JPH10158251A - 写真要素及び紫外線吸収性化合物 - Google Patents

写真要素及び紫外線吸収性化合物

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JPH10158251A
JPH10158251A JP9291301A JP29130197A JPH10158251A JP H10158251 A JPH10158251 A JP H10158251A JP 9291301 A JP9291301 A JP 9291301A JP 29130197 A JP29130197 A JP 29130197A JP H10158251 A JPH10158251 A JP H10158251A
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absorbing compound
photographic element
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compound
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JP9291301A
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Lal C Vishwakarma
チャンド ビシュワカルマ ラル
Glenn M Brown
モンロー ブラウン グレン
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Eastman Kodak Co
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D249/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having three nitrogen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D249/16Heterocyclic compounds containing five-membered rings having three nitrogen atoms as the only ring hetero atoms condensed with carbocyclic rings or ring systems
    • C07D249/18Benzotriazoles
    • C07D249/20Benzotriazoles with aryl radicals directly attached in position 2
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03CPHOTOSENSITIVE MATERIALS FOR PHOTOGRAPHIC PURPOSES; PHOTOGRAPHIC PROCESSES, e.g. CINE, X-RAY, COLOUR, STEREO-PHOTOGRAPHIC PROCESSES; AUXILIARY PROCESSES IN PHOTOGRAPHY
    • G03C1/00Photosensitive materials
    • G03C1/76Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers
    • G03C1/815Photosensitive materials characterised by the base or auxiliary layers characterised by means for filtering or absorbing ultraviolet light, e.g. optical bleaching
    • G03C1/8155Organic compounds therefor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モル吸光係数が高く、写真用途に適した吸収
スペクトルを示す新規紫外線吸収性化合物を提供するこ
と。 【解決手段】 以下の構造式(I)を有する紫外線吸収
性化合物及び該化合物を含んで成る写真要素。 【化1】 (上式中、R4 は置換又は非置換アルキル基であり、R
4 はさらにL又はA* に結合して環を形成してもよく、
そして表示されているベンゾ環又フェニル環はさらに置
換されていてもいなくてもよく;Lは二価の結合基であ
り;pは0又は1であり;A* は不斉炭素原子又は不斉
ケイ素原子を有するアルキル基であり;そして、式
(I)で表される前記紫外線吸収性化合物は、A* の不
斉炭素原子又は不斉ケイ素原子に関する2種の鏡像異性
体の混合物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収性化合物、及びそのような化合物
を含有する写真要素に関する。
【0002】
【従来の技術】典型的な写真要素では、ハロゲン化銀が
紫外線に対して固有的に感受性を有するハロゲン化銀乳
剤を使用する。本出願で使用する紫外線(「UV」)と
は、波長が300〜400nmである光を意味する。こ
のようなUV感受性は、人間の眼では見えない像を写真
要素に生じさせることから、通常望ましくない。さら
に、カラー写真における像色素は、UV光の作用によっ
て褪色することが知られている。また、乳剤層における
未使用色形成カプラー及び紙支持体における蛍光増白剤
等の他の有機分子も、UV光の作用により劣化し、仕上
げ後の写真に望ましくない色汚染を発生する。したがっ
て、写真要素は、典型的にUV吸収性化合物(簡単に、
「UV吸収剤」と称することがある)を含有している。
UV吸収剤の別の機能は、ハロゲン化銀写真材料におけ
る静電放電により生じる望ましくないパターンを形成す
るのを防止することである。一般的に、UV吸収剤は、
UVの作用により劣化し易い種々の生成物における有機
分子に光安定性を付与する。
【0003】一般的に、効果的なUV吸収剤は、波長3
20nmよりも上にピーク吸収を有しなければならな
い。吸収ピークは、可視範囲(約400〜700nm)
に近づくにつれて十分に下がってこの化合物によって可
視色が示されない限りは、もっと長波長でもよい。さら
に、効果的であるUV吸収剤は、所望の波長範囲で高い
吸光係数を有しなければならない。しかしながら、UV
からの保護に最も望ましいことは、この化合物が視覚的
に黄色ではないように、高吸光係数が可視範囲よりも十
分に下の波長になければならないことである。
【0004】写真及び他の用途で使用するベンゾトリア
ゾール系のUV吸収剤は、周知である。これらには、ヒ
ドロキシフェニル環及びベンゾ環にも種々の置換基を有
するヒドロキシフェニルベンゾトリアゾールなどがあ
る。sec−アミド、tert−アミド、ヒドラジド、
カルバメート、スルホンアミド等の種々の種類のアシル
アミノ基を有する2−ヒドロキシフェニルベンゾトリア
ゾールUV吸収剤が、FR1,330,378、FR
1,324,898、FR1,324,897、GB9
91 204、GB991 320、GB991 14
2、日本国公開JP50−121178、WO90/0
9369、US5,500,332及びGB991 6
30に記載されている。写真製品に現在使用されている
UV吸収剤には、下式(II−A)及び(II−B)に
より表されるものなどがある:
【0005】
【化3】
【0006】写真要素の製造において、UV吸収剤は、
通常高沸点有機溶媒に溶解後、ゼラチン等の親水性コロ
イドを含有する水性媒体に分散する。このような分散液
は、典型的には最大使用する約2週間前に調製される。
化合物(II−A)及び(II−B)は、それらを含有
する分散液を常温保存している間に結晶化する傾向があ
ること、及びそれらの固有(intrinsic)光安定性が悪い
ことが分かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、写真環境
において比較的安定であり、特に写真要素を製造、使用
及び/又は保存する常温で結晶化傾向が低く、(II−
A)/(II−B)(一緒に、「比較C−1」と称す
る)の吸光係数よりも高い吸光係数を有して同じUV吸
収を得るのにより少ない使用ですみ、そして写真用途の
UVスペクトルの長波長側でより急峻な勾配となり且つ
より急激に下がる良好なUV吸収スペクトルを示す、写
真用途に適当なUV吸収性化合物を有することが望まし
い。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、不斉炭素
原子又は不斉ケイ素原子を有するアルキル置換基を含有
する第三アミド官能基を有するベンゾトリアゾール系U
V吸収性化合物が、結晶形成の問題を解消するととも
に、優れた固有光安定性を示すことを見出した。本発明
の一態様によれば、式(I)で表される紫外線吸収性化
合物が提供される:
【0009】
【化4】
【0010】上式中、R4 は置換又は非置換アルキル基
であり、R4 はさらにL又はA* に結合して環を形成し
てもよく、そして表示されているベンゾ環又フェニル環
はさらに置換されていてもいなくてもよく;Lは二価の
結合基であり;pは0又は1であり;A* は不斉炭素原
子又は不斉ケイ素原子を有するアルキル基であり;そし
て式(I)で表される前記紫外線吸収性化合物は、A*
の不斉炭素原子又は不斉ケイ素原子に関する2種の鏡像
異性体の混合物である。
【0011】本発明の別の態様によれば、式(I)で表
される紫外線吸収性化合物を含有する写真要素が提供さ
れる。式(I)で表されるUV吸収性化合物は、より長
波長UV領域(330〜380nm)において望ましい
極大吸収波長(「λmax」)を有し、400nmより
もわずかに短い波長で急激に下降する吸収分布を有して
いるため公知の蛍光増白剤との併用が有用となり、写真
要素の環境において比較的安定であり、写真要素中で容
易に結晶化せず、そして高吸光係数を有する。
【0012】第三窒素原子がフェノール環に直接結合し
たアミド結合を有する従来技術のUV吸収剤のほとんど
は、不斉炭素含有アルキル置換基を有しないか、不斉炭
素含有アルキル置換基を有していても、アミド結合の窒
素原子に第三級性がない。このような化合物としては、
例えば、以下のものが挙げられる:
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】従来技術に開示されているようなアミド基
を有するこのようなUV吸収性化合物の問題は、塗布し
たときにこれらが晶出することである。本発明の有利な効果 今般、本発明の新規なUV吸収剤は、より高いモル吸光
係数を有し、より長波長側で吸収スペクトルがより急峻
な勾配を有し且つよりシャープに下降することが見出さ
れた。さらに、本発明のUV吸収剤は、物理的状態とは
無関係に高沸点疎水性溶媒への溶解度が極めて高く、増
加した固有光安定性を有し、分散液中又は写真塗膜中に
おいて結晶化傾向がなく、したがって、写真分野におけ
る技術水準の製品よりも優れている。場合によって、本
発明のUV吸収剤は、実際に液体であり、高沸点溶媒な
しにカラー写真材料に用いることができる。
【0016】本願明細書において、本発明との関連で言
及される紫外又はUVとは、特記のない限りは、300
〜400nmの波長範囲を指す。さらに、写真要素の層
構造に関連して言及される用語「の下」、「より上」、
「より下」、「上」、「下」等は、要素を通常の方法で
露光するときの光との関連における相対的な位置を意味
する。「より上」又は「上」は、要素を通常通り露光す
るときに光源により近いことを意味し、一方、「より
下」又は「下」は、光源からもっと遠いことを意味す
る。典型的な写真要素は支持体上に種々の層を塗布して
有しているので、「より上」又は「上」は、支持体から
より離れていることを意味し、一方、「より下」又は
「の下」は、支持体により近いことを意味する。さら
に、化学的な「基」(アルキル基、アリール基、ヘテロ
アリール基等)に言及するときには、置換と非置換の両
方の可能性を含む(例えば、アルキル基及びアリール基
は、それぞれ置換及び非置換基アルキル並びに置換及び
非置換アリールを含む)。一般的に、特記のない限り
は、ここにおける分子で使用できる置換基は、写真の実
用性に必要な特性を損なわないいずれの基(置換されて
いても非置換であってもよい)をも含む。さらに、本願
全体を通して、特定の一般的式で表される化合物に言及
するときには、一般式の定義の範囲内であるより具体的
な一般式で表される化合物を含むことも、理解されるで
あろう。
【0017】周知のように、鏡像異性体は、互いの非重
畳鏡像であることを除いて、同一の構造式で表される。
さらに、鏡像異性体混合物については、混合割合は、モ
ル比で表す。本願において、式(I)で表される紫外線
吸収性化合物がA* の不斉炭素又はケイ素に関して2種
の鏡像異性体の混合物であることに言及するときには、
RとSの立体化学配置を有するA* のラセミ炭素又はケ
イ素について2種類の光学異性体の混合物を指す。
【0018】式(I)で表される化合物において、二価
の結合基Lは、例えば、5個以下(又は2個若しくは1
個)の介在酸素、イオウ又は窒素原子を有するか有しな
い、長さ1〜20原子、好ましくは1〜10原子、より
好ましくは1〜6原子、最も好ましくは1〜3原子分の
鎖を有するアルキレン基;アリール基又は飽和若しくは
不飽和複素環基でよい。しかしながら、Lがアルキレン
基であるときには、Lの炭素原子が全て飽和であること
が好ましい。これは、Lの炭素原子のいずれも、いずれ
の種類の炭素−炭素二重又は三重結合をも有しないこと
を意味する。したがってこの場合、Lは、−C=C−又
は−C≡C−等の基を有しないであろう。Lが不飽和炭
素原子以外の不飽和原子を有する可能性は、排除されな
い。例えば、Lは、以下の(A)等の基であることがで
きる:
【0019】
【化7】
【0020】Lは、非置換であっても、例えば、炭素数
1〜10のアルコキシ(又は炭素数1〜6若しくは1〜
2のアルコキシ)、炭素数1〜10のアルキルスルフィ
ド(又は炭素数1〜6若しくは1〜2のアルキルスルフ
ィド)、炭素数0〜10のアミノ(又は炭素数0〜6若
しくは0〜2のアミノ)、又はハロゲンで置換されてい
てもよい。Lが置換されていることにより、当該置換基
が環を形成する可能性がある。例えば、Lは、脂環又は
複素環(3〜10員環又は4、5若しくは6員環等)を
含むことができる。環が複素環であるときには、例え
ば、O、S又はNから選択される1、2又は3個のヘテ
ロ原子(同一であっても異なっていてもよい)を有して
いてもよい。Lの一部分としてのこのような環として
は、例えば、シクロヘキシル、ピロリジニル、テトラヒ
ドロフラニル、テトラヒドロチエニル又はピペリジニル
などが挙げられ、これらよりは好ましい程度は小さい
が、このような環はさらにベンゾ、ピロロ、フリル、チ
エニル、ピリジル又はスピロエーテル含有環なども挙げ
られる。また、Lは、置換基として、エーテル又はエス
テル含有基を含んでいてもよい。特に、Lにおけるエー
テル又はエステル含有置換基は、式R8 −O−(R9
n −又はR8 C(O)O−(R9 n −(式中、R8
びR9 は、独立的に、アルキル基であり、nは0又は1
である)で表されるものでよい。R9 は、例えば、炭素
数1〜6でよく、一方、R8 は、例えば、炭素数1〜2
0(例えば、1〜10又は6〜10)でよい。
【0021】ベンゾ環及びヒドロキシ置換フェニル環
は、各々さらに置換されていてもよい。例えば、どちら
も、1〜4個の置換基をさらに有していてもよい。置換
基は、例えば、独立的に炭素数1〜18のアルキル(又
は炭素数1〜6若しくは1〜2のアルキル)、アリール
(炭素数6〜20等)、ヘテロアリール(ピロロ、フリ
ル又はチエニル等)、アリールオキシ(炭素数6〜20
等)、アルコキシ(炭素数1〜6又は1〜2のアルコキ
シ等)、シアノ、又はハロゲン(例えば、F又はCl、
特にベンゾ環の5−及び/又は6−位、及び/又はヒド
ロキシ置換フェニルの5’−位にClを有する)であ
る。ベンゾ環の他の置換基としては、そこに縮合した
環、例えば、ベンゾ、ピロロ、フリル又はチエニル環;
又はベンゾトリアゾールのベンゼン環の5−又は6−位
における−N−CO−(L)p −A* (この場合、ヒド
ロキシフェニル環の4’−位は、R1 又はR2 について
ここで述べる置換基のいずれかで置換してもよい)を挙
げることができる。アルキル及びアルコキシ置換基のい
ずれも、不斉中心を含むか含まない、1〜5個(又は1
〜2個)の介在酸素、イオウ又は窒素原子を有していて
もよい。
【0022】R4 は、アルキル基であり、例えば、炭素
数1〜20(又は炭素数1〜10若しくは1〜6、例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル若しくはイソプロピ
ル又はブチル若しくはペンチル(どちらもn−、sec
−又はtert−でよい))を有することができる。置
換基には、アルコキシ(特に、炭素数1〜6)、ハロゲ
ン(特に、Cl及びF)及びシアノなどが挙げられる。
4 は、ペルフルオロアルキル基等の電子吸引性アルキ
ル基でよい。
【0023】R4 が電子吸引性アルキル基でないときに
は、式(I)で表される化合物の極大UV吸収の波長に
おいて浅色シフト(より短波長へのシフト)があるかも
しれない。もし所望ならば、このような場合、極大UV
吸収の波長は、非共有電子対を有する置換基をベンゾト
リアゾールのベンゾ環に設けることにより、再びより長
波長にシフトできる。このような置換基には、Cl、
F、ジアルキルアミノ又はアルコキシなどがある。ま
た、5’−アルキル基は、浅色シフトを修正するのに使
用してもよい。
【0024】電子吸引性置換基については、一般的に、
March、Advanced Organic Ch
emistry、第3版、J.March,(John
Wiley Sons,NY;1985)、第20頁
〜第21頁、第228頁〜第229頁、第386頁〜第
387頁、第494頁〜第497頁に記載されている。
特に、ここに記載されている各場合における好ましい電
子吸引性置換基、又はR4 についての電子吸引性アルキ
ル基は、ハメットsp 定数が0より大きく(又は0.1
又はさらに0.3よりも大きく)、好ましくは0.1〜
1.0(例えば、0.3、0.4、0.5又は0.6の
いずれか〜1.0)である。ハメットs p 値は、上記し
たAdvanced Organic Chemist
ryに記載されている。ここで、下添字「p」は、s値
がベンゼン環のパラ位における置換基を用いて測定され
ることを示している。ハメットsp 定数に関する表が、
さらに、Chemical Reviews、第91
巻、第165頁〜第195頁(C.Hansch等)に
記載されている。
【0025】A* について、不斉炭素原子を有するいず
れのアルキル基を使用することもできる。不斉炭素に適
当な置換基を有する場合、A* は、炭素数が1しかない
ことがある。不斉炭素原子は、好ましくは少なくとも3
つの異なるアルキル基を有する。したがって、このこと
は、A* は、炭素数が好ましくは少なくとも4個である
ことを意味している。A* は、炭素数4〜20(又は好
ましくは炭素数6〜20、4〜10若しくは4〜6)で
よい。A* は、好ましくは以下で構造(Ia)において
示すように構造−CR5 6 7 を有する。式(I)で
表される化合物は、具体的に以下で示す式(Ia)で表
すことができる(環上の炭素原子の一部分は、式(I
a)において番号を附して、本願明細書においてベンゾ
トリアゾールの環上の位置をどのように確認するかを示
してある)。
【0026】
【化8】
【0027】又はより具体的には式(Ib)で表すこと
ができる:
【0028】
【化9】
【0029】より詳細には、式(I)、(Ia)又は
(Ib)のいずれにおいても、R1 、R2 及びR3 は、
独立的に、炭素数1〜18(又は1〜10、1〜6、若
しくは1〜2)のアルキル又はアルコキシ(これらは、
1〜5個(又は1若しくは2個)の介在酸素、イオウ又
は窒素原子を有していてもよい)でもよいか、アリー
ル、ヘテロアリール、又はアリールオキシである。ま
た、R3 は、6’−ヒドロキシ置換基でもよい。また、
1 、R2 及びR3 は、独立的に、炭素数1〜17(又
は1〜10、1〜6、若しくは1又は2)のアルコキ
シ、炭素数1〜17(又は1〜10、1〜6、若しくは
1又は2)のアルキルスルフィド、炭素数0〜17(又
は0〜10、0〜6、若しくは0〜2)のアミノ、又は
ハロゲンで置換されている前記のものでもよく、R1
2 又はR3 のいずれかが、H又はハロゲン(特にクロ
ロ又はフルオロ)であるか、R1 とR2 の両方が、一緒
になって、炭素数5〜18のアリール基(ベンゾ環等)
又はヘテロアリール環基(例えば、ピロロ、フリル、チ
エニル、ピリジル)を形成してもよい。R1 とR2 によ
り形成される前記環についての置換基としては、炭素数
1〜17(又は1〜10、1〜6、若しくは1又は2)
のアルキル若しくはアルコキシ、又はハロゲンなどを挙
げることができる。
【0030】また、R1 、R2 及びR3 は、独立的に、
クロロ;フルオロ;ヒドロキシ;シアノ;カルボキシ;
カルボアルコキシ;ニトロ;アシルアミノ基(例えば、
アセチルアミノ基)、カルバモイル、スルホニル、スル
ファモイル、スルホンアミド、アシルオキシ(例えば、
アセトシキ基又はベンゾイルオキシ基)、又はオキシカ
ルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基等)(これ
らのいずれも、炭素数1〜18(又は1〜10、1〜
6、若しくは1〜2)でよい)であってもよい。R
4 は、上記で定義した通りである。
【0031】また、Lは、特に、合計炭素数が0〜20
(又は0〜10、若しくは0〜4)でよく、1〜5個
(又は1、2、若しくは3個)の介在酸素、イオウ又は
窒素原子を有していてもよいアルキレン基でよい。Lに
ついての置換基には、例えば、炭素数1〜10(又は1
〜6、若しくは1又は2)のアルコキシ、炭素数1〜1
0(又は1〜6、若しくは1又は2)のアルキルスルフ
ィド、炭素数0〜10(又は0〜6、若しくは0〜2)
のアミノ、又はハロゲンが挙げられる。
【0032】上記式において、R5 、R6 及びR7 は、
独立的に、H;ハロゲン;シアノ;アルキル基若しくは
アルコキシ基;チオアルキル基;アルキルアミノ若しく
はアリールアミノ基;アリール基若しくはアリールオキ
シ基;又はヘテロアリール基である。R5 、R6 及びR
7 のいずれかがアルキル又はアルコキシ基であるときに
は、例えば炭素数1〜20(又は1〜10、若しくは1
〜6、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル又はペ
ンチル)でよい。適当なアリール基、アリールオキシ基
又はヘテロアリール基は、上記でR1 、R2 及びR3
関連して記載したような基から選択できる。R5 、R6
及びR7 に関する上記基のいずれかについての置換基
は、上記したR1 、R2 及びR3 に関する対応の基につ
いての置換基から選択できる。このような置換基には、
アルコキシ(特に、炭素数1〜6)、ハロゲン(特に、
Cl及びF)及びシアノなどがある。R5 、R6 及びR
7 の各々をH又はアルキル基から選択することが好まし
い。
【0033】本発明において、R5 、R6 及びR7 は、
これらの基を有している炭素原子又はケイ素原子が不斉
である(ラセミ炭素又はケイ素中心となる)ように、異
なることが重要である。しかしながら、式(I)で表さ
れる化合物は、さらにラセミ炭素中心を有することがで
きる。2個以上の不斉炭素が化合物に存在するように、
1 、R2 、R3 又はR4 も不斉炭素を含有する(又は
いずれかの他の置換基も不斉炭素を含有する)ときに
は、ジアステレオマーを形成できる。これは、式(I)
で表されるUV吸収性化合物は、複数対の鏡像異性体を
有することができることを意味している。しかしなが
ら、化合物は、好ましくは、少なくとも2種の鏡像異性
体の比が60/40〜40/60(好ましくは、50/
50)でなければならない。但し、2組の鏡像異性体の
各組における鏡像異性体の比は、例えば、60/40〜
40/60であることができる。
【0034】好ましくは、A* がカルボニル炭素原子又
はアリール若しくはヘテロアリール基を含有するときを
除いて、A* の炭素原子のいずれもが不飽和ではない。
UV吸収性化合物は、式(I)で表されるもの及び以下
で示す具体例の全てが具体的に意図される。具体的な式
(Ic)で表される本発明の化合物の例を、表1〜3に
示す。
【0035】
【化10】
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】式(I)で表されるUV吸収性化合物は、
以下の式(III)で表される発色団から調製できる。
式(III)で表される化合物は、当該技術分野におい
て公知方法と類似の方法により、o−ニトロアニリン、
4−クロロ−2−ニトロアニリン及びm−アミノアルキ
ル置換フェノール類等の安価に入手できる出発材料から
容易に合成できる(例えば、US3,813,255及
びFR1,324,898参照)。例えば、2−(2’
−ヒドロキシ−4’−エチルアミノフェニル)ベンゾト
リアゾールは、2−ニトロベンゼンジアゾニウムクロリ
ドと3−エチルアミノフェノールとを反応させた後、ア
ゾ色素の還元的閉環により所望のベンゾトリアゾールと
することにより製造できる。式(I)で表されるさらな
る化合物は、類似の方法で調製できる。以下の各例にお
いて、出発試薬(例えば、アルキルカルボニルクロリ
ド)の一つが、対応の鏡像異性体混合物(好ましくは、
40/60〜60/40鏡像異性体混合物)であること
が理解されるであろう。比較tert−アミド化合物C
2 〜C5 も、FR1,324,898に記載されている
ものと類似の方法に準じて式(III)から製造した。
【0040】
【化11】
【0041】表4及び表5に、上記のように調製した本
発明の化合物の具体例を示す。
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】本発明による写真要素は、典型的には、少
なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と、非感光性
層とを有し、式(I)で表される紫外線吸収性化合物は
典型的には(必須ではないが)前記非感光性層に位置し
ている。より好ましくは、本発明の写真要素は、前記紫
外線吸収性化合物を含有する非感光性層が全ての感光性
層よりも上に位置している。しかしながら、前記紫外線
吸収性化合物は、さらに別の層、例えば、中間層(又は
感光性層であってもよい)、特に、支持体(特に紙支持
体)上に青感性層、緑感性層及び赤感性層をこの順序で
塗布して有する要素における赤感性層と緑感性層との間
に位置した中間層に存在することも意図される。式
(I)で表されるUV吸収性化合物を位置させる写真要
素の層は、通常ゲル層であり、UV吸収性化合物は、具
体的には、カプラー溶媒を用いて、酢酸エチル等の追加
の補助溶媒を用いるか用いることなく、そこに分散され
る。
【0045】UV吸収性化合物は、要素に直接分散して
もよいし、溶媒分散液の液滴で分散してもよい。別法と
して、式(I)で表されるUV吸収性化合物は、それら
自体でか、高沸点有機溶媒やUV吸収性単量体化合物等
の他の化合物を用いて、ポリマーラテックスに配合する
ことができる。ポリマーラテックスの「配合」について
は、一般的に、例えば、米国特許第4,199,363
号に記載されている。また、ポリマーラテックスの配合
は、例えば、US4,203,716、US4,21
4,047、US4,247,627、US4,49
7,929及びUS4,608,424にも記載されて
いる。
【0046】上記したように、本発明のUV吸収性化合
物は、それら自体で写真要素に使用するのが好ましい。
しかしながら、もし所望ならば、他のUV吸収性化合
物、例えば、他のベンゾトリアゾール系UV吸収剤とい
っしょに使用してもよい。使用できるこのような通常の
UV吸収剤には、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフ
ェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒド
ロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)−2
H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−
tert−ブチル−5−メチルフェニル)−2H−ベン
ゾトリアゾール、2(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t
ert−ブチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾ
トリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t
ert−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメ
チルベンジル)−フェニル)−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(2−ヒドロキシ−5−tert−オクチルフ
ェニル)−2H−ベンゾトリアゾール並びに米国特許第
5,500,332号及び第5,585,228号並び
に通常通り譲渡された米国特許出願第08/624,3
28号(出願日:1996年3月29日)などがある。
他の種類のUV吸収剤には、J.F.Rabek、「ポ
リマーの光安定化、原理及び用途(Photostab
ilization of Polymers, Pr
inciples and Application
s)」、Elsevier Science Publ
ishers社、英国、第202頁〜第278頁(19
90)に記載されているような、p−ヒドロキシベンゾ
エート、安息香酸のフェニルエステル、サリチルアニリ
ド及びオキサニリド、ジケトン、ベンジリデンマロネー
ト、α−シアノ−ケイ皮酸のエステル、並びに有機金属
光安定剤等がある。
【0047】UV吸収性化合物を、写真要素に、典型的
にはゼラチン分散体に、0.2g/m2 〜10g/
2 、より好ましくは0.5g/m2 〜5.0g/m2
の量で含有させる。さらに、水非混和性有機溶媒を用い
て溶媒分散液として含有させるときには、高沸点水非混
和性有機溶媒のUV吸収性化合物に対する重量比は、好
ましくは0.1〜5.0(即ち、溶媒/UV吸収性化合
物=0.1/1〜5.0/1)、より好ましくは0.2
〜3.0(即ち、溶媒/UV吸収性化合物=0.2/1
〜3.0/1)である。式(I)で表されるUV吸収性
化合物は、写真感光材料(例えば、ハロゲン化銀写真感
光材料)の1層以上の層(例えば、ゼラチン層等の親水
性コロイド層)、例えば、表面保護層、中間層又はハロ
ゲン化銀乳剤層等に設ける。例えば、写真印画紙におい
て、式(I)で表されるUV吸収性化合物を他のUV吸
収性化合物とともにか、他のUV吸収性化合物なしに、
赤感性層(赤感性層は、典型的には、カラー印画紙にお
ける最上感光性層である)の上及び/又は下に(典型的
にはそれに隣接して)位置させてもよいし、赤感性層内
に完全又は部分的に位置させてもよい。UV吸収性化合
物は、典型的には前記ラテックスを含有する親水性コロ
イド材料(ゼラチン乳剤等)を、支持体上又は要素の一
部分を構成する別の予め塗布した層上に塗布することに
より、写真要素の一定の層に設けられる。
【0048】本発明の方法により製造される写真要素
は、単色要素であっても多色要素であってもよい。多色
要素は、スペクトルの三原色領域の各々に感受性のある
像色素形成単位を含有する。各単位は、一定のスペクト
ル領域に対して感受性のある単一の乳剤層又は複数の乳
剤層を含んでなることができる。像形成単位の層を含む
要素の層は、当該技術分野において公知の種々の順序で
配置できる。別のフォーマットにおいて、スペクトルの
三原色領域の各々に感受性のある乳剤を、単一セグメン
ト層として配置できる。
【0049】典型的な多色写真要素は、支持体上に、少
なくとも一種のシアン色素形成カプラーを関連して有す
る少なくとも1層の赤感性ハロゲン化銀乳剤層を含んで
なるシアン色素形成単位と、少なくとも一種のマゼンタ
色素形成カプラーを関連して有する少なくとも1層の緑
感性ハロゲン化銀乳剤層を含んでなるマゼンタ色素形成
単位と、少なくとも一種のイエロー色素形成カプラーを
関連して有する少なくとも1層の青感性ハロゲン化銀乳
剤層を含んでなるイエロー色素形成単位とを含んでな
る。この要素は、追加の層、例えば、フィルター層、中
間層、オーバーコート層、下塗り層等を含むことができ
る。これらの全ては、透明又は反射性であることができ
る支持体(例えば、紙支持体)上に塗布できる。
【0050】また、本発明の写真要素は、Resear
ch Disclosure、アイテム34390、1
992年11月に記載されているような磁気記録材料
や、US4,279,945及びUS4,302,52
3に記載されているような透明支持体の裏面に設けた磁
気粒子を含有する層等の透明磁気記録層を含むのも有用
なことがある。要素は、典型的には、総厚さ(支持体を
除く)が5〜30μmである。色感性層の順序は異なる
ことができるが、通常、透明支持体上に、赤感性、緑感
性及び青感性の順序に設け(即ち、青感性が支持体から
最も離れている)、反射支持体の場合については、この
逆の順序が典型的である。
【0051】また、本発明は、本発明の写真要素を、一
回使用カメラ(又は「レンズ付きフィルムユニット」)
とも称されることのあるものに使用することも意図して
いる。これらのカメラは、フィルムを予めそこに装填し
て販売されており、露光したフィルムをカメラの内部に
入れたままカメラ全体を処理業者に戻す。このようなカ
メラは、ガラス又はプラスチックレンズを備えていて、
そこを介して写真要素を露光してもよい。
【0052】以下の本発明の要素に使用するのに適当な
材料の説明において、Research Disclo
sure、1996年9月、389号、アイテム389
57(以下、「Research Disclosur
e I」とする)を参照する。以下で言及するセクショ
ンは、特記のない限りは、Research Disc
losure Iのセクションである。ここで言及され
る全てのResearch Disclosureは、
イギリス国、ハンプシャーP010 7DQエムスワー
ス 12aノースストリート ダッドリーハウスにある
Kenneth Mason Publication
s社により発行されている。
【0053】本発明の要素で用いられるハロゲン化銀乳
剤は、現像を均一露光を用いるか核形成剤の存在下で行
なうときに、表面感受性乳剤又は未カブリ内部潜像形成
乳剤等のネガ形であっても、ポジ形である未カブリ内部
潜像形成型の直接ポジ乳剤であってもよい。適当な乳剤
及びそれらの調製だけでなく、化学増感及び分光増感の
方法が、セクションI〜Vに記載されており、カラー材
料及び現像調整剤が、セクションV〜XXに記載されて
おり、本発明の要素に使用できるビヒクルが、セクショ
ンIIに記載されており、蛍光増白剤、カブリ防止剤、
安定剤、光吸収及び散乱剤、硬膜剤、塗布助剤、可塑
剤、滑剤及び艶消し剤等の種々の添加剤が、例えば、セ
クションVI〜X及びXI〜XIVに記載されている。
製造方法は、上記セクションの全てに記載されており、
他の層及び支持体はセクションXI及びXIVに記載さ
れており、処理方法及び処理剤はセクションXIX及び
XXに記載されており、代替露光法がセクションXVI
に記載されている。
【0054】ネガ型ハロゲン化銀の場合、ネガ像が形成
できる。必要に応じて、ポジ(又は反転)像を形成でき
るが、ネガ像が典型的に最初に形成される。また、本発
明の写真要素において、カラードカプラー(例えば、中
間層の修正レベルを調整するため)及びマスキングカプ
ラー、例えば、EP213 490、特開昭58−17
2,647、米国特許第2,983,608号、ドイツ
国出願DE2,706,117C、英国特許第1,53
0,272号、日本国出願A─113935、米国特許
第4,070,191号及びドイツ国出願DE2,64
3,965に記載されているものを、を使用してもよ
い。マスキングカプラーは、シフト型でもブロック型で
もよい。
【0055】また、本発明の写真要素は、漂白又は定着
の処理工程を促進するか、さもなければ調整して像の品
質を向上する材料を含有してもよい。EP193 38
9、EP301 477、US4,163,669、U
S4,865,956及びUS4,923,784に記
載されている漂白促進剤は、特に有用である。また、核
形成剤、現像促進剤又はそれらの前駆体(英国特許第
2,097,140号及び第2,131,188号);
電子移動剤(US4,859,578及びUS4,91
2,025);カブリ防止剤及び混色防止剤、例えば、
ヒドロキノンの誘導体、アミノフェノール、アミン、没
食子酸;カテコール;アスコルビン酸;ヒドラジド;ス
ルホンアミドフェノール;及び非色形成カプラーの使用
も意図される。
【0056】また、要素は、コロイド状銀ゾル又はイエ
ロー及び/又はマゼンタフィルター色素及び/又はハレ
ーション防止色素を含んでなるフィルター色素層(特
に、全ての感光性層よりも下のアンダーコートにおいて
か、支持体の全ての感光性が位置しているのと反対側に
おいて)を、水中油型分散液、ラテックス分散液か、固
体粒子分散体として含有してもよい。さらに、要素を、
「スメア(smearing)」カプラー(例えば、
U.S.4,366,237、EP096 570、U
S4,420,556及びUS4,543,323に記
載されているようなもの)とともに使用してもよい。ま
た、カプラーは、例えば、日本国出願61/258,2
49又はUS5,019,492に記載のように、保護
された形態において、ブロック又は塗布してもよい。
【0057】写真要素は、さらに他の像調節化合物、例
えば、「現像抑制剤放出型」化合物(DIR)、を含有
してもよい。本発明の要素に有用なさらなるDIRは、
当該技術分野において公知であり、それらの例が、米国
特許第3,137,578号、第3,148,022
号、第3,148,062号、第3,227,554
号、第3,384,657号、第3,379,529
号、第3,615,506号、第3,617,291
号、第3,620,746号、第3,701,783
号、第3,733,201号、第4,049,455
号、第4,095,984号、第4,126,459
号、第4,149,886号、第4,150,228
号、第4,211,562号、第4,248,962
号、第4,259,437号、第4,362,878
号、第4,409,323号、第4,477,563
号、第4,782,012号、第4,962,018
号、第4,500,634号、第4,579,816
号、第4,607,004号、第4,618,571
号、第4,678,739号、第4,746,600
号、第4,746,601号、第4,791,049
号、第4,857,447号、第4,865,959
号、第4,880,342号、第4,886,736
号、第4,937,179号、第4,946,767
号、第4,948,716号、第4,952,485
号、第4,956,269号、第4,959,299
号、第4,966,835号、及び第4,985,33
6号だけでなく、特許公報GB 1,560,240、
GB 2,007,662、GB 2,032,91
4、GB 2,099,167、DE 2,842,0
63、DE 2,937,127、DE 3,636,
824、及びDE 3,644,416、さらには、ヨ
ーロッパ特許公報272,573、335,319、3
36,411、346,899、362,870、36
5,252、365,346、373,382、37
6,212、377,463、378,236、38
4,670、396,486、401,612、及び4
01,613に記載されている。
【0058】また、DIR化合物は、「カラー写真用現
像抑制剤放出型(DIR)カプラー(Develope
r−Inhibitor−Releasing (DI
R)Couplers for Color Phot
ography)」、C.R.Barr、J.R.Th
irtle及びP.W.Vittum、Photogr
aphic Science and Enginee
ring、第13巻、第174頁(1969)にも記載
されている。
【0059】また、本発明の概念を用いて、イギリス
国、ハンプシャーP0101 7DQエムスワース 1
2aノースストリート ダッドリーハウスにあるKen
neth Mason Publications社か
ら入手できるResearch Disclosur
e、1979年11月、アイテム18716に記載され
ているような反射カラープリントを得ることも意図され
る。
【0060】本発明の要素を形成するための乳剤及び材
料は、エポキシ溶媒(EP 0 164 961);さ
らなる安定剤(例えば、US4,346,165、US
4,540,653及びUS4,906,559に記載
されているようなもの);カルシウム等の多価カチオン
に対する感受性を減少するためのUS4,994,35
9に記載されているようなバラスト化キレート化剤;及
びUS5,068,171及びUS5,096,805
に記載されているもの等の汚染減少化合物、とともに、
US4,917,994に記載されているようなpH調
整支持体上に塗布できる。本発明の要素に有用な他の化
合物は、日本国公開公報83−09,959、83−6
2,586、90−072,629、90−072,6
30、90−072,632、90−072,633、
90−072,634、90−077,822、90−
078,229、90−078,230、90−07
9,336、90−079,338、90−079,6
90、90−079,691、90−080,487、
90−080,489、90−080,490、90−
080,491、90−080,492、90−08
0,494、90−085,928、90−086,6
69、90−086,670、90−087,361、
90−087,362、90−087,363、90−
087,364、90−088,096、90−08
8,097、90−093,662、90−093,6
63、90−093,664、90−093,665、
90−093,666、90−093,668、90−
094,055、90−094,056、90−10
1,937、90−103,409、及び90−15
1,577に開示されている。
【0061】写真要素に使用されるハロゲン化銀は、ヨ
ウ臭化銀、臭化銀、塩化銀、塩臭化銀、塩ヨウ臭化銀等
でもよい。例えば、本発明の写真要素において使用され
るハロゲン化銀は、塩化銀を少なくとも90%含有して
もよい(例えば、塩化銀を少なくとも95%、98%、
99%、又は100%)。このような高塩化物ハロゲン
化銀乳剤の場合、臭化銀が多少存在してもよいが、典型
的にはヨウ化銀を実質的含まない。実質的にヨウ化銀を
含まないとは、ヨウ化物濃度が1%以下、好ましくは
0.5又は0.1%未満であることを意味する。特に、
このような場合、塩化銀を臭化物源で処理してその感度
を増加させる可能性も意図されるが、得られた乳剤にお
ける臭化物のバルク濃度は、典型的には約2〜2.5%
以下であり、好ましくは約0.6〜1.2%である(残
部は、塩化銀)。上記の数字の%は、モル%である。
【0062】ハロゲン化銀粒子の種類には、好ましくは
多形、立方及び八面体などがある。ハロゲン化銀の粒子
サイズは、写真組成物において有用であることが知られ
ているいずれの分布を有していてもよく、多分散でも、
単分散でもよい。
【0063】また、平板状粒子ハロゲン化銀乳剤を使用
してもよい。平板状粒子は、各々が残りの粒子面よりも
明らかに大きい2つの平行主面を有するものであり、平
板状粒子乳剤は、平板状粒子が総粒子投影面積の少なく
とも30%、より典型的には少なくとも50%、好まし
くは70%超、最適には90%超を占めるものである。
平板状粒子は、総粒子投影面積の実質的に全て(97%
超)を占めることができる。平板状粒子乳剤は、高アス
ペクト比平板状粒子乳剤、即ち、ECD/t>8(式
中、ECDは粒子投影面積に等しい面積を有する円の直
径であり、tは平板状粒子の厚さである)でも;中アス
ペクト比平板状粒子乳剤、即ち、ECD/t=5〜8で
も;又は低アスペクト比平板状粒子乳剤、即ち、ECD
/t=2〜5でもよい。乳剤は、典型的には、高平板状
度(T)(但し、T(即ち、ECD/t2 )>25であ
り、ECDとtは両方とも単位がマイクロメートル(μ
m)である)を示す。平板状粒子の厚さは、平板状粒子
乳剤の目的平均アスペクト比及び/又は平均平板状度を
達成することと適合するいずれの値でもよい。好ましく
は、投影面積要件を満足する平板状粒子は、厚さが0.
3μm未満のものであり、薄い(0.2μm未満)平板
状粒子がとりわけ好ましく、極薄(0.07μm未満)
平板状粒子は最大平板状粒子性能増強に使用するのに意
図される。青色感度が、ヨウハロゲン化物平板状粒子の
固有青色吸収によるときには、もっと厚い平板状粒子、
典型的には厚さ0.5μm以下、が意図される。
【0064】高ヨウ化物平板状粒子乳剤は、米国特許第
4,490,458号(House)、米国特許第4,
459,353号(Maskasky)及びヨーロッパ
特許第0 410 410号(八木等)に説明されてい
る。
【0065】面心立方(岩塩型)結晶格子構造を形成す
るハロゲン化銀から形成される平板状粒子は、{10
0}又は{111}主面を有することができる。制御さ
れた粒子分散性、ハロゲン化物分布、双晶面間隔、エッ
ジ構造及び粒子転位だけでなく吸着された{111}粒
子面安定剤を有するものを含む{111}主面平板状粒
子を含有する乳剤が、Research Disclo
sure I、セクションI.B.(3)(第503
頁)に引用されている文献に説明されている。
【0066】本発明に使用されるハロゲン化銀粒子は、
Research Disclosure I及びJa
mes、The Theory of the Pho
tographic Processに記載されている
もの等の当該技術分野において公知の方法により調製で
きる。これらには、アンモニア性乳剤製造、中性又は酸
性乳剤製造、及び当該技術分野において公知の他のもの
等の方法などがある。これらの方法は、一般的に、保護
コロイドの存在下で水溶性銀塩を水溶性ハロゲン化物塩
と混合し、析出によるハロゲン化銀の生成中の温度、p
Ag、pH値等を適当な値に制御することが含まれる。
【0067】本発明で使用されるハロゲン化銀は、当該
技術分野において公知の貴金属(例えば、金)増感剤、
ミドルカルコゲン(例えば、イオウ)増感剤、還元増感
剤等で有利に化学増感できる。ハロゲン化銀の化学増感
に有用な化合物及び手法は、当該技術分野において公知
であり、Research DisclosureI及
びそこに引用されている文献に記載されている。
【0068】本発明の写真要素では、典型的には、ハロ
ゲン化銀を乳剤の形態で提供する。写真乳剤は、一般的
には、乳剤を写真要素の層として塗布するためのビヒク
ルを含む。有用なビヒクルには、Research D
isclosure Iに記載されているような、天然
物質、例えば、タンパク質、タンパク質誘導体、セルロ
ース誘導体(例えば、セルロースエステル)、ゼラチン
(例えば、アルカリ処理ゼラチン、例えば、家畜骨若し
くは皮ゼラチン、又は酸処理ゼラチン、例えば、豚皮膚
ゼラチン)、ゼラチン誘導体(例えば、アセチル化ゼラ
チン、フタル化ゼラチン等)等がある。親水性水透過性
コロイドも、ビヒクル又はビヒクルエクステンダーとし
て有用である。これらには、Research Dis
closure Iに記載されているような、合成高分
子ペプタイザー、キャリア、及び/又はバインダー、例
えば、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルラクタ
ム)、アクリルアミドポリマー、ポリビニルアセター
ル、アルキル及びスルホアルキルアクリレート及びメタ
クリレートのポリマー、加水分解ポリビニルアセテー
ト、ポリアミド、ポリビニルピリジン、メタクリルアミ
ドコポリマーなどがある。ビヒクルは、乳剤に、写真乳
剤に有用な量で存在できる。また、乳剤は、写真乳剤に
有用であることが知られているいずれの添加物をも含む
ことができる。これらには、化学増感剤、例えば、活性
ゼラチン、イオウ、セレン、テルル、金、白金、パラジ
ウム、イリジウム、オスミウム、レニウム、ロジウム、
ルテニウム、リン、又はそれらの組み合わせなどがあ
る。化学増感は、ResearchDisclosur
e I、セクションIV(第510頁〜第511頁)及
びそこに引用されている文献に説明されているように、
一般的にpAgレベル5〜10、pHレベル5〜8及び
温度30〜80℃で実施される。
【0069】ハロゲン化銀は、Research Di
sclosure Iに記載されて方法等の当該技術分
野において公知の方法により増感色素により増感しても
よい。色素は、写真要素への乳剤の塗布の前のいずれか
の時点(例えば、化学増感中又は化学増感後)か、塗布
と同時に、ハロゲン化銀粒子と親水性コロイドからなる
乳剤に添加してよい。色素は、例えば、水溶液又はアル
コール溶液として添加してよい。色素/ハロゲン化銀乳
剤は、塗布直前又は塗布に先立ち(例えば、2時間前)
に、カラー像形成カプラーの分散体と混合してよい。
【0070】本発明の写真要素を、好ましくは、Res
earch DisclosureI、セクションXV
Iに記載されているような手法を含む公知の手法を用い
て像様露光する。これには、典型的には、スペクトルの
可視領域光への露光を含み、典型的には、このような露
光は、レンズを介した生像型であるが、露光は、発光装
置(発光ダイオード、CRT等)による保存像(コンピ
ュータ保存像等)への露光であることもできる。
【0071】本発明の組成物を含んでなる写真要素は、
例えば、Research Disclosure I
又はT.H.James編、The Theory o
fthe Photographic Proces
s、第4版、Macmillan、ニューヨーク、19
77に記載されている多数の周知の処理組成物を用いて
多数の周知の写真プロセスで処理できる。反転カラー要
素を処理する場合には、要素を、まず白黒現像液で処理
した後、発色現像液で処理してポジ色素像を生成する。
ネガカラー要素の場合には、最初の現像液として発色現
像液を使用して、ネガ色素像を生成するようにする。好
ましい発色現像主薬は、p−フェニレンジアミンであ
る。とりわけ好ましいものは、4−アミノ−N,N−ジ
エチルアニリン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル−N,
N−ジエチルアニリン塩酸塩、4−アミノ−3−メチル
−N−エチル−N−(b−(メタンスルホンアミド)エ
チルアニリンセスキスルフェート水和物、4−アミノ−
3−メチル−N−エチル−N−(b−ヒドロキシエチ
ル)アニリン硫酸塩、4−アミノ−3−b−(メタンス
ルホンアミド)エチル−N,N−ジエチルアニリン塩酸
塩及び4−アミノ−N−エチル−N−(2−メトキシエ
チル)−m−トルイジンジ−p−トルエンスルホン酸で
ある。現像後に、漂白・定着して銀又はハロゲン化銀を
除去し、水洗及び乾燥を行なう。
【0072】
【実施例】以下、本発明を、本発明のUV吸収化合物及
び写真要素を示す実施例によりさらに説明する。実施例 表4及び表5に記載の化合物を製造するために、2−
(2’−ヒドロキシ−4’−アミノエチルフェニル)ベ
ンゾトリアゾール誘導体が必要であった。これらは、当
該技術分野において公知の類似の方法(例えば、Lal
C.Vishwakarma等、Heterocyc
les、19、1453(1982)参照)により、対
応のアセトアミド置換化合物をアランで還元することに
より合成した(収率約90%)。
【0073】本発明のUV吸収剤の特性 光吸収分布を含む物性を、以下の表6に示したような、
本発明の種々の化合物だけでなく比較化合物についても
測定した。表6において、lmax は、極大吸収波長であ
る(表に示したようにMeOH中で測定)。emax は、
吸光係数であり、半値幅は、極大吸収lmax の半分で測
定したlmax のついての中心の吸収ピークの幅である。
前記の全ては、メタノール中で測定した。生成物の収率
%は、最適化されていない。
【0074】
【表6】
【0075】表6における比較例C−1〜C−8は、不
斉炭素中心を欠いている。表1は、従来技術に関する比
較例の高融点特性を示している。高融点のため、たとえ
特に第一カルボキシアミド置換化合物にラセミ鎖を有し
ているとしても、分散液及び/又は塗膜において晶出し
易い。以下に示した表7において、比較例(もし固体な
らば)では、分散液及び/又は塗膜中において晶出し易
い。もしこれらが液体である場合には、固有光安定性が
全く悪い。
【0076】写真評価 UV吸収剤1.45gを、高温(50〜70℃)で、
1,4−シクロヘキシレンジメチレンビス−(2−エチ
ルヘキサノエート)480mgに溶解し、もしUV吸収
剤が室温で固体の場合には、酢酸エチル4.35gを追
加使用した。この油相を、高剪断攪拌しながら、70℃
のゼラチン水溶液(1リットル当りゼラチン40.1g
と10%Alkanol−XC 31.0mlを含有)
に添加し、コロイドミルを5回通過させて適当な粒度に
粉砕した。分散液を、全体の粒度及び結晶化度について
顕微鏡検査し、2層SOC型フォーマットにおいてアセ
テート支持体上に約0.108x10-4モル/m2 塗布
し、乾燥し、塗膜も、結晶化度について顕微鏡検査する
(表4参照)。形成したばかりの塗膜のスペクトル吸収
データを、Perkin−Elmer Lambda
4C高性能UV−VIS分光光度計を用いて記録し、塗
布試料を、HID(50Klux昼光;315〜700
nm)及びHIS(50Klux日光;280〜700
nm)試験し、作製したばかりの塗膜のデータと比較し
て、UV吸収剤固有光安定性の情報を得る。(HID及
びHISの説明については、Lewis R.Koll
er、Ultraviolet Radiation、
John Wiley & Sons社、N.Y.,
N.Y.,1965)を参照のこと)。
【0077】種々の化合物についての吸収スペクトル
を、メタノール性溶液で得た(表3)。形成したばかり
の塗膜から得た吸収スペクトルは、以下のようにして得
て、図1に示した。特に、図1は、分光光度計の総透過
率(TT)モードでの本発明の化合物I−1と対照化合
物C−1(II−A/II−B)についての塗膜の吸収
スペクトルを示している。図1から、本発明のUV吸収
化合物I−1(点線で示されている)は、比較対照化合
物C−1(II−A/II−B)(実線)よりも、形成
したばかりのそれぞれの分散液の塗膜から測定したとき
に、より長い吸収波長(即ち、ほぼ380nm)でより
急峻な勾配であるとともに、最長吸収波長で低吸収へ特
定の下降を示す他に、より高い吸光係数を有する。
【0078】実験UV吸収剤分散液及びそれらの材料の
塗膜における結晶化度についての顕微鏡観察並びにそれ
らの吸収スペクトルとを、ここに記載したようにして行
なった。顕微鏡観察は、実験物質の分散液の調製におい
て行なって、全体の粒度及び安定性(即ち、結晶化傾
向)等の初期物性を得る。顕微鏡による粒度の特性決定
は、油浸漬光学素子を用いて行い(顕微鏡倍率:〜約1
000倍)、結晶の特性決定には直交偏波鏡検法(倍
率:〜約200倍)を用いる。許容できる非結晶性分散
液が塗布したフォーマットで再結晶することがあるの
で、塗膜の顕微鏡による評価も行なう。再結晶の問題が
ないと思われたら、二重反復試料を、Perkin−E
lmer高性能 Lambda 4C分光光度計を用い
て分光光度測定する。次に、これらの試料を、2週間H
ID及びHIS光安定性試験に附し、試験後のスペクト
ルを測定し、作製したばかりのものの測定値と比較し
て、UV吸収剤の固有光安定性を得る。これらの実験で
使用する実験分散液の配合は一般的なものであり、低融
点固体及び分散液の結晶化度に対するその有益な影響の
観点からのみ最適化されるので、塗膜の分光データは、
主に、積分球を分光光度計に使用する全透過率操作モー
ドを用いて得られる。これは、粒度による光散乱効果を
減少する効果を有し、スペキュラーモードにおける光散
乱により生じる誤った吸光差を許容できる。上記方法で
得た結晶形成についての顕微鏡による調査結果を、以下
の表7に示す。
【0079】
【表7】
【0080】表7から、本発明のUV吸収化合物I−2
は、分散液又は塗膜において検出可能な結晶をまったく
形成しなかったことが分かる。一方、原子数及びヒドロ
キシフェニル環におけるアミド基の結合位置の点で本発
明の化合物I−2と正確に一致するが、ラセミ炭素中心
を欠いている比較化合物C−6及びC−7は、塗膜にお
いて晶出した。このことは、式(I)で表される不斉炭
素含有UV吸収固体化合物が比較化合物よりも優れてい
ることを明瞭に示している。尚、例C−8等のUV吸収
化合物のあるものは、液体になると、表8に示すよう
に、固有光安定性が悪くなることがある。
【0081】本発明のUV吸収化合物についての固有光
安定性のデータを、表8にまとめて示す。化合物II−
AとII−Bとの組み合わせを、各塗膜組において対照
として使用した。これを、C−1と称する。350nm
での対照塗膜に対する光学濃度損失を、塗膜スペクトル
データから測定した。
【0082】
【表8】
【0083】表8の固有光安定性のデータから、本発明
の化合物I−1は、対照化合物II−A/II−B(C
−1)よりも良好であり、特に、正確に一致するC−8
(C−8とI−1とは両方とも液体化合物である)より
も良好であることが分かる。また、表7に示すように、
不斉炭素原子を含有する本発明の化合物I−2は、正確
に一致するが非ラセミ型であるC−7よりも、光安定性
及び非結晶形成性の面ではるかに優れている。最も好ま
しい本発明のUV吸収化合物は、I−1及びI−1系化
合物であるが、I−2及びI−2系化合物も、写真学的
に重要である。表8のデータは、不斉炭素中心が存在す
ることにより、本発明のUV吸収化合物の固有光安定性
が高まることを示唆している。
【0084】また、本発明は、とりわけResearc
h Disclosure、1995年2月、アイテム
37038(第79頁〜第115頁)に記載のような多
層写真要素を意図している。特に意図するのは、このよ
うな要素に、式(I)で表される鏡像異性体混合物のい
ずれか(特に、2種の鏡像異性体の50/50混合物)
を使用することである。特に、本発明の化合物のいずれ
か一つの50/50鏡像異性体混合物は、このRese
arch DisclosureのセクションXVII
〜XXIIに詳細に記載されている写真要素の各々のオ
ーバーコートにおけるUV吸収化合物として使用でき
る。
【0085】以下、本発明の好ましい実施態様を列挙す
る。以下の構造式(I)を有する紫外線吸収性化合物を
含んで成る写真要素。
【0086】
【化12】
【0087】(上式中、R4 は置換又は非置換アルキル
基であり、R4 はさらにL又はA* に結合して環を形成
してもよく、そして表示されているベンゾ環又フェニル
環はさらに置換されていてもいなくてもよく;Lは二価
の結合基であり;pは0又は1であり;A* は不斉炭素
原子又は不斉ケイ素原子を有するアルキル基であり;そ
して式(I)で表される前記紫外線吸収性化合物は、A
* の不斉炭素原子又は不斉ケイ素原子に関する2種の鏡
像異性体の混合物である。)
【0088】pが1であり、Lは酸素、イオウ又は窒素
原子を介在するか介在しない長さ1〜20原子分の鎖を
有するアルキレン基;アリール基;又は飽和若しくは不
飽和複素環基である、構造(I)を有する紫外線吸収化
合物を含有する写真要素。Lが、少なくとも一個の介在
酸素、イオウ又は窒素原子を含有するアルキレン基であ
る、構造(I)を有する紫外線吸収化合物を含有する写
真要素。R4 が、電子吸引性アルキル基である、構造
(I)を有する紫外線吸収化合物を含有する写真要素。
4 が、ペルフルオロアルキル基である、構造(I)を
有する紫外線吸収化合物を含有する写真要素。
【0089】前記紫外線吸収化合物が、2種の鏡像異性
体の60/40〜40/60混合物である、構造(I)
を有する紫外線吸収化合物を含有する写真要素。少なく
とも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と非感光性層とを
さらに含んでなる、構造(I)を有する紫外線吸収化合
物を含有する写真要素であって、前記紫外線吸収化合物
が非感光性層に位置している、写真要素。前記紫外線吸
収化合物を含有する非感光性層が、全ての感光性層より
も上に位置している、構造(I)を有する紫外線吸収化
合物を含有する写真要素。反射支持体と少なくとも1層
のハロゲン化銀乳剤層とをさらに含んでなる、構造
(I)を有する紫外線吸収化合物を含有する写真要素で
あって、前記紫外線吸収化合物が前記ハロゲン化銀乳剤
層に位置しているか、前記ハロゲン化銀乳剤層よりも前
記支持体から離れて位置している層に位置している、写
真要素。
【0090】蛍光増白剤をさらに含んでなる、構造
(I)を有する紫外線吸収化合物を含有する写真要素。
前記蛍光増白剤が、350〜410nmの範囲の紫外線
を吸収して400〜500nmの範囲で蛍光を発する、
構造(I)を有する紫外線吸収化合物を含有する写真要
素。前記紫外線吸収化合物が、0.2g/m2 〜10g
/m2 の量で存在する、構造(I)を有する紫外線吸収
化合物を含有する写真要素。構造(I)を有する前記紫
外線吸収化合物が、式(Ia)で表される、写真要素:
【0091】
【化13】
【0092】(式中、R1 又はR2 は独立的にアルキル
基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基又は
アリールオキシ基であり、アルキル又はアルコキシは1
〜5個の介在酸素、イオウ又は窒素原子を含有していて
よいか、R1 、R2 又はR3 のいずれかはH、シアノ又
はハロゲン原子であるか、R1 とR2 は一緒になって芳
香族基又は複素芳香族基を形成するか、R3 はさらにH
若しくは6’−ヒドロキシ、又は5’−H若しくはアル
キル基であることができ;R4 はアルキル基又はペルフ
ルオロアルキル基であり;Lは二価の結合基であり;p
は0又は1であり;そしてR5 、R6 及びR7 は、独立
的に:H;ハロゲン;シアノ;アルキル基若しくはアル
コキシ基;チオアルキル基;アルキルアミノ若しくはア
リールアミノ基;アリール基若しくはアリールオキシ
基;又はヘテロアリール基であり;但し、R5 、R6
びR7 は、それらが結合する炭素原子が不斉であるよう
に選択され;前記紫外線吸収化合物がA* の不斉炭素に
関する2種の鏡像異性体の60/40〜40/60混合
物である)。
【0093】R5 、R6 及びR7 が、各々炭素数1〜2
0のアルキル基又はHである、式(Ia)で表される紫
外線吸収化合物を含有する写真要素。R1 、R2 及びR
3 の各々が、アルキル基、アルコキシ基、H又はハロゲ
ンである、式(Ia)で表される紫外線吸収化合物を含
有する写真要素。式(I)で表される前記紫外線吸収化
合物が、2種の鏡像異性体の50/50混合物である、
式(Ia)で表される紫外線吸収化合物を含有する写真
要素。少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤層と非
感光性層とをさらに含んでなる、構造(I)を有する紫
外線吸収化合物を含有する写真要素であって、前記紫外
線吸収化合物が、式(Ib)で表される、写真要素:
【0094】
【化14】
【0095】(式中、R1 又はR2 は独立的にアルキル
基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基又は
アリールオキシ基であり、アルキル又はアルコキシは1
〜5個の介在酸素、イオウ又は窒素原子を含有していて
よいか、R1 、R2 又はR3 のいずれかはH、シアノ又
はハロゲン原子であるか、R1 とR2 は一緒になって芳
香族基又は複素芳香族基を形成するか、R3 はさらにH
若しくは6’−ヒドロキシ、又は5’−H若しくはアル
キル基であることができる;R4 は置換又は非置換アル
キル基であり;Lは二価の結合基であり;pは0又は1
であり;そしてR5 、R6 及びR7 は、独立的に:H;
ハロゲン;シアノ;アルキル基若しくはアルコキシ基;
チオアルキル基;アルキルアミノ若しくはアリールアミ
ノ基;アリール基若しくはアリールオキシ基;又はヘテ
ロアリール基であり;但し、R5 、R6 及びR7 は、そ
れらが結合する炭素原子が不斉であるように選択され;
前記紫外線吸収化合物がA* の不斉炭素に関する2種の
鏡像異性体の60/40〜40/60混合物である)。
式(1b)で表される紫外線吸収化合物を含有する写真
要素であって、前記紫外線吸収化合物が下式で表され
る、写真要素:
【0096】
【化15】
【0097】(式中、R4 、R5 、R6 、R7 、L及び
pは、前記した通りである)。pが、1である、式(1
b)で表される紫外線吸収化合物を含有する写真要素。
Lが、炭素数1〜10のアルキレン基である、式(1
b)で表される紫外線吸収化合物を含有する写真要素。
Lが、メチレン基である、式(1b)で表される紫外線
吸収化合物を含有する写真要素。R4 が、ペルフルオロ
アルキル基である、式(1b)で表される紫外線吸収化
合物を含有する写真要素。
【0098】少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳剤
層と非感光性層とをさらに含んでなる、式(1b)で表
される紫外線吸収化合物を含有する写真要素であって、
前記紫外線吸収化合物が非感光性層に位置している、写
真要素。前記紫外線吸収化合物を含有する非感光性層
が、全ての感光性層よりも上に位置している、式(1
b)で表される紫外線吸収化合物を含有する写真要素。
反射支持体と少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層とを
さらに含んでなる、式(1b)で表される紫外線吸収化
合物を含有する写真要素であって、前記紫外線吸収化合
物が前記ハロゲン化銀乳剤層に位置しているか、前記ハ
ロゲン化銀乳剤層よりも前記支持体から離れて位置して
いる層に位置している、写真要素。以下の構造を有する
紫外線吸収化合物:
【0099】
【化16】
【0100】(式中、R4 は置換又は非置換アルキル基
であり、R4 はさらにL又はA* に結合して環を形成し
てもよく、そして表示されているベンゾ又はフェニル環
はさらに置換されていても非置換であってもよく;Lは
二価の結合基であり;pは0又は1であり;A* は不斉
炭素原子又は不斉ケイ素原子を有するアルキル基であ
り;そして式(I)で表される前記紫外線吸収化合物
は、A* の不斉炭素原子又は不斉ケイ素原子に関する2
種の鏡像異性体の混合物である)。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明化合物I−1(点線)及び比較
化合物II−AとII−Bとの混合物(C−1(実
線))に関して、写真要素における塗膜の吸収スペクト
ルを全透過率モードで表したものであり、より長波長側
で化合物I−1がより高い吸光を示し、よりシャープに
下降することが分かる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の構造式(I)を有する紫外線吸収
    性化合物を含んで成る写真要素。 【化1】 (上式中、 R4 は置換又は非置換アルキル基であり、R4 はさらに
    L又はA* に結合して環を形成してもよく、そして表示
    されているベンゾ環又フェニル環はさらに置換されてい
    てもいなくてもよく;Lは二価の結合基であり;pは0
    又は1であり;A* は不斉炭素原子又は不斉ケイ素原子
    を有するアルキル基であり;そして式(I)で表される
    前記紫外線吸収性化合物は、A* の不斉炭素原子又は不
    斉ケイ素原子に関する2種の鏡像異性体の混合物であ
    る。)
  2. 【請求項2】 以下の構造式(I)を有する紫外線吸収
    性化合物。 【化2】 (上式中、 R4 は置換又は非置換アルキル基であり、R4 はさらに
    L又はA* に結合して環を形成してもよく、そして表示
    されているベンゾ環又フェニル環はさらに置換されてい
    てもいなくてもよく;Lは二価の結合基であり;pは0
    又は1であり;A* は不斉炭素原子又は不斉ケイ素原子
    を有するアルキル基であり;そして式(I)で表される
    前記紫外線吸収性化合物は、A* の不斉炭素原子又は不
    斉ケイ素原子に関する2種の鏡像異性体の混合物であ
    る。)
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