JPH1015566A - 超臨界水酸化処理装置 - Google Patents

超臨界水酸化処理装置

Info

Publication number
JPH1015566A
JPH1015566A JP8173948A JP17394896A JPH1015566A JP H1015566 A JPH1015566 A JP H1015566A JP 8173948 A JP8173948 A JP 8173948A JP 17394896 A JP17394896 A JP 17394896A JP H1015566 A JPH1015566 A JP H1015566A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
region
supercritical
reaction vessel
water
subcritical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8173948A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3333687B2 (ja
Inventor
Osamu Takahashi
治 高橋
Akira Suzuki
明 鈴木
Taro Oe
太郎 大江
Tokuyuki Anjo
徳幸 安生
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Organo Corp, Japan Organo Co Ltd filed Critical Organo Corp
Priority to JP17394896A priority Critical patent/JP3333687B2/ja
Publication of JPH1015566A publication Critical patent/JPH1015566A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3333687B2 publication Critical patent/JP3333687B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/54Improvements relating to the production of bulk chemicals using solvents, e.g. supercritical solvents or ionic liquids

Landscapes

  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 反応容器壁面への塩付着を効果的に解消でき
るようにした超臨界水酸化処理装置を提供する。 【解決手段】 容器内上部に超臨界領域を有し、かつ容
器内下部に亜臨界領域を有する縦型筒状の反応容器と、
反応容器の上端から水、有機物、酸化剤を含む流体を水
の超臨界条件下に超臨界領域に供給する流体供給手段
と、亜臨界領域から分解生成物を反応容器外に排出する
第1の排出手段と、超臨界領域から分解生成ガスを反応
容器外に排出する第2の排出手段とを備え、反応容器内
に、その内壁面の全周に渡り近接した状態で壁面母線方
向に上下動して壁面付着物を掻き落とす環状スクレーパ
と、この環状スクレーパを常時は亜臨界領域内に位置さ
せかつ掻き落とし時には超臨界領域に移動させて上下動
させる駆動制御手段とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の高分子物質
等を超臨界水酸化(SCWO)により分解する際に用い
る超臨界水酸化処理装置に関するものである。
【0002】
【従来技術】有機性廃水を分解処理する物理化学的方法
としては、薬品酸化法,光酸化法,直接燃焼法などが知
られ、また例えば高温高圧条件下(200〜300℃,
15〜100気圧)で高濃度(1%程度)の有機性廃水
を分解処理するのにエネルギー的に有利で、かつNO
X ,SOX の発生がない方法として湿式酸化法が知られ
ているが、いずれも有機物の分解性に限界(低級カルボ
ン酸の蓄積やアンモニアの残存)があって後段に生物学
的処理設備が必要になるという問題がある。
【0003】これらに代わる方法として、難分解有機物
や有害有機物等の各種の高分子物質、あるいは塩素化合
物,窒素化合物,硫黄化合物等を含むために生物学的な
処理ができない物質を含む廃水を、超臨界水酸化で分解
する提案がされている(特公平1−38532号公報
等)。この超臨界水酸化法は、基本的には次のフローに
よって実施される。すなわち、分解対象物を含む流体,
酸素等の酸化剤流体,超臨界水、の三流体を予め混合状
態にてあるいは一部混合状態にて、超臨界酸化の反応を
行う反応容器に供給し、水の超臨界条件下で分解対象物
を酸化分解する。これにより水とガス(主に炭酸ガスと
一部の揮発性物質)となった分解物を分離し、ガスは減
圧手段を介して大気圧下に放出し、水は必要に応じてこ
れに含まれる塩,無機物等を除去して排出する。
【0004】この方法は、水の臨界条件すなわち臨界温
度374℃及び臨界圧力220気圧を越えた条件下の水
(超臨界水)の極性が温度と圧力で制御可能となってパ
ラフィン系炭化水素やベンゼン等の非極性物質も溶解す
ることができ、また酸素等のガスとも任意の割合で単一
相で混合するという有機物酸化分解用の反応溶媒として
極めて優れた特性を示し、分解対象物の炭素含有率が数
%あれば酸化熱だけで臨界温度以上にまで昇温可能であ
るため熱エネルギー的に非常に優れており、更に超臨界
水中で加水分解反応や熱分解反応により難分解性有機物
や有毒有機物等をほぼ完全に分解できるなどの極めて優
れた利点がある。
【0005】ところで、この超臨界水酸化による有機性
廃水の分解は、実験室やパイロット規模の研究では安全
でクリーンなプロセスの有効性が既に確認されている
が、工業的規模の設備で実施するためには更に解決すべ
き技術的課題が指摘されている。その一つに反応容器の
壁面に塩が付着して閉塞や壁面の腐食を招く問題が挙げ
られ、その対策技術の確立が求められている。すなわ
ち、付着に伴って反応容器の頻繁な交換が必要になれば
ランニングコストの上昇を招き、また処理の中断などの
ために効率が低下するからである。
【0006】反応容器壁面への塩の付着という問題は、
超臨界水に対する無機物,塩の溶解度が亜臨界水に比べ
て極めて小さい(例えば、CaCl2 は500℃,25
0気圧の超臨界水に数ppmしか溶解しない)ことに原
因しており、分解対象物に含まれている塩あるいは塩生
成物質が反応容器に持ち込まれて超臨界水酸化の条件下
にある反応容器内で塩として析出し壁面に付着する現象
として現れる。
【0007】例えば、塩素や硫黄等の塩生成物質を含む
有機物を反応容器に導入して超臨界水酸化を行う場合を
考えると、生成した塩素イオンや硫酸イオンにより反応
容器内のpHが低下して反応容器が腐食されることが問
題となる。そこでpH低下の防止のために、反応容器に
導入する被処理液等に中和剤を添加して中和を行わせる
ことが考えられているが、その結果として超臨界水に殆
ど溶解しない塩が析出し、これが反応容器壁面に付着し
て極端な場合には閉塞の問題を招くことになる。
【0008】このような反応容器壁面への塩付着を防ぐ
対策としては、例えば国際公開WO92/21621号
では、図3に示すように、下部に塩回収のための亜臨界
領域103を有する構造の反応容器101の上部超臨界
領域(反応領域)102から、壁面104に沿って亜臨
界水を流して水膜(water wall)105を形成させ、こ
の亜臨界水の水膜105に塩を溶解させて亜臨界領域1
03に流下させることで塩の壁面104への付着を防止
する方法を提案している。
【0009】また、米国特許第5387398号では、
図4に示すように、反応容器201を、耐圧密閉構造の
外管(例えばステンレス管)202と、多孔質材からな
る内管(例えば焼結金属管,セラミックス管)203の
二重管構造に設けて内管内側を反応領域(超臨界領域)
204とすると共に、外管202と内管203の間の隙
間206に反応容器内の圧力よりも高い圧力の超臨界水
205を供給し、多孔質内管203を通して超臨界水2
05を反応容器201内部に噴出させることで反応領域
204で析出した塩の内管203への付着を防ぐ方法を
提案している。更に、米国特許第5100560号で
は、図5に示すように、反応容器301の内部に、亜臨
界領域303から超臨界領域302に渡りその壁面に沿
って近接回転するU字形の壁面付着物の掻き落とし用ス
クレーパを設けた提案をしている。なお305はスクレ
ーパ304の垂直軸回りの回転駆動部、306は亜臨界
領域303への給水管、307は亜臨界領域303から
の排水管である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記提案のう
ちの反応容器壁面に沿って亜臨界水の水膜を形成する方
法では、反応容器内部の超臨界領域102は水の超臨界
条件に維持された高温状態にあるため、塩が溶解する亜
臨界水の均一水膜105を内壁104全面に常に形成さ
せておくことが困難であり、水膜の切れた部分に塩が析
出,付着して、閉塞,腐食の防止が確実に図れないとい
う難がある。
【0011】また、反応容器201を二重管構造とし多
孔質内管203の外側から内側に超臨界水205を噴出
させる方法では、反応に必要な超臨界水より多量の超臨
界水が必要となり、しかも反応領域(超臨界領域)20
4に供給する超臨界水に比べて外管と内管の間に供給す
る超臨界水の圧力を高くしなければならないために消費
エネルギーが多くなり、ランニングコストが嵩む難があ
る。
【0012】更に、U字形スクレーパ304を用いる方
式は、壁面付着物を機械的に確実に掻き落とせる点で優
れているが、掻き落とした塩物質がスクレーパ304自
身の表面に付着・堆積してスクレーパの円滑な回転が阻
害される虞れがあり、保守・点検の負担が大きいという
難がある。
【0013】本発明者は、以上のような従来技術の現状
に鑑みなされたものであり、反応容器壁面への塩付着を
効果的に防ぐことができ、これにより反応容器の閉塞,
腐食の防止に有効であり、反応容器の交換頻度を低減す
ることができてランニングコストを低減できる超臨界水
酸化処理装置の提供を目的とするものである。
【0014】また本発明の別の目的は、反応容器内壁面
への塩の付着防止を図るためのエネルギー消費量が少な
く、保守・点検の負担も少なく、ランニングコストを低
減できる超臨界水酸化処理装置を提供するところにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
願の請求項1の超臨界水酸化処理装置の発明は、容器内
上部側に超臨界水酸化反応が行われる超臨界領域が形成
され、かつ容器内下部側に亜臨界領域が形成される縦型
筒状の反応容器と、該反応容器の上端側から水又は超臨
界水、有機物、酸化剤を含む流体を水の超臨界条件下に
反応容器内に供給する流体供給手段と、上記亜臨界領域
から超臨界水酸化による分解生成物を反応容器外に排出
する第1の排出手段と、上記超臨界領域から超臨界水酸
化による分解生成流体を反応容器外に排出する第2の排
出手段とを備えた超臨界水酸化処理装置において、上記
反応容器内に、その内壁面の全周に渡り近接した状態で
壁面母線方向に上下動して壁面付着物を掻き落とす環状
スクレーパと、この環状スクレーパを常時は亜臨界領域
内に位置させ、かつ必要時にはこの環状スクレーパを超
臨界領域に移動させて壁面付着物を掻き落とす上記上下
動を行わせる駆動制御手段とを設けたことを特徴とす
る。
【0016】上記発明における超臨界水酸化の反応は、
水の臨界温度(374℃)及び臨界圧力(220気圧)
を越える高温,高圧の条件下で行われるため、用いる縦
型筒状の反応容器は、例えばステンレス鋼,炭素鋼等の
材料を用いて耐圧密閉型に構成したものが用いられ、ま
た一般的には円筒状のものが用いられるが、これに限定
されるものではない。更に耐食性を考慮してチタン合金
等の耐食性材料を用いた縦型反応容器としてもよい。上
記において「縦型」というのは、筒状の反応容器の軸方
向を垂直方向とすることをいう。
【0017】縦型反応容器の上部側に形成される超臨界
領域は、超臨界水酸化を行わせるための反応領域であり
温度及び圧力が上述した水の超臨界条件に維持される。
縦型反応容器の下部側に形成される亜臨界領域は、圧力
は臨界圧力を越えるが温度が水の臨界温度を下回る条件
に維持された液相領域となり、これにより亜臨界水が貯
溜される。この亜臨界水は望ましくは反応容器外部から
の吸水と排水とを行うことで所定の量に維持されること
が好ましい。超臨界領域と亜臨界領域の間は若干の拡散
領域が形成される。
【0018】上記において反応容器に供給される「水又
は超臨界水、有機物、酸化剤を含む流体」とは、更に無
機物、補助燃料、その他の超臨界水酸化に支障のない物
質を含む場合を除外するものではない。上記有機物は例
えば有機性廃水などの有機物、有毒有機物などを挙げる
ことができるがこれに限定されるものではない。酸化剤
は一般的には酸素、空気等の含酸素ガスを好ましいもの
として挙げることができる。なお有機物に塩化物イオン
等の無機アニオンが化学結合されている場合、これが分
解して塩酸となるため、あらかじめ有機物にアルカリ
(中和剤)を添加する場合もある。「流体」というのは
上記物質等を反応領域に供給するのに適当な流動性を有
するものであることをいい、各物質は常温において気
体、液体、固体のいずれの相状態であってよい。
【0019】超臨界領域に供給された有機物を含む流体
は、超臨界水酸化の反応によって加水分解、酸化分解さ
れ、本発明の縦型反応容器を用いる処理方法において
は、密度の低い分解生成物は超臨界領域の上部側(反応
容器の上部側)から容器外に排出され、所定の冷却、減
圧等の処理を経てガス及び凝縮水として大気圧下に排出
される。このようなガスとしては、例えば炭酸ガス,窒
素ガスなどを挙げることができる。またこのガス,凝縮
水の排出系には、そのままの排出が望ましくない物質が
含まれる場合のあることを考慮して、活性炭等の吸着剤
に接触させた後系外に排出することが好ましい。
【0020】また超臨界水酸化の反応による分解生成物
のうちの密度の高い物質、例えば塩等は、反応容器内で
亜臨界領域に落下し、塩は亜臨界水に溶解してこの亜臨
界水を流出水として下部側から容器外に排出され、所定
の冷却、減圧等の処理を経て処理液として系外に排出さ
れる。
【0021】上記構成の反応容器の内壁面の付着物を掻
き落とすスクレーパは、反応容器の筒状内壁周面に対し
できるだけ小さな隙間を隔てて例えば棒状のリングをそ
の全周に渡って近接させたものを例示することができ
る。この棒状スクレーパの反応容器壁面との対向部に
は、掻き取りに適した適当な形状の刃(エッジ)を設け
ることが好ましい。このスクレーパは、環状の構成をな
すことにより上下動だけで内壁全周の付着物を掻き落と
すことができ、周方向の回転運動を行う必要がないの
で、駆動手段の構成が直線的な上下動のみできるので簡
単化でき、また圧力シール機構も回転を伴わない軸方向
のみの摺接部分となるのでシールの安定性や耐久性確保
の上で有利である。環状スクレーパは一般的には例えば
ステンレス鋼,炭素鋼等の反応容器と同じ材料を用いて
構成することができる。
【0022】環状スクレーパの支持構造としては、限定
されるものではないが、通常は、反応容器の下端側に設
けた軸受けから反応容器内にその中心軸に沿って延出す
るスクレーパ軸を設け、このスクレーパ軸の上端から複
数の支持杆を放射状に延設して上記環状スクレーパを支
持させる構成が好ましく採用される。
【0023】上記の環状スクレーパは、例えば、上記ス
クレーパ軸を軸受けを通して反応容器下方に延出させ、
この延出位置で反応容器内とは圧力的に遮断された油圧
シリンダ装置あるいは機械式上下動装置等の駆動制御手
段に連結される。環状スクレーパの超臨界領域(拡散領
域を含むこともできる)における上下動範囲は、塩物質
が付着する虞れがある範囲に関連して設計的に決めるこ
とができる。
【0024】本発明における環状スクレーパの駆動制御
手段は、上記の油圧シリンダ装置への圧油の給・排、あ
るいは機械式上下動装置のモータ駆動・停止などを行わ
せることで、常時は亜臨界領域内の亜臨界水中に埋没さ
せている環状スクレーパを、壁面付着物掻き落としの必
要時に超臨界領域に移動させ、所定の上下動による掻き
落としを行わせる手段として構成される。上記の「必要
時」は、例えば一定の期間毎に上記掻き取り動作を行わ
せることもできるし、運転状況に応じて適宜選択的に行
わせるようにすることもできる。
【0025】この発明によれば、有機物を完全に分解で
きる超臨界水酸化処理を工業的規模の実装置で実施する
場合に、超臨界領域で析出して反応容器の壁面に付着・
堆積する塩物質を、超臨界水に比べて塩物質の溶解度が
はるかに高い亜臨界水に適時スクレーパで掻き落とすこ
とができ、しかも、環状スクレーパは、非掻き落とし動
作時には亜臨界水中に埋没させておくことができるの
で、このスクレーパ自身に塩物質が付着・堆積する問題
も全くないという優れた利点があり、超臨界水酸化処理
の工業化に極めて有益である。
【0026】
【発明の実施の形態】図1及び図2は、本発明の一実施
形態を説明するためのものであり、図1(a),(b)
は本発明からなる超臨界水酸化処理装置の塩物質掻き落
とし用の環状スクレーパの動きを説明するための模式的
な図、図2はこの環状スクレーパの動きを与える駆動制
御装置の具体的な一例を説明するための図である。
【0027】これらの図において、1は超臨界水酸化処
理装置の反応容器を示し、本例では、上述したように耐
圧,耐腐食性に優れた例えばステンレス鋼を用いて、上
下端が閉塞された縦型円形筒状の反応容器として構成さ
れる。
【0028】そして、この反応容器1を主たる装置とし
て構成される本例の超臨界水酸化処理装置では、この容
器内の上部側に超臨界領域(反応領域)2が形成される
と共に下部側に亜臨界領域3が形成され、またこれらの
中間には拡散領域4が形成される。
【0029】このような構成の縦型円形筒状の反応容器
1で行われる超臨界水酸化処理にあっては、被処理物
(有機物質)は容器内上部側の超臨界領域2において加
水分解、酸化分解され、分解されたうちの比重の軽い超
臨界流体(超臨界水、超臨界CO2 等)は流体排出管
(請求項1にいう第2の排出手段)5を介して、所定の
減圧過程を経て大気圧下に排出され、他方比重の重い物
質(無機塩)は亜臨界領域3に落下して亜臨界水に含ま
れ、給水系6から亜臨界領域3を経て排水系7に水を通
水させることで、該物質も系外に排出される。
【0030】8は環状スクレーパであり、反応容器1の
軸心に配置されたスクレーパ軸9の上端から例えば90
°に等分割された位置で放射状に設けられた支持杆(図
示せず)により支持され、そして通常時は、環状スクレ
ーパ8を図1(a)に示すように亜臨界領域3の亜臨界
水に埋没させ、掻き落とし必要時には図1(b)に示す
ように超臨界領域(反応領域)2及び拡散領域4に渡っ
て反応容器1の内周壁に沿って上下動(図1(b)の矢
印参照)させるように設けられている。
【0031】図2は、上記の環状スクレーパ8を亜臨界
領域3から超臨界領域2に移動させかつ超臨界領域2及
び拡散領域4に渡って上下動させるための駆動制御手段
としての油圧シリンダ装置10を含む駆動制御装置の構
成を示している。
【0032】この油圧シリンダ装置10は、上記スクレ
ーパ軸9の下端と凹凸嵌合されたプランジャ11を有し
ており、このプランジャ11の油圧による往復動で、反
応容器1の底部を形成する軸受け部材20の軸受け孔2
1に軸方向移動可能に滑合されたスクレーパ軸9を上下
動させるようになっている。なお、22は反応容器1か
らの流体の漏出を防ぐための高圧シールである。
【0033】そして上記プランジャ11は、そのヘッド
11aに臨む上油室12と下油室13から両方向の油圧
力が作用するように設けられた油圧シリンダ装置をなし
ており、これら上下の油室12,13には油圧源16か
らそれぞれ給排管14,15を通して圧油が給排される
ようになっている。なお17はそれぞれ圧油漏れを防止
するためのシールリング、18はシリンダボディであ
る。
【0034】30は、上記軸受け部材20と油圧シリン
ダ装置10の間に設けられた冷却ジャケットであり、プ
ランジャ11の軸部の周囲に冷却水を通水することで油
圧シリンダ装置10の圧油の沸騰を防止する作用と、油
圧シリンダ装置10の圧油がスクレーパ軸9側に漏れる
ことを防止する作用とを行うものである。31は冷却水
供給管、32は冷却水排出管、33はプランジャ11周
囲の通水路である。
【0035】なお、この冷却ジャケット30の本体部材
34は、上下端部にそれぞれ設けられたフランジによ
り、軸受け部材20及び油圧シリンダ装置のシリンダボ
ディ18にボルト締めにより機械的に強固に締結されて
いる。また35〜37はいずれもシールリングである。
【0036】以上の構成をなす駆動制御装置により、図
2に示したプランジャ11が下動位置にある状態では、
上記環状スクレーパ8は図1の(a)の位置にあり、下
油室13に圧油が供給(上油室12の圧油排出)されて
プランジャ11が上動したときには図1(b)の位置に
移動した後、上油室12への圧油供給(下油室13の圧
油排出)により該プランジャ11が下動して、壁面付着
物の掻き落とし動作を行うことになる。
【0037】本例によれば、超臨界水酸化の処理に用い
る反応容器の壁面に付着する塩物質を機械的に確実に掻
き落とすことができ、しかも、この掻き落としのために
採用する機構が、常時は亜臨界水中に埋没している環状
スクレーパを用いるものであるから、この環状スクレー
パに塩物質が付着・堆積する虞もないという優れた効果
が奏される。また環状スクレーパを上下動させる機構
は、油圧シリンダ装置を用いて構成されているため、構
造が簡単であると共に、操作も容易に行うことができる
という効果も奏される。
【0038】
【発明の効果】上記したように、本願発明は、容器内上
部側に超臨界領域が形成されかつ容器内下部側に亜臨界
領域が形成される縦型筒状の反応容器と、この反応容器
の上端側から水又は超臨界水、有機物、酸化剤を含む流
体を水の超臨界条件下に反応容器内に供給する流体供給
手段と、亜臨界領域から超臨界水酸化による分解生成物
を反応容器外に排出する第1の排出手段と、上記超臨界
領域から超臨界水酸化による分解生成流体を反応容器外
に排出する第2の排出手段とを備えた超臨界水酸化処理
装置において、反応容器内に、その内壁面の全周に渡り
近接した状態で壁面母線方向に上下動して壁面付着物を
掻き落とす環状スクレーパと、この環状スクレーパを常
時は亜臨界領域内に位置させ、かつ掻き落とし必要時に
はこの環状スクレーパを超臨界領域に移動させて上下動
させる駆動制御手段とを設けたという構成をなすことに
より、有機物を完全に分解できる超臨界水酸化処理を工
業的規模の実装置で実施する際の問題点であった、反応
容器の壁面に塩物質が付着・堆積するという問題を、こ
の塩物質を亜臨界水に掻き落とすことで解消でき、しか
も、環状スクレーパは、非掻き落とし動作時には亜臨界
水中に埋没させておくことができるので、このスクレー
パ自身に塩物質が付着・堆積する問題も全くないという
優れた利点が得られ、超臨界水酸化処理を工業化する上
でその効果は極めて有益である。
【0039】また、反応容器壁面への塩付着を上述の如
く効果的に解消できるため、反応容器の閉塞防止、腐食
防止に有効であり、反応容器を交換する頻度を低減でき
てランニングコストを低廉化できる他、このための塩物
質掻き落とし用の装置は、油圧シリンダ等の稼働エネル
ギー消費量が少なく保守・点検の負担も少ないものを用
いることができるので、従来の壁面に沿った亜臨界水流
下方式の不安定性、多孔質内管外側から超臨界水を噴出
する方式の多エネルギー消費型の難点、U字形スクレー
パを用いる方式でのスクレーパ自身への塩物質の付着・
堆積方式の問題をいずれも解決できて、工業的規模の超
臨界水酸化処理装置を実現化する上での利益は極めて大
きなものがある。
【0040】また環状スクレーパを上下動させる駆動制
御手段を油圧シリンダ装置を用いて構成した請求項2の
発明によれば、、駆動制御手段の構造が簡単であると共
に、操作も容易に行うことができるという効果も奏され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超臨界水酸化処理装置の反応容器の構
成概要一例を模式的に示した正面図であり、(a)は通
常時、(b)は塩物質の掻き落とし時を示している。
【図2】図1の超臨界水酸化処理装置の環状スクレーパ
の駆動制御装置の一例を示した縦断面図。
【図3】従来の塩物質の付着防止方法の一例を示した
図。
【図4】従来の塩物質の付着防止方法の他の一例を示し
た図。
【図5】従来の塩物質の付着防止方法の更に他の一例を
示した図。
【符号の説明】 1・・・反応容器、2・・・超臨界領域、3・・・亜臨
界領域、4・・・拡散領域、5・・・流体排出管、6・
・・給水系、7・・・排水系、8・・・環状スクレー
パ、9・・・スクレーパ軸、10・・・油圧シリンダ装
置、11・・・プランジャ、11a・・・ヘッド、1
2,13・・・油室、14,15・・・給排管、16・
・・油圧原、17・・・シールリング、18・・・シリ
ンダボディ、20・・・軸受け部材、21・・・軸受け
孔、22・・・高圧シール、30・・・冷却ジャケッ
ト、31・・・冷却水供給管、32・・・冷却水排出
管、33・・・通水路、34・・・本体部材、35〜3
7・・・シールリング。
フロントページの続き (72)発明者 安生 徳幸 埼玉県戸田市川岸1丁目4番9号 オルガ ノ株式会社総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内上部側に超臨界水酸化反応が行わ
    れる超臨界領域が形成され、かつ容器内下部側に亜臨界
    領域が形成される縦型筒状の反応容器と、該反応容器の
    上端側から水又は超臨界水、有機物、酸化剤を含む流体
    を水の超臨界条件下に反応容器内に供給する流体供給手
    段と、上記亜臨界領域から超臨界水酸化による分解生成
    物を反応容器外に排出する第1の排出手段と、上記超臨
    界領域から超臨界水酸化による分解生成流体を反応容器
    外に排出する第2の排出手段とを備えた超臨界水酸化処
    理装置において、 上記反応容器内に、その内壁面の全周に渡り近接した状
    態で壁面母線方向に上下動して壁面付着物を掻き落とす
    環状スクレーパと、この環状スクレーパを常時は亜臨界
    領域内に位置させ、かつ必要時にはこの環状スクレーパ
    を超臨界領域に移動させて壁面付着物を掻き落とす上記
    上下動を行わせる駆動制御手段とを設けたことを特徴と
    する超臨界水酸化処理装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、駆動制御手段が油圧
    シリンダ装置であることを特徴とする超臨界水酸化処理
    装置。
JP17394896A 1996-07-03 1996-07-03 超臨界水酸化処理装置 Expired - Fee Related JP3333687B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17394896A JP3333687B2 (ja) 1996-07-03 1996-07-03 超臨界水酸化処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17394896A JP3333687B2 (ja) 1996-07-03 1996-07-03 超臨界水酸化処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1015566A true JPH1015566A (ja) 1998-01-20
JP3333687B2 JP3333687B2 (ja) 2002-10-15

Family

ID=15970043

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17394896A Expired - Fee Related JP3333687B2 (ja) 1996-07-03 1996-07-03 超臨界水酸化処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3333687B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005066484A (ja) * 2003-08-25 2005-03-17 Yanmar Co Ltd 超臨界流体又は亜臨界流体による有機物質等の反応装置
CN104988542A (zh) * 2015-07-30 2015-10-21 云南驰宏锌锗股份有限公司 一种超重力场强化脱除硫酸锌溶液中有机物的方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005066484A (ja) * 2003-08-25 2005-03-17 Yanmar Co Ltd 超臨界流体又は亜臨界流体による有機物質等の反応装置
CN104988542A (zh) * 2015-07-30 2015-10-21 云南驰宏锌锗股份有限公司 一种超重力场强化脱除硫酸锌溶液中有机物的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3333687B2 (ja) 2002-10-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU659169B2 (en) System for cleaning contaminated water
US5543057A (en) Supercritical water oxidation of organics using a mobile surface
KR101028983B1 (ko) 액체 처리 장치 및 액체 처리 방법
KR101330520B1 (ko) 물 정화용 바이오리액터, 물의 생물학적 정화 방법 및생물학적 프로세스용 담체 요소
EP0463062A1 (en) BIOREACTOR FOR TREATING SLUDGE CONTAINING MINERALS, SOILS AND BOURBES.
JP3673640B2 (ja) 汚染媒体の浄化方法およびそれに用いる浄化装置
JP3333687B2 (ja) 超臨界水酸化処理装置
KR100477765B1 (ko) 오염 토양 및 지하수 복원을 위한 이중 구조의 복원 정
JP4405692B2 (ja) 地下汚染領域の浄化方法
JP2003225643A (ja) 有機汚濁物質処理装置及び有機汚濁物質処理方法
JP3347638B2 (ja) 超臨界水酸化処理方法及び装置
JP4024999B2 (ja) ダイオキシン類含有液の処理方法
JP2006198476A (ja) 汚染底質の無害化処理方法
JP2001079534A (ja) 汚染地盤の清浄化方法
JP2005118626A (ja) 酸化剤の処理方法および処理装置
JP2005279392A (ja) 汚染土壌及び地下水の浄化方法
JP3695348B2 (ja) 土壌および/または地下水の汚染物質処理剤および処理方法
KR20050073877A (ko) 초임계수 산화법을 이용한 폐수 및 폐액처리장치
JP4136388B2 (ja) 汚染土壌浄化工法
JP2005118778A (ja) 有機ハロゲン化合物処理装置及びその処理方法
JP2608493B2 (ja) 有機塩素化合物で汚染された土壌及び地下水の清浄化処理方法及び装置
JP4027209B2 (ja) 化学物質による汚染の浄化方法
CN109939559A (zh) 一种生物滴滤有机废气处理装置及其处理方法
JP2006026574A (ja) 揚水井戸水の水質改善による防錆方法
JP2006239559A (ja) 有機塩素系化合物で汚染された物質の浄化方法および装置

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080726

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080726

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090726

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100726

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees