JPH10157005A - 巻き込み気泡の少ないラミネート金属帯の製造方法 - Google Patents
巻き込み気泡の少ないラミネート金属帯の製造方法Info
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- JPH10157005A JPH10157005A JP33301296A JP33301296A JPH10157005A JP H10157005 A JPH10157005 A JP H10157005A JP 33301296 A JP33301296 A JP 33301296A JP 33301296 A JP33301296 A JP 33301296A JP H10157005 A JPH10157005 A JP H10157005A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属帯の両面あるいは片面に樹脂フィルムを
連続的にラミネートする際に巻き込み気泡の少ないラミ
ネート金属帯の製造方法を提供する。 【解決手段】 走行する金属帯の両面あるいは片面に、
樹脂フィルムの融解開始温度以上、融解における吸熱ピ
ーク温度以下で樹脂フィルムを熱圧着させた後、樹脂フ
ィルムの融解における吸熱ピーク温度以上に昇温する。
この昇温は、高周波誘導加熱または通電加熱により行う
のが好適である。
連続的にラミネートする際に巻き込み気泡の少ないラミ
ネート金属帯の製造方法を提供する。 【解決手段】 走行する金属帯の両面あるいは片面に、
樹脂フィルムの融解開始温度以上、融解における吸熱ピ
ーク温度以下で樹脂フィルムを熱圧着させた後、樹脂フ
ィルムの融解における吸熱ピーク温度以上に昇温する。
この昇温は、高周波誘導加熱または通電加熱により行う
のが好適である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板あるいはアル
ミ板等の金属帯と樹脂フィルムを高速ラミネートする際
に、金属帯と樹脂フィルム間に巻き込まれる気体によっ
てできる気泡を低減してラミネート金属帯を製造する方
法に関するものである。
ミ板等の金属帯と樹脂フィルムを高速ラミネートする際
に、金属帯と樹脂フィルム間に巻き込まれる気体によっ
てできる気泡を低減してラミネート金属帯を製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、缶用材料としては、めっき鋼板あ
るいはアルミ板等に塗装を施したものが主流となってい
る。しかし、近年、環境問題が社会的に大きく取り上げ
られ、塗装で使用する有機溶剤の使用も縮小せざるを得
ない方向に進んでいる。また、塗装・焼き付け工程の生
産性向上および省エネルギーに限界があることから、塗
装を省略して、樹脂フィルムをラミネートした金属板が
今後の主流となっていくと考えられる。
るいはアルミ板等に塗装を施したものが主流となってい
る。しかし、近年、環境問題が社会的に大きく取り上げ
られ、塗装で使用する有機溶剤の使用も縮小せざるを得
ない方向に進んでいる。また、塗装・焼き付け工程の生
産性向上および省エネルギーに限界があることから、塗
装を省略して、樹脂フィルムをラミネートした金属板が
今後の主流となっていくと考えられる。
【0003】現在、主として行われているラミネート方
法は、金属帯を予め加熱して樹脂フィルムを熱圧着する
方法である。そして、ラミネート金属帯における巻き込
み気泡の生成とは、樹脂フィルムを金属帯に熱圧着する
際に、金属帯から受ける熱によってできる樹脂フィルム
の溶融部に気体、通常は空気が侵入する現象である。す
なわち、樹脂フィルムを金属帯表面に向けて送給すると
き、金属帯および樹脂フィルムの表面近傍にある空気が
随伴されて、圧着部に巻き込まれる。巻き込まれた空気
は、樹脂フィルムの溶融層に侵入し、冷却後も気泡とし
て残留する。目視で確認できない程度の微小な気泡で
も、その占める面積率が大きくなるにしたがって、樹脂
フィルムの密着性が劣り、製缶加工時に欠陥が生じやす
くなる。ラミネートが高速になるほど、巻き込み気泡量
は多くなり、これがラミネートの高速化を妨げる要因と
なっている。
法は、金属帯を予め加熱して樹脂フィルムを熱圧着する
方法である。そして、ラミネート金属帯における巻き込
み気泡の生成とは、樹脂フィルムを金属帯に熱圧着する
際に、金属帯から受ける熱によってできる樹脂フィルム
の溶融部に気体、通常は空気が侵入する現象である。す
なわち、樹脂フィルムを金属帯表面に向けて送給すると
き、金属帯および樹脂フィルムの表面近傍にある空気が
随伴されて、圧着部に巻き込まれる。巻き込まれた空気
は、樹脂フィルムの溶融層に侵入し、冷却後も気泡とし
て残留する。目視で確認できない程度の微小な気泡で
も、その占める面積率が大きくなるにしたがって、樹脂
フィルムの密着性が劣り、製缶加工時に欠陥が生じやす
くなる。ラミネートが高速になるほど、巻き込み気泡量
は多くなり、これがラミネートの高速化を妨げる要因と
なっている。
【0004】このような巻き込み気泡の生成を防止する
ため、特開昭63−233824号公報では、鋼帯と樹
脂フィルム間の角度を30〜90度に維持しながら樹脂
フィルムを鋼帯に向けて送給して圧着ロールにより圧着
する方法が開示されているが、鋼帯走行速度200m/
min以上で高速ラミネートを行うと、やはり空気の巻
き込み量が多くなり、この対策では不十分である。
ため、特開昭63−233824号公報では、鋼帯と樹
脂フィルム間の角度を30〜90度に維持しながら樹脂
フィルムを鋼帯に向けて送給して圧着ロールにより圧着
する方法が開示されているが、鋼帯走行速度200m/
min以上で高速ラミネートを行うと、やはり空気の巻
き込み量が多くなり、この対策では不十分である。
【0005】より抜本的な巻き込み気泡の低減方法とし
ては、圧着部を真空状態とすることが考えられる。この
例として特開昭63−118241号公報には、圧着ロ
ールの上流側に減圧室を設け、内部を真空ポンプにより
100〜200Torrに減圧する方法が開示されてい
る。減圧室の入り側はシールロールによってシールさ
れ、出側は圧着ロールおよびシールロールによりシール
される。そしてこの減圧室内で金属箔およびキャリアフ
ィルムをラミネートし、気泡巻き込みのない積層板を得
るものである。
ては、圧着部を真空状態とすることが考えられる。この
例として特開昭63−118241号公報には、圧着ロ
ールの上流側に減圧室を設け、内部を真空ポンプにより
100〜200Torrに減圧する方法が開示されてい
る。減圧室の入り側はシールロールによってシールさ
れ、出側は圧着ロールおよびシールロールによりシール
される。そしてこの減圧室内で金属箔およびキャリアフ
ィルムをラミネートし、気泡巻き込みのない積層板を得
るものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記減圧室を用いる方
法は、巻き込み気泡の低減方法として優れていると考え
られるが、以下の実操業上の問題がある。
法は、巻き込み気泡の低減方法として優れていると考え
られるが、以下の実操業上の問題がある。
【0007】金属帯あるいは樹脂フィルムに付着した異
物が、圧着部で圧着ロールに固着することが現場操業で
は不可避的に発生する。このような場合、減圧室内にあ
る圧着ロールを外部から手入れして、異物を除去する手
段がないため、真空を大気圧へ戻す必要があり、生産効
率の著しい低下を招く。
物が、圧着部で圧着ロールに固着することが現場操業で
は不可避的に発生する。このような場合、減圧室内にあ
る圧着ロールを外部から手入れして、異物を除去する手
段がないため、真空を大気圧へ戻す必要があり、生産効
率の著しい低下を招く。
【0008】また、鋼帯と鋼帯とのつなぎ溶接部やアル
ミ帯同士のステッチャー接合部が圧着ロールを通過する
と圧着ロール表面に圧痕を生じ、その後のラミネート時
に圧着ロールの圧痕がラミネート面の外観不良、フィル
ム密着不良を引き起こす。このため金属帯接合部(溶接
部)が圧着ロールを通過する際には、圧着ロールを金属
帯から離す必要がある。したがって、圧着ロールが減圧
室内にある場合、圧着ロールの移動機構を設けると、真
空シール部に機械的なクリアランスが避けられないた
め、真空度が維持できない。また、真空度を維持するた
めの真空ポンプの電力費、減圧装置の設備費などコスト
面で不利である。特に金属帯走行速度が200m/分以
上の高速ラミネートになると、真空ポンプ電力費はます
ます増加する。
ミ帯同士のステッチャー接合部が圧着ロールを通過する
と圧着ロール表面に圧痕を生じ、その後のラミネート時
に圧着ロールの圧痕がラミネート面の外観不良、フィル
ム密着不良を引き起こす。このため金属帯接合部(溶接
部)が圧着ロールを通過する際には、圧着ロールを金属
帯から離す必要がある。したがって、圧着ロールが減圧
室内にある場合、圧着ロールの移動機構を設けると、真
空シール部に機械的なクリアランスが避けられないた
め、真空度が維持できない。また、真空度を維持するた
めの真空ポンプの電力費、減圧装置の設備費などコスト
面で不利である。特に金属帯走行速度が200m/分以
上の高速ラミネートになると、真空ポンプ電力費はます
ます増加する。
【0009】本発明は、高速ラミネート時における巻き
込み気泡を安価に低減して、巻き込み気泡の少ないラミ
ネート金属帯の製造方法を提供することを目的とする。
込み気泡を安価に低減して、巻き込み気泡の少ないラミ
ネート金属帯の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、走行する金属
帯の両面あるいは片面に樹脂フィルムを圧着させてラミ
ネート金属帯を製造する方法において、樹脂フィルムの
融解開始温度以上、融解における吸熱ピーク温度以下で
熱圧着を行った後、樹脂フィルムの融解における吸熱ピ
ーク温度以上に昇温することを特徴とする巻き込み気泡
の少ないラミネート金属帯の製造方法である。熱圧着
後、樹脂フィルムの融解における吸熱ピーク温度以上へ
の昇温は、高周波誘導加熱または通電加熱で行うことが
好適である。
帯の両面あるいは片面に樹脂フィルムを圧着させてラミ
ネート金属帯を製造する方法において、樹脂フィルムの
融解開始温度以上、融解における吸熱ピーク温度以下で
熱圧着を行った後、樹脂フィルムの融解における吸熱ピ
ーク温度以上に昇温することを特徴とする巻き込み気泡
の少ないラミネート金属帯の製造方法である。熱圧着
後、樹脂フィルムの融解における吸熱ピーク温度以上へ
の昇温は、高周波誘導加熱または通電加熱で行うことが
好適である。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】本発明者らは、金属帯や樹脂フィルムに随
伴する気体が溶融樹脂中に押し入ることがないようなラ
ミネート条件について種々検討した結果、樹脂フィルム
がわずかに溶融する温度域で樹脂フィルムと金属帯を熱
圧着し、その後昇温することが有効であることを見いだ
した。ここで、樹脂フィルムがわずかに溶融する温度域
とは、示差走査熱量計(DSC)による測定で認められ
る樹脂フィルムの融解開始温度以上、融解における吸熱
ピーク温度以下である。
伴する気体が溶融樹脂中に押し入ることがないようなラ
ミネート条件について種々検討した結果、樹脂フィルム
がわずかに溶融する温度域で樹脂フィルムと金属帯を熱
圧着し、その後昇温することが有効であることを見いだ
した。ここで、樹脂フィルムがわずかに溶融する温度域
とは、示差走査熱量計(DSC)による測定で認められ
る樹脂フィルムの融解開始温度以上、融解における吸熱
ピーク温度以下である。
【0013】樹脂フィルムの融解開始温度未満での熱圧
着後は、光学顕微鏡による観察では気泡が見られない
が、昇温後は気泡が認められるようになる。これは、ラ
ミネート時には樹脂フィルムがほとんど溶融していない
ために金属帯の粗面の凹部に溶融樹脂が流入せず、その
ために金属帯表面の凹部に気体が少量ながら存在するこ
とになり、その後の昇温によって樹脂が溶融すると、溶
融樹脂が金属帯の凹部に流入して、凹部に入っていた気
体が押し出されて樹脂フィルムの溶融層に侵入するため
に生ずるものである。また、樹脂フィルムの融解開始温
度未満では、樹脂と金属帯とは密着せず、この状態で後
述するようにして昇温されるために、フィルムに皺が入
りやすく、生産効率の低下を招く。
着後は、光学顕微鏡による観察では気泡が見られない
が、昇温後は気泡が認められるようになる。これは、ラ
ミネート時には樹脂フィルムがほとんど溶融していない
ために金属帯の粗面の凹部に溶融樹脂が流入せず、その
ために金属帯表面の凹部に気体が少量ながら存在するこ
とになり、その後の昇温によって樹脂が溶融すると、溶
融樹脂が金属帯の凹部に流入して、凹部に入っていた気
体が押し出されて樹脂フィルムの溶融層に侵入するため
に生ずるものである。また、樹脂フィルムの融解開始温
度未満では、樹脂と金属帯とは密着せず、この状態で後
述するようにして昇温されるために、フィルムに皺が入
りやすく、生産効率の低下を招く。
【0014】樹脂フィルムの融解における吸熱ピーク温
度超でのラミネートは、通常行われているラミネート条
件と同じであって、高速ラミネート時には多くの気泡を
巻き込むこととなる。
度超でのラミネートは、通常行われているラミネート条
件と同じであって、高速ラミネート時には多くの気泡を
巻き込むこととなる。
【0015】本発明が要件とするラミネート温度域で
は、樹脂フィルムの溶融層がほとんど存在しないため
に、ラミネート時に気体が樹脂を押し分けて入り込むこ
とができないので、巻き込まれる気体量が大幅に低減で
きる。
は、樹脂フィルムの溶融層がほとんど存在しないため
に、ラミネート時に気体が樹脂を押し分けて入り込むこ
とができないので、巻き込まれる気体量が大幅に低減で
きる。
【0016】しかし、上記のような温度域で熱圧着を行
うと、金属帯と接する樹脂フィルムの全面積が溶融して
おらず、部分的な密着となるために、製缶加工に耐える
ような樹脂フィルム/金属帯間の密着性が得られないと
いう欠点があって実用的ではない。そこで、樹脂フィル
ム/金属帯間の密着性を向上させる手段として、上記の
熱圧着後、ラミネート金属帯を樹脂フィルムの融解にお
ける吸熱ピーク温度以上に昇温する。樹脂の融解におけ
る吸熱ピーク温度未満では、樹脂フィルム/金属帯間の
界面での樹脂の溶融が不十分なため良好な樹脂フィルム
/金属帯の密着性が得られない。この昇温処理を行うこ
とによって、樹脂の密着性が著しく向上し、製缶加工に
も十分に耐えるラミネート金属帯が得られる。
うと、金属帯と接する樹脂フィルムの全面積が溶融して
おらず、部分的な密着となるために、製缶加工に耐える
ような樹脂フィルム/金属帯間の密着性が得られないと
いう欠点があって実用的ではない。そこで、樹脂フィル
ム/金属帯間の密着性を向上させる手段として、上記の
熱圧着後、ラミネート金属帯を樹脂フィルムの融解にお
ける吸熱ピーク温度以上に昇温する。樹脂の融解におけ
る吸熱ピーク温度未満では、樹脂フィルム/金属帯間の
界面での樹脂の溶融が不十分なため良好な樹脂フィルム
/金属帯の密着性が得られない。この昇温処理を行うこ
とによって、樹脂の密着性が著しく向上し、製缶加工に
も十分に耐えるラミネート金属帯が得られる。
【0017】樹脂フィルムの熱圧着後の昇温方法は、特
に限定するものではないが、樹脂フィルム側からの加熱
では、金属帯/樹脂フィルム間の界面温度を樹脂が十分
に溶融するまでに高めるには、樹脂フィルムの非接着面
を過度に加熱することになるので、金属帯側からの加熱
が望ましい。このような昇温方法としては、高周波誘導
加熱や通電加熱が挙げられる。樹脂フィルムラミネート
後の通電加熱における通電方法としては、片面ラミネー
トであれば非ラミネート金属面から、両面ラミネートで
あれば金属が被覆されていない両端部から通電するとよ
い。
に限定するものではないが、樹脂フィルム側からの加熱
では、金属帯/樹脂フィルム間の界面温度を樹脂が十分
に溶融するまでに高めるには、樹脂フィルムの非接着面
を過度に加熱することになるので、金属帯側からの加熱
が望ましい。このような昇温方法としては、高周波誘導
加熱や通電加熱が挙げられる。樹脂フィルムラミネート
後の通電加熱における通電方法としては、片面ラミネー
トであれば非ラミネート金属面から、両面ラミネートで
あれば金属が被覆されていない両端部から通電するとよ
い。
【0018】昇温するタイミングとしては、熱圧着直後
が熱エネルギー効率および生産性の点から望ましいが、
ラミネート金属帯を冷却後に昇温しても、得られる密着
性は良好である。
が熱エネルギー効率および生産性の点から望ましいが、
ラミネート金属帯を冷却後に昇温しても、得られる密着
性は良好である。
【0019】なお、本発明で用いる金属帯には、鋼帯お
よびアルミ帯を含む。鋼帯としては無めっき鋼板、錫め
っき鋼板、ニッケルめっき鋼板、クロムめっき鋼板(テ
ィンフリースティール)、アルミめっき鋼板やこれらの
合金めっき鋼板、化成処理鋼板などの表面処理鋼板、ア
ルミ帯としては缶用アルミ板を使用することができる。
よびアルミ帯を含む。鋼帯としては無めっき鋼板、錫め
っき鋼板、ニッケルめっき鋼板、クロムめっき鋼板(テ
ィンフリースティール)、アルミめっき鋼板やこれらの
合金めっき鋼板、化成処理鋼板などの表面処理鋼板、ア
ルミ帯としては缶用アルミ板を使用することができる。
【0020】また、熱圧着可能な樹脂フィルムとして
は、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレ
ートなど)、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリ
プロピレンなど)、ポリアミド樹脂(ナイロンなど)、
ポリアクリロニトリルなどを使用するとよい。
は、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレ
ートなど)、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリ
プロピレンなど)、ポリアミド樹脂(ナイロンなど)、
ポリアクリロニトリルなどを使用するとよい。
【0021】
【実施例】以下、実施例を説明する。
【0022】金属帯としては電解クロムめっきした鋼帯
(ティンフリースティール)を、樹脂フィルムとしては
厚み25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)
フィルムを使用し、300m/分でラミネートを行っ
た。圧着ロールにはシリコンゴムライニングしたロール
を用いた。再昇温は通電加熱方式で行った。PETフィ
ルムの熱分析を示差走査熱量計(DSC)で行ったとこ
ろ、融解開始温度が210℃、融解における吸熱ピーク
温度が260℃であった。
(ティンフリースティール)を、樹脂フィルムとしては
厚み25μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)
フィルムを使用し、300m/分でラミネートを行っ
た。圧着ロールにはシリコンゴムライニングしたロール
を用いた。再昇温は通電加熱方式で行った。PETフィ
ルムの熱分析を示差走査熱量計(DSC)で行ったとこ
ろ、融解開始温度が210℃、融解における吸熱ピーク
温度が260℃であった。
【0023】作製したラミネート板に対して、気泡面積
率、被膜欠陥の出ない限界絞り比、およびフィルムの密
着性を評価した。気泡面積率(%)は、光学顕微鏡(2
00倍)からCCDカメラを通してモノクロ画像をコン
ピュータに取り込み、市販のソフトで画像処理を行って
気泡部だけを認識させ、全面積に対する気泡の占める割
合を求めて気泡面積率とした。気泡面積率は5%以下が
実用的に良と判定した。また、絞り加工で被膜欠陥の出
ない限界を絞り比(H/D)で示した。ここでHは缶高
さ、Dは缶径である。絞り缶用途で実用的な絞り比は
1.5以上であることから、絞り比1.5以上を良と判
定した。金属帯/樹脂フィルム間の密着性は、180°
ピール強度を測定した。180°ピール強度は2kg/
10mm以上が実用的に望まれることから、2kg/1
0mm以上を密着性良好と判定した。表1に評価結果を
まとめて示した。
率、被膜欠陥の出ない限界絞り比、およびフィルムの密
着性を評価した。気泡面積率(%)は、光学顕微鏡(2
00倍)からCCDカメラを通してモノクロ画像をコン
ピュータに取り込み、市販のソフトで画像処理を行って
気泡部だけを認識させ、全面積に対する気泡の占める割
合を求めて気泡面積率とした。気泡面積率は5%以下が
実用的に良と判定した。また、絞り加工で被膜欠陥の出
ない限界を絞り比(H/D)で示した。ここでHは缶高
さ、Dは缶径である。絞り缶用途で実用的な絞り比は
1.5以上であることから、絞り比1.5以上を良と判
定した。金属帯/樹脂フィルム間の密着性は、180°
ピール強度を測定した。180°ピール強度は2kg/
10mm以上が実用的に望まれることから、2kg/1
0mm以上を密着性良好と判定した。表1に評価結果を
まとめて示した。
【0024】
【表1】
【0025】本発明例(No.1〜3)は、いずれも気
泡面積率が小さく、樹脂フィルムの密着性が良好で、欠
陥の出ない製缶加工が可能であった。
泡面積率が小さく、樹脂フィルムの密着性が良好で、欠
陥の出ない製缶加工が可能であった。
【0026】一方、No.4は、通常の熱圧着式のラミ
ネートを行ったものである。気泡の占める面積が広く、
実用的でない。No.5は、ラミネート温度が樹脂の融
解開始温度未満のためにラミネートでの密着が行われ
ず、再昇温までにフィルムに皺が入ってしまい、良好な
ラミネート鋼板を得ることができなかったため、評価を
行わなかった。No.6は、熱圧着温度が高すぎるため
に、No.4の通常ラミネートとほぼ同等のラミネート
鋼板が得られただけで、気泡面積率が高かった。No.
7は、再昇温温度が融解における吸熱ピーク温度より低
いため、気泡は少ないが、樹脂フィルムの密着性が劣
り、製缶加工に耐えなかった。
ネートを行ったものである。気泡の占める面積が広く、
実用的でない。No.5は、ラミネート温度が樹脂の融
解開始温度未満のためにラミネートでの密着が行われ
ず、再昇温までにフィルムに皺が入ってしまい、良好な
ラミネート鋼板を得ることができなかったため、評価を
行わなかった。No.6は、熱圧着温度が高すぎるため
に、No.4の通常ラミネートとほぼ同等のラミネート
鋼板が得られただけで、気泡面積率が高かった。No.
7は、再昇温温度が融解における吸熱ピーク温度より低
いため、気泡は少ないが、樹脂フィルムの密着性が劣
り、製缶加工に耐えなかった。
【0027】
【発明の効果】本発明の方法によれば、樹脂フィルムの
ラミネートにおける気泡の巻き込みが低減できるため、
高速通板が可能となり、生産性が向上して、製缶素材を
安価に供給できる。また、現在の塗装・焼き付け工程に
おける有機溶剤による環境汚染を防止できる。
ラミネートにおける気泡の巻き込みが低減できるため、
高速通板が可能となり、生産性が向上して、製缶素材を
安価に供給できる。また、現在の塗装・焼き付け工程に
おける有機溶剤による環境汚染を防止できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 走行する金属帯の両面あるいは片面に樹
脂フィルムを圧着させてラミネート金属帯を製造する方
法において、樹脂フィルムの融解開始温度以上、融解に
おける吸熱ピーク温度以下で熱圧着を行った後、樹脂フ
ィルムの融解における吸熱ピーク温度以上に昇温するこ
とを特徴とする巻き込み気泡の少ないラミネート金属帯
の製造方法。 - 【請求項2】 熱圧着後、樹脂フィルムの融解における
吸熱ピーク温度以上への昇温を、高周波誘導加熱または
通電加熱で行うことを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 金属帯が鋼帯またはアルミ帯である請求
項1または2記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33301296A JPH10157005A (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 巻き込み気泡の少ないラミネート金属帯の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33301296A JPH10157005A (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 巻き込み気泡の少ないラミネート金属帯の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10157005A true JPH10157005A (ja) | 1998-06-16 |
Family
ID=18261309
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33301296A Pending JPH10157005A (ja) | 1996-11-29 | 1996-11-29 | 巻き込み気泡の少ないラミネート金属帯の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10157005A (ja) |
-
1996
- 1996-11-29 JP JP33301296A patent/JPH10157005A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040330 |