JPH10157472A - 車両用出力伝達装置 - Google Patents

車両用出力伝達装置

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JPH10157472A
JPH10157472A JP31625996A JP31625996A JPH10157472A JP H10157472 A JPH10157472 A JP H10157472A JP 31625996 A JP31625996 A JP 31625996A JP 31625996 A JP31625996 A JP 31625996A JP H10157472 A JPH10157472 A JP H10157472A
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clutch
engine
shaft
brake
clutch assembly
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Seiichi Suzuki
清一 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エンジン幅の拡大を防止した車両用出力伝達装
置を提供するにある。 【解決手段】クランクシャフト5から駆動輪へ伝達され
るエンジン回転駆動力を断続するクラッチ装置22と、
カウンタシャフト24およびドライブシャフト25を有
し、クラッチ装置22から伝達される回転駆動力を変速
するトランスミッション機構21と、このトランスミッ
ション機構21を操作するギヤシフト装置23とを備え
た車両用出力伝達装置9において、クラッチ装置22
は、エンジン1の回転駆動力の伝達を断続するクラッチ
アッセンブリ27と、このクラッチアッセンブリ27を
断続操作するクラッチ断続機構28とを有し、クラッチ
アッセンブリ27をカウンタシャフト24の一側に配置
し、クラッチ断続機構28をカウンタシャフト24の他
側に配置すると共に、クラッチ断続機構28をギヤシフ
ト装置23に連動させてクラッチアッセンブリ27を断
続させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用出力伝達装置
に掛り、特にクラッチ装置に特徴を有する車両用出力伝
達装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車や自動二輪車には、発進時や変速
時などにエンジンの回転駆動力をトランスミッション機
構以下の駆動系に伝達する出力伝達系に駆動トルクの伝
達を断続する装置であるクラッチ装置を備えている。
【0003】このクラッチ装置は、エンジン側に接続さ
れたクラッチディスクと、トランスミッション機構側に
接続されるクラッチプレートとをスプリングによって常
時圧接させることによりエンジンの回転駆動力をトラン
スミッション機構に伝達する一方、クラッチディスクと
クラッチプレートとを引き離すことによりエンジンの回
転駆動力を断絶している。
【0004】クラッチディスクとクラッチプレートとを
引き離す操作は、例えば自動二輪車においてはクラッチ
レバーの手動操作により操作ケーブルを介して行ってい
る。その際、クラッチレバーはてこの原理が採用され、
ペダル比やレバー比を大きく取ることで、操作力を軽減
させて操作フィーリングを向上させるようになっている
が、自動二輪車においては、最近のエンジンの高出力化
に伴い、クラッチディスクとクラッチプレートとを圧接
させるスプリングの力が大きくなり、クラッチレバーの
操作フィーリングが重くなってきている。
【0005】そして、カーブや坂道の多い山道などの走
行や、交通量が激しく常に渋滞している町中の走行で
は、変速操作を頻繁に行わなければならず、その都度ク
ラッチ装置のレバー操作が必要となる。
【0006】しかし、クラッチ装置のレバー操作を頻繁
に行う場合、クラッチレバー操作力をレバー比のみでは
充分に軽減できないため、操作フィーリングが悪く、手
動操作の負担が大きく、快適な走行を楽しむことが困難
であった。
【0007】そのために、例えば実公昭37−1601
2号公報や実公昭38−27606号公報に示すような
電磁レリーズを備えた遠心クラッチが考案され、クラッ
チの操作を不要としている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た電磁レリーズを備えた遠心クラッチの場合、エンジン
の一側に各機器が集中して配置されるため、エンジンの
バランスが悪く、エンジン幅も広がってしまう。
【0009】また、変速操作のときには半クラッチ状態
を作り出す必要があるが、電磁レリーズはその制御が困
難であり、また、複雑でもある。
【0010】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、エンジン幅の拡大を防止した車両用出力伝達装
置を提供することを目的とする。
【0011】この発明の他の目的は、半クラッチ状態を
容易に作り出すことができるクラッチ装置を備えた車両
用出力伝達装置を提供するにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る車両用出力
伝達装置は、上述した課題を解決するために、請求項1
に記載したように、クランクシャフトから駆動輪へ伝達
されるエンジン回転駆動力を断続するクラッチ装置と、
カウンタシャフトおよびドライブシャフトを有し、上記
クラッチ装置から伝達される上記回転駆動力を変速する
トランスミッション機構と、このトランスミッション機
構を操作するギヤシフト装置とを備えた車両用出力伝達
装置において、上記クラッチ装置は、上記エンジンの回
転駆動力の伝達を断続するクラッチアッセンブリと、こ
のクラッチアッセンブリを断続操作するクラッチ断続機
構とを有し、上記クラッチアッセンブリを上記カウンタ
シャフトの一側に配置し、上記クラッチ断続機構を上記
カウンタシャフトの他側に配置すると共に、上記クラッ
チ断続機構を上記ギヤシフト装置に連動させて上記クラ
ッチアッセンブリを断続させたものである。
【0013】また、上述した課題を解決するために、請
求項2に記載したように、上記クラッチ断続機構は電磁
ソレノイドを有すると共に、上記ギヤシフト装置を構成
するギヤシフトシャフトにはシフト操作感知スイッチが
設けられ、この操作感知スイッチからの信号により上記
電磁ソレノイドを作動させて上記クラッチアッセンブリ
を断続させたものである。
【0014】さらに、上述した課題を解決するために、
請求項3に記載したように、上記クラッチアッセンブリ
と上記クラッチ断続機構とを連結手段を用いて連結する
一方、上記クラッチ断続機構は上記連結手段により駆動
されるブレーキシャフトを有し、このブレーキシャフト
にワンウェイ装置を備えたブレーキ機構を設けたもので
ある。
【0015】さらにまた、上述した課題を解決するため
に、請求項4に記載したように、上記クラッチ断続機構
が配置された上記カウンタシャフトの同じ側の上記クラ
ンクシャフト端および上記ドライブシャフト端にエンジ
ン補器および最終動力伝達手段をそれぞれ設け、上記ク
ラッチ断続機構を上記エンジン平面視で上記最終動力伝
達手段の外側に配置すると共に、上記クラッチ断続機構
をその外端と上記エンジン補器の外端とがエンジンの幅
方向でほぼ同一位置になるように配置したものである。
【0016】そして、上述した課題を解決するために、
請求項5に記載したように、上記ブレーキ機構のブレー
キ力を可変とすることにより上記クラッチアッセンブリ
の接続時間を調整可能としたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0018】図1は、この発明を適用した車両としての
自動二輪車(図示せず)に搭載される4サイクルエンジ
ンの部分縦断面図である。また、図2は図1のII−I
I線に沿う断面図である。図1および図2に示すよう
に、このエンジン1は主にシリンダヘッド2、シリンダ
ブロック3、そしてクランクケース4からその外形が構
成される。
【0019】クランクケース4内にはクランクシャフト
5が水平に配置される。このクランクシャフト5の一
端、例えば図2における右端にはエンジン補器であるエ
ンジン回転数検出装置6が設けられる一方、左端には他
のエンジン補器であるマグネト装置7が設けられる。ま
た、クランクシャフト5上にはプライマリードライブギ
ヤ8が設けられる。このクランクシャフト5の回転運
動、すなわちエンジン1の出力は出力伝達装置9を介し
て最終動力伝達手段であるドライブチェーン10によっ
て図示しない駆動輪に伝達される。
【0020】出力伝達装置9は、トランスミッション機
構21を有し、クラッチ装置22およびギヤシフト装置
23が付随して構成される。トランスミッション機構2
1は、クランクシャフト5と平行に配置されたカウンタ
シャフト24とドライブシャフト25とを備え、両シャ
フト24,25はそれぞれのミッションギヤ列26で作
動連結される。
【0021】カウンタシャフト24にはクラッチ装置2
2が設けられる。このクラッチ装置22は、例えば湿式
多板式クラッチと遠心クラッチとを組み合わせたもので
あり、エンジン1の一側、例えば図2に置けるカウンタ
シャフト24の右端に設けられたクラッチアッセンブリ
27と、エンジン1の他側、例えば図2におけるカウン
タシャフト24の左端に設けられたクラッチ断続機構2
8とに大別される。
【0022】クラッチアッセンブリ27は、クラッチハ
ウジング31、クラッチディスク32、クラッチリリー
スハブ33、クラッチプレート34、クラッチプレッシ
ャディスク35、ドリブンプッシュロッド36、クラッ
チプッシュピース37、遠心ローラ38およびスプリン
グ39等から構成される。また、クラッチ断続機構28
は、後述するアクチュエータ40およびクラッチアッセ
ンブリ27とクラッチ断続機構28とを連結する手段で
あるドライブプッシュロッド41等で構成される。
【0023】カウンタシャフト24はその内部が中空の
円筒状のものであり、カウンタシャフト24内部にはド
リブンプッシュロッド36が軸方向に進退自在に配置さ
れる。また、カウンタシャフト24のクラッチアッセン
ブリ27側端部の開口部にはクラッチプッシュピース3
7の一端が軸方向に進退自在に装着され、さらに、カウ
ンタシャフト24の他端側開口部にはドライブプッシュ
ロッド41の一端が軸方向に進退自在に装着される。
【0024】クラッチハウジング31は有底円筒状のも
ので、その底部にプライマリードリブンギヤ42がダン
パ43を介して固着される。プライマリードリブンギヤ
42は、カウンタシャフト24に回転自在に軸支される
と共に、クランクシャフト5上のプライマリードライブ
ギヤ8に作動連結される。さらに、クラッチハウジング
31の底面には半径方向に向かって上り傾斜となる傾斜
面44が形成される。そして、クラッチハウジング31
の周壁内面には複数枚のクラッチディスク32の外周縁
部が嵌合され、クラッチディスク32はクラッチハウジ
ング31と一体に回転する。
【0025】クラッチリリースハブ33は、クラッチハ
ウジング31同様の有底円筒状のもので、底部中央がカ
ウンタシャフト24に軸方向に摺動可能にスプライン嵌
合されると共に、スリーブ状の周壁の外周部には複数枚
のクラッチプレート34の内周縁部がスプライン嵌合さ
れ、クラッチプレート34はクラッチリリースハブ33
と一体に回転する。そして、クラッチディスク32とク
ラッチプレート34とは交互に重ね合うように配置され
る。
【0026】前記クラッチハウジング31の傾斜面44
と、この傾斜面44に対向するクラッチプレート34と
の間には遠心ローラ38が配置される。エンジン1の回
転の上昇に伴ってクラッチハウジング31が回転し、所
定のエンジン回転数に達すると遠心力により遠心ローラ
38が傾斜面44上を半径方向に移動し、クラッチプレ
ート34を徐々にクラッチディスク32に圧接させる。
そして、クラッチプレート34とクラッチディスク32
が圧接されることによりエンジン1の出力がカウンタシ
ャフト24に伝達される。このとき、クラッチプレッシ
ャディスク35がスプリング39の作用で遠心ローラ3
8の圧接力によるクラッチディスク32およびクラッチ
プレート34の動きを規制する。
【0027】一方、上述したように、クラッチ断続機構
28は電気信号により進退するプッシュピン45を備え
たアクチュエータ40およびプッシュピン45と上記ド
リブンプッシュロッド36との間に介装されたドライブ
プッシュロッド41とから構成される。また、クラッチ
断続機構28のアクチュエータ40は、図2に示すよう
に、エンジン平面視でドライブチェーン10の外側に配
置され、さらに、アクチュエータ40はその外端とマグ
ネト装置7の外端とがエンジン1の幅方向でほぼ同一位
置になるように配置される。
【0028】アクチュエータ40は例えば電磁ソレノイ
ドであって、所定の電気信号、例えばON信号が入力さ
れるとプッシュピン45が例えば図2における右方向に
突出し、ドライブプッシュロッド41、ドリブンプッシ
ュロッド36およびプッシュピース37を経てクラッチ
プレッシャディスク35をスプリング39に抗して図2
における右側に押す。クラッチプレッシャディスク35
が押されると遠心ローラ38の圧接力によるクラッチデ
ィスク32およびクラッチプレート34の動きの規制が
解除され、クラッチディスク32およびクラッチプレー
ト34が離間し、エンジン1の回転力が断絶される。
【0029】また、アクチュエータ40に他の電気信
号、例えばOFF信号が入力されるとプッシュピン45
が元に戻り、スプリング39の働きによりクラッチプレ
ッシャディスク35が再びクラッチプレート34をクラ
ッチディスク32に圧接させ、エンジン1の出力が再び
カウンタシャフト24に伝達される。
【0030】図3は、図1のIII −III 線に沿う断面図
であり、ギヤシフト装置23を示す。このギヤシフト装
置23は、主にギヤシフトレバー51、ギヤシフトシャ
フト52、ギヤシフトアーム53、ギヤシフトカム5
4、フォークシャフト55、およびシフトフォーク56
で構成される。
【0031】前記カウンタシャフト24とドライブシャ
フト25との間には、これらのシャフト24,25に平
行するギヤシフトカム54が回転自在に軸支される。こ
のギヤシフトカム54は、例えば中空状に鋳造された円
筒カムであり、その外周面に例えば三本のリード溝54
aが刻設される。
【0032】一方、ギヤシフトシャフト52の一端はク
ランクケース4外に突出し、この突出部に足動操作用の
ギヤシフトレバー51が設けられる。また、ギヤシフト
シャフト52の他端にはギヤシフトアーム53が設けら
れる。そして、ギヤシフトカム54はギヤシフトレバー
51のシフト操作により回動操作される。
【0033】さらに、ギヤシフトシャフト52にはシフ
ト操作感知スイッチ57が設けられる。このシフト操作
感知スイッチ57はギヤシフトレバー51の足動操作の
有無および操作方向(シフトアップまたはシフトダウ
ン)を感知し、これらの信号を図示しないコントロール
ユニットに伝達する。
【0034】コントロールユニットに伝達されたシフト
操作の信号は前記アクチュエータ40に例えばON/O
FF信号として伝達され、アクチュエータ40を作動さ
せる。すなわち、ギヤシフトレバー51によってシフト
操作が行われるとクラッチアッセンブリ27が自動的に
断絶され(ON信号)、また、シフト操作が終わるとク
ラッチアッセンブリ27は自動的に接続される(OFF
信号)。
【0035】ギヤシフトカム54と、カウンタシャフト
24およびドライブシャフト25との間には、これらの
軸に平行して一対のフォークシャフト55が軸支され
る。これらのフォークシャフト55にはシフトフォーク
56が軸方向にスライド自在に軸装され、これらシフト
フォーク56に突設されたガイドピン56aがそれぞれ
ギヤシフトカム54のリード溝54a内に摺動自在に嵌
合される。
【0036】カウンタシャフト24およびドライブシャ
フト25上に設けられたミッションギヤ列26のうち、
幾つかの所定のギヤ58にはシフト溝58aが形成さ
れ、シフトフォーク56にそれぞれ形成されたフォーク
部分56bがこれらのシフト溝58aに係合し、これら
のギヤ58を回転自在に把持する。
【0037】ギヤシフトカム54が回動すると、シフト
フォーク56がギヤシフトカム54のリード溝54aに
合わせてフォークシャフト55沿いに摺動し、これによ
ってミッションギヤ列26の所定のギヤ58がカウンタ
シャフト24とドライブシャフト25の軸方向に沿って
摺動し、隣接するギヤに結合あるいは切り放される。
【0038】ギヤ同士が結合すると、結合されたギヤが
カウンタシャフト24またはドライブシャフト25に回
転一体となるため、そのギヤのギヤ比を介してエンジン
1の出力がカウンタシャフト24からドライブシャフト
25に伝達される。
【0039】ドライブシャフト25の一端はクラッチ断
続機構28と同じ側のクランクケース4外に突出し、こ
の突出部に他の最終動力伝達手段であるドライブスプロ
ケット59が設けられる。そして、このドライブスプロ
ケット59から延びるドライブチェーン10によってエ
ンジン1の出力が駆動輪に伝達される。
【0040】ところで、ギヤシフト操作を行う場合、操
作直前にクラッチアッセンブリ27を一端断絶してエン
ジン1のトルクがミッションギヤ列26に掛からないよ
うにし、ギヤシフト操作の終了後にクラッチアッセンブ
リ27を改めて接続するが、その時、クランクシャフト
5とカウンタシャフト24との回転数が異なるため、ク
ラッチアッセンブリ27を急激に接続すると駆動輪のス
リップやエンジンストップを招く虞がある。そこで、こ
のような場合にはクラッチアッセンブリ27を徐々に接
続するいわゆる半クラッチ状態を作り出して対処するの
が一般的である。そこで、本発明におけるクラッチ装置
22には、半クラッチ状態を作り出すためのブレーキ機
構61が備えられる。
【0041】図4は、図2のIV−IV線に沿う断面図
であり、ブレーキ機構61の縦断面図を示す。また、図
5は図4のV−V線に沿う断面図であり、ブレーキ機構
61の平断面図を示す。図2、図4および図5に示すよ
うに、ブレーキ機構61は主にブレーキシャフト62
と、ワンウェイ装置63と、ブレーキベルト64と、ブ
レーキスプリング65と、ブレーキアクチュエータ66
とから構成される。
【0042】ブレーキシャフト62は前記ドライブプッ
シュロッド41と直交して接するように配置され、接触
部のうちドライブプッシュロッド41側にはラック67
が、ブレーキシャフト62側には平歯車68がそれぞれ
設けられ、互いに作動連結される。すなわち、ドライブ
プッシュロッド41の進退に連動してブレーキシャフト
62が回動する。本実施形態の場合、ドライブプッシュ
ロッド41がクラッチアッセンブリ27を断絶する方向
(図2における右側)に移動するとブレーキシャフト6
2は反時計回りに回動する。
【0043】ブレーキシャフト62のほぼ中央部にはワ
ンウェイ装置63が設けられる。このワンウェイ装置6
3は周知のものであって、ブレーキシャフト62の周囲
に複数個のローラ63aを挟んでアウターケース63b
が設けられており、ブレーキシャフト62が一方向に回
動するときにはアウターケース63bは動かず(ブレー
キシャフト62がフリー状態)、ブレーキシャフト62
が反対方向に回動するときはアウターケース63bが連
動する(ブレーキシャフト62がロック状態)ものであ
る。
【0044】本実施形態の場合、ドライブプッシュロッ
ド41がクラッチアッセンブリ27を断絶する方向に移
動してブレーキシャフト62が反時計回りに回動すると
きにはブレーキシャフト62はフリー状態であって、逆
に、ドライブプッシュロッド41がクラッチアッセンブ
リ27を接続する方向に移動してブレーキシャフト62
が時計回りに回動するときにはブレーキシャフト62は
ロック状態となる。
【0045】アウターケース63bの外周にはブレーキ
ベルト64が巻装される。ブレーキベルト64の一端は
例えばクランクケース4に固定される一方、他端にはブ
レーキスプリング65の一端が連結される。そして、ブ
レーキスプリング65の他端にブレーキアクチュエータ
66が連結される。
【0046】ブレーキアクチュエータ66がブレーキス
プリング65を引き、ブレーキスプリング65がブレー
キベルト64を引くことによりこのブレーキベルト64
とアウターケース63bの外周面との間に摩擦抵抗が生
じ、アウターケース63bの回転速度を規制する。ブレ
ーキアクチュエータ66が強く引かれるとブレーキスプ
リング65の張力が増し、ブレーキベルト64とアウタ
ーケース63bの外周面との間の摩擦抵抗が増すのでア
ウターケース63bの回転速度は遅くなり、逆にブレー
キアクチュエータ66を緩めるとアウターケース63b
の回転速度が増す。
【0047】つまり、ドライブプッシュロッド41がク
ラッチアッセンブリ27を断絶する方向に移動する場
合、ブレーキシャフト62はフリー状態でブレーキ機構
61が働いていないので、クラッチアッセンブリ27は
速やかに断絶される。一方、ドライブプッシュロッド4
1がクラッチアッセンブリ27を接続する方向に移動す
る場合、ブレーキシャフト62はロック状態でブレーキ
機構61が働いてブレーキシャフト62の回転速度を遅
くするため、クラッチアッセンブリ27が徐々に接続さ
れるいわゆる半クラッチ状態が作り出される。
【0048】また、半クラッチ状態が必要とされる時間
はギヤポジションやシフト方向(アップまたはダウ
ン)、エンジン1(クランクシャフト5)の回転数など
によって異なるため、エンジン回転数、ギヤポジショ
ン、スロットル開度などの情報信号を図示しないコント
ロールユニットにて演算し、このコントロールユニット
でブレーキアクチュエータ66の引力、すなわちブレー
キシャフト62に掛かるブレーキ力を調整可能に構成さ
れる。
【0049】次に、本実施形態の作用について説明す
る。
【0050】エンジン1が始動され、その回転数が上昇
して所定のエンジン回転数に達すると遠心ローラ38が
クラッチプレート34を徐々にクラッチディスク32に
圧接させてエンジン1の出力をカウンタシャフト24に
伝達する。このとき、ミッションギヤ列26のギヤが結
合していれば車両は走行を始める。
【0051】走行中に変速操作を行うためにギヤシフト
レバー51を操作すると、この操作をシフト操作感知ス
イッチ57が感知し、クラッチ断続機構28のアクチュ
エータ40を作動させてクラッチアッセンブリ27を自
動的に断絶する。クラッチアッセンブリ27が断絶され
た後にさらにギヤシフト装置23でミッションギヤ列2
6の組み合わせを変更し、ギヤシフトレバー51の操作
が終わるとクラッチアッセンブリ27は自動的に接続さ
れ、変速操作が完了する。
【0052】クラッチ断続機構28のアクチュエータ4
0の作動は電気的に行われるため、構造がシンプルにな
り、重量の増加が防止できると共に、機械的作動部が少
ないため、その信頼性が向上する。
【0053】また、クラッチアッセンブリ27の接続時
には半クラッチ状態を作り出す必要があるが、クラッチ
断続機構28にはブレーキ機構61が備えられており、
このブレーキ機構61がクラッチアッセンブリ27の接
続時にクラッチアッセンブリ27が徐々に接続される半
クラッチ状態を作り出す。また、この半クラッチ状態の
持続時間はエンジン回転数、ギヤポジション、スロット
ル開度などを考慮して最適時間が自動的に調整される。
【0054】さらに、エンジン1の一側にクラッチアッ
センブリ27を、また、エンジン1の他側に電磁ソレノ
イドを用いたアクチュエータ40を有するクラッチ断続
機構28を配置し、クラッチ断続機構28をその外端と
エンジン補器であるマグネト装置7の外端とがエンジン
1の幅方向でほぼ同一位置になるように配置することに
よりエンジン1の一側に各機器が集中することが防止で
き、エンジン1のバランスもよくなり、エンジン幅の拡
大も防止できる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る車両
用出力伝達装置によれば、クランクシャフトから駆動輪
へ伝達されるエンジン回転駆動力を断続するクラッチ装
置と、カウンタシャフトおよびドライブシャフトを有
し、上記クラッチ装置から伝達される上記回転駆動力を
変速するトランスミッション機構と、このトランスミッ
ション機構を操作するギヤシフト装置とを備えた車両用
出力伝達装置において、上記クラッチ装置は、上記エン
ジンの回転駆動力の伝達を断続するクラッチアッセンブ
リと、このクラッチアッセンブリを断続操作するクラッ
チ断続機構とを有し、上記クラッチアッセンブリを上記
カウンタシャフトの一側に配置し、上記クラッチ断続機
構を上記カウンタシャフトの他側に配置すると共に、上
記クラッチ断続機構を上記ギヤシフト装置に連動させて
上記クラッチアッセンブリを断続させたため、従来必要
であったクラッチ装置のレバー操作が不要になると共
に、エンジンの一側に各機器が集中しなくなるのでエン
ジンのバランスもよくなり、エンジン幅の拡大も防止で
きる また、上記クラッチ断続機構は電磁ソレノイドを有する
と共に、上記ギヤシフト装置を構成するギヤシフトシャ
フトにはシフト操作感知スイッチが設けられ、この操作
感知スイッチからの信号により上記電磁ソレノイドを作
動させて上記クラッチアッセンブリを断続させたため、
機械的作動部が少なくなって信頼性が向上する。
【0056】さらに、上記クラッチアッセンブリと上記
クラッチ断続機構とを連結手段を用いて連結する一方、
上記クラッチ断続機構は上記連結手段により駆動される
ブレーキシャフトを有し、このブレーキシャフトにワン
ウェイ装置を備えたブレーキ機構を設けたため、クラッ
チアッセンブリの接続時に容易に半クラッチ状態を作り
出すことができる。
【0057】さらにまた、上記クラッチ断続機構が配置
された上記カウンタシャフトの同じ側の上記クランクシ
ャフト端および上記ドライブシャフト端にエンジン補器
および最終動力伝達手段をそれぞれ設け、上記クラッチ
断続機構を上記エンジン平面視で上記最終動力伝達手段
の外側に配置すると共に、上記クラッチ断続機構をその
外端と上記エンジン補器の外端とがエンジンの幅方向で
ほぼ同一位置になるように配置したため、エンジンの一
側に各機器が集中することが防止でき、エンジンのバラ
ンスもよくなり、エンジン幅の拡大も防止できる。
【0058】そして、上記ブレーキ機構のブレーキ力を
可変とすることにより上記クラッチアッセンブリの接続
時間を調整可能としたため、半クラッチ状態の持続時間
が最適に、かつ自動的に調整される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用出力伝達装置の一実施形態
を示す自動二輪車用エンジンの部分縦断面図。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図であり、エン
ジンの平断面図を示す。
【図3】図1のIII −III 線に沿う断面図であり、ギヤ
シフト装置を示す。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図であり、ブレ
ーキ機構の縦断面図を示す。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図であり、ブレーキ
機構の平断面図を示す。
【符号の説明】 1 エンジン 5 クランクシャフト 7 マグネト装置(エンジン補器) 9 出力伝達装置 10 ドライブチェーン(最終動力伝達手段) 21 トランスミッション機構 22 クラッチ装置 23 ギヤシフト装置 24 カウンタシャフト 25 ドライブシャフト 27 クラッチアッセンブリ 28 クラッチ断続機構 40 アクチュエータ(電磁ソレノイド) 41 ドライブプッシュロッド(連結手段) 52 ギヤシフトシャフト 57 シフト操作感知スイッチ 59 ドライブスプロケット(最終動力伝達手段) 61 ブレーキ機構 62 ブレーキシャフト 63 ワンウェイ装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クランクシャフトから駆動輪へ伝達され
    るエンジン回転駆動力を断続するクラッチ装置と、カウ
    ンタシャフトおよびドライブシャフトを有し、上記クラ
    ッチ装置から伝達される上記回転駆動力を変速するトラ
    ンスミッション機構と、このトランスミッション機構を
    操作するギヤシフト装置とを備えた車両用出力伝達装置
    において、上記クラッチ装置22は、上記エンジン1の
    回転駆動力の伝達を断続するクラッチアッセンブリ27
    と、このクラッチアッセンブリ27を断続操作するクラ
    ッチ断続機構28とを有し、上記クラッチアッセンブリ
    27を上記カウンタシャフト24の一側に配置し、上記
    クラッチ断続機構28を上記カウンタシャフト24の他
    側に配置すると共に、上記クラッチ断続機構28を上記
    ギヤシフト装置23に連動させて上記クラッチアッセン
    ブリ27を断続させたことを特徴とする車両用出力伝達
    装置。
  2. 【請求項2】 上記クラッチ断続機構28は電磁ソレノ
    イド40を有すると共に、上記ギヤシフト装置23を構
    成するギヤシフトシャフト52にはシフト操作感知スイ
    ッチ57が設けられ、この操作感知スイッチ57からの
    信号により上記電磁ソレノイド40を作動させて上記ク
    ラッチアッセンブリ27を断続させた請求項1記載の車
    両用出力伝達装置。
  3. 【請求項3】 上記クラッチアッセンブリ27と上記ク
    ラッチ断続機構28とを連結手段41を用いて連結する
    一方、上記クラッチ断続機構28は上記連結手段41に
    より駆動されるブレーキシャフト62を有し、このブレ
    ーキシャフト62にワンウェイ装置63を備えたブレー
    キ機構61を設けた請求項1記載の車両用出力伝達装
    置。
  4. 【請求項4】 上記クラッチ断続機構28が配置された
    上記カウンタシャフト24の同じ側の上記クランクシャ
    フト4端および上記ドライブシャフト25端にエンジン
    補器7および最終動力伝達手段10,59をそれぞれ設
    け、上記クラッチ断続機構28を上記エンジン平面視で
    上記最終動力伝達手段10,59の外側に配置すると共
    に、上記クラッチ断続機構28をその外端と上記エンジ
    ン補器7の外端とがエンジン1の幅方向でほぼ同一位置
    になるように配置した請求項1記載の車両用出力伝達装
    置。
  5. 【請求項5】 上記ブレーキ機構61のブレーキ力を可
    変とすることにより上記クラッチアッセンブリ27の接
    続時間を調整可能とした請求項3記載の車両用出力伝達
    装置。
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JP2006017221A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Yamaha Motor Co Ltd 鞍乗り型車両用動力伝達系制御装置
CN110017373A (zh) * 2019-05-16 2019-07-16 福州锐智新能源科技有限公司 一种用于变速器的一控三式换挡装置

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