JPH10158153A - 医薬用硬質ゼラチンカプセル及びその製造方法 - Google Patents
医薬用硬質ゼラチンカプセル及びその製造方法Info
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- JPH10158153A JPH10158153A JP32922696A JP32922696A JPH10158153A JP H10158153 A JPH10158153 A JP H10158153A JP 32922696 A JP32922696 A JP 32922696A JP 32922696 A JP32922696 A JP 32922696A JP H10158153 A JPH10158153 A JP H10158153A
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- Japan
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- capsule
- jelly
- gelatin
- hard gelatin
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Abstract
(57)【要約】
【解決手段】 ゼラチンを主成分とするカプセル成型用
ジェリー中に成型ピンを浸漬し、次いでこの成型ピンを
上記ジェリーから引き上げ、成型ピンに付着したジェリ
ーを乾燥して、硬質ゼラチンカプセルを製造する方法に
おいて、上記カプセル成型用ジェリーとして、酢酸又は
その非毒性塩を添加したジェリーを用いることにより、
ゼラチンを主成分とする硬質ゼラチンカプセル中に酢酸
又はその非毒性塩を含有する医薬用硬質カプセルを得
る。 【効果】 本発明のカプセルは、微生物品質に優れたも
のである。
ジェリー中に成型ピンを浸漬し、次いでこの成型ピンを
上記ジェリーから引き上げ、成型ピンに付着したジェリ
ーを乾燥して、硬質ゼラチンカプセルを製造する方法に
おいて、上記カプセル成型用ジェリーとして、酢酸又は
その非毒性塩を添加したジェリーを用いることにより、
ゼラチンを主成分とする硬質ゼラチンカプセル中に酢酸
又はその非毒性塩を含有する医薬用硬質カプセルを得
る。 【効果】 本発明のカプセルは、微生物品質に優れたも
のである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた微生物品質
を有する医薬用硬質ゼラチンカプセル及びその製造方法
に関する。
を有する医薬用硬質ゼラチンカプセル及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】医薬用
硬質ゼラチンカプセルは、通常、ゼラチンを主成分と
し、これに必要により酸化チタン、赤色及び黄色三二酸
化鉄等の顔料やタール色素青色1号等の色素を添加した
カプセル成型用ジェリーに成型ピンを浸漬し、次いでこ
れを引き上げ、成型ピンに付着したジェリーを乾燥する
ことによって製造される。
硬質ゼラチンカプセルは、通常、ゼラチンを主成分と
し、これに必要により酸化チタン、赤色及び黄色三二酸
化鉄等の顔料やタール色素青色1号等の色素を添加した
カプセル成型用ジェリーに成型ピンを浸漬し、次いでこ
れを引き上げ、成型ピンに付着したジェリーを乾燥する
ことによって製造される。
【0003】この場合、上記ジェリーにはゼラチンや顔
料、色素などに由来する微生物が混入している場合があ
り、これを用いて得られたゼラチンは、微生物が混入し
たものになるおそれがある。
料、色素などに由来する微生物が混入している場合があ
り、これを用いて得られたゼラチンは、微生物が混入し
たものになるおそれがある。
【0004】従来、このような微生物対策としては、ゼ
ラチンや顔料、色素などを精製水に溶解又は分散して調
製した溶液及び分散液の保存に際して保存剤を添加し、
カプセル成型用ジェリーの調製の際に微生物を可及的に
持ち込まないようにする手段が採用されているが、保存
剤は人体に対しての安全性がしばしば問題となる。
ラチンや顔料、色素などを精製水に溶解又は分散して調
製した溶液及び分散液の保存に際して保存剤を添加し、
カプセル成型用ジェリーの調製の際に微生物を可及的に
持ち込まないようにする手段が採用されているが、保存
剤は人体に対しての安全性がしばしば問題となる。
【0005】また、得られたカプセルについては、これ
をエチレンオキサイドガスで殺菌処理することが主流で
あったが、最近においてはエチレンオキサイドの発癌性
が問題視され、エチレンオキサイドガスによる殺菌を廃
止乃至は自主規制している現状にある。
をエチレンオキサイドガスで殺菌処理することが主流で
あったが、最近においてはエチレンオキサイドの発癌性
が問題視され、エチレンオキサイドガスによる殺菌を廃
止乃至は自主規制している現状にある。
【0006】このため、カプセルに対する微生物対策と
しては、パラベン類、亜硫酸塩、エタノールなどの添加
剤を添加し、また、カプセル製造工程で顔料や色素はそ
の水分散液又は水溶液をろ過殺菌や加熱殺菌をしたり、
ジェリーを加熱殺菌するなどの物理的な手法で微生物品
質の管理を実施している。
しては、パラベン類、亜硫酸塩、エタノールなどの添加
剤を添加し、また、カプセル製造工程で顔料や色素はそ
の水分散液又は水溶液をろ過殺菌や加熱殺菌をしたり、
ジェリーを加熱殺菌するなどの物理的な手法で微生物品
質の管理を実施している。
【0007】しかしながら、このような方法は手間を要
し、このためより簡単に微生物品質を管理することが望
まれる。
し、このためより簡単に微生物品質を管理することが望
まれる。
【0008】本発明は、上記要望に応えたもので、微生
物品質の管理が簡単でしかも確実であり、エチレンオキ
サイドガス処理を不要にすることが可能な優れた微生物
品質を有する医薬用硬質ゼラチンカプセル及びその製造
方法を提供することを目的とする。
物品質の管理が簡単でしかも確実であり、エチレンオキ
サイドガス処理を不要にすることが可能な優れた微生物
品質を有する医薬用硬質ゼラチンカプセル及びその製造
方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、ゼラチンを主成分とし、必要により顔料又は色素
が添加されたカプセル成型用ジェリーに酢酸又は酢酸ナ
トリウム等の非毒性塩を添加した場合、該ジェリーの微
生物品質が向上し、ジェリー中の微生物量を激減させ得
ると共に、これを用いて得られた硬質ゼラチンカプセル
が、エチレンオキサイドガス処理を不要にし得る優れた
微生物品質を持つこと、またこのように酢酸又はその非
毒性塩を添加したジェリーはカプセル成型における支障
もなく、これによって得られた酢酸又はその非毒性塩を
含有する硬質ゼラチンカプセルの一般品質が損なわれる
こともなく、日本薬局方の規格に十分合格する品質を有
するものであることを知見し、本発明をなすに至ったも
のである。
発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った
結果、ゼラチンを主成分とし、必要により顔料又は色素
が添加されたカプセル成型用ジェリーに酢酸又は酢酸ナ
トリウム等の非毒性塩を添加した場合、該ジェリーの微
生物品質が向上し、ジェリー中の微生物量を激減させ得
ると共に、これを用いて得られた硬質ゼラチンカプセル
が、エチレンオキサイドガス処理を不要にし得る優れた
微生物品質を持つこと、またこのように酢酸又はその非
毒性塩を添加したジェリーはカプセル成型における支障
もなく、これによって得られた酢酸又はその非毒性塩を
含有する硬質ゼラチンカプセルの一般品質が損なわれる
こともなく、日本薬局方の規格に十分合格する品質を有
するものであることを知見し、本発明をなすに至ったも
のである。
【0010】従って、本発明は、ゼラチンを主成分とす
る硬質ゼラチンカプセル中に酢酸又はその非毒性塩を含
有してなることを特徴とする医薬用硬質カプセル、及び
ゼラチンを主成分とするカプセル成型用ジェリー中に成
型ピンを浸漬し、次いでこの成型ピンを上記ジェリーか
ら引き上げ、成型ピンに付着したジェリーを乾燥して、
硬質ゼラチンカプセルを製造する方法において、上記カ
プセル成型用ジェリーとして、酢酸又はその非毒性塩を
添加したジェリーを用いることを特徴とする硬質ゼラチ
ンカプセルの製造方法を提供する。
る硬質ゼラチンカプセル中に酢酸又はその非毒性塩を含
有してなることを特徴とする医薬用硬質カプセル、及び
ゼラチンを主成分とするカプセル成型用ジェリー中に成
型ピンを浸漬し、次いでこの成型ピンを上記ジェリーか
ら引き上げ、成型ピンに付着したジェリーを乾燥して、
硬質ゼラチンカプセルを製造する方法において、上記カ
プセル成型用ジェリーとして、酢酸又はその非毒性塩を
添加したジェリーを用いることを特徴とする硬質ゼラチ
ンカプセルの製造方法を提供する。
【0011】以下、本発明につき更に詳述すると、本発
明の医薬用硬質ゼラチンカプセルは、ゼラチンを主成分
とし、これに必要に応じ顔料又は色素が添加、含有され
た硬質ゼラチンカプセルにおいて、更に酢酸又はその非
毒性塩が添加、含有されたものである。
明の医薬用硬質ゼラチンカプセルは、ゼラチンを主成分
とし、これに必要に応じ顔料又は色素が添加、含有され
た硬質ゼラチンカプセルにおいて、更に酢酸又はその非
毒性塩が添加、含有されたものである。
【0012】ここで、顔料及び色素としては、硬質ゼラ
チンカプセルの不透明化や着色に通常用いる酸化チタ
ン、赤色及び黄色三二酸化鉄やタール色素、天然色素な
どが挙げられる。
チンカプセルの不透明化や着色に通常用いる酸化チタ
ン、赤色及び黄色三二酸化鉄やタール色素、天然色素な
どが挙げられる。
【0013】また、酢酸及びその非毒性塩としては、酢
酸のほか、本発明においては非毒性塩として酢酸ナトリ
ウム等が挙げられる。
酸のほか、本発明においては非毒性塩として酢酸ナトリ
ウム等が挙げられる。
【0014】この場合、酢酸又はその非毒性塩のゼラチ
ンカプセル中の含有量は酢酸換算で0.06〜1.3%
(重量%、以下同じ)、特に0.1〜1.0%であるこ
とが好ましい。その含有量が少なすぎると本発明の目的
が十分達成されず、多すぎると酢酸の臭気が強くなって
製造環境が悪くなり、また、医薬品を服用する患者に不
快感を与えるおそれがある。
ンカプセル中の含有量は酢酸換算で0.06〜1.3%
(重量%、以下同じ)、特に0.1〜1.0%であるこ
とが好ましい。その含有量が少なすぎると本発明の目的
が十分達成されず、多すぎると酢酸の臭気が強くなって
製造環境が悪くなり、また、医薬品を服用する患者に不
快感を与えるおそれがある。
【0015】なお、ゼラチンカプセル中のゼラチン量
は、通常78.0〜86.0%、特に82.5〜86.
0%であり、また顔料及び色素の含有量は8.0%以
下、特に4.0%以下である。
は、通常78.0〜86.0%、特に82.5〜86.
0%であり、また顔料及び色素の含有量は8.0%以
下、特に4.0%以下である。
【0016】上記のような医薬用硬質ゼラチンカプセル
は、ゼラチンを主成分とし、必要により上記のような顔
料や色素を添加したカプセル成型用ジェリーに、更に酢
酸又はその非毒性塩を添加したものを使用する以外は常
法に従って製造することができ、通常、上記ジェリーに
成型ピンを浸漬し、次いでこれを引き上げ、ピンに付着
したジェリーを乾燥するという方法によって行うことが
できる。
は、ゼラチンを主成分とし、必要により上記のような顔
料や色素を添加したカプセル成型用ジェリーに、更に酢
酸又はその非毒性塩を添加したものを使用する以外は常
法に従って製造することができ、通常、上記ジェリーに
成型ピンを浸漬し、次いでこれを引き上げ、ピンに付着
したジェリーを乾燥するという方法によって行うことが
できる。
【0017】上記ジェリー中のゼラチン濃度は常用量で
よく、通常24.0〜26.0%の範囲である。また、
顔料や色素は、通常2.7%以下、特に1.3%以下と
することができる。
よく、通常24.0〜26.0%の範囲である。また、
顔料や色素は、通常2.7%以下、特に1.3%以下と
することができる。
【0018】酢酸又はその非毒性塩の添加量は、ジェリ
ー中0.02〜0.4%、特に0.03〜0.3%とす
ることが、ジェリーの微生物品質及び成型するカプセル
の微生物品質の点から好ましい。この添加量が少なすぎ
るとジェリー及びカプセルの微生物品質が劣り、多すぎ
ると上述した問題が生じるおそれがある。
ー中0.02〜0.4%、特に0.03〜0.3%とす
ることが、ジェリーの微生物品質及び成型するカプセル
の微生物品質の点から好ましい。この添加量が少なすぎ
るとジェリー及びカプセルの微生物品質が劣り、多すぎ
ると上述した問題が生じるおそれがある。
【0019】なお、上記ジェリーには、更に必要に応
じ、ラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤を微量添加
することができる。
じ、ラウリル硫酸ナトリウム等の界面活性剤を微量添加
することができる。
【0020】カプセル成型条件は通常の条件を採用する
ことができ、例えばジェリー温度は51〜53℃とする
ことができる。
ことができ、例えばジェリー温度は51〜53℃とする
ことができる。
【0021】以上のような酢酸又はその非毒性塩を添加
したカプセル成型用ジェリーは、微生物品質が顕著に向
上したもので、たとえゼラチンや顔料、色素などから微
生物の持ち込みがあってもこれを確実に滅菌乃至殺菌
し、微生物量を支障のない量以下に低減する。従って、
ジェリーの加熱殺菌やろ過殺菌などの操作を不要とする
ことができ、従って作業管理、微生物品質管理が容易に
なる。
したカプセル成型用ジェリーは、微生物品質が顕著に向
上したもので、たとえゼラチンや顔料、色素などから微
生物の持ち込みがあってもこれを確実に滅菌乃至殺菌
し、微生物量を支障のない量以下に低減する。従って、
ジェリーの加熱殺菌やろ過殺菌などの操作を不要とする
ことができ、従って作業管理、微生物品質管理が容易に
なる。
【0022】また、これによって得られた硬質ゼラチン
カプセルもその微生物品質が著しく向上したもので、こ
のためエチレンオキサイドガスによる殺菌処理を不要と
することができる。従って、本発明の硬質ゼラチンカプ
セルは高品質であり、安全性が高いものである。
カプセルもその微生物品質が著しく向上したもので、こ
のためエチレンオキサイドガスによる殺菌処理を不要と
することができる。従って、本発明の硬質ゼラチンカプ
セルは高品質であり、安全性が高いものである。
【0023】
【実施例】以下、実験例及び実施例と比較例を示し、本
発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制
限されない。なお、下記の例で%は重量%を示す。
発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制
限されない。なお、下記の例で%は重量%を示す。
【0024】〔実験例1〕ゼラチンに精製水を加え、6
0℃に加温して撹拌、溶解し、25%ゼラチン溶液を調
製した。この液200mLに大腸菌群を所定量接種し、
更に酢酸を添加して35℃で24時間静置した。この液
について、日本薬局方微生物限度試験法に従って生菌数
及び大腸菌群の試験を行った。その結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、酢酸の添加によりゼラ
チン溶液の細菌に対しての制菌効果が認められた。
0℃に加温して撹拌、溶解し、25%ゼラチン溶液を調
製した。この液200mLに大腸菌群を所定量接種し、
更に酢酸を添加して35℃で24時間静置した。この液
について、日本薬局方微生物限度試験法に従って生菌数
及び大腸菌群の試験を行った。その結果を表1に示す。
表1の結果から明らかなように、酢酸の添加によりゼラ
チン溶液の細菌に対しての制菌効果が認められた。
【0025】
【表1】
【0026】〔実験例2〕ゼラチンに精製水を加え、6
0℃に加温して撹拌、溶解し、25%ゼラチン溶液を調
製した。この液200mLに一般菌と高温菌を所定量接
種し、更に酢酸を添加して55℃で24時間静置した。
この液について、日本薬局方微生物限度試験法に従って
生菌数及び高温菌の試験を行った。ただし、高温菌は培
養温度を55℃とした。その結果を表2に示す。表2の
結果より、ゼラチン溶液の細菌に対して制菌効果が現れ
る酢酸の最低添加量は0.02%であり、特に添加量
0.03%で顕著に制菌効果があることが認められた。
0℃に加温して撹拌、溶解し、25%ゼラチン溶液を調
製した。この液200mLに一般菌と高温菌を所定量接
種し、更に酢酸を添加して55℃で24時間静置した。
この液について、日本薬局方微生物限度試験法に従って
生菌数及び高温菌の試験を行った。ただし、高温菌は培
養温度を55℃とした。その結果を表2に示す。表2の
結果より、ゼラチン溶液の細菌に対して制菌効果が現れ
る酢酸の最低添加量は0.02%であり、特に添加量
0.03%で顕著に制菌効果があることが認められた。
【0027】
【表2】
【0028】〔実験例3〕硬質ゼラチンカプセルを不透
明にしたり着色するための酸化チタン、タール色素青色
1号及び黄色三二酸化鉄を表3に示す濃度で精製水に溶
解又は分散した着色液を調製した。この着色液に一般細
菌を所定量接種し、更に酢酸を添加して室温(約25
℃)で24時間静置した。また、タール色素青色1号水
溶液の場合は、酢酸の代わりに酢酸ナトリウムを添加し
た実験を行った。この液について、生菌数の試験を前記
実験例と同法で行った。その結果を表3に示す。表3の
結果から明らかなように、酢酸や酢酸ナトリウムの添加
により着色液の細菌に対しての制菌効果が認められた。
明にしたり着色するための酸化チタン、タール色素青色
1号及び黄色三二酸化鉄を表3に示す濃度で精製水に溶
解又は分散した着色液を調製した。この着色液に一般細
菌を所定量接種し、更に酢酸を添加して室温(約25
℃)で24時間静置した。また、タール色素青色1号水
溶液の場合は、酢酸の代わりに酢酸ナトリウムを添加し
た実験を行った。この液について、生菌数の試験を前記
実験例と同法で行った。その結果を表3に示す。表3の
結果から明らかなように、酢酸や酢酸ナトリウムの添加
により着色液の細菌に対しての制菌効果が認められた。
【0029】
【表3】
【0030】〔実施例1〕約70℃の精製水にゼラチン
を加え、60℃に保持しながら撹拌して溶解した。次
に、この溶解液に所定量の酢酸を撹拌しながら流入し、
均一に混合させた後、約60℃で3時間静置して脱泡
し、浸漬液を調製した。このようにして調製された浸漬
液を、浸漬法による公知のカプセル製造装置に仕込み、
前記の浸漬液の温度を約52℃に保持しながら常法によ
りサイズ00号の硬質カプセルを得た。この硬質カプセ
ルの処方を表4に示す。
を加え、60℃に保持しながら撹拌して溶解した。次
に、この溶解液に所定量の酢酸を撹拌しながら流入し、
均一に混合させた後、約60℃で3時間静置して脱泡
し、浸漬液を調製した。このようにして調製された浸漬
液を、浸漬法による公知のカプセル製造装置に仕込み、
前記の浸漬液の温度を約52℃に保持しながら常法によ
りサイズ00号の硬質カプセルを得た。この硬質カプセ
ルの処方を表4に示す。
【0031】
【表4】 注:括弧内にカプセル成型用ジェリー中の濃度を示す。
【0032】試験1(浸漬液及び硬質カプセルの微生物
に対する評価) 前記実施例の本発明浸漬液及び硬質カプセルについて、
日本薬局方微生物限度試験法に従って生菌数試験を行っ
た。その結果を表5に示すが、本発明にかかわる浸漬液
及び硬質カプセルは、対照品に比べ明らかに微生物品質
が良いことがわかる。
に対する評価) 前記実施例の本発明浸漬液及び硬質カプセルについて、
日本薬局方微生物限度試験法に従って生菌数試験を行っ
た。その結果を表5に示すが、本発明にかかわる浸漬液
及び硬質カプセルは、対照品に比べ明らかに微生物品質
が良いことがわかる。
【0033】
【表5】
【0034】試験2(空カプセルの日本薬局方規格に対
する評価) 前記実施例で得た本発明硬質カプセルと対照カプセルに
ついて、日本薬局方規定の試験項目について試験を行っ
た。その結果を表6に示す。なお、溶状のデータはカプ
セル5個の平均値である。表6より、本発明の硬質カプ
セルは日本薬局方の規格に合格する品質であることが認
められる。
する評価) 前記実施例で得た本発明硬質カプセルと対照カプセルに
ついて、日本薬局方規定の試験項目について試験を行っ
た。その結果を表6に示す。なお、溶状のデータはカプ
セル5個の平均値である。表6より、本発明の硬質カプ
セルは日本薬局方の規格に合格する品質であることが認
められる。
【0035】
【表6】
【0036】〔実施例2〕約70℃の精製水にゼラチン
を加え、約60℃に保持しながら撹拌して溶解したゼラ
チン溶液に、前記実験例3の黄色三二酸化鉄の水分散液
を添加して均一に混合させた後、約60℃で3時間静置
して脱泡し、浸漬液を調製した。このようにして調製さ
れた浸漬液を、浸漬法による公知のカプセル製造装置に
仕込み、約52℃に保持しながら常法によりサイズ2号
の硬質カプセルを得た。この硬質カプセルの処方を表7
に示す。
を加え、約60℃に保持しながら撹拌して溶解したゼラ
チン溶液に、前記実験例3の黄色三二酸化鉄の水分散液
を添加して均一に混合させた後、約60℃で3時間静置
して脱泡し、浸漬液を調製した。このようにして調製さ
れた浸漬液を、浸漬法による公知のカプセル製造装置に
仕込み、約52℃に保持しながら常法によりサイズ2号
の硬質カプセルを得た。この硬質カプセルの処方を表7
に示す。
【0037】
【表7】 注:括弧の数値はカプセル成型用ジェリー中の濃度を示
す。
す。
【0038】試験1(浸漬液及び硬質カプセルの微生物
に対する評価) 前記実施例の本発明浸漬液及び硬質カプセルについて、
前記実施例1と同法で生菌数試験を行った。その結果を
表8に示すが、本発明にかかわる浸漬液及び硬質カプセ
ルは、対照品に比べ明らかに微生物品質が良いことがわ
かる。なお、対照品は実施例1と同一カプセルのデータ
である。
に対する評価) 前記実施例の本発明浸漬液及び硬質カプセルについて、
前記実施例1と同法で生菌数試験を行った。その結果を
表8に示すが、本発明にかかわる浸漬液及び硬質カプセ
ルは、対照品に比べ明らかに微生物品質が良いことがわ
かる。なお、対照品は実施例1と同一カプセルのデータ
である。
【0039】
【表8】
【0040】試験2(空カプセルの日本薬局方規格に対
する評価) 前記実施例で得た本発明硬質カプセルと対照カプセルに
ついて、日本薬局方規定の試験項目について試験を行っ
た。その結果を表9に示す。なお、溶状のデータはカプ
セル5個の平均値である。また、対照品は実施例1と同
一カプセルのデータである。表9より、本発明の硬質カ
プセルは日本薬局方の規格に合格する品質であることが
認められる。
する評価) 前記実施例で得た本発明硬質カプセルと対照カプセルに
ついて、日本薬局方規定の試験項目について試験を行っ
た。その結果を表9に示す。なお、溶状のデータはカプ
セル5個の平均値である。また、対照品は実施例1と同
一カプセルのデータである。表9より、本発明の硬質カ
プセルは日本薬局方の規格に合格する品質であることが
認められる。
【0041】
【表9】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、微生物品質に優れた医
薬用硬質ゼラチンカプセルを簡単かつ確実に得ることが
できる。
薬用硬質ゼラチンカプセルを簡単かつ確実に得ることが
できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 ゼラチンを主成分とする硬質ゼラチンカ
プセル中に酢酸又はその非毒性塩を含有してなることを
特徴とする医薬用硬質カプセル。 - 【請求項2】 顔料又は色素を含有する請求項1記載の
カプセル。 - 【請求項3】 ゼラチンを主成分とするカプセル成型用
ジェリー中に成型ピンを浸漬し、次いでこの成型ピンを
上記ジェリーから引き上げ、成型ピンに付着したジェリ
ーを乾燥して、硬質ゼラチンカプセルを製造する方法に
おいて、上記カプセル成型用ジェリーとして、酢酸又は
その非毒性塩を添加したジェリーを用いることを特徴と
する硬質ゼラチンカプセルの製造方法。 - 【請求項4】 カプセル成型用ジェリーが顔料又は色素
を含む請求項3記載の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32922696A JPH10158153A (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | 医薬用硬質ゼラチンカプセル及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32922696A JPH10158153A (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | 医薬用硬質ゼラチンカプセル及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10158153A true JPH10158153A (ja) | 1998-06-16 |
Family
ID=18219067
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32922696A Pending JPH10158153A (ja) | 1996-11-25 | 1996-11-25 | 医薬用硬質ゼラチンカプセル及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH10158153A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120053249A1 (en) * | 2009-04-30 | 2012-03-01 | Roquette Freres | Compressible and free-flow co-agglomerates of mannitol and granular starch |
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1996
- 1996-11-25 JP JP32922696A patent/JPH10158153A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20120053249A1 (en) * | 2009-04-30 | 2012-03-01 | Roquette Freres | Compressible and free-flow co-agglomerates of mannitol and granular starch |
US9937131B2 (en) * | 2009-04-30 | 2018-04-10 | Roquette Freres | Compressible and free-flow co-agglomerates of mannitol and granular starch |
US11364204B2 (en) | 2009-04-30 | 2022-06-21 | Roquette Freeres | Compressible and free-flow co-agglomerates of mannitol and granual starch |
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