JPH10151679A - シート状硬化物 - Google Patents

シート状硬化物

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JPH10151679A
JPH10151679A JP31393996A JP31393996A JPH10151679A JP H10151679 A JPH10151679 A JP H10151679A JP 31393996 A JP31393996 A JP 31393996A JP 31393996 A JP31393996 A JP 31393996A JP H10151679 A JPH10151679 A JP H10151679A
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JP
Japan
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group
saturated hydrocarbon
sheet
polymer
cured product
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Application number
JP31393996A
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English (en)
Inventor
Takahiro Oishi
大石孝洋
Masafumi Sakaguchi
坂口雅史
Junji Takase
高瀬純治
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低透湿性、低吸湿性、低気体透過性、耐熱
性、耐候性、電気絶縁性、振動吸収性、粘着性および接
着性に優れたシート状硬化物を提供する。飽和炭化水素
系重合体を用いた硬化性液状組成物において、優れた低
透湿性、低気体透過性および高耐候性を有し、またシー
ト相互あるいはシートと下地の接着または粘着が可能な
シート状硬化物を提供する。 【解決手段】 室温で架橋し得る反応性ケイ素基を含有
するイソブチレン重合体などの飽和炭化水素系重合体を
用いたシート状硬化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性,接着性,
粘着性に優れるゴム状物質であり、ヒドロシリル化反応
あるいはシラノール縮合反応により硬化するシート状硬
化物に関する。特に本発明のシート状硬化物は、飽和炭
化水素系重合体骨格を有していることから、低透湿性、
低吸湿性、低気体透過性、耐熱性、耐候性、電気絶縁
性、振動吸収性に優れており、放熱シート、熱伝導性電
気絶縁シート、粘着シート、防音シート、防水シート、
防振シート、体育館や陸上競技場,テニスコートをはじ
め各種スポーツサーフェイス等幅広い応用分野が挙げら
れるが、なかでも特に防水シートとして有用である。
【0002】
【従来の技術】従来より硬化によりシートを生成する硬
化性液状組成物としては、各種のものが開発されてい
る。なかでも防水シートは、下記のような利点を有する
防水工法であるシート防水用として今後の発展が期待さ
れるが、その反面益々シビアな物性が要求されている。 (1)防水層の耐水性、耐候性、耐薬品性が優れてい
る。 (2)防水層の重量が軽く、建造物の軽量化に役立つ。 (3)防水層が温度変化に対して比較的安定しており、
気象条件の激しい所でも使用できる。 (4)施工が簡単で、複雑な形状や急勾配の屋根にも施
工できる。 (5)施工は、一般に接着剤を用いる冷間工法であり、
加熱の必要がないので火気の危険がない。
【0003】現在、市販されているシート防水のシート
は、約30種類あり、その材質によって分類すると次の
ようになる。 (1)ブチル+EPDM加硫ゴム (2)塩化ビニル (3)ブチル加硫ゴム (4)ポリイソブチレン (5)ポリクロロプレンゴム (6)ポリエチレン (7)その他 以上の材質のなかで、わが国にシート防水材として最初
に取り入れられたのは(4)ポリイソブチレンである
が、加硫できないために弾性回復力がない、圧縮変形が
非常に大きい等の理由により、現在最も多く使用されて
いる材料は(1)ブチル+EPDM加硫ゴム系であり、約1
3種ある。次に多いのが(2)塩化ビニルと(3)ブチ
ル加硫ゴムで、それぞれ4〜5種類ある。
【0004】シート防水材料は合成高分子ルーフィング
と呼ばれ、単層ルーフィングと積層ルーフィングに大き
く分けられる。単層ルーフィングとは主原料の合成高分
子材料に適当な充填剤、可塑剤、安定剤、着色剤などを
練り混ぜた均質な成形シートである。積層ルーフィング
は、そのシート状に成形した基材に繊維、金属箔、その
他の材料をシートの裏面、表面、中間層にそれぞれ積層
させたものである。
【0005】これらいずれの工法においても、シート相
互あるいはシートと下地の固定には接着工法がとられ
る。これは接着剤を用いて固定させる方法であるが、各
種ポリマーによって接着剤の選定が必要であり、また各
種ポリマーのブレンド比率によっても適した接着剤を選
ばなければならない。しかしながら現状では接着性に問
題があり、特にポリエチレン系やEPDMリッチ共加硫シー
トでは接着不良が大きな課題となっている。
【0006】また、防水シートは、それ自体過酷な自然
条件に耐え得ることが先決問題で、塩化ビニルをはじめ
全ての材質において耐候性が大きな問題となっている。
なかでもオゾン影響は最も重要な要因である。耐オゾン
性についてEPDMのブレンドは有効であるが、EPDMは接着
性が悪く、接着性のよいブチルゴムとは溶融しにくい。
また、EPDMは紫外線により硬化し、伸度がなくなる。
【0007】さらに、低透水性、低気体透過性および優
れた加工性が必要とされるが、まだ充分であるとはいえ
ず、より強靭なシートの開発が望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低透
湿性、低吸湿性、低気体透過性、耐熱性、耐候性、電気
絶縁性、振動吸収性に優れ、またシート相互あるいはシ
ートと下地の接着あるいは粘着が可能な新規なシート状
硬化物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、水蒸気・ガ
ス透過性が低く、耐水性に優れた反応硬化型の飽和炭化
水素系重合体を用いることにより、低透湿性、低吸湿
性、低気体透過性、耐熱性、耐候性、電気絶縁性、振動
吸収性、粘着性及び接着性に優れたシート状硬化物が得
られることを見いだした。
【0010】すなわち、本発明は、反応硬化型の飽和炭
化水素系重合体、あるいは反応硬化型の飽和炭化水素系
重合体を含有する組成物を硬化してなるシート状硬化物
に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の反応硬化型の飽和炭化水
素系重合体には、ケイ素原子に結合した水酸基または加
水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することによ
り架橋し得るケイ素含有基、すなわち、分子内に反応性
ケイ素基を少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体
(縮合型)あるいは、分子内に少なくとも1個のヒドロ
シリル基を有する硬化剤とヒドロシリル化反応すること
により架橋構造を形成し得るアルケニル基を、分子内に
少なくとも1個有する飽和炭化水素系重合体(付加型)
が使用される。
【0012】上記の2種類の飽和炭化水素系重合体のう
ち、まず縮合型について述べる。反応性ケイ素基を有す
る飽和炭化水素系重合体は、芳香環以外の炭素ー炭素不
飽和結合を実質的に含有しない重合体であり、たとえ
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレ
ン、水素添加ポリブタジエン、水素添加ポリイソプレン
などがあげられる。反応性ケイ素基としては、一般式
(1)
【0013】
【化2】
【0014】(式中、R1 およびR2 はいずれも炭素数
1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、
炭素数7〜20のアラルキル基または(R’)3 SiO
−(R’は炭素数1〜20の1価の炭化水素基であり、
3個のR’は同じか異なる)で示されるトリオルガノシ
ロキシ基であり、R1 またはR2 が2個以上存在すると
き、それらは同じであってもよく、異なっていてもよい
し、Xは水酸基または加水分解性基であり、2個以上存
在するとき、それらは同じであってもよく、異なってい
てもよい、aは0、1、2または3、bは0、1または
2であって、a+mbは1以上であり、また、m個の式
(1)におけるbは同じでなくてもよい。mは0または
1〜19の整数)で表される基があげられる。
【0015】加水分解性基としては、たとえば、水素原
子、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート
基、アミノ基、アミド基、アミノオキシ基、メルカプト
基、アルケニルオキシ基などの一般に使用されている基
があげられる。これらのうちでは、アルコキシ基、アミ
ド基、アミノオキシ基が好ましいが、加水分解性がマイ
ルドで取り扱い易いという点から、アルコキシ基がとく
に好ましい。
【0016】加水分解性基や水酸基は、1個のケイ素原
子に1〜3個の範囲で結合することができ、(a+m
b)は1〜5個の範囲が好ましい。加水分解性基や水酸
基が反応性ケイ素基中に2個以上結合する場合には、そ
れらは同じであってもよいし、異なってもよい。反応性
ケイ素基を形成するケイ素原子は1個以上であるが、シ
ロキサン結合などにより連結されたケイ素原子の場合に
は、20個以下であることが好ましい。とくに、式
(2)
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R2 、X、aは前記と同じ)で表
される反応性ケイ素基が、入手が容易であるので好まし
い。飽和炭化水素系重合体1分子中の反応性ケイ素基は
1個以上であり、1.1〜5個あることが好ましい。分
子中に含まれる反応性ケイ素基の数が1個未満になる
と、硬化性が不充分になり、良好なゴム弾性が得られな
くなることがある。
【0019】反応性ケイ素基は、飽和炭化水素系重合体
分子鎖の末端あるいは内部にあってもよいし、また、両
方にあってもよい。とくに、反応性ケイ素基が分子末端
にあるときは、最終的に形成される硬化物に含まれる飽
和炭化水素系重合体成分の有効網目鎖量が多くなるた
め、高強度で高伸びのゴム状硬化物が得られやすくなる
などの点から好ましい。
【0020】また、これら反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体は単独あるいは2種以上併用すること
ができる。この本発明に用いる反応性ケイ素基を有する
飽和炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、(1)エ
チレン、プロピレン、1ーブテン、イソブチレンなどの
ような炭素数1〜6のオレフィン系化合物を主モノマー
として重合させるか、(2)ブタジエン、イソプレンな
どのようなジエン系化合物を単独重合させ、あるいは、
上記オレフィン系化合物とを共重合させた後、水素添加
するなどの方法により得ることができるが、イソブチレ
ン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体は、末端に官
能基を導入しやすく、分子量を制御しやすく、また、末
端官能基の数を多くすることができるので好ましい。
【0021】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
イソブチレンと共重合体を有する単量体単位をイソブチ
レン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下
同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。このような単量
体成分としては、たとえば、炭素数4〜12のオレフィ
ン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラ
ン類、アリルシラン類などがあげられる。このような共
重合体成分としては、たとえば1ーブテン、2ーブテ
ン、2ーメチルー1ーブテン、3ーメチルー1ーブテ
ン、ペンテン、4ーメチルー1ーペンテン、ヘキセン、
ビニルシクロヘキセン、メチルビニルエーテル、エチル
ビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチレ
ン、αーメチルスチレン、ジメチルスチレン、モノクロ
ロスチレン、ジクロロスチレン、βーピネン、インデ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシ
ラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジク
ロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメ
チルシラン、1,3−ジビニルー1,1,3,3−テト
ラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テト
ラビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチ
ルジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリ
ルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、
ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、
ジアリルジメチルシラン、γーメタクリロイルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γーメタクリロイルオキシ
プロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。
【0022】また、イソブチレンと共重合性を有する単
量体として、ビニルシラン類やアリルシラン類を使用す
ると、ケイ素含有量が増加しシランカップリング剤とし
て作用しうる基が多くなり、得られる組成物の接着性が
向上する。水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化
水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体の
場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に他の単量
体単位を含有させてもよい。
【0023】また、この反応性ケイ素基を有する飽和炭
化水素系重合体には、この本発明の目的が達成される範
囲で、ブタジエン、イソプレンなどのポリエン化合物の
ような重合後2重結合の残るような単量体単位を少量、
好ましくは10%以下、さらに好ましくは5%以下、と
くに好ましくは1%以下の範囲で含有させてもよい。飽
和炭化水素系重合体、好ましくはイソブチレン系重合体
または水添ポリブタジエン系重合体の数平均分子量は5
00〜30,000程度であるのが好ましく、とくに
1,000〜20,000程度の液状ないし流動性を有
するものが取扱いやすいなどの点から好ましい。なお、
本発明においては、飽和炭化水素系重合体の数平均分子
量(Mn)及びMw/Mn値は、ポリスチレンゲルカラ
ム[昭和電工((株)製Shodex K-804移動相:クロロホ
ルム]を用いたGPCよりポリスチレン換算で求めた。
【0024】つぎに反応性ケイ素基を有する飽和炭化水
素系重合体の製法について説明する。反応性ケイ素基を
有するイソブチレン系重合体のうち、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体は、イニファ
ー法と呼ばれる重合法(イニファーと呼ばれる開始剤と
連鎖移動剤を兼用する特定の化合物を用いるカチオン重
合法)において製造することができる。
【0025】このような製造法は、たとえば、特公平4
−69659号、特開昭63−6003号、特開昭63
−254149号、特開昭64−22904号、特開昭
64−38407号の各明細書などに記載されている。
さらに、分子鎖末端に反応性ケイ素基を有するイソブチ
レン系重合体を製造する際の重合に際して、主成分であ
るイソブチレンモノマー以外に反応性ケイ素基を有する
ビニルシラン類やアリルシラン類などを共重合せしめた
のち末端に反応性ケイ素基を導入することにより、末端
および分子鎖内部に反応性ケイ素基を有するイソブチレ
ン系重合体が製造される。
【0026】反応性ケイ素基を有するビニルシラン類や
アリルシラン類としては、たとえば、ビニルトリクロロ
シラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチル
クロロシラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ジビニ
ルジクロロシラン、ジビニルジメトキシシラン、アリル
トリクロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリ
ルジメチルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラ
ン、ジアリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラ
ン、γーメタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、γーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメト
キシシランなどがあげられる。
【0027】前記水添ポリブタジエン系重合体は、たと
えば、まず、末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の水酸基を−ONaや−OKなどのオキシメタル基に
した後、一般式(3): CH2 =CH−R3 −Y (3) (式中、Yは塩素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原
子、R3 は−R3 −、−R4 −OCO−または−R4
CO−(R4 は炭素数1〜20の2価の炭化水素基で、
アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、ア
ラルキレン基が好ましい)で示される2価の有機基で、
−CH2 −、−R”−C6 5 −CH 2 −(R”は炭素
数1〜10の炭化水素基)より選ばれる2価の基がとく
に好ましい)で示される有機ハロゲン化合物を反応させ
ることにより、末端オレフィン基を有する水添ポリブタ
ジエン系重合体(以下、末端オレフィン水添ポリブタジ
エン系重合体ともいう)が製造される。
【0028】末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合
体の末端水酸基をオキシメタル基にする方法としては、
Na、Kのごときアルカリ金属;NaHのごとき金属水
素化物;NaOCH3 のごとき金属アルコキシド;Na
OH、KOHなどのアルカリ水酸化物などと反応させる
方法があげられる。前記方法では、出発原料として使用
した末端ヒドロキシ水添ポリブタジエン系重合体とほぼ
同じ分子量をもつ末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体が得られるが、より高分子量の重合体を得たい場
合には、一般式(3)の有機ハロゲン化合物を反応させ
る前に、塩化メチレン、ビス(クロロメチル)ベンゼ
ン、ビス(クロロメチル)エーテルなどのごとき、1分
子中にハロゲンを2個以上含む多価有機ハロゲン化合物
と反応させれば分子量を増大させることができ、その後
一般式(3)で示される有機ハロゲン化合物と反応させ
れば、より高分子量でかつ末端にオレフィン基を有する
水添ポリブタジエン系重合体をうることができる。
【0029】前記一般式(3)で示される有機ハロゲン
化合物の具体例としては、たとえばアリルクロライド、
アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)ベンゼン、
アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル(ブロモメチ
ル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エーテル、アリ
ル(クロロメトキシ)ベンゼン、1ーブテニル(クロロ
メチル)エーテル、1ーヘキセニル(クロロメトキシ)
ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)ベンゼンなど
があげられるが、それらに限定されるものではない。こ
れらのうちではアリルクロライドが安価であり、しかも
容易に反応するので好ましい。
【0030】前記末端オレフィン水添ポリブタジエン系
重合体への反応性ケイ素基の導入は、分子鎖末端に反応
性ケイ素基を有するイソブチレン系重合体の場合と同
様、たとえば、一般式(1)で表される基に水素原子が
結合したヒドロシラン化合物、好ましくは一般式:
【0031】
【化4】
【0032】(式中、R2 、X、aは前記に同じ)で示
される化合物を白金系触媒を用いて付加反応をさせるこ
とにより製造される。前記一般式(2)で表される基に
水素原子が結合したヒドロシラン化合物としては、たと
えば、トリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメ
チルクロロシラン、フェニルジクロロシランのようなハ
ロゲン化シラン類;トリメトキシシラン、トリエトキシ
シラン、メチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシ
ラン、フェニルジメトキシシランのようなアルコキシシ
ラン類;メチルジアセトキシシラン、フェニルジアセト
キシシランのようなアシロキシシラン類;ビス(ジメチ
ルケトキシメート)メチルシラン、ビス(シクロヘキシ
ルケトキシメート)メチルシランのようなケトキシメー
トシラン類などがあげられるが、これらに限定されるも
のではない。これらのうちではとくにハロゲン化シラン
類、アルコキシシラン類が好ましい。
【0033】前記のように反応性ケイ素基を有する飽和
炭化水素系重合体が、芳香環でない不飽和結合を分子中
に実質的に含有しない場合には、不飽和結合を有する有
機系重合体やオキシアルキレン系重合体のような従来の
ゴム系重合体などとくらべて、著しく耐候性がよくな
る。また、該重合体は炭化水素系重合体であるので湿気
遮断性や耐水性がよく、ガラス、アルミなどの各種無機
質基材に対して優れた接着性能を有するとともに、湿気
遮断性の高い硬化物になる。
【0034】この硬化性組成物中の反応性ケイ素基を有
する飽和炭化水素系重合体の含有率は10%以上が好ま
しく、30%以上がより好ましく、50%以上がとくに
好ましい。このシート状硬化物が十分な接着性を発現さ
せるためには接着性付与剤を添加する必要がある。
【0035】上記接着性付与剤としては特に制限はない
が例えば、シランカップリング剤を使用することが好ま
い。シランカップリング剤としては、分子中にエポキシ
基、メタクリル基、アクリル基、イソシアネート基、イ
ソシアヌレート基、ビニル基、カルバメート基から選ば
れる少なくとも1個の官能基と、ケイ素原子結合アルコ
キシ基を有するシランカップリング剤が好ましい。前記
官能基については、中でも、硬化性及び接着性の点か
ら、分子中にエポキシ基、メタクリル基、アクリル基が
特に好ましい。具体的に例示すると、エポキシ官能基と
ケイ素原子結合アルコキシ基を有する有機ケイ素化合物
としては3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2
−(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメト
キシシラン、2−(3,4-エポキシシクロヘキシル)
エチルトリエトキシシランが挙げられる。また、メタク
リル基あるいはアクリル基とケイ素原子結合アルコキシ
基を有する有機ケイ素化合物としては3−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピル
トリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエ
トキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラ
ン、メタクリロキシメチルトリエトキシシラン、アクリ
ロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシメチル
トリエトキシシランが挙げられる。
【0036】接着性付与剤の配合量は、反応性ケイ素基
を有する飽和炭化水素系重合体100部に対して0.0
1〜10部が好ましいが、0.1〜5部がさらに好まし
く、0.5〜3部配合することがとくに好ましい。配合
量が0.01部未満の場合には、接着性付与効果が十分
でないことがあり、10部をこえると硬化性組成物の硬
化物の物性が低下することがある。
【0037】さらに、粘着性を発現させるためには粘着
性付与剤の添加が必要である。粘着性付与剤としては、
ロジン系、ロジンエステル系、テルペン系、テルペンフ
ェノール系、石油樹脂系の各種粘着性付与樹脂が挙げら
れる。これらの粘着付与樹脂は、もちろん単体で添加し
てもよく、2種以上の混合物とし添加してもよい。この
硬化性組成物には、必要に応じて各種添加剤が添加され
る。
【0038】このような添加物の例としては、たとえ
ば、シラノール縮合反応を促進する硬化触媒、生成する
硬化物の引張特性を調整する物性調整剤、可塑剤、充填
剤、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、金属
不活性化剤、オゾン劣化防止剤、光安定剤、リン系過酸
化物分解剤、滑剤、顔料、発泡剤などがあげられる。こ
のような添加物の具体例は、たとえば、特公平4−69
659号、特開昭63−6003号、特開昭63−25
4149号、特開昭64−22904号、特開昭64−
38407号の各明細書などに記載されている。
【0039】次に付加型について述べる。すなわち、本
発明におけるシート状硬化物は、下記の成分(A)、
(B)、(C)を必須成分としてなる硬化性組成物から
も得られる。 (A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可
能なアルケニル基を含有する飽和炭化水素系重合体 (B)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル基を含有
する硬化剤 (C)ヒドロシリル化触媒 (A)成分は、分子中に少なくともヒドロシリル化反応
可能な1個のアルケニル基を有する分子量100000
以下の飽和炭化水素系重合体である。ここで、飽和炭化
水素系重合体とは、芳香環以外の炭素ー炭素不飽和結合
を実質的に含有しない重合体を意味する概念であり、該
アルケニル基を除く主鎖を構成する繰り返し単位が飽和
炭化水素から構成されることを意味する。また、ヒドロ
シリル化反応可能なアルケニル基とは、ヒドロシリル化
反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基で
あれば特に制限されるものではない。アルケニル基とし
ては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニ
ル基、ブテニル基、ペンテニル基ヘキセニル基等の脂肪
族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテ
ニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等の
環式不飽和炭化水素基が挙げられる。本発明において
は、(A)成分は、1分子中にアルケニル基を1〜10
個有していることが望ましい。
【0040】前記飽和炭化水素系重合体、好ましくはイ
ソブチレン系重合体、水添ポリイソプレンまたは水添ポ
リブタジエン系重合体の数平均分子量(GPC法、ポリ
スチレン換算)は500〜100000程度であるのが
好ましく、特に1000〜40000程度の液状物、流
動性を有するものであるのが取り扱いやすさなどの点か
ら好ましい。
【0041】また、本発明の(A)成分の製造方法とし
ては、特開平8−134220号公報や特開平8−12
7683号公報に記載されている。(B)成分である硬
化剤としては、分子内に少なくとも2個のヒドロシリル
基を含有するものであれば、制限はない。ここで、ヒド
ロシリル基1個とはSiH基1個をさす。従って、同一
Siに水素原子が2個結合している場合はヒドロシリル
基2個と計算する。
【0042】(B)成分としては、オルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンが好ましいものの一つに挙げられ
る。ここで言うオルガノハイドロジェンポリシロキサン
とは、Si原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有す
るポリシロキサンを指し、その構造について具体的に示
すと、
【0043】
【化5】
【0044】などで示される鎖状、環状のものが挙げら
れる。また、(B)成分としては、オルガノハイドロジ
ェンポリシロキサン残基を分子内に少なくとも2個含有
する有機系硬化剤も好ましい。ここで言うオルガノハイ
ドロジェンポリシロキサンとは、Si原子上に炭化水素
基あるいは水素原子を有するポリシロキサンを指し、こ
のような有機系硬化剤の好ましい例としては、下式
(4)で表される有機系硬化剤が挙げられる。
【0045】R1 Xa (4) (Xは少なくとも1個のヒドロシリル基を含むオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサン残基、R1 は炭素数2〜
2000の1〜4価の炭化水素基。aは2〜4から選ば
れる整数。) 式(4)中、Xは少なくとも1個のヒドロシリル基を含
むオルガノハイドロジェン ポリシロキサン残基を表す
が、具体的に例示するならば、
【0046】
【化6】
【0047】などで示される鎖状、環状のものが挙げら
れる。上記の各種のヒドロシリル基含有基のうち、本発
明の(B)成分であるヒドロシリル基含有硬化剤の
(A)成分等の各種有機重合体に対する相溶性を損なう
可能性が少ないという点を考慮すれば、特に下記のもの
が好ましい。
【0048】
【化7】
【0049】また、式(4)中、R1 は炭素数2〜20
00の1〜4価の炭化水素基であり制限はないが、各種
有機重合体に対する相溶性、さらにヒドロシリル基の反
応性も考慮すれば、特に飽和炭化水素基などが好まし
い。また、(B)成分としては分子中にオルガノハイド
ロジェンポリシロキサン残基以外の少なくとも2個のヒ
ドロシリル基を含有する有機系硬化剤も好ましい。この
有機系硬化剤の好ましい例としては、下式(5)で表さ
れる有機系硬化剤が挙げられる。
【0050】R2 Xb (5) (Xは少なくとも2個のヒドロシリル基を含む、オルガ
ノハイドロジェンポリシロキサン残基以外の基、R2
炭素数2〜2000の1〜4価の炭化水素基。bは1〜
4から選ばれる整数。) 式(5)中、Xを具体的に例示するならば、−Si
(H)n (CH3 3-n 、−Si(H)n (C
2 5 3-n 、−Si(H)n (C6 5 3-n
(n=1〜3)−SiH2 (C6 13 )などのケイ素
原子1個だけ含有する基、
【0051】
【化8】
【0052】などのケイ素原子2個以上含む基などが挙
げられる。式(5)中、R2 は炭素数2〜2000の1
〜4価の炭化水素基であり、制限はないが、各種有機重
合体に対する相溶性を損なう可能性が少ないという点、
さらにヒドロシリル基の反応性も考慮すれば、特に飽和
炭化水素基などが好ましい。
【0053】式(4)、(5)中に含まれるヒドロシリ
ル基の個数については少なくとも1分子中に2個あれば
よいが、2〜15個が好ましく、3〜12個が特に好ま
しい。本発明の組成物をヒドロシリル化反応により硬化
させる場合には、該ヒドロシリル基の個数が2より少な
いと、硬化が遅く硬化不良を起こす場合が多い。また、
該ヒドロシリル基の個数が30より多くなると、(B)
成分である硬化剤の安定性が悪くなり、その上硬化後も
多量のヒドロシリル基が硬化物中に残存し、ボイドやク
ラックの原因となる。
【0054】(C)成分であるヒドロシリル化触媒につ
いては、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具
体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミ
ナ、シリカ、カ−ボンブラック等の担体に固体白金を担
持させたもの; 白金ービニルシロキサン錯体{例えば、 Ptn(ViMe2 SiOSiMe2 Vi)n Pt〔(MeViSiO)4 m }; 白金ーホスフィン錯体{例えば、 Pt(PPh3 4 、Pt(PBu3 4 }; 白金ーホスファイト錯体{例えば、 Pt〔P(OPh)3 4 、Pt〔P(OBu)3 4 (式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニ
ル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表
す)、Pt(acac)2、また、アシュビ−(Ash
by)の米国特許第3159601及び3159662
号明細書中に記載された白金−炭化 水素複合体、並び
にラモロ−(Lamoreaux)の米国特許第322
0972号 明細書中に記載された白金アルコラ−ト触
媒も挙げられる。
【0055】また、白金化合物以外の触媒の例として
は、RhCl(PPh3 3 、RhCl3 、Rh/Al
2 3 、RuCl3 、IrCl3 、FeCl3 、AlC
3 、PdCl2 ・2H2 O、NiCl2 、TiC
4 、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用して
もよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点か
ら塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシ
ロキサン錯体、Pt(acac)2 等が好ましい。触媒
量としては特に制限はないが、(A)成分中のアルケニ
ル基1molに対して10-1 〜10-8 molの範囲
で用いるのがよい。好ましくは10-2 〜10-6 mo
lの範囲で用いるのがよい。また、ヒドロシリル化触媒
は、一般に高価で腐食性であり、また、水素ガスを大量
に発生して硬化物が発泡してしまう場合があるので10
-1 モル以上用いない方がよい。
【0056】ここで述べる硬化性組成物においては、貴
金属触媒を用いたアルケニル基に対するSi−H基の付
加反応によって硬化性組成物が硬化するので、硬化速度
が非常に速く、ライン生産を行う上で好都合である。さ
らにこの硬化性組成物においても、接着性及び粘着性を
発現させるにはそれぞれ接着性付与剤、粘着性付与剤の
添加が必要である。
【0057】接着性付与剤としては、縮合型で述べたシ
ランカップリング剤が好ましく、またアルコキシシリル
基の加水分解縮合反応の有用な触媒とされるTi−O−
C結合を有する有機チタン化合物の添加も、接着性を発
現させることができる。具体例としては、テトライソプ
ロポキシチタン、テトラブトキシチタン等のテトラアル
コキシチタンのほか、オキシ酢酸やエチレングリコール
等の残基を有するものなど一般的なチタネートカップリ
ング剤が使用できる。
【0058】粘着性付与剤としては、縮合型で述べた各
種粘着性付与樹脂が使用できるが、成分(A)との相溶
性、ヒドロシリル化反応に対する阻害の有無を考慮する
と、テルペン系、テルペンフェノール系、さらに水素添
加された脂環族系石油樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族
系石油樹脂が好ましい。これらの粘着付与樹脂は、もち
ろん単体でも2種以上の混合物として添加してもよい。
【0059】また、本硬化性組成物には、さらに目的に
応じて各種可塑剤や各種無機フィラーを添加することが
できる。可塑剤としては、本組成物の流動性を改善する
ために添加するものであり、一般的に使用されている可
塑剤が使用できるが、本発明に用いる飽和炭化水素系重
合体と相溶性のよいものが好ましい。可塑剤の具体例と
しては、例えばポリブテン、水添ポリブテン、α−メチ
ルスチレンオリゴマ−、液状ポリブタジエン、水添液状
ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタクチ
ックポリプロピレン等が挙げられるが、その中でも好ま
しくは不飽和結合を含まない水添ポリブテン、水添液状
ポリブタジエン、パラフィン油、ナフテン油、アタクチ
ックポリプロピレンなどの炭化水素系化合物類が好まし
い。
【0060】また無機フィラーとしては、炭酸カルシウ
ム、タルク、シリカ、カーボンブラックといった各種の
無機フィラ−が使用できる。しかし、本発明の硬化性組
成物はヒドロシリル化反応による硬化を利用するため、
その使用に当たっては、例えば組成物に水分が多く含ま
れると硬化反応時に副反応等が起こる可能性があるな
ど、ヒドロシリル化反応に対する阻害の有無を考慮しな
ければならない。
【0061】さらに本硬化性組成物の保存安定性を改良
する目的で、保存安定性改良剤を使用することができ
る。この保存安定性改良剤としては、本発明の(B)成
分の保存安定剤として知られている通常の安定剤であ
り、所期の目的を達成するものであればよく、特に限定
されるものではない。具体的には、脂肪族不飽和結合を
含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒
素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に
用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチ
アゾリルサルファイド、ベンゾチアゾ−ル、チアゾ−
ル、ジメチルアセチレンダイカルボキシレ−ト、ジエチ
ルアセチレンダイカルボキシレ−ト、BHT、ブチルヒ
ドロキシアニソ−ル、ビタミンE、2−(4−モルフォ
ジニルジチオ)ベンゾチアゾ−ル、3−メチル−1−ブ
テン−3−オ−ル、アセチレン性不飽和基含有オルガノ
シロキサン、アセチレンアルコ−ル、3−メチル−1−
ブチル−3−オ−ル、ジアリルフマレ−ト、ジアリルマ
レエ−ト、ジエチルフマレ−ト、ジエチルマレエ−ト、
ジメチルマレエ−ト、2−ペンテンニトリル、2,3−
ジクロロプロペン等が挙げられ、特にポットライフ/速
硬化性の両立という点でチアゾ−ル、ベンゾチアゾ−ル
が好ましいが、これらに限定されるわけではない。
【0062】またさらに、本硬化性組成物においても、
必要に応じてその他の充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、顔料、界面活性剤等を適宜添加することができる。
この充填剤の具体例としては、例えば酸化チタン、亜鉛
華、硫酸バリウム等を挙げることができる。本硬化性組
成物は、低透湿性、低吸湿性、低気体透過性、耐熱性、
耐候性、電気絶縁性、振動吸収性に優れた飽和炭化水素
系重合体を用いた、付加型硬化により硬化し得る硬化性
組成物において、シート状硬化物を提供する。
【0063】
【実施例】以下に、実施例に基づき本発明を更に詳細に
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるも
のではない。 実施例1 特公平4−69659号、特開昭63−6003号、特
開昭63−254149号、特開昭64−22904
号、特開昭64−38407号の各明細書などに記載さ
れている方法により合成した式(9)
【0064】
【化9】
【0065】に構造を示す重合体A、100部(重量
部、以下同じ)に対し、パラフィン基プロセスオイル
(出光興産(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−3
2)100部、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム
(株)製、商品名スノーライトSS)85部、膠質炭酸
カルシウム(丸尾カルシウム(株)製、商品名カルファ
イン100)215部、Na2SO4・10H2O5部、
酸化防止剤(チバガイギー(株)製、商品名イルガノッ
クス1010)1部、紫外線吸収剤(チバガイギー
(株)製、商品名チヌビン327)1部、光安定剤(三
共(株)製、商品名サノールLS−770)1部、桐油
3部、エポキシシランカップリング剤(日本ユニカー
(株)製、商品名シランカップリング剤A−187)2
部、イソシアナートシランカップリング剤(日本ユニカ
ー(株)製、商品名シランカップリング剤Y−903
0)2部加え、三本ペイントロールでよく混練し、これ
を主剤とした。
【0066】次に硬化剤を、パラフィン基プロセスオイ
ル(出光興産(株)製、商品名ダイアナプロセスPS−
32)15部、重質炭酸カルシウム(丸尾カルシウム
(株)製、商品名スノーライトSS)25部、ジブチル
スズビスアセチルアセトネート(日東化成(株)製、商
品名U−220)5部、カーボンブラック(三菱化学
(株)製、商品名CB#30)5部をディスポーザルカ
ップ中で手混ぜ混練した後、日本精機製作所(株)製の
エクセル・オート・ホモジナイザーを用いて、回転数1
0000rpmで10分間撹拌する操作を3回行うこと
により分散させて調製した。
【0067】このようにして得られた主剤と硬化剤を1
0:1の比で混合した後、金型に流し込み、23℃で7
日、50℃で7日間硬化させることにより、シート状硬
化物を得た。 実施例2 特開平8−134220号公報や特開平8−12768
3号公報に記載されている方法により合成した式(1
0)に構造を示す重合体B
【0068】
【化10】
【0069】及び式(11)に構造を示す化合物C、
【0070】
【化11】
【0071】を重合体Bのアルケニル基量と化合物Cの
Si−H基量の比が1:1.2となるように秤量し、更
に酸化防止剤としてイルガノックス1010(チバ・ガ
イギー社製)を重合体B100重量部に対して1重量部
秤量し、これをロールにて3回混練した。続いてシラン
カップリング剤として3−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン(日本ユニカー(株)製、商品名:A−1
87)を重合体B100重量部に対し2.6重量部及び
アルミニウムアセチルアセトネートを0.2重量部秤量
し混合した。更に保存安定性改良剤としてジメチルマレ
エートを白金に対し30モル当量及びヒロロシリル化触
媒としてビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(8.3×10
-5 mmol/μl、キシレン溶液)を白金が重合体B
のアルケニル基量のモル数に対して5×10−4当量に
なるように秤量し、均一に混合した。該組成物を金型に
流し込み、150℃で1時間加熱し硬化させ、シート状
硬化物を得た。
【0072】得られたこれらのシート状硬化物は、低透
湿性、低吸湿性、低気体透過性、耐熱性、耐候性、電気
絶縁性、振動吸収性に優れ、例えば低透湿性に関して
は、透湿係数が1×10-11 g・cm/cm2 ・sec
・cmHg 程度という優れた特性を示している。ま
た、耐熱性に関しては130℃で300日という厳しい
条件でも表面に溶融が見られないという優れた特性を、
さらに絶縁性に関しては、2.44程度という優れた誘
電率を示している。
【0073】
【発明の効果】本発明は、反応性硬化型の飽和炭化水素
系重合体を用いたシート状硬化物を得ることを可能にし
た。本シート状硬化物は、低透湿性、低吸湿性、低気体
透過性、耐熱性、耐候性、電気絶縁性、振動吸収性等の
様々な特性に優れたゴム状弾性体であり、さらに接着性
を兼ね備えており、放熱シート、熱伝導性電気絶縁シー
ト、粘着シート、防音シート、防水シート、防振シー
ト、体育館や陸上競技場,テニスコートをはじめ各種ス
ポーツサーフェイス等幅広い応用分野が考えられる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応硬化型の飽和炭化水素系重合体、あ
    るいは反応硬化型の飽和炭化水素系重合体を含有する組
    成物を硬化してなるシート状硬化物。
  2. 【請求項2】 反応硬化型の飽和炭化水素系重合体が、
    ケイ素原子に結合した水酸基または加水分解性基を有
    し、シロキサン結合を形成することにより架橋構造を形
    成し得るケイ素基含有基を少なくとも1個有する飽和炭
    化水素系重合体であることを特徴とする請求項1に記載
    のシート状硬化物。
  3. 【請求項3】 ケイ素基含有基を含有する飽和炭化水素
    系重合体が、数平均分子量が500〜50000の範囲
    内にあり、主鎖の末端および/または側鎖の末端に、一
    般式(1)、 【化1】 (式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、水素原
    子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のア
    リール基、炭素数7〜20のアラルキル基または
    (R’)3 SiO−(R’は水素原子または炭素数1〜
    20の置換あるいは非置換の炭化水素基である)で示さ
    れるトリオルガノシロキシ基である。また、Xは、それ
    ぞれ独立に、水酸基または加水分解性基である。さら
    に、aは0、1、2、3のいずれかであり、bは0、
    1、2のいずれかであり、aとbとが同時に0になるこ
    とはない。また、mは0または1〜19の整数である)
    で表される加水分解性シリル基を、1分子あたり、1個
    以上有することを特徴とする請求項2記載のシート状硬
    化物。
  4. 【請求項4】 一般式(1)中のXが水酸基、アルコキ
    シ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、
    アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基またはアルケ
    ニルオキシ基であり、Xが2個以上のときはそれらは同
    じであってもよく異なっていてもよいことを特徴とする
    請求項3に記載のシート状硬化物。
  5. 【請求項5】 一般式(1)中のXがアルコキシ基であ
    ることを特徴とする請求項3に記載のシート状硬化物。
  6. 【請求項6】 反応硬化型の飽和炭化水素系重合体を含
    有する組成物が、(A)分子内に少なくとも1個のヒド
    ロシリル化反応可能なアルケニル基を有する飽和炭化水
    素系重合体、(B)分子内に少なくとも1個のヒドロシ
    リル基を含有する硬化剤、及び(C)ヒドロシリル化触
    媒からなる硬化性組成物であることを特徴とする請求項
    1に記載のシート状硬化物。
  7. 【請求項7】 飽和炭化水素系重合体が、イソブチレン
    に起因する繰り返し単位の総量が50重量%以上含む重
    合体である請求項1から7のいずれかに記載のシート状
    硬化物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006046408A1 (ja) * 2004-10-25 2006-05-04 Kaneka Corporation 熱可塑性樹脂組成物

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