JPH10159332A - 発泡合成樹脂型枠 - Google Patents

発泡合成樹脂型枠

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JPH10159332A
JPH10159332A JP32284596A JP32284596A JPH10159332A JP H10159332 A JPH10159332 A JP H10159332A JP 32284596 A JP32284596 A JP 32284596A JP 32284596 A JP32284596 A JP 32284596A JP H10159332 A JPH10159332 A JP H10159332A
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JP
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concrete
synthetic resin
formwork
foamed synthetic
mold
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JP32284596A
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Tamotsu Kawai
合 保 河
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の木質型枠である「コンパネ」の代替え
の型枠として繰り返し使用が可能であり、しかも、脱型
性、作業性、運搬性などに優れた発泡合成樹脂型枠を提
供する。 【解決手段】 一対の型枠部材12を一定間隔離間して
立設してコンクリート型枠を構成して、両型枠部材間の
コンクリート打設空間Aにコンクリート打設して、建築
物の基礎又は壁体を構成するためのコンクリート型枠1
1であり、型枠部材12を、ポリオレフィン又はその共
重合体からなる発泡合成樹脂から構成し、打設したコン
クリートの硬化後、コンクリート塊から前記型枠部材を
離反させる際に、型枠部材が変形しないで弾性的にコン
クリート塊から離型できるようにして、繰り返し使用が
可能であるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土木あるいは建築
の分野において、コンクリート基礎、壁体などを構築す
るために使用される繰り返し使用(転用)可能な発泡合
成樹脂型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、建築物の基礎、あるいは壁体
などを構築する場合には、いわゆる「コンパネ」と呼ば
れる南洋材、合板などからなる木質の型枠材料が広範に
用いられている。このような木質の型枠を、コンクリー
ト型枠として使用してコンクリートを打設した後、コン
クリート基礎などのコンクリート塊から離反(脱型)し
た場合に、コンクリート打設側表面にコンクリートが付
着残存したり、強度的に弱いので脱型の際に型枠の一部
が破損したりするため、使い捨てか又は大抵の場合は3
回の使用、多くてもせいぜい5回の使用が限界であるた
め、それ以上繰り返して使うことができないため破棄せ
ざるを得ないのが現状である。そのため、今日では、型
枠として貴重な森林資源である大量の木材を消費し、し
かも大量の産業廃棄物を生み出しているのが現状であ
る。
【0003】このような実状を考慮して、近年では、地
球的環境保護などを考慮して、資源の有効利用が唱えら
れており、そのためこのような木質の型枠部材を他の型
枠部材に代替えして、木材の有効利用を図ることが行わ
れている。例えば、木質の型枠の代替えとして、スチー
ル製の型枠が採用されたり、合成樹脂製の型枠が採用さ
れつつある。このような材料からなる型枠を用いれば、
スチール製は勿論のこと、合成樹脂製の型枠であっても
一度の使用でなく、繰り返し使用することが可能とな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記木製に
代わる型枠のうち、スチール製のものは、重量が重く持
ち運びが不便で、特に、狭い工事現場において持ち運ぶ
ことは困難であり、組立、解体などの施工作業性にいて
も良好ではなかった。また、スチール製の型枠は、コン
クリート基礎の寸法に合わせて、寸法を短くする必要が
ある場合においても、切断などで寸法合わせなどの加工
を行うことは困難であり、セパレータを配置することも
困難であった。さらに、スチール製の型枠は、一旦、使
用すると、他の場所で再び使用するのに、表面に付着し
ているモルタルなどを落とさなければならず、そのため
の工程が必要になり、メンテナンスに労力、維持費用が
必要であった。
【0005】また、スチール製型枠及び木製コンパネで
は、保温力がないので、打設したコンクリートの水和反
応による硬化熱(60〜80℃)が放熱されてしまい保
持されず、コンクリートの硬化時間が長くなるため、コ
ンクリートの養生性能に劣っていた。
【0006】一方、合成樹脂からなる型枠では、スチー
ル製の型枠よりも重量は軽量であるがまだまだ重量が重
く、作業性が良好ではなく、コンクリートの打設側と反
対側の表面にリブを一体成形するなどしてセパレータ、
バタ、添え木などを取り付ける部分を形成しなければな
らず、結果として、合成樹脂製の型枠部材を形成する金
型形状が複雑になり、コスト高になるという問題があっ
た。
【0007】ところで、従来より、河川護岸擁壁、宅地
造成地壁、急傾斜地擁壁などにおいて、コンクリート壁
を施工する際に、無機質のコンクリート地肌を強調しな
いように、住居環境および自然環境を損なわないように
するため、コンクリート壁の表面に、石積み模様などの
化粧模様を形成するために化粧模様形成用コンクリート
型枠が用いられている。この化粧模様形成用コンクリー
ト型枠は、表面の離型性、耐薬品性、付型性ならびに焼
却性などを考慮して、ポリオレフィン、特にポリプロピ
レンからなる発泡樹脂からなる化粧模様形成用コンクリ
ート型枠が用いられている。
【0008】このような化粧模様形成用コンクリート型
枠を、前述したような木質の型枠である「コンパネ」の
代替えとして用いることが考慮されるが、この化粧模様
形成用コンクリート型枠では、離型性、石積み模様など
のいわゆる彫りの深い化粧模様を形成するための付型
性、軽量性、ならびにコストなどを考慮して、30倍程
度、典型的には35倍程度の発泡倍率のポリオレフィ
ン、特にポリプロピレンからなる発泡樹脂からなるのが
通常である。このような高発泡倍率では、コンクリート
打設後に擁壁などのコンクリート壁から型枠を脱型する
際に、剥がれだした部分から型枠が反りながら(変形し
ながら)順次コンクリート表面から剥がれるような離型
状態(いわゆる線状的な離型状態)で離型するととも
に、型枠が塑性変形してしまい反りが残存するので、基
本的には一回使用すれば焼却などによって使い捨てする
のが通常である。
【0009】従って、このような化粧模様形成用コンク
リート型枠を用いた場合には、脱型の際に反りが発生
し、しかもいわゆる線状的な変形による離型であるた
め、型枠表面に傷が発生したり、コンクリートが残存し
たりするので、繰り返し使用(転用)することは不可能
であり、到底このような「コンパネ」の代替えとして使
用することは不可能であった。
【0010】本発明はこのような問題に鑑み、従来の木
質型枠である「コンパネ」の代替えの型枠として繰り返
し使用が可能であり、しかも、脱型性、作業性、運搬性
ならびにコンクリート養生性能などに優れた発泡合成樹
脂型枠を提供すること目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の発泡合成樹脂型
枠では、一対の型枠部材を一定間隔離間して立設してコ
ンクリート型枠を構成して、両型枠部材間のコンクリー
ト打設空間にコンクリート打設して、建築物の基礎又は
壁体を構成するためのコンクリート型枠において、前記
コンクリート型枠を構成する型枠部材を、ポリオレフィ
ン又はその共重合体からなる発泡合成樹脂から構成した
発泡合成樹脂型枠部材とすることによって、前記コンク
リート打設空間に打設したコンクリートの硬化後、コン
クリート塊から前記型枠部材を離反させる際に、型枠部
材が変形しないで弾性的にコンクリート塊から離型でき
るようにして、繰り返し使用が可能であるように構成し
たことを特徴とする。
【0012】すなわち、本発明での「型枠部材が変形し
ないで弾性的にコンクリート塊から離型できる」状態と
は、スチール製型枠及び木製コンパネのように、剥がれ
だした部分から順次コンクリート表面から剥がれて全体
に拡がり整然と一体的に剥離できるいわゆる面状的な離
型状態に近い挙動を示す離型状態であって、離型後にも
反りが残存しないでコンクリート塊から離型できるよう
な状態を言う。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明では、型枠部材を構成する
発泡合成樹脂材料としては、コンクリートとの耐薬品
性、及び剥離性(離型性)を考慮すれば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン及びそれらの
共重合体が好ましい。
【0014】また、所定の形状に硬化したコンクリート
塊から剥がそうとした場合に、最初に剥がれだした部分
から順次コンクリート表面から剥がれて全体に拡がり、
木製コンパネやスチール製の型枠のようにほとんど変形
しないで板状の姿勢を保持しつつ、所定の方向に整然と
一体的に剥離できるいわゆる面状的な離型状態に近い挙
動を示すのが好ましいものである。しかもコンクリート
塊から剥離した後には発泡合成樹脂型枠に加えた力が完
全に除去されて、反りが復元してその残存程度が少ない
ように離型する脱型状態であって、繰り返しが可能であ
るような離型状態が好ましいものである。
【0015】また、木製コンパネやスチール製の型枠の
ように離型剤を用いる必要がなく離型でき、しかも保温
性に優れて放熱が少なく、打設したコンクリートの水和
反応による硬化熱(60〜80℃)が保持されて、硬化
時間が早くなってコンクリートの養生性能に優れるのが
好ましいものである。
【0016】従って、このような脱型状態となり、傷、
コンクリート残滓が残らないことなどを考慮すると、ポ
リオレフィン単独であるのが好ましく、コンクリートが
付着残存しないことを考慮すれば、これらのうちでポリ
プロピレンが最も好ましい。
【0017】また、発泡倍率は30倍未満、さらに好ま
しくは5倍〜25倍、好適には10倍〜20倍であり、
材料費の低減化とともに、前述したコンクリートとの優
れた剥離性を発現させるためには15倍程度の発泡倍率
が最も好ましい。
【0018】さらに、型枠部材のコンクリート打設側と
反対側の外側表面に補強リブ部材が形成されているのが
好ましく、この場合には、リブ部材によって補強され
て、前述したように離型する脱型状態となるので好まし
い。
【0019】また、型枠部材のコンクリート打設側の表
面に、ポリオレフィン又はその共重合体のフィルムが貼
着されているのが、コンクリートとの離型性を向上する
ために好ましい。
【0020】さらに、型枠部材を、発泡倍率を違えた2
層の発泡合成樹脂層から構成することも可能である。す
なわち、コンクリートに接する側の発泡合成樹脂層(コ
ンクリート打設側)と、コンクリートに接しない側の外
側の発泡合成樹脂層とで、発泡倍率を変えることもでき
る。
【0021】この場合には、コンクリート打設側の発泡
合成樹脂層の方が、外側の発泡合成樹脂層より低い発泡
倍率、例えば、内面側を15倍、外面側を30倍程度に
するとより型枠部材にいわゆる腰が付加され、前述した
ように離型する脱型状態となるため、剥離性がいっそう
改善できることになって好ましい。
【0022】また、これとは逆に、コンクリート打設側
の発泡合成樹脂層の方が、外側の発泡合成樹脂層より高
い発泡倍率、例えば、内面側を30倍、外面側を15倍
程度にすることも可能であり、この場合にも、型枠部材
にいわゆる腰が付加され、前述したように離型する脱型
状態となるため、剥離性が改善できる。
【0023】なお、このように型枠部材の内外層の発泡
合成樹脂層の発泡倍率を変えることにより、さらにコス
トダウンも図ることもできる。
【0024】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例に
ついて説明する。図1は本発明の発泡合成樹脂型枠の第
1の実施例を示した斜視図であり、特に建築物のフーチ
ング付き基礎を構築する場合に使用される発泡合成樹脂
型枠を例示したものである。
【0025】本実施例の発泡合成樹脂型枠11は、互い
に対向して配置される一対の型枠部材12、12から構
成されており、これら型枠部材12は、同一形状を有し
ており、互いに対向して一定間隔離間して配置されるこ
とにより、コンクリートを打設するための空間Aを形成
するように用いられる。この場合、型枠部材12の高さ
幅および厚さは特に限定されるものではなく、自由に設
定することができるが、型枠部材12に自己保持性を具
備しなければならず、また、コンクリートの打設による
内部圧力に耐える必要があるため、型枠部材12の厚さ
としては、実際的には20mm〜50mm程度である。
【0026】さらに、後述するように、脱型状態を考慮
すれば、発泡倍率との関係によってこの厚さは決定され
るものであって、例えば、発泡倍率が25倍程度にまで
大きくなれば、軟らかくなるので、厚さを大きくする必
要があるが、発泡倍率が5倍程度と低くなれば比較的硬
くなるので、厚さを薄くすることも可能である。
【0027】すなわち、所定の形状に硬化したコンクリ
ート塊から剥がそうとした場合に、最初に剥がれだした
部分から順次コンクリート表面から剥がれて全体に拡が
り、木製コンパネやスチール製の型枠のようにほとんど
変形しないで板状の姿勢を保持しつつ、所定の方向に整
然と一体的に剥離できるいわゆる面状的な離型状態に近
い挙動を示すのが好ましいものである。しかもコンクリ
ート塊から剥離した後には発泡合成樹脂型枠に加えた力
が完全に除去されて、反りが復元してその残存程度が少
ないように離型する脱型状態であって、繰り返しが可能
であるような離型状態が好ましいものである。
【0028】また、木製コンパネやスチール製の型枠の
ように離型剤を用いる必要がなく離型でき、しかも 保
温性に優れて放熱が少なく、打設したコンクリートの水
和反応による硬化熱(60〜80℃)が保持されて、硬
化時間が早くなってコンクリートの養生性能に優れるの
が好ましいものである。
【0029】従って、型枠部材12を構成する発泡合成
樹脂材料としては、コンクリートとの耐薬品性、及び剥
離性(離型性)を考慮すれば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン及びそれらの共重合体が好
ましい。また、このような脱型状態となり、傷、コンク
リート残滓が残らないことなどを考慮すると、ポリオレ
フィン単独であるのが好ましく、コンクリートが付着残
存しないことを考慮すれば、これらのうちでポリプロピ
レンが最も好ましい。
【0030】なお、ポリプロピレンのみを用いた場合に
は、リサイクルが可能である。さらに、これらの発泡樹
脂は、紫外線などによって劣化して離型性が低下するた
めに、予め紫外線劣化防止剤、例えば、「イルガノック
ス(商品名)」チバガイギー(株)社製を1重量部程度
混入しておいても良い。
【0031】また、発泡倍率は30倍未満、さらに好ま
しくは5倍〜25倍、好適には10倍〜20倍であり、
材料費の低減化とともに、前述したコンクリートとの優
れた剥離性を発現させるためには15倍程度の発泡倍率
が最も好ましい。すなわち、発泡倍率が30倍以上で
は、軟らかくなりすぎ脱型する際に変形して離型して反
りが生じてしまい、発泡倍率が5倍より小さければ、重
量が重くなるとともに硬くなりすぎて弾性的な離型がで
きないからである。なお、この場合、型枠部材12を製
造するには、いわゆる合成樹脂のビーズを金型内で発泡
させるいわゆる「ビーズ法」、押し出し成形法などが使
用可能である。
【0032】なお、図2に示したように、型枠部材12
を発泡倍率を違えた2層の発泡合成樹脂層から構成する
ことも可能である。すなわち、コンクリートに接する側
の発泡合成樹脂層12A(コンクリート打設側)と、コ
ンクリートに接しない側の外側の発泡合成樹脂層12B
とで、発泡倍率を変えることもでき、その場合には、コ
ンクリート打設側の発泡合成樹脂層12Aの方が、外側
の発泡合成樹脂層12Bより低い発泡倍率、例えば、内
面側を15倍、外面側を30倍程度にすることにより型
枠部材にいわゆる腰が付加され、前述したように離型す
る脱型状態となるため、剥離性がいっそう改善できるこ
とになって好ましい。
【0033】また、これとは逆に、コンクリート打設側
の発泡合成樹脂層12Aの方が、外側の発泡合成樹脂層
12Bより高い発泡倍率、例えば、内面側を30倍、外
面側を15倍程度にすることも可能であり、この場合に
も、型枠部材にいわゆる腰が付加され、前述したように
離型する脱型状態となるため、剥離性が改善できる。
【0034】この場合、2層の発泡倍率の相違する発泡
樹脂層を得るには、一対の金型内で同時に成形を行うい
わゆる「2層成形法」などが使用可能であるが、特にこ
れに限定されるものではなく、2層を接着剤で貼着した
り融着するなどでも構わない。
【0035】さらに、図3に示したように、型枠部材1
2のコンクリート打設側の表面に、ポリオレフィン又は
その共重合体のフィルム12Cが貼着されていても良
い。すなわち、型枠部材のコンクリート打設側の表面
に、ポリオレフィン又はその共重合体のフィルムが貼着
されているのが、コンクリートとの離型性を向上するた
めに好ましいからである。なお、この場合、使用によっ
てコンクリート打設側の表面が粗くなった場合に、この
フィルム12Cを含む表面を切削除去して、滑らかな表
面を露呈させた後、この表面に再び新たなフィルム12
Cを貼着することによって、繰り返しの使用が可能とな
る。この場合、フィルム12Cの厚さとしては、脱型の
際にフィルム12Cが破れたりしないように、10μm
〜100μm程度であるのが好ましく、貼着方法として
は、接着剤による貼着の他、熱溶着による方法、押し出
しラミネーション法などが適用可能である。
【0036】図4は、本発明の発泡合成樹脂型枠の第2
の実施例を示した斜視図であり、基本的には前述した第
1の実施例と同様な構成であって、同じ構成部材には同
じ参照番号を付している。
【0037】本実施例では、型枠部材12のコンクリー
トに接しない外側表面に、外周リブ部材13Aと、縦横
に交差する縦リブ部材13Bと横リブ部材13Cとから
なる補強リブ13を一体的に設けて補強してある。すな
わち、このように補強リブ13を設けることによって、
型枠部材12本体の厚さが薄い場合にも、型枠部材12
にいわゆる腰が付加され、前述したように離型する脱型
状態となるため、良好な剥離性が発現できることにな
る。
【0038】なお、本実施例の場合には、補強リブ13
を、外周リブ部材13A、縦リブ部材13B及び横リブ
部材13Cとから構成したが、例えば、図5に示したよ
うに、外周リブ部材13Aと縦リブ部材13Bのみから
構成するなど、これらを適宜組み合わせて用いることも
可能である。
【0039】また、本実施例では、補強リブ13を型枠
部材12本体部と一体的に形成したが、補強リブ13
を、アルミニウム、スチールなどの金属製の板部材から
なるリブ部として、よりいっそう前述した脱型状態によ
る剥離を促進することも可能である。なお、この場合に
は、金属製の板部材を加熱して型枠部材12の表面に溶
着する方法などが使用可能である。
【0040】なお、上記実施例では、フーチング付き基
礎に用いられる発泡合成樹脂転用型枠について説明した
が、本発明は勿論、壁を構築するための型枠など他の型
枠にも適用可能である。また、コンクリート打設面を粗
面としたり、コンクリート打設面側にタイル形状の凹部
を設けてコンクリート面に転写して、基礎及び壁に意匠
性を付与することも可能である。
【0041】以下に、このような型枠部材12を実際に
現場で使用する場合の作業手順について、図6及び図7
を参照しながら説明する。先ず、割りぐり石46の上に
打設された捨てコンクリート47の上部に、型枠部材1
2、12を一定間隔離間して対向配置し、これらの型枠
部材12でコンクリートの打設空間Bを形成する。
【0042】そして、この型枠部材12の適宜の箇所に
セパレータ部材40を挿通して、型枠部材12の外側に
縦横のパイプ(バタ)48、49を配置し、フォームタ
イ43に座金44を挿通してナット45で締結すること
によって固定する。
【0043】一方、型枠部材12間で形成されたコンク
リートの打設空間B内には、布筋51、巾筋52、縦筋
53、及び横筋54からなる鉄筋材50が縦横に配筋さ
れ、図示しない結束線などで連結される。これにより、
コンクリートを打設するための全ての準備が完了し、コ
ンクリートが実際に打設される。
【0044】最後に、コンクリートが硬化したら、縦横
のパイプ48、49を取り外し、フォームタイ43を外
すとともに、型枠部材12、12をコンクリート塊から
剥離する。このとき、型枠部材12が特に剥離性が良好
なポリプロピレンから成形され、その発泡倍率、30倍
未満である場合は、前述したように離型する脱型状態で
良好に剥がすことができる(図7参照)。
【0045】なお、両型枠部材12間のコンクリート打
設空間に打設したコンクリートの硬化後、コンクリート
塊から前記型枠部材12を離反させた際に、発泡樹脂は
緩衝作用を有するので、セパレータ40の貫通によって
形成された貫通小孔16が、再び貫通小孔周囲の発泡樹
脂によって閉塞されるので、繰り返し使用(転用)が可
能であるようになっている。
【0046】また、本発明の発泡合成樹脂型枠は、繰り
返し使用(転用)する型枠について説明したが、本発明
の発泡合成樹脂型枠を、打設後にもコンクリート塊から
脱型しないで残存させておく、いわゆる打込み型枠とし
ても用いることも勿論可能である。
【0047】
【実施例1】ポリプロピレンのビーズ粒子(粒径3mm
φ〜8mmφ)を用いて、金型内に充填して110〜1
20℃で加熱することによって、600mm(縦)×9
00mm(横)×50mm(厚さ)の発泡合成樹脂型枠
を得た。但し、これらの発泡合成樹脂型枠の発泡倍率を
3、5、10、15、20、25、28、30、35、
40倍に変えた発泡合成樹脂型枠を準備した。これらの
型枠を用いて、一対の型枠の間の距離をセパレータに
て、150mm離間して、コンクリート打設空間を形成
して、生コンクリートを打設して、硬化させた後、24
時間後に型枠を剥離した。そして、それぞれの場合につ
いて、剥離した後の型枠のコンクリート打設面の状態、
型枠の変形度合(反り)、型枠全体の状態について測定
した。
【0048】発泡倍率30倍以上では、コンクリート打
設面にコンクリートの残滓が付着し、離型後に型枠の反
りの残存が認められた。特に40倍では、打設面へのコ
ンクリートの付着が大きく、離型後の反りも激しかっ
た。一方、発泡倍率3倍の場合には、打設面へのコンク
リートの付着が大きく、離型も困難でコンクリート面も
粗かった。これに対して、本発明の型枠の発泡倍率の範
囲(上記5〜28倍の場合)、特に10倍〜20倍の範
囲では、概ね型枠の打設面にコンクリート残滓がほとん
ど付着しておらず、型枠全体としても良好であり、しか
も型枠の反りもほとんど発生していなかった。
【0049】なお、本発明の発泡樹脂型枠のうち、発泡
倍率15倍のものを、上記と同様にして繰り返し使用し
たが、20回以上の使用でも、使用に耐え得る程度の反
りであった。
【0050】
【比較例1】また、同じ大きさ(600mm(縦)×9
00mm(横))のスチール製型枠、木製コンパネ、発
泡倍率15倍のもの(本発明品)、ならびに従来の発泡
ポリオレフィン製コンパネ(発泡ポリプロピレン型内成
形品、厚さ35mm、発泡倍率35倍)を各々4個につ
いて、離型剤の要否、離型に必要な力、離型時の反り、
離型状態、ならびにコンクリート養生性能について比較
した。その結果を下記の表1に示した。
【0051】表1から明らかなように、スチール製型枠
及び木製コンパネでは、最初に剥がれだした部分から順
次コンクリート表面から剥がれて全体に拡がり、変形し
ないで板状の姿勢を保持しつつ、所定の方向に整然と一
体的に剥離できるいわゆる面状的な離型状態で離型す
る。
【0052】これに対して、本発明品では、木製コンパ
ネやスチール製の型枠のようにほとんど変形しないで板
状の姿勢を保持しつつ、所定の方向に整然と一体的に剥
離できるいわゆる面状的な離型状態に近い挙動を示す、
いわゆる面状的な離型状態とと線状的な離型状態とのい
わば中間的な離型状態となっている。しかもコンクリー
ト塊から剥離した後には、発泡合成樹脂型枠に加えた力
が完全に除去されて、反りが復元してその残存程度が少
ないように離型するので、離型性能に優れており繰り返
しの使用が可能であることがわかる。
【0053】一方、従来の発泡ポリオレフィン製コンパ
ネでは、高発泡倍率(35倍)であるので、剥がれだし
た部分から型枠が反りながら(変形しながら)順次コン
クリート表面から剥がれるような離型状態(いわゆる線
状的な離型状態)で離型するとともに、型枠が塑性変形
してしまい反りが残存するので、繰り返しの使用は不可
能であることがわかる。
【0054】また、スチール製型枠及び木製コンパネで
は、保温力がないので、打設したコンクリートの水和反
応による硬化熱(60〜80℃)が保持されず、コンク
リートの硬化時間が長くなるため、コンクリートの養生
性能に劣る。また、従来の発泡ポリオレフィン製コンパ
ネも、厚さが薄い(薄肉)ために保温力に劣りコンクリ
ートの硬化熱が放熱されやすいため、コンクリートの硬
化時間が長くなるので、コンクリートの養生性能に劣
る。これに対して、本発明品では、コンクリートの硬化
熱が放熱されにくいため、コンクリートの硬化時間が短
くてすみ、コンクリートの養生性能に優れるため、コン
クリート強度にも優れていることが分かる。
【0055】なお、本発明品では、スチール製型枠及び
木製コンパネに比較して、離型剤が不要であり、離型に
要する力も小さくてすむことがわかる。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の発泡合成樹脂型枠では、ポリオ
レフィン又はその共重合体、コンクリートとの付着性を
考慮すれば、好ましくはポリオレフィン単独、より好ま
しくはポリプロピレンからなる発泡合成樹脂から構成し
た発泡合成樹脂型枠部材とすることによって、コンクリ
ート打設空間に打設したコンクリートの硬化後、コンク
リート塊から型枠部材を離反させる際に、木製コンパネ
やスチール製の型枠のようにほとんど変形しないで板状
の姿勢を保持しつつ、所定の方向に整然と一体的に剥離
できるいわゆる面状的な離型状態に近い挙動を示す、い
わゆる面状的な離型状態とと線状的な離型状態とのいわ
ば中間的な離型状態となっており、しかもコンクリート
塊から剥離した後には、発泡合成樹脂型枠に加えた力が
完全に除去されて、反りが復元してその残存程度が少な
いように離型するので、離型性能に優れており繰り返し
の使用が可能である。
【0058】特に、ポリオレフィン又はその共重合体の
発泡倍率を、30倍未満、さらに好ましくは5倍〜25
倍、好適には10倍〜20倍とすることによって、離型
する場合に型枠が変形して離型するのではなく、より前
述したような脱型状態となり、傷、コンクリート残滓が
残らず、また離型後にも反りが発生しないので、繰り返
し使用が可能である。
【0059】さらに、型枠部材を、発泡倍率を違えた2
層の発泡合成樹脂層から構成、すなわち、コンクリート
に接する側の発泡合成樹脂層(コンクリート打設側)
と、コンクリートに接しない側の外側の発泡合成樹脂層
とで、発泡倍率を変えることもできる。
【0060】この場合には、コンクリート打設側の発泡
合成樹脂層の方が、外側の発泡合成樹脂層より低い発泡
倍率、例えば、内面側を15倍、外面側を30倍程度に
するとより型枠部材にいわゆる腰が付加され、前述した
ように離型する脱型状態となるため、剥離性がいっそう
改善できる。
【0061】また、これとは逆に、コンクリート打設側
の発泡合成樹脂層の方が、外側の発泡合成樹脂層より高
い発泡倍率、例えば、内面側を30倍、外面側を15倍
程度にすることも可能であり、この場合にも、型枠部材
にいわゆる腰が付加され、前述したように離型する脱型
状態となるため、剥離性が改善できる。
【0062】さらに、従来のスチール製型枠及び木製コ
ンパネでは、保温力がないので、打設したコンクリート
の水和反応による硬化熱(60〜80℃)が保持され
ず、コンクリートの硬化時間が長くなるため、コンクリ
ートの養生性能に劣るのに対して、本発明品では保温力
があり、コンクリートの硬化熱が放熱されにくいため、
コンクリートの硬化時間が短くてすみ、養生性能に優れ
るため、コンクリート強度にも優れている。しかも、本
発明品では、離型剤が不要であり、離型に要する力も小
さくてすむ。
【0063】従って、従来のスチール製型枠、及び木質
型枠である「コンパネ」の代替えの型枠として繰り返し
使用が可能であり、脱型性、作業性、運搬性、ならびに
コンクリート養生性能などに優れた発泡合成樹脂型枠を
提供でき、近年における地球的環境保護などの観点から
の資源の有効利用も図れるなど顕著で特有な作用効果を
奏する極めて優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の発泡合成樹脂型枠の第1の実施例を示
した斜視図である。
【図2】本発明の発泡合成樹脂型枠の第1の実施例の別
の態様を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の発泡合成樹脂型枠の第1の実施例のさ
らに別の態様を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の発泡合成樹脂型枠の第2の実施例を示
した斜視図である。
【図5】本発明の発泡合成樹脂型枠の第2の実施例の別
の態様を示す斜視図である。
【図6】本発明の発泡合成樹脂型枠を実際に組み付けた
断面図である。
【図7】本発明の発泡合成樹脂型枠を脱型する状態を説
明する概略図である。
【符号の説明】 11・・・発泡合成樹脂型枠 12・・・型枠部材 12C・・・フィルム 13・・・補強リブ 13A・・・外周リブ部材 13B・・・縦リブ部材 13C・・・横リブ部材 40・・・セパレータ部材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の型枠部材を一定間隔離間して立設
    してコンクリート型枠を構成して、両型枠部材間のコン
    クリート打設空間にコンクリート打設して、建築物の基
    礎又は壁体を構成するためのコンクリート型枠におい
    て、 前記コンクリート型枠を構成する型枠部材を、ポリオレ
    フィン又はその共重合体からなる発泡合成樹脂から構成
    した発泡合成樹脂型枠部材とすることによって、 前記コンクリート打設空間に打設したコンクリートの硬
    化後、コンクリート塊から前記型枠部材を離反させる際
    に、型枠部材が変形しないで弾性的にコンクリート塊か
    ら離型できるようにして、繰り返し使用が可能であるよ
    うに構成したことを特徴とする発泡合成樹脂型枠。
  2. 【請求項2】 前記ポリオレフィンが、ポリエチレンで
    あることを特徴とする請求項1に記載の発泡合成樹脂型
    枠。
  3. 【請求項3】 前記ポリオレフィンが、ポリプロピレン
    であることを特徴とする請求項1に記載の発泡合成樹脂
    型枠。
  4. 【請求項4】 前記発泡合成樹脂の発泡倍率が、30倍
    未満であることを特徴とする請求項1から3のいずれか
    に記載の発泡合成樹脂型枠。
  5. 【請求項5】 前記発泡合成樹脂の発泡倍率が、5倍〜
    25倍であることを特徴とする請求項4に記載の発泡合
    成樹脂型枠。
  6. 【請求項6】 前記発泡合成樹脂の発泡倍率が、10倍
    〜20倍であることを特徴とする請求項5に記載の発泡
    合成樹脂型枠。
  7. 【請求項7】 前記型枠部材のコンクリート打設側と反
    対側の外側表面に補強リブ部材が形成されていることを
    特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の発泡合成
    樹脂型枠。
  8. 【請求項8】 前記型枠部材のコンクリート打設側の表
    面に、ポリオレフィン又はその共重合体のフィルムが貼
    着されていることを特徴とする請求項1から7のいずれ
    かに記載の発泡合成樹脂型枠。
  9. 【請求項9】 前記型枠部材が、発泡倍率を違えた2層
    の発泡合成樹脂層から構成したことを特徴とする請求項
    1、2、3、7、8のいずれかに記載の発泡合成樹脂型
    枠。
  10. 【請求項10】 前記2層の発泡合成樹脂層のうち、コ
    ンクリート打設側の発泡合成樹脂層の方が、外側の発泡
    合成樹脂層より低い発泡倍率となっていることを特徴と
    する請求項9に記載の発泡合成樹脂型枠。
  11. 【請求項11】 前記2層の発泡合成樹脂層のうち、コ
    ンクリート打設側の発泡合成樹脂層の方が、外側の発泡
    合成樹脂層より高い発泡倍率となっていることを特徴と
    する請求項9に記載の発泡合成樹脂型枠。
JP32284596A 1996-12-03 1996-12-03 発泡合成樹脂型枠 Pending JPH10159332A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016068324A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 積水化成品工業株式会社 繊維強化複合体、及び繊維強化複合体の製造方法

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