JPH10153193A - ターボファン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ターボファンに対し、空気通路の通路断面形
状を改良することにより、送風音の低減を図る。 【解決手段】 天井吊下げ型の空気調和装置に内装され
るターボファン(5) に対し、エンドプレート(21)とシュ
ラウド(20)との間に形成される空気通路(C) における流
線に対して直交する通路断面の面積が、空気通路(C) の
上流端から下流端に亘って均一になうように、空気通路
(C) における流線に対して直交する方向でのエンドプレ
ート(21)とシュラウド(20)との間の間隔寸法が、空気通
路(C) の上流端から下流端に向うにしたがって次第に短
くなるように設定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ターボファンに係
り、特に、該ターボファン内部の空気通路形状の改良に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、例えば特開平８−７５２４０
号公報に開示されている天井埋込型空気調和装置に代表
されるような天井設置型の空気調和装置が知られてい
る。

【０００３】一般に、この種の空気調和装置は、ケーシ
ング内部にターボファンを備え、このファンの駆動に伴
ってケーシング下面から吸込んだ室内空気を熱交換器で
温度調整した後、例えばケーシングの４方向から室内に
向って吹き出すようにしている。

【０００４】図７に示すように、上記ターボファン(a)
は、エンドプレート(b) と、シュラウド(c) と、このエ
ンドプレート(b) の下面とシュラウド(c) の上面との間
に保持された複数枚のブレード(d) とを備えて成る。エ
ンドプレート(b) は、円形の板材で成り中央部分が下側
に膨出され、この膨出部分の上側にモータ(e) の収容空
間を形成している。シュラウド(c) は、中央部に空気導
入開口(c1)を備えた円形の板材で成り、内周側に向うに
したがって下方に湾曲している。このような構成によ
り、ターボファン(a) の内部には、エンドプレート(b)
とシュラウド(c)との間に断面円環状の空気通路(f) が
形成されている。図７の一点鎖線A1〜A5は、空気通路
(f) の上流から下流側に亘り、空気流線に対して直交す
る平面で該空気通路(f) を４分割した場合の各面の位置
を示している。つまり、空気通路(f)各部での通路断面
形状は、最上流部分では、直線A1,A1 を含む円環状断面
（略擂鉢形状）となっており、その下流側では、A2,A2
を含む円環状断面となっている。以下、この断面形状
は、A3,A3 を含む円環状、A4,A4 を含む円環状へと変化
し、吹出し口近傍においてA5,A5 を含む円環状断面（略
円筒形状）となる。

【０００５】このように、ターボファン(a) の内部で
は、空気通路(f) における流線に直交する通路断面の形
状が、上流側から下流側に向って次第にその径が大きく
なる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のタ
ーボファンにあっては、運転時の送風音の低減を図りた
いといった要求がある。つまり、この送風音の低減を図
ることができれば、空気調和装置全体としての運転音の
低減を図ることができる。

【０００７】本発明の発明者は、このターボファンの送
風音の低減に関して考察した。これまでのターボファン
では、空気通路における流線に直交する通路断面の面積
が、空気通路の上流側から下流側に亘って増減変化して
いることに着目した。つまり、空気通路の上流端部分で
ある断面A1部分では通路面積が小さく、下流側に向っ
て、この面積が次第に増大していき（断面A1部分から断
面A3部分までは通路面積が増大していく）、その後、再
び縮小していく（断面A3部分から断面A5部分までは通路
面積が減少していく）といったように面積が変化する。
このため、空気通路を流通する空気は、一旦膨張した
後、圧縮されることになる。発明者は、これが送風音増
大の一要因であることに着目した。

【０００８】本発明は、この点に鑑みてなされたもので
あって、空気通路の通路断面形状を改良することによ
り、送風音の低減を図ることを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、空気通路における流線に直交する通路
断面の面積が、空気通路の上流側から下流側に亘って増
減変化しないようにすることで、空気の膨張や圧縮が行
われないようにした。

【００１０】請求項１記載の発明は、図６に示すよう
に、エンドプレート(21)とシュラウド(20)との間でブレ
ード(22)を支持して成るターボファン(5) を前提として
いる。エンドプレート(21)とシュラウド(20)との間に形
成される空気通路(C) における流線に対して直交する通
路断面の面積を、空気通路(C) の上流端から下流端に亘
って均一に設定した構成としている。

【００１１】この特定事項により、ターボファン(5) 内
部を流れる空気は、空気通路(C) の断面積が均一である
ため、この空気通路(C) において膨張や圧縮が行われる
ことはない。このため、ターボファン(5) の送風音が低
減できることになる。

【００１２】請求項２記載の発明は、通路断面の面積を
均一に設定するための事項として、上述した請求項１記
載の発明の特定事項とは異なる事項を特定するものであ
る。具体的には、前提を上述した請求項１記載の発明と
同様とする。エンドプレート(21)とシュラウド(20)との
間に形成される空気通路(C) における流線に対して直交
する方向でのエンドプレート(21)とシュラウド(20)との
間の間隔寸法を、空気通路(C) の上流端から下流端に向
うにしたがって次第に短くなるように設定した構成とし
ている。

【００１３】この特定事項により、ターボファン(5) の
空気通路(C) の通路断面形状は、下流側に向うにしたが
って径が大きくなるが、その分、エンドプレート(21)と
シュラウド(20)との間隔寸法が狭められる。従って、こ
の狭められる間隔寸法の変化割合を適切に設定すること
により、空気通路(C) の通路断面を上流端から下流端に
亘って均一にすることが可能となる。

【００１４】請求項３記載の発明は、上記請求項１また
は２記載のターボファンを、天井設置型の空気調和装置
(1) に内装するものとしている。

【００１５】この特定事項により、送風音が低減された
ターボファン(5) を内装した天井設置型の空気調和装置
(1) が得られ、該空気調和装置(1) の運転音も低減する
ことができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。本実施形態では、本発明を天井吊下
げ型の空気調和装置に適用した場合について説明する。

【００１７】図１は本形態に係る空気調和装置(1) の斜
視図、図２は本空気調和装置(1) の内部構造を示す平面
図、図３はその縦断面図である。

【００１８】これら図に示すように、本空気調和装置
(1) は、天井面(A) に設置され、４辺に水平方向に開口
する空気吹出口(2A,2B,2C,2D) を有する箱型のケーシン
グ(3)を備えている。このケーシング(3) の内部には、
各空気吹出口(2A,2B,2C,2D) に対向するように環状に構
成された熱交換器(4) とケーシング中央部に位置する樹
脂製のターボファン(5) とが収容されている。また、各
空気吹出口(2A,2B,2C,2D) には、室内への空調空気の風
向を調整する水平羽根(6) が水平軸回りに回動自在に設
けられている。

【００１９】ケーシング(3) の下面には、中央部に空気
吸込口(7) を有する吸込グリル(8)が開閉自在に取り付
けられている。図３中(9) は吸込空気中の塵埃等を除去
するためのエアフィルタである。

【００２０】上記熱交換器(4) は、互いに平行に配置さ
れた複数本の伝熱管に対して多数の板状フィンを直交状
態で取付けて成るクロスフィンタイプであって、冷房運
転時には蒸発器として、暖房運転時には凝縮器として機
能する。これにより、ターボファン(5) から導出した空
気を温度調整する。

【００２１】また、熱交換器(4) の下側には該熱交換器
(4) で発生したドレン水を回収するためのドレンパン(1
0)が配設されている。

【００２２】上記ケーシング(3) 内の１つの隅角部（図
２における右下の隅角部）にはケーシング内部空間に対
して仕切板(11)によって区画された配管スペース(12A)
が形成されている。この配管スペース(12A) には、冷媒
配管(13)、ドレンポンプ(14)、ケーシング(3) を天井裏
空間のコンクリート部材に対して吊下げボルトにより吊
下げるための吊り金具(15A) 等が配置されている。この
配管スペース(12A) は、ケーシング(3) に対して着脱自
在なコーナカバー(16A) によって覆われている。また、
他の３箇所の隅角部にはケーシング内部空間に対して断
熱材(17)によって区画されたスペース(12B,12C,12D) が
形成されている。これら各スペース(12B,12C,12D) には
吊り金具(15B,15C,15D) が配置されており、夫々はコー
ナカバー(16B,16C,16D) によって覆われている。これら
コーナカバー(16A〜16D)により空気調和装置(1) の外観
が良好に確保されている。

【００２３】以下、ターボファン(5) について説明す
る。図４はターボファン(5) の平面図を、図５はターボ
ファンの下面図を、図６は図４におけるＺ−Ｚ線に沿っ
た断面図を夫々示している。本ターボファン(5) は、円
形のエンドプレート(21)と、中央部に空気導入開口(20
a) を有する円形のシュラウド(20)と、これら両者(20,2
1) の間に保持されたブレード(22)とを備えている。ブ
レード(22)は、図４において外周側に向うにしたがって
反時計回り方向に傾斜する断面翼型の板材で成る。エン
ドプレート(21)の中心部分は下側に膨出してハブ部(23)
に構成されている。この膨出によりハブ部(23)の上側に
モータ(25)の収容空間を形成している。ハブ部(23)の中
心部には円柱状のボス部(24)が一体形成されている。こ
のボス部(24)がケーシング(3) 中央部に配置されたモー
タ(25)の駆動軸(25a) 下端部に直結されている。詳しく
は、このボス部(24)は、円筒状のボス本体(24a) の内部
に、金属性の第１リング(24b) 、防振ゴム(24c) 、金属
製の第２リング(24d) が一体的に嵌め込まれており、こ
の第２リング(24d) の中央部にモータ(25)の駆動軸(25
a) を嵌め込むための開口(24e) が形成されている。こ
の開口(24e) にモータ(25)の駆動軸(25a) が嵌め込ま
れ、下側からナット(N) が螺合されることで、ターボフ
ァン(5) が駆動軸(25a) に回転一体に取付けられている
（図３参照）。これにより、モータ(25)の駆動に伴って
ターボファン(5) 全体が回転（図４における時計回り方
向に回転）し、ターボファン(5) の下側から吸込んだ空
気を径方向外側に吹出すようになっている。

【００２４】また、このターボファン(5) の下側には、
該ターボファン(5) へ室内空気を案内するためのベルマ
ウス(26)が配設されている。このベルマウス(26)は、中
央部にシュラウド(20)の開口(20a) よりも僅かに小さい
開口(26a) を有している。この開口(26a) の縁部は、断
面円弧状に形成されており、ターボファン(5) に対し空
気を円滑に流すようになっている。

【００２５】また、ハブ部(23)には、長孔で成る開口(3
0,30, …) がボス部(24)を中心とした同心円上の８箇所
に形成されている。この開口(30,30, …) は、ターボフ
ァン(5) 外周部から吹出た空気の一部がエンドプレート
(21)の裏側に回り込んでモータ(25)の周囲に導入してモ
ータ(25)から熱を奪った際に、この空気を再びハブ部(2
3)の下側に排出させるためのものである（図３の矢印Ｂ
参照）。つまり、この空気の回り込みによりモータ(25)
が冷却される構成である。

【００２６】ハブ部(23)の上面には複数のリブ(27,27,
…) がボス部(24)を中心として放射状に形成されてい
る。これらリブ(27,27, …) は、上記開口(30,30, …)
同士の間の８箇所に形成されており、内側端がボス部(2
4)の上面に位置し、外側端が開口(30)の長手方向の略中
央部分に対向する位置となっている。このような形状の
リブ(27,27, …) が設けられていることにより、ターボ
ファン(5) のハブ部(23)の強度が十分に得られるばかり
でなく、ターボファン(5) の回転時には、このリブ(27,
27, …) の回転によりモータ(25)周辺部を流れる空気が
撹拌され、モータ(25)の冷却効率の向上を図ることがで
きるようになっている。

【００２７】また、ターボファン(5) は、図３及び図６
に示すように、シュラウド(20)の下端がボス部(24)の下
端よりも上側に位置している。具体的には、シュラウド
(20)の下端よりも、ハブ部(23)の下端部及びボス部(24)
が下側に突出した形状となっている。従って、エンドプ
レート(21)の上端からシュラウド(20)の下端までの寸法
は、エンドプレート(21)の上端からボス部(24)下端まで
の寸法以下に設定されている。これにより、ターボファ
ン(5) の高さ寸法を必要最小限に抑えることができる構
成となっている。

【００２８】次に、本形態の特徴とする構成について説
明する。本形態のターボファン(5)は、エンドプレート
(21)とシュラウド(20)との間に形成されている空気通路
(C)における流線に直交する面の通路面積が、空気通路
(C) の上流側から下流側に亘って均一に設定されてい
る。詳しく説明すると、図６における一点鎖線A1〜A5
は、空気通路(C) の上流から下流側に亘り、空気流線に
対して直交する平面で該空気通路(C) を４分割した場合
の各面の位置を示している。つまり、空気通路(C)各部
での通路断面形状は、最上流部分では、直線A1,A1 を含
む円環状断面（略平板リング形状）となっており、その
下流側では、A2,A2 を含む円環状断面となっている。以
下、この断面形状は、A3,A3 を含む円環状、A4,A4 を含
む円環状へと変化し、吹出し口近傍においてA5,A5 を含
む円環状断面（略円筒形状）となる。そして、この各一
点鎖線で示されるエンドプレート(21)とシュラウド(20)
との間隔寸法が、空気流通方向の上流側から下流側に向
って次第に小さくなるようにエンドプレート(21)及びシ
ュラウド(20)の形状が設定されている。これは、空気通
路(C) における流線に直交する面の外径寸法が空気通路
(C) の上流側から下流側に向って次第に大きくなるのに
対し、各円環状通路断面の通路幅寸法（断面A1部分では
通路の水平方向の幅寸法、断面A5部分では通路の高さ寸
法）を次第に小さくすることにより、各面の面積が均一
になるように設定したものである。具体的には、シュラ
ウド(20)の空気導入開口(20a) の開口面積を比較的大き
く設定し、また、該シュラウド(20)の断面形状として
は、外周側に向うにしたがって次第に上方へ傾斜するよ
うにしている。一方、エンドプレート(21)の断面形状と
しては、モータ(25)の収容空間を形成するための膨出部
分の曲率半径を比較的大きく設定し、また、外周部分は
水平方向に延長させている。これにより、従来のものに
比べて、空気通路(C) の上流端部分での通路断面積を大
きく設定すると共に、エンドプレート(21)とシュラウド
(20)との間隔寸法が急激に変化することがないような形
状としている。これにより、空気通路(C) における流線
に直交する面の通路面積を、空気通路(C) の上流側から
下流側に亘って均一にする構成を実現している。

【００２９】このように、本形態では、空気通路(C) に
おける流線に直交する面の断面積を、空気通路(C) の上
流側から下流側に亘って均一に設定したために、空気通
路(C) を流通する空気が膨張したり圧縮したりすること
が回避される。これにより、ターボファン(5) の送風音
が低減でき、これに伴って空気調和装置全体としての運
転音の低減を図ることができる。

【００３０】尚、本形態では天井吊下げ型の空気調和装
置(1) に本発明を適用した場合について説明したが、天
井埋込型のものに対しても適用可能である。

【００３１】

【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば以下に述べるような効果が発揮される。請求項１及び
２記載の発明では、ターボファン(5) に対し、エンドプ
レート(21)とシュラウド(20)との間に形成される空気通
路(C) における流線に対して直交する通路断面の面積
を、空気通路(C) の上流端から下流端に亘って均一に設
定した。具体的には請求項２記載の発明の如く、エンド
プレート(21)とシュラウド(20)との間に形成される空気
通路(C) における流線に対して直交する方向でのエンド
プレート(21)とシュラウド(20)との間の間隔寸法を、空
気通路(C) の上流端から下流端に向うにしたがって次第
に短くなるように設定する。これにより、空気通路(C)
において空気が膨張や圧縮されるのを回避できる。この
ため、ターボファン(5) の送風音が低減できることにな
り、ターボファン(5) の実用性の向上を図ることができ
る。

【００３２】請求項３記載の発明では、上記請求項１ま
たは２記載のターボファンを、天井設置型の空気調和装
置(1) に内装するものとした。これにより、送風音が低
減されたターボファン(5) を内装した天井設置型の空気
調和装置(1) が得られ、該空気調和装置(1) の運転音も
低減することができ、室内の静粛性を良好に確保するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施形態に係る天井吊下げ型空気調和装置の斜
視図である。

【図２】空気調和装置の内部構造を示す平面図である。

【図３】空気調和装置の縦断面図である。

【図４】ターボファンの平面図である。

【図５】ターボファンの下面図である。

【図６】図４におけるＺ−Ｚ線に沿った断面図である。

【図７】従来のターボファンを示す図６相当図である。

【符号の説明】

(1) 空気調和装置 (5) ターボファン (20) シュラウド (21) エンドプレート (22) ブレード (A) 天井面 (C) 空気通路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 エンドプレート(21)とシュラウド(20)と
   の間でブレード(22)を支持して成るターボファン(5) に
   おいて、 上記エンドプレート(21)とシュラウド(20)との間に形成
   される空気通路(C) における流線に対して直交する通路
   断面の面積が、空気通路(C) の上流端から下流端に亘っ
   て均一に設定されていることを特徴とするターボファ
   ン。
2. 【請求項２】 エンドプレート(21)とシュラウド(20)と
   の間でブレード(22)を支持して成るターボファン(5) に
   おいて、 上記エンドプレート(21)とシュラウド(20)との間に形成
   される空気通路(C) における流線に対して直交する方向
   でのエンドプレート(21)とシュラウド(20)との間の間隔
   寸法が、空気通路(C) の上流端から下流端に向うにした
   がって次第に短くなるように設定されていることを特徴
   とするターボファン。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載のターボファンに
   おいて、 室内の天井面(A) に設置される天井設置型の空気調和装
   置(1) に内装されていることを特徴とするターボファ
   ン。