JPH10152691A - 脱膜型潤滑処理剤および潤滑処理金属板 - Google Patents

脱膜型潤滑処理剤および潤滑処理金属板

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JPH10152691A
JPH10152691A JP8311778A JP31177896A JPH10152691A JP H10152691 A JPH10152691 A JP H10152691A JP 8311778 A JP8311778 A JP 8311778A JP 31177896 A JP31177896 A JP 31177896A JP H10152691 A JPH10152691 A JP H10152691A
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JP
Japan
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film
lubricating
lubricating agent
metal plate
film removal
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JP8311778A
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Takeshi Tomiyasu
健 富安
Yukihiro Yoshikawa
幸宏 吉川
Tadashi Sakane
正 坂根
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐型かじり性、耐ブロッキング性および脱膜性
に優れた潤滑皮膜を金属板の表面に形成させ得る脱膜型
潤滑処理剤、およびそれを用いた潤滑処理金属板を提供
する。 【解決手段】可とう性があって、かつアルカリ水溶液に
可溶な水溶性樹脂または水分散性樹脂と、粒径が5nm
以上1000nm以下で、潤滑処理剤の不揮発成分に対
して重量%で0.1%以上10%以下の範囲で含有され
たふっ素樹脂微粉末からなるバインダ樹脂に、固体潤滑
剤として潤滑処理剤の不揮発成分に対して重量%で1%
以上20%以下の金属石鹸が含まれている脱膜型潤滑処
理剤。この潤滑処理剤を用いれば、耐型かじり性、耐ブ
ロッキング性に優れ、しかも脱膜性の良好な潤滑処理金
属板を容易に製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐型かじり性およ
び耐ブロッキング性に優れ、さらに加工後の脱膜性が良
好な固形潤滑皮膜(以下、「潤滑皮膜」あるいは単に
「皮膜」という)を形成することができる脱膜型潤滑処
理剤、およびこの潤滑処理剤を用いて形成された潤滑皮
膜を有する潤滑処理金属板に関する。
【0002】
【従来の技術】金属板にプレス加工やロ−ルフォ−ミン
グ等の成形加工を施す際、材料が適度な潤滑性を有して
いることが要求される。これは、潤滑性が良すぎると、
加工時の材料の滑りによって製品形状が不安定になると
いう問題が生じ、潤滑性の不足は材料の破断などの原因
となるからである。
【0003】ところが、製品形状の複雑化に伴い、1枚
の金属板が具備すべき適度な潤滑性が一様なものではな
く、成形条件の厳しい箇所とそうでない箇所とでは要求
される潤滑性が異なり、従来の液状潤滑剤では対応しき
れなくなってきている。そこで、このような多様な潤滑
性が同時に要求される場合には、金属板上に潤滑皮膜を
設けるという対応策が採られている。潤滑皮膜は、成形
条件の厳しい箇所で発生する高面圧下でも液状潤滑剤の
ように流動することがなく、しかも高面圧箇所では、摩
擦熱により潤滑剤が軟化して更に高潤滑性を発揮すると
いう、いわば「潤滑性の自己調整機能」を有している。
【0004】潤滑皮膜には、「脱膜型」の潤滑皮膜と
「非脱膜型」の潤滑皮膜とがある。「脱膜型」の潤滑皮
膜は成形加工後に皮膜が除去され、「非脱膜型」の潤滑
皮膜は加工後も皮膜が除去されることなく、そのまま
で、あるいは更にその上に塗装などが施され使用される
が、昨今の、めっき技術の進歩による耐食性の向上、安
価なステンレス鋼の開発等により金属板の裸使用(非塗
装状態での使用)への需要が高まっており、「脱膜型」
の潤滑皮膜が設けられた金属板に対する需要が増加する
と考えられる。
【0005】このような脱膜型潤滑皮膜を金属板の表面
に設ける技術として、例えば、特開昭51−75863
号公報では、ビニル系重合体のバインダ樹脂に、固体潤
滑剤として所定量のワックスおよびふっ素樹脂粉末が配
合された潤滑組成物が提案されている。この組成物を用
いて金属表面に潤滑皮膜を形成させることにより、引抜
き、深絞り、圧延、打抜きなど、塑性加工全般にわたっ
て優れた潤滑効果を発現させ、しかも、製造時にしゅう
酸やりん酸塩を用いていないので廃水処理の問題もな
く、従来の工程に比べ低公害化できるというものであ
る。
【0006】また、特公平4−78679号公報には、
酸価が20〜160、ガラス転移温度が5〜100℃の
アクリル系バインダ樹脂に、防錆剤と、撥水剤としての
油脂、金属石鹸、ワックス、ふっ素樹脂微粉末等が所定
量添加された潤滑処理鋼材用塗料組成物が開示されてい
る。この塗料組成物が塗装された鋼材は、プレス成形に
好適な潤滑性が付与される他、防錆性、脱脂洗浄性(す
なわち、脱膜性)および耐ブロッキング性にも優れてい
るとしている。なお、耐ブロッキング性とは、金属板を
積み重ねて保管しても潤滑皮膜どうしが粘着しない性質
をいう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
従来技術の何れにおいても、かじり付きによる加工後外
観不良の防止と加工後の良好な脱膜性とを両立させるこ
とはできなかった。加工後外観不良は、成形加工時にお
ける金属板と工具との接触による傷付き(型かじり)に
よるもので、潤滑皮膜の界面密着強度をこの皮膜の凝集
強度よりも高めることによって防止できるが、界面密着
強度の増加に伴い脱膜性が低下するからである。なお、
ここでいう界面密着強度とは、潤滑皮膜と母材との界面
における密着強度であり、凝集強度とは、潤滑皮膜を構
成する成分どうしの結合強度(つまり、バルクとしての
強度)である。
【0008】また、積載保管時における耐ブロッキング
性の向上も、潤滑皮膜を有する潤滑処理金属板において
は重要な課題である。
【0009】本発明はこのような状況に鑑みなされたも
ので、その目的は、耐型かじり性、脱膜性、耐ブロッキ
ング性のいずれにも優れた脱膜型の潤滑皮膜を形成させ
ることができる潤滑処理剤、およびこの潤滑処理剤を用
いて形成された潤滑皮膜を有する潤滑表面処理金属板を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために検討を重ねた結果、潤滑処理剤を構
成するバインダ樹脂にふっ素樹脂微粉末を添加すること
によって、脱膜性を何ら損なうことなく、バインダ樹
脂、ひいては潤滑皮膜の凝集強度を低下させ、それによ
り潤滑皮膜の界面密着強度を凝集強度に対して相対的に
高めて耐型かじり性を向上させることが可能であること
を見いだした。
【0011】さらに、バインダ樹脂に添加したふっ素樹
脂微粉末の一部が潤滑皮膜の表層に濃化し、この潤滑処
理剤を用いて形成された潤滑皮膜を有する潤滑処理金属
板の積載保管時における耐ブロッキング性が向上するこ
とを知見した。また、潤滑剤として金属石鹸を添加する
ことによって、潤滑処理金属板の、特に難成形時におけ
る摺動特性が向上することが判明した。
【0012】本発明はこれらの知見に基づいてなされた
もので、その要旨は、下記(1)の脱膜型潤滑処理剤、
および(2)のこの潤滑処理剤を用いて形成された潤滑
皮膜を有する潤滑処理金属板にある。
【0013】(1)バインダ樹脂と固体潤滑剤で構成さ
れた脱膜型潤滑処理剤であって、バインダ樹脂が、可と
う性があり、かつアルカリ水溶液に可溶な水溶性樹脂ま
たは水分散性樹脂と、粒径が5nm以上1000nm以
下で、潤滑処理剤の不揮発成分に対して重量%で0.1
%以上10%以下の範囲で含有されたふっ素樹脂微粉末
からなり、固体潤滑剤が潤滑処理剤の不揮発成分に対し
て重量%で1%以上20%以下の範囲で含有された金属
石鹸であることを特徴とする脱膜型潤滑処理剤。
【0014】(2)金属板の表面に、上記(1)に記載
の脱膜型潤滑処理剤が塗布、乾燥されてなる膜厚が0.
5μm以上10μm未満の潤滑皮膜を有することを特徴
とする耐型かじり性、耐ブロッキング性および脱膜性に
優れた潤滑処理金属板。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成ならびに作用
について詳細に説明する。
【0016】前記(1)の発明は、可とう性を有する水
溶性樹脂または水分散性樹脂と、所定の粒径および含有
量のふっ素樹脂微粉末からなるバインダ樹脂に、所定量
の金属石鹸が固体潤滑剤として含まれた脱膜型潤滑処理
剤である。ふっ素樹脂微粉末が潤滑剤としてではなく、
潤滑皮膜の物性を改善するために添加されていると同時
に、金属石鹸が添加されている点に特徴がある。
【0017】本発明の脱膜型潤滑処理剤において、バイ
ンダ樹脂に含有されたふっ素樹脂微粉末は次のような作
用効果を示す。
【0018】潤滑皮膜形成時に皮膜の表面に濃化した
ふっ素樹脂微粉末が、この潤滑処理剤を塗装した潤滑処
理金属板の積載保管時におけるブロッキングの発生を抑
制する。
【0019】潤滑皮膜の内部に存在するふっ素樹脂微
粉末が皮膜の凝集強度を低下させるので、この潤滑処理
剤を塗装した金属板を成形加工する際に皮膜に生じる応
力の皮膜と母材の界面への集中を防ぐとともに、潤滑皮
膜が工具表面の凹部を埋めることによりその表面粗さを
緩和し、耐型かじり性を向上させる。
【0020】上記のの効果(潤滑皮膜の凝集強度の
低下)により、潤滑皮膜と母材との界面における相対的
な密着強度は増大するが絶対的な密着強度は変化しない
ので、脱膜性を阻害せず、良好な脱膜性の確保が可能と
なる。
【0021】バインダ樹脂に添加されるふっ素樹脂の種
類は特に限定されない。例えば、四ふっ化エチレン(P
TFE)、四ふっ化エチレンン−六ふっ化プロピレン共
重合体(FEP)、テトラフルオロエチレンパ−フルオ
ロアルキルビニルエ−テル共重合体(PFA)、テトラ
フルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、三
ふっ化塩化エチレン樹脂(PCTFE)等が挙げられ
る。
【0022】ふっ素樹脂微粉末の粒径は、5nm以上1
000nm以下であることが必要である。粒径が5nm
に満たない場合は、ふっ素樹脂微粉末が凝集し易く、分
散性が不芳となる。一方、粒径が1000nmを超える
場合は、成形加工時に潤滑皮膜が広い範囲で破壊、脱落
し、耐型かじり性が著しく低下する。好ましくは、10
nm以上100nm以下である。
【0023】ふっ素樹脂微粉末の含有量は、潤滑処理剤
の不揮発成分(すなわち、固形分)に対して重量%で
0.1%以上10%以下の範囲内であることが必要であ
る。ふっ素樹脂微粉末の含有量が0.1重量%に満たな
い場合は、この潤滑処理剤を用いて形成される潤滑皮膜
の耐型かじり性が充分ではなく、さらにブロッキングの
問題も生じる。一方、10重量%を超えると、潤滑皮膜
の凝集強度の著しい低下により、成形加工時に皮膜がパ
ウダ−状に脱落し、潤滑皮膜によるメタル表面の保護効
果が得られない。
【0024】本発明の脱膜型潤滑処理剤においては、固
体潤滑剤として金属石鹸が含まれていることが必要であ
る。バインダ樹脂に含まれるふっ素樹脂微粉末により付
与される潤滑性は、特に深絞り等の摺動長の大きい高加
工には適しておらず、加工が困難な部位における型かじ
りへの対応策として、メタル表面への吸着性を有する金
属石鹸の添加が必要となる。さらに、金属石鹸はアルカ
リ水溶液に可溶な性質を有しており、ワックス系、ある
いは無機系の固体潤滑剤を用いた場合にみられる脱膜性
への悪影響を低減することが可能である。また、特に比
重の大きい無機系固体潤滑剤を使用した場合に起こりや
すい潤滑処理剤中での分散安定性の悪化もみられない。
【0025】金属石鹸の種類は特に限定されない。脂肪
酸エステル系、リン酸エステル系、硫酸エステル系等の
使用が可能である。これらの金属石鹸はCa塩、Zn塩
等の難溶性のものが好ましく、K塩、Na塩等は潤滑皮
膜の耐水性、耐食性を悪化させるので好ましくない。
【0026】金属石鹸の含有量は、潤滑処理剤の不揮発
成分に対して重量%で1%以上20%以下であることが
必要である。含有量が1重量%未満の場合は、この潤滑
処理剤を用いて形成される潤滑皮膜において、充分な潤
滑性が得られない。一方、金属石鹸の含有量が20重量
%を超えると潤滑皮膜の耐水性が悪化するばかりか、泡
立ち等により潤滑処理剤の塗工性も悪化する。
【0027】本発明の潤滑処理剤で用いるバインダ樹脂
は、この潤滑処理剤により形成される潤滑皮膜がアルカ
リによる脱膜性を有するように、アルカリ水溶液に可溶
な水溶性樹脂あるいは水分散性樹脂であることが必要で
ある。一方、この潤滑皮膜が良好な成形加工性を有する
ためには、バインダ樹脂が金属板に対して充分な密着性
を有することが必要である。この両者を両立させるため
には、バインダ樹脂が、酸価にして10以上160以下
のカルボキシル基を有するビニル系樹脂またはビニル系
共重合体、あるいは、これらの樹脂のエステル化物また
はアミド化物であることが好ましい。カルボキシル基に
よる酸価が10未満ではアルカリによる脱膜性が不芳と
なり、160を超えると耐水性が悪化する。さらに好ま
しくは、ポリアクリル酸、またはポリアクリル酸エステ
ルの単重合体、あるいは、これらの樹脂と共重合可能な
樹脂との共重合体であり、かつ、酸価が10以上160
以下のものである。
【0028】バインダー樹脂は、さらに、可とう性を有
していることが必要である。これは、本発明の潤滑処理
剤により得られる潤滑皮膜の成形加工性を良好ならしめ
るためで、ガラス転位温度(Tg)が5℃以上100℃
以下である樹脂が好ましい。ガラス転位温度が5℃に満
たない場合は樹脂のベト付きによる耐ブロッキング性不
良の問題が発生し、ガラス転位温度が100℃を超える
と成形加工時に、皮膜内応力が潤滑皮膜と金属板の界面
密着力を超えるためクラックが発生し、皮膜の脱落によ
る潤滑不足および型かじりの問題が発生する。
【0029】上記本発明の潤滑処理剤を用いれば、耐型
かじり性、脱膜性、耐ブロッキング性のいずれにも優れ
た脱膜型の潤滑皮膜を形成させることができる。また、
この潤滑処理剤は、後述する実施例に示すように、塗工
性にも優れている。
【0030】前記(2)の発明は、金属板の表面に、上
記(1)の脱膜型潤滑処理剤が塗布、乾燥されてなる潤
滑処理金属板である。
【0031】潤滑処理剤を塗布し、乾燥することによっ
て得られる潤滑皮膜は、膜厚が0.5μm以上10μm
未満で、金属板の片面または両面に設けられていること
が必要である。皮膜厚が0.5μmに満たない場合は充
分な耐型かじり性が得られず、一方、10μm以上であ
ると脱脂洗浄性(脱膜性)が不芳である。好ましくは、
1μm以上5μm以下である。
【0032】塗布、乾燥に特別の手法は必要ではなく、
通常の、例えばバーコータ法、ローラコータ法、ディッ
プ法等により塗布し、温風乾燥、自然乾燥等、通常用い
られる方法により乾燥させればよい。乾燥温度は、最高
到達板温度(PMT)で60℃〜130℃とするのが乾
燥工程の効率化が図れるので好ましい。
【0033】潤滑処理剤が塗布される母材としての金属
板は特に限定されず、各種のめっき鋼板、ステンレス鋼
板、熱延鋼板、冷延鋼板等を用いることができる。金属
板がステンレス鋼板のような耐食性を有する材料の場合
は、成形加工後に潤滑皮膜を除去してメタル表面を外表
面として使用するのに好適である。
【0034】上記本発明の潤滑処理金属板は、耐型かじ
り性、脱膜性、耐ブロッキング性のいずれにも優れ、ま
た、特別の手法を用いることなく従来用いられている方
法に準じて容易に製造することができる。
【0035】
【実施例】表1に示す潤滑処理剤を試作し、これらの潤
滑処理剤のそれぞれをバーコータ法により金属板(母
材)に塗布し、オーブンでPMT100℃で焼き付け、
同じく表1に示す潤滑処理金属板を得た。用いた母材金
属板は、ステンレス鋼板(SUS304/2B材、板厚
0.7mm)およびEG鋼板(電気亜鉛めっき鋼板、亜
鉛目付け量30g/m2 、板厚0.7mm)である。な
お、表1において、バインダ樹脂のベースとなる水溶性
または水分散性の樹脂はベース樹脂として表示し(以
下、本文においてもベース樹脂という)、それらの樹脂
の内容(モノマ組成)および酸価とガラス転移温度(T
g)を表2に示した。また、ふっ素樹脂および固体潤滑
剤の含有量はいずれも潤滑処理剤の不揮発成分(固形
分)に対する重量%である。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】これらの潤滑処理剤および潤滑処理金属板
についてそれぞれ下記の性能試験を行った。
【0039】〔潤滑処理剤〕塗工性 :表1に示したそれぞれの潤滑処理剤について、
下記の方法により分散性、安定性および泡立性の3項目
について調査し、それらの全てが良好なものを塗工性良
好(○)、3項目の内の1項目でも不良があったものを
塗工性不良(×)と評価した。
【0040】分散性:ベース樹脂とふっ素樹脂微粉末と
を混合した後、レ−ザ粒度分布計によりふっ素樹脂微粉
末の粒度を測定し、ふっ素樹脂微粉末の凝集が認められ
ないものを良好(○)、凝集が認められたものを不芳
(×)とした。
【0041】安定性:ベース樹脂とふっ素樹脂微粉末と
を混合した後、1日経過してもふっ素樹脂微粉末の分離
が認められないものを良好(○)、分離が認められたも
のを不芳(×)とした。
【0042】泡立性:15mmφのガラス製チュ−ブに
潤滑処理剤10ml(ミリリットル)を注入し、1分間
振とうした後、1分間静置し、泡高さが20mm以下の
ものを(○)、20mmより大きいものを不芳(×)と
した。
【0043】〔潤滑処理金属板〕耐型かじり性 :それぞれの潤滑処理金属板について、ビ
−ド付きハット成形試験を行った。その際のブランク加
重は2000kgfとし、プレス毎にビ−ドを#240
のエメリ−ペ−パで研磨し、成形・脱膜後の潤滑処理金
属板の表面における傷付きの程度を目視で評価した。評
価の基準は、50cm離れて傷の存在が判らないものを
良好(○)、判るものを不良(×)とした。
【0044】耐ブロッキング性:それぞれの潤滑処理金
属板を2枚重ねて、60℃、100kgf/cm2 のホ
ットプレス処理を行い、24時間後に金属板どうしの粘
着が認められないものを良好(○)、認められたものを
不良(×)とした。
【0045】脱膜性:10秒間のアルカリ(60℃のオ
ルトケイ酸ソ−ダを使用)スプレ−で脱脂した後、潤滑
皮膜の残存が認められないものを良好(○)、認められ
たものを不良(×)とした。
【0046】性能試験結果を表3に示す。この結果か
ら、本発明の潤滑処理剤は塗工性が良好であり、また、
この潤滑処理剤を用いて形成した潤滑皮膜を有する潤滑
処理金属板は、耐型かじり性、耐ブロッキング性および
脱膜性のいずれにも優れていることがわかる。なお、N
o.1、2および22は、皮膜性能は良好であったが、
潤滑処理剤の塗工性が良くなかった。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】本発明の潤滑処理剤を用いれば、耐型か
じり性、耐ブロッキング性に優れ、しかも脱膜性の良好
な潤滑皮膜を形成させることができる。また、このよう
な潤滑皮膜を有する本発明の潤滑処理金属板は、この潤
滑処理剤を用い、従来用いられている方法に準じて容易
に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C10M 147:02 147:04) C10N 10:04 20:06 40:24 50:02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】バインダ樹脂と固体潤滑剤で構成された脱
    膜型潤滑処理剤であって、バインダ樹脂が、可とう性が
    あり、かつアルカリ水溶液に可溶な水溶性樹脂または水
    分散性樹脂と、粒径が5nm以上1000nm以下で、
    潤滑処理剤の不揮発成分に対して重量%で0.1%以上
    10%以下の範囲で含有されたふっ素樹脂微粉末からな
    り、固体潤滑剤が潤滑処理剤の不揮発成分に対して重量
    %で1%以上20%以下の範囲で含有された金属石鹸で
    あることを特徴とする脱膜型潤滑処理剤。
  2. 【請求項2】金属板の表面に、請求項1に記載の脱膜型
    潤滑処理剤が塗布、乾燥されてなる膜厚が0.5μm以
    上10μm未満の潤滑皮膜を有することを特徴とする耐
    型かじり性、耐ブロッキング性および脱膜性に優れた潤
    滑処理金属板。
JP8311778A 1996-11-22 1996-11-22 脱膜型潤滑処理剤および潤滑処理金属板 Pending JPH10152691A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020023731A (ja) * 2018-08-07 2020-02-13 Jfeスチール株式会社 潤滑皮膜を有する鋼板およびその製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020023731A (ja) * 2018-08-07 2020-02-13 Jfeスチール株式会社 潤滑皮膜を有する鋼板およびその製造方法

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