JP2005111652A - 成形型の製造方法、治具及び成形型 - Google Patents

成形型の製造方法、治具及び成形型 Download PDF

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Abstract


【課題】成形型の凹部を形状精度高く形成することができ、小レンズの光軸の位置精度が高いレンズアレイを得ることができる成形型を製造する成形型の製造方法、治具及び成形型を提供すること。
【解決手段】加工機3の保持部31の回転軸312と、治具4に取り付けられた母型23の表面のうち、レンズアレイ1を成形する部分の外形中心位置とを一致させて固定する。次に、保持部31の回転軸312と、母型23の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する位置とを合わせる。治具4の駆動部45X,45Yの目盛の変動量から、母型23の移動量Tを算出する。さらに、治具4の円盤部44の移動量(実測値)を求める。実測値と算出値との差が、所定値以下であれば、凹部222を形成する。
【選択図】 図3





Description

本発明は、成形型の製造方法、治具及び成形型に関する。
従来から、プロジェクタや、レーザプリンタ等の光学機器には、小レンズがマトリクス状に配置されたレンズアレイが用いられている。
このレンズアレイを製造する際には、レンズアレイの形状に応じた成形型を用いてレンズアレイの原料となる溶融光学材料をプレス加工している。
レンズアレイの成形型を製造する方法としては、図15に示すように、母型23を3軸方向(X軸、Y軸、Z軸方向)に移動可能な制御部材100に取り付け、球面成形部材101により母型23表面を切削し、複数の凹面を成形する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。球面成形部材101は、図16にも示すように、ダイアモンド切削部材103を備えており、平坦な第一の面104と、第一の面104と直交する平坦な第二の面105と、これらの面と交差する球状の切削面106とを備えている。
また、レンズアレイの小レンズに対応した凹部がそれぞれ形成された複数の鏡面駒を、枠に嵌め込み、成形型とする方法もある(例えば、特許文献2参照)。この場合、各鏡面駒には、超精密研削機により凹部が形成される。
特開2002−160223号公報(第3〜5頁、図4,図7) 特開2001−304846号公報(第4頁、図1)
しかしながら、特許文献1に記載されたような成形型の製造方法では、特殊な形状の切削部材103により、母型23の表面を切削する構成であるため、切削部材103の形状精度が悪い場合には、母型23表面に形成される凹部の形状精度が悪化する可能性がある。
特許文献2のような製造方法では、各鏡面駒を超精密研削機で加工し、凹部を形成するため、凹部の形状精度を高いものとすることができる。しかしながら、各鏡面駒を配列させて金型を形成しなければならず、鏡面駒の位置調整が非常に難しい。そのため、このような製造方法により得られた成形型を用いてレンズアレイを製造した場合、レンズアレイの小レンズの光軸の位置精度が悪化してしまう可能性がある。
本発明の目的は、成形型の凹部を形状精度高く形成することができ、小レンズの光軸の位置精度が高いレンズアレイを得ることができる成形型を製造する成形型の製造方法、治具及び成形型を提供することである。
本発明の成形型の製造方法は、レンズアレイを成形するための成形型であり、成形面にレンズアレイのマトリクス状に配置された小レンズに対応した凹部が形成された成形型の製造方法であって、成形型の母型の表面に前記凹部を形成するための加工機を使用して行われ、前記加工機は、母型を回転可能に保持する保持部と、工具により母型の表面に前記凹部を切削または研削によって成形する加工部とを備え、前記保持部は、前記工具に対して、三次元的に位置決め可能な軸構成とされ、前記加工部の前記工具は、前記保持部に対して三次元的に位置決めしながら移動可能とされており、前記母型を保持部上の基準位置に取り付け、これを母型の原点位置とする原点出し工程と、前記保持部の回転軸と、前記原点位置にある前記母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置との位置関係に基づいて、前記母型を移動させて、前記回転軸と前記母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置とを合わせる調整工程と、前記位置関係に基づく、前記原点位置からの母型の移動量を算出する算出工程と、前記原点位置からの母型の移動量を実測する実測工程と、前記実測工程による実測値と、前記算出工程における算出値とを比較する比較判別工程とを備え、前記比較判別工程において、実測値と算出値との差が所定値以下である場合に、前記加工部により、母型の表面に凹部を形成することを特徴とする。
このような本発明の製造方法では、加工機の保持部は母型を回転させるとともに、工具に対して三次元的に位置決め可能な軸構成とされ、さらに、工具は、保持部に対して三次元的に位置決めしながら、移動可能とされている。母型と、工具とを相対的に三次元的に移動させることができるので、これにより、形状精度が高い凹部を形成することができる。
また、母型を回転させて切削又は研削加工を行うことができるので、母型を回転させない場合に比べ、加工効率を高めることができる。
さらに、本発明では、調整工程では、保持部の回転軸と、母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置(すなわち、凹部の加工中心となる設計上の位置)とを一致させるため、保持部の回転軸と原点位置にある母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置との位置関係に基づいて、母型を移動させる。そして、保持部の回転軸と、母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置(凹部の加工中心となる設計上の位置)とを合わせた後、原点位置からの母型の移動量を実測し、さらに、原点位置からの母型の前記位置関係に基づく移動量を算出して、実測値と算出値を比較している。そして、実測値と算出値との差が所定値以下である場合に、加工部により、母型の表面に凹部を形成している。従って、保持部の回転軸と、母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置(母型の凹部の加工中心となる設計上の位置)とが高度に一致した状態で、凹部を形成することができる。
そのため、母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置(母型の凹部の加工中心となる設計上の位置)と保持部の回転軸とが大きくずれた状態で、凹部が形成されてしまうことがなく、本発明の製造方法で製造された成形型により成形されるレンズアレイの小レンズの光軸の位置精度を高くすることができる。
さらに、本発明の成形型の製造方法は、従来のように複数の鏡面駒を配列させて成形型を製造するものではなく、一体型の成形型を製造できるので、鏡面駒を配列させる手間を省くことができるとともに、配列による位置ずれを防止でき、レンズアレイの小レンズの光軸の位置精度の悪化を防止できる。
本発明では、前記原点出し工程では、前記保持部の回転軸と、前記母型の表面のうち、レンズアレイを成形する部分の外形中心位置とをあわせて、前記保持部に前記母型を取り付け、これを母型の原点位置とすることが好ましい。
このような本発明では、母型の外形中心位置と、保持部の回転軸とが一致した位置を母型の原点位置としている。母型の外形中心位置は把握しやすいため、保持部の回転軸と母型の外形中心位置とを容易に位置合わせすることができ、原点出し工程に手間を要しない。
また、母型のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置(凹部の加工中心となる設計上の位置)は、外形中心位置を基準とし、この基準から容易に把握することができる。そのため、母型の外形中心位置と、保持部の回転軸とを一致させ、これを母型の原点位置とすることで、保持部の回転軸と、原点位置にある母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置との位置関係を容易に把握することができる。そのため、作業者は、調整工程において母型のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置(凹部の加工中心となる設計上の位置)と保持部の回転軸とをスムーズに一致させることができる。
本発明では、前記母型は、前記加工機の保持部に治具を介して取り付けられ、前記治具は、マトリクス状に配置される凹部の一方の配列方向に沿って前記母型を移動させる第一ステージと、凹部の他方の配列方向に沿って前記母型を移動させる第二ステージとを備え、前記調整工程では、前記治具の第一ステージ及び/又は第二ステージを動かすことにより、母型の位置調整を行うことが好ましい。
このような本発明によれば、治具は、凹部の配列方向に沿って母型を移動させる第一ステージ及び第二ステージを備えているので、第一ステージ、第二ステージによりスムーズに母型の位置を移動させることができる。
特に、凹部を形成した後、次の凹部を形成する場合においても、治具の第一ステージ、第二ステージを動かすことで、母型の位置調整を行うことができるので、母型を加工機の保持部から取り外す必要がない。これにより、成形型の製造効率を高めることができる。
また、比較判別工程において、実測値と算出値との差が所定値以下でなかった場合には、治具の第一ステージ及び第二ステージを移動させて、母型の位置調整を行えばよい。
さらに、本発明は、前記母型は、前記加工機の保持部に治具を介して取り付けられ、
前記治具は、前記保持部に取り付けられる基部と、この基部上に配置されるとともに、前記母型が取り付けられる取り付け部とを備え、前記基部又は取り付け部の何れか一方には、所定の間隔を空けて、少なくとも2本以上の位置決めピンが突設されており、前記基部又は取り付け部の何れか他方には、前記位置決めピンがそれぞれ挿入される2つ以上の孔群が形成されており、前記孔群は、凹部の個数及び配列に対応してマトリクス状に配置される複数の孔と、これらの孔の配列の略中央に形成される中心孔とを備えており、前記中心孔と複数の孔との位置関係は、前記母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置と外形中心位置との位置関係に対応したものであり、前記原点出し工程では、前記孔群の中心孔に位置決めピンを挿入することで、前記保持部の回転軸と、前記母型の外形中心位置とを合わせ、前記調整工程では、位置決めピンを孔群の所定の孔に挿入することで、前記保持部の回転軸と、前記母型の表面の前記レンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する位置とを合わせるものであってもよい。
ここで、中心孔と複数の孔との位置関係は、前記母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置(凹部の加工中心となる設計上の位置)と母型表面のレンズアレイを成形する部分の外形中心位置との位置関係に対応したものである。原点出し工程において、中心孔に位置決めピンを挿入し、保持部の回転軸と、前記母型の外形中心位置とを合わせているため、調整工程において、位置決めピンを挿入する孔を中心孔から所定の孔に移すことは、保持部の回転軸と、原点位置にある母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置(凹部の加工中心となる設計上の位置)との位置関係に基づいて母型を移動させることに該当する。
このような本発明によれば、治具の取り付け部又は基部には、凹部の数及び配列に対応した孔を有する孔群が形成されている。そして、形成する凹部に対応する孔に加工機の保持部に取り付けられた基部又は取り付け部の位置決めピンを挿入することで、母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する位置が保持部の回転軸と一致する構成となっている。従って、容易に、母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置と保持部の回転軸とを一致させることができる。
また、位置決めピンが基部又は取り付け部に1本しか突設されていない場合には、調整工程において、位置決めピンを孔群の所定の孔に挿入しても、基部に対して取り付け部を高度に位置決めすることが難しい。そのため、保持部の回転軸と、母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置(凹部の加工中心となる設計上の位置)とが正確に一致せず、実測値と算出値との差が所定値以下にならない場合がある。
これに対し、本発明では、位置決めピンを2本以上設けているので、保持部に取り付けられる基部に対し、母型が取り付けられる取り付け部を高度に位置決めできる。これにより、保持部の回転軸と、母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置(凹部の加工中心となる設計上の位置)とを正確に一致させることができ、比較判別工程において、実測値と算出値との差を所定値以下におさめることができる。
なお、本発明のような位置決めピンを設けた治具を用いる場合、比較判別工程において、実測値と算出値との差が所定の範囲内にない場合には、治具をつくりなおせばよい。
本発明の治具は、レンズアレイを成形するための成形型の母型の表面に、レンズアレイのマトリクス状に配置された複数の小レンズに対応した凹部を形成するための加工機に前記母型を取り付けるための治具であって、上述した成形型の製造方法に用いられ、前記加工機の保持部に固定される基部と、この基部上に摺動自在に取り付けられ、マトリクス状に配置される凹部の一方の配列方向に沿って前記母型を移動させる第一ステージと、前記基部上に摺動自在に取り付けられ、凹部の他方の配列方向に沿って前記母型を移動させる第二ステージとを備えることを特徴とする。
このような本発明によれば、治具は、凹部の配列方向に沿って母型を移動させる第一ステージ及び第二ステージを備えているので、第一ステージ、第二ステージによりスムーズに母型の位置を移動させることができる。
特に、凹部を形成した後、次の凹部を形成する場合においても、治具の第一ステージ、第二ステージを動かすことで、母型の位置調整を行うことができるので、母型を加工機の保持部から取り外す必要がない。これにより、成形型の製造効率を高めることができる。
また、本発明では、前記基部上を第一ステージが摺動し、前記第一ステージ上を前記第二ステージが摺動し、前記基部の第一ステージの摺動方向に沿った側面に固定され、先端が第一ステージの摺動方向に沿った側面にまで突出した第一の位置決め板と、前記第一ステージの第二ステージの摺動方向に沿った側面に固定され、先端が第二ステージの摺動方向に沿った側面にまで突出した第二の位置決め板とを有し、前記第一の位置決め板を第一ステージの前記側面に押し当て、前記第二の位置決め板を第二ステージの前記側面に押し当てることで、第一ステージ及び第二ステージの位置決めを行うことが好ましい。
このような本発明によれば、位置決め板を、摺動するステージの摺動方向に沿った側面に面状に押し当てることにより、ステージの位置決めを行っている。このようにすることで、ステージを固定する際に、ステージに不要な力がかからず、ステージが動いてしまうことを防止でき、精度良く位置決めすることができる。
さらに、本発明では、前記第一の位置決め板及び第二の位置決め板の突出部分には、それぞれ、第一ステージ、第二ステージの摺動方向に沿った長孔が形成されており、第一ステージの前記側面及び第二ステージの前記側面には、前記各位置決め板の前記長孔に応じた位置に孔が形成され、この孔に前記位置決め板の長孔を介して固定部材を挿入することで、各位置決め板を第一ステージの前記側面、第二ステージの前記側面に押し当てることが好ましい。
このような本発明によれば、位置決め板に形成された長孔及びステージに形成された孔に固定部材を挿入することにより、位置決め板をステージの側面に押し当てるため、ステージの固定を容易に行うことができる。
さらに、本発明では、前記第一ステージ及び第二ステージ上には、母型を取り付けるための取り付け部が設けられ、前記取り付け部の母型取付面には、母型の外周縁に沿って、母型側に立ち上がった段部が形成されており、前記段部に沿って取り付け部に固定され、母型を支持固定する母型固定部材を有することが好ましい。
このような本発明によれば、取り付け部には、母型の外周縁に沿った段部が形成されており、この段部に沿って、母型固定部材で母型を支持するため、母型を取り付け部の正確な位置に固定することができる。
また、段部に沿って母型固定部材を固定すればよいので、段部が形成されていない場合に比べ、母型固定部材の固定を容易に行うことができる。
また、本発明の治具は、レンズアレイを成形するための成形型の母型の表面に、レンズアレイのマトリクス状に配置された複数の小レンズに対応した凹部を形成するための加工機に前記母型を取り付けるための治具であって、上述した成形型の製造方法に用いられ、前記加工機の保持部に固定される基部と、この基部上に配置されるとともに、前記母型が取り付けられる取り付け部とを備え、前記基部又は取り付け部の何れか一方には、所定の間隔を空けて、少なくとも2本以上の位置決めピンが突設されており、前記基部又は取り付け部の何れか他方には、前記位置決めピンがそれぞれ挿入される2つ以上の孔群が形成されており、前記孔群は、凹部の個数及び配列に対応してマトリクス状に配置される複数の孔と、これらの孔の配列の中央に形成される中心孔とを備えており、前記中心孔と複数の孔との位置関係は、前記母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置と母型表面のレンズアレイを成形する部分の外形中心位置との位置関係に対応したものであり、前記位置決めピンは、前記複数の孔群の互いに対応する孔又は中心孔に挿入されるものであってもよい。
また、本発明の治具は、レンズアレイを成形するための成形型の母型の表面に、レンズアレイのマトリクス状に配置された複数の小レンズに対応した凹部を形成するための加工機に前記母型を取り付けるための治具であって、上述した成形型の製造方法に用いられ、前記母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する位置のうち、何れか一つと、母型表面のレンズアレイを成形する部分の外形中心位置とが一致しており、前記加工機の保持部に固定される基部と、この基部上に配置されるとともに、前記母型が取り付けられる取り付け部とを備え、前記基部又は取り付け部の何れか一方には、所定の間隔を空けて、少なくとも2本以上の位置決めピンが突設されており、前記基部又は取り付け部の何れか他方には、前記位置決めピンがそれぞれ挿入される2つ以上の孔群が形成されており、前記孔群は、前記母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置に対応してマトリクス状に配置される複数の孔を備え、前記位置決めピンは、前記複数の孔群の互いに対応する孔に挿入されるものであってもよい。
このような本発明によれば、治具の取り付け部又は基部に形成された孔群に基部の位置決めピンを挿入するだけで、母型の保持部に対する取り付け位置を容易に決定できる。
さらに、本発明の治具を上述した成形型の製造方法に使用した場合、位置決めピンが基部に1本しか突設されていない場合には、調整工程において、位置決めピンを孔群の所定の孔に挿入しても、基部に対して取り付け部を高度に位置決めすることが困難であるため、保持部の回転軸と、母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置とが正確に一致せず、実測値と算出値との差が所定値以下にならない場合がある。
これに対し、本発明では、治具に位置決めピンを2本以上設けているので、保持部に取り付けられる基部に対し、母型が取り付けられる取り付け部を高度に位置決めできる。これにより、保持部の回転軸と、母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置とを正確に一致させることができ、比較判別工程において、実測値と算出値との差を所定値以下におさめることができる。
さらに、本発明では、前記取り付け部の母型取付面には、母型の外周縁に沿って母型側に立ち上がった段部が形成されており、前記段部に沿って取り付け部に固定され、母型を支持固定する母型固定部材を有することが好ましい。
このような本発明によれば、取り付け部には、母型の外形形状に沿った段部が形成されており、この段部に沿って、母型固定部材で母型を支持するため、母型を取り付け部の正確な位置に固定することができる。
また、段部に沿って母型固定部材を固定すればよいので、段部が形成されていない場合に比べ、母型固定部材の固定を容易に行うことができる。
本発明の成形型は、レンズアレイを成形するための成形型であり、成形面にレンズアレイのマトリクス状に配置された小レンズに対応した凹部が形成された成形型であって、上述した何れかの成形型の製造方法により製造されたことを特徴とする。
このような本発明の成形型は、上述した何れかの製造方法により製造されているので、上述した製造方法と同様の効果を奏することができる。すなわち、凹部の形状精度が高く、小レンズの光軸の位置精度が高いレンズアレイを得ることができる成形型となる。
[第一実施形態]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、レンズアレイ1が示されている。具体的に、図1(A)はレンズアレイ1を正面から見た図であり、図1(B)はレンズアレイ1を側方から見た図であり、図1(C)はレンズアレイ1を図1(B)とは異なる側方から見た図である。
このレンズアレイ1は、プロジェクタや、レーザプリンタ等の光学機器に搭載されるものであり、ベース部11と、レンズ部12とを備える。
ベース部11は、矩形形状の板状体として形成され、一方の面にレンズ部12が形成されている。また、ベース部11の他方の面は、略平坦となっている。
レンズ部12は、ベース部11の一方の面の略中央部分に膨出するように形成され、光束を複数の部分光束に分割する複数の小レンズ121で構成されている。
これら複数の小レンズ121は、マトリクス状(行を横一並びの要素、列を縦一並びの要素とすると例えば、6行×4列)に配列形成されている。
なお、小レンズ121は、球面形状のものであってもよく、また、非球面形状のものであってもよい。
このようなレンズアレイ1は、図2に示すように、レンズアレイ1の溶融光学材料である溶融ガラスの塊10を成形型2でプレス成形することにより製造される。
成形型2は、固定型21と、固定型21に対して進退自在に構成される可動型22とを備える。
固定型21は、略矩形形状の板体であり、レンズアレイ1の略平坦な面を成形する成形面211を備える。
可動型22は、略矩形状であるが、成形面221にレンズアレイ1の小レンズ121に対応した複数の凹部222がマトリクス状に配置されている。
以上のような成形型2の可動型22は、図3に示すような、研削用の加工機3を使用して製造される。図3は、加工機3を示す斜視図である。
この加工機3は、成形型2の可動型22の母型23を保持する保持部31と、母型23の表面に凹部222を形成する加工部32とを備える。
ここで母型23とは、可動型22の成形面221に凹部222が形成されていない状態のものをいう。
加工機3の保持部31は、加工部32側に向かって延びる円柱状に形成されており、加工部32側の円形状の面311(図5参照)に母型23が取り付けられた治具4が取り付けられる。
この保持部31は、その基端側(面311と反対側)に駆動部33が設けられ、Z軸に沿って進退可能となっており、加工部32のディスク型砥石321に対して進退する構成となっている。また、この保持部31は、保持部31の円形状の面311の中心を通る中心軸を回転軸312として、矢印R1方向或いは反矢印R1方向に回転可能に構成されている。なお、保持部31の回転軸312は、Z軸と平行である。
加工部32は、工具としてのディスク型砥石321と、このディスク型砥石321が先端に取り付けられる砥石軸322と、軸受け部323とを備え、加工部32端部にはこの砥石軸322を回転させる図示しないモーター部を備える。
なお、本実施形態の加工部32はディスク型砥石321を備え、母型23の表面を研削加工し、凹部222を形成するものであるが、これに限らず、例えば、図4に示すように、ディスク型砥石321に換えて、切削工具321’を備える加工部32’としてもよい。この切削工具321’は、平面略円形状の円盤部321A’と、この円盤部321A’に設けられ、外方に突出した切削部321B’とを備える。このような切削工具321’を使用することで、母型23表面に切削により凹部222を形成することが可能となる。
また、軸受け部323にバイト台を固定し凹部222を切削加工するようにしてもよい。
砥石軸322は、保持部31の進退方向に対して直交する2方向、すなわち、Y軸方向、X軸方向に移動可能となっている。また、砥石軸322の軸方向とY軸方向とは平行である。
従って、このような砥石軸322に取り付けられたディスク型砥石321は、Y軸方向、X軸方向に移動可能であるとともに、砥石軸322の回転に伴って矢印R2方向或いは反矢印R2方向(Y軸に沿った軸を回転軸とした回転方向)に回転可能となっている。
このような加工機3では、保持部31により母型23を回転させるとともに、母型23をZ軸方向に沿って移動させる。さらに、ディスク型砥石321を回転させながら、母型23の表面に当接させ、ディスク型砥石321をY軸方向、X軸方向に移動させる。すなわち、保持部31は、ディスク型砥石321に対して、3次元的に位置決め可能な軸構成とされ、ディスク型砥石321は、保持部31に対して三次元的に位置決めしながら移動することとなる。このようにして、母型23に凹部222が形成される。
なお、研削を行う際には、ディスク型砥石321と母型23の表面との間には図示しない研削液が供給される。
このような加工機3によりマトリクス状に形成される凹部222の配列方向は、X軸方向と、Y軸方向に沿ったものとなる。
図3及び図5〜図8に、母型23を加工機3の保持部31に取り付けるための治具4を示す。図5は、図3を図面手前側(駆動部45Y側)の側方から見た側面図である。また、図6は、前記治具4を図3の下方側から見た側面図である。図7は、治具4の円盤部44の分解斜視図であり、図8は、治具4の平面図である。
この治具4は、保持部31の面311に固定されるとともに、基部41が取り付けられる基部取り付け板40と、この基部取り付け板40に取り付けられる基部41と、基部41上をY軸方向に沿って摺動するYステージ(第一ステージ)42と、Yステージ42上をX軸方向に沿って摺動するXステージ(第二ステージ)43と、Xステージ43上に固定された取り付け部としての円盤部44と、Yステージ42を駆動させる駆動部45Yと、Xステージ43を駆動させる駆動部45Xとを備える。
基部取り付け板40は、Z軸方向から見て平面略円形形状であり、この基部取り付け板40の保持部31の面311側と反対側の面には、基部41がねじで固定される。
基部41は、平面略矩形形状であり、基部41のYステージ42側の面には、Y軸方向に沿って延びるとともに、保持部31側に窪んだ溝部411が形成されている。この基部41の側面は、図3のX軸又はY軸に略平行な面となっている。
Yステージ42も基部41と同様、Z軸方向から見て平面略矩形形状である。このYステージ42は、基部41上に設置される平面矩形形状の第一部材42Aと、この第一部材42A上に設置される平面矩形形状の第二部材42Bとを備えている。なお、第一部材42Aと第二部材42Bとはねじで固定され一体化されている。
このYステージ42の第一部材42Aの基部41側の面には、Y軸方向に沿って延びるとともに、基部41側に突出したレール部421が形成されている。このレール部421は、前記基部41の溝部411に嵌め込まれ、溝部411内を摺動する。また、Yステージ42の第二部材42BのXステージ43側の面には、X軸方向に延びる溝部422が形成されている。このYステージ42の側面は、図3のX軸又はY軸に略平行な面となっている。
Xステージ43もYステージ42及び基部41と同様、Z軸方向から見て平面矩形形状となっている。このXステージ43のYステージ42側の面には、X軸方向に沿って延びるとともに、Yステージ43側に突出したレール部431が形成されている。このレール部431は、Yステージ42の溝部422に嵌め込まれ、溝部422内を摺動する。このXステージ43の側面は、図3のX軸又はY軸に略平行な面となっている。
図6に示すように、このようなXステージ43の摺動方向に沿った一方の側面43A(図3における下側の面)には、固定部材であるねじ47が取り付けられている。Xステージ43に取り付けられるねじ47は、側面43Aに形成されるとともに、Xステージ43のY軸方向に沿って延びるねじ孔43A1(図5参照)に挿入される。このねじ47は、Xステージ43の位置決めを行う位置決め板48(第一の位置決め板)をXステージ43の側面43Aに当接させるためのものである。位置決め板48は、Yステージ42の第二部材42BのXステージ43の摺動方向に沿った側面42B1に固定され、先端がXステージ43の前記側面43Aにまで突出している。この位置決め板48の前記先端には、Xステージ43の摺動方向に沿った長孔481が形成されており、ねじ47は、この長孔481を介して、前記ねじ孔43A1に挿入される。これにより、Yステージ42の第二部材42Bに固定されている位置決め板48が、Xステージ43の側面43Aに面状に当接することとなり、Xステージ43がYステージ42に固定されることとなる。
なお、Yステージ42も同様に、ねじ47及び位置決め板48(第二の位置決め板)により位置決めされており、図6に示すように、ねじ47は、Yステージ42の第一部材42Aの摺動方向に沿った一方の側面に形成されたねじ孔42A1に挿入されている。位置決め板48は、基部41のYステージ42の摺動方向に沿った側面に固定されており、先端がYステージ42の第一部材42Aの摺動方向に沿った一方の側面にまで突出している。位置決め板48には、Yステージ42の摺動方向に沿った長孔481が形成されており、ねじ47は、この長孔481を介して、前記ねじ孔42A1に挿入される。これにより、基部41に固定されている位置決め板48が、Yステージ42の第一部材42Aの一方の側面に面状に押し当てられることとなり、Yステージ42が基部41に固定されることとなる。
円盤部44は、Z軸方向から見て平面正円形状となっている。この円盤部44は、図7にも示すように、円柱形状の高さ調整部440Aと、この円柱形状の高さ調整部440Aに取り付けられる本体部440Bとを有する。
高さ調整部440Aは、Xステージ43上に固定されており、Xステージ43と反対側の表面の円形面には、一対のピン440A1が立設されている。
また、この高さ調整部440Aの側面である円柱面には、平坦な基準面440A2が形成されている。この基準面440A2は、前記円柱面に4個、等間隔で形成されており、基準面440A2は、Xステージ43及びYステージ42の側面と略平行になっている。すなわち、基準面440A2は、X軸又はY軸と平行な面となっている。
本体部440Bは、円柱形状であり、対向する円形面を貫通する孔440B1が形成されている。この孔440B1内に、一対のピン440A1が挿入される。
また、本体部440Bの対向する一対の円形面のうち、母型23が取り付けられる側の一方の円形面(母型取り付け面)には、母型23側に向かって立ち上がった段部440B2が形成されている。この段部440B2は平面略扇形形状であり、母型23側に向かって立ち上がった段差面がなす角度は略90°となっている。この段部440B2の段差面は、母型23を本体部440Bの円形面の平面中心に設置した際に、母型23の外周縁のうちの直交する2辺に沿うように形成されている。
このような本体部440Bの前記一方の円形面には、図8にも示すように、母型23を固定するための母型固定部材441が取り付けられる。この母型固定部材441は、前記段部440B2に沿って配置され、本体部440Bに固定された第一固定部材441A、第二固定部材441Bと、母型23の直交する側面を前記第一固定部材441A及び第二固定部材441Bに当接させて固定するための第三固定部材441Cとを備える。
第三固定部材441Cは、周囲にねじが刻設されたねじ部441C1と、ねじ部441C1の先端に取り付けられた固定部材本体441C2と、ねじ部441C1が螺合する螺合部441C3とを備える。固定部材本体441C2の先端は、略直角に切りかかれており、ねじ部441C1を螺合部441C3に螺合することで、切り欠き部分441C4が母型23の角部に当接する。これにより、母型23は第三固定部材441Cと、第一固定部材441A、第二固定部材441Bとにより、挟持されることとなる。
なお、螺合部441C3は、円盤部44の本体部440Bに固定されている。
このような母型固定部材441により固定される母型23の表面のうち、レンズアレイ1を成形する部分の外形中心位置P1と、円盤部44の母型23が取り付けられる円形状の平面の中心位置とは一致している。
図3、図5及び図6、図8に示すように、駆動部45Yは、Yステージ42を基部41上で摺動させるためのものであり、基部41のYステージ42の摺動方向に沿った側面に取り付けられたブロック412に固定されている。
この駆動部45Yは、いわゆるマイクロメータヘッドと呼ばれるものであり、Yステージ42の摺動方向に沿った側面に固定されたブロック423の度当たり部423Aに当接するスピンドル451と、このスピンドル451と一体回転可能に設けられたシンブル452と、スピンドル451が挿通されるスリーブ453とを備えている。
このスリーブ453の内周には雌ねじ(図示略)が設けられており、この雌ねじは、スピンドル451と螺合されている。従って、スピンドル451は螺合回転によってY軸方向に沿って進退する。スリーブ453の外表面には図示しないが主尺目盛が設けられている。
シンブル452は、スリーブ453の外側を筒状に覆う円筒形状である。シンブル452とスピンドル451とは一体回転する構成となっている。このようなシンブル452の一端側外表面には円周を等分する副尺目盛(図示略)が設けられている。
このような駆動部45Yでは、シンブル452を回転させることにより、スピンドル451が進退する。このスピンドル451の先端は、Yステージ42に固定されたブロック423の半球状の度当たり部423Aに当接しており、スピンドル451が進退することで、Yステージ42がY軸方向に沿って摺動する。
なお、Yステージ42は、スピンドル451の延出方向と反対方向に図示しないばね等の付勢手段により付勢されている。
駆動部45Xは、駆動部45Yと同様の構成である。この駆動部45Xは、Yステージ42の摺動方向に直交する側面に固定されたブロック424に取り付けられている。また、この駆動部45Xのスピンドル451は、X軸方向に進退可能となっており、Xステージ43の摺動方向に沿った側面に固定されたブロック432の半球状の度当たり432Aに当接する。
なお、Xステージ43は、駆動部45Xのスピンドル451の延出方向と反対方向に図示しないばね等の付勢手段により付勢されている。
次に、図9、図10をも参照して、以上のような加工機3と、治具4とを用いた成形型2の可動型22の製造方法について説明する。
はじめに、加工機3の保持部31に母型23を取り付ける(処理S1)。
具体的には、図10のフローチャートを参照して説明する。
まず、加工機3の保持部31に治具4の基部取り付け板40を取り付ける(処理S1-1)。
次に、基部取り付け板40に、基部41、Yステージ42、Xステージ43を取り付け、仮止めする(処理S1-2)。
その後、基部41、Yステージ42、Xステージ43の傾きを調べる。(処理S1-3)
基部41、Yステージ42、Xステージ43の側面であって、図3の上方側に位置する面(X軸に略平行な面)に、ダイアルゲージ等を接触させ、この状態でダイアルゲージ等をX軸方向に動かし、目盛りの変動を見る。基部41、Yステージ42、Xステージ43が傾いて取り付けられている場合には、ダイアルゲージ等の目盛りの振れが大きいため、基部41、Yステージ42、Xステージ43の傾きを修正する(処理S1-4)。
その後、基部41、Yステージ42、Xステージ43をねじで固定し、本固定する(処理S1-5)。
さらに、その後、Xステージ43上に円盤部44の高さ調整部440Aを仮固定する(処理S1-6)。次に、高さ調整部440Aの傾きを調べる(処理S1-7)。円盤部44の高さ調整部440Aの基準面440A2のうち図3の上方側に位置する面にダイアルゲージ等を当接させ、ダイアルゲージ等をX軸方向に動かし、目盛りの変動を見る。円盤部44の高さ調整部440Aが傾いて取り付けられている場合には、ダイアルゲージ等の目盛りの振れが大きいため、円盤部44の高さ調整部440Aの傾きを修正する(処理S1-8)。
その後、高さ調整部440AをXステージ43にねじで本固定する(処理S1-9)。
さらに、母型23が取り付けられた円盤部44の本体部440Bを高さ調整部440Aに取り付ける(処理S1-10)。具体的には、高さ調整部440Aのピン440A1を本体部440Bの孔440B1に挿入し、さらに、図示しないねじで固定する。
なお、円盤部44の本体部440Bには母型23を以下のようにして固定しておく。
まず、円盤部44の本体部440Bの段部440B2に沿って第一固定部材441A、第二固定部材441Bを固定する。次に、母型23の直交する側面を前記第一固定部材441A及び第二固定部材441Bに当接させて第三固定部材441Cにより固定する。その後、母型23をねじで本体部440Bに固定する。
これにより、本体部440Bの平面中心と、母型23の外形中心位置P1とが一致することとなる。
なお、円盤部44の本体部440Bの孔440B1の位置と、高さ調整部440Aのピン440A1の位置とが正確に形成されているか否かを確認するために、母型23を本体部440Bに取り付ける前段で、本体部440Bを高さ調整部440Aに取り付け、本体部440Bの段部440B2の直交する段差面にそれぞれダイアルゲージ等の測定機器を当てて、X軸方向、Y軸方向に摺動させ、目盛の振れを確認してもよい。円盤部44の本体部440Bの孔440B1の位置と、高さ調整部440Aのピン440A1の位置とが正確に形成されている場合には、段部440B2の一方の段差面がX軸に平行になり、前記一方の側面に直交する他方の段差面がY軸と平行になるため、ダイアルゲージ等の測定機器の目盛りは一定となる。
一方、円盤部44の本体部440Bの孔440B1の位置と、高さ調整部440Aのピン440A1の位置とがずれているような場合には、ダイアルゲージ等の測定機器の目盛りが大きく振れることとなる。このような場合には、本体部440B又は高さ調整部440Aを加工し、修正する。
次に、母型23が保持部31の基準位置に取り付けられているかどうか、すなわち、保持部31の回転軸312と、治具4に取り付けられた母型23の表面のうち、レンズアレイ1を成形する部分の外形中心位置P1とが一致しているかどうかを確認する(図8参照)。この位置が、保持部31に対する母型23の原点位置となる(処理S2、原点出し工程)。
具体的には、円盤部44の本体部440Bの側面にダイアルゲージ等の測定機器を当接させる。その後、保持部31を回転駆動する。保持部31の回転軸312と、母型23の表面の外形中心位置P1とがずれている場合には、ダイアルゲージ等の測定機器が示す値が大きく変動することとなる。この場合には、治具4のXステージ43及び/又はYステージ42を摺動させて、位置合わせを行い、ねじ47により、位置決め板48をXステージ43又は、Yステージ42に当接させることより、Xステージ43及びYステージ42を固定する。
なお、保持部31の回転軸312と、母型23の表面の外形中心位置P1とが略一致している場合には、ダイアルゲージ等の示す値は略一定となる。
そして、このような原点出しが終わった後、Xステージ43、Yステージ42を駆動させる駆動部45X,45Yの目盛を読み、記録しておく。ここで、例えば、駆動部45Xの目盛が7.308mm(=X0)、駆動部45Yの目盛が7.202(=Y0)を示していたとすると、これらの値が原点位置の値となる。
また、円盤部44の基準面440A2にダイアルゲージ等の測定機器を当てて、円盤部44のX軸上の位置、Y軸上の位置を測定しておく。
次に、Xステージ43、Yステージ42を駆動させて、図11に示すように、保持部31の回転軸312と、一つ目の凹部222の加工中心となる設計上の位置P2、すなわち、母型23の表面のレンズアレイ1の小レンズ121の光学的中心に対応する設計上の位置P2とを合わせる(処理S3、調整工程)。
ここでは、保持部31の回転軸312と、原点位置にある母型23の一つ目の凹部222の加工中心となる設計上の位置P2との位置関係に基づいて、母型23を移動する。
この調整工程が終わった後、Xステージ43、Yステージ42を駆動させる駆動部45X,45Yの目盛を読み、記録しておく。ここで、例えば、駆動部45Xの目盛は、2.208mm(=X1)、駆動部45Yの目盛は、0.202mm(=Y1)となる。
次に、駆動部45X,45Yの目盛の変動量(X1−X0,Y1−Y0)から、母型23の移動量Tを算出する(処理S4、算出工程)。調整工程では、保持部31の回転軸312と、原点位置にある母型23の一つ目の凹部222の加工中心となる設計上の位置P2との位置関係に基づいて、母型23を移動しているため、この算出工程では、前記位置関係に基づく、母型23の設計上の移動量を算出することとなる。
移動量を算出する式(1)は以下のようである。
Figure 2005111652

ここでは、T=8.6608mmとなる
さらに、母型23が固定されている治具4の円盤部44の基準面440A2にダイアルゲージ等の測定機器を当てて、X軸方向及びY軸方向の移動量を測定し、この測定結果から、円盤部44の移動量(実測値)を求める(処理S5、実測工程)。ここで、例えば、実測値は、8.661mmである。
なお、円盤部44は、Xステージ43、Yステージ42の駆動に伴って移動しており、この円盤部44の移動量は、母型23の移動量と等しい。
次に、実測工程により得られた移動量(実測値)と、算出工程で算出された移動量(算出値)とを比較する(処理S6、比較判別工程)。
実測工程により得られた移動量(実測値)と、算出工程で算出された移動量(算出値)との差が、所定値以下、例えば、0.01mm以下であるか否かを判別する。
ここで、所定値以下であれば、凹部222の形成を行う。ここでは、粗研削を行う(処理S7、粗研削工程)。
実測値と算出値との差が、所定の範囲値を超える場合には、凹部222の形成を行わず、再度、Xステージ43、Yステージ42を駆動させて、保持部31の回転軸312と、一つ目の凹部222の加工中心となる設計上の位置P2、すなわち、母型23の表面のレンズアレイ1の小レンズ121の光学的中心に対応する設計上の位置P2とを合わせ(処理S3、調整工程)、再度、円盤部44の移動量(母型23の移動量)を算出し(処理S4)、円盤部44の移動量(母型23の移動量)を実測し(処理S5)、算出値と実測値とを比較する(処理S6)。算出値と実測値とが所定値以下におさまるまで、この作業を繰り返す。
次に、二つ目の凹部222を形成するために、Xステージ43、Yステージ42を駆動させて、保持部31の回転軸312と、二つ目の凹部222の加工中心となる設計上の位置、すなわち、母型23の表面のレンズアレイ1の小レンズ121の光学的中心に対応する設計上の位置とを合わせる(処理S3、調整工程)。
そして、算出工程(処理S4)、実測工程(処理S5)、比較判別工程(処理S6)を再度行い、実測値と算出値との差が所定の範囲内となったら、粗研削を行い二つ目の凹部222を形成する(処理S7)。
このような工程を24番目の凹部222が形成されるまで、繰り返す(処理S8)。
次に、凹部222の仕上げ研削を行う(仕上げ研削工程)。
ここでも、粗研削を行った際と同じく、調整工程(処理S9)、算出工程(処理S10)、実測工程(処理S11)、比較判別工程(処理S12)を行い、実測値と、算出値との差が所定値以下であれば、凹部222の仕上げ研削を行う(処理S13)。実測値と、算出値との差が所定の範囲以下でない場合には、再度、調整工程(処理S9)、算出工程(処理S10)、実測工程(処理S11)、比較判別工程(処理S12)を繰り返し、所定の範囲内になるまで前記工程を繰り返す。このような作業を24番目の凹部222が仕上げ研削されるまで行う(処理S14)。
次に、このようにして仕上げ研削された凹部222の形状及び表面粗さを測定する(処理S15)。形状精度は、3次元測定機器により測定し、表面精度は表面粗さ測定機器により測定する。
ここで、測定結果と、可動型22の設計寸法とを比較して、その差が所定値以下であるかどうかを判断する(処理S16、表面粗さ、形状精度判断工程)。
測定結果と、設計寸法との差が、所定値を超える場合には、再度、調整工程(処理S9)、算出工程(処理S10)、実測工程(処理S11)、比較判別工程(処理S12)を行って、仕上げ研削(処理S13)を行う。これを測定値と設計寸法との差が所定値以下となるまで繰り返す。
測定結果と、設計寸法との差が所定値以下である場合には、凹部222により形成されるレンズアレイ1の小レンズ121の光軸位置(すなわち、光学的中心位置)のずれが所定値以下であるか否かを、凹部222を3次元測定機器で測定することにより(処理S17)、確認する(処理S18)。
そして、光軸位置のずれが所定値以下であることが確認されたら、可動型22の凹部222が形成された面(成形面)の表面処理を行う(処理S19)。
光軸位置のずれが所定値を超える場合には、仕上げ研削を行う前段の調整工程(処理S9)まで、戻り、処理S9〜処理S18までの工程を再度実施する。これを光軸位置のずれが所定値以下となるまで繰り返す。
最後に、このようにして製造された可動型22の検査を行う。
可動型22と、固定型21とにより、成形型2を組み立てる(処理S20)(図2参照)。そして、可動型22と、固定型21との間にレンズアレイ1の原料となる溶融ガラス10を注入して、プレス成形する(処理S21)。
次に、このようにして製造されたレンズアレイ1の小レンズ121の光軸位置(光学的中心位置)精度を確認する。小レンズ121の光軸位置のずれが所定の値以下であること、例えば、0.01mm以下、好ましくは5μm以下であることが確認されたら(処理S22)、可動型22の製造が完了する。
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1-1)加工機3の保持部31は母型23を回転させるとともに、ディスク型砥石321に対して三次元的に位置決め可能な軸構成とされ、さらに、ディスク型砥石321は、保持部31に対して三次元的に位置決めしながら、移動可能とされている。具体的には、加工機3の保持部31により母型23を回転させ、ディスク型砥石321に対して進退させ、さらに、ディスク型砥石321を保持部31の進退方向に対して直交する2方向、すなわち、Y軸方向、X軸方向に移動させて、母型23に凹部222を形成している。そのため、母型23と、ディスク型砥石321とを相対的に、3軸方向に自在に動かすことができるので、これにより、凹部222を形状精度よく形成することができる。
(1-2)さらに、母型23を回転させて凹部222の加工を行っているので、母型23を回転させない場合に比べ、加工効率を高めることができる。
(1-3)本実施形態の調整工程では、保持部31の回転軸312と、原点位置にある母型23の表面のレンズアレイ1の小レンズ121の光学的中心に対応する設計上の位置P2(凹部222の加工中心となる設計上の位置P2)との位置関係に基づいて、母型23を移動させる。このようにして、保持部31の回転軸312と、凹部222の加工中心となる設計上の位置P2とを合わせた後、原点位置からの母型23の移動量を実測し、さらに、原点位置からの母型23の設計上の移動量を算出して、実測値と算出値を比較している。そして、実測値と算出値との差が所定値以下である場合に、加工部により、母型23の表面に凹部222を形成している。
そのため、保持部31の回転軸312と、凹部222の加工中心となる設計上の位置P2とが高度に一致した状態で、凹部222を形成することができる。
従って、例えば、Xステージ43、Yステージ42を固定するねじ47を締め付ける際にXステージ43、Yステージ42の位置がずれてしまい、母型23の凹部222の加工中心となる設計上の位置と保持部31の回転軸312とが大きくずれてしまっても、このような状態で、凹部222が形成されてしまうことがない。そのため、本実施形態の製造方法で製造された可動型22により成形されるレンズアレイ1の小レンズ121の光軸(光学的中心位置)の位置精度を高くすることができる。
(1-4)本実施形態では、仕上げ研削工程のみならず、粗研削工程を行う段階で、保持部31の回転軸312と、凹部222の加工中心となる設計上の位置P2とを高度に一致させているので、精度よく、凹部222を形成することができる。これにより、本実施形態の製造方法で製造された可動型22により成形されるレンズアレイ1の小レンズ121の光軸の位置精度を非常に高いものとすることができる。
(1-5)また、Xステージ43、Yステージ42を駆動させる駆動部45X,45Yとしていわゆるマイクロメータヘッドを使用しており、このマイクロメータヘッドは比較的安価なものである。
調整工程では、保持部31の回転軸312と、原点位置にある母型23の凹部222の加工中心となる設計上の位置P2との位置関係に基づいて、母型23を移動させており、この位置関係に基づく移動量をマイクロメータヘッドの目盛に基づいて、算出している。そして、この算出値と、実測値とを比較し、確認しているので、比較的安価で、精度が劣るような駆動部45X,45Yを採用しても、保持部31の回転軸312と、母型23の表面のレンズアレイ1の小レンズ121の光学的中心に対応する設計上の位置P2とを高度に一致させることができる。
(1-6)さらに、本実施形態では、駆動部45X,45Yとしてマイクロメータヘッドを使用しているので、駆動部45X,45Yを軽いものとすることができる。研削を行う際には、保持部31の回転に伴って治具4も回転することとなるが、駆動部45X,45Yの重さにより治具4のバランスが崩れてしまうことがない。
(1-7)さらに、本実施形態で製造される成形型2は、従来のような複数の鏡面駒を配列させて、組み立てることにより、製造されるものではなく、複数の凹部222が形成された一体型のものであるため、鏡面駒を配列させる手間を省くことができるとともに、鏡面駒を配列させる際の位置ずれを防止できる。これにより、本実施形態の成形型2により成形されるレンズアレイ1の小レンズ121の光軸の位置精度の悪化を防止できる。
(1-8)また、母型23を加工機3に取り付けるための治具4は、凹部222の配列方向に沿って母型23を移動させるXステージ43及びYステージ42を備えているので、Xステージ43、Yステージ42によりスムーズに母型23の移動及び位置調整を行うことができる。
そして、例えば、一つ目の凹部222を形成した後、二つ目の凹部222を形成する場合において、治具4のXステージ43、Yステージ42を動かすことで、二つ目の凹部222の加工中心となる設計上の位置と、保持部31の回転軸312とを一致させることができるので、母型23を加工機3の保持部31から取り外す必要がない。これにより、成形型2の製造効率を高めることができる。
また、このように本実施形態の治具4は、Xステージ43及びYステージ42を動かすことで、スムーズに母型23を移動させることができるので、比較判別工程において、母型23の移動量の実測値と、算出値とが所定値以下とならない場合であっても、容易に母型23の位置調整を行うことができる。
(1-9)さらに、治具4の円盤部44には母型23が固定されており、円盤部44は、母型23とともに基部41上を移動するため、円盤部44の基準面440A2の移動量を測定し、円盤部44の移動量を求めることで、母型23の実際の移動量を正確に把握することができる。
(1-10)さらに、本実施形態の治具4は、円盤部44に母型23を母型固定部材441により固定しており、母型23を、第三固定部材441Cと、第一固定部材441A,第二固定部材441Bとにより、挟持している。第三固定部材441Cの螺合部441C3に対するねじ部441C1の位置を調整することで、すなわち、第一固定部材441A,第二固定部材441Bに対し、ねじ部441C1及びこのねじ部441C1の先端に固定された固定部材本体441C2を進退させることで母型23よりも大きな形状の母型、母型23よりも小さな母型を円盤部44に固定することができる。従って、様々な大きさ形状の母型を取り付けることができるので、汎用性に優れた治具となっている。
(1-11)また、治具4では、母型23は、第三固定部材441Cのねじ部441C1を螺合部441C3に螺合することで、母型23は、第三固定部材441Cと、第一固定部材441A,第二固定部材441Bとにより、挟持されることとなる。これにより、母型23が円盤部44に確実に固定されることとなり、円盤部44から外れてしまうことを防止することができる。
(1-12)さらに本実施形態では、母型23の外形中心位置P1と、保持部31の回転軸312とが一致した位置を母型23の原点位置としており、母型23の外形中心位置P1は把握しやすいため、保持部31の回転軸312と容易に位置合わせすることができ、原点出し工程に手間を要しない。
また、母型23の凹部222の加工中心となる設計上の位置P2は、外形中心位置P1を基準とし、この基準から容易に把握することができる。母型23の外形中心位置P1と、保持部31の回転軸312とを一致させ、これを母型23の原点位置とすることで、保持部31の回転軸312と、原点位置にある母型の凹部222の加工中心となる設計上の位置との位置関係を容易に把握することができる。そのため、作業者は、調整工程において、凹部222の設計上の加工中心となる位置P2と保持部31の回転軸312とをスムーズに一致させることができる。
さらに、原点出し工程では、母型23の外形中心位置P1が円盤部44の平面中心と一致するように、母型23が取り付けられた円盤部44を回転させることで、母型23の外形中心位置P1と保持部31の回転軸312とを一致させている。このように、原点出し工程では、母型23の外形中心位置P1と、円盤部44の平面中心、保持部31の回転軸312とを一致させるため、母型23はバランスよく保持部31に取り付けられることとなるので、原点出し工程において、安定して円盤部44を回転させることができ、原点出しを容易に行うことができる。
(1-13)本実施形態では、位置決め板48をステージ43,42の摺動方向に沿った側面に、面状に押し当てることにより、ステージ43,42の位置決めを行っている。このようにすることで、ステージ43,42を固定する際に、ステージ43,42に不要な力がかからず、ステージ43,42を固定する際に、ステージ43,42が動いてしまうことを防止でき、精度良く位置決めすることができる。
また、位置決め板48をステージ43,42(例えば、Xステージ43)に押し当てる際には、位置決め板48に形成された長孔481及びXステージ43に形成されたねじ孔43A1にねじ47を挿入している。このように、ねじ47を長孔481及び孔43A1に挿入するだけでよいため、Xステージ43の固定を容易に行うことができる。なお、Yステージ42を固定する際も同様である。
(1-14)円盤部44の本体部440Bには、母型23の外形形状に沿った段部440B2が形成されており、この段部440B2に沿って、母型固定部材441で母型23を支持するため、母型23を取り付け部の正確な位置に固定することができる。
また、段部440B2に沿って母型固定部材441を固定すればよいので、段部440B2が形成されていない場合に比べ、母型固定部材441の固定を容易に行うことができる。
(1-15)さらに、本実施形態では、円盤部44を高さ調整部440Aと、本体部440Bとを備えるものとし、高さ調整部440Aのピン440A1を本体部440Bの孔440B1に挿入している。そのため、例えば、一つ目の母型23の全ての凹部222の加工が終了し、2つめの母型23に凹部222を製造する際に、高さ調整部440AをXステージ43に取り付けたまま、一つ目の母型23が取り付けられた本体部440Bのみを取り外すことができる。そして、一つ目の母型23を二つ目の母型23に交換し、再度、本体部440Bを高さ調整部440Aに取り付ければよい。このようにすることで、母型23を交換する際に、ステージ43,42等を保持部31から取り外す必要が無いので、二つ目の母型23を製造する際に、ステージ43,42等の傾きの調整等が不要となる。これにより、成形型2の製造効率を向上させることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図12〜図14を参照して説明する。以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態では、図12及び図13に示すように、前記実施形態の治具4とは異なった形状の治具6を使用する
この治具6は、母型23を加工機3の保持部31に取り付けるためのものであり、保持部31の面311に固定される基部61と、基部61上に設置される円盤部62とを備える。
基部61は、Z軸方向に沿って見た場合、平面円形形状となっている。この基部61の円盤部62側の面には、その中心点から等距離の位置に2本の位置決めピン611が突設されている。2本の位置決めピン611は、X軸方向に沿った直線上に配置されている。
母型23が取り付けられる取り付け部としての円盤部62は、前記実施形態の円盤部44と略同様の構造であるが、円盤部44が高さ調整部440Aと、本体部440Bとの2体で構成されていたのに対し、本実施形態の円盤部62は一体構成となっている。この円盤部62の基部61側の面には、第一の孔群621A及び第二の孔群621Bが形成されている。
第一の孔群621Aは、円盤部62を平面視した際に、円盤部62の中央の母型23が固定される部分に隣接しており、図12左側に形成される。第二の孔群621Bは、母型23が固定される部分から図9右側に形成されている。このような第一の孔群621Aと、第二の孔群621Bとは円盤部62の中央の母型23が固定される部分を挟んで配置されている。
第一の孔群621A及び第二の孔群621Bは、母型23に形成される凹部222の数及び配列(行を横一並びの要素、列を縦一並びの要素とすると6行×4列)に応じて形成された孔623と、これらの孔623の配列の中央に形成された中心孔624とを備える。
この中心孔624と複数の孔623との位置関係は、母型23の凹部222の加工中心となる設計上の位置と母型23表面のレンズアレイ1を成形する部分の外形中心位置P1との位置関係に対応したものである。
これらの孔群621A,621Bの孔623及び中心孔624には、位置決めピン611が適宜挿入される。
なお、円盤部62の中心孔624に基部61の位置決めピン611を挿入した場合には、円盤部62の平面中心と、基部61の平面中心とは一致することとなる。
また、円盤部62の表面には、円盤部44の本体部440Bと同様の段部440B2が形成されている。
さらに、円盤部62の側面(円柱面)には、図示しないが、円盤部44の高さ調整部440Aと同様に基準面が形成されている。
このような円盤部62は、4枚の固定板63により基部61に固定される。固定板63は、円盤部62の上下左右(X軸方向、Y軸方向)に配置されており、全部で4枚となっている。
この固定板63は、平面略矩形形状であり、その中央部分に長手方向に沿った長孔631が形成されている。図13に示すように、固定板63の円盤部62側の一方の端部は、基部61側の面が切りかかれており、厚みが薄くなっている。この一方の端部は、円盤部62の円柱面に形成された凹部625に挿入される。
そして、ねじ64の螺合部分を固定板63の長孔631に挿入して、基部61にねじ込むことで、ねじ64の頭部分641が長孔631の周縁に係合する。これにより、固定板63の一方の端部により円盤部62が基部61に締め付けられることとなる。
このような治具6は、可動型22の製造に使用される前段において、次のような検査が行われている。
まず、保持部31に取り付けられた治具6の基部61の位置決めピン611をそれぞれ、円盤部62の第一の孔群621A,第二の孔群621Bの中心孔624に挿入する。これを円盤部62の原点位置とする。この際、円盤部62の基準面にダイアルゲージ等の測定機器を当てて、円盤部62のX軸上の位置、Y軸上の位置を測定しておく。
次に、円盤部62の中心孔624から位置決めピン611を取り外し、位置決めピン611を第一の孔群621A,第二の孔群621Bの所定の孔623Aに挿入する。そして、固定板63により円盤部62を基部61に固定する。
その後、円盤部62の基準面にダイアルゲージ等を当てて、円盤部62の原点位置からの移動量を実測する。また、位置決めピン611を挿入する孔を中心孔624から所定の孔623Aに移した場合の円盤部62の設計上の移動量、すなわち、中心孔624から所定の孔623までの設計上の距離を算出する。
この円盤部62には、母型23が固定されるので、円盤部62の実測値は、母型23が実際に移動した量に該当し、算出値は、母型23の設計上の移動量に該当することとなる。
実測値と、算出値とを比較して、実測値と算出値との差が所定値以下であれば、治具6を合格とする。
実測値と算出値の差が所定値を超えるものである場合には、治具6を作り直す。
次に、以上のような検査を終えた治具6を用いた可動型22の製造方法について説明する。
まず、母型23を治具6に取り付ける。ここで、治具6の基部61の位置決めピン611は、円盤部62の第一の孔群621A、第二の孔群621Bの中心孔624に挿入しておく。
母型23の表面のうち、レンズアレイ1を形成する部分の外形中心位置P1と、円盤部62の平面の中心位置とが一致するように取り付ける。具体的には、円盤部62の段部440B2に沿って第一固定部材441A、第二固定部材441Bを固定する。そして、母型23の直交する側面を前記第一固定部材441A及び第二固定部材441Bに当接させて第三固定部材441Cにより固定する。その後、母型23をねじで円盤部62に固定する。
次に、母型23が取り付けられた治具6を加工機3の保持部31に固定する。
この際、図12に示すように、保持部31の回転軸312と、治具6に取り付けられた母型23の表面のうち、レンズアレイ1を成形する部分の外形中心位置P1とを一致させて固定する。この位置が、保持部31に対する母型23の原点位置となる(原点出し工程)。
さらに、円盤部62の基準面440A2にダイアルゲージ等の測定機器を当てて、円盤部62のX軸上の位置、Y軸上の位置を測定しておく。
次に、治具6の円盤部62を基部61から取り外す。そして、母型23に形成される一つ目の凹部222に対応する円盤部62の第一の孔群621A及び第二の孔群621Bの孔623に基部61の位置決めピン611を挿入する。例えば、図14に示すように、一つ目の凹部222として図14右下方の凹部222Aを形成したい場合には、この凹部222Aに対応した孔623Aに位置決めピン611を挿入する。これにより、保持部31の回転軸312と、一つ目の凹部222の加工中心となる設計上の位置、すなわち、母型23の表面のレンズアレイ1の小レンズ121の光学的中心に対応する設計上の位置P2とが合うこととなる(調整工程)。
ここで、円盤部62の中心孔624と複数の孔623との位置関係は、母型23の凹部222の加工中心となる設計上の位置P2と母型23表面の外形中心位置P1との位置関係に対応したものとなっている。原点出し工程において、中心孔624に位置決めピン611を挿入し、保持部31の回転軸312と、母型23の外形中心位置P1とを合わせ、調整工程において、位置決めピン611を挿入する孔を中心孔624から所定の孔623Aに移すことは、保持部31の回転軸312と、原点位置にある母型23の凹部222の加工中心となる設計上の位置P2との位置関係に基づいて母型23を移動させることとに該当する。
次に、一つめの凹部222Aに対応した孔623Aに位置決めピン611を挿入した場合の設計上の母型23の移動量を算出する(算出工程)。すなわち、保持部31の回転軸312と原点位置にある母型23の凹部222Aの加工中心となる設計上の位置P2との位置関係に基づく母型23の移動量を算出する。なお、本実施形態では、前段の検査工程で、母型23の設計上の移動量が算出されているため、この算出値を参照してもよい。
また、円盤部62の側面にダイアルゲージ等の測定機器を当てて、円盤部62のX軸上の位置、Y軸上の位置を測定し、これに基づいて、母型23の移動量を求める(実測工程)。
そして、算出値と、実測値とを比較して、その差が所定値以下、例えば、0.01mm以下であるか否かを判別する(比較判別工程)。
算出値と実測値との差が所定値以下であれば、凹部222の粗研削を行う(粗研削工程)。
算出値と実測値との差が所定値を超えるものである場合には、凹部222の加工を行わず、治具6を作り直し、再度、上述した調整工程から比較判別工程を行う。
このような作業を繰り返して、凹部222を24個形成するが本実施形態では、治具6は予め検査が行われたものであるため、各凹部222ごとに、算出工程、実測工程、比較判別工程を行う必要はない。
24番目の凹部222の粗研削が終わった後、粗研削を行った場合と同様の方法で凹部222の仕上げ研削を行う(仕上げ研削工程)。仕上げ研削工程以降の工程は、前記実施形態と同様であるため、説明を省略する。
このような本実施形態では、第一実施形態の(1-1)〜(1-4)、(1-7)、(1-9)、(1-12)〜(1-14)と略同様の効果を奏することができるうえ、以下のような効果を奏することができる。
(2-1)治具6の円盤部62には凹部222の数及び配列に対応した孔623を有する第一の孔群621A,第二の孔群621Bが形成されている。そして、形成する凹部222に対応する孔623に加工機3の保持部31に取り付けられた基部61の位置決めピン611を挿入することで、母型23の表面のレンズアレイ1の小レンズ121の光学的中心に対応する設計上の位置P2(凹部222の加工中心となる設計上の位置P2)と、保持部31の回転軸312とが一致する構成となっている。従って、容易に、凹部222の加工中心となる設計上の位置P2と保持部31の回転軸312とを一致させることができる。
(2-2)また、位置決めピン611が基部61に1本しか突設されていない場合には、調整工程で位置決めピン611を孔群の所定の孔に挿入しても、基部と円盤部との位置決めを正確に行うことが困難であり、保持部31の回転軸312と、母型23の表面のレンズアレイ1の小レンズ121の光学的中心に対応する設計上の位置P2(凹部222の加工中心となる設計上の位置P2)とが正確に一致せず、実測値と算出値との差が所定値以下とならない場合がある。
これに対し、本実施形態では、位置決めピン611を2本設け、また、円盤部62に形成される孔群621A,621Bを2つ設けたので、保持部31に取り付けられる基部61に対し、母型23が取り付けられる円盤部62を高度に位置決めできる。これにより、保持部31の回転軸312と、凹部222の加工中心となる設計上の位置P2とを高度に一致させることができ、比較判別工程において、実測値と算出値との差を所定値以下におさめることができる。
(2-3)さらに、本実施形態では、成形型2を製造する前段において、円盤部62の孔群621A,621Bの所定の孔623Aに位置決めピン611を挿入した際に、円盤部62の実際の移動量(実測値)と、算出値との差が所定値以下となるかどうかの検査を行っており、所定値以下となる治具6のみを成形型2の製造に使用している。
従って、成形型2の製造工程では、前記実施形態のように凹部222を形成するたびに、算出値と、実測値とを比較して比較判別する必要がないので、成形型2の製造効率を向上させることができる。従って、成形型2を量産する場合に、適したものとなる。
なお、成形型2の成形時には、適宜、算出値と実測値との比較判別を行っているので、位置決めピン611が折れるなどして、保持部31の回転軸312と、母型23の表面のレンズアレイ1の小レンズ121の光学的中心に対応する設計上の位置P2とが一致しない場合に、回転軸312と凹部222の加工中心となる設計上の位置P2とが大きくずれたまま粗研削してしまうことを防止できる。
(2-4)また、本実施形態の治具6は、基部61と、円盤部62、固定板63との3部材で構成されており、前記実施形態のような駆動部45X,45Yが不要であるため、治具6の部材点数を削減して、構造を簡略化することができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、成形型を製造する際に、表面粗さ、形状精度の判定を行った後、凹部222により形成されるレンズアレイ1の小レンズ121の光軸位置精度がよいかどうかを、凹部222を3次元測定機器で測定することにより、確認したが、このような工程はなくてもよい。この場合には、表面粗さ、形状精度の判定を行った後、レンズアレイ1を製造して、光軸精度を判定する。このようにすることで、成形型の製造工程を簡略化することができる。
また、前記各実施形態では、原点出し工程において、保持部31の回転軸312の位置を基準位置とし、母型23の外形中心位置P1と、保持部31の回転軸312とを一致させ、これを母型23の原点位置としたが、これに限らず、保持部31の基準位置は回転軸312と一致しない位置であってもよい。
さらに、第一実施形態では、駆動部45X,45Yをマイクロメータヘッドとしたが、これに限らず、Xステージ43、Yステージ42を駆動させることができるような構造であれば任意である。例えば、リニヤスケールや、ボールねじ等を利用してもよい。
また、第一実施形態では、駆動部45X,45Yを作業者が手で作動させることで、Xステージ43,Yステージ42を移動させていたが、モータ等の駆動装置を駆動させて、Xステージ43、Yステージ42を駆動させてもよい。
また、第一実施形態では、位置決め板48により、各ステージ42,43の位置決め固定を行ったが、駆動部45X,45Yにより各ステージ42,43を摺動させた後、各ステージ42,43の位置ずれが起きないようであれば、位置決め板48はなくてもよい。
さらに、第二実施形態では、治具6の基部61に形成された位置決めピン611を2本とし、円盤部62に形成される孔群621A,621Bを2つとしたが、これには、限られない。位置決めピンの本数は複数本であればよく、位置決めピンの数に応じて孔群を形成すればよい。だたし、位置決めピンの本数を多くすると、孔群の数も多くなるので、円盤部の製造に手間を要することとなる。これに対し、本実施形態では、位置決めピン611を2本とし、円盤部62に形成される孔群の数を2つとしたので、円盤部622の製造に手間を要しない。
さらに、第二実施形態では、可動型22の凹部222は、偶数個であり、凹部222の加工中心となる位置と、母型23の外形中心位置P1とが異なる可動型22を製造したが、これに限らず、例えば、凹部222が奇数個であり、凹部222の加工中心となる位置と、母型の外形中心位置とが一致していてもよい。
この場合には、治具の孔群は、凹部の加工中心となる位置に対応する複数の孔のみを有するものとすればよい。
また、第二実施形態では、治具6の基部61に位置決めピン611を設け、円盤部62に孔群621A,621Bを形成したが、これに限らず、基部に孔群を形成し、円盤部に位置決めピンを突設してもよい。
本発明は、複数の小レンズがマトリクス状に配置されたレンズアレイを製造するための成形型の製造に利用できる。
本発明の第一実施形態にかかるレンズアレイを示す図。 前記レンズアレイの成形型を示す断面図。 成形型を製造するための加工機及び治具を示す斜視図。 前記加工機の変形例を示す模式図。 前記成形型の母型を加工機に取り付けるための治具を示す側面図。 図5とは異なる方向から治具を見た側面図。 前記治具の円盤部を示す斜視図。 前記治具を示す平面図。 成形型の製造方法を示すフローチャート。 成形型の製造方法を示すフローチャート。 前記治具の図8とは異なる状態を示す平面図。 本発明の第二実施形態にかかる治具を示す平面図。 前記治具を示す断面図。 前記治具の図12とは異なる状態を示す平面図。 本発明の従来例を示す斜視図。 本発明の従来例の要部を示す斜視図。
符号の説明
1…レンズアレイ、2…成形型、3…加工機、4…治具、6…治具、23…母型、31…保持部、32…加工部、41…基部、42…Yステージ、43…Xステージ、61…基部、62…円盤部、121…小レンズ、221…成形面、222…凹部、312…回転軸、321…ディスク型砥石、611…位置決めピン、621A…第一の孔群、621B…第二の孔群、623…孔、624…中心孔、P1…外形中心位置、P2…母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する位置

Claims (12)

  1. レンズアレイを成形するための成形型であり、成形面にレンズアレイのマトリクス状に配置された小レンズに対応した凹部が形成された成形型の製造方法であって、
    成形型の母型の表面に前記凹部を形成するための加工機を使用して行われ、
    前記加工機は、母型を回転可能に保持する保持部と、工具により母型の表面に前記凹部を切削または研削によって成形する加工部とを備え、
    前記保持部は、前記工具に対して、三次元的に位置決め可能な軸構成とされ、
    前記加工部の前記工具は、前記保持部に対して三次元的に位置決めしながら移動可能とされており、
    前記母型を保持部上の基準位置に取り付け、これを母型の原点位置とする原点出し工程と、
    前記保持部の回転軸と、前記原点位置にある前記母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置との位置関係に基づいて、前記母型を移動させて、前記回転軸と前記母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置とを合わせる調整工程と、
    前記位置関係に基づく、前記原点位置からの母型の移動量を算出する算出工程と、
    前記原点位置からの母型の移動量を実測する実測工程と、
    前記実測工程による実測値と、前記算出工程における算出値とを比較する比較判別工程とを備え、
    前記比較判別工程において、実測値と算出値との差が所定値以下である場合に、前記加工部により、母型の表面に凹部を形成することを特徴とする成形型の製造方法。
  2. 請求項1に記載の成形型の製造方法において、
    前記原点出し工程では、前記保持部の回転軸と、前記母型の表面のうち、レンズアレイを成形する部分の外形中心位置とをあわせて、前記保持部に前記母型を取り付け、これを母型の原点位置とすることを特徴とする成形型の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の成形型の製造方法において、
    前記母型は、前記加工機の保持部に治具を介して取り付けられ、
    前記治具は、マトリクス状に配置される凹部の一方の配列方向に沿って前記母型を移動させる第一ステージと、凹部の他方の配列方向に沿って前記母型を移動させる第二ステージとを備え、
    前記調整工程では、前記治具の第一ステージ及び/又は第二ステージを動かすことにより、母型の位置調整を行うことを特徴とする成形型の製造方法。
  4. 請求項2に記載の成形型の製造方法において、
    前記母型は、前記加工機の保持部に治具を介して取り付けられ、
    前記治具は、前記保持部に取り付けられる基部と、この基部上に配置されるとともに、前記母型が取り付けられる取り付け部とを備え、
    前記基部又は取り付け部の何れか一方には、所定の間隔を空けて、少なくとも2本以上の位置決めピンが突設されており、
    前記基部又は取り付け部の何れか他方には、前記位置決めピンがそれぞれ挿入される2つ以上の孔群が形成されており、
    前記孔群は、凹部の個数及び配列に対応してマトリクス状に配置される複数の孔と、これらの孔の配列の略中央に形成される中心孔とを備えており、
    前記中心孔と複数の孔との位置関係は、前記母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置と外形中心位置との位置関係に対応したものであり、
    前記原点出し工程では、前記孔群の中心孔に位置決めピンを挿入することで、前記保持部の回転軸と、前記母型の外形中心位置とを合わせ、
    前記調整工程では、位置決めピンを孔群の所定の孔に挿入することで、前記保持部の回転軸と、前記母型の表面の前記レンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する位置とを合わせることを特徴とする成形型の製造方法。
  5. レンズアレイを成形するための成形型の母型の表面に、レンズアレイのマトリクス状に配置された複数の小レンズに対応した凹部を形成するための加工機に前記母型を取り付けるための治具であって、
    請求項1から3の何れかに記載の成形型の製造方法に用いられ、
    前記加工機の保持部に固定される基部と、
    この基部上に摺動自在に取り付けられ、マトリクス状に配置される凹部の一方の配列方向に沿って前記母型を移動させる第一ステージと、
    前記基部上に摺動自在に取り付けられ、凹部の他方の配列方向に沿って前記母型を移動させる第二ステージとを備えることを特徴とする治具。
  6. 請求項5に記載の治具において、
    前記基部上を第一ステージが摺動し、前記第一ステージ上を前記第二ステージが摺動し、
    前記基部の第一ステージの摺動方向に沿った側面に固定され、先端が第一ステージの摺動方向に沿った側面にまで突出した第一の位置決め板と、
    前記第一ステージの第二ステージの摺動方向に沿った側面に固定され、先端が第二ステージの摺動方向に沿った側面にまで突出した第二の位置決め板とを有し、
    前記第一の位置決め板を第一ステージの前記側面に押し当て、前記第二の位置決め板を第二ステージの前記側面に押し当てることで、第一ステージ及び第二ステージの位置決めを行うことを特徴とする治具。
  7. 請求項6に記載の治具において、
    前記第一の位置決め板及び第二の位置決め板の突出部分には、それぞれ、第一ステージ、第二ステージの摺動方向に沿った長孔が形成されており、
    第一ステージの前記側面及び第二ステージの前記側面には、前記各位置決め板の前記長孔に応じた位置に孔が形成され、
    この孔に前記位置決め板の長孔を介して固定部材を挿入することで、各位置決め板を第一ステージの前記側面、第二ステージの前記側面に押し当てることを特徴とする治具。
  8. 請求項5から7の何れかに記載の治具において、
    前記第一ステージ及び第二ステージ上には、母型を取り付けるための取り付け部が設けられ、
    前記取り付け部の母型取付面には、母型の外周縁に沿って、母型側に立ち上がった段部が形成されており、
    前記段部に沿って取り付け部に固定され、母型を支持固定する母型固定部材を有することを特徴とする治具。
  9. レンズアレイを成形するための成形型の母型の表面に、レンズアレイのマトリクス状に配置された複数の小レンズに対応した凹部を形成するための加工機に前記母型を取り付けるための治具であって、
    請求項1、2又は4に記載の成形型の製造方法に用いられ、
    前記加工機の保持部に固定される基部と、
    この基部上に配置されるとともに、前記母型が取り付けられる取り付け部とを備え、
    前記基部又は取り付け部の何れか一方には、所定の間隔を空けて、少なくとも2本以上の位置決めピンが突設されており、前記基部又は取り付け部の何れか他方には、前記位置決めピンがそれぞれ挿入される2つ以上の孔群が形成されており、
    前記孔群は、凹部の個数及び配列に対応してマトリクス状に配置される複数の孔と、これらの孔の配列の中央に形成される中心孔とを備えており、
    前記中心孔と複数の孔との位置関係は、前記母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置と母型表面のレンズアレイを成形する部分の外形中心位置との位置関係に対応したものであり、
    前記位置決めピンは、前記複数の孔群の互いに対応する孔又は中心孔に挿入されることを特徴とする治具。
  10. レンズアレイを成形するための成形型の母型の表面に、レンズアレイのマトリクス状に配置された複数の小レンズに対応した凹部を形成するための加工機に前記母型を取り付けるための治具であって、
    請求項1、2又は4に記載の成形型の製造方法に用いられ、
    前記母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する位置のうち、何れか一つと、母型表面のレンズアレイを成形する部分の外形中心位置とが一致しており、
    前記加工機の保持部に固定される基部と、
    この基部上に配置されるとともに、前記母型が取り付けられる取り付け部とを備え、
    前記基部又は取り付け部の何れか一方には、所定の間隔を空けて、少なくとも2本以上の位置決めピンが突設されており、前記基部又は取り付け部の何れか他方には、前記位置決めピンがそれぞれ挿入される2つ以上の孔群が形成されており、
    前記孔群は、前記母型の表面のレンズアレイの小レンズの光学的中心に対応する設計上の位置に対応してマトリクス状に配置される複数の孔を備え、
    前記位置決めピンは、前記複数の孔群の互いに対応する孔に挿入されることを特徴とする治具。
  11. 請求項9又は10に記載の治具において、
    前記取り付け部の母型取付面には、母型の外周縁に沿って母型側に立ち上がった段部が形成されており、
    前記段部に沿って取り付け部に固定され、母型を支持固定する母型固定部材を有することを特徴とする治具。
  12. レンズアレイを成形するための成形型であり、成形面にレンズアレイのマトリクス状に配置された小レンズに対応した凹部が形成された成形型であって、
    請求項1から4の何れかに記載の成形型の製造方法により製造されたことを特徴とする成形型。
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