JPH10150115A - 電子部品の封止用ケース材料 - Google Patents
電子部品の封止用ケース材料Info
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- JPH10150115A JPH10150115A JP30653396A JP30653396A JPH10150115A JP H10150115 A JPH10150115 A JP H10150115A JP 30653396 A JP30653396 A JP 30653396A JP 30653396 A JP30653396 A JP 30653396A JP H10150115 A JPH10150115 A JP H10150115A
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- JP
- Japan
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- plating layer
- base material
- plating
- case
- case material
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- Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
- Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 絞り加工前の洋白材からなる母材にNiめっ
き層を施してなり、つづく絞り加工の際に該Niめっき
層が破断することなくすぐれた絞り加工性を有する電子
部品の封止用ケース材料を提供すること。 【解決手段】 洋白材の表面に厚さ0.5〜5.0μm
のNiめっきを施した後、熱処理によりNiめっき層の
Niを再結晶化させてなる電子部品の封止用ケース材
料。
き層を施してなり、つづく絞り加工の際に該Niめっき
層が破断することなくすぐれた絞り加工性を有する電子
部品の封止用ケース材料を提供すること。 【解決手段】 洋白材の表面に厚さ0.5〜5.0μm
のNiめっきを施した後、熱処理によりNiめっき層の
Niを再結晶化させてなる電子部品の封止用ケース材
料。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水晶振動子のキャ
ップなどの電子部品を封止するために用いられるケース
材料に関する。
ップなどの電子部品を封止するために用いられるケース
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、水晶振動子キャップなどの電
子部品の封止用ケースに用いられる封止用ケース材料と
しては、成形加工時に良好な絞り加工性を示すという点
から、64Cu−18Ni−Znなどの洋白材が母材と
して主に使用されている。また、洋白材は強度および絞
り加工性にはすぐれているものの、耐食性、耐応力腐食
割れ性、めっき性およびはんだ付け性に劣るため、通常
はNiめっきが施されている。ところが、母材である洋
白材の絞り加工前にNiめっきを施したばあい、つづく
絞り加工の際にNiめっき層が破断してしまう。そこ
で、たとえば特開平5−327389号公報には、絞り
加工後の洋白材にNiめっきを施す技術が開示されてい
る。しかし、一般的に、絞り加工後のめっき層の厚さを
制御するのは困難であるという問題がある。
子部品の封止用ケースに用いられる封止用ケース材料と
しては、成形加工時に良好な絞り加工性を示すという点
から、64Cu−18Ni−Znなどの洋白材が母材と
して主に使用されている。また、洋白材は強度および絞
り加工性にはすぐれているものの、耐食性、耐応力腐食
割れ性、めっき性およびはんだ付け性に劣るため、通常
はNiめっきが施されている。ところが、母材である洋
白材の絞り加工前にNiめっきを施したばあい、つづく
絞り加工の際にNiめっき層が破断してしまう。そこ
で、たとえば特開平5−327389号公報には、絞り
加工後の洋白材にNiめっきを施す技術が開示されてい
る。しかし、一般的に、絞り加工後のめっき層の厚さを
制御するのは困難であるという問題がある。
【0003】そこで、たとえば特開平5−1367号公
報には、絞り加工前の母材にNiめっきを施した後に該
Niを母材に熱拡散させることを特徴とする電気・電子
機器用銅合金材料に関する技術が開示されている。この
技術によれば、母材の絞り加工前にNiめっきを施して
も、つづく絞り加工時にNiめっき層は破断しない。
報には、絞り加工前の母材にNiめっきを施した後に該
Niを母材に熱拡散させることを特徴とする電気・電子
機器用銅合金材料に関する技術が開示されている。この
技術によれば、母材の絞り加工前にNiめっきを施して
も、つづく絞り加工時にNiめっき層は破断しない。
【0004】しかし、該技術によれば、Niめっき層の
厚さおよびNi拡散層の形成を制御するのが困難である
という問題があり、さらに該公報には母材として銅合
金、とくにりん青銅および黄銅を用いることは記載され
ているが、洋白材を用いるとの記載はない。
厚さおよびNi拡散層の形成を制御するのが困難である
という問題があり、さらに該公報には母材として銅合
金、とくにりん青銅および黄銅を用いることは記載され
ているが、洋白材を用いるとの記載はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記事実に鑑み、本発
明の目的は、絞り加工前の洋白材からなる母材にNiめ
っき層を施してなり、つづく絞り加工の際に該Niめっ
き層が破断することなくすぐれた加工性を有する電子部
品の封止用ケース材料を提供することにある。
明の目的は、絞り加工前の洋白材からなる母材にNiめ
っき層を施してなり、つづく絞り加工の際に該Niめっ
き層が破断することなくすぐれた加工性を有する電子部
品の封止用ケース材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、洋白材の表面
に厚さ0.5〜5.0μmのNiめっきを施した後、熱
処理によりNiめっき層のNiを再結晶化させてなる電
子部品の封止用ケース材料に関する。
に厚さ0.5〜5.0μmのNiめっきを施した後、熱
処理によりNiめっき層のNiを再結晶化させてなる電
子部品の封止用ケース材料に関する。
【0007】このばあい、Niめっき層の硬さがHV
0.025で100〜120であるのが好ましい。
0.025で100〜120であるのが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、洋白材(以
下、「母材」ともいう)の表面にNiめっきを施した後
に熱処理を行なう。これは、めっき上がりのNiめっき
層の組織は絞り加工に対応するだけの伸び率を有さない
ため、該熱処理によりNiの再結晶組織を生成し、Ni
めっき層に充分な伸び率を付与するためである。
下、「母材」ともいう)の表面にNiめっきを施した後
に熱処理を行なう。これは、めっき上がりのNiめっき
層の組織は絞り加工に対応するだけの伸び率を有さない
ため、該熱処理によりNiの再結晶組織を生成し、Ni
めっき層に充分な伸び率を付与するためである。
【0009】また、この熱処理により母材の平均結晶粒
径も大きくなり、絞り加工の際にNiめっき層と同程度
の伸び率を発揮する。したがって、該絞り加工時に、N
iめっき層の破断が生じないのである。
径も大きくなり、絞り加工の際にNiめっき層と同程度
の伸び率を発揮する。したがって、該絞り加工時に、N
iめっき層の破断が生じないのである。
【0010】本発明において母材として用いる洋白材
は、通常はCuを45〜70%、Niを5〜35%およ
びZnを13〜35%含んでなるが、従来から電子部品
の封止用ケースに用いられているものであればよく、と
くに、すぐれた絞り加工性および強度を有するという点
からJIS C 7521合金を用いるのが好ましい。
は、通常はCuを45〜70%、Niを5〜35%およ
びZnを13〜35%含んでなるが、従来から電子部品
の封止用ケースに用いられているものであればよく、と
くに、すぐれた絞り加工性および強度を有するという点
からJIS C 7521合金を用いるのが好ましい。
【0011】また、前記母材は、えられる電子部品の封
止用ケースの種類によって異なるが、概して板状の形状
を有する。
止用ケースの種類によって異なるが、概して板状の形状
を有する。
【0012】また、母材の厚さとしては絞り加工後に充
分な強度を有するという点から0.10mm以上であれ
ばよく、プレス装置および加工部品の大きさの制約とい
う点から0.10〜0.26mmであるのが好ましい。
分な強度を有するという点から0.10mm以上であれ
ばよく、プレス装置および加工部品の大きさの制約とい
う点から0.10〜0.26mmであるのが好ましい。
【0013】本発明においては、母材に耐食性、耐応力
腐食割れ性およびはんだ付け性を付与するために、Ni
めっきを施す。Niめっきを施す方法としては従来から
用いられている方法でよいが、生産性およびめっき膜厚
の均一性という点から電気めっき法を用いるのが好まし
い。
腐食割れ性およびはんだ付け性を付与するために、Ni
めっきを施す。Niめっきを施す方法としては従来から
用いられている方法でよいが、生産性およびめっき膜厚
の均一性という点から電気めっき法を用いるのが好まし
い。
【0014】また、Niめっき層の厚さとしては、0.
5μm未満では絞り加工の際の母材の伸び率に対してN
iめっき層に充分な伸び率を与えることができずにNi
めっき層に破断を生じる点、および5.0μmを超える
とめっき加工に多大な処理時間を要し、かつ価格が高く
なる点から0.5〜5.0μmであるのがよいが、母材
中のZnが熱処理により拡散して表層に出やすいため、
1.0〜5.0μmであるのが温度コントロールが容易
である点から好ましく、さらに、Niめっき層の軟化に
高温度あるいは長時間が必要となるため、1.0〜3.
0μmであるのが経済的に有利である点からとくに好ま
しい。
5μm未満では絞り加工の際の母材の伸び率に対してN
iめっき層に充分な伸び率を与えることができずにNi
めっき層に破断を生じる点、および5.0μmを超える
とめっき加工に多大な処理時間を要し、かつ価格が高く
なる点から0.5〜5.0μmであるのがよいが、母材
中のZnが熱処理により拡散して表層に出やすいため、
1.0〜5.0μmであるのが温度コントロールが容易
である点から好ましく、さらに、Niめっき層の軟化に
高温度あるいは長時間が必要となるため、1.0〜3.
0μmであるのが経済的に有利である点からとくに好ま
しい。
【0015】本発明において母材の表面に施されたNi
めっき層はそのままでは母材の絞り加工時に破断してし
まうため、熱処理を行なってNiめっき層を再結晶化さ
せ、一方、母材の結晶粒径を大きくして母材自体にも充
分な伸び率を付与する。
めっき層はそのままでは母材の絞り加工時に破断してし
まうため、熱処理を行なってNiめっき層を再結晶化さ
せ、一方、母材の結晶粒径を大きくして母材自体にも充
分な伸び率を付与する。
【0016】本発明においては、前記のようにNiめっ
き層を再結晶化させる方法として連続焼鈍炉を用いて高
温で短時間の熱処理を施す。この熱処理が不充分である
と、Niめっき層に再結晶化が起こらないために該Ni
めっき層が充分に軟化せずに加工性が改善されず、過度
であると、従来技術におけるばあいのように、Niめっ
き層のNiが母材である洋白材に拡散してしまい、再結
晶化が起こらない。
き層を再結晶化させる方法として連続焼鈍炉を用いて高
温で短時間の熱処理を施す。この熱処理が不充分である
と、Niめっき層に再結晶化が起こらないために該Ni
めっき層が充分に軟化せずに加工性が改善されず、過度
であると、従来技術におけるばあいのように、Niめっ
き層のNiが母材である洋白材に拡散してしまい、再結
晶化が起こらない。
【0017】該熱処理の条件および方法としては、Ni
めっき層の軟化が生じるという点から700〜850℃
の温度範囲で1〜3分間加熱すればよく、製造における
処理コストの点より、高温・短時間がより有利であると
いう点から750〜850℃の温度範囲で1〜2分間加
熱するのが好ましい。
めっき層の軟化が生じるという点から700〜850℃
の温度範囲で1〜3分間加熱すればよく、製造における
処理コストの点より、高温・短時間がより有利であると
いう点から750〜850℃の温度範囲で1〜2分間加
熱するのが好ましい。
【0018】また本発明において、前記熱処理後のNi
めっき層は、ビッカース硬さ試験法にもとづき、HV
0.025で100〜120の範囲に入る硬度をもたせ
るのが好ましい。該硬度が100未満では加熱のしすぎ
により母材自体の軟化が進行し、母材の結晶粒径の一部
または全部が粗大化してしまい、絞り加工時に表面の肌
荒れの度合いが大きくなるという点、および120を超
えるとNiめっき層の軟化が不充分で、絞り加工時にし
わ状の模様が生じ、結果として表面の肌荒れの度合いが
大きくなるという点から、前記範囲とするのがよいが、
同一部品を加工するばあいに絞り加工に要するプレス工
程数を増加させないという点から100〜110である
のがとくに好ましい。表面の肌荒れの度合いが大きい
と、えられるケース材料表面にラベルなどの印字を施す
ことが困難となるため、望ましくない。
めっき層は、ビッカース硬さ試験法にもとづき、HV
0.025で100〜120の範囲に入る硬度をもたせ
るのが好ましい。該硬度が100未満では加熱のしすぎ
により母材自体の軟化が進行し、母材の結晶粒径の一部
または全部が粗大化してしまい、絞り加工時に表面の肌
荒れの度合いが大きくなるという点、および120を超
えるとNiめっき層の軟化が不充分で、絞り加工時にし
わ状の模様が生じ、結果として表面の肌荒れの度合いが
大きくなるという点から、前記範囲とするのがよいが、
同一部品を加工するばあいに絞り加工に要するプレス工
程数を増加させないという点から100〜110である
のがとくに好ましい。表面の肌荒れの度合いが大きい
と、えられるケース材料表面にラベルなどの印字を施す
ことが困難となるため、望ましくない。
【0019】本発明においてえられる電子部品の封止用
ケース材料の用途としては、水晶発振子キャップ、水晶
振動子キャップ、電池用キャップなど、電子部品の素子
を封止するためのケースなどがあげられる。
ケース材料の用途としては、水晶発振子キャップ、水晶
振動子キャップ、電池用キャップなど、電子部品の素子
を封止するためのケースなどがあげられる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明を実施例を用いて具体的に説
明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。
明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではな
い。
【0021】実施例1〜4 母材としてCu 64%、Ni 18%およびZn 18
%を含有する厚さ0.2mmの板状の洋白材を用い、ま
ず硫酸ニッケル240g/l、塩化ニッケル45g/
l、ホウ酸30g/lのワット浴にて電流密度1〜8A
/dm2の条件で、表1に示す厚さのNiめっき層を設
けた。ついで、母材の最終焼鈍とNiめっき層の軟化を
かねて、N2 97%およびH2 3%の雰囲気下、775
℃の温度で2分間の条件で連続焼鈍炉を用いて加熱して
熱処理を行ない、本発明の封止用ケース材料1〜4をえ
た。
%を含有する厚さ0.2mmの板状の洋白材を用い、ま
ず硫酸ニッケル240g/l、塩化ニッケル45g/
l、ホウ酸30g/lのワット浴にて電流密度1〜8A
/dm2の条件で、表1に示す厚さのNiめっき層を設
けた。ついで、母材の最終焼鈍とNiめっき層の軟化を
かねて、N2 97%およびH2 3%の雰囲気下、775
℃の温度で2分間の条件で連続焼鈍炉を用いて加熱して
熱処理を行ない、本発明の封止用ケース材料1〜4をえ
た。
【0022】えられたケース材料1〜4について、その
絞り加工性を評価するためにプレス装置を用い、JIS
Z 2201にしたがう5号試験片に加工し、JIS
Z2241に記載された引張試験を適用し、断面減少
率15%の引張り加工試験片をえた。ついで、#80、
#320、#600および#1000の紙やすりを順に
用いて、母材とNiめっき層の断面が現れるように研磨
を行なった。最後に粒径2.0μmのアルミナ研磨材を
用いて仕上げバフ研磨を行ない、現れた断面を金属顕微
鏡で観察し、Niめっき層の破断の有無を外観で評価し
た。結果を表1に示す。
絞り加工性を評価するためにプレス装置を用い、JIS
Z 2201にしたがう5号試験片に加工し、JIS
Z2241に記載された引張試験を適用し、断面減少
率15%の引張り加工試験片をえた。ついで、#80、
#320、#600および#1000の紙やすりを順に
用いて、母材とNiめっき層の断面が現れるように研磨
を行なった。最後に粒径2.0μmのアルミナ研磨材を
用いて仕上げバフ研磨を行ない、現れた断面を金属顕微
鏡で観察し、Niめっき層の破断の有無を外観で評価し
た。結果を表1に示す。
【0023】比較例1〜4 実施例1と同様にして表1に示す厚さのNiめっき層を
有する比較ケース材料1〜4をえて、さらに、実施例1
と同様にしてNiめっき層の破断の有無を評価した。結
果を表1に示す。
有する比較ケース材料1〜4をえて、さらに、実施例1
と同様にしてNiめっき層の破断の有無を評価した。結
果を表1に示す。
【0024】
【表1】 表1よりNiめっき層の厚さは0.5μm以上であれば
加工性に問題はないものと判断されるが、上限について
は、経済的観点から5.0μm以下であるほうが好まし
い。
加工性に問題はないものと判断されるが、上限について
は、経済的観点から5.0μm以下であるほうが好まし
い。
【0025】実験例 Niめっき層に対する熱処理の効果を評価するために、
実施例3でえたケース材料3と、Cu 64%、Ni 1
8%およびZn 18%からなる厚さ0.2mmの洋白
材に厚さ4.0μmのNiめっき層を実施例1と同様に
して設けて熱処理を行なわずにえた比較ケース材料5と
を用い、引張り強さ、エリクセン値および表面硬さを評
価し、ついで180°密着曲げ試験を行なった。
実施例3でえたケース材料3と、Cu 64%、Ni 1
8%およびZn 18%からなる厚さ0.2mmの洋白
材に厚さ4.0μmのNiめっき層を実施例1と同様に
して設けて熱処理を行なわずにえた比較ケース材料5と
を用い、引張り強さ、エリクセン値および表面硬さを評
価し、ついで180°密着曲げ試験を行なった。
【0026】引張強さはJIS Z 2241、エリク
セン値はJIS Z 2247、表面硬さはJIS Z
2244にもとづいて評価した。また、180°密着
曲げ試験では、JIS Z 2248にもとづいて行な
った曲げ試験片の曲げ部の外観を実体顕微鏡で観察し、
表面のNiめっき層の割れの有無を評価した。
セン値はJIS Z 2247、表面硬さはJIS Z
2244にもとづいて評価した。また、180°密着
曲げ試験では、JIS Z 2248にもとづいて行な
った曲げ試験片の曲げ部の外観を実体顕微鏡で観察し、
表面のNiめっき層の割れの有無を評価した。
【0027】前記評価および試験の結果を表2に示す。
また、ケース材料3および比較ケース材料5の表面を走
査電子顕微鏡にて試料傾斜角度30°、拡大倍率160
0倍にて撮影した写真を図1および2に示す。
また、ケース材料3および比較ケース材料5の表面を走
査電子顕微鏡にて試料傾斜角度30°、拡大倍率160
0倍にて撮影した写真を図1および2に示す。
【0028】なお、エリクセン値とは、一般に金属板の
変形能、とくに張り出し性を示す値であり、大きいほど
張り出し性にすぐれる材料であることを示す。
変形能、とくに張り出し性を示す値であり、大きいほど
張り出し性にすぐれる材料であることを示す。
【0029】
【表2】 表2より、本発明によるケース材料3は比較ケース材料
5に比較して引張り強さおよびエリクセン値は同程度で
あるが、表面硬さは低い。
5に比較して引張り強さおよびエリクセン値は同程度で
あるが、表面硬さは低い。
【0030】また、図1および2より、本発明によるケ
ース材料3のNiめっき層は再結晶化しているが、比較
ケース材料5のNiめっき層は再結晶化していないこと
がわかる。
ース材料3のNiめっき層は再結晶化しているが、比較
ケース材料5のNiめっき層は再結晶化していないこと
がわかる。
【0031】以上の結果より、本発明のケース材料3は
Niめっき層の割れがなく、かつ再結晶化をしており、
加工性にすぐれることがわかる。
Niめっき層の割れがなく、かつ再結晶化をしており、
加工性にすぐれることがわかる。
【0032】実施例5および6 熱処理温度を700℃および850℃に変えた以外は、
実施例3と同様にして本発明のケース材料5および6を
えた。実施例3でえたケース材料3と、該ケース材料5
および6について、母材の結晶粒径(JIS H 05
01による)およびNiめっき層の硬さ(JIS Z
2244による)を評価した。また、実施例1と同様の
条件および方法で引張り加工後のNiめっき層の破断の
有無を評価し、引張り加工後の表面粗さについてはJI
S B 0601にしたがって評価した。結果を表3に
示す。
実施例3と同様にして本発明のケース材料5および6を
えた。実施例3でえたケース材料3と、該ケース材料5
および6について、母材の結晶粒径(JIS H 05
01による)およびNiめっき層の硬さ(JIS Z
2244による)を評価した。また、実施例1と同様の
条件および方法で引張り加工後のNiめっき層の破断の
有無を評価し、引張り加工後の表面粗さについてはJI
S B 0601にしたがって評価した。結果を表3に
示す。
【0033】比較例6〜8 熱処理の温度を表3に示す温度に変えた以外は、実施例
3と同様にして比較ケース材料6〜8をえた。
3と同様にして比較ケース材料6〜8をえた。
【0034】ついで、えられた比較ケース材料6〜8に
ついて実施例5と同様にして評価を行なった。結果を表
3に示す。
ついて実施例5と同様にして評価を行なった。結果を表
3に示す。
【0035】
【表3】 表3よりHV0.025で硬さが120を超えると母材
の平均粒径が小さくなり軟化が不充分となり、加工時に
しわ状の模様を発生させ、結果として表面粗さが大きく
なるとともにNiめっき層の破断が認められて不都合で
ある。一方、100未満のものについては、Niめっき
層の破断は認められないが、母材の平均結晶粒径が大き
くなりすぎ、加工時に肌荒れの度合いが大きくなり、結
果として表面粗さが大きくなって不都合である。
の平均粒径が小さくなり軟化が不充分となり、加工時に
しわ状の模様を発生させ、結果として表面粗さが大きく
なるとともにNiめっき層の破断が認められて不都合で
ある。一方、100未満のものについては、Niめっき
層の破断は認められないが、母材の平均結晶粒径が大き
くなりすぎ、加工時に肌荒れの度合いが大きくなり、結
果として表面粗さが大きくなって不都合である。
【0036】また、HV0.025にて硬さを100〜
120の範囲に制御するには、熱処理温度が700〜8
50℃であるのが好ましいのがわかる。
120の範囲に制御するには、熱処理温度が700〜8
50℃であるのが好ましいのがわかる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、洋白材からなる母材に
Niめっき層を施してなる材料において、つづく絞り加
工の際に該Niめっき層が破断することなくすぐれた加
工性を有する電子部品の封止用ケース材料をうることが
できる。
Niめっき層を施してなる材料において、つづく絞り加
工の際に該Niめっき層が破断することなくすぐれた加
工性を有する電子部品の封止用ケース材料をうることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例3でえたケース材料3の再結
晶化したNiめっき層表面の走査電子顕微鏡写真を示す
図である。
晶化したNiめっき層表面の走査電子顕微鏡写真を示す
図である。
【図2】 実験例でえた比較ケース材料5の再結晶化し
ていないNiめっき層表面を示す走査電子顕微鏡写真を
示す図である。
ていないNiめっき層表面を示す走査電子顕微鏡写真を
示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 洋白材の表面に厚さ0.5〜5.0μm
のNiめっきを施した後、熱処理によりNiめっき層の
Niを再結晶化させてなる電子部品の封止用ケース材
料。 - 【請求項2】 熱処理後のNiめっき層の硬さがHV
0.025で100〜120である請求項1記載の電子
部品の封止用ケース材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30653396A JPH10150115A (ja) | 1996-11-18 | 1996-11-18 | 電子部品の封止用ケース材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30653396A JPH10150115A (ja) | 1996-11-18 | 1996-11-18 | 電子部品の封止用ケース材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10150115A true JPH10150115A (ja) | 1998-06-02 |
Family
ID=17958184
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30653396A Pending JPH10150115A (ja) | 1996-11-18 | 1996-11-18 | 電子部品の封止用ケース材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10150115A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7276667B2 (en) | 2003-11-14 | 2007-10-02 | Seiko Epson Corporation | Press-fit sealed electronic component and method for producing the same |
-
1996
- 1996-11-18 JP JP30653396A patent/JPH10150115A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7276667B2 (en) | 2003-11-14 | 2007-10-02 | Seiko Epson Corporation | Press-fit sealed electronic component and method for producing the same |
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