JPH10156686A - 光学素材心出し用保持装置の保持圧調整装置 - Google Patents

光学素材心出し用保持装置の保持圧調整装置

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JPH10156686A
JPH10156686A JP33758396A JP33758396A JPH10156686A JP H10156686 A JPH10156686 A JP H10156686A JP 33758396 A JP33758396 A JP 33758396A JP 33758396 A JP33758396 A JP 33758396A JP H10156686 A JPH10156686 A JP H10156686A
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centering
optical material
scale
holding
adjusting device
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JP33758396A
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Akihiro Ito
昭裕 伊藤
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Fujinon Corp
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Fuji Photo Optical Co Ltd
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Publication date
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  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 バネ圧縮力により保持圧を発生させてベルク
ランプ式心出しを行う光学素材心出し用保持装置におい
て、保持圧を容易かつ定量的に計測し得る保持圧調整装
置を提供する。 【解決手段】 本体201に固定される固定部11A
と、固定部11Aの貫通孔11dから突出可能に挿入さ
れ固定部11Aからの突出量に応じてバネ22の変形量
を設定する可動部12Aと、固定部11Aと可動部12
Aとの位置の差を目視可能に表示する目盛11eとカバ
ー14Aを備え、保持圧を定量的に計測可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ガラス等の光
学材料からなるレンズ等の光学素材の光軸をベルクラン
プ式により心取り加工の中心軸等に一致させる心出し作
業の際に、光学素材を保持する光学素材心出し用保持装
置において、保持圧を調整する装置の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、光学素材の加工において、例えば
両凸レンズを作製する場合には、クラウン系ガラス,フ
リント系ガラス等の光学ガラスを含む光学材料からなる
光学素材に、素材取り、レンズ面加工、レンズ外
径加工の順で加工を施す。素材取り加工は、レンズ1個
分の光学材料を粗成形し、加工を施すべき光学素材を得
る工程である。また、レンズ面加工は、粗加工、ス
ムージング、磨き(ポリッシング)の順で行われる。
【0003】このうち、最初の粗加工は、素材取りされ
た光学素材の寸法をレンズの最終値に近付け、表面の粗
さを改善する工程であり、「荒摺り」や「カーブゼネレ
ータ研削」により行われる。続くスムージング加工は、
粗加工で生じた表面の粗さをより細かくし、レンズの厚
さ寸法を必要精度内に入れる工程であり、「砂かけ」や
「ダイヤモンドスムージング」により行われる。最終の
磨き加工は、レンズ面を光学鏡面に仕上げるとともに、
その寸法と形状を最終精度内に入れる工程であり、水ス
ラリー状の研磨剤等を用いて行われる。
【0004】レンズ外径加工は、「心取り」と呼ばれ、
上記の磨き工程が終了し、互いに背向する2面が球面レ
ンズ状に研磨加工された光学素材(以下、「心取り前レ
ンズ」という。)を「心取り機」と呼ばれる円筒研削機
に装着し、心取り機における円筒状の研削加工の中心軸
とレンズの光軸とを一致させる「心出し」を行い、心出
しされたレンズの外径部のうちの不要部分を砥石等によ
って削除し所定の直径及び外径形状のレンズを得るため
の工程である。したがって、レンズ加工の第1段階であ
る素材取りでは、設計上の直径値に心取りのための余裕
しろを見込んだ大きな直径に加工される。この心取り工
程では、レンズの外径形状を適正な形状に削り出すほ
か、レンズ外径部の面取り、正面取りなども併せて行わ
れる。
【0005】上記した心取りの方法として、図4に示す
ものが知られている。この心取り方法は、「ベルクラン
プ式心出し」と呼ばれる心出し方法を用いたものであ
り、図4(A)はベルクランプ式心出しによる心出し前
の状態を、図4(B)はベルクランプ式により心出しを
行い心取りを行うまでを、それぞれ示している。
【0006】このベルクランプ式心出しでは、図4に示
すように、2つの略円柱状の金属製スピンドル41,4
2を有する心取り機を用いる。各スピンドル41,42
は、同一の中心軸A1 を共有しており、図4の左右方向
に移動可能に構成されている。この中心軸A1 は心取り
機における円筒研削加工の中心軸(以下、「加工機軸」
という。)と一致している。また、各スピンドル41,
42の互いに対向する先端部には雄ネジ41a,42a
が形成されている。
【0007】これらのスピンドル41,42のそれぞれ
には、略円筒状のレンズホルダ31,32が用意され、
各レンズホルダ31,32の後部には雌ネジ31a,3
2aが形成されている。したがって、雄ネジ41a又は
42aに雌ネジ31a又は32aを螺合させることによ
り、スピンドル41又は42にレンズホルダ31又は3
2を装着し、両者の中心軸が同軸となるようにすること
ができる。
【0008】レンズホルダ31,32の互いに対向する
前部31b,32bは、円筒の内孔に向けて円錐面状を
なすように形成されており、この円錐面の断面のテーパ
ー角は例えば45度程度に設定されている。このため、
レンズホルダ31,32の前部31b,32bの先端は
円状の尖った縁状の当接縁となっている。
【0009】上記のような構成の心取り機を用いて、ベ
ルクランプ式により、まずレンズの心出しを行う。その
ため、磨き加工までのレンズ面加工を終了した心取り前
レンズLを、図4(A)に示すように、レンズホルダ3
1,32の間に入れる。この場合、心取り前レンズLは
球面状のレンズ面S1 とS2 を有し、レンズ面S1 の曲
率半径はR1 となっており曲率中心はO1 にある。ま
た、レンズ面S2 の曲率半径はR2 となっており曲率中
心はO2 にある。また、レンズLの真の光軸はA2 だ
が、心取り前ではレンズLの外径中心軸はA3 であり、
両者は一致していない。
【0010】次に、図4(B)に示すように、心取り前
レンズLの両側をレンズホルダ31,32で挟み込み、
各レンズ面S1 ,S2 にレンズホルダ31,32の前部
31b,32bの先端の当接縁を当接させ、所定の力
(以下、「クランプ圧」という。)で押圧する。この場
合、レンズ面S2 が球面でありレンズホルダ31の前部
31bの当接縁と線接触しかつ接触線が円をなすこと、
及びレンズ面S1 が球面でありレンズホルダ32の前部
32bの当接縁と線接触しかつ接触線が円をなすことか
ら、クランプ圧により心取り前レンズL自身がレンズホ
ルダ31,32間で滑り運動を行い、心取り前レンズL
の光軸A2 が加工機軸A1 と合致する位置まで動き、そ
の位置で安定し保持される。これにより、心取り前レン
ズLの心出しが自動的に行われる。
【0011】この心出しの状態を維持したまま、心取り
機に設けられた回転砥石(図示せず)等により、心取り
前レンズLの不要な外径部C1 ,C2 を所要量研削して
心取りを行えば、心取り前にはD1 であったレンズ直径
を、所要のレンズ直径D2 とすることができる。また、
この心取り後は、レンズLの外径中心軸がレンズLの光
軸A2 と合致する。
【0012】次に、上記した心取り機の具体的な構成の
例について説明する。図5は、従来の心取り機の構成を
示す側方からの断面図である。図に示すように、この心
取り機100は、レンズ心出し用保持装置200とレン
ズ心取り用研削装置300を備えて構成されている。レ
ンズ心出し用保持装置200は、金属等からなる本体2
01と、クランプ部202と、クランプ圧機構203
と、回転駆動機構204を有している。また、クランプ
圧機構203は、クランプ圧発生装置20とクランプ圧
調整装置10Eを有している。
【0013】また、クランプ部202は、上記したレン
ズホルダ31,32と、スピンドル41,42を有して
いる。レンズホルダ31は、心出し前レンズLのレンズ
面S2 をベルクランプ式に保持するための保持具であ
る。このレンズホルダ31の後端にはスピンドル41が
螺合によって取り付けられている。一方、スピンドル4
1の端部のうちレンズホルダ31とは逆側の端部41a
は、本体201に略円柱状に凹設された軸支用凹部20
1aに挿入され、軸支されている。
【0014】また、他のレンズホルダ32は、心出し前
レンズLのレンズ面S1 をベルクランプ式に保持するた
めの保持具である。このレンズホルダ32の後端にはス
ピンドル42が螺合によって取り付けられている。スピ
ンドル42の中間部は、本体201に設けられた軸支用
凸部201bの頂面上に載置され、この頂面に略半柱状
に凹設された軸支面(図示せず)によって軸支されてい
る。また、スピンドル42の端部のうちレンズホルダ3
2とは逆側の端部42aは、クランプ圧発生装置20の
押圧具29(後述)の一端に略円柱状に凹設された軸支
用凹部29aに挿入され、軸支されるとともに図5の左
方へ押圧可能な構成となっている。
【0015】上記のように構成されているので、押圧具
29(後述)により、スピンドル42の端部42aに図
5の左方へ向かう押圧力(クランプ圧)を作用させれ
ば、このクランプ圧により、レンズホルダ31,32
は、上記したベルクランプ式の心出しを行う。
【0016】また、スピンドル42には、回転駆動機構
204が取り付けられている。回転駆動機構204は、
例えば、モータ等の回転駆動源と、回転駆動源の回転駆
動力をスピンドル42に伝達する伝動機構を有する機構
である。伝動機構としては、歯車列により回転を伝達す
る機構や、チェーン車とチェーン等により回転を伝達す
る巻掛け伝動機構等が用いられる。
【0017】上記のように構成されているので、図示し
ない回転駆動源により回転駆動機構204を回転させれ
ば、この回転駆動力により、レンズホルダ31,32
は、ベルクランプ式の心出しを行った状態で、例えば図
において矢印で示されている方向へ回転する。
【0018】クランプ圧発生装置20は、本体201に
略円柱状に開設されたクランプ用孔201c内に配置さ
れ、押圧具29と、押圧具29の端部のうち軸支用凹部
29aとは逆側の端部に接続されたバネ28と、バネ2
8の他端に接続された可動体27を有している。
【0019】押圧具29は、略円柱状で、クランプ用孔
201c内を移動可能な寸法に形成され、前述したよう
に、その一端に略円柱状に凹設された軸支用凹部29a
を有している。この軸支用凹部29aには、スピンドル
42の端部42aが挿入可能となっている。バネ28
は、鋼等の弾性材料からなる線材を円柱側面に螺旋状に
巻回して形成した弦巻バネである。また、バネ28は、
圧縮することにより縮み量に応じた弾性反発力を発生す
る圧縮バネである。
【0020】可動体27は、略円柱状に形成され側面に
雄ネジ27cが形成された軸部27aと、軸部27aの
後尾に接続され略六角柱状に形成された嵌合端27bを
有している。一方、クランプ用孔201cの後部の内壁
には雌ネジ201dが形成されており、可動体27の雄
ネジ27cと螺合するように構成されている。また、可
動体27の嵌合端27bの端部は、クランプ圧調整装置
10Eの回動軸26の嵌合部26a(後述)に略六角柱
状に凹設された六角状凹部26bに挿入され、嵌合可能
となっている。
【0021】上記のように構成されているので、可動体
27を軸まわりのいずれかの方向(例えば、嵌合端27
b側から見て右回りの方向)に回動させれば、可動体2
7を図5の左方へ移動させることができる。これにより
バネ28を図5の左方へ圧縮させることができ、バネ2
8の圧縮変形に伴う弾性反発力により押圧具29に図5
の左方への押圧力(クランプ圧)を付与することができ
る。
【0022】次に、クランプ圧調整装置10Eの構成に
ついて図5及び図6を参照しつつ説明する。図6は、図
5に示すクランプ圧調整装置10Eの構成を示す背面か
らの断面図である。図に示すように、クランプ圧調整装
置10Eは、本体201内に形成された空洞201g内
に収容された回動軸26と、回動軸26に取り付けられ
たピニオン歯車24と、回動軸26に垂直な方向に延設
された可動体23と、可動体23の下端23bに接続す
るバネ25と、可動体23の上端23aに接続するバネ
22と、バネ22に接続する調節ネジ21を有してい
る。
【0023】回動軸26の前端は嵌合部26aとなって
おり、嵌合部26aに形成された六角状凹部26bに
は、前述したように、可動体27の後尾の嵌合端27b
が嵌合している。したがって、回動軸26の回動により
嵌合部26aが回動すると、それに伴って嵌合端27b
も同じ方向に回動する。ただし、可動体27の嵌合端2
7bは、六角状凹部26b内において、軸方向(図5の
左右方向)には拘束されずに移動可能な構成となってい
る。
【0024】可動体23は、略棒状の部材であり、その
中間にラック23cが形成されている。ラック23cの
歯は、図6に示すようにピニオン歯車24の歯と噛み合
っている。また、可動体23の下端23bは、本体20
1に凹設された支持用凹部201h内に挿入され、バネ
25により支持されている。バネ25は、鋼等の弾性材
料からなる線材を円柱側面に螺旋状に巻回して形成した
弦巻バネであり、かつ、圧縮量に応じて弾性反発力を発
生する圧縮バネである。
【0025】また、可動体23の上端23aは、本体2
01に開設された貫通孔である調節用孔201e内に挿
入され、バネ22に接続している。バネ22は、鋼等の
弾性材料からなる線材を円柱側面に螺旋状に巻回して形
成した弦巻バネであり、かつ、圧縮量に応じて弾性反発
力を発生する圧縮バネである。したがって、可動体23
は、支持用凹部201hと調節用孔201eにガイドさ
れ、バネ22に加えられる圧縮力に応じて図5の上下方
向に移動可能な構成となっている。
【0026】調節ネジ21は、頭部21aと軸部21b
を有している。軸部21bの側面には雄ネジ21cが形
成されている。一方、調節用孔201eの上部開口付近
の内壁には雌ネジ201fが形成されており、調節ネジ
21の雄ネジ21cがこの雌ネジ201fに螺合するよ
うになっている。また、調節ネジ21の頭部21aの頂
面には、略六角柱状に凹設された六角状凹部21dが形
成されている。
【0027】上記のように構成されているので、調節ネ
ジ21の六角状凹部21dに嵌合可能な六角形状の挿入
部を有する回動用工具Tを差し込んで軸まわりのいずれ
かの方向に回動させれば、調節ネジ21の下端が下降
し、これによりバネ22を図5,6の下方へ圧縮させる
ことができ、これに伴い可動体23を図5,6の下方へ
移動させることができる。可動体23が図6の下方に移
動すると、図6に示すように、ラック23cの下降に伴
いピニオン歯車24が図における矢印方向に回動する。
このため、嵌合端27bが嵌合端27b側から見て右回
りの方向に回動し、これに伴い、上記した作用により、
押圧具29に図5の左方への押圧力が付与される。した
がって、この押圧力をクランプ圧としてレンズホルダ3
1,32が、心取り前レンズLを各レンズ面S2 ,S1
側から挟み込むため、ベルクランプ式の心出しが行われ
る。上記の回動用工具Tの回動方向と回動量を適宜調節
することにより、クランプ圧を調整することが可能とな
る。
【0028】また、レンズ心取り用研削装置300は、
スピンドル41,42の中心軸に対して平行となる軸の
まわりにモータ等の回転駆動源(図示せず)により回転
駆動される回転駆動軸301と、回転駆動軸301に回
転可能に取り付けられた略円盤状の研削具302を有し
ている。研削具302の外周面にはダイヤモンド砥粒等
が付着され、砥面が形成されている。回転駆動軸301
は、駆動機構(図示せず)により、回転しつつ図上の上
下方向及び左右方向へ移動可能な構成となっている。
【0029】上記のように構成されているので、図示し
ない回転駆動源により回転駆動軸301を回転させれ
ば、この回転駆動力により、研削具302は、例えば図
において矢印で示されている方向へ回転する。また、図
示しない駆動機構により、研削具302を回転させた状
態のまま、心取り前レンズLの方向へ接近させることが
できる。したがって、心出しされた状態の心取り前レン
ズLを回転駆動機構204によって回転させながら、回
転する研削具302により心取り前レンズLの外径部を
研削することにより、心取りを行うことができる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の心出し方法では、ベルクランプ式のクランプの
圧力を、調節ネジ21の回動に伴うバネ28の圧縮力に
よって得ているが、 調節ネジ21を回動させた角度によってクランプ圧を
把握しようとした場合、回動の基準位置を定める必要が
あるが、ネジは回動するとともに昇降するため、基準位
置を定めることが困難であること、 調節ネジ21の1回転の範囲内であれば、マーキング
を行うことにより、ある位置からの回動角度を把握する
ことは容易だが、調節ネジ21が1回転をこえるとマー
キング位置が重複する場合などが起こり、読み取りが困
難になったり煩雑になったりすること、 等の理由から、調節ネジ21の回動によりクランプ圧を
定量的に管理することは非常に困難であった。
【0031】したがって、ある形状・寸法のレンズの心
出しが所定のクランプ圧で良好に行われることが既知で
あったとしても、同種のレンズの心出しに際して、調節
ネジ21の回動の方向や量によって所望のクランプ圧に
なるよう正確に調整することは実際上できなかった。こ
の場合、作業を簡素化するためクランプ圧の実測を行わ
ずに作業者の経験や勘に頼って心出しを行えば、クラン
プ圧の再現性が悪いため、心出しの精度や心取り加工の
品質のバラツキが大きくなる、という問題があり、一
方、正確を期すためその都度レンズへのクランプ圧を測
定し確認しながら心出しを行えば、測定時間や手間がか
かり、レンズの製造効率が低下し、ひいては製造コスト
が増大する、という問題があった。
【0032】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、バ
ネ圧縮力によりクランプ圧(保持圧)を発生させてベル
クランプ式心出しを行う光学素材心出し用保持装置にお
いて、保持圧を容易かつ定量的に計測し得る保持圧調整
装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る光学素材心出し用保持装置の保持圧調
整装置は、光学材料からなり互いに背向する2つの球面
状の光学的機能面を有する光学素材の前記光学的機能面
の各々に当接可能な円状の当接縁を先端に有する2つの
保持具と、変形により前記2つの保持具を前記光学素材
に向けて押圧する固体弾性体とを有し、前記弾性体の押
圧力である保持圧により前記光学素材を前記2つの保持
具の当接縁の間に挟み込んで保持しベルクランプ式によ
り前記光学素材の心出しを行う光学素材心出し用保持装
置において、前記保持圧を調整する光学素材心出し用保
持装置の保持圧調整装置であって、不動位置に固定され
る固定部と、前記固定部に設けられた貫通孔から突出又
は収容可能に挿入され、前記固定部からの突出量に応じ
て前記固体弾性体の変形量を設定する可動部と、前記固
定部と前記可動部との相対的な位置の差を目視可能に表
示することにより、前記保持圧を定量的に計測可能とす
る表示部を備えたことを特徴とする。
【0034】上記の光学素材心出し用保持装置の保持圧
調整装置において、好ましくは、前記固定部は、螺合に
より前記光学素材心出し用保持装置に固定され、かつ、
前記可動部は、前記貫通孔に螺合され、前記螺合の軸ま
わりの回動により前記固定部から突出又は収容可能に構
成される。
【0035】また、上記の光学素材心出し用保持装置の
保持圧調整装置において、好ましくは、前記表示部は目
盛を有し、前記目盛の読み値により前記固定部に対する
前記可動部の移動量を表示する。
【0036】また、上記の光学素材心出し用保持装置の
保持圧調整装置において、好ましくは、前記固定部は、
側面に前記目盛を有し、かつ、前記可動部は、前記可動
部の移動に応じて前記目盛を隠蔽することにより前記読
み値を指示する隠蔽手段を有する。
【0037】また、上記の光学素材心出し用保持装置の
保持圧調整装置において、好ましくは、前記可動部は、
側面に前記目盛を有し、かつ、前記固定部は、前記可動
部の移動に応じて前記目盛を隠蔽することにより前記読
み値を指示する隠蔽手段を有する。
【0038】また、上記の光学素材心出し用保持装置の
保持圧調整装置において、好ましくは、前記目盛は、正
尺と副尺とを有し、ノギスの原理により前記読み値を指
示する。
【0039】また、上記の光学素材心出し用保持装置の
保持圧調整装置において、好ましくは、前記目盛は、正
尺と副尺とを有し、マイクロメーターの原理により前記
読み値を指示する。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0041】(1)第1実施形態 図1は、本発明の第1実施形態であるクランプ圧調整装
置の構成を示す図であり、図1(A)は一部欠截側面図
を、図1(B)は目盛付近の構成を示す拡大側面図を、
それぞれ示している。
【0042】図1に示すように、このクランプ圧調整装
置10Aは、従来のクランプ圧調整装置10Eにおける
調節ネジ21(図5,6参照)を除去し、そのかわりに
固定部11Aと、可動部12Aと、押圧板15を備える
ことにより構成されている。また、クランプ圧調整装置
10Aは、上記の構成要素のほか、従来のクランプ圧調
整装置10Eと同様、バネ22と、可動体23と、ピニ
オン歯車24と、回動軸26を備えている。
【0043】クランプ圧調整装置10Aのうち、バネ2
2と、可動体23と、ピニオン歯車24と、回動軸26
については、従来のクランプ圧調整装置10Eの場合と
同様の構成及び作用を有しているので、その説明は省略
し、固定部11Aと、可動部12Aと、押圧板15の構
成及び作用について以下に説明を行う。
【0044】固定部11Aは、金属材料、セラミックス
材料、合成樹脂材料等からなる略ネジ状の部材であり、
略円柱状の頭部11aと、頭部11aに接続する略円柱
状の軸部11bを有している。この頭部11aの外径
は、軸部11bの外径よりも大きくなっている。また、
固定部11Aには、軸方向に頭部11aと軸部11bの
中央部付近を貫通する略円柱状の貫通孔11dが形成さ
れている。貫通孔11dの内壁には、雌ネジが形成され
ている。
【0045】また、固定部11Aの頭部11aの頂面に
は、略六角柱状に凹設された六角状凹部11mが形成さ
れている。頭部11aの側面には、図1(B)に示すよ
うに、平行な目盛11eが設けられている。また、軸部
11bの側面には雄ネジ11cが形成されている。この
雄ネジ11cは、従来の調節ネジ21が螺合していた本
体201の調節用孔201eの上部内壁の雌ネジ201
dに螺合可能となっている。
【0046】可動部12Aは、略ネジ状の部材である可
動体13と、略円筒状の部材であるカバー14Aを有し
ている。可動体13は、金属材料、セラミックス材料、
合成樹脂材料等からなる部材であり、略円柱状の頭部1
3aと、頭部13aに接続する略円柱状の軸部13bを
有している。
【0047】可動体13の頭部13aの外径は、軸部1
3bの外径よりも大きな値となっている。また、可動体
13の頭部13aの外径は、固定部11Aの頭部11a
の外径よりも大きな値となっている。可動体13の頭部
13aの頂面13fには、略六角柱状に凹設された六角
状凹部13gが形成されている。
【0048】また、可動体13の頭部13aの側面13
eには、側面13eを円環状に取り巻き、略「L」字状
の断面形状に凹設された係合用凹部13dが形成されて
いる。さらに、可動体13の軸部13bの側面には雄ネ
ジ13cが形成されている。この雄ネジ13cは、固定
部11Aの貫通孔11dの内壁に形成されている雌ネジ
に螺合可能となっている。
【0049】また、カバー14Aは、金属材料、セラミ
ックス材料、合成樹脂材料等からなる部材である。カバ
ー14Aの略円筒状部材の上端は、円筒の中心方向に略
「L」字状に屈曲した係止端14aとなっており、カバ
ー14Aを図1(A)の下方から可動体13の頭部側面
13eに嵌合させることにより、係止端14aを可動体
13の係合用凹部13dに係止可能となっている。
【0050】このため、カバー14Aは、弾性に富む合
成樹脂材料等で形成することが望ましい。あるいは、カ
バー14Aを完全な円筒状に形成せず、側面の一部を端
から端まで切除し、軸に直角な平面で切断した断面形状
が略「C」字状となるような形状とするか、略半円筒状
に形成し、より嵌合しやすい形状としてもよい。また、
カバー14Aの先端14b付近の内径は、固定部11A
の頭部11aを外側から被覆可能な内径となっている。
【0051】また、押圧板15は、金属材料、セラミッ
クス材料、合成樹脂材料等からなる略円盤状の部材であ
り、その外径は、本体201の調節用孔201eの内径
よりも小さく、またバネ22の外径よりも大きく、かつ
可動部12Aの可動体13の軸部13bの下端の外径よ
りも大きくなっている。
【0052】上記のような構成により、まず本体201
の調節用孔201e内にバネ22を入れ、バネ22の上
に押圧板15を載置した後に、固定部11Aの頭部11
aの頂面の六角状凹部11mに嵌合可能な六角形状の挿
入部を有する回動用工具(図示せず)を差し込んで軸ま
わりのいずれかの方向に回動させれば、固定部11Aの
軸部11bの側面の雄ネジ11cを、本体201の調節
用孔201eの上部内壁の雌ネジ201dに螺合させて
ねじ込むことができる。
【0053】このねじ込み操作を続けていくと、固定部
11Aは、頭部11aの下面が本体201の上面に密接
する位置で固定される。この際、押圧板15は、固定部
11Aの軸部11bの下端によりバネ22に押し付けら
れた状態となっている。
【0054】次に、この状態で、可動部12Aの可動体
13の頭部13aの頂面の六角状凹部13gに嵌合可能
な六角形状の挿入部を有する回動用工具(図示せず)を
差し込んで軸まわりのいずれかの方向に回動させれば、
可動部12Aの可動体13の軸部13bの側面の雄ネジ
13cを、固定部11Aの貫通孔11dの内壁の雌ネジ
に螺合させてねじ込むことができる。
【0055】このねじ込み操作を続けていくと、可動部
12Aの可動体13の軸部13bの下端は、固定部11
Aの貫通孔11dを下降し、さらにねじ込むと、固定部
11Aの軸部11bの下端から下方へ突出する。この
際、固定部11Aの軸部11bの下端にバネ22により
押し付けられていた押圧板15を、バネ22の反発力に
抗して押し下げる。これにより、バネ22はさらに大き
な弾性反発力を発生させ、この弾性反発力が上記したク
ランプ部202(図5参照)におけるベルクランプ式の
心出しのクランプ圧となる。
【0056】一方、上記した突出状態から、上記の回動
用工具を用いて、可動部12Aの可動体13の頭部13
aを軸まわりに上記とは逆の方向に回動させれば、可動
部12Aの可動体13の軸部13bの下端は上昇し、さ
らに同じ方向に回動させると、可動部12Aの可動体1
3の軸部13bの下端は、固定部11Aの軸部11bの
下端から貫通孔11dの内部へ収容される。
【0057】したがって、可動部12Aの可動体13の
軸まわりの回動方向及び回動量を適宜調整することによ
り、可動部12Aの可動体13の軸部13bの下端が固
定部11Aの軸部11bの下端から突出している長さ
(以下、「可動部下端突出量」という。)を調整するこ
とができ、これにより、クランプ部202(図5参照)
におけるベルクランプ式の心出しのクランプ圧を調整す
ることができる。
【0058】この際、図1(A)に示すように、可動部
12Aのカバー14Aは、固定部11Aの頭部11aの
一部を覆う状態となっている。したがって、可動部12
Aのカバー14Aの先端(下端)14bは、図1(B)
に示すように、可動部下端突出量に応じて、図の下方へ
移動し、固定部11Aの頭部11aの側面に形成された
目盛11eを、その上方から下方へ向けて隠蔽する。例
えば、図1(B)においては、可動部12Aのカバー1
4Aの先端14bは、目盛11eの8と9のほぼ中間付
近まで下降しており、この場合は、目盛は、約8.5で
あると読み取ることができる。
【0059】この目盛11eの読み値は、そのままクラ
ンプ圧値を示すわけではない。しかし、この目盛11e
の読み値は、本体201の上面位置に固定された固定部
11Aの位置を基準とした可動体13の下端の位置を示
す。目盛11eの基準となる固定部11Aの位置は不動
位置であるから、目盛11eの読み値が等しい場合に
は、可動部下端突出量はつねに等しい。すなわち、同じ
目盛位置にセットすれば、同一の可動部下端突出量の状
態をつねに再現することができる。
【0060】また、固定部11Aの位置は不動位置であ
るから、ある場合に目盛11eの読み値がQ1 であり、
他の場合に目盛11eの読み値がQ2 であったとし、Q
2 >Q1 であったとすると、読み値の差(Q2 −Q1 )
は、その間に移動した可動体13の下端の移動量に比例
している。目盛11eの1つの線の間隔を1ミリメート
ルとすれば、読み値の差(Q2 −Q1 )は、その間に移
動した可動体13の下端の移動量に等しくなる。
【0061】可動部下端突出量は、固定部11Aの軸部
11bの下端を基準としたバネ22の圧縮量に等しい。
一般に、バネは、その弾性範囲内においては、バネの変
形量に比例した弾性反発力を発生する。この場合、バネ
22は圧縮バネであり、バネ22の圧縮量に比例した弾
性反発力が発生することになる。この弾性反発力は、ベ
ルクランプ式心出しのクランプ圧値に等しい。したがっ
て、目盛11eの読み値により、クランプ圧値を定量的
に管理することが可能となる。
【0062】すなわち、ある形状・寸法のレンズの心出
しが所定のクランプ圧で良好に行われ、その際の目盛1
1eの読み値がQ3 であったとする。次に、全く同一形
状・寸法の他のレンズについて心出しを行う場合には、
可動体13を回動させ、目盛11eの読み値がQ3 とな
るように調整するだけでよい。上記したように、目盛1
1eが同一読み値の場合には、可動部下端突出量の状態
はつねに同一であるから、クランプ圧値も前回の値が再
現されるのである。
【0063】また、上記したように、目盛11eの読み
値と、実際のクランプ圧との間には比例関係がある。し
たがって、目盛11eの読み値がQ4 であったときに、
実際のクランプ圧値を計測して値P4 を得たとすると、
クランプ圧値の値をPx に設定したい場合には、比例計
算により、設定すべき目盛位置Qx は、下式 Qx =Px ・Q4 /P4 のように算出することができる。また、目盛11eを、
このようにして換算したクランプ圧値の値そのものにな
るようにしてもよい。このようにすれば、目盛11eの
読み値がそのままクランプ圧値となるので、非常に簡易
であり、かつ換算ミス等がなくなるため正確である。
【0064】また、上記のように、1つのクランプ圧値
のみを実測し、それをもとにして比例換算を行い、読み
値がそのままクランプ圧値となるような目盛11eを作
成してもよいが、多数のクランプ圧の実測値に基づいて
目盛11eを作成してもよい。図5,6に示した機構に
おいては、摩擦やがたつき、バネのへたり等により、目
盛11eの読み値と、実際のクランプ圧とが完全な比例
関係とならない場合も考えられるからである。
【0065】上記のようにして、例えば、目盛11eの
読み値がそのままクランプ圧値を示すようにすれば、可
動体13の回動のみによって所望のクランプ圧の状態と
なるように調整することができ、心出し作業が簡素化さ
れ、心出し作業時間が短縮されるためレンズの製造効率
が向上し、製造コストを低減させることができる、とい
う利点がある。
【0066】(2)第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態について説明する。図2
は、本発明の第2実施形態であるクランプ圧調整装置の
構成を示す図であり、図2(A)は一部欠截側面図を、
図2(B)は目盛付近の構成を示す拡大側面図を、それ
ぞれ示している。
【0067】図2に示すように、このクランプ圧調整装
置10Bは、従来のクランプ圧調整装置10Eにおける
調節ネジ21(図5,6参照)を除去し、そのかわりに
固定部11Bと、可動部12Bと、押圧板15を備える
ことにより構成されている。また、クランプ圧調整装置
10Bは、上記の構成要素のほか、従来のクランプ圧調
整装置10Eと同様、バネ22と、可動体23と、ピニ
オン歯車24と、回動軸26を備えている。
【0068】クランプ圧調整装置10Bのうち、バネ2
2と、可動体23と、ピニオン歯車24と、回動軸26
については、従来のクランプ圧調整装置10Eの場合と
同様の構成及び作用を有しているので、その説明は省略
する。また、押圧板15は、上記した第1実施形態のク
ランプ圧調整装置10Aにおけるものとまったく同様の
構成及び作用を有しているので、その説明も省略する。
したがって、以下においては、固定部11Bと可動部1
2Bの構成及び作用についてその説明を行う。
【0069】固定部11Bは、略ネジ状の部材11A′
と、略円筒状のカバー16を有している。略ネジ状部材
11A′は、金属材料、セラミックス材料、合成樹脂材
料等からなり、略円柱状の頭部11a′と、頭部11a
に接続する略円柱状の軸部11bを有している。略ネジ
状部材11A′が、第1実施形態のクランプ圧調整装置
10Aにおける固定部11Aと異なる点は、頭部11a
のかわりに異なる頭部11a′を有する点であり、軸部
11bの構成は、第1実施形態のクランプ圧調整装置1
0Aの場合とまったく同様である。以下、頭部11a′
に関連する構成について説明を行う。
【0070】略ネジ状部材11A′の頭部11a′の外
径は、軸部11bの外径よりも大きくなっている。ま
た、略ネジ状部材11A′の頭部11a′の頂面には、
略六角柱状に凹設された六角状凹部11mが形成されて
いる。また、第1実施形態のクランプ圧調整装置10A
の場合とは異なり、頭部11a′の側面には、目盛は設
けられていない。
【0071】そして、第1実施形態のクランプ圧調整装
置10Aの場合とは異なり、頭部11a′の側面の下端
付近には、この部分を円環状に取り巻き、略長方形断面
に凹設された係合用凹部11fが形成されている。ま
た、略ネジ状部材11A′には、軸方向に頭部11a′
と軸部11bの中央部付近を貫通する略円柱状の貫通孔
11dが形成されている。この貫通孔11dの内壁には
雌ネジが形成されている。
【0072】カバー16は、金属材料、セラミックス材
料、合成樹脂材料等からなる部材である。カバー16の
略円筒状部材の下端は、円筒の中心方向に略「L」字状
に屈曲した係止端16aとなっており、カバー16を図
2(A)の下方から略ネジ状部材11A′の頭部11
a′の側面下端に嵌合させることにより、係止端16a
を略ネジ状部材11A′の頭部11a′の係合用凹部1
1fに係止可能となっている。
【0073】また、カバー16の先端16b付近の内径
は、略ネジ状部材11A′の頭部11a′の外径よりも
大きく、かつ後述するカバー14Bの先端14b付近の
外径よりも大きくなっている。このため、略ネジ状部材
11A′の頭部11a′の側面と、カバー16の円筒部
分との間には、略円筒状の空隙11gが形成され、後述
するカバー14Bの円筒状部分がこの空隙11g内に挿
入可能となっている。
【0074】可動部12Bは、略ネジ状の部材である可
動体13と、略円筒状の部材であるカバー14Bを有し
ている。可動部12Bが、第1実施形態のクランプ圧調
整装置10Aにおける可動部12Aと異なる点は、カバ
ー14Aのかわりに異なるカバー14Bを有する点であ
り、可動体13の構成は、第1実施形態のクランプ圧調
整装置10Aの場合とまったく同様である。以下、カバ
ー14Bに関連する構成について説明を行う。
【0075】カバー14Bは、金属材料、セラミックス
材料、合成樹脂材料等からなる部材である。第1実施形
態のクランプ圧調整装置10Aの場合とは異なり、カバ
ー14Bの側面には、図2(B)に示すように、平行な
目盛14cが設けられている。また、カバー14Bの略
円筒状部材の上端は、円筒の中心方向に略「L」字状に
屈曲した係止端14aとなっており、カバー14Bを図
2(A)の下方から可動体13の頭部側面13eに嵌合
させることにより、係止端14aを可動体13の係合用
凹部13dに係止可能となっている。
【0076】このため、カバー14Bは、弾性に富む合
成樹脂材料等で形成することが望ましい。あるいは、カ
バー14Bを完全な円筒状に形成せず、側面の一部を端
から端まで切除し、軸に直角な平面で切断した断面形状
が略「C」字状となるような形状とするか、略半円筒状
に形成し、より嵌合しやすい形状としてもよい。また、
カバー14Bの径は、先端14bを含む円筒状部分が固
定部11Bの空隙11g内に挿入可能な径となってい
る。
【0077】上記のような構成により、まず本体201
の調節用孔201e内にバネ22を入れ、バネ22の上
に押圧板15を載置した後に、略ネジ状部材11A′に
カバー16を装着して構成した固定部11Bの頭部11
a′の頂面の六角状凹部11mに嵌合可能な六角形状の
挿入部を有する回動用工具(図示せず)を差し込んで軸
まわりのいずれかの方向に回動させれば、固定部11B
の軸部11bの側面の雄ネジ11cを、本体201の調
節用孔201eの上部内壁の雌ネジ201dに螺合させ
てねじ込むことができる。
【0078】このねじ込み操作を続けていくと、固定部
11Bは、頭部11a′の下面が本体201の上面に密
接する位置で固定される。この際、押圧板15は、固定
部11Bの軸部11bの下端によりバネ22に押し付け
られた状態となっている。
【0079】次に、この状態で、可動部12Bの可動体
13の頭部13aの頂面の六角状凹部13gに嵌合可能
な六角形状の挿入部を有する回動用工具(図示せず)を
差し込んで軸まわりのいずれかの方向に回動させれば、
可動部12Bの可動体13の軸部13bの側面の雄ネジ
13cを、固定部11Bの貫通孔11dの内壁の雌ネジ
に螺合させてねじ込むことができる。
【0080】このねじ込み操作を続けていくと、可動部
12Bの可動体13の軸部13bの下端は、固定部11
Bの貫通孔11dを下降し、さらにねじ込むと、固定部
11Bの軸部11bの下端から下方へ突出する。この
際、固定部11Bの軸部11bの下端にバネ22により
押し付けられていた押圧板15を、バネ22の反発力に
抗して押し下げる。これにより、バネ22はさらに大き
な弾性反発力を発生させ、この弾性反発力が上記したク
ランプ部202(図5参照)におけるベルクランプ式の
心出しのクランプ圧となる。
【0081】一方、上記した突出状態から、上記の回動
用工具を用いて、可動部12Bの可動体13の頭部13
aを軸まわりに上記とは逆の方向に回動させれば、可動
部12Bの可動体13の軸部13bの下端は上昇し、さ
らに同じ方向に回動させると、可動部12Bの可動体1
3の軸部13bの下端は、固定部11Bの軸部11bの
下端から貫通孔11dの内部へ収容される。
【0082】したがって、可動部12Bの可動体13の
軸まわりの回動方向及び回動量を適宜調整することによ
り、可動部12Bの可動体13の軸部13bの下端が固
定部11Bの軸部11bの下端から突出している長さ
(以下、「可動部下端突出量」という。)を調整するこ
とができ、これにより、クランプ部202(図5参照)
におけるベルクランプ式の心出しのクランプ圧を調整す
ることができる。
【0083】この際、図2(A)に示すように、可動部
12Bのカバー14Bは、固定部11Bの空隙11g内
に挿入していく。したがって、可動部12Bのカバー1
4Bの先端(下端)14bは、図2(B)に示すよう
に、可動部下端突出量に応じて、図の下方へ移動し、固
定部11Bのカバー16の先端(上端)16bは、カバ
ー14Bの側面に形成された目盛14cを、その下方か
ら上方へ向けて隠蔽する。例えば、図2(B)において
は、可動部12Bのカバー14Bの先端14bは、目盛
14cの6と7のほぼ中間付近まで下降しており、この
場合は、目盛は、約6.5であると読み取ることができ
る。
【0084】この目盛14cの読み値についても、上記
した第1実施形態のクランプ圧調整装置10Aにおける
目盛11cとまったく同様の原理により、目盛14cの
同じ目盛位置にセットすれば、同一の可動部下端突出量
の状態をつねに再現することができ、かつ、目盛14c
の読み値の差は、その間に移動した可動体13の下端の
移動量に比例している。そして、第1実施形態のクラン
プ圧調整装置10Aにおける目盛11cの場合とまった
く同様にして、目盛14cの読み値により、クランプ圧
値を定量的に管理することが可能となる。
【0085】さらに、目盛14cがある読み値の場合の
実際のクランプ圧値を計測することにより、比例計算に
よって、設定すべき目盛位置を知ることもできる。ま
た、このような換算値により、あるいはクランプ圧値の
多数の実測値に基づいて、目盛14cの読み値を、クラ
ンプ圧値そのものになるようにしてもよい。このように
すれば、非常に簡易であり、かつ換算ミス等がなくなる
ため正確である。
【0086】上記のようにして、例えば、目盛14cの
読み値がそのままクランプ圧値を示すようにすれば、第
1実施形態のクランプ圧調整装置10Aの場合と同様
に、可動体13の回動のみによって所望のクランプ圧の
状態となるように調整することができ、心出し作業が簡
素化され、心出し作業時間が短縮されるためレンズの製
造効率が向上し、製造コストを低減させることができ
る、という利点がある。
【0087】(3)他の実施形態 次に、本発明の他の実施形態について説明する。図3
は、本発明の他の実施形態の構成を示す図であり、図3
(A)は本発明の第3実施形態であるクランプ圧調整装
置の一部欠截側面図を、図3(B)は図3(A)に示す
クランプ圧調整装置の目盛付近の構成を示す拡大側面図
を、図3(C)は本発明の第4実施形態であるクランプ
圧調整装置の目盛付近の構成を示す拡大側面図を、それ
ぞれ示している。
【0088】図3(A),図3(B)に示すように、第
3実施形態のクランプ圧調整装置10Cは、従来のクラ
ンプ圧調整装置10Eにおける調節ネジ21(図5,6
参照)を除去し、そのかわりに固定部11Cと、可動部
12Cと、押圧板15を備えることにより構成されてい
る。また、クランプ圧調整装置10Cは、上記の構成要
素のほか、従来のクランプ圧調整装置10Eと同様、バ
ネ22と、可動体23と、ピニオン歯車24と、回動軸
26を備えている。
【0089】クランプ圧調整装置10Cのうち、バネ2
2と、可動体23と、ピニオン歯車24と、回動軸26
については、従来のクランプ圧調整装置10Eの場合と
同様の構成及び作用を有しているので、その説明は省略
する。また、押圧板15は、上記した第1実施形態のク
ランプ圧調整装置10Aにおけるものとまったく同様の
構成及び作用を有しているので、その説明も省略する。
したがって、以下においては、固定部11Cと可動部1
2Cの構成及び作用についてその説明を行う。
【0090】固定部11Cは、金属材料、セラミックス
材料、合成樹脂材料等からなる略円柱状の部材であり、
略円柱状の頭部11a”と、頭部11a”に接続し頭部
11a”よりも小径の略円柱状に形成された軸部11
b′と、取付ネジ17を有している。固定部11Cが、
第1実施形態のクランプ圧調整装置10Aにおける固定
部11Aと異なる点は、頭部11aのかわりに異なる頭
部11a”を有し、軸部11bのかわりに異なる軸部1
1b′を有し、かつ固定部11Cを後述する可動体1
3′に着脱する取付ネジ17を有する点である。
【0091】固定部11Cの頭部11a”の側面には、
平行な目盛11e′が設けられている。また、頭部11
a”の側面の下端付近には、この部分を円盤状に取り巻
き、略鍔状に形成された取付片11hが取り付けられて
いる。また、固定部11Cには、軸方向に頭部11a”
と軸部11b′の中央部付近を貫通する略円柱状の貫通
孔11d′が形成されている。この貫通孔11d′の内
壁には、第1実施形態のクランプ圧調整装置10Aの場
合とは異なり、雌ネジは形成されていない。
【0092】また、頭部11a”の側面には、頭部11
a”の側面から中心方向へ向けてネジ孔11jが開設さ
れている。このネジ孔11jには、取付ネジ17が螺合
可能となっている。この取付ネジ17は、カバー14C
の移動を妨げないように、頭部11a”にネジ頭部が埋
没する皿ネジ状に形成されてもよい。また、軸部11
b′の下端付近の側面には、円形リブ状の係止突起11
iが形成されている。この係止突起11iは、本体20
1の調節用孔201eの上部の内壁に設けられた係合用
凹部201f′に係止可能となっている。
【0093】可動部12Cは、略円柱状の部材である可
動体13′と、略円筒状の部材であるカバー14Cを有
している。可動部12Cが、第1実施形態のクランプ圧
調整装置10Aにおける可動部12Aと異なる点は、可
動体13のかわりに異なる可動体13′を有し、かつカ
バー14Aのかわりに異なるカバー14Cを有する点で
ある。
【0094】カバー14Cは、金属材料、セラミックス
材料、合成樹脂材料等からなる部材である。第1実施形
態のクランプ圧調整装置10Aの場合とは異なり、カバ
ー14Cの側面には、図3(B)に示すように、平行な
細かい目盛14eが設けられており、目盛11e′を正
尺とし目盛14eを副尺とするノギスの原理の計測器が
構成されている。
【0095】また、カバー14Cの側面の一部は、先端
14bから上端に向けて途中まで切除され、切欠部14
dが形成されている。また、カバー14Cの略円筒状部
材の上端は、円筒の中心方向に略「L」字状に屈曲した
係止端14aとなっており、カバー14Cを図3(A)
の下方から可動体13′の頭部側面13eに嵌合させる
ことにより、係止端14aを可動体13′の係合用凹部
13dに係止可能となっている。
【0096】このため、カバー14Cは、弾性に富む合
成樹脂材料等で形成することが望ましい。あるいは、カ
バー14Cを完全な円筒状に形成せず、側面の一部を端
から端まで切除し、軸に直角な平面で切断した断面形状
が略「C」字状となるような形状とするか、略半円筒状
に形成し、より嵌合しやすい形状としてもよい。また、
カバー14Cの先端14b付近の内径は、固定部11C
の頭部11a”を外側から被覆可能な内径となってい
る。
【0097】上記のような構成により、まず本体201
の調節用孔201e内にバネ22を入れ、バネ22の上
に押圧板15を載置した後に、固定部11Cの軸部11
b′を本体201の調節用孔201e内に挿入し、固定
部11Cの頭部11a”の頂面を押圧すれば、固定部1
1Cの軸部11b′を、本体201の調節用孔201e
内に押し込むことができる。
【0098】この押し込み操作を続けていくと、固定部
11Cは、頭部11a”と取付片11hの下面が本体2
01の上面に密接する位置で、軸部11b′の係止突起
11iが本体201の調節用孔201e内の係合用凹部
201f′に係止されて固定される。また、さらに、取
付片11hを本体201の上面にネジ止めしたり、溶接
や接着等によって固定してもよい。この際、押圧板15
は、固定部11Cの軸部11b′の下端によりバネ22
に押し付けられた状態となっている。
【0099】次に、この状態で、取付ネジ17を緩め、
可動部12Cの可動体13′の軸部13b′を固定部1
1Cの貫通孔11d′内に挿入し、可動体13′の頭部
13aの頂面を押圧すれば、可動体13′の軸部13
b′を、固定部11Cの貫通孔11d′内に押し込むこ
とができる。
【0100】この押し込み操作を続けていくと、可動体
13′の軸部13b′の下端は、固定部11Cの貫通孔
11d′を下降し、さらに押し込むと、固定部11Cの
軸部11b′の下端から下方へ突出する。この際、固定
部11Cの軸部11b′の下端にバネ22により押し付
けられていた押圧板15を、バネ22の反発力に抗して
押し下げる。この状態で取付ネジ17を締め付けて可動
体13′を固定部11Cに固定すると、バネ22は所定
の弾性反発力を発生させ、この弾性反発力が上記したク
ランプ部202(図5参照)におけるベルクランプ式の
心出しのクランプ圧となる。
【0101】一方、上記した突出状態から、取付ネジ1
7を緩めれば、可動部12Cの可動体13′の軸部13
b′の下端はバネ22の反発力によって上昇し、さらに
取付ネジ17を緩めると、可動部12Cの可動体13′
の軸部13b′の下端は、固定部11Cの軸部11b′
の下端から貫通孔11d′の内部へ収容される。
【0102】したがって、可動部12Cの可動体13′
の押し込み量を適宜調整することにより、可動部12C
の可動体13′の軸部13b′の下端が固定部11Cの
軸部11b′の下端から突出している長さ(以下、「可
動部下端突出量」という。)を調整することができ、取
付ネジ17の締付によりこの状態で固定すれば、クラン
プ部202(図5参照)におけるベルクランプ式の心出
しのクランプ圧を調整することができる。
【0103】この際、図3(A)に示すように、可動部
12Cのカバー14Cは、固定部11Cの頭部11a′
の一部を覆う状態となっている。したがって、可動部1
2Cのカバー14Cの先端(下端)14bは、図2
(B)に示すように、可動部下端突出量に応じて、図の
下方へ移動し、固定部11Cの頭部11a”の側面に形
成された目盛11e′上の読み値を指示する。例えば、
図3(B)においては、可動部12Cのカバー14Cの
先端14bは、目盛11e′の6と7の間の7寄よりの
位置付近まで下降しており、この場合は、目盛は、約
6.7程度であると読み取ることができる。
【0104】また、この際、図3(B)に示すように、
可動部12Cのカバー14Cの位置によって、固定部1
1Cの頭部11a”の側面に形成された目盛11e′
と、カバー14Cの側面に形成された微小目盛14e
は、相互にずれを生じる。このずれが一致する箇所の目
盛14eの値を読み取ることにより、ノギスの原理によ
り、目盛11e′の1目盛の1/10単位あるいは1/
100の単位の値を読み取ることができるようになって
いる。例えば、図3(B)においては、目盛11e′と
目盛14eは、目盛14eの80の位置で両方の目盛線
が一致しているため、この場合は、目盛は、6.80で
あると読み取ることができる。
【0105】この目盛11e′及び14eの読み値につ
いても、上記した第1実施形態のクランプ圧調整装置1
0Aにおける目盛11cとまったく同様の原理により、
目盛11e′及び14eの同一目盛位置にセットすれ
ば、同一の可動部下端突出量の状態をつねに再現するこ
とができ、かつ、目盛11e′及び14eの読み値の差
は、その間に移動した可動体13′の下端の移動量に比
例している。そして、第1実施形態のクランプ圧調整装
置10Aにおける目盛11cの場合とまったく同様にし
て、目盛11e′及び14eの読み値により、クランプ
圧値を定量的に管理することが可能となる。
【0106】さらに、目盛11e′及び14eがある読
み値の場合の実際のクランプ圧値を計測することによ
り、比例計算によって、設定すべき目盛位置を知ること
もできる。また、このような換算値により、あるいはク
ランプ圧値の多数の実測値に基づいて、目盛11e′及
び14eの読み値を、クランプ圧値そのものになるよう
にしてもよい。このようにすれば、非常に簡易であり、
かつ換算ミス等がなくなるため正確である。
【0107】上記のようにして、例えば、目盛11e′
及び14eの読み値がそのままクランプ圧値を示すよう
にすれば、第1実施形態のクランプ圧調整装置10Aの
場合と同様に、可動体13′の押し込みと取付ネジ17
による固定のみによって所望のクランプ圧の状態となる
ように調整することができ、心出し作業が簡素化され、
心出し作業時間が短縮されるためレンズの製造効率が向
上し、製造コストを低減させることができる、という利
点がある。
【0108】また、本発明は、さらに他の実施形態によ
っても実現可能である。図3(C)は、本発明の第4実
施形態であるクランプ圧調整装置の目盛付近の構成を示
す拡大側面図を示している。この第4実施形態のクラン
プ圧調整装置10Dが、上記した第1実施形態のクラン
プ圧調整装置10Aと異なる点は、固定部11Dの側面
の目盛11e上に基準線11kを設けた点と、可動部1
2Dのカバー14Dの先端14b付近の側面円周上に微
小な目盛14fを設けた点である。これにより、目盛1
1eを正尺とし、目盛14fを副尺とするマイクロメー
ターの原理の計測器が構成されている。
【0109】この場合、図3(C)に示すように、可動
部12Dのカバー14Dは、固定部11Dの頭部の一部
を覆う状態となっている。したがって、可動部12Dの
カバー14Dの先端(下端)14bは、図3(C)に示
すように、可動部下端突出量に応じて、図の下方へ移動
し、固定部11Dの頭部の側面に形成された目盛11e
上の読み値を指示する。例えば、図3(C)において
は、可動部12Dのカバー14Dの先端14bは、目盛
11eの7と8の間のやや8寄よりの位置付近まで下降
しており、この場合は、目盛は、約7.6程度であると
読み取ることができる。
【0110】また、この際、図3(C)に示すように、
可動部12Dのカバー14Dの位置によって、カバー1
4Cの側面の円周上に形成された微小目盛14fは、固
定部11Dの頭部の側面に形成された基準線11kに対
して移動する。この基準線11kの箇所の目盛14fの
値を読み取ることにより、マイクロメーターの原理によ
り、目盛11eの1目盛の1/10単位あるいは1/1
00の単位の値を読み取ることができるようになってい
る。例えば、図3(C)においては、基準線11kの位
置の目盛14fの読みは、約67程度であるため、この
場合は、目盛は、7.67であると読み取ることができ
る。
【0111】この目盛11e及び14fの読み値につい
ても、上記した第1実施形態のクランプ圧調整装置10
Aにおける目盛11cとまったく同様の原理により、目
盛11e及び14fの同一目盛位置にセットすれば、同
一の可動部下端突出量の状態をつねに再現することがで
き、かつ、目盛11e及び14fの読み値の差は、その
間に移動した可動体の下端の移動量に比例している。そ
して、第1実施形態のクランプ圧調整装置10Aにおけ
る目盛11cの場合とまったく同様にして、目盛11e
及び14fの読み値により、クランプ圧値を定量的に管
理することが可能となる。
【0112】さらに、目盛11e及び14fがある読み
値の場合の実際のクランプ圧値を計測することにより、
比例計算によって、設定すべき目盛位置を知ることもで
きる。また、このような換算値により、あるいはクラン
プ圧値の多数の実測値に基づいて、目盛11e及び14
fの読み値を、クランプ圧値そのものになるようにして
もよい。このようにすれば、非常に簡易であり、かつ換
算ミス等がなくなるため正確である。
【0113】上記のようにして、例えば、目盛11e及
び14fの読み値がそのままクランプ圧値を示すように
すれば、第1実施形態のクランプ圧調整装置10Aの場
合と同様に、可動体の回動又は押し込み・固定のみによ
って所望のクランプ圧の状態となるように調整すること
ができ、心出し作業が簡素化され、心出し作業時間が短
縮されるためレンズの製造効率が向上し、製造コストを
低減させることができる、という利点がある。
【0114】上記各実施形態において、心出し前レンズ
Lは光学素材に相当し、心出し前レンズLの各レンズ面
S1 ,S2 は光学的機能面に相当している。また、レン
ズホルダ31,32は保持具に相当している。また、バ
ネ22,28は固体弾性体に相当している。また、レン
ズホルダ31,32が心出し前レンズLを押圧するクラ
ンプ圧は、保持圧に相当している。また、レンズ心出し
用保持装置200は、光学素材心出し用保持装置に相当
している。また、クランプ圧調整装置10A,10B,
10C,10Dは、光学素材心出し用保持装置の保持圧
調整装置に相当している。また、本体201は、不動位
置に相当している。
【0115】また、第1実施形態における目盛11eと
カバー14Aの先端14b、第2実施形態における目盛
14cとカバー16の先端16b、第3実施形態におけ
る目盛11e′及び14eとカバー14Cの先端14
b、第4実施形態における目盛11e及び14fとカバ
ー14Dの先端14bは、表示部に相当している。ま
た、第1実施形態におけるカバー14Aの先端14b、
第2実施形態におけるカバー16の先端16b、第3実
施形態におけるカバー14Cの先端14b、第4実施形
態におけるカバー14Dの先端14bは、隠蔽手段に相
当している。
【0116】なお、本発明は、上記各実施形態に限定さ
れるものではない。上記各実施形態は、例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0117】例えば、上記各実施形態においては、光学
素材心出し用保持装置であるレンズホルダにより保持さ
れ心取り加工を施される心取り前レンズとして両凸レン
ズを例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定され
ず、2つの光学的機能面であるレンズ面が少なくとも球
面状であれば凸球面であっても凹球面であってもよく、
他の形状のレンズ、例えば両凹レンズ、片面が凸で他の
片面が凹のメニスカスレンズ等であってもよい。さら
に、光学素材は、レンズだけでなく球面ミラー等であっ
てもよい。球面ミラーの場合には、反射面が光学的機能
面となる。
【0118】また、上記各実施形態においては、本発明
に係る光学素材心出し用保持装置による光学素材の「心
出し」が、光学素材の「心取り」加工を目的として行わ
れる例について説明したが、本発明はこれには限定され
ず、本発明に係る光学素材心出し用保持装置による光学
素材の心出しは、光学素材の心取り加工以外の他の目
的、例えば光学素材同士の接着作業を行うためであって
もよい。
【0119】また、上記各実施形態においては、固体弾
性体として鋼等の弾性材料からなる弦巻バネ22,28
を例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定され
ず、弾性材料としては金属材料以外にも、セラミックス
材料、又は合成樹脂材料などであってもよく、その形状
としては可動体の突出の方向への圧縮力により変形を生
じる圧縮バネであればよく、弦巻バネ以外にも、竹の子
状バネ、又は板バネなどであってもよい。
【0120】また、上記各実施形態においては、不動位
置である本体に固定される固定部の固定方法として、螺
合、ネジ止め、突起と凹部等による係合、溶接、接着を
例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、
固定であればどのようなものであってもよく、他の形式
の固定方法、例えば塑性変形によるカシメ、磁着などで
あってもよい。
【0121】また、上記各実施形態においては、表示部
として、目盛と、目盛を隠蔽する手段との組み合わせを
例に挙げて説明したが、本発明はこれには限定されず、
目盛と、透明材料からなり背後の目盛を透過させて目視
させるとともに基準線等も目視させる手段との組み合わ
せなどであってもよい。要は、固定部と可動部との相対
的な位置の差を目視可能に表示することにより保持圧を
定量的に計測可能とするような表示部であればどのよう
なものであってもよいのである。
【0122】また、上記各実施形態においては、光学素
材心出し用保持装置において保持具であるレンズホルダ
を心取り前レンズの水平方向の両側、すなわち左右方向
からクランプさせる例について説明したが、本発明はこ
れには限定されず、心取り前レンズの光軸を垂直方向に
向け、光学素材心出し用保持装置であるレンズホルダを
心取り前レンズの垂直方向の両側、すなわち上下方向か
らクランプさせるようにしてもよい。
【0123】また、上記各実施形態においては、光学素
材心出し用保持装置として、図5,6に示したレンズ心
出し用保持装置200を例に挙げて説明したが、本発明
はこれには限定されず、他の構成の光学素材心出し用保
持装置であってもよく、可動体の動き(上下方向)の方
向を90°変換しバネ28の動き(水平方向)に変換す
るような機構であればどのようなものでもよく、例え
ば、図5,6のピニオン歯車24に水平方向に移動可能
なラックを噛み合わせ、このラックによりバネ28を駆
動してもよいし、斜面を有する2つのブロック状部材の
斜面どうしを摺動可能なように配置し、一方のブロック
にバネ22を接続し、他方のブロックにバネ28を接続
するようにしてもよい。また、バネ28を設けず、バネ
22のみを固体弾性体として押圧具29を押圧するよう
にしてもよい。また、可動体とバネ22を水平方向に配
置し、バネ22が押圧具29を後方から押圧するように
してもよい。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る光学
素材心出し用保持装置の保持圧調整装置によれば、不動
位置に固定される固定部と、固定部の貫通孔から突出可
能に挿入され固定部からの突出量に応じて固体弾性体の
変形量を設定する可動部と、固定部と可動部との相対的
な位置の差を目視可能に表示することにより保持圧を定
量的に計測可能とする表示部を備えたので、心出し時の
光学素材の保持圧を容易かつ定量的に計測することが可
能となり、心出し作業が簡素化され、心出し作業時間が
短縮されるため光学素材の製造効率が向上し、製造コス
トを低減させることができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるクランプ圧調整装
置の構成を示す図であり、図1(A)は一部欠截側面図
を、図1(B)は目盛付近の構成を示す拡大側面図を、
それぞれ示している。
【図2】本発明の第2実施形態であるクランプ圧調整装
置の構成を示す図であり、図2(A)は一部欠截側面図
を、図2(B)は目盛付近の構成を示す拡大側面図を、
それぞれ示している。
【図3】本発明の他の実施形態の構成を示す図であり、
図3(A)は本発明の第3実施形態であるクランプ圧調
整装置の一部欠截側面図を、図3(B)は図3(A)に
示すクランプ圧調整装置の目盛付近の構成を示す拡大側
面図を、図3(C)は本発明の第4実施形態であるクラ
ンプ圧調整装置の目盛付近の構成を示す拡大側面図を、
それぞれ示している。
【図4】従来のレンズの心出し方法を説明する図であ
り、図4(A)はベルクランプ式による心出し前の状態
を、図4(B)はベルクランプ式により心出しを行い心
取りを行うまでを、それぞれ示している。
【図5】従来の心取り機の構成を示す側方からの断面図
である。
【図6】図5に示す心取り機におけるクランプ圧調整装
置の構成を示す背面からの断面図である。
【符号の説明】
10A,10B,10C,10D,10E クランプ圧
調整装置 11A,11B,11C,11D 固定部 11A′ 略ネジ状部材 11a,11a′,11a” 頭部 11b,11b′ 軸部 11c 雄ネジ 11d,11d′ 貫通孔 11e,11e′ 目盛 11f 係合用凹部 11g 空隙 11h 取付片 11i 係止突起 11j ネジ孔 11k 基準線 11m 六角状凹部 12A,12B,12C,12D 可動部 13,13′ 可動体 13a 頭部 13b 軸部 13c 雄ネジ 13d 係合用凹部 13e 頭部側面 13f 頭部頂面 13g 六角状凹部 14A,14B,14C,14D カバー 14a 係止端 14b 先端 14c 目盛 14d 切欠部 14e,14f 目盛 15 押圧板 16 カバー 16a 係止端 16b 先端 17 取付ネジ 20 クランプ圧発生装置 21 調節ネジ 21a 頭部 21b 軸部 21c 雄ネジ 21d 六角状凹部 22 バネ 23 可動体 23a 上端 23b 下端 23c ラック 24 ピニオン歯車 25 バネ 26 回動軸 26a 嵌合部 26b 六角状凹部 27 可動体 27a 軸部 27b 嵌合端 27c 雄ネジ 28 バネ 29 押圧具 29a 軸支用凹部 31,32 レンズホルダ 31a,32a 雌ネジ 31b,32b 前部 41,42 スピンドル 41a,42a 雄ネジ 41b,42b 軸支端 100 心取り機 200 レンズ心出し用保持装置 201 本体 201a 軸支用凹部 201b 軸支用凸部 201c クランプ用孔 201d 雌ネジ 201e 調節用孔 201f 雌ネジ 201f′ 係合用凹部 201g 空洞 201h 支持用凹部 201i 軸支用凹部 202 クランプ部 203 クランプ圧機構 204 回転駆動機構 300 レンズ心取り用研削装置 301 回転駆動軸 302 研削具 A1 加工機軸 A2 心取り前レンズの光軸 A3 心取り前レンズの外径中心軸 C1 ,C2 研削部 D1 心取り前のレンズ直径 D2 心捕り後のレンズ直径 L 心取り前レンズ O1 レンズ面S1 の曲率中心 O2 レンズ面S2 の曲率中心 R1 レンズ面S1 の曲率半径 R2 レンズ面S2 の曲率半径 S1 ,S2 レンズ面 T 回動用工具

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学材料からなり互いに背向する2つの
    球面状の光学的機能面を有する光学素材の前記光学的機
    能面の各々に当接可能な円状の当接縁を先端に有する2
    つの保持具と、 変形により前記2つの保持具を前記光学素材に向けて押
    圧する固体弾性体とを有し、 前記弾性体の押圧力である保持圧により前記光学素材を
    前記2つの保持具の当接縁の間に挟み込んで保持しベル
    クランプ式により前記光学素材の心出しを行う光学素材
    心出し用保持装置において、前記保持圧を調整する光学
    素材心出し用保持装置の保持圧調整装置であって、 不動位置に固定される固定部と、 前記固定部に設けられた貫通孔から突出又は収容可能に
    挿入され、前記固定部からの突出量に応じて前記固体弾
    性体の変形量を設定する可動部と、 前記固定部と前記可動部との相対的な位置の差を目視可
    能に表示することにより、前記保持圧を定量的に計測可
    能とする表示部を備えたことを特徴とする光学素材心出
    し用保持装置の保持圧調整装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光学素材心出し用保持装
    置の保持圧調整装置において、 前記固定部は、螺合により前記光学素材心出し用保持装
    置に固定され、かつ、 前記可動部は、前記貫通孔に螺合され、前記螺合の軸ま
    わりの回動により前記固定部から突出又は収容可能に構
    成されることを特徴とする光学素材心出し用保持装置の
    保持圧調整装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の光学素材
    心出し用保持装置の保持圧調整装置において、 前記表示部は目盛を有し、前記目盛の読み値により前記
    固定部に対する前記可動部の移動量を表示することを特
    徴とする光学素材心出し用保持装置の保持圧調整装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の光学素材心出し用保持装
    置の保持圧調整装置において、 前記固定部は、側面に前記目盛を有し、かつ、 前記可動部は、前記可動部の移動に応じて前記目盛を隠
    蔽することにより前記読み値を指示する隠蔽手段を有す
    ることを特徴とする光学素材心出し用保持装置の保持圧
    調整装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の光学素材心出し用保持装
    置の保持圧調整装置において、 前記可動部は、側面に前記目盛を有し、かつ、 前記固定部は、前記可動部の移動に応じて前記目盛を隠
    蔽することにより前記読み値を指示する隠蔽手段を有す
    ることを特徴とする光学素材心出し用保持装置の保持圧
    調整装置。
  6. 【請求項6】 請求項3ないし請求項5のうちのいずれ
    か1項に記載の光学素材心出し用保持装置の保持圧調整
    装置において、 前記目盛は、正尺と副尺とを有し、ノギスの原理により
    前記読み値を指示することを特徴とする光学素材心出し
    用保持装置の保持圧調整装置。
  7. 【請求項7】 請求項3ないし請求項5のうちのいずれ
    か1項に記載の光学素材心出し用保持装置の保持圧調整
    装置において、 前記目盛は、正尺と副尺とを有し、マイクロメーターの
    原理により前記読み値を指示することを特徴とする光学
    素材心出し用保持装置の保持圧調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000131657A (ja) * 1998-10-22 2000-05-12 Essilor Internatl (Cie Gen Opt) 光学レンズをトリミングする機械のためのブランク締付け装置

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