JPH1015858A - マイクロマニピュレータ微動操作装置 - Google Patents

マイクロマニピュレータ微動操作装置

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JPH1015858A
JPH1015858A JP8171931A JP17193196A JPH1015858A JP H1015858 A JPH1015858 A JP H1015858A JP 8171931 A JP8171931 A JP 8171931A JP 17193196 A JP17193196 A JP 17193196A JP H1015858 A JPH1015858 A JP H1015858A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】マイクロマニピュレータ微動操作装置におい
て、水平移動操作手段により平面的に移動操作可能に構
成し、オペレータの感覚通りの操作を実現し、操作性の
向上を図る。 【解決手段】水平移動操作手段33を前後方向及び左右
方向へ移動操作すると、操作杆30が前後方向及び左右
方向に傾動し、2軸方向の前後方向へ移動する移動台1
3及び左右方向へ移動する移動台22がそれぞれ移動
し、前後微動用液圧手段により第1の液圧シリンダ内の
液量が増減すると共に、左右微動用液圧手段により第2
の液圧シリンダ内の液量が増減し、マイクロマニピュレ
ータを水平移動操作手段33の移動方向と同一方向に前
後方向及び左右方向に微動させてなるマイクロマニピュ
レータ微動操作装置とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顕微鏡下で硝子電
極等のマイクロツールを油圧等の液圧により微動的に遠
隔操作できるようにしたマイクロマニピュレータ微動操
作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】基礎医学やバイオテクノロジーの分野で
は、生物の器官や生体組織、卵細胞や単一細胞等の細胞
類を保持し、吸引、注入、分割等の細胞処理を行うため
に細胞類を操作するマイクロマニピュレータがあり、こ
れら細胞類に対して顕微鏡の視野内でマイクロマニピュ
レータを微動操作して各種細胞処理を行っている。とこ
ろで、オペレータがマイクロマニピュレータの操作ハン
ドルに直接手を触れて微動操作すると、手に生じる震え
が機枠を通じて拡大されて伝達される恐れがあり、手に
生じる震えを極力抑えて静かにマイクロマニピュレータ
を操作しなければならず、その操作が面倒で細心の注意
と相当の熟練とを必要としている。そこで、マイクロマ
ニピュレータを油圧等の液圧により微動的に遠隔操作で
きるようにした液圧式マイクロマニピュレータがある。
【0003】図8は、従来の細胞処理装置の構成を概略
的に説明する説明図である。図8において、この細胞処
理装置は、卵細胞81をシャーレ82内の試液に浸して
載置するステージ83と、この卵細胞81を固定的に保
持する固定保持部84と、細胞処理を実際に遂行するマ
イクロマニピュレータ85と、卵細胞81に照明を当て
た映像を観察するための光学系86とからなり、これら
各部を一体に形成して防振マット87上に置いて操作を
するようになっている。このマイクロマニピュレータ8
5は、細胞処理の用途に合わせた硝子電極等の各種のマ
イクロツール88を装着し、その先端を3次元的に移動
させる3次元移動機構を備えており、操作員が微動操作
を指示するジョイスティック89により、この3次元移
動機構を油圧等で作動させるようになっている。
【0004】ジョイスティック89は、庇状に形成され
た支持枠91の先端を支点として操作杆92を垂下し、
操作杆92による直交する2方向(矢印)93の揺動を
油圧等により前記した3次元移動機構に伝達する伝達部
94を設けたものであり、操作杆92を操作して主に水
平面内の2次元的な移動を微動操作するものである。操
作杆92は、直交する2方向(矢印)93の揺動を水平
面内の機械的な変位に変換する変換部95を有し、該変
換部95を支持枠91と連結する部位に設けている。
【0005】また、操作杆92を垂下して設ける他に、
変換部95に直接立てて設けるものも従来から一般的に
使用されていた。しかし、操作員が腕を引き上げること
無く低い位置で楽に操作できることから、この垂下して
設けるものが最近ではよく使用されるようになってい
る。この他にも、3次元移動機構における垂直方向に処
理対象物を移動する必要がある場合があり、そのために
垂直方向に微動操作する機構を近傍に設けた3次元的な
移動を可能にするものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、微動操
作用ジョイスティックによりマイクロマニピュレータの
3次元移動機構を油圧等の液圧で作動させる方式では、
オペレータが顕微鏡を見ながら、マイクロマニピュレー
タに装着されたマイクロツールの先端を所望の位置に移
動させるべく、ジョイスティックの操作杆を所望の方向
に任意な角度傾動させるので、オペレータはマイクロマ
ニピュレータのマイクロツールを平面的に移動させる感
覚であるが、実際の操作はジョイスティックの操作杆を
傾動させるので、感覚的にズレが生じやすく、操作しに
くいという問題があった。
【0007】また、オペレータがジョイスティックの操
作杆を傾動させて所望の位置にマイクロツールの先端を
移動させた後、操作杆から手を離すと、操作杆がホール
ドされていないため、極わずか傾動してしまい、それに
伴ってマイクロツールの先端も所望の位置から微動移動
してしまい位置ズレを生じる虞がある。特に、近年はパ
ーソナルコンピュータ時代であり、パーソナルコンピュ
ータのCRTディスプレイ等の表示画面上の位置を指定
するための入力装置としてマウスが頻繁に使用されてお
り、マイクロマニピュレータを遠隔操作する上でジョイ
スティックの操作杆ではなく、マウス型の操作手段がパ
ーソナルコンピュータ時代に合った操作手段として求め
られている。
【0008】そこで、本発明は、マウス型の操作手段を
平面的に移動操作可能で、しかもオペレータが操作手段
から手を離してもマイクロマニピュレータ及びマイクロ
ツールの先端が位置ズレを生じないように構成し、以て
上述した課題を解決したマイクロマニピュレータ微動操
作装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みてなされたものであって、水平面の2軸方向の一方の
移動台に上下方向に貫設された貫通螺子孔に螺子部材を
螺合させ、該螺子部材に頸部を介して固定的な球体であ
る固定球を垂下した調整部材と、2軸方向の他方の移動
台の上下方向に貫設された大径の孔に回転自在に抱えら
れ支持され、円筒状の内壁を内部に形成し、操作杆を下
部に垂下し、該円筒状の内壁が前記固定球の外周面に当
接する可動球と、平板状のベース板と、該ベース板に立
設され、ベース板より所定高さの水平方向に延出した水
平部分に前記2軸方向の移動台をそれぞれの移動方向に
摺動自在に支持する支持台と、貫通孔を有し、前記操作
杆の下端部を該貫通孔に挿通させ摺動自在に支持する支
持球と、前記ベース板の上面の前記操作杆下方部位に摺
動自在に載置され、内部に空洞を有し、該空洞の上部の
上下方向に貫設された貫通孔に前記支持球を回動自在に
抱え支持する水平移動操作手段と、前記支持台と2軸方
向のうち前後方向へ移動する移動台との間に介在し、一
方に第1のホースを介してマイクロマニピュレータの前
後方向微動用液圧シリンダと連結した第1の液圧シリン
ダを設け、他方に該第1の液圧シリンダに進退可能に嵌
合する第1のピストンを設け、前後方向へ移動する移動
台の移動により第1の液圧シリンダ内の液量を増減させ
る前後微動用液圧手段と、前記支持台と2軸方向のうち
左右方向へ移動する移動台との間に介在し、一方に第2
のホースを介してマイクロマニピュレータの左右方向微
動用液圧シリンダと連結した第2の液圧シリンダを設
け、他方に該第2の液圧シリンダに進退可能に嵌合する
第2のピストンを設け、左右方向へ移動する移動台の移
動により第2の液圧シリンダ内の液量を増減させる左右
微動用液圧手段とを備え、前記水平移動操作手段を前後
方向及び左右方向へ移動操作すると、前記操作杆が前後
方向及び左右方向に傾動し、前記2軸方向の前後方向へ
移動する移動台及び左右方向へ移動する移動台がそれぞ
れ移動し、前後微動用液圧手段により第1の液圧シリン
ダ内の液量が増減すると共に、左右微動用液圧手段によ
り第2の液圧シリンダ内の液量が増減し、マイクロマニ
ピュレータを水平移動操作手段の移動方向と同一方向に
前後方向及び左右方向に微動させてなることを特徴とす
るマイクロマニピュレータ微動操作装置とした。
【0010】また、前記前後微動用液圧手段の第1のピ
ストンを、前記支持台又は前後方向へ移動する移動台に
固定された第1の軸受メタルに螺合する第1の微動螺子
軸の先端に固設し、第1の微動螺子軸の基端を前後微動
ハンドルに固設して、前後微動ハンドルを回転させるこ
とにより第1のピストンを前記第1の液圧シリンダ内に
進退させると共に、前記左右微動用液圧手段の第2のピ
ストンを、前記支持台又は左右方向へ移動する移動台に
固定された第2の軸受メタルに螺合する第2の微動螺子
軸の先端に固設し、第2の微動螺子軸の基端を左右微動
ハンドルに固設して、左右微動ハンドルを回転させるこ
とにより第2のピストンを前記第2の液圧シリンダ内に
進退させてなることを特徴とするマイクロマニピュレー
タ微動操作装置とした。また、前記水平移動操作手段に
マイクロマニピュレータの上下方向微動用の上下微動用
液圧手段を設け、第3のホースを介してマイクロマニピ
ュレータの上下方向微動用液圧シリンダと連結した第3
の液圧シリンダを水平移動操作手段に固定し、該第3の
液圧シリンダに進退可能に嵌合する第3のピストンを、
水平移動操作手段に固定された第3の軸受メタルに螺合
する第3の微動螺子軸の先端に固設し、第3の微動螺子
軸の基端を上下微動ハンドルに固設して、上下微動ハン
ドルを回転させることにより第3のピストンを第3の液
圧シリンダ内に進退させてなることを特徴とするマイク
ロマニピュレータ微動操作装置とした。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明によ
るマイクロマニピュレータ微動操作装置の一実施例につ
いて説明する。図1は、本発明によるマイクロマニピュ
レータ微動操作装置を三次元液圧マイクロマニピュレー
タに取り付けた状態を示す斜視図である。同図に示すよ
うに、マイクロマニピュレータ微動操作装置1は後述す
るホース49,51,55を介して三次元液圧マイクロ
マニピュレータ(以下、単にマイクロマニピュレータと
称す)2に接続され、マイクロマニピュレータ2は支柱
3に掴持された取付バー4に固定されている。更に、マ
イクロマニピュレータ2には締着具5、ホルダー6を介
して硝子電極7が保持されている。
【0012】また、マイクロマニピュレータ微動操作装
置1はベース板10を有しており、該ベース板10の上
面後部には逆L字形の支持台11が立設されている。支
持台11の上部の前方に延出した水平部分11aの図示
せぬ前後方向に延出した凹溝には、前後微動用スライダ
ー13が前後方向に摺動自在に嵌着されている(図2参
照)。
【0013】また、図2はマイクロマニピュレータ微動
操作装置の機構を説明する分解斜視図、図3はマイクロ
マニピュレータ微動操作装置のマウス部分の正面断面図
であり、図2及び図3に示すように、前後微動用スライ
ダー13の前端には貫通孔14aを有するシリンダ支持
プレート14が立設され、前後微動用スライダー13及
びシリンダ支持プレート14は一体となって、前後方向
に摺動可能となっている。そして、シリンダ支持プレー
ト14と対向する前方位置には支持台11に固設され貫
通孔15aを有するハンドル支持プレート15が配置さ
れ、ハンドル支持プレート15の貫通孔15aと前記シ
リンダ支持プレート14の貫通孔14aとは略同一高さ
位置となるように配設されている。
【0014】また、前後微動用スライダー13の略中央
には雌螺子13aが上下方向に貫設され、該雌螺子13
aには微動率調整用の調整部材17が螺合されている。
該調整部材17は、前後微動用スライダー13の雌螺子
13aに螺合する螺子部18と、該螺子部18の上端に
連設され把持して回転させるため外周にローレットが刻
設された把持部19と、螺子部18の下端に垂下された
固定球20とから形成され、把持部19を握って回動さ
せることにより、調整部材17が上下方向に移動可能と
なっている。
【0015】そして、支持台11の水平部分11aの前
後微動用スライダー13用の凹溝の下方には図示せぬ左
右方向に延出した下向きの凹溝が設けられ、該左右方向
に延出した下向きの凹溝には、左右微動用スライダー2
2が左右方向に摺動自在に嵌着されている。また、左右
微動用スライダー22の左端には貫通孔23aを有する
シリンダ支持プレート23が下方向に垂設され、左右微
動用スライダー22及びシリンダ支持プレート23は一
体となって、左右方向に摺動可能となっている。そし
て、シリンダ支持プレート23と対向する左方向位置に
は支持台11に固設され貫通孔25aを有するハンドル
支持プレート25が配置され、ハンドル支持プレート2
5の貫通孔25aと前記シリンダ支持プレート23の貫
通孔23aとは略同一高さ位置となるように配設されて
いる。
【0016】また、左右微動用スライダー22の略中央
には上下方向に向けて、内周が上方向に向かって縮径さ
れ、可動球27の上部を支持し上側への逃げを防ぐ湾曲
面が形成され、下部に雌螺子が螺設された大径の貫通孔
22aが貫設されている。そして、左右微動用スライダ
ー22の大径の貫通孔22aの下部の雌螺子には、可動
球27の下部を支持する可動球固定具28が螺合されて
いる。可動球固定具28は略円筒形で、円筒の下部に鍔
部28aが設けられ、円筒の上端に可動球の下部を支持
し下側への逃げを防ぐ湾曲面28bが形成されている。
また、可動球27に貫設された円筒の孔(円筒状の内
壁)27aには前記前後微動用スライダー13に垂下さ
れた固定球20の外周面が当接し、可動球27の円筒の
孔27a下部には操作杆30の上端部が螺合されてい
る。更に、操作杆30の下端部は支持球31の円筒の貫
通孔に摺動自在に挿通されている。
【0017】また、ベース板10上には水平移動操作手
段であるマウス33が摺動自在に載置されており、該マ
ウス33は直方体形で内部に下面が開放された円柱形の
空洞33aを有し、マウス33の上面後部略中央には下
部に前記支持球31の下部を支持し下側への逃げを防ぐ
湾曲面33b-1を有し、上部に雌螺子33b-2が螺設さ
れ、前記空洞33aの中央と連通した貫通孔33bが貫
設されている。そして、雌螺子33b-2には、支持球3
1の上部を支持する支持球固定具35が螺合されてい
る。支持球固定具35は略円筒形で、円筒の上部に鍔部
35aが設けられ、円筒の内周に支持球の上部を支持し
上側への逃げを防ぐ湾曲面35bが形成されている。
【0018】従って、マウス33を前後方向及び左右方
向に移動させると、それに伴って操作杆30が前後方向
及び左右方向に傾動するようになっている。更に、マウ
ス33の前部には上下微動用操作機構37が設けられて
いる(図2参照)。
【0019】また、固定球20の中心をO、可動球27
の中心(操作杆30の傾動動作の中心点)をCとする
と、それぞれの中心O,Cを一致して配置すれば可動球
27は単に中心Oの回りを回転するのみであり、固定球
20と可動球27と移動体である前後微動用スライダー
13及び左右微動用スライダー22の相互の位置関係に
変動はない。
【0020】しかし、それぞれの中心O,Cを離隔して
配置すれば、例えば操作杆30を左右方向に傾動させる
と、固定球20は左右方向には固定されているため、可
動球27自体も操作杆30と共に中心Oの回りを揺動す
ることになり、中心Oに対する揺動方向に左右微動用ス
ライダー22を円滑に押し退けて移動させるようになっ
ている。一方、操作杆30を前後方向に傾動させると、
固定球20は前後方向には移動可能なため、固定球20
が中心Cの回りを揺動することになり、中心Cに対する
揺動方向に前後微動用スライダー13を円滑に押し退け
て移動させるようになっている。
【0021】また、調整部材17の前後微動用スライダ
ー13へのねじ込み量を加減することにより、可動球2
7の円筒の孔27aに沿って固定球20との位置関係を
上下に移動させ、固定球20と可動球27の中心距離を
変化させて微動比率の調整を行う微動比率の調整機構を
構成している。
【0022】次に、ハンドル支持プレート15及びシリ
ンダ支持プレート14に設けられた前後微動用操作機構
38について説明する。図4は前後微動用操作機構38
及び左右微動用操作機構39の分解斜視図であるが、同
図に示すように、前後微動用スライダー13の前端に立
設されたシリンダ支持プレート14の円形の貫通孔14
aには油圧シリンダ41が嵌着され、貫通穴の周縁に油
圧シリンダ41の鍔部41aを当接させている。該油圧
シリンダ41は一側が開放された円筒状で、外周に鍔部
41a、円筒の閉塞された側にホース取付嘴部41bを
有している。そして、油圧シリンダ41内には後述する
ピストン47が進退可能に嵌合され、油圧シリンダ41
とピストン47との間で油室が形成される。よって、前
後微動用スライダー13、シリンダ支持プレート14及
び油圧シリンダ41は一体となって前後方向に移動可能
となっている。
【0023】また、支持台11に固定されたハンドル支
持プレート15の貫通孔15aには軸受メタル42の基
端部が嵌着され、軸受メタル42は更に、ボルト43,
43によりハンドル支持プレート15に固定された軸受
メタルセットリング44の中心孔に嵌着されている。該
軸受メタル42の中心の貫通孔には雌螺子が螺刻され、
該雌螺子には微動螺子軸46の雄螺子が螺合し、該微動
螺子軸46の先端には円柱状のピストン47が固設され
ている。該ピストン47はハンドル支持プレート15の
貫通穴15a内を挿通自在で、前記油圧シリンダ41内
を進退可能となっている。また、微動螺子軸46の基端
は、軸受メタルセットリング44の外周に回転自在に嵌
合され、一側が開放され、閉塞された側の外周にはロー
レットが刻設された前後微動ハンドル48に固設されて
いる。
【0024】そして、前後微動ハンドル48を回転させ
ると、微動螺子軸46が回転し、微動螺子軸46の雄螺
子が軸受メタル42の雌螺子に螺合しているため、微動
螺子軸46が前後方向に移動し、それに伴ってピストン
47も前後方向に移動し油圧シリンダ41内を進退する
ようになっている。また、油圧シリンダ41の油室に細
孔を介して連通するホース取付嘴部41bにはホース4
9の一端が接続され、他端はマイクロマニピュレータ2
の後述する前後方向のY軸の油圧シリンダ63に接続さ
れている。
【0025】また、ハンドル支持プレート25及びシリ
ンダ支持プレート23に設けられた左右微動用操作機構
39も上述した前後微動用操作機構38と同様に構成さ
れており、左右微動ハンドル50を回転させると、微動
螺子軸46が回転すると共に、微動螺子軸46が左右方
向に移動し、それに伴ってピストン47も左右方向に移
動するようになっている。そして、油圧シリンダ41の
ホース取付嘴部41bにはホース51の一端が接続さ
れ、他端はマイクロマニピュレータ2の後述する左右方
向のX軸の油圧シリンダ63に接続されている。
【0026】また、図5は上下微動用操作機構37の分
解斜視図であり、同図に示すように、マウス33の前部
には円筒ケース52が立設され、前記軸受メタルセット
リング44が円筒ケース52の上端内周に嵌着され、円
筒ケース52の上端外周には、一側が開放され、閉塞さ
れた側の外周にはローレットが刻設された上下微動ハン
ドル53が回転自在に嵌合されている。そして、油圧シ
リンダ41は円筒ケース52内にその外周が固定された
シリンダ支持リング54の中心孔54aに嵌着されてお
り、スライド機構はなく、その他は上述した前後微動用
操作機構38と同様に構成されている。そして、油圧シ
リンダ41のホース取付嘴部41bにはホース55の一
端が接続され、他端はマイクロマニピュレータ2の後述
する上下方向のZ軸の油圧シリンダ63に接続されてい
る。
【0027】また、図6はマイクロマニピュレータの分
解斜視図であり、同図に示すように、マイクロマニピュ
レータ2は取付バー4を挿通させる孔56a,56aを
側面に穿設した固定台56を有しており、固定台56上
面には挿入された取付バー4を締め付け、取付バー4に
固定台56を固定させる固定用螺子57が螺設されてい
る。更に、固定台56は上面に螺設されたボルト58,
58により上下方向のZ軸内スライダー59の上端に固
設されている。Z軸外スライダー60の上下方向に刻設
された凹溝60aには図示せぬリニアウエーベアリング
を介して前記Z軸内スライダー59がZ軸方向に移動自
在に装着されている。Z軸内スライダー59にZ軸方向
に刻設された小溝内には図示せぬスプリングが張設さ
れ、該スプリングの一端はZ軸内スライダー59に、他
端はZ軸外スライダー60に固定され、常時Z軸外スラ
イダー60を上方向に付勢するようになっている。
【0028】また、Z軸内スライダー59の下端にはピ
ストン固定板59aがZ軸外スライダー60の凹溝60
aと反対側に延出するよう横設され、該ピストン固定板
59aにはピストン62が立設されている。また、Z軸
外スライダー60の凹溝60aと反対側の面には油圧シ
リンダ63が開口をピストン62方向に向けて、所定間
隔を有して並設されたシリンダ押え64,64により固
定されている。油圧シリンダ63は、一側が開放された
円筒状で、外周に鍔部63a、円筒の閉塞された側近傍
にホース接続口63bを有しており、鍔部63aは内側
のシリンダ押え64の側面に当接し、ホース接続口63
bには前記ホース55の一端が接続されている。また、
油圧シリンダ63内には前記ピストン62が進退可能に
嵌合し、油圧シリンダ63とピストン62との間で油室
が形成される。該油圧シリンダ63の油室の大きさ、形
状はマイクロマニピュレータ微動操作装置1の油圧シリ
ンダ41の油室と全く等しくされ、通常は同量の油が収
容されるようになっている。
【0029】また、前後方向のY軸外スライダー66と
Y軸内スライダー67、及び左右方向のX軸外スライダ
ー69とX軸内スライダー70も上述した上下方向のZ
軸外スライダー60とZ軸内スライダー59と同様に構
成されており、Y軸外スライダー66に固定された油圧
シリンダ63のホース接続口63bには前記ホース49
の一端が接続され、X軸外スライダー69に固定された
油圧シリンダ63のホース接続口63bには前記ホース
51の一端が接続されている。
【0030】また、Z軸外スライダー60にはY軸内ス
ライダー67が固定され、Y軸外スライダー66にはX
軸内スライダー70が固定されている。そして、X軸外
スライダー69の下面には締着具取付台72がボルト7
3,73,73,73により固定され、締着具取付台7
2の下面には下向きにかつ互いに直交するようにV溝7
2a,72aが刻設され、該V溝72a内に前記締着具
5の基部を挿入し、締着具5をバネ74、L字型押え板
75、締付ボルト76により締着具取付台72に固定す
るようになっている。
【0031】次に、マイクロマニピュレータ微動操作装
置の作用を図3及び図7を参照して説明する。先ず、オ
ペレータがマウス33を掴んで手前方向である前方に移
動させると、操作杆30が前方に傾動し、可動球27が
前方に回動し、固定球20が可動球27の中心Cの回り
を揺動して、前後微動用スライダー13が後方へ微動移
動し、シリンダ支持プレート14及び油圧シリンダ41
も後退し、油圧シリンダ41とピストン47との間で形
成される油室が広がるので、マイクロマニピュレータ2
のY軸外スライダー66とY軸内スライダー67間に張
設されたスプリングの作用により、圧迫された油がY軸
の油圧シリンダ63からホース49を介して油圧シリン
ダ41内に直ちに流入する。そして、Y軸の油圧シリン
ダ63とピストン62との間の油室が狭まるので、Y軸
外スライダー66が前方に微動移動し、締着具取付台7
2も前方に微動移動する。
【0032】一方、オペレータがマウス33を掴んで後
方に移動させると、操作杆30が後方に傾動し、可動球
27が後方に回動し、固定球20が可動球27の中心C
の回りを揺動して、前後微動用スライダー13が前方へ
微動移動し、シリンダ支持プレート14及び油圧シリン
ダ41も前進し、油圧シリンダ41とピストン47との
間で形成される油室が圧迫されて狭まるので、圧迫され
た油が油圧シリンダ41からホース49を介してマイク
ロマニピュレータ2のY軸の油圧シリンダ63内に直ち
に流入する。そして、Y軸の油圧シリンダ63とピスト
ン62との間の油室が広がるので、Y軸外スライダー6
6が後方に微動移動し、締着具取付台72も後方に微動
移動する。
【0033】また、オペレータがマウス33を掴んで右
方向に移動させると、操作杆30が右方向に傾動し、可
動球27が固定球20の中心Oの回りを揺動して、左右
微動用スライダー22が右方向へ微動移動し、シリンダ
支持プレート23及びシリンダ41も右方向に微動移動
し、油圧シリンダ41とピストン47との間で形成され
る油室が広がるので、マイクロマニピュレータ2のX軸
外スライダー69とX軸内スライダー70間に張設され
たスプリングの作用により、圧迫された油がX軸の油圧
シリンダ63からホース51を介して油圧シリンダ41
内に直ちに流入する。そして、X軸の油圧シリンダ63
とピストン62との間の油室が狭まるので、X軸外スラ
イダー69が右方向に微動移動し、締着具取付台72も
右方向に微動移動する。
【0034】一方、オペレータがマウス33を掴んで左
方向に移動させると、操作杆30が左方向に傾動し、可
動球27が固定球20の中心Oの回りを揺動して、左右
微動用スライダー22が左方向へ微動移動し、シリンダ
支持プレート23及びシリンダ41も左方向に微動移動
し、油圧シリンダ41とピストン47との間で形成され
る油室が圧迫されて狭まるので、圧迫された油が油圧シ
リンダ41からホース51を介してマイクロマニピュレ
ータ2のX軸の油圧シリンダ63内に直ちに流入する。
そして、X軸の油圧シリンダ63とピストン62との間
の油室が広がるので、X軸外スライダー69が左方向に
微動移動し、締着具取付台72も左方向に微動移動す
る。
【0035】従って、オペレータが顕微鏡を見ながら、
マウス33を掴んで前後及び左右に移動させると、それ
に伴ってマイクロマニピュレータ2に掴持された硝子電
極7の先端もマウス33の移動方向と同一方向に前後及
び左右に微動移動させることができ、オペレータの感覚
通りに所望の方向へ硝子電極7の先端を微動移動させる
ことができる。
【0036】また、図4に示すように、オペレータが前
後微動ハンドル48を回転させると、微動螺子軸46が
回転し、微動螺子軸46及びピストン47が前後方向に
移動し、油圧シリンダ41内を進退し、それに伴って油
圧シリンダ41内の油室の油量が増減し、油圧シリンダ
41からホース49を介して接続されたマイクロマニピ
ュレータ2のY軸の油圧シリンダ63内の油室の油量も
増減し、Y軸外スライダー66及び締着具取付台72が
前方又は後方へ微動移動する。
【0037】また、オペレータが左右微動ハンドル50
を回転させると、微動螺子軸46が回転し、微動螺子軸
46及びピストン47が左右方向に移動し、油圧シリン
ダ41内を進退し、それに伴って油圧シリンダ41内の
油室の油量が増減し、油圧シリンダ41からホース51
を介して接続されたマイクロマニピュレータ2のX軸の
油圧シリンダ63内の油室の油量も増減し、X軸外スラ
イダー69及び締着具取付台72が左方向又は右方向へ
微動移動する。
【0038】また、図5に示すように、オペレータがマ
ウス33の前部に設けられた上下微動ハンドル53を回
転させると、微動螺子軸46が回転し、微動螺子軸46
及びピストン47が上下方向に移動し、油圧シリンダ4
1内を進退し、それに伴って油圧シリンダ41内の油室
の油量が増減し、油圧シリンダ41からホース55を介
して接続されたマイクロマニピュレータ2のZ軸の油圧
シリンダ63内の油室の油量も増減し、Z軸外スライダ
ー60及び締着具取付台72が上方又は下方へ微量移動
する。
【0039】なお、上述実施例では、マイクロマニピュ
レータ微動操作装置及びマイクロマニピュレータに油圧
シリンダを用いたが、これに限らず、水圧シリンダ等他
の液圧シリンダを用いてもよいことは勿論である。ま
た、上述実施例では、マイクロマニピュレータ微動操作
装置の油圧シリンダとマイクロマニピュレータの油圧シ
リンダを1対1としたが、これに限定されるわけではな
く、1対5等他の比率でもよいことは勿論である。ま
た、上述実施例では、マウスの前部に上下微動用操作機
構を設けたが、これに限定されるわけではなく、マウス
の上面の任意な位置に上下微動用操作機構を設けてもよ
く、更にベース板上のマウスから離れた箇所に上下微動
用操作機構を設けてもよい。更に、上述実施例では、前
後微動用スライダー13及び左右微動用スライダー22
側に油圧シリンダ41を設け、支持台11側にピストン
47を設けたが、これに限らず、前後微動用スライダー
13及び左右微動用スライダー22側にピストン47を
設け、支持台11側に油圧シリンダ41を設けるよう構
成してもよいことは勿論である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
オペレータが顕微鏡を見ながら、水平移動操作手段を握
って前後及び左右に移動操作すると、それに伴ってマイ
クロマニピュレータも水平移動操作手段の移動方向と同
一方向に前後及び左右に微動移動するので、オペレータ
の感覚通りに所望の方向へマイクロマニピュレータを微
動移動させることができ、極めて操作しやすく、操作性
を向上させることができる。また、オペレータが水平移
動操作手段から手を離しても、操作杆が水平移動操作手
段により確実にホールドされているため、傾動すること
はなく、マイクロマニピュレータ及びマイクロマニピュ
レータに掴持されたマイクロツール先端が位置ズレする
ことはない。また、マウス型の水平移動操作手段である
ため、掴みやすく、人間工学的にも極めて容易に操作で
き、しかもパーソナルコンピュータ時代に適合したパー
ソナルコンピュータ操作と類似した操作しやすい操作手
段である。また、従来の垂下された操作杆に水平移動操
作手段を追加した機構のため、構造がシンプルであり、
信頼性が高く、かつ低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマイクロマニピュレータ微動操作
装置をマイクロマニピュレータに取り付けた状態を示す
斜視図である。
【図2】本発明によるマイクロマニピュレータ微動操作
装置の機構を説明する分解斜視図である。
【図3】本発明によるマイクロマニピュレータ微動操作
装置のマウス部分の正面断面図である。
【図4】前後微動用操作機構及び左右微動用操作機構の
分解斜視図である。
【図5】上下微動用操作機構の分解斜視図である。
【図6】マイクロマニピュレータの分解斜視図である。
【図7】本発明によるマイクロマニピュレータ微動操作
装置の作動説明図である。
【図8】従来の細胞処理装置の構成を概略的に説明する
説明図である。
【符号の説明】 1 マイクロマニピュレータ微動操作装置 2 マイクロマニピュレータ 3 支柱 4 取付バー 5 締着具 6 ホルダー 7 硝子電極 10 ベース板 11 支持台 11a 水平部分 13 前後微動用スライダー 13a 雌螺子 14 シリンダ支持プレート 15 ハンドル支持プレート 17 調整部材 18 螺子部 19 把持部 20 固定球 22 左右微動用スライダー 23 シリンダ支持プレート 25 ハンドル支持プレート 27 可動球 27a 円筒の孔 28 可動球固定具 30 操作杆 31 支持球 33 マウス(水平移動操作手段) 33a 空洞 33b 貫通孔 35 支持球固定具 37 上下微動用操作機構 38 前後微動用操作機構 39 左右微動用操作機構 41 油圧シリンダ 41a 鍔部 41b ホース取付嘴部 42 軸受メタル 44 軸受メタルセットリング 46 微動螺子軸 47 ピストン 48 前後微動ハンドル 50 左右微動ハンドル 49,51,55 ホース 53 上下微動ハンドル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平面の2軸方向の一方の移動台に上下
    方向に貫設された貫通螺子孔に螺子部材を螺合させ、該
    螺子部材に頸部を介して固定的な球体である固定球を垂
    下した調整部材と、 2軸方向の他方の移動台の上下方向に貫設された大径の
    孔に回転自在に抱えられ支持され、円筒状の内壁を内部
    に形成し、操作杆を下部に垂下し、該円筒状の内壁が前
    記固定球の外周面に当接する可動球と、 平板状のベース板と、 該ベース板に立設され、ベース板より所定高さの水平方
    向に延出した水平部分に前記2軸方向の移動台をそれぞ
    れの移動方向に摺動自在に支持する支持台と、 貫通孔を有し、前記操作杆の下端部を該貫通孔に挿通さ
    せ摺動自在に支持する支持球と、 前記ベース板の上面の前記操作杆下方部位に摺動自在に
    載置され、内部に空洞を有し、該空洞の上部の上下方向
    に貫設された貫通孔に前記支持球を回動自在に抱え支持
    する水平移動操作手段と、 前記支持台と2軸方向のうち前後方向へ移動する移動台
    との間に介在し、一方に第1のホースを介してマイクロ
    マニピュレータの前後方向微動用液圧シリンダと連結し
    た第1の液圧シリンダを設け、他方に該第1の液圧シリ
    ンダに進退可能に嵌合する第1のピストンを設け、前後
    方向へ移動する移動台の移動により第1の液圧シリンダ
    内の液量を増減させる前後微動用液圧手段と、 前記支持台と2軸方向のうち左右方向へ移動する移動台
    との間に介在し、一方に第2のホースを介してマイクロ
    マニピュレータの左右方向微動用液圧シリンダと連結し
    た第2の液圧シリンダを設け、他方に該第2の液圧シリ
    ンダに進退可能に嵌合する第2のピストンを設け、左右
    方向へ移動する移動台の移動により第2の液圧シリンダ
    内の液量を増減させる左右微動用液圧手段とを備え、 前記水平移動操作手段を前後方向及び左右方向へ移動操
    作すると、前記操作杆が前後方向及び左右方向に傾動
    し、前記2軸方向の前後方向へ移動する移動台及び左右
    方向へ移動する移動台がそれぞれ移動し、前後微動用液
    圧手段により第1の液圧シリンダ内の液量が増減すると
    共に、左右微動用液圧手段により第2の液圧シリンダ内
    の液量が増減し、マイクロマニピュレータを水平移動操
    作手段の移動方向と同一方向に前後方向及び左右方向に
    微動させてなることを特徴とするマイクロマニピュレー
    タ微動操作装置。
  2. 【請求項2】 前記前後微動用液圧手段の第1のピスト
    ンを、前記支持台又は前後方向へ移動する移動台に固定
    された第1の軸受メタルに螺合する第1の微動螺子軸の
    先端に固設し、第1の微動螺子軸の基端を前後微動ハン
    ドルに固設して、前後微動ハンドルを回転させることに
    より第1のピストンを前記第1の液圧シリンダ内に進退
    させると共に、前記左右微動用液圧手段の第2のピスト
    ンを、前記支持台又は左右方向へ移動する移動台に固定
    された第2の軸受メタルに螺合する第2の微動螺子軸の
    先端に固設し、第2の微動螺子軸の基端を左右微動ハン
    ドルに固設して、左右微動ハンドルを回転させることに
    より第2のピストンを前記第2の液圧シリンダ内に進退
    させてなることを特徴とする請求項1記載のマイクロマ
    ニピュレータ微動操作装置。
  3. 【請求項3】 前記水平移動操作手段にマイクロマニピ
    ュレータの上下方向微動用の上下微動用液圧手段を設
    け、第3のホースを介してマイクロマニピュレータの上
    下方向微動用液圧シリンダと連結した第3の液圧シリン
    ダを水平移動操作手段に固定し、該第3の液圧シリンダ
    に進退可能に嵌合する第3のピストンを、水平移動操作
    手段に固定された第3の軸受メタルに螺合する第3の微
    動螺子軸の先端に固設し、第3の微動螺子軸の基端を上
    下微動ハンドルに固設して、上下微動ハンドルを回転さ
    せることにより第3のピストンを第3の液圧シリンダ内
    に進退させてなることを特徴とする請求項1又は2記載
    のマイクロマニピュレータ微動操作装置。
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