JPH101498A - 抗菌性ペプチドおよび抗菌剤 - Google Patents
抗菌性ペプチドおよび抗菌剤Info
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- JPH101498A JPH101498A JP8152730A JP15273096A JPH101498A JP H101498 A JPH101498 A JP H101498A JP 8152730 A JP8152730 A JP 8152730A JP 15273096 A JP15273096 A JP 15273096A JP H101498 A JPH101498 A JP H101498A
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Abstract
して抗菌作用を有する特定のアミノ酸配列を有する新規
な抗菌性ペプチドと、この抗菌性ペプチドを有効成分と
して含有する抗菌剤を提供する。 【解決手段】 ウシ胎児血清より単離される配列番号1
に記載のアミノ酸配列を有する抗菌性ペプチド、このペ
プチドの薬学的に許容される誘導体、このペプチドの薬
学的に許容される塩類、またはこれらの2以上の混合物
を有効成分として含有する抗菌剤。
Description
および抗菌剤に関するものである。さらに詳しくは、こ
の発明は、副作用が無く、少量で、広範囲の微生物に対
して抗菌作用を有する新規な抗菌性ペプチドと、この抗
菌性ペプチドを有効成分として含有する抗菌剤に関する
ものである。
来するタンパク質およびペプチドのなかには抗菌性を有
するものが数多く存在することが知られている。例え
ば、脊椎動物に由来するものとしては、リゾチーム[プ
ロシーディングス・オブ・ザ・ロイヤル・ソサイエティ
・オブ・ロンドン(Proceedings of the Royal Society
of London)、第93巻、第306〜317ページ、1
922年、およびブレティン・デ・ラ・ソシエーテ・デ
・キミー・ビオロジーク(Bulletin de la SocieteChim
ie Biologique)、第50巻、第2543〜2551ペ
ージ、1986年]、ラクトペルオキシダーゼ[ヨーロ
ピアン・ジャ−ナル・オブ・バイオケミストリー(Euro
pean Journal of Biochemistry)、第198巻、第73
3〜739ページ、1991年、およびディーエヌエー
・セル・バイオロジー(DNA Cell Biology)、第9巻、
第499〜509ページ、1990年]、ラクトフェリ
ン[ブリティッシュ・ジャーナル・メディシン(Britis
h Journal of Medicine )、第1巻、第69〜72ペー
ジ、1972年、ジャーナル・オブ・エクスペリメンタ
ル・メディシン(Journal of Experimental Medicin
e)、第13巻、第559〜570ページ、1970
年、およびインフェクション・アンド・イミュニティ
(Infection and Immunity)、第51巻、第373〜3
77ページ、1986年]等のタンパク質、および分子
量が3〜4キロダルトンのディフェンシン[ヨーロピア
ン・ジャーナル・オブ・ヘマトロジー(European Journ
al of Haematology)、第44巻、第1〜8ページ、1
990年、およびブラッド(Blood )第76巻、第21
69〜2181ページ、1990年]等のペプチド等に
ついて、その構造および殺菌作用等が知られている。ま
た、昆虫に由来するものとしては、セクロピンまたはデ
ィフェンシン[バイオエッセイズ(BioEssays )第13
巻、第657〜663ページ、1991年、プロシーデ
ィングス・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・
サイエンス・オブ・ユー・エス・エー(Proceedings of
the National Academy of Science of U.S.A.)、第8
6巻、第262〜266ページ、1989年、およびビ
オキミカ・ビオフィジカ・アクタ(Biochimica Biophys
ica Acta)、第1132巻、第203〜206巻、19
92年]等の抗菌性のペプチドが知られ、さらに、植物
の種子からも抗菌性のペプチドが単離されている[グッ
ド・ジャミー(Goode Jamie )編、「アンチマイクロバ
イアル・ペプチズ(Antimicrobial Peptides) 」、第9
1〜106ページ、ワイリー(Wiley) 社、1994
年]。
来いくつかの報告がなされている。例えば、乳由来とし
ては、ラクトフェリンをペプシンで消化した際に生じる
N末端領域のペプチドであるラクトフェリシン(登録商
標)B[ジャーナル・オブ・アプライド・バクテリオロ
ジー(Journal of Applied Bacteriology )、第73
巻、第472〜479ページ、1992年]、カゼイン
から生じるカソシジン−I[フェブス・レターズ(FEBS
letters)、第372巻、第185〜188ページ、1
995年]、精液から単離されたセミナルプラスミン
[ネイチャー(Nature)、第279巻、第725〜72
8ページ、1979年]、および好中球由来のインドリ
シジン[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミスト
リー(Journal of Biological Chemistry )、第267
巻、第4292〜4295ページ、1992年]、バク
テネシン[ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミス
トリー(Journal of Biological Chemistry )、第26
3巻、第9573〜9575ページ、1988年]、イ
ンフェクション・アンド・イミュニティ(Infection an
d Immunity)、第57巻、第3142〜3146ペー
ジ、1989年]等が抗菌性ペプチドとして知られてい
る。
作用を有するペプチドについては多数の発明が知られて
いる。例えば、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に有効
なホスホノトリペプチド(特開昭57−106689号
公報)、ホスホノジペプチド誘導体(特開昭58−13
594号公報)、環状ペプチド誘導体(特開昭58−2
13755号公報)、抗菌および抗ウイルス作用を示す
ペプチド(特開昭59−51247号公報)、酵母に有
効なポリペプチド(特開昭60−130599号公
報)、グラム陽性菌に有効な糖ペプチド誘導体(特開昭
60−172998号公報、特開昭61−251699
号公報、特開昭63−44598号公報)、グラム陽性
菌に有効なオリゴペプチド(特開昭62−22798号
公報)、ペプチド系抗生物質(特開昭62−51697
号公報、特開昭63−17897号公報)、その他、北
米産カブトガニの血球から抽出した抗菌性ペプチド(特
開平2−53799号公報)、蜂蜜の血リンパから単離
した抗菌性ペプチド(特開平2−500084号公報)
等である。
レステロールエステル、トリグリセリド、リン脂質、遊
離脂肪酸等の脂質が存在する。これらの脂質はそのまま
では血清には溶解しないので、アポリポタンパク質と結
合したリポタンパク質の微粒子として血清中に存在して
いる。アポリポタンパク質は、アポAからEまでの5つ
に分類され、さらにアポAはA−I、A−IIに、アポC
はC−I、C−II、C−IIIに分かれる(日経メディカ
ル・日経バイオテク編、「日経バイオテクノロジー最新
用語辞典」、第9ページ、日経マグロウヒル社、198
5年)。一方、血清中のリポタンパク質は、トリグリセ
リドを主要脂質とするカイロミクロン(乳状脂粒)、エ
ステル型コレステロールを主要脂質とする超低比重リポ
タンパク質(LDL)、およびリン脂質を主要脂質とす
る高比重リポタンパク質(HDL)等に分類されている
[野間惟道編、「医科学大辞典」、第49巻、第84〜
85ページ、講談社、1984年]。
含むリポタンパク質画分に抗菌性があることが報告され
ている[モレキュラー・セル・バイオケミストリー(Mo
lecular Cell Biochemistry )、第119巻、第171
〜178ページ、1993年、および特公平8−579
8号公報]。しかしながら、ウシ血清中から単離され、
特定のアミノ酸配列を有するペプチドの抗菌作用につい
ては、文献が皆無であり、従来知られていない。
かなとおり、各種の抗菌性ペプチドが知られているが、
適用対象毎の抗菌性ペプチドの選択の余地を増大する目
的から、さらに、望ましくない副作用(例えば、抗原性
等)がなく、耐熱性があり、かつ強い抗菌作用を有する
抗菌性ペプチドを自然界から見い出すことが望まれてい
た。特に、安価なウシ血清等の原料より大量に調製が可
能で、かつ細菌および真菌(カビ、酵母)等の微生物に
対して抗菌作用を有し、動物細胞に対しては抗菌作用が
ない動物組織培養用培地添加剤として有用な抗菌性ペプ
チドが望まれていた。
況に鑑みてなされたものであり、副作用が無く、少量
で、広範囲の微生物に対して抗菌作用を有する新規な抗
菌性ペプチドと、この抗菌性ペプチドを有効成分として
含有する抗菌剤を提供することを目的としている。
を解決するものとして、配列番号1に記載のアミノ酸配
列を有する抗菌性ペプチドを提供する。また、この発明
は、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有するペプチ
ド、このペプチドの薬学的に許容される誘導体、このペ
プチドの薬学的に許容される塩類、またはこれらの2以
上の混合物を有効成分として含有する抗菌剤を提供す
る。
菌剤においては、前記ペプチドが、ウシ胎児血清より単
離されたペプチドであることを好ましい態様としてい
る。
原料はウシ血清であり、例えば、市販の成牛血清、ウシ
新生児血清、ウシ胎児血清を例示することができ、特に
ウシ胎児血清が望ましい。これらの出発原料からこの発
明の抗菌性ペプチドを常法により容易に単離精製するこ
とができる。例えば、ウシ胎児血清を、疎水クロマトグ
ラフ、ゲル濾過、および逆相クロマトグラフ等の順序で
処理し、抗菌活性を有することが確認されている画分を
順次に精製することによって、この発明の特定アミノ酸
配列を有する抗菌性ペプチドを単離精製することができ
る。
チル基を有する樹脂が望ましく、例えば、市販のブチル
・トヨパール650M(東ソー社製)、ブチル・トヨパ
ール650S(東ソー社製)、ブチル・セファロース4
FF(ファルマシア社製)等を例示することができる。
使用するゲル濾過用担体は、500キロダルトンの排除
限界分子量を有する担体が望ましく、例えば、市販のT
SKゲルG3000SW(東ソー社製)、Asahip
ak GFA−50F(旭化成社製)、PROTEIN
PAK 300(日本ウォターズ社製)等を例示する
ことができる。
ガンドとして炭素数4の直鎖状炭化水素が望ましく、例
えば、市販のPROTEIN C4(VYDAC社
製)、マイクロボンダスフェアーC4 (日本ウォターズ
社製)、YMC−Pack C4(ワイエムシィ社製)
等を例示することができる。以上のようにして単離精製
した抗菌性ペプチドは、後記する試験例2に示すとお
り、配列番号1に記載の特定のアミノ酸配列を有してお
り、また、試験例1に示すとおり、細菌および真菌(酵
母)に対する抗菌作用を有している。なお、この発明の
抗菌性ペプチドは、そのアミノ酸配列からウシ由来アポ
リポプロテイン様物質であるものと予測されたが、前記
ヒト・アポリポプロテインA−Iとは、そのアミノ酸配
列において全く異なる物質であった。
る。この発明の抗菌剤は、前記のとおりに単離精製した
抗菌性ペプチド、このペプチドの薬学的に許容される誘
導体、このペプチドの薬学的に許容される塩類(以下、
これらをまとめて「ペプチド類」と記載することがあ
る)、またはこれらの2以上の混合物を有効成分として
含有する。抗菌性ペプチドの誘導体は、抗菌性ペプチド
の一部置換体または付加化合物等のペプチド誘導体であ
り、例えば、カルボキシル基をアミド化またはアシル化
した誘導体を例示することができる。また、抗菌性ペプ
チドの塩類は、例えば、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ク
エン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩等の酸付加塩を例示するこ
とができる。
形態でヒトまたは動物に投与することができ、例えば、
静注、皮下注、または経口によりヒトまたは動物に投与
することができる。特に、この発明の抗菌剤の有効成分
であるペプチド類は、毒性が極めて低く、LD50は10
0mg/体重kg以上であるため、ヒトまたは動物に対
して安全に使用することができ、経口投与による抗下痢
剤としても使用することができる。
れらの2以上の混合物を5mg/g以上の濃度で含有さ
せて製剤化することができ、その他の成分としては、医
薬製造分野で通常使用される各種の担体、例えば充填
剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑
沢剤の希釈剤または賦形剤等を用いることができる。ま
た、医薬製剤として、各種の剤形が使用目的、使用対象
に応じて選択でき、その代表的なものとして錠剤、丸
剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、
坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等が挙げられる。錠剤
の形態に成形するに際しては、担体として例えば乳糖、
白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭
酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸等の
賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、
ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメ
チルセルロース、メチルセルロース、リン酸カルシウ
ム、ポリビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、
カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸
カルシウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグ
リセリド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリ
ン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級
アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促
進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳
糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸
着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエ
チレングリコール等の滑沢剤等を使用することができ
る。さらに錠剤は必要に応じて通常の剤皮を施した錠
剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸用被錠フィルム
コーティング錠または二重錠、多層錠とすることができ
る。注射剤として調製される場合は、液剤、乳剤および
懸濁剤は殺菌され、かつ血液と等張であるのが好まし
く、これらの形態に成形するに際しては、希釈剤として
例えば水、エチルアルコール、プロピレングリコール、
エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イ
ソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル類等を使用することができる。なお、
この場合、等張性の溶液を調製するに充分な量の食塩、
ブドウ糖、グリセリン等を製剤中に含有させてもよく、
また、溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を配合してもよ
い。上記各形態の医薬製剤中には、さらに必要に応じて
慣用される着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等を
配合することができ、また、他の医薬品有効成分を含有
させることもできる。
らず、食品、飼料、化粧品等のようにヒトまたは動物の
体内に摂取され、または体表面に適用される製品、その
他一般に細菌の増殖を防止または抑制することが望まれ
るあらゆる製品に配合して使用することができ、またこ
の発明の抗菌剤により、それらの製品または原料素材を
処理することができる。すなわち、食品(例えば、チュ
ウインガム等)、医薬品(例えば、目薬、乳房炎治療
剤、下痢防止剤、水虫薬等)、医薬部外品(例えば、口
中洗浄剤、制汗剤、養毛剤等)、各種化粧品(例えば、
整髪料、クリーム、乳液等)、各種歯磨用品(例えば、
歯磨、歯ブラシ等)、各種生理用品、各種ベビー用品
(例えば、オムツ等)、各種高齢者用品(例えば、入れ
歯固定剤、オムツ等)、各種洗剤(例えば、石鹸、薬用
石鹸、シャンプー、リンス、洗濯用洗剤、キッチン用洗
剤、住宅用洗剤等)、各種除菌用品(キッチン用除菌ペ
ーパー、トイレット用除菌ペーパー等)、飼料(例え
ば、ペットフード等)、それらの原料となる素材、その
他一般に微生物の増殖の防止、抑制が望まれるあらゆる
物品に添加、配合、噴霧、付着、被覆、含浸等を行って
もよく、またその他一般に微生物の増殖の防止、抑制が
望まれるあらゆる物品の処理に用いることができる。特
に、この発明の抗菌剤は、有効成分であるペプチド類が
哺乳動物(ウシ)由来であり、動物細胞に対して有害な
作用を持たないため、動物組織培養用培地添加剤として
有用である。
て、他の抗菌剤と併用して使用することもできる。次
に、試験例を示してこの発明を詳述する。 試験例1 この試験は、この発明の抗菌性ペプチドの抗菌作用を調
べるために行った。 (1)試料の調製 実施例1と同一の方法により、ウシ胎児血清より単離し
た配列番号1のアミノ酸配列を有する抗菌性ペプチド
を、10mMトリス塩酸緩衝液(pH7.0)に、それ
ぞれ0.1μg/μl、0.25μg/μl、0.5μ
g/μl、1.0μg/μl、1.5μg/μl、およ
び2μg/μlの各濃度で溶解し、試料溶液として用い
た。 (2)試験菌株懸濁液の調製 各試験菌株懸濁液を下記のとおり調製した。 エシェリキア・コリ懸濁液の調製 エシェリキア・コリ[Escherichia coli ATCC 25922
(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションより
分譲)]を保存スラントから1白金耳採取し、これを2
%ペプトン;1%酵母エキス;2%グルコースからなる
増殖培地5mlに接種し、30℃、2日間振とう培養
し、この培養液0.1mlを新しい増殖培地5mlに接
種し、30℃で6時間振とう培養した。培養後に集菌
し、蒸留水で洗浄、遠心分離を2回繰り返し、さらに蒸
留水に懸濁した。菌数は血球計算盤を用いて計数し、細
胞数を4〜6×104 細胞/10μlに調整し、これを
エシェリキア・コリ懸濁液として用いた。 スタヒロコッカス・アウレウス懸濁液の調製 スタヒロコッカス・アウレウス[Staphylococcus aureu
s IFO 12732 (発酵研究所より分譲]を用い、増殖培地
として1%ペプトン;0.2%酵母エキス;0.1%硫
酸マグネシウム・七水和物からなる増殖培地を用いたこ
とを除き、前記エシェリキア・コリ懸濁液の調製方法と
同一の方法により懸濁液を調製し、これをスタヒロコッ
カス・アウレウス懸濁液として用いた。 サッカロミセス・セレビシエ懸濁液の調製 サッカロミセス・セレビシエ[Saccharomyces cerevisi
ae A364A(イ−スト・ジェネティック・ストック・セン
タ−より分譲]を用いたことを除き、前記エシェリキア
・コリ懸濁液の調製方法と同一の方法により懸濁液を調
製し、これをサッカロミセス・セレビシエ懸濁液として
用いた。 カンジダ・アルビカンス懸濁液の調製 カンジダ・アルビカンス[Candida albicans ATCC 1025
9 (アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションよ
り分譲)]を用い、増殖培地として1%ポリペプトン;
2%グルコースからなる増殖培地を用たことを除き、前
記エシェリキア・コリ懸濁液の調製方法と同一の方法に
より懸濁液を調製し、これをカンジダ・アルビカンス懸
濁液として用いた。 (3)試験方法 各試験菌株懸濁液10μlと各濃度試料溶液40μlと
を混合し、37℃で2時間保温した。その後、混合液を
寒天培地(前記各試験菌株毎の増殖培地に1.5%の寒
天を添加した培地)にまき、各試験菌株毎の最適培養条
件でそれぞれ培養し、生じたコロニー数を計測した。各
試験菌株毎の最適培養条件は、エシェリキア・コリは、
培養温度30℃、培養時間14時間とし、スタヒロコッ
カス・アウレウスおよびサッカロミセス・セレビシエ
は、培養温度30℃、培養時間2日間とし、カンジダ・
アルビカンスは、培養温度30℃、培養時間1日間とし
た。 (4)試験結果 この試験の結果は、図1および表1に示すとおりであ
る。図1は、抗菌性ペプチド濃度と生菌数との関係を示
し、図中縦軸および横軸は、それぞれ生菌数[CFU
(colony foming unit)は細胞のコロニー形成単位を示
す]および抗菌性ペプチドの濃度を示し、●、■、△お
よび◇は、それぞれエシェリキア・コリ、スタヒロコッ
カス・アウレウス、サッカロミセス・セレビシエおよび
カンジダ・アルビカンスを示す。
濃度が増加するとともに生菌数は著しく減少した。図1
から求められる各試験菌株に対する抗菌性ペプチドの最
小阻止濃度を示した表1から明らかなとおり、この発明
の抗菌性ペプチドは、1.6μg/μlという低い濃度
で、この試験に使用された全ての試験菌株に対して強い
抗菌作用を示した。
ノ酸配列を決定するために行った。試験例1で使用した
抗菌性ペプチド0.2mgに蒸留水160μlを添加
し、50mMジチオスレイトール(DTT)、5mMエ
チレンジアミン四酢酸二ナトリウム(EDTA)を含む
250mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.2)を4
0μl添加して溶解し、これにピログルタミン酸アミノ
ペプチダーゼ溶液(0.5U/ml)を8μl添加して
37℃で8時間酵素処理した。その後、この反応液にク
ロロホルム:メタノール(2:1)溶液を10ml添加
して沈殿させ、遠心分離によって沈殿物を回収した。こ
の沈殿物に、さらにエタノール:エーテル(3:2)溶
液を10ml添加して遠心分離を行い、沈殿物を回収し
た。
尿素を含む10mMトリス塩酸緩衝液(pH9.0)1
00μlで溶解し、さらに10mMトリス塩酸緩衝液
(pH9.0)を200μl添加し、のちリシルエンド
ペプチダーゼ溶液(1μg/50μl)を50μl添加
して37℃で8時間酵素処理した。これとは別に、沈殿
物の一部(80μg)を6M尿素を含む50mMリン酸
ナトリウム緩衝液(pH8.0)50μlで溶解し、さ
らに50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH8.0)を
200μl添加し、エンドプロテアーゼAsp−N溶液
(0.4mg/ml)を5μl添加して37℃で8時間
反応させた。
ドプロテアーゼAsp−Nの2種の反応液中のペプチド
断片をODSカラムを用いた逆相クロマトグラフィーに
よりそれぞれ精製し、得られたペプチド断片のアミノ酸
配列を気相式自動アミノ酸シーケンサー(パーキンエル
マー・アプライドバイオシステムズ社製)を用いて測定
した。
ノ酸配列から、ペプチド全体のアミノ酸配列を決定し、
この抗菌性ペプチドが配列番号1に示されるアミノ酸配
列を有することを確認した。次に実施例を示し、この発
明をさらに具体的に説明するが、この発明は、以下の例
に限定されるものではない。
塩化ナトリウム水溶液(和光純薬工業社製)100ml
を添加し、これを疎水クロマト樹脂[ブチル・トヨパー
ル650M(東ソー社製)]に添加して吸着させ、この
吸着樹脂をカラムに充填し、1M塩化ナトリウム水溶液
で洗浄し、0.15M塩化ナトリウム水溶液および蒸留
水で溶出し、得られた抗菌活性を有する蒸留水溶出画分
を、ゲル濾過担体[TSKgelG3000SW(東ソ
ー社製)]を使用し、100mM塩化ナトリウム含有1
0mMリン酸緩衝液(pH6.9)を移動相に用いたゲ
ル濾過を行い、分子量約10キロダルトン付近の抗菌活
性を有する画分を回収した。
[PROTEIN C4(VYDAC社製)]を使用
し、0.1%トリフルオロ酢酸(和光純薬工業社製)を
含む32〜56%アセトニトリル(和光純薬工業社製)
を用いた直線濃度勾配溶出法による逆相クロマトグラフ
法により、アセトニトリル濃度48〜50%に溶出され
る抗菌活性を有するピークを回収した。
の精製標品約2.4mgを得た。この抗菌性ペプチドの
精製標品は、SDS電気泳動において単一バンドを示
し、前記試験例2と同一の方法によりアミノ酸配列を決
定した結果、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有して
いた。 実施例2 実施例1と同一の方法で得た抗菌性ペプチド5mgを、
メチルセルロ−ス5mgおよび精製水1gの混合液に溶
解し、抗菌剤を製造した。 実施例3 次の組成の点眼薬を常法により製造した。なお、抗菌性
ペプチド以外の成分はいずれも市販品である。
プチド以外の成分は、いずれも市販品である。
洗浄剤は、使用時水で50倍に希釈して使用する。な
お、抗菌性ペプチド以外の成分は、いずれも市販品であ
る。
ペプチド以外の成分は、いずれも市販品である。
お、抗菌性ペプチド以外の成分は、いずれも市販品であ
る。
よって、哺乳動物(ウシ)に由来し、広範囲の微生物に
対して抗菌作用を示す新規な抗菌性ペプチドと、この抗
菌性ペプチドを有効成分とする抗菌剤が提供される。こ
の抗菌剤によって、ヒトまたは動物、あるいは各種物品
を安全かつ効果的に抗菌処理することが可能となる。
グメントとして含むペプチド。次の配列において、1番
のXaa はピログルタミン酸(pyr-Glu )である。 配列: Xaa Ala Glu Glu Ser Asn Leu Gln Ser Leu Val Ser Gln Tyr Phe 1 5 10 15 Gln Thr Val Ala Asp Tyr Gly Lys Asp Leu Val Glu Lys Ala Lys 20 25 30 Gly Ser Glu Leu Gln Thr Gln Ala Lys Ala Tyr Phe Glu Lys Thr 35 40 45 Gln Glu Glu Leu Thr Pro Phe Phe Lys Lys Ala Gly Thr Asp Leu 50 55 60 Leu Asn Phe Leu Ser Ser Phe Ile Asp Pro Lys Lys Gln Pro Ala 65 70 75 Thr
ラフ図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 配列番号1に記載のアミノ酸配列を有す
る抗菌性ペプチド。 - 【請求項2】 ウシ胎児血清から単離されたペプチドで
ある請求項1の抗菌性ペプチド。 - 【請求項3】 配列番号1に記載のアミノ酸配列を有す
るペプチド、このペプチドの薬学的に許容される誘導
体、このペプチドの薬学的に許容される塩類、またはこ
れらの2以上の混合物を有効成分として含有する抗菌
剤。 - 【請求項4】 ペプチドが、ウシ胎児血清から単離され
たペプチドである請求項3の抗菌剤。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15273096A JP3734885B2 (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | 抗菌性ペプチドおよび抗菌剤 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP15273096A JP3734885B2 (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | 抗菌性ペプチドおよび抗菌剤 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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JP3734885B2 JP3734885B2 (ja) | 2006-01-11 |
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JP15273096A Expired - Fee Related JP3734885B2 (ja) | 1996-06-13 | 1996-06-13 | 抗菌性ペプチドおよび抗菌剤 |
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JP (1) | JP3734885B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6473641B1 (en) | 1999-09-30 | 2002-10-29 | Tanita Corporation | Bioelectric impedance measuring apparatus |
WO2014049938A1 (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-03 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 食中毒菌の培養培地、及び食中毒菌の検出方法 |
-
1996
- 1996-06-13 JP JP15273096A patent/JP3734885B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6473641B1 (en) | 1999-09-30 | 2002-10-29 | Tanita Corporation | Bioelectric impedance measuring apparatus |
WO2014049938A1 (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-03 | 東洋製罐グループホールディングス株式会社 | 食中毒菌の培養培地、及び食中毒菌の検出方法 |
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