JPH1015625A - ガス圧接による積層金属材の製造装置とその製造方法 並びに積層材金型の製法および積層金属材の加工製品 - Google Patents

ガス圧接による積層金属材の製造装置とその製造方法 並びに積層材金型の製法および積層金属材の加工製品

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JPH1015625A
JPH1015625A JP21039596A JP21039596A JPH1015625A JP H1015625 A JPH1015625 A JP H1015625A JP 21039596 A JP21039596 A JP 21039596A JP 21039596 A JP21039596 A JP 21039596A JP H1015625 A JPH1015625 A JP H1015625A
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鈴木  寛
Yoshihiro Takeyasu
義博 竹保
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は,技術的,学術的な面から多くの実
験を行い,ガス圧接により大気中での拡散接合を可能と
した積層金属材および積層金型の製造方法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 積層した金属薄板をガス圧接により,大気中
で拡散接合させた積層金属材および積層金型を製造する
ものであり,金属板の厚み,表面積,表面粗さ,積み重
ね枚数等一定の条件下で,上下を加圧冶具,接合防止材
で挟持し圧縮機で機械的に接合させ,空気の侵入を防止
するとともに,リングバーナと加熱体の熱膨張や収縮に
よる接合圧力の変動を調節する調節手段を具備するとと
もに,積層金属材の界面特性と機械的性質を特定した積
層金属材及び積層金型の製造法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,積層金属材および積層
金型の製造法に係り,接合面を溶融させないガス圧接に
より簡易に高品質・低コストで接合させる方法に関す
る。これからの高齢化社会では,老人福祉が重要なテー
マである。鮮やかな装飾品や美しい装身具を身につけれ
ば,若返りに役立ち,外出も多くなり体を充分鍛えるこ
とができ,健康的な生活を過ごすことが期待できる。本
発明は,鮮やかな黄金色とパール色の金属光沢の縞模様
を活用して,老人を対象にデザインした装飾品や装身具
を提供し,福祉産業に参画する。自動車産業,電気電子
産業,機械金属産業などの基盤産業で,最重点課題が金
型の短期製作であり,現状より1週間納期が速まれば,
経済的効果は計り知れない。本発明は,レーザ加工とガ
ス圧接の複合化技術により,従来法の簡易な積層金型で
なく,本格的な積層金型を短期間に製作させ,生産性の
向上や低コスト化を図り,国際競争力に勝てる実力をつ
ける。
【0002】
【従来の技術】従来技術としてのガス圧接は,技能検定
試験が実施されており,この方法は,鉄筋コンクリート
用棒鋼を高温加熱させ,相互の接合面を溶融させて接合
させることを規定している。この場合,溶融させないと
接合面が酸化して,接合が不可能な問題点を抱えてい
る。このため,従来技術では,酸化防止のため,無酸化
ガス雰囲気中や真空中での拡散接合を行っている。この
方法は,空気と遮断する加熱炉が必用で,装置も大がか
りとなり,間接的な加熱法で接合に長時間要し生産性も
非常に悪い欠点がある。これらを克服する技術として,
金属板材を超塑性加工し,かつ拡散接合による金属板の
接合および成形方法(例えば,特開昭62−97782
号)。複数の金属板を接着液により互いに接着して積層
させ,その後エッチング技術を利用して所望形状に加工
する方法(例えば,特公平6−94595号)。が知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来技術で述べたもの
の中,前者においては,拡散接合による金属板の接合
は,大気中の拡散接合だが,事前にシーム溶接により周
囲を溶接し,その後に拡散接合を行っているので,厳密
な意味で大気中の拡散接合ではない。従来は,このよう
に,真空中や不活性ガス中でなければ,周囲を溶接する
ことで空気を遮断して拡散接合を行っていた。周囲を溶
接して拡散接合することは,大気中での拡散接合が可能
だが,実際には,金属板間の空気を排除しなければ酸化
するのは当然である。このため,真空にするか,不活性
ガスを導入するなどして酸化を防止するが,工程が増加
することが大きな問題となっている。又,後者において
は,金属薄板の積層は,接着液により接合しているの
で,接合強度が弱く,その後の2次加工も限定され,ま
た金属材料と有機材料との複合材なので,金属体とは物
理的性質,化学的性質が大きく違い,実用化には大きな
課題がある。
【0004】本発明は,上述した課題や問題点あるいは
欠点に鑑みてなされたものであり,技術的,学術的な面
から多くの実験を行い,大気中で接合面を溶融させずに
接合を可能とした積層金属材および積層金型の製造法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,本発明においてガス圧接により積み重ねた金属薄板
を相互に接合させる積層金属材および積層金型の製造法
であって,金属薄板の板厚を0.1〜5mm,表面積を
5〜400cm,最大表面粗さを0.01〜10μm
として,金属薄板の表面の油や塵を洗浄し,金属薄板の
材質を1〜5種類とし,積み重ね枚数を10〜200枚
とし,パイプ内に金属薄板を重ねる場合は,パイプの内
側の形状と金属薄板の外形を同一形状とし,この隙間を
0〜0.5mmとしてパイプ内に積み重ね,パイプと金
属薄板を同時に加熱するか,あるいはパイプを外して加
熱し,加圧力の制御ができ,断熱材で施工した油圧の圧
縮機械を用い,上下の加圧冶具を接触させたときの隙間
角度を0〜5゜とし,加圧冶具と金属薄板との間に接合
防止材を設置し,加圧冶具,接合防止材,積み重ねた金
属薄板,接合防止材,加圧冶具の順にセットし,加熱前
の機械的な接合圧力を0.1 〜100Kgf/mm
負荷して金属薄板を全て密着させ,この負荷荷重を金属
薄板の最小表面積から求め,リングバーナを用いてアセ
チレン・酸素ガスあるいは液化ガスを還元炎または中性
炎で燃焼させ,接合圧力を0.05〜50Kgf/mm
負荷し,この負荷荷重を金属薄板の最小表面積から求
め,加熱時,冷却時の金属薄板と加圧冶具の膨張,収縮
による接合圧力の変動を調節し,最高接合温度を最も低
融点金属の2/3融点〜融点−10℃として接合面を溶
融させず,接合時間を1〜30分とし,上述した条件を
満足させた積層金属材の界面特性と機械的性質は,金属
相互の元素拡散を界面から0〜300μm,界面の形成
物厚さを0〜20μm,接合力を積層金属の中でも低強
度金属のJIS規格で示す焼なまし材の引張強さの2/
3〜4/3引張強さとしたものである。
【0006】又,Al,Ti,Fe,Ni,Cu,およ
びこれらの合金の金属薄板を製品の形状に応じてプレス
またはレーザで切断後,これら金属薄板の積み重ね方を
同一の金属薄板のみか,2種の金属薄板を交互または任
意とするか,あるいは3〜5種類の金属薄板を任意にし
て形成して成るものである。
【0007】又更に,金属薄板の材質をJISで示す特
殊用途鋼,構造用炭素鋼・合金鋼,鋼板とし,これら金
属薄板を金型の形状と位置決めピンに応じてレーザ切断
し,第1層目を特殊用途鋼,第2〜第200層目を構造
用炭素鋼・合金鋼または鋼板とし,これら金属薄板の重
ね位置がズレないよう,少なくとも2〜20ヶ所に位置
決めピンを挿入し,必用に応じてピンを溶融させること
を特徴としたものである。
【0008】更に,積層金属材の鍛造成形,または圧延
により板厚を0.05〜2.0mmの積層金属薄板材と
し,この積層金属薄板材を用いてプレス部品や成形品の
加工を行うようにしたものである。
【0009】更に又,金属薄板を積み重ねるとき,金属
薄板の任意の層間や空間にセラミックス,ゆう薬,金属
の粉末または塊を入れようとするものである。
【0010】更に又,第1層目の特殊用途鋼の形状よ
り,第2層目〜第200層目の構造用炭素鋼・合金鋼ま
たは鋼板の形状を0.5〜10mmで同一形状で縮小さ
せ,また,積層金型の最終層目もガス圧接させ,この間
に油,水溶液または加熱液を添加させるか,あるいは,
これらの液体を循環させる機構を持ち,深絞り性を向上
するようにしたものである。
【0011】又,本発明のガス圧接より,固相拡散接合
を可能とした大きな理由は,第1に薄い金属板とし,低
い加圧力でも簡単に塑性変形させ,相互の金属薄板を完
全に密着させて空気の侵入を防止したことである。金属
薄板が厚くなると塑性変形が不可能となり,積層間に空
気が侵入し酸化が防げない。第2に上下の加圧冶具を高
精度に平行にし,このことで金属薄板が完全に密着し,
その後の空気の侵入を不可能としたことである。第3
は,周囲をセラミックス板で囲み,還元炎や中性炎の強
力な燃焼ガス炎で空気による酸化を防止させたことであ
る。第4に接合圧力を適切に制御して熱膨張や熱収縮な
どによる加圧力の増減を防止し,一定の加圧力で固相拡
散接合させ,高精度で高強度の接合力を得るようにした
ことである。第5に強力なガス加熱により数分の短時間
で拡散接合を終了させたことで,接合界面に非常の脆弱
な金属間化合物や酸化物の発生を防止させ,接合力を向
上させたことである。従来の拡散接合は真空中や不活性
ガス中で行うため,拡散接合には長時間要し,金属間化
合物や酸化物の析出が大きな問題となっていた。上述し
たことにより,本発明は従来技術では不可能であったガ
ス圧接による固相拡散接合を可能とした画期的な新技術
である。
【0012】
【作用】本発明は,以上説明したように,従来技術が,
高価な装置で真空中,不活性ガス中で拡散接合を行って
いたものを,安価な装置で,大気中,不活性ガスを使用
せず,しかも,接合面を溶融させず,短時間にガス圧接
することに大きな意味がある。また,製造した積層金属
材または積層金型の接合力は,JISで示す強度より高
強度なことが引張試験により実証された。
【0013】第1は,一品加工品の製作を目的とし,工
程の省略,あるいは加工時間の短縮のために,レーザ加
工とガス圧接とを複合化させて,成形品の形状に応じた
積層金属を作成させる。
【0014】第2は,機能性の向上を目的とし,耐食
性,軽量化,耐摩耗性,電気・電磁特性などの向上のた
め,金属選択や積層方法などを検討し,これら積層金属
材を製品加工して機能性の向上を図る。
【0015】第3は,積層金型の高寿命,低コスト化を
目指すもので,加工品に応じてレーザ加工した,硬い金
属の特殊用途鋼と軟らかい金属の構造用炭素鋼・合金鋼
または鋼板とを組み合わせてガス接合する。硬い金属薄
板(例えばJIS規格のSKD11)は,被加工材を加
工し,軟らかい金属薄板(例えばJIS規格SPCC)
は,積層させて硬い金属薄板が加工時に変形しないよう
バックアップすると同時に,加工品の高さに応じて積層
させる。
【0016】第4は,深絞り加工の金型に関するもの
で,第3で示す,軟らかい金属薄板の形状を,硬い金属
薄板と同形であるが寸法を最大10mm小さくし,この
間に油や水溶液を添加させ,潤滑あるいは冷却の効果に
より深絞性を大きく向上させる。
【0017】第5は,ステンレス鋼と銅あるいは銅合金
との積層により,美しい金属光沢の縞模様による装飾品
やステンレス鋼と銅または銅合金の特性の違いを利用し
た機能性部品に適用することを目的とし,ステンレス鋼
と銅あるいは銅合金を交互に積層させたり,ステンレス
鋼,銅,銅合金,それぞれ同一金属が重ならぬよう積層
させる。
【0018】第6は,機械的性質を近付けた異種金属薄
板(例えば,JISのSUS430とSS400との積
層金属)を交互に積み重ねてガス圧接させた,積層金属
材や積層薄板材を塑性変形の試験片として,その後の塑
性解析に活用させる。
【0019】第7は,金属薄板の層間にセラミックスを
挿入させ,金属とセラミックスとの電気特性の違いを利
用した製品(例えば,電気鍋),または,金属粉末によ
る高機能化(例えば,防振材料),あるいは,ゆう薬を
挿入させての装飾・装身具(例えば,七宝アクセサリ
ー)
【0020】第8は,ガス拡散接合した積層金属の2次
加工,3次加工に関する物で,2次加工は,積層材料を
素材として機械加工,鍛造,その他の成形加工により成
形品とし,3次加工とは,積層金属をさらに圧延し,こ
れを素材として3次加工するもので,各種のプレス加工
品等がこれに相当する。
【0021】
【実施例】以下,本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は,ガス圧接による積層金属材および
プレス金型の製造法を示す。一例として厚さ1mmの黒
鉛の接合防止材4の間に直径38mm,板厚1mmと
し,アセトンを用いて超音波洗浄して油脂やゴミを完全
に取り除いた,ステンレス鋼2と銅3とを14枚交互に
積み重ね,接合圧力を高精度に調節・測定できる油圧の
圧縮機械1により,平行な加圧冶具5を介して5Kgf
/mm加圧してステンレス鋼2と銅3の曲がりやひず
みを矯正し,積層間に空気を介在させないよう機械的な
接合をさせる。温度測定は3ヶ所で行い,2ヶ所は,積
み重ねたステンレス鋼2と銅3近くの加圧冶具5に取り
付けた熱電対8により温度測定し,もう1ヶ所は,積み
重ねたステンレス鋼2と銅3の中央部を放射温度計9に
より関節的に温度測定する。そして,加熱するが,圧縮
機械1の周囲は厚さ25mmの断熱用のセラミックス板
7で囲んでいるが,これは,加熱時に高速多量の燃焼ガ
スが反射し,空気の侵入を防いでいる。リングバーナ6
を用いアセチレン・酸素ガスにより均一温度に加熱する
ため,リングバーナ6を上下しながら加圧冶具5,積み
重ねたステンレス鋼2と銅3を加熱する。この場合,熱
膨張による加圧力の変化を防止するため,加圧力を2K
gf/mmに制御しながら,最高加熱温度950℃ま
で急速加熱し,この温度で短時間保持し,任意の温度ま
で徐冷させてガス圧接を終了させる。
【0022】図2は,ガス圧接の熱サイクルの一例を示
す。最初に機械的な接合圧力200Kgf/cmを負
荷させ,引き続き加熱するが,この時点で接合圧力を1
00Kgf/cmとして加熱を行う。最高接合温度9
50℃まで100秒で,ここで20秒保持してから70
0℃まで60秒間かけて冷却し,接合を終了させる。ガ
ス圧接時間は3分となる。
【0023】図3は従来法と本発明のガス圧接の加熱温
度と加圧力の比較を示す。従来のガス圧接は,加熱温度
の上昇とともに被圧接材である鉄筋用棒鋼が膨張し,こ
れにともない,加圧力が上昇する。しかし,組織変態に
よる温度低下で鉄筋用棒鋼が収縮し,加圧力が急激に低
下する。これが原因して,接合面に大気中の酸素が浸入
して酸化物を形成し,接合力の低下が生じる。このこと
から,従来のガス圧接は,接合面を溶融させて,酸化物
の影響をなくしているが,溶融にともなう形状変化が機
械部品,電気部品などには大きな障害となっている。本
発明は,初期加圧力を500Kgf/cmにし,加熱
と同時に加圧力を250Kgf/cmにし,この加圧
力を一定に保持しながらガス圧接を行う。このことで,
従来法のような組織変態にともなう荷重の低下がないの
で,接合面の酸化もなく,固相接合も可能となり,形状
変化もなく非常に優れたガス圧接法である。
【0024】図4は,鋼板(材質:SPCC,板厚:1
mm,積層枚数20枚,)をガス圧接した場合,最高加
熱温度と接合圧力が接合力に与える影響を示す。この図
から鋼板の接合力は,最高加熱温度や接合圧力に影響さ
れるが,どの場合も鋼板のJISで規定している引張強
さ270N/mmより、強く,接合が非常に優れてい
る。
【0025】図5は,特殊用途鋼(SKH51)と鋼板
(SPCC)のガス接合による界面の元素拡散を示す。
この図から,特殊用途鋼の各元素が鋼板側に最大100
μmまで拡散している。
【0026】図6は,ステンレス鋼2と銅3との金属薄
板(板厚:1mm,積層枚数:11枚)を交互に重ねて
ガス圧接したものを示す。この場合は,ステンレス鋼2
のパール色と銅3の黄金色の大変美しい縞模様となり,
装飾品や装具品への用途開発が有望である。
【0027】図7は,積層金属材の断面を示し,アルミ
ニウム10,チタン11,銅3の金属薄板(板厚:2m
m,積層枚数:12枚)をレーザまたはプレスで形状に
基づき切断し,図の左側はアルミニウム10のみ,右側
は上をチタン11,下を銅3としてガス圧接しものを示
す。ガス圧接後,このまま製品とするか,または引き続
き機械加工により仕上げて製品にする。
【0028】図8は,ガス圧接による積層金型で,第1
層目を特殊用途鋼12(材質:SKD11,板厚:4m
m),第2層目〜第10層目を鋼板13(材質:SPC
C,板厚:2mm)とし,重ね位置を正確にする位置決
めピン14を4ヶ所に挿入する。
【0029】図9は,特殊用途鋼12より鋼板13の形
状を同形で小さくしてガス圧接し,この積層金型の間に
油,水溶液または加熱液水を添加させるか,あるいは循
環機構15を持たせ,被加工材の深絞り性を良好とさせ
る積層金型。
【0030】10図は,銅3(板厚:2mm,積層枚
数:12枚)を積み重ねるとき,パイプ16を用いて層
間17や空間18に挿入させたゆう薬を落下させないこ
とと,銅3の重ね位置を正確にさせる方法を示す。
【0031】図11は,積層金属体19の冷間圧延を示
す。この冷間圧延ロール20により,プレス用素材の厚
さを0.05mm〜2mmで薄膜化させる。
【0032】
【発明の効果】本発明は,以上,説明したように新規な
積層金属として開発したもので,以下,記述のような効
果を奏するものである。
【0033】真空中での拡散接合は,長時間を要すると
ともに,結晶粒の粗大化や金属間化合物の形成など,特
性も非常に悪くなる。不活性ガスの場合は,単独では完
全に酸化を防止できないので,真空と併用しなければな
らない欠点がある。
【0034】本発明は,従来のように真空中や不活性ガ
ス中ではなく,大気中で,しかも,接合面を溶融させ
ず,短時間に拡散接合を行うので工業的メリットが大き
い。とくに,短時間で拡散接合することは,物理的,化
学的にも重要で,金属本来の特性を維持することは,今
後の複合化技術に役立つことは確実である。
【0035】金型においては,従来の簡易金型から本格
的な金型へと移行したと言えるもので,本発明による
と,金型製作時間が確実に50%は短くなり,画期的な
ことである。とくに,油,冷却水あるいは高温油を循環
させて,成形性を向上させることは,従来の金型では不
可能で,たいへん有益な新技術である。
【0036】積層金属は,装飾品としても注目され,ア
クセサリーや家具金具などにすれば,非常に喜ばれる。
積層金属は,また,機能性材料としても注目され,歯車
に適用すれば消音効果が期待できるし,異種金属に若干
の不純物を添加させれば,新電子材料として脚光を浴び
る可能性もある。さらに,塑性加工の試験材料として塑
性解析への利用価値が大きい。
【0037】このように,本発明のガス圧接は,加圧制
御により弾性域,塑性域での接合が可能で,品質が優れ
操作性がよく短時間に,そして安価に製造でき,これか
らの応用範囲は無限大に広がり,従来不可能と考えられ
ていた技術課題が可能となる,画期的な方法である。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【1図】ガス圧接による積層金属材およびプレス金型の
製造法
【図2】ガス圧接の熱サイクル図
【図3】従来法と本発明のガス圧接の加熱温度と加圧力
との比較
【図4】ガス圧接条件が接合力に与える影響
【図5】ガス圧接後の界面の元素拡散
【図6】ステンレス鋼と銅とのガス圧接による縞模様
【図7】レーザ切断した薄板をガス圧接した積層金属体
【図8】ガス圧接による積層金型
【図9】循環機構を取り入れたガス圧接による積層金型
【図10】層間や空間に粉末や塊を取り込んだ積層金属
【図11】積層金属体の冷間圧延による積層金属薄板の
製造法
【符号の説明】
1 圧縮機械 2 ステンレス鋼 3 銅 4 接合防止材 5 加圧冶具 6 リングバーナ 7 セラミックス板 8 熱電対 9 放射温度計 10 アルミニウム 11 チタン 12 特殊用途鋼 13 鋼板 14 位置決めピン 15 循環機構 16 パイプ 17 層間 18 空間 19 積層金属体 20 ロール 21 支柱
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月23日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ガス圧接による積層金属材の製造
装置とその製造方法並びに積層材金型の製法および積層
金属材の加工製品
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層金属利の製造
装置およびその製造方法並びに積層金型の製法とこれら
から得られる加工製品に係り、詳しくは、接合面を溶融
させないガス圧接により容易に高品質、低コストで接合
させる方法、装置に関し、これらから派生する金属光沢
の縞摸様を有する装飾品やガス圧接とレーザ加工の複合
化技術により従来の簡易な積層金型でなく本格的な積層
金型を短期間に製作し生産比の向上や低コストに寄与す
る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術としてのガス圧接は、技能検定
試験で実施されているが、この方法は、鉄筋コンクリー
ト用棒鋼を高温加熱させ相互の接合面を溶融し接合する
方法であり、溶融させないと接合面が酸化し接合不可能
となる他、溶融により接合面が大きく変形するという問
題点をも有していた。
【0003】このため従来技術では、酸化防止のため無
酸化ガス雰囲気中や真空中での拡散接合を行っている
が、この方法によれば空気と遮断する加熱炉を要し、装
置が大がかりとなる他、間接的加熱法であるため接合に
長時間要し生産性が非常に悪いという問題点を有してい
た。
【0004】これらを改良した技術として、金属板材を
超塑性加工し且つ拡散接合による金属板の接合および成
形方法(例えば、特開昭62−97782号公報参
照)。又、複数の金属板を接着液により相互に接着し、
積層させた後、エッチング技術を利用して所望形状に加
工形成する方法が知られている(例えば一特公平6−9
4595号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術で述べたもの
の中、前者においては、拡散接合による金属板の接合は
大気中における拡散接合であり、事前にシーム溶接によ
り周囲を溶接した後、拡散接合を行っているので厳密な
意味で大気中での拡散接合ではない。従来は、このよう
に真空中や不活比ガス中でなければ周囲を溶接すること
で空気を遮断して拡散接合が行われており、周囲を溶接
して拡散接合することは大気中での拡散接合を可能とす
るが、実際には金属板間の空気を排除しなければ酸化す
るのは当然であり、酸化を防止するためには真空にする
か、不活比ガスを導入しなければならず、工程が憎加す
る等大きな問題を有していた。
【0006】又、後者においては、金属薄仮の積層は接
着液により接合しているため、接合強度が弱く、そのた
め、その後の2次加工も限定され、又、金属材料と有機
材料との複合材であるので金属体とは物理的性質、科学
的性質を大いに異にし、実用化に大きな問題点を有して
いた。
【0007】本発明は、上述した課題や問題点に鑑みて
なされたものであり、技術的、学術的見地から多くの実
験を行い、大気中で接合面を溶融させずに接合可能とし
たガス圧接による積層金属材の製造装置とその製造方法
並びに積層材金型の製法および積層金属材の加工品を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のガス圧接による積層金属材の製造装置にお
いては、圧縮機に載置した左右を開口し、上下部の央部
に開孔口を有するセラミックスケースと、加工治具、接
合防止材および異種又は同種の板厚5m/m以下の金属
薄板を10層乃至500層積層後金属薄板や粉末等を積
層保持する半割状の開閉自在で着脱自在のパイプと、圧
縮機と併設し左右摺動可能とした支柱に上下動自在に移
動具を枢着し、この移動具に固着した横杆先端部に設置
したバーナと、支持柱に固設した放射温度計とから構成
され、バーナとこの放射温度計とをガス炎対流室に夫々
臨ませるよう成したものである。
【0009】又、本発明の目的を達成するため、本発明
のガス圧接による積層金属材の製造方法においては圧縮
機に左右を開口し上下部央部に開孔口を有するセラミッ
クスケースを載置し、加工冶具、接合防止材および異種
又は同種の板厚5m/m以下の金属薄板を10層乃至5
00層積層後金属薄板や金属薄板の任意の層間に挿入し
たセラミックス、釉薬および金属粉末や低融点合金等を
積層保侍する半割状の開閉自在で着脱自在のパイプを前
記ケース内に設け、積層材等を前記圧縮機で加圧すると
共に左右摺動自在とした支柱に上下動自在に設けた移動
具に横杆の基端部を固着し、その先端部に円弧状又は角
状のバーナを連結し、前記開口部一側よりガス炎対流室
内に臨ませ、パイプ除去後の前記積層金属薄板、又は金
属粉末等を保持した前記パイプを囲繞しバーナを上下動
して加熱する一方、他側に設置した放射温度計により加
熱温度を測定し、積層金属材の熱膨張、熱収縮からの加
圧力の変化を圧縮機で調整しながら設定温度に保侍させ
ることで積層金属薄板等を一体化し固相接合するように
したものである。
【0010】さらに本発明の目的を達成するため、本発
明の積層金属材の製造方法においては、Al、Ti、F
e、Ni、Cuおよびこれらの合金から成る板厚5m/
m以下の金属薄仮を製品形状に応じプレス又はレーザ
工し切断後、同種金属薄仮のみか、2の金属薄板を交
互又は任意に、又は3種乃至5種の金属薄仮を任意に
層し、積層金属材を形成するようにしたものである。
【0011】さらに又、本発明の目的を達成するため、
本発明の積層金属材金型の製法においては、金属薄板の
材質をJIS規格で示す特殊用途鋼、構造用炭素鋼、合
金鋼および鋼板とし、これら金属薄板を成形品の形状と
位置決めピンの位置に応じてレーザ加工切断し、第1層
目を特殊用途鋼、第2層乃至第200層目を構造用炭素
および合金鋼又は鋼板とし、これら金属薄板の積層
置がズレないよう、少なくとも2乃至20カ所に位置決
めピンを挿入し、必要に応じてピンを溶融させるように
したものである。
【0012】又さらに、本発明の目的を達成するため、
本発明の積層金属材金型の製法においては、第1層目の
特殊用途鋼の形状より第2層乃至第200層目の構造用
炭素鋼および合金鋼又は鋼板の形状を縮小させ又、積層
金属板の最終層目もガス圧接させ、前記縮小隙間に油お
よび水溶液又は加熱液を添加させ、これらの液体を循環
させる循環機構を有するものである。
【0013】そして、本発明の目的を達成するため、本
発明の積層金属材の加工製品においては、積層金属材を
任意の厚さに上下又は左右方向から鍛造し成形するか又
は、縦又は横に垂直方向から切断して積層金属体を形成
し、圧延により板厚を0.05乃至2.0m/mの一方
向の並列金属薄板を形成しプレス部品、成形品の加工お
よびそれらによる電子部品、装飾品等を形成する。
【0014】
【発明の実施形態】発明の実施の形態を実施例に基づき
図面を参照して説明する。図1において、圧縮幾1、1
に左右を開口し下部セラミックス板の央部に開口孔を有
するセラミックスケース7を載置し、1乃至5種類の材
質からなる金属薄板2、3(例えばステンレス鋼、銅)
を10層以上500層程度積層するに際し、この金属薄
板2、3の外形と内側形状を略同一形状とした半割の開
閉自在で着脱自在のパイプ8を前記ケース7内に載置
し、このパイプ8内に加圧冶具5、接合防止材4および
金属薄板2、3の順に積層し積層ガイドとすると共に、
前記圧縮機1一側に併設し左右摺動自在に設けた支柱2
2に上下動自在に枢着した移動具21と、この移動具2
1と一体化した横杆の先端部に取付けたバーナー6と、
支持柱16に固設した放射温度計9とを夫々前記セラミ
ックスケース7の左右開口孔よりガス炎対流室内Aに臨
ませた構成としてある。
【0015】図1において、金属薄板2、3は板厚5m
/m以下とし、表面積を5乃至400cm、最大表面
粗さ0.01〜10μmとし、表面の塵埃や油等を洗浄
して使用する。積層は前述した如く10層以上500層
程度とし、1乃至5種類からなる異種金属薄板2、3を
交互に又は任意に若しくは同種金属が前記パイプ8内に
積層され積層後加熱する際は、パイプ8は除去されるか
或いは、これら金属薄阪2、3間に設けられた層間17
(図7B参照)にセラミックス、釉薬および金属粉末や
低融点合金等を挿入し積層した場合は、これら積層金属
材を前記パイプ8で保持し加熱するよう成してある。積
層ガイドとしてのパイプ8は内側形状を前記金属薄板
2、3と同一形状としてあるが、パイプ内側と金属薄板
外側間には0〜0.5mm程度の隙間を形成してある。
【0016】図1において、断熱材を施工した圧縮機
(油圧)1、1からセラミックスケース7を離悦した後
圧縮機1、1を作動させ、その央部上下突部で上下の加
圧冶具5、5と面接触させ、この接触面隙間角度を0〜
5゜以内とし密着性を保持するよう形成し、加熱時の積
層金属薄板2、3の接合面酸化を防止するよう成すと共
に、加圧冶具5、5と積層金属薄板2、3間に接合防止
材4を挟着させ、接合面の接合を防止する構成である。
接触面角度形成後、セラミックスケース7を圧縮機1に
載置し、ケース内に載置の前記パイプ8を半開きし、加
圧冶具5、接合防止材4、積層金属薄板2、3、接合防
止材4および加圧冶具5の順に積層セットし、パイプ8
を閉戸し、加熱前の初期荷重(機械的接合圧力)0.1
〜100kgf/mm負荷を設定した前記圧縮機1で
加圧することにより積層金属薄板2、3を完全に密着さ
せる。この負荷荷重は金属薄板2、3の表面積から算出
してある。
【0017】図1において、初期荷重による接合圧力に
より積層金属薄板2、3を夫々密着後、加熱時間の短縮
と、金属薄板2、3形状縮少を回避するため前記パイプ
8を除去し、アセチレン又は酸素ガス或いは液化ガスを
還元炎又は中性炎としてバーナ6を使用し燃焼加熱する
のであるが、この際の接合圧力は0.05〜50kgf
/mm負荷し、この負荷荷重は前述算出によるのであ
るが、加熱時、冷却時の金属薄板2、3と加圧冶具5の
膨張、収縮による接合圧力の変動に対しても適切な荷重
に調節される。
【0018】図1において、金属薄板2、3を積層し、
初期荷重、加熱後荷重等接合圧力により加圧する際、初
期荷重による金属薄板2、3の完全密着前記パイプ8を
除去し、加熱し加圧することについては上述した通りで
ある。しかし乍ら、図7Bに図示の如く、金属薄板2、
3間の任意の層間17に例えばセラミックス、釉薬、金
属粉末又は低融点合金を介在させた特殊な場合は、初期
荷重による金属材相互の密着度が得られた後も、前記パ
イプ8は装着したまま、加熱され加圧するよう成してあ
る。
【0019】図1において、ガス炎対流室A内に一側か
ら臨ませたバーナ部6は、長時間使用すると高温となり
ガス炎が不安定となるため、バーナ部6はガス穴部以外
をセラミックスファイバーを捲着し加熱防止するよう成
してある。好ましくは水冷バーナを使用すると良い。
又、積層金属薄仮等を囲繞し、加熱するのであるがバー
ナ部6は酸素・アセチレンガスを供給するリング状又は
角状の供給管(図示せず)から成る。
【0020】図1において、ガス炎対流室内Aに他側よ
り臨ませた放射温度計9は、最高接合温度を最低融点金
属の2/3融点から融点−10℃として接合面を溶融せ
ず、接合時間を1〜30分として設定してある。そして
上述各条件を充足した積層金属材の界面特性と機械的性
質は、金属相互の元素拡散を界面から0〜300μm、
界面の形成物厚み0〜20μm、接合力は積層金属中で
最も低強度金属のJIS規格に表示している焼なまし材
の引張強さの2/3〜4/3引張り強さの積層金属材が
得られる。
【0021】図2は、ガス圧接の熱サイクルの一例を示
す。最初に機械的な接合圧力200Kgf/cmを負
荷させ、引き続き加熱するが、この時点で接合圧力を1
00Kgf/cmとして加熱を行う。最高接合温度9
50℃まで100秒で、ここで20秒保持してから70
0℃まで60秒間かけて冷却し、接合を終了させる。ガ
ス圧接時間は3分となる。
【0022】図3は、従来法と本発明のガス圧接の加熱
温度と加圧力の比較を示す。従来のガス圧接は、加熱温
度の上昇とともに被圧接材である鉄筋用棒鋼が膨張し、
これに伴い、加圧力が上昇する。しかし、組織変態によ
る温度低下で鉄筋用棒鋼が収縮し、加圧力が急激に低下
する。これが原因して、接合面に大気中の酸素が侵入し
て酸化物を形成し、接合力の低下が生じる。このことか
ら、従来のガス圧接は、接合面を溶融させて、酸化物の
影響をなくしているが、溶融にともなう形状変化が機械
部品、電気部品などには大きな障害となっている。本発
明は、鋼板を使用し初期加圧力を500Kgf/cm
にし、加熱と同時に加圧力を250Kgf/cm
し、この加圧力を一定に保持しながらガス圧接を行う。
このことで、従来法のような組織変態にともなう荷重の
低下がないので、接合面の酸化もなく、固相接合も可能
となり、形状変化もなく非常に優れたガス圧接法であ
る。
【0023】図4において、鋼板(材質:SPCC,板
厚:1mm,積層枚数20枚)をガス圧接した場合の接
合圧力は、最高加熱温度と接合圧力に影響されるが、ど
の場合も鋼板のJISで規定している引張強さ270N
/mmより強く、接合が非常に優れている。
【0024】図5は、特殊用途鋼(SKH51)と鋼板
(SPCC)のガス接合による界面の元素拡散を示すら
この図から、特殊用途鋼の各元素が鋼板側に100μm
程度まで拡散している。
【0025】図6Aは、ステンレス鋼2と銅3との金属
薄板(板厚:1mm,積層枚数:12枚)を交互に庫ね
てガス圧接したものを示す。この場合は、ステンレス鋼
2のパール色と銅3の黄金色の大変美しい縞模様とな
り、装飾品や装具品への用途開発が有望である(参考図
B、C参照)。図6Bは、上述金属薄板間に層間17を
設け、この層間17に金属粉末、セラミックス、低融点
合金等を介在させ、ガス圧接により積層金属材を形成す
るもので図6Aと同様の美し縞模様となり、装飾品や装
具品への用途開発が有望である。尚、図6Aに示す積層
金属材を垂直方向に縦又は横から切断した薄片の積層金
属体19は図10に図示の冷間圧延に供するものであ
る。又、この積層金属材は上下、又は左右方向から鍛造
により薄くできる。
【0026】図7A、Bは、積層金属材の断面を示し、
アルミニウム10、チタン11、銅3の金属薄板(板
厚:2mm,積層枚数:12枚)をレーザまたはプレス
で形状に基づき切断すると共に計量化のため空間18を
形成し、図7Aはアルミニウム10のみ、図7Bは上を
チタン11、下を銅3としてガス圧接したものを示す。
ガス圧接後、このまま製品とするか、または引き続き機
械加工により仕上げて製品にする。
【0027】図8は、ガス圧接による積層金型で表面図
およびそのA−A断面図図示の如く、第1層目を特殊用
途鋼12(材質:SKD11,板厚:4mm)、第2層
目〜第10層目を鋼板13(材質:SPCC,板厚:2
mm)とし、重ね位置を正確にする位置決めピン14を
4ヵ所に挿入する(参考図A参照)。
【0028】図9は、図8と1同様表面図とそのB−B
断面図図示の如く特殊用途鋼12より鋼仮13の形状を
同形で小さくしてガス圧接し、この積層金型の間に油、
水溶液または加熱液水を添加させるか、あるいは循環機
構15を持たせ、被加工材の深絞り性を良好とさせる積
層金型。
【0029】図10は、図6Aにより形成された積層金
属体19を冷間圧延するもので、この冷間圧延ロール2
0によりプレス用素材の厚さ0.05mm〜2.0mm
の一方向の並列金属薄板23を形成しプレス部品、成形
品の加工およびそれらによる電子部品、装飾品等を成形
する。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0031】板厚の薄い金属板とし、低い加圧力で簡単
に塑性変形させ金属薄板を完全に密着させ積層間に空気
が侵入することを防止し酸化を防止し得たこと。
【0032】上下の加圧冶具の接面平行度を高精度とし
金属薄板の完全密着とその後の空気侵入を阻止し得たこ
と。
【0033】周囲をセラミックス材で囲繞し還元炎や中
住炎の強力な燃焼ガス炎で空気による酸化を防止し得た
こと。
【0034】接合力を適切に制御して熱膨張や熱収縮な
どによる加圧力の増減を調節し、一定の加圧力で固相拡
散接合させ高精度で高強度の接合力を得られるようにし
たこと。
【0035】強力なガス加熱により数分の短時間で拡散
接合を完了させたことで、接合界面に脆弱な金属間化合
物や酸化物の発生を防止させ、接合力を向上させたこ
と。
【0036】上述の構成により、ガス圧接による固相拡
散接合を可能としたことで、従来の真空中での拡散接合
による長時間の短縮化や、結晶粒の粗大化、金属間化合
物の形成等による特性の劣化や、不活性ガス使用におけ
る酸化防止を不活性ガスと真空との併用による規模の大
型化等の問題点を解消し得たものである。
【0037】本発明は、大気中で、しかも接合面を溶融
させず、短時間内で拡散接合を行うので工業的メリット
が大である他、短時間での拡散接合は、物理的、科学的
にも重要で、金属本来の特性維持は、今後の複合化技術
に役立ち得るものである。
【0038】積層金型において、従来の簡易金型から本
格的金型への移行を可能としたものであり、金型製作時
間が確実に50%短縮化することが出来、特に、油、冷
却水或いは高温湯を循環させ成形比を向上させ得たこと
は、従来金型では不可能であったことを解決した有益な
技術である。
【0039】積層金属は、例えば、ステンレス鋼2のパ
ール色と銅3の大変美しい縞模様を形成することで装飾
品として注目され,アクセサリーや家具金具としても適
用される一方、機能材料としても、例えば、歯車にも適
用すれば消音効果が期待できる。さらに、異種金属に若
干の不純物を添加すれば、新電子材料の素材としての適
用も可能となる他、塑性加工の試験材料として塑性解析
への利用価値等大なるものがある。
【0040】叙上の如く、本発明によるガス圧接は、加
圧制御により弾住域、塑性域での接合が可能となり、品
質に優れ操作性が良く短時間に、しかも安価に製造でき
るので、これからの応用範囲は大で、従来不可能と考え
られていた技術的課題への適用が可能となる等画期的な
方法、装置である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す一部断面の全体構造正
面図である。
【図2】同例のガス圧接の熱サイクルの状態説明図であ
る。
【図3】従来法と本発明のガス圧接の加熱温度と加圧力
の対比説明図である。
【図4】鋼板をガス圧接した場合の最高加熱温度と接合
圧力が接合力に与える影響を示す状態説明図である。
【図5】特殊用途鋼(SKH51)と鋼板(SPCC)
のガス接合による界面の元素拡散を示す状態説明図であ
る。
【図6A、B】図6Aは、積層金属材の斜視図および積
層金属体を形成する説明図である。図6Bは、積層金属
材の層間にセラミックス等を挿入成形した積層金属材の
斜視図である。
【図7A、B】図7A、Bは、空間を設けた積層金属材
の断面正面図である。
【図8】ガス圧接による積層金型の表面およびA−A断
面図である。
【図9】ガス圧接による他の実施例を示す積層金型の表
面およびB−B断面図である。
【図10】積層金属体を冷間圧延し一方向の並列金属薄
板を成形する説明図である。
【符号の説明】 1 圧縮機 2 ステンレス鋼 3 銅 4 接合防止材 5 加圧治具 6 バーナ 7 セラミックスケース 8 パイプ 9 放射温度計 10 アルミニウム 15 循環機構 16 支持柱 19 積層金属体 20 ロール 21 移動具 22 支柱 23 一方向の並列金属薄板 A ガス炎対流室
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス圧接により積み重ねた金属薄板を相
    互に接合させる積層金属材および積層金型の製造法であ
    って,金属薄板の板厚を0.1〜5mm,表面積を5〜
    400cm,最大表面粗さを0.01〜10μmとし
    て,金属薄板の表面の油や塵を洗浄し,金属薄板の材質
    を1〜5種類とし,積み重ね枚数を10〜200枚と
    し,パイプ内に金属薄板を重ねる場合は,パイプの内側
    の形状と金属薄板の外形を同一形状とし,この隙間を0
    〜0.5mmとしてパイプ内に積み重ね,パイプと金属
    薄板を同時に加熱するか,あるいはパイプを外して加熱
    し,加圧力の制御ができ,断熱材で施工した油圧の圧縮
    機械を用い,上下の加圧冶具を接触させたときの隙間角
    度を0〜5゜とし,加圧冶具と金属薄板との間に接合防
    止材を設置し,加圧冶具,接合防止材,積み重ねた金属
    薄板,接合防止材,加圧冶具の順にセットし,加熱前の
    機械的な接合圧力を0.1〜100Kgf/mm負荷
    して金属薄板を全て密着させ,この負荷荷重を金属薄板
    の最小表面積から求め,リングバーナを用いてアセチレ
    ン・酸素ガスあるいは液化ガスを還元炎または中性炎で
    燃焼させ,接合圧力を0.05〜50Kgf/mm
    荷し,この負荷荷重を金属薄板の最小表面積から求め,
    加熱時,冷却時の金属薄板と加圧冶具の膨張,収縮によ
    る接合圧力の変動を調節し,最高接合温度を最も低融点
    金属の2/3融点〜融点−10℃として接合面を溶融さ
    せず,接合時間を1〜30分とし,上述した条件を満足
    させた積層金属材の界面特性と機械的性質は,金属相互
    の元素拡散を界面から0〜300μm,界面の形成物厚
    さを0〜20μm,接合力を積層金属の中でも低強度金
    属のJIS規格で示す焼なまし材の引張強さの2/3〜
    4/3引張強さとすることを特徴とする,ガス圧接によ
    る積層金属材および積層金型の製造法。
  2. 【請求項2】 Al,Ti,Fe,Ni,Cu,および
    これらの合金の金属薄板を製品の形状に応じてプレスま
    たはレーザで切断後,これら金属薄板の積み重ね方を同
    一の金属薄板のみか,2種の金属薄板を交互または任意
    とするか,あるいは3〜5種類の金属薄板を任意にして
    形成して成る,請求項1記載の積層金属材の製造法。
  3. 【請求項3】 金属薄板の材質をJISで示す特殊用途
    鋼,構造用炭素鋼・合金鋼,鋼板とし,これら金属薄板
    を金型の形状と位置決めピンに応じてレーザ切断し,第
    1層目を特殊用途鋼,第2〜第200層目を構造用炭素
    鋼・合金鋼または鋼板とし,これら金属薄板の重ね位置
    がズレないよう,少なくとも2〜20ヶ所に位置決めピ
    ンを挿入し,必用に応じてピンを溶融させることを特徴
    とする,請求項1記載の積層金型の製造法。
  4. 【請求項4】 積層金属材の鍛造成形,または圧延によ
    り板厚を0.05〜2.0mmの積層金属薄板材とし,
    この積層金属薄板材を用いてプレス部品や成形品の加工
    を行う,請求項1記載の積層金属材の製造法。
  5. 【請求項5】 金属薄板を積み重ねるとき,金属薄板の
    任意の層間や空間にセラミックス,ゆう薬,金属の粉末
    または塊を入れた,請求項1記載の積層金属材の製造法
  6. 【請求項6】 第1層目の特殊用途鋼の形状より,第2
    層目〜第200層目の構造用炭素鋼・合金鋼または鋼板
    の形状を0.5〜10mmで同一形状で縮小させ,ま
    た,積層金型の最終層目もガス圧接させ,この間に油,
    水溶液または加熱液を添加させるか,あるいは,これら
    の液体を循環させる機構を持つ,請求項3記載の積層金
    型の製造法
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