは
0.05〜0.8、さらに好ましくは0.1〜0.5で
ある。上記粘度比が0.01未満では粘度変化が大きい
ために、液状添加剤が押出機先端から吹き出したり、ス
トランドの引き取り性が低下するために、安定押出が困
難となることを見出し、本発明を完成した。
【0016】本発明において、(a)スチレン系樹脂
は、ゴム変性スチレン系樹脂及び/またはゴム非変性ス
チレン系樹脂であり、特にゴム変性スチレン系樹脂単独
またはゴム変性スチレン系樹脂とゴム非変性スチレン系
樹脂からなることが好ましく、(b)〜(c)と相溶も
しくは均一分散し得るものであれば特に制限はない。ま
た、ゴム変性スチレン系樹脂は、ビニル芳香族系重合体
よりなるマトリックス中にゴム状重合体が粒子状に分散
してなる重合体をいい、ゴム状重合体の存在下に芳香族
ビニル単量体及び必要に応じ、これと共重合可能なビニ
ル単量体を加えて単量体混合物を公知の塊状重合、塊状
懸濁重合、溶液重合、または乳化重合することにより得
られる。
【0017】このような樹脂の例としては、耐衝撃性ポ
リスチレン、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエ
ン−スチレン共重合体)、AAS樹脂(アクリロニトリ
ル−アクリルゴム−スチレン共重合体)、AES樹脂
(アクリロニトリル−エチレンプロピレンゴム−スチレ
ン共重合体)等が挙げられる。
【0018】ここで、前記ゴム状重合体は、ガラス転移
温度(Tg)が−30℃以下であることが必要であり、
−30℃を越えると耐衝撃性が低下する。
【0019】このようなゴム状重合体の例としては、ポ
リブタジエン、ポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ
(アクリロニトリル−ブタジエン)等のジエン系ゴム及
び上記ジエンゴムを水素添加した飽和ゴム、イソプレン
ゴム、クロロプレンゴム、ポリアクリル酸ブチル等のア
クリル系ゴム及びエチレン−プロピレン−ジエンモノマ
ー三元共重合体(EPDM)等を挙げることができ、特
にジエン系ゴムが好ましい。
【0020】上記のゴム状重合体の存在下に重合させる
グラフト重合可能な単量体混合物中の必須成分の芳香族
ビニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン等であり、スチレンが最も好ま
しいが、スチレンを主体に上記他の芳香族ビニル単量体
を共重合してもよい。
【0021】また、ゴム変性スチレン系樹脂の成分とし
て必要に応じて、芳香族ビニル単量体に共重合可能な単
量体成分を一種以上導入することができる。耐油性を高
める必要のある場合は、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル等の不飽和ニトリル単量体を用いることができ
る。
【0022】そして、ブレンド時の溶融粘度を低下させ
る必要のある場合は、炭素数が1〜8のアルキル基から
なるアクリル酸エステルを用いることができる。また更
に、樹脂組成物の耐熱性を更に高める必要のある場合
は、α−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、
無水マレイン酸、N−置換マレイミド等の単量体を共重
合してもよい。単量体混合物中に占める上記ビニル芳香
族単量体と共重合可能なビニル単量体の含量は0〜40
重量%である。
【0023】ゴム変性スチレン系樹脂におけるゴム状重
合体は、好ましくは5〜80重量%、特に好ましくは1
0〜50重量%、グラフト重合可能な単量体混合物は、
好ましくは95〜20重量%、更に好ましくは90〜5
0重量%の範囲にある。この範囲内では、目的とする樹
脂組成物の耐衝撃性と剛性のバランスが向上する。更に
は、スチレン系重合体のゴム粒子径は、0.1〜5.0
μmが好ましく、特に0.2〜3.0μmが好適であ
る。上記範囲内では、特に耐衝撃性が向上する。
【0024】ゴム変性スチレン系樹脂の分子量の尺度で
ある樹脂部分の還元粘度ηsp/c(0.5g/dl、
30℃測定:マトリックス樹脂がポリスチレンの場合は
トルエン溶液、マトリックス樹脂が不飽和ニトリル−芳
香族ビニル共重合体の場合はメチルエチルケトン)は、
0.30〜0.80dl/gの範囲にあることが好まし
く、0.40〜0.60dl/gの範囲にあることがよ
り好ましい。ゴム変性スチレン系樹脂の還元粘度ηsp
/cに関する上記要件を満たすための手段としては、重
合開始剤量、重合温度、連鎖移動剤量の調整等を挙げる
ことができる。
【0025】本発明において、スチレン系樹脂に更に他
の熱可塑性樹脂を配合することができる。例えば、ポリ
フェニレンエーテル系、ポリアミド系、ポリエステル
系、ポリフェニレンスルフィド系、ポリカーボネート
系、ポリメタクリレート系等の単独もしくは二種以上を
混合したものを使用することができる。ここで、特にゴ
ム変性スチレン系樹脂に添加することができる熱可塑性
樹脂としてポリフェニレンエーテル系、ポリカーボネー
ト系の熱可塑性樹脂が好ましい。
【0026】スチレン系樹脂に添加することのできる
(b)ポリフェニレンエーテルは、下記式(2)で示さ
れる結合単位からなる単独重合体及び/又は共重合体で
ある。
【0027】
【化3】
【0028】但し、R1、R2、R3、R4は、それぞれ水
素、炭化水素、または置換炭化水素基からなる群から選
択されるものであり、互いに同一でも異なっていてもよ
い。
【0029】このポリフェニレンエーテルの具体的な例
としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,
6−トリメチルフェノールとの共重合体等が好ましく、
中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエ
ーテル)が好ましい。かかるポリフェニレンエーテルの
製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、米国
特許第3,306,874号明細書記載の方法による第
一銅塩とアミンのコンプレックスを触媒として用い、例
えば2,6キシレノールを酸化重合することにより容易
に製造でき、そのほかにも米国特許第3,306,87
5号明細書、米国特許第3,257,357号明細書、
米国特許3,257,358号明細書、及び特公昭52
−17880号公報、特開昭50−51197号公報に
記載された方法で容易に製造できる。本発明にて用いる
上記ポリフェニレンエーテルの還元粘度ηsp/c
(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)
は、0.20〜0.70dl/gの範囲にあることが好
ましく、0.30〜0.60dl/gの範囲にあること
がより好ましい。ポリフェニレンエーテルの還元粘度η
sp/cに関する上記要件を満たすための手段として
は、前記ポリフェニレンエーテルの製造の際の触媒量の
調整などを挙げることができる。
【0030】上記(b)の量は,(a)スチレン系樹脂
100重量部に対して、1〜100重量部であり、好ま
しくは1〜50重量部、更に好ましくは、3〜20重量
部、最も好ましくは、5〜15重量部である。
【0031】本発明において前記(c)として使用する
液状添加剤は25℃で液状であり、(a)スチレン系樹
脂に特殊機能を付与するための成分である。
【0032】ここで、液状添加剤は、可塑剤、安定剤、
紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、発泡剤、
滑剤、香料、老化防止剤等である。
【0033】上記(c)の量は,(a)スチレン系樹脂
100重量部に対して、1〜100重量部であり、好ま
しくは1〜50重量部、更に好ましくは、3〜20重量
部、最も好ましくは、5〜15重量部である。
【0034】上記可塑剤の例としては、フタル酸ジメチ
ル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル等のフタ
ル酸エステル、フタル酸ブチルベンジルエステル等のフ
タル酸混基エステル、コハク酸ジイソデシル、アジピン
酸ジオクチル等の脂肪族2塩基酸エステル、ジエチレン
グリコールジベンゾエート等のグリコールエステル、オ
レイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル等の脂肪
族酸エステル、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油
等のエポキシ可塑剤であり、その他、トリメリット酸ト
リオクチル、エチルフタリルエチルグリコレート、ブチ
ルフタリルブチルグリコレート、アセチルクエン酸トリ
ブチル、塩素化パラフィン、ポリプロピレンアジペー
ト、ポリエチレンセバケート、トリアセチン、トリブチ
リン、トルエンスルホンアミド、アルキルベンゼン、ビ
フェニル、部分水添ターフェニル、ショウノウ等を挙げ
ることができる。
【0035】前記(c)としての安定剤の例としては、
金属石ケン、鉛安定剤、有機錫安定剤、複合安定剤、エ
ポキシ化合物等を挙げることができる。
【0036】前記発泡剤の例としては、アゾビスフォル
ムアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノ
ベンゼン等のアゾ系発泡剤、N,N’ジメチルN,N’
ジニトロソテレフタルアミド、N,N’ジニトロソペン
タメチレンテトラミン等のN−ニトロソ系発泡剤、ベン
ゼンスルフォニルヒドラジド、トルエン4スルフォニル
ヒドラジド、ベンゼン1,3ジスルフォニルヒドラジド
等のスルフォニルヒドラジド等を挙げることができる。
【0037】前記(c)としての滑剤の例としては、流
動パラフィン等の炭化水素系滑剤、脂肪酸系滑剤、脂肪
酸アミド系滑剤、アルコール系滑剤、金属石ケン類等を
挙げることができる。
【0038】そして、前記(c)としての難燃剤の好ま
しいものは有機リン化合物である。有機リン化合物の例
としては、ホスフィン、ホスフィンオキシド、ビホスフ
ィン、ホスホニウム塩、ホスフィン酸塩、リン酸エステ
ル、亜リン酸エステル等である。より具体的には、トリ
フェニルフォスフェート、メチルネオベンチルフォスフ
ァイト、ヘンタエリスリトールジエチルジフォスファイ
ト、メチルネオペンチルフォスフォネート、フェニルネ
オペンチルフォスフェート、ペンタエリスリトールジフ
ェニルジフォスフェート、ジシクロペンチルハイポジフ
ォスフェート、ジネオペンチルハイポフォスファイト、
フェニルピロカテコールフォスファイト、エチルピロカ
テコールフォスフェート、ジピロカテコールハイポジフ
ォスフェートである。
【0039】本発明に使用する(c)成分としての難燃
剤としては、この他、赤リン、無機系リン酸塩、無機系
難燃剤を前記有機リン化合物に代えて、または前記有機
リン化合物とともに使用することができる。
【0040】赤リンは、一般の赤リンの他に、その表面
をあらかじめ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化亜鉛、水酸化チタンよりえらばれる金属水酸
化物の被膜で被覆処理されたもの、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンよ
り選ばれる金属水酸化物及び熱硬化性樹脂よりなる被膜
で被覆処理されたもの、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、水酸化亜鉛、水酸化チタンより選ばれる金
属水酸化物の被膜の上に熱硬化性樹脂の被膜で二重に被
覆処理されたものなどである。
【0041】無機系リン酸塩は、ポリリン酸アンモニウ
ムが代表的である。
【0042】無機系難燃剤としては、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、ドロマイト、ハイドロタルサ
イト、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸
マグネシウム、水酸化ジルコニウム、酸化スズの水和物
等の無機金属化合物の水和物、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸
亜鉛、メタホウ酸バリウム、炭酸亜鉛、炭酸マグネシウ
ム、ムーカルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等
が挙げられる。これらは、1種でも2種以上を併用して
もよい。この中で特に、水酸化マグネシウム、水酸化ア
ルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、ハイドロタルサ
イトからなる群から選ばれたものが難燃効果が良く、経
済的にも有利である。
【0043】ここで、特に有機リン化合物として、下記
式(3)で表わされる芳香族系リン酸エステル単量体、
下記式(4)で表わされる芳香族系リン酸エステル縮合
体が好ましい。
【0044】
【化4】
【0045】
【化5】
【0046】(但し、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、A
5、Ar6はフェニル基、キシレニル基、エチルフェニ
ル基、イソプロピルフェニル基、ブチルフェニル基、
4,4’−ジオキシジアリールアルカン基から選ばれる
芳香族基である。また、nは0〜3の整数を表わし、m
は1以上の整数を表わす。) 上記芳香族系リン酸エステル単量体の中でも、特にヒド
ロキシル基含有芳香族系リン酸エステル単量体、例え
ば、上記式(3)に示したトリクレジルフォスフェート
やトリフェニルフォスフェート等に1個または2個以上
のフェノール性水酸基を含有したリン酸エステル単量
体、または下記式(1)に示した芳香族リン酸エステル
単量体が好ましい。
【0047】
【化6】
【0048】(式中、a、b、cは1から3、R1
2、R3は水素または炭素数が1から30のアルキル基
であり、化合物全体として、置換基R1、R2、R3の炭
素数の合計が平均12から30である。ここで、異なっ
た置換基を有する、複数の芳香族リン酸エステルからな
る場合には、上記難燃剤の置換基R1、R2、R3の炭素
数の合計は、数平均で表し、上記難燃剤中の各芳香族リ
ン酸エステル成分の重量分率と、各成分の置換基の炭素
数の合計との積の和である。) 本発明において、芳香族リン酸エステル単量体の中で
も、置換基R1、R2、R3の炭素数合計の数平均は、1
5〜30が好ましく、さらには20〜30が好ましく、
25〜30が最も好ましい。
【0049】具体的な置換基として、ノニル基、t−ブ
チル基等のブチル基、t−アミル基、ヘキシル基、シク
ロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ウ
ンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル
基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル
基、オタデシル基、ノナデシル基、オクタドデシル基等
が挙げられ、一つまたは複数個の置換基が一つの芳香環
にオルト、メタ、パラの何れの位置にも置換することが
できるが、パラ置換体が好ましい。一つのリン酸エステ
ル単量体に置換するアルキル基の炭素数の合計が12〜
30の範囲にあることが最も好ましいが、長鎖アルキル
基が一つだけ置換した芳香環を一つだけ有するリン酸エ
ステル単量体よりも、アルキル基が一つだけ置換した芳
香環が複数個有するリン酸エステル単量体の方が耐熱性
及び耐水性が優れている。例えば、置換するアルキル基
の炭素数の合計が18でも、オクタデシルフェニル ジ
フェニルフォスフェートよりも、ビス(ノニルフェニ
ル) フェニルフォスフェートの方が耐熱性が高く好ま
しい。
【0050】本発明において、(c)液状添加剤の一種
の難燃剤の中でも、特にR1、R2、R3の少なくとも1
つはノニル基であるリン酸エステル単量体が好ましく、
1、R2、R3がノニル基である芳香族リン酸エステル
単量体〔トリス(ノニルフェニル)フェニルフォスフェ
ート〕が流動性と耐揮発性の観点から最も好ましい。上
記リン酸エステル単量体は、難燃剤中に50重量%以上
含有する場合に特に大きな難燃性効果が発現する。そし
て、上記リン酸エステル単量体は火種の滴下性に優れ、
UL−94に準拠した難燃性基準において、V−2ラン
クの難燃剤として極めて優れている。この事実は従来知
られていなかった。
【0051】また、耐揮発性の観点から、置換基の炭素
数の合計が本発明の要件を満たす必要があるが、置換基
の炭素数の合計が12未満のものの割合が1重量%以下
である場合には、さらに優れた耐揮発性が発現する。
【0052】そして、難燃剤の熱安定性、特に耐熱変色
性の観点から、残存酸性物質の指標としてJIS−K6
751に規定する酸価が1mgKOH/g以下さらには
0.5mgKOH/g、及び/またはアルキルフェノー
ルが1重量%以下さらには0.5重量%以下であること
が好ましく、更にアルミニウム、マグネシウム、ナトリ
ウム、アンチモンが1000ppm以下であることがよ
り好ましい。また、ヒンダードフェノール系酸化防止剤
が難燃剤中に1〜1000重量ppm含有すると熱安定
性が飛躍的に向上する。
【0053】次いで、耐光性の観点からは、置換基
1、R2、R3はアリール基でなく、アルキル基の場合
でも、アルキル基は枝分かれが少ない方が好ましく、特
に直鎖または枝分かれが1箇所のアルキル基が特に好ま
しい。
【0054】さらに、芳香族リン酸エステルの1つの芳
香環に置換する置換基の数は、1つが好ましい。1つの
芳香環に複数個の置換基が置換した芳香族リン酸エステ
ル単量体の粘度は高く、その粘度は置換基数と共に上昇
する。芳香族リン酸エステル単量体の粘度が高くなる
と、取り扱い上の問題だけでなく、高粘度のために精製
が困難となり前述の不純物が残存することにより、耐光
性、耐熱変色性が低下する。
【0055】本発明の中でも最も好ましい芳香族リン酸
エステル単量体の組み合わせは、トリス(ノニルフェニ
ル)フォスフェート(TNPP)を主体に、ビス(ノニ
ルフェニル) フェニルフォスフェート(BNPP)を
少量含有し、置換基R1、R2、R3の炭素数合計の数平
均が20〜27であり、好ましくは25〜27であり、
さらに好ましくは26〜27であり、26.5〜27が
最も好ましい。上記の炭素数合計の数平均を満足するた
めには、例えばBNPPが78〜0重量%、好ましくは
22〜0重量%、さらに好ましくは11〜0重量%、最
も好ましくは5〜0重量%であり、TNPPが22〜1
00重量%、好ましくは78〜100重量%、さらに好
ましくは89〜100重量%、最も好ましくは95〜1
00重量%の範囲にある。このような組み合わせの難燃
剤は特に難燃性、流動性、耐熱性、衝撃強さ、耐水光沢
保持性、及び得られた成形体の表面硬度のバランス特性
が優れている。TNPPは耐揮発性、耐熱性付与効果が
高いだけでなく、構造的に対称であるために、耐水光沢
保持性が極めて優れている。このようにTNPPは特異
的効果を発現し、従来の知見では予想できない。
【0056】本発明において使用する芳香族リン酸エス
テル単量体は、特開平1−95149号公報、特開平3
−294284号公報等に開示された公知の方法により
製造することができる。例えば、アルキルフェノールと
オキシ塩化リンと触媒の無水塩化アルミニウムを加熱下
に反応する方法、または亜リン酸トリエステルを酸素で
酸化して、対応する芳香族リン酸エステルに転換する方
法がある。
【0057】また前記芳香族リン酸エステル縮合体の中
でも、特にビスフェノールA ビス(ジフェニルフォス
フェート)、ビスフェノールA ビス(ジクレジルフォ
スフェート)等が好ましい。
【0058】本発明において、特にUL−94規定のV
−2ランキングに相当する滴下型難燃スチレン系樹脂
は、(a)樹脂部分の還元粘度ηsp/Cが0.4〜
0.6であるゴム変性スチレン系樹脂100重量部、
(b)還元粘度ηsp/Cが0.3〜0.6であるポリ
フェニレンエーテル1〜100重量部、及び(c)式
(1)で示される難燃剤1〜100重量部を組み合わせ
ることにより達成することができる。本発明の還元粘度
の要件を満足することにより、火種の滴下性と衝撃強度
のバランス特性が向上する。
【0059】本発明において、必要に応じて、(d)ポ
リオルガノシロキサンを配合することができ、ゴム変性
スチレン系樹脂を配向緩和させる。高せん断力で成形を
行なう場合、得られた成形体に配向が残留し、火種の滴
下を阻害する。そこで、特定の動粘度を有するポリオル
ガノシロキサンを配合することにより分子鎖のスベリ性
が発現するために配向が抑制され、その結果、樹脂組成
物成形体の易滴下性を促進する。上記ポリオルガノシロ
キサンの動粘度(25℃)は30〜20000CSが好
ましく、40〜1000CSが更に好ましく、最も好ま
しくは50〜100CSである。動粘度が、30CS未
満では揮発性が高く成形時に金型汚染を起こし、一方、
20000CSを越えるとスチレン系樹脂の配向緩和性
が劣る。
【0060】ここで、(d)として使用するポリオルガ
ノシロキサンは、特にポリジメチルシロキサン、いわゆ
るシリコーンオイルが好ましい。
【0061】ポリオルガノシロキサンの量は、スチレン
系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜1
0重量部、更に好ましくは、0.1〜5重量部、最も好
ましくは、0.3〜3重量部である。
【0062】本発明において、必要に応じて、トリアジ
ン骨格含有化合物、ノボラック樹脂、含金属化合物、シ
リコーン樹脂、含ビニル基シリコーンオイル、シリカ、
アラミド繊維、フッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル繊
維から選ばれる一種以上の(e)難燃助剤を配合するこ
とができる。
【0063】(e)の量は、スチレン系樹脂100重量
部に対して、好ましくは0.001〜40重量部、更に
好ましくは、1〜20重量部、最も好ましくは、5〜1
0重量部である。
【0064】(e)としてのトリアジン骨格含有化合物
は、リン系難燃剤の難燃助剤として一層の難燃性を向上
させるための成分である。その具体例としては、メラミ
ン、下記式(5)で表わされるメラム、下記式(6)で
表わされるメレム、メロン(600°C以上でメレム3
分子から3分子の脱アンモニアによる生成物)、下記式
(7)で表わされるメラミンシアヌレート、下記式
(8)で表わされるリン酸メラミン、下記式(9)で表
わされるサクシノグアナミン、アジポグアナミン、メチ
ルグルタログアナミン、下記式(10)で表わされるメ
ラミン樹脂、下記式(11)で表わされるBTレジン等
を挙げることができるが、耐揮発性の観点から特にメラ
ミンシアヌレートが好ましい。
【0065】
【化7】
【0066】
【化8】
【0067】
【化9】
【0068】
【化10】
【0069】
【化11】
【0070】
【化12】
【0071】
【化13】
【0072】(e)としてのノボラック樹脂は、難燃助
剤であり、かつヒドロキシル基含有芳香族リン酸エステ
ルと併用する場合には、流動性と耐熱性の向上剤でもあ
る。そして、その樹脂は、フェノール類とアルデヒド類
を硫酸または塩酸のような酸触媒の存在下で縮合して得
られる熱可塑性樹脂であり、その製造方法は、「高分子
実験学5『重縮合と重付加』p.437〜455(共立
出版(株))」に記載されている。
【0073】ノボラック樹脂製造の一例を下記式(1
2)、(13)に示す。
【0074】
【化14】
【0075】上記フェノール類は、フェノール、o−ク
レゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,5−
ジメチル−、3,5−ジメチル−、2,3,5−トリメ
チル−、3,4,5−トリメチル−、p−t−ブチル
−、p−n−オクチル−、p−ステアリル−、p−フェ
ニル−、p−(2−フェニルエチル)−、o−イソプロ
ピル−、p−イソプロピル−、m−イソプロピル−、p
−メトキシ−、及びp−フェノキシフェノール、ピロカ
テコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、サリチル
アルデヒド、サルチル酸、p−ヒドロキシ安息香酸、メ
チル p−ヒドロキシベンゾエート、p−シアノ−、及
びo−シアノフェノール、p−ヒドロキシベンゼンスル
ホン酸、p−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド、シク
ロヘキシルp−ヒドロキシベンゼンスルホネート、4−
ヒドロキシフェニルフェニルホスフィン酸、メチル 4
−ヒドロキシフェニルフェニルホスフィネート、4−ヒ
ドロキシフェニルホスホン酸、エチル 4−ヒドロキシ
フェニルホスホネート、ジフェニル 4−ヒドロキシフ
ェニルホスホネート等である。
【0076】上記アルデヒド類は、ホルムアルデヒド、
アセトアルデヒド、n−プロパナール、n−ブタナー
ル、イソプロパナール、イソブチルアルデヒド、3−メ
チル−n−ブタナール、ベンズアルデヒド、p−トリル
アルデヒド、2−フェニルアセトアルデヒド等である。
【0077】(e)としての含金属化合物は、金属酸化
物及び/または金属粉である。上記金属酸化物は、酸化
アルミニウム、酸化鉄、酸化チタン、酸化マンガン、酸
化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化モ
リブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、
酸化スズ、酸化アンチモン、酸化ニッケル、酸化銅、酸
化タングステン等の単体または、それらの複合体(合
金)であり、上記金属粉は、アルミニウム、鉄、チタ
ン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマ
ス、クロム、ニッケル、銅、タングステン、スズ、アン
チモン等の単体または、それらの複合体である。
【0078】(e)としてのシリコーン樹脂は、SiO
2、RSiO3/2、R2SiO、R3SiO1/2の構造単位
を組み合わせてできる三次元網状構造を有するシリコー
ン樹脂である。ここで、Rはメチル基、エチル基、プロ
ピル基等のアルキル基、あるいは、フェニル基、ベンジ
ル基等の芳香族基、または上記置換基にビニル基を含有
した置換基を示す。ここで、特にビニル基を含有したシ
リコーン樹脂が好ましい。
【0079】このようなシリコーン樹脂は、上記の構造
単位に対応するオルガノハロシランを共加水分解して重
合することにより得られる。
【0080】(e)としての含ビニル基シリコーンオイ
ルは、下記式(14)に示される化学結合単位からなる
ポリジオルガノシロキサンである。
【0081】
【化15】
【0082】上式中のRは、C1〜8のアルキル基、C
6〜13のアリール基、下記式(15)、(16)で示
される含ビニル基から選ばれる一種または二種以上の置
換基であり、ここで、特に分子中ビニル基を含有する。
【0083】
【化16】
【0084】
【化17】
【0085】前記含ビニル基シリコーンオイルの粘度
は、600〜1000000センチポイズ(25℃)が
好ましく、さらに好ましくは90000〜150000
センチポイズ(25℃)である。
【0086】(e)としてのシリカは、無定形の二酸化
ケイ素であり、特にシリカ表面に炭化水素系化合物系の
シランカップリング剤で処理した炭化水素系化合物被覆
シリカが好ましく、更にはビニル基を含有した炭化水素
系化合物被覆シリカが好ましい。
【0087】上記シランカップリング剤は、p−スチリ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニ
ルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタク
リロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニル基含有
シラン、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン等のエポキシシラン、及びN−β(アミノエチ
ル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシシラン、N
−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等
のアミノシランである。ここで、特に熱可塑性樹脂と構
造が類似した単位を有するシランカップリング剤が好ま
しく、例えば、スチレン系樹脂に対しては、p−スチリ
ルトリメトキシシランが好適である。
【0088】シリカ表面へのシランカップリング剤の処
理は、湿式法と乾式法に大別される。湿式法は、シリカ
をシランカップリング剤溶液中で処理し、その後乾燥さ
せる方法であり、乾式法は、ヘンシェルミキサーのよう
な高速撹はん可能な機器の中にシリカを仕込み、撹はん
しながらシランカップリング剤液をゆっくり滴下し、そ
の後熱処理する方法である。
【0089】(e)としてのアラミド繊維は、平均直径
が1〜500μmで平均繊維長が0.1〜10mmであ
ることが好ましく、イソフタルアミド、またはポリパラ
フェニレンテレフタルアミドをアミド系極性溶媒または
硫酸に溶解し、湿式または乾式法で溶液紡糸することに
より製造することができる。
【0090】(e)としてのフッ素系樹脂は、難燃助剤
であり、樹脂中にフッ素原子を含有する樹脂である。そ
の具体例として、ポリモノフルオロエチレン、ポリジフ
ルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリテト
ラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体等を挙げることができる。
また、必要に応じて上記含フッ素モノマーと共重合可能
なモノマーとを併用してもよい。
【0091】(e)としてのポリアクリロニトリル繊維
は、平均直径が1〜500μmで平均繊維長が0.1〜
10mmであることが好ましく、ジメチルホルムアミド
等の溶媒に重合体を溶解し、400°Cの空気流中に乾
式紡糸する乾式紡糸、または硝酸等の溶媒に重合体を溶
解し水中に湿式紡糸する湿式紡糸法により製造される。
【0092】本発明において、必要に応じて、芳香族ビ
ニル単位とアクリル酸エステル単位からなる共重合樹
脂、脂肪族炭化水素、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステ
ル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪族アルコール、または
金属石鹸から選ばれる一種または二種以上の(f)流動
性向上剤を配合することができる。
【0093】(f)の量は、スチレン系樹脂100重量
部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、更に好ま
しくは、0.5〜10重量部、最も好ましくは、1〜5
重量部である。
【0094】(f)としての共重合樹脂の芳香族ビニル
単位は、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、パラ
メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブロモスチ
レン、2,4,5−トリブロモスチレン等であり、スチ
レンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記他の芳香
族ビニル単量体を共重合してもよい。そして、アクリル
酸エステル単位は、アクリル酸メチル、アクリル酸ブチ
ル等の炭素数が1〜8のアルキル基からなるアクリル酸
エステルである。
【0095】ここで、共重合樹脂中のアクリル酸エステ
ル単位の含量は、3〜40重量%が好ましく、更には、
5〜20重量%が好適である。また、上記共重合樹脂の
分子量の指標である溶液粘度(樹脂10重量%のMEK
溶液、測定温度25℃)が、2〜10cP(センチポア
ズ)であることが好ましい。溶液粘度が2cP未満で
は、衝撃強度が低下し、一方、10cPを越えると流動
性の向上効果が低下する。
【0096】(f)としての脂肪族炭化水素系加工助剤
は、流動パラフィン、天然パラフィン、マイクロワック
ス、ポリオレフィンワックス、合成パラフィン、及びこ
れらの部分酸化物、あるいはフッ化物、塩化物等であ
る。
【0097】(f)としての高級脂肪酸は、カプロン
酸、ヘキサデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、フ
ェニルステアリン酸、フェロン酸等の飽和脂肪酸、及び
リシノール酸、リシンベライジン酸、9−オキシ12オ
クタデセン酸等の不飽和脂肪酸等である。
【0098】(f)としての高級脂肪酸エステルは、フ
ェニルステアリン酸メチル、フェニルステアリン酸ブチ
ル等の脂肪酸の1価アルコールエステル、及びフタル酸
ジフェニルステアリルのフタル酸ジエステル等の多塩基
酸の1価アルコールエステルであり、さらに、ソルビタ
ンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソル
ビタンモノオレート、ソルビタンセスキオレート、ソル
ビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモ
ノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパル
ミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレ
ート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等の
ソルビタンエステル、ステアリン酸モノグリセライド、
オレイン酸モノグリセライド、カプリン酸モノグリセラ
イド、ベヘニン酸モノグリセライド等のグリセリン単量
体の脂肪酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エス
テル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセ
リンラウリン酸エステル等のポリグリセリンの脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキ
シエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノ
オレート等のポリアルキレンエーテルユニットを有する
脂肪酸エステル、及びネオペンチルポリオールジステア
リン酸エステル等のネオペンチルポリオール脂肪酸エス
テル等である。
【0099】(f)としての高級脂肪酸アミドは、フェ
ニルステアリン酸アミド、メチロールステアリン酸アミ
ド、メチロールベヘン酸アミド等の飽和脂肪酸のモノア
ミド、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジ
エタノールアミド、及びヤシ油脂肪酸ジエタノールアミ
ド、オレイン酸ジエタノールアミド等のN,N’−2置
換モノアミド等であり、さらに、メチレンビス(12−
ヒドロキシフェニル)ステアリン酸アミド、エチレンビ
スステアリン酸アミド、エチレンビス(12−ヒドロキ
シフェニル)ステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビス
(12−ヒドロキシフェニル)ステアリン酸アミド等の
飽和脂肪酸ビスアミド、及びm−キシリレンビス(12
−ヒドロキシフェニル)ステアリン酸アミド等の芳香族
系ビスアミドである。
【0100】(f)としての高級脂肪族アルコールは、
ステアリルアルコールやセチルアルコール等の1価のア
ルコール、ソルビトールやマンニトール等の多価アルコ
ール、及びポリオキシエチレンドデシルアミン、ポリオ
キシエチレンボクタデシルアミン等であり、さらに、ポ
リオキシエチレンアリル化エーテル等のポリアルキレン
エーテルユニットを有するアリル化エーテル、及びポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
トリドデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエー
テル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオ
キシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリエピクロルヒドリンエーテル、ポリオキシエチレン
ビスフェノールAエーテル、ポリオキシエチレンエチレ
ングリコール、ポリオキシプロピレンビスフェノールA
エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレング
リコールエーテル等のポリアルキレンエーテルユニット
を有する2価アルコールである。
【0101】(f)としての金属石鹸は、上記ステアリ
ン酸等の高級脂肪酸の、バリウムやカルシウムや亜鉛や
アルミニウムやマグネシウム等の金属塩である。
【0102】本発明において、必要に応じて、(g)熱
可塑性エラストマーを配合することができ、例えば、ポ
リスチレン系、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポ
リウレタン系、1,2−ポリブタジエン系、ポリ塩化ビ
ニル系等であり、特にポリスチレン系熱可塑性エラスト
マーが好ましい。
【0103】(g)の量は、スチレン系樹脂100重量
部に対して、好ましくは0.5〜20重量部、更に好ま
しくは、1〜10重量部、最も好ましくは、2〜5重量
部である。
【0104】上記ポリスチレン系熱可塑性エラストマー
は、芳香族ビニル単位と共役ジエン単位からなるブロッ
ク共重合体、または上記共役ジエン単位部分が部分的に
水素添加されたブたブロック共重合体である。
【0105】上記ブロック共重合体を構成する芳香族ビ
ニル単量体は、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、パラメチルスチレン、p−クロロスチレン、p−ブ
ロモスチレン、2,4,5−トリブロモスチレン等であ
り、スチレンが最も好ましいが、スチレンを主体に上記
他の芳香族ビニル単量体を共重合してもよい。
【0106】また、上記ブロック共重合体を構成する共
役ジエン単量体は、1,3−ブタジエン、イソプレン等
を挙げることができる。
【0107】そして、ブロック共重合体のブロック構造
は、芳香族ビニル単位からなる重合体ブロックをSで表
示し、共役ジエン及び/またはその部分的に水素添加さ
れた単位からなる重合体ブロックをBで表示する場合、
SB、S(BS)n、(但し、nは1〜3の整数)、S
(BSB)n、(但し、nは1〜2の整数)のリニア−
ブロック共重合体や、(SB)nX(但し、nは3〜6
の整数。Xは四塩化ケイ素、四塩化スズ、ポリエポキシ
化合物等のカップリング剤残基。)で表示される、B部
分を結合中心とする星状(スター)ブロック共重合体で
あることが好ましい。なかでもSBの2型、SBSの3
型、SBSBの4型のリニア−ブロック共重合体が好ま
しい。
【0108】本発明において、耐光性が要求される場合
には、必要に応じて、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン
系光安定剤、酸化防止剤、ハロゲン捕捉剤、遮光剤、金
属不活性剤、または消光剤から選ばれる一種または二種
以上の(h)耐光性改良剤を配合することができる。
【0109】(h)の量は、スチレン系樹脂100重量
部に対して、好ましくは0.05〜20重量部、更に好
ましくは、0.1〜10重量部、最も好ましくは、1〜
5重量部である。
【0110】本発明の樹脂組成物の製造方法としては、
スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテルをまず溶融
し、次いで、(c)を添加し、同一押出機で溶融混練す
る方法、またはスチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル、または必要に応じて(c)を配合したマスターバッ
チを製造した後、上記マスターバッチと、残りのスチレ
ン系樹脂または残りの(c)もしくは他の難燃剤を混練
する方法がある。
【0111】本発明の製造方法の一つは、スチレン系樹
脂を二分割し、まず50重量%以上含有する、スチレン
系樹脂とポリフェニレンエーテルを有する樹脂成分を調
整し、二軸押出機の前段で250〜350℃で溶融し、
次いで、二軸押出機の後段でスチレン系樹脂の溶融しな
い残りの成分と(c)を200〜300℃で溶融押出し
することを特徴とする樹脂組成物の製造方法である。
【0112】まず、二軸押出機の前段で溶融するスチレ
ン系樹脂とポリフェニレンエーテルを有する樹脂成分が
ポリフェニレンエーテルを50重量%以上含有している
ことが好ましい。ポリフェニレンエーテルが50重量%
未満では、せん断力がかからないためにポリフェニレン
エーテルの未溶融物が生成することがある。
【0113】次に、樹脂成分と(c)を分離することが
好ましい。(c)の存在下で樹脂成分を溶融すると、両
者の粘度差が大きいために未溶融物が生成する。具体的
には、ポリフェニレンエーテルを50重量%以上含有し
ているスチレン系樹脂とポリフェニレンエーテルを有す
る樹脂成分を250〜350℃で溶融し、引き続き残り
の樹脂成分と(c)を200〜300℃で溶融する。
【0114】ポリフェニレンエーテルを含有する樹脂成
分を250℃未満で溶融すると、ポリフェニレンエーテ
ルの未溶融物が生成し、一方、350℃を越えるとスチ
レン系樹脂の分解が始まる。そして、(c)を200℃
未満で溶融すると、樹脂成分と(c)との相溶性が低下
するために、(c)が相分離し、安定押出しが困難にな
る。一方、(c)の溶融温度が300℃を越えると、
(c)が揮発したり、分解することことがあり好ましく
ない。
【0115】本発明の樹脂組成物の製造方法において、
二軸押出機として、シリンダー内径(D)に対するスク
リュー長さ(L)の割合(L/D)が20〜50であ
り、上記二軸押出機の先端部からの距離を異にするメイ
ンフィード開口部とサイドフィード開口部の複数箇所の
供給用開口部を有し、複数の上記供給用開口部の間及び
上記先端部と上記先端部から近い距離の供給用開口部と
の間にニーディング部分を有し、上記ニーディング部分
の長さが、それぞれ3D〜10Dであることが好まし
い。
【0116】ここでまず第一に、上記L/Dは20〜5
0であることが好ましい。L/Dが20未満では溶融混
練状態が悪く、ポリフェニレンエーテルの未溶融物が発
生し、一方、L/Dが50を越えると、樹脂組成物の押
出機内での滞留時間が長くなり、樹脂が劣化することが
ある。
【0117】第二に、二軸押出機の先端部からの距離を
異にする2以上の供給用開口部を有することが好まし
い。供給用開口部が1箇所では、溶融粘度の高いポリフ
ェニレンエーテルと溶融粘度の低い本発明の難燃剤とが
相分離を起こす。そのために、2以上の供給用開口部を
設けて、メインフィード開口部で樹脂成分を溶融した
後、(c)をサイドフィード開口部からフィードするこ
とが好ましい。
【0118】第三に、メインフィード開口部とサイドフ
ィード開口部との間、及び押出機先端部とサイドフィー
ド開口部との間にニーディング部分を有し、そのニーデ
ィング部分の長さはそれぞれ3D〜10Dであることが
好ましい。ニーディング部分の長さが3D未満では、溶
融混練状態が悪く、ベントアップしたり、ポリフェニレ
ンエーテル等の未溶融物が発生し、一方、10Dを越え
ると、樹脂組成物の押出機内での滞留時間が長くなり、
樹脂が劣化する。また、サイドフィード開口部が複数箇
所有する場合は、メインフィード開口部−サイドフィー
ド開口部間、異なったサイドフィード開口部間、先端部
−サイドフィード開口部間においても、上記ニーディン
グ部分の要件を満たす必要がある。
【0119】第四に、上記二軸押出機のニーディング部
分とは、混練・混合性の向上のための部分であり、特
殊なミキシングエレメントを有するフルフライトスクリ
ュー部分、逆ねじ部分、及びニーディングディスク
あるいはニーディングブロックと呼ばれるミキシング部
分の少なくともいずれか一つの部分からなる。
【0120】上記特殊なミキシングエレメントを有す
るフルフライトスクリュー部分は、ダルメージスクリュ
ー、フルーテッドミキシングスクリュー、ユニメルトス
クリュー、スパイラルバリヤスクリュー、ピンスクリュ
ー、パイナップルミキサー、キャビティトランスファミ
キサー等のミキシングエレメントである。
【0121】前記逆ねじ部分は、樹脂の流れを抑え背
圧を発生させる機能を有し、大きな混練能力を持つ部分
である。
【0122】前記ニーディングディスクあるいはニー
ディングブロックと呼ばれるミキシング部分は、長円形
の板であるディスクを少しづつ傾けて組み合わせる。9
0°づつ傾けて組み合わせたものは、推進力はないが、
良好な混練能力を持つ。30°づつ順ねじ側に傾けて組
み合わせたものは、推進力はあるが、混練能力は小さ
い。この他に、ディスクには厚薄があり、厚いものは推
進力が小さく、混合能力も小さいが、混練またはせん断
能力は良好である。一方、薄いものは推進力が大きく、
混合能力も大きいが、混練能力は劣る。
【0123】ニーディングディスクの形状については、
三角むすび型の3条ディスク、2条ディスクがある。3
条ディスクは、浅溝なのでせん断力も過大になるが、噛
み合い部での分・合流の機会が多いので分配混合性が優
れている。2条ディスクは、2条ディスクに比較してせ
ん断力が小さい。
【0124】ニーディングディスクは、ディスクの形
状、角度、枚数、厚み等により混合・混練を制御するこ
とができる。
【0125】第五に、上記二軸押出機は、二軸同方向回
転押出機でも、二軸異方向回転押出機でもよい。また、
スクリューの噛み合わせについては、非噛み合わせ型、
部分噛み合わせ型、完全噛み合わせ型があり、いづれの
型でもよい。低いせん断力をかけて低温で均一な樹脂を
得る場合には、異方向回転・部分噛み合わせ型スクリュ
ーが好ましい。やや大きい混練を要する場合には、同方
向回転・完全噛み合わせ型スクリューが好ましい。さら
に大きい混練を要する場合には、同方向回転・完全噛み
合わせ型スクリューが好ましい。
【0126】本発明の方法により得られた樹脂組成物の
最も好ましい製造方法は、ポリフェニレンエーテルと
(c)からなる樹脂成分のマスターバッチまたは、上記
樹脂成分を必須成分とし、ゴム非変性スチレン系樹脂及
び/またはゴム変性スチレン系樹脂を含有する樹脂組成
物のマスターバッチを製造し、次いで上記マスターバッ
チに、最終樹脂組成物の残りの成分を加え、溶融押出し
する樹脂組成物の製造方法において、上記マスターバッ
チのガラス転移温度(Tg)が70〜100℃であるこ
とを特徴とする樹脂組成物の製造方法である。
【0127】本発明の製造方法により得られる樹脂組成
物の好ましい組成の一例としては次のものを挙げること
ができる。ゴム変性スチレン系樹脂10〜90重量部と
ゴム非変性スチレン系樹脂90〜10重量部からなる、
(a)スチレン系樹脂100重量部に対して、(b)ポ
リフェニレンエーテル3〜10重量部、(c)TNPP
単独またはTNPPを主体にBNPPを含有した芳香族
リン酸エステル単量体5〜15重量部。
【0128】上記組成の場合には、難燃性、特に滴下型
難燃性、連続成形性、成形加工性(流動性)、耐衝撃
性、及び耐熱性のバランス特性が優れている。
【0129】本発明の方法により得られた樹脂組成物
は、上記各成分を市販の単軸押出機あるいは、二軸押出
機などで例えば溶融混練することにより得られるが、そ
の際にヒンダードフェノール等の酸化防止剤、ベンゾト
リアゾールやヒンダードアミン等の紫外線吸収剤、錫系
熱安定剤、その他の無機系やハロゲン系難燃剤、ステア
リン酸やステアリン酸亜鉛等の滑剤、充填剤、ガラス繊
維等の補強剤、染料や顔料等の着色剤等を必要に応じて
添加することができる。
【0130】このようにして得られた組成物を例えば、
射出成形機または押出成形機を用いて長期間連続成形す
ることが可能であり、そして得られた成形品は難燃性
(滴下型難燃性)、流動性、耐熱性及び耐衝撃性が優れ
ている。
【0131】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受
けるものではない。
【0132】尚、実施例、比較例における測定は、以下
の方法もしくは測定機を用いて行なった。
【0133】(1)ゴム重量平均粒子径 ゴム変性スチレン重合体の重量平均粒子径は、超薄切片
法により撮影した樹脂組 成物の透過型電子顕微鏡写真中のゴム粒子(ブタジエン
系重合体粒子)径を求め、次式により算出する。
【0134】 重量平均粒子径=ΣNi・Di4/ΣNi・Di3 (ここでDiは測定したブタジエン系重合体粒子の粒子
径を表し、Niは、粒子径がDiである、測定したブタ
ジエン系重合体粒子の個数を表す。) (2)ゴム変性スチレン系樹脂とポリフェニレンエーテ
ルの還元粘度ηsp/C ゴム変性スチレン系樹脂1gにメチルエチルケトン18
mlとメタノール2mlの混合溶媒を加え、25℃で2
時間振とうし、5℃、18000rpmで30分間遠心
分離する。上澄み液を取り出しメタノールで樹脂分を析
出させた後、乾燥した。
【0135】このようにして得られた樹脂0.1gを、
ゴム変性ポリスチレンの場合はトルエンに溶解し、ゴム
変性アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂の場合はメ
チルエチルケトンに溶解し、濃度0.5g/dlの溶液
とし、この溶液10mlをキャノン−フェンスケ型粘度
計に入れ、30℃でこの溶液落下時間T1(秒)を測定
した。一方、別に同じ粘度計で純トルエンまたは純メチ
ルエチルケトンの落下時間T0(秒)を測定し、以下の
数式により算出した。
【0136】ηsp/C=(T1/T0−1)/C C:ポリマー濃度(g/dl) 一方、ポリフェニレンエーテルの還元粘度ηsp/Cに
ついては、0.1gをクロロホルムに溶解し、濃度0.
5g/dlの溶液とし、上記と同様に測定した。
【0137】(3)リン系難燃剤、樹脂組成物の分析 A)樹脂組成物5gを100mlのメチルエチルケトン
に溶解し、超遠心分離機を用いて分離する。(2000
0rpm、1時間)次いで、分離して得られた上澄み液
に2倍量のメタノールを添加して樹脂成分を析出させ、
溶液部分と樹脂部分を超遠心分離機を用いて分離した。
溶液部分については、GPC(ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィー)〔日本国東ソー(株)製、装置本体
(RI屈折率検出器付き) HLC−8020;カラム
東ソー(株)製、G1000HXL 2本;移動相
テトラヒドロフラン;流量 0.8ml/分;圧力60
kgf/cm2;温度 INLET 35℃,OVEN
40℃,RI 35℃;サンプルループ 100m
l;注入サンプル量 0.08g/20ml〕で分析
し、クロマトグラム上の各成分の面積比を各成分の重量
分率と仮定し、面積比からリン酸エステルの組成と量を
求めた。一方、上記の樹脂部分については、フーリエ変
換核磁気共鳴装置(プロトン−FT−NMR)を用い
て、芳香族プロトンまたは脂肪族プロトンの積分値の比
を求め、ゴム変性スチレン系樹脂及びポリフェニレンエ
ーテル等の熱可塑性樹脂の量を求めた。
【0138】B)難燃剤の揮発性(熱重量天秤試験:T
GA法) 日本国島津製作所製の島津熱分析装置DT−40を用い
て、窒素気流下、40℃/分で昇温し、300℃または
400℃での重量減少量揮発性の尺度とした。
【0139】一方では、上記装置を用いて、窒素気流
下、250℃で5分間静置後の残存量を揮発性の尺度と
した。
【0140】(4)溶融粘度の測定 ROSAND社のキャピラリーレオメーターを用い、測
定温度200℃、せん断速度1000sec~1の条件で
せん断粘度(ポイズ)を求め、溶融粘度の尺度とした。
【0141】(5)Izod衝撃強度 ASTM−D256に準拠した方法で23℃で測定し
た。
【0142】(Vノッチ、1/4インチ試験片 単位:
kgcm/cm) (6)面衝撃強度 ASTM−D1709に類似の方法で23℃で測定し
た。具体的には、デュポン衝撃試験機(東洋精機製作所
製)を用い、撃芯先端直径が6.4mmR、長さ5.2
mmのダート(重錘200g)を、受台直径9.5m
m、穴深さ4.0mmの受台上の成形体(70mm角、
厚み2mmの成形体)表面に接触固定して、最高50c
mの高さから、荷重を成形体に落下させて、成形体の5
0%が破壊する時の荷重の重量を50%破壊荷重とし、
それに落下荷重を乗じて50%破壊エネルギーを算出し
た。この50%破壊エネルギーを面衝撃強度とした。単
位はkgcmである。
【0143】(7)剛性 ASTM−D790に準拠した方法で曲げ強さ、曲げ弾
性率を測定し、剛性の尺度とした。
【0144】(8)熱変形温度 ASTM−D648に準拠した方法で測定し、耐熱性の
尺度とした。(試験荷重18.5Kg/cm2、1/4
インチ厚み試験片) (9)Vicat軟化温度 ASTM−D1525に準拠した方法で測定し、耐熱性
の尺度とした。単位:℃ (10)メルトフローレート(MFR) 溶融流動性の指標でASTM−D1238に準拠した方
法で測定した。荷重5kg、溶融温度200℃の条件で
10分間あたりの押出量(g/10分)から求めた。単
位:g/10分 (11)難燃性 UL−サブジェクト94に準拠したVB(Vertical Bur
ning)法により評価した(1/8インチ試験片を使
用)。
【0145】UL−サブジェクト94に記載の方法に関
しては、例えば、米国特許第4,966,814号を参
照することができる。
【0146】実施例、比較例で用いる各成分は以下のも
のを用いた。
【0147】(イ)スチレン系樹脂 ゴム変性スチレン系樹脂(HIPS) ポリブタジエン{(シス1,4結合/トランス1,4結
合/ビニル1,2結合重量比=95/2/3)(日本ゼ
オン(株)製、商品名Nipol 122 OSL)}
を、以下の混合液に溶解し、均一な溶液とした。
【0148】 ポリブタジエン 10.5重量% スチレン 74.2重量% エチルベンゼン 15.0重量% α−メチルスチレン2量体 0.27重量% t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート 0.03重量% 次いで、上記混合液を撹拌機付の直列4段式反応機に連
続的に送液して、第1段は撹拌数190rpm、126
°C、第2段は50rpm、133°C、第3段は20
rpm、140°C、第4段は20rpm、155°C
で重合を行った。引き続きこの固形分73%の重合液を
脱揮装置に導き、未反応単量体及び溶媒を除去し、ゴム
変性芳香族ビニル樹脂を得た。(HIPS−1と称す
る)得られたゴム変性芳香族ビニル樹脂を分析した結
果、ゴム含量は12.1重量%、ゴムの重量平均粒子径
は1.5μm、還元粘度ηsp/cは0.53dl/g
であった。
【0149】また、重合開始剤量、重合温度、連鎖移動
剤量の調整により、還元粘度ηsp/cの異なったゴム
変性スチレン系樹脂を製造した。その結果を表3に記載
した。
【0150】HIPS−1:ポリブタジエンゴム、ゴム
含量は12.1重量%、ゴムの重量平均粒子径は1.5
μm、還元粘度ηsp/cは0.53dl/g。
【0151】HIPS−2:ポリブタジエンゴム、ゴム
含量は12.1重量%、ゴムの重量平均粒子径は1.5
μm、還元粘度ηsp/cは0.79dl/g。
【0152】HIPS−3:ポリブタジエンゴム、ゴム
含量は12.1重量%、ゴムの重量平均粒子径は1.5
μm、還元粘度ηsp/cは0.60dl/g。
【0153】HIPS−4:ポリブタジエンゴム、ゴム
含量は12.1重量%、ゴムの重量平均粒子径は1.5
μm、還元粘度ηsp/cは0.58dl/g。
【0154】HIPS−5:ポリブタジエンゴム、ゴム
含量は12.1重量%、ゴムの重量平均粒子径は1.5
μm、還元粘度ηsp/cは0.40dl/g。
【0155】HIPS−6:ゴム含量は12.1重量
%、ゴムの重量平均粒子径は1.5μm、還元粘度ηs
p/cは0.35dl/g。
【0156】ゴム非変性スチレン系樹脂(GPPS) 重量平均分子量20万のポリスチレン(旭化成工業
(株)製)を用いた(GPPSと称する)。
【0157】(ロ)ポリフェニレンエーテル(PPE)
の製造 酸素吹き込み口を反応機底部に有し、内部に冷却用コイ
ル、撹拌羽根を有するステンレス製反応機の内部を窒素
で充分置換したのち、臭化第2銅54.8g、ジ−n−
ブチルアミン1110g、及びトルエン20リットル、
n−ブタノール16リットル、メタノール4リットルの
混合溶媒に2,6−キシレノール8.75kgを溶解し
て反応機に仕込んだ。撹拌しながら反応機内部に酸素を
吹き込み続け、内温を30℃に制御しながら90分間重
合を行った。重合終了後、析出したポリマーを濾別し
た。これにメタノール/塩酸混合液を添加し、ポリマー
中の残存触媒を分解し、さらにメタノールを用いて充分
洗浄した後乾燥し、粉末状のポリフェニレンエーテルを
得た(PPE−1と称する)。還元粘度ηsp/Cは
0.41dl/gであった。
【0158】また、ポリフェニレンエーテルの製造の際
の触媒量の調整または重合時間の制御により、還元粘度
ηsp/cの異なったポリフェニレンエーテルを製造し
た。その結果を表4に示す。
【0159】(ハ)液状添加剤:リン系難燃剤 トリフェニルホスフェート(TPP) 市販の芳香族リン酸エステル単量体〔大八化学工業
(株)製、商品名TPP(TPP称する)〕を用いた。
また、リン含有量は9.5重量%である。
【0160】芳香族リン酸エステル縮合体(fr−
1) 市販の、ビスフェノールA由来の芳香族縮合リン酸エス
テル{大八化学工業(株)製、商品名 CR741(f
r−1と称する)}を用いた。また、上記芳香族縮合リ
ン酸エステルは、GPC分析によると、下記式(17)
で表わされるTPP−A−ダイマー(n=1)とTPP
−A−オリゴマー(n≧2)とトリフェニルホスフェー
ト(TPP)からなり、重量比でそれぞれ84.7/1
3.0/2.3であった。そして、リン含有量は9.4
重量%であった。
【0161】
【化18】
【0162】アルキル基置換芳香族リン酸エステル単
量体(FR−1)の製造 ノニルフェノール287.3重量部(モル比2.0)、
塩化アルミニウム0.87重量部(モル比0.01)を
フラスコに取り90°Cでオキシ塩化リン100重量部
(モル比1.0)を1時間かけて滴下した。生成した中
間体にフェノール61.4重量部(モル比1.0)を加
え、更に反応させた。反応を完結させるために、徐々に
昇温し最終的には180°Cまで温度を上げてエステル
化を完了させた。次いで反応生成物を冷却し、水洗して
触媒及び塩素分を除去してリン酸エステル混合物(以下
FR−1と称する)を得た。この混合物をGPC(ゲル
パーミエーションクロマトグラフィー 東ソー(株)
製、HLC−8020 移動相テトラヒドロフランによ
り分析したところ、 ビス(ノニルフェニル)フェニル
フォスフェート(以下BNPPと称する)と、トリスノ
ニルフェニル フォスフェート(以下TNPPと称す
る)と、ノニルフェニル ジフェニル フォスフェート
(以下NDPPと称する)と、ノニルフェノールからな
り、重量比がそれぞれ77.8/11.3/8.4/
2.5であった。
【0163】また、置換基の炭素数の合計の平均は1
7.9であり、(18×0.778+27×0.113
+9×0.084=17.9)リン含有量は5.5重量
%である。
【0164】一方、上記芳香族リン酸エステル単量体混
合物(FR−1)を蒸留、さらに液体クロマトグラフィ
による分取分別により、BNPPを得た。
【0165】各種アルキル基置換芳香族リン酸エステ
ル単量体の製造 FR−1の製造において、市販のアルキルフェノールま
たは「ENCYCLOPEDIA OF CHEMIC
AL TECHNOLOGY」 ThirdEditi
on VOLUME 2 『ALKYLPHENOL
S』 p.72〜96 (A WILEY−INTER
SCIENCE PUBLICATION John
Wiley&Sons New York 1978)
記載の方法により得られた各種アルキルフェノールを用
いて、オキシ塩化リンとのモル比を制御することにより
各種アルキルフェノールを合成した。精製方法について
は、上記水洗、蒸留または液体クロマトグラフィーによ
る分取分別により行った。表5に各種アルキル基置換芳
香族リン酸エステル単量体を示す。
【0166】実施例1 比較例1 表1記載の添加比率でGPPS/PPE−1/BNPP
=10/45/45(重量比)からなる樹脂組成物を、
下記の二軸押出機を用い、押出機前段(メインフィード
開口部から第一番目の供給用開口部〔サイドフィーダ
ー〕まで)でGPPS/PPE−1をメインフィーダー
からフィードし、バレル温度300℃で溶融した後、B
NPPは2箇所のサイドフィーダーから表1の比で分割
フィードし、押出機後段でバレル温度230℃、吐出量
60kg/時間、押出機回転数295rpmの条件で溶
融混練し、その時の押出安定性を表1に記載した。一
方、押出機の各段階の溶融樹脂のせん断粘度を想定する
ために、別途各段階の組成物を作製し既述のキャピラリ
ーレオメーターでせん断粘度を測定し、表1に記載し
た。また、BNPPを分割添加せず、第1番目のサイド
フィードから全量供給した以外は同様にした比較例1の
結果も併せて記載した。
【0167】表1によると、第1番目の供給用開口部で
のBNPPを添加する前の溶融樹脂のせん断粘度η
1(ポイズ)とその次に近い第2番目の供給用開口部で
のBNPPを添加する前の溶融樹脂のせん断粘度η
2(ポイズ)の粘度比η2/η1(溶融条件は200℃、
せん断速度1000sec~1である)が0.01〜1.0
の時に押出安定性が優れていることが分かる。
【0168】二軸押出機:L/Dが46であり、メイン
フィード開口部と第一番目の供給用開口部の間のニーデ
イング部分の長さが8.6Dであり、第一供給用開口部
と上記先端部との間のニーディング部分の長さが3.4
Dである2箇所の液状添加剤をサイドフィードすること
が可能。
【0169】
【表1】
【0170】実施例2〜9 下記の樹脂組成物を、機械的に混合し、サイドフィード
可能な二軸押出機(シリンダー内径D=40mmΦ ま
たは70mmΦ)を用い、溶融押出しを行なった。粘度
比η2/η1は0.027であり、粘度比η3/η2は0.
213であった。その結果を表2に記載した。
【0171】マスターバッチ(MB−1、MB−2)の
製造において、樹脂成分をメインフィード開口部からフ
ィードし前段(第一供給用開口部の上流側)で、バレル
温度320℃で溶融した後、後段(第一供給用開口部の
下流側)で、バレル温度270℃の条件でBNPPを2
箇所のサイドフィーダーからそれぞれ50/50の重量
比でフィードし溶融混練した。(回転数295rpm、
吐出量60kg/h) MB−1 :PPE−1/BNPP=65/35 MB−2 :PPE−1/GPPS/BNPP=40/
40/20 HIPS−1/GPPS/PPE−1/BNPP=60
/40/7/7からなる最終組成物を以下の方法で製造
する。
【0172】I : MB−1を用いる場合 HIP
S−1/GPPS/MB−1/BNPP MB−1と、BNPP以外の残りの成分をメインフィー
ダーからフィードし前段で、バレル温度270℃で溶融
した後、BNPPはサイドフィーダーからフィードし後
段で、バレル温度270℃で溶融混練した。(回転数2
95rpm、吐出量60kg/h) II : MB−2を用いる場合 HIPS−1/GP
PS/MB−2 全成分をメインフィーダーからフィードし、バレル温度
270℃で溶融混練した。(回転数295rpm、吐出
量60kg/h) III : マスターバッチを用いない場合 HIPS−1
/GPPS/PPE−1/BNPP PPE−1/GPPSを7/5の重量比で押出機の前段
で上記マスターバッチと同一条件で押出した後に、押出
機の後段で残りの樹脂成分とBNPP以外の成分をサイ
ドフィーダーからフィードし、更にBNPPを別のサイ
ドフィーダーでフィードし、上記組成物と同一条件で押
出した。
【0173】
【表2】
【0174】実施例10〜15 比較例2 実施例9において、樹脂組成物を、表3記載の成分及び
重量比に変更すること以外、実施例9と同様に溶融押出
を行った。このようにして得られたペレットを射出成形
機(東芝機械(株)製 型式IS80A)でシリンダー
温度230℃、金型温度60℃の条件で試験片を作製
し、各種物性評価を行なった。粘度比η2/η1は0.0
29であり、粘度比η3/η2は0.199であった。そ
の結果を表3に記載した。
【0175】表3によると、PPEを添加した方が耐熱
性が高いことが分かる。また、樹脂部分の還元粘度ηs
p/Cが0.4〜0.6であるスチレン系樹脂を用いる
と、難燃性、流動性及び衝撃強度のバランス特性が優れ
ていることが分かる。
【0176】
【表3】
【0177】実施例16〜23 実施例10において、樹脂組成物を、表4記載の成分及
び重量比に変更すること以外、実施例10と同様に溶融
押出、成形及び評価を行った。粘度比η2/η1は0.0
28であり、粘度比η3/η2は0.205であった。そ
の結果を表4に記載した。
【0178】表4によると、還元粘度ηsp/Cが0.
3〜0.6であるポリフェニレンエーテルを用いると、
難燃性、流動性及び衝撃強度のバランス特性が優れてい
ることが分かる。
【0179】
【表4】
【0180】参考例 表5記載の各種芳香族リン酸エステル単量体を熱重量天
秤試験法により、窒素気流下、250℃で5分間静置
し、残存量を求めた。その結果を表5に記載した。表5
によると、化合物全体として、置換基R1、R2、R3
炭素数の合計が平均12以上では卓越した耐揮発性を示
すことが分かる。
【0181】
【表5】
【0182】実施例24〜34 実施例10において、樹脂組成物を、HIPS/GPP
S/PPE−1/表6記載の芳香族リン酸エステル=7
0/30/3/7(重量比)に変更すること以外、実施
例10と同様に溶融押出、成形及び難燃性評価を行っ
た。粘度比η2/η1は0.027であり、粘度比η3
η2は0.208であった。また、上記芳香族リン酸エ
ステルを、熱重量天秤試験法により、窒素気流下、40
℃/分で昇温し、温度と重量減少量の関係を求めた。表
6にその結果を記載した。
【0183】
【表6】
【0184】
【発明の効果】本発明の添加方法によれば、押出し安定
性に優れ、高い生産性をもって、衝撃強度、耐熱性、成
形加工流動性及び外観の向上したスチレン系樹脂組成物
を得ることができる。
【0185】本発明の方法により得られた組成物は、V
TR、分電盤、テレビ、オーディオプレーヤー、コンデ
ンサ、家庭用コンセント、ラジカセ、ビデオカセット、
ビデオディスクプレイヤー、エアコンディショナー、加
湿機、電気温風機械等の家電ハウジング、シャーシまた
は部品、CD−ROMのメインフレーム(メカシャー
シ)、プリンター、ファックス、PPC、CRT、ワー
プロ複写機、電子式金銭登録機、オフィスコンピュータ
ーシステム、フロッピーディスクドライブ、キーボー
ド、タイプ、ECR、電卓、トナーカートリッジ、電話
等のOA機器ハウジング、シャーシまたは部品、コネク
タ、コイルボビン、スイッチ、リレー、リレーソケッ
ト、LED、バリコン、ACアダップター、FBT高圧
ボビン、FBTケース、IFTコイルボビン、ジャッ
ク、ボリュウムシャフト、モーター部品等の電子・電気
材料、そして、インスツルメントパネル、ラジエーター
グリル、クラスター、スピーカーグリル、ルーバー、コ
ンソールボックス、デフロスターガーニッシュ、オーナ
メント、ヒューズボックス、リレーケース、コネクタシ
フトテープ等の自動車材料等に好適であり、これら産業
界に果たす役割は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 55/02 LMF C08L 55/02 LMF 71/12 LQP 71/12 LQP

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)スチレン系樹脂、(b)ポリフェ
    ニレンエーテルからなる樹脂組成物に(c)液状添加剤
    を添加する方法において、先端部からの距離を異にする
    一箇所のメインフィード開口部と複数箇所のサイドフィ
    ード可能な供給用開口部を有する二軸押出機を用い、
    (c)を分割して上記供給用開口部からサイドフィード
    する際に、メインフィード開口部に近い供給用開口部か
    ら順に数えて第N番目の供給用開口部での(c)を添加
    する前の溶融樹脂のせん断粘度ηN(ポイズ)とその次
    に近い第(N+1)番目の供給用開口部での(c)を添
    加する前の溶融樹脂のせん断粘度ηN+1(ポイズ)の粘
    度比ηN+1/ηN(Nは自然数、溶融条件は200℃、せ
    ん断速度1000sec~1である)が0.01〜1.0で
    あることを特徴とするスチレン系樹脂組成物への液状添
    加剤添加方法。
  2. 【請求項2】 二軸押出機として、シリンダー内径
    (D)に対するスクリュー長さ(L)の割合(L/D)
    が20〜50であり、メインフィード開口部と第一番目
    の供給用開口部の間及び第一供給用開口部と上記先端部
    との間にニーディング部分を有し、上記ニーディング部
    分の長さが、それぞれ3D〜10Dであることを特徴と
    する請求項1記載のスチレン系樹脂組成物への液状添加
    剤添加方法。
  3. 【請求項3】 (c)が難燃剤である請求項1または2
    記載のスチレン系樹脂組成物への液状添加剤添加方法。
  4. 【請求項4】 (c)が下記式(1)で示される難燃剤
    である請求項3記載のスチレン系樹脂組成物への液状添
    加剤添加方法。 【化1】 (式中、a、b、cは1から3、R1、R2、R3は水素
    または炭素数が1から30のアルキル基であり、化合物
    全体として、置換基R1、R2、R3の炭素数の合計が平
    均12から30である。ここで、異なった置換基を有す
    る、複数の芳香族リン酸エステルからなる場合には、上
    記難燃剤の置換基R1、R2、R3の炭素数の合計は、数
    平均で表し、上記難燃剤中の各芳香族リン酸エステル成
    分の重量分率と、各成分の置換基の炭素数の合計との積
    の和である。)
  5. 【請求項5】 (a)樹脂部分の還元粘度ηsp/Cが
    0.4〜0.6であるゴム変性スチレン系樹脂100重
    量部、(b)還元粘度ηsp/Cが0.3〜0.6であ
    るポリフェニレンエーテル1〜100重量部、及び
    (c)難燃剤1〜100重量部、からなる請求項3また
    は4記載のスチレン系樹脂組成物への液状添加剤添加方
    法。
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