JPH10155953A - ゴルフクラブ - Google Patents

ゴルフクラブ

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JPH10155953A
JPH10155953A JP8340493A JP34049396A JPH10155953A JP H10155953 A JPH10155953 A JP H10155953A JP 8340493 A JP8340493 A JP 8340493A JP 34049396 A JP34049396 A JP 34049396A JP H10155953 A JPH10155953 A JP H10155953A
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shaft
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golf club
straight
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Toshifumi Sugisawa
利文 杉澤
Makoto Yoshida
吉田  誠
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維強化樹脂製のシャフトを備えたオーバー
ホーゼル型のゴルフクラブに於て、ネック打ちやダフり
打ちに対して優れた耐久性をもたせる。 【解決手段】 シャフト2の先端部の最内層に、強化繊
維の配列方向がシャフト軸心Lと平行なストレート層6
を、配設する。シャフト2の先端部を、ヘッド1に突設
された中軸3に外挿して接合する。ストレート層6を、
ヘッド1の中軸3の先端3aからシャフト軸心Lと平行
な方向に±1cm以上の範囲にわたるように設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフクラブに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、FRP等の繊維強化樹脂製シャフ
トを有するゴルフクラブでは、繊維強化樹脂の強化繊維
がシャフト軸心に対して傾斜して配列されたバイアス層
を複数配置し、その外側に補強繊維がシャフトの長手方
向に対して平行になるよう配列されたストレート層を複
数配置するのが一般的であった。その理由は、バイアス
層は、ボールとのインパクト時にシャフトに生じるねじ
りモーメント(シャフトの周方向に働く)に対し適度な
ねじり剛性を得るためであり、ストレート層は、シャフ
トに生じる曲げモーメント(シャフトの長手方向に働
く)に対し適度な曲げ剛性を得るためであった。また、
ストレート層をバイアス層の外側に配置させる理由は、
ねじりモーメントも曲げモーメンントもシャフトの内側
より外側に大きく作用するが、ねじりモーメントよりも
曲げモーメントの方が大きいので、曲げ剛性を効果的に
向上させるためにはストレート層を外側に配置させるこ
とが必要だからである。
【0003】繊維強化樹脂のストレート層をバイアス層
の外側に配置したシャフトをヘッドのネック部に設けら
れた挿入孔に内挿して接合するタイプ(以下普及型とい
うことがある。)のゴルフクラブにおいては、ヘッドに
生じた曲げ・ねじりモーメントは、まずシャフトの外側
のストレート層に伝わる。そして、曲げモーメントは、
ねじりモーメントよりも大きく、ストレート層が曲げモ
ーメントに十分に対応することができるため、問題は無
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ストレート層
をバイアス層の外側に配置したシャフトの先端部を、ヘ
ッドに突設された中軸に外挿して接合するタイプ(以下
オーバーホーゼル型ということがある。)のゴルフクラ
ブでは、ヘッドに生じた曲げモーメントは、まずバイア
ス層に伝わる。このため、プレイヤーがボールをヘッド
のネック部で打ったり(いわゆるネック打ち)、地面を
直接叩いたり(いわゆるダフリ打ち)して、クラブに大
きな外力が作用すると、内側のバイアス層が曲げモーメ
ントに耐えきれずに破壊することがあった。
【0005】ところで、オーバーホーゼル型のゴルフク
ラブが、ネック打ちやダフり打ち時に内側のバイアス層
に大きな力がかかる事を、実験により証明することは困
難である。なぜならば歪みゲージをシャフト内側に貼る
事は不可能だからである。そのため、発明者等は、FE
M(有限要素法)を用いてこれを解析した。解析条件と
して、シャフトとヘッド(1番ウッド)は同じものを使
用し、シャフトとヘッドの接合方法のみを、ヘッドの挿
入孔にシャフトを挿入した普及型と、ヘッドに突設され
た中軸にシャフトを外挿したオーバーホーゼル型とし、
ヘッドスピードを45m/sとしてネック打ちを行った。
その解析結果は次の表1の通りであった。
【0006】
【表1】
【0007】上記表1から、普及型はシャフト内側(つ
まりバイアス層)にはさほど大きな圧縮・引張応力が生
じないが、オーバーホーゼル型の場合は、シャフト内側
のバイアス層に大きな圧縮・引張応力が生じるというこ
とができ、このことからも、従来のオーバーホーゼル型
のゴルフクラブがネック打ちやダフり打ちで破損し易い
ことが分かる。
【0008】そこで、本発明は、上述の問題を解決し
て、いわゆるネック打ちやダフり打ちに対して破損しに
くく優れた耐久性を有するオーバーホーゼル型のゴルフ
クラブを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに本発明に係るゴルフクラブは、繊維強化樹脂製のシ
ャフトの先端部を、ヘッドに突設された中軸に外挿して
接合するゴルフクラブであって、上記シャフトの先端部
の最内層に、強化繊維の配列方向がシャフト軸心と平行
なストレート層を、配設したものである。また、ストレ
ート層を、ヘッドの中軸の先端からシャフト軸心と平行
な方向に、±1cm以上の範囲にわたるように設けるのが
好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図示の実施の形態に基き本
発明を詳説する。
【0011】図1は本発明に係るゴルフクラブの実施の
一形態を示し、1はヘッド、2は繊維強化樹脂製のシャ
フトである。このゴルフクラブは、ヘッド1にシャフト
取付用の中軸3が突設され、シャフト2の先端部をその
中軸3に外挿して接合したいわゆるオーバーホーゼル型
のゴルフクラブである。
【0012】しかして、図2に示すように、シャフト2
は、強化繊維の配列方向がシャフト軸心Lと平行な最外
層を成すストレート層4a及びその内側のストレート層
4bと、ストレート層4bの内側に積層されると共に強
化繊維の配列方向がシャフト軸心Lに対して所定角度傾
斜したバイアス層5a及びその内側のバイアス層5b
と、バイアス層5bの内側であって先端部のみに積層さ
れると共に強化繊維の配列方向がシャフト軸心Lと平行
な最内層を成すストレート層6と、から成る。
【0013】つまり、シャフト2の先端部の最内層に、
強化繊維の配列方向がシャフト軸心Lと平行なストレー
ト層6を、配設する。かつ、ストレート層6を、シャフ
ト2の先端から所定寸法Qだけ基端側に入った位置に配
置する。さらに、ストレート層6は、ヘッド1の中軸3
の先端3aからシャフト軸心Lと平行な方向に±1cm以
上の範囲にわたるように設けられる。従って、ストレー
ト層6の長さ寸法Nは、2cm以上に設定される。ここ
で、中軸3の先端3aからシャフト2の先端側へ向いた
方向を+(プラス)とし、中軸3の先端3aからシャフ
ト2の基端側へ向いた方向を−(マイナス)とする。
【0014】また、ストレート層4a,4b、バイアス
層5a,5b、及び、ストレート層6は、炭素繊維やガ
ラス繊維等の強化繊維を夫々の方向に配設し、エポキシ
樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させてプリプレグを形成
し、このプリプレグを加熱硬化させた繊維強化樹脂であ
る。
【0015】即ち、図3に示すように、各層のプリプレ
グを形成し、このプリプレグを、テーパ状のマンドレル
7に巻設する。具体的には、マンドレル7の先端部に、
最内層のストレート層6に対応するプリプレグ12を巻
き、その後、バイアス層5b,5aに対応するプリプレ
グ13b,13a、ストレート層4b, 4aに対応するプリ
プレグ14b,14aの順に巻き付ける。次に、テーピン
グ、焼成処理をして、マンドレル7の脱去、テープ剥離
等を行えば、シャフト2が完成する。さらに、そのシャ
フト2をヘッド1の中軸3に外挿させれば、本発明のゴ
ルフクラブが完成する(図1と図2参照)。
【0016】なお、図3に於て、ストレート層4a,4
bのプリプレグ14a,14bの水平な複数の平行線と、バ
イアス層5a,5bのプリプレグ13a,13bの複数の斜
線は、強化繊維の方向を示す。この場合、プリプレグ13
a(バイアス層5a)の強化繊維の傾斜角度θは+45°
であり、プリプレグ13b(バイアス層5b)の強化繊維
の傾斜角度θは−45°である。また、ストレート層4
a,4bのプリプレグ14a,14bと、バイアス層5a,
5bのプリプレグ13a,13bの長さ寸法は、互いに同一
であり、最内層のストレート層6のプリプレグ12の長さ
寸法はシャフトの全長に比してきわめて短く設定され
る。
【0017】しかして、(図1と図2にもどって)この
ゴルフクラブを使用して、ボールをヘッド1のネック部
(中軸3近傍部)で打った場合(いわゆるネック打
ち)、あるいは、地面を直接叩いた場合(いわゆるダフ
り打ち)等、ヘッド1に大きな外力が作用すると、それ
により生じる曲げモーメントは、ヘッド1の中軸3から
ストレート層6に伝わり、ストレート層6にシャフト軸
心Lと同方向の引張応力と圧縮応力が生じる。そして、
ストレート層6の補強繊維の方向はシャフト軸心Lと平
行であるため、補強繊維の方向とこれらの応力の方向が
同一となり、大きな強度が得られる。従って、ストレー
ト層6は、ネック打ちやダフリ打ち等による曲げモーメ
ントに十分に耐える。
【0018】ところで、ネック打ちやダフリ打ちにより
シャフト2に作用するモーメントは、ねじりモーメント
よりも曲げモーメントの方が大きいことが、明らかとな
っている。しかして、ストレート層4a,4bは最外層
にあるため、そのストレート層4a,4bを内層側に配
した場合よりもシャフト2全体の曲げ剛性及び曲げ強度
が大きくなり、大きな曲げモーメントに十分に耐え得
る。さらに、ストレート層4a,4bの内側のバイアス
層5a,5bにより、十分なねじり剛性及びねじり強度
が得られる。
【0019】従って、このゴルフクラブによれば、ネッ
ク打ちやダフリ打ちに耐え得る十分大きな強度を実現で
きる。言い換えれば、ネック打ちやダフリ打ちをして
も、シャフト2が破損する危険性が大幅に減少する。か
つ、打撃の際に受ける曲げモーメントとねじりモーメン
トに効果的に対応でき、優れた打球特性が得られる。し
かも、シャフト2の必要な箇所───即ちシャフト2の
ヘッド1の中軸3の先端3a近傍部───のみを効率的
に補強できる。かつ、ストレート層6の材料を節約でき
る。なお、ストレート層6を、ヘッド1の中軸3の先端
3aからシャフト軸心Lと平行な方向に±1cm以上の範
囲にわたるように設けたのは、±1cm未満では、ストレ
ート層6が短いため、ネック打ちやダフリ打ちによりバ
イアス層5a,5bに生じるシャフト軸心Lと同方向の
引張応力と圧縮応力が局部的に大きくなり───即ち応
力集中が生じて───破損し易くなってしまうからであ
る。
【0020】次に、図4は、本発明に係るゴルフクラブ
の他の実施の形態を示し、シャフト2のストレート層6
の基端部に段差部16が形成される。かつ、ストレート層
6は、ヘッド1の中軸3の先端3aからシャフト軸心L
と平行な方向に±1cm以上の範囲にわたるように設けら
れる。
【0021】また、シャフト2は、図5に示すように、
先端寄りに段付部8を有し、かつ、その段付部8よりも
先端側が小径部9とされ、基端側が大径のテーパ部10と
されたマンドレル7を使用して形成される。
【0022】具体的には、マンドレル7の小径部9に、
最内層のストレート層6に対応するプリプレグ12を、テ
ーパ部10と段差が無くなるまで巻き、その後、バイアス
層5b, 5aに対応するプリプレグ13b,13a、ストレ
ート層4b, 4aに対応するプリプレグ14b,14aの順
に巻き付ける。次に、テーピング、焼成処理をして、マ
ンドレル7の脱去、テープ剥離等を行う。なお、バイア
ス層5aの強化繊維の傾斜角度θは+45°であり、その
内側のバイアス層5bの強化繊維の傾斜角度θは−45°
である。
【0023】このように構成したことにより、シャフト
2のストレート層6の上にバイアス層5a,5bとスト
レート層4a, 4bを巻き付けるにもかかわらず、その
バイアス層5a,5bとストレート層4a, 4bが弯曲
することは無い。従って、応力集中を防止でき、シャフ
ト2の強度が一層大きくなる。
【0024】なお、本発明のゴフルクラブに於て、シャ
フト2のバイアス層5a,5bの強化繊維の傾斜角度θ
は±45°以外にも、±10°〜±80°程度の範囲内で変更
自由である。これは、傾斜角度θが±10°未満では、シ
ャフト2全体のねじり剛性及びねじり強度が小さくなり
過ぎるためであり、傾斜角度θが±80°を越えると、バ
イアス層5a,5bの曲げ剛性及び曲げ強度が極端に小
さくなるからである。また、図例ではヘッド1はアイア
ンヘッドであるが、ウッド型ヘッドとするも好ましい。
【0025】
【実施例】以下、実施例を示す。炭素繊維を相互に平行
かつシート状に揃えてエポキシ樹脂を含浸して成る一方
向性のプリプレグを、表2にしたがって形成した後、各
層のプリプレグをマンドレル7に巻設し、その後はテー
ピング、焼成処理をして、マンドレル7の脱去、テープ
剥離等を行い、本発明の実施例に対応するオーバーホー
ゼル型シャフト2(図1〜図3参照)と、従来構造をも
つ従来例のオーバーホーゼル型シャフト(図6参照)を
形成した。
【0026】
【表2】
【0027】これらのシャフトに、ネック部の形状以外
が全て相互に同一とされたヘッド(3番アイアンのヘッ
ド)を取付けて実施例のゴルフクラブと従来例のゴルフ
クラブを作製した。なお、従来例は、最内層にストレー
ト層を有していない点に於いて実施例と異なる。
【0028】次に、スイングロボットによりダフり打ち
を行った。その際、ヘッドスピードが40m/sとなるよ
うに設定し、かつ、ヘッドが最下点から10cm手前のとこ
ろでマット面に当たるように設定した。なお、マット面
は、一般的な練習場と同様に、コンクリート面上に人工
芝マットを敷いて形成した。そして、実施例と従来例の
ゴルフクラブを夫々 100回ずつダフり打ちした。その結
果を次の表3に示す。
【0029】
【表3】
【0030】上記表3から明らかなように、従来例のゴ
ルフクラブでは、37回目のダフり打ちにより、シャフト
先端内側に亀裂が生じ、かつ、ヘッドがぐらついた。こ
れに対し、実施例のゴルフクラブは、 100回のダフり打
ちに耐えた。これにより、実施例のゴルフクラブ(シャ
フト)は、従来例よりも強度が大きく、耐久性に優れて
いる。
【0031】
【発明の効果】本発明は上述の構成により、次のような
著大な効果を奏する。
【0032】請求項1記載のゴルフクラブによれば、シ
ャフト2を繊維強化樹脂製とし、かつ、シャフト2の先
端部をヘッド1の中軸3に外挿したオーバーホーゼル型
のゴルフクラブとしても、ネック打ちやダフリ打ちに耐
え得る十分大きな強度を実現できる。従って、ネック打
ちやダフリ打ちをしても、シャフト2が破損する危険性
が大幅に減少する。
【0033】請求項2記載のゴルフクラブによれば、請
求項1記載のものと同様の効果を奏すると共に、ネック
打ちやダフリ打ちに対するシャフト2の破損の危険性を
有効に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す要部正面図であ
る。
【図2】要部拡大断面図である。
【図3】シャフト製造方法説明図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の要部拡大断面図であ
る。
【図5】他のシャフト製造方法説明図である。
【図6】従来例のシャフト製造方法説明図である。
【符号の説明】
1 ヘッド 2 シャフト 3 中軸 3a 先端 6 ストレート層 L シャフト軸心

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維強化樹脂製のシャフト2の先端部
    を、ヘッド1に突設された中軸3に外挿して接合するゴ
    ルフクラブであって、上記シャフト2の先端部の最内層
    に、強化繊維の配列方向がシャフト軸心Lと平行なスト
    レート層6を、配設したことを特徴とするゴルフクラ
    ブ。
  2. 【請求項2】 ストレート層6が、ヘッド1の中軸3の
    先端3aからシャフト軸心Lと平行な方向に、±1cm以
    上の範囲にわたるように設けられている請求項1記載の
    ゴルフクラブ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013248193A (ja) * 2012-05-31 2013-12-12 Dunlop Sports Co Ltd ゴルフクラブシャフト

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06234A (ja) * 1992-06-23 1994-01-11 Daiwa Golf Kk ゴルフクラブ用シャフト及びその製造方法
JP3022351U (ja) * 1995-09-02 1996-03-22 マミヤ・オーピー株式会社 クラブヘッドの取付け構造

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