JPH11505721A - プロテグリン - Google Patents

プロテグリン

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JPH11505721A
JPH11505721A JP8535883A JP53588396A JPH11505721A JP H11505721 A JPH11505721 A JP H11505721A JP 8535883 A JP8535883 A JP 8535883A JP 53588396 A JP53588396 A JP 53588396A JP H11505721 A JPH11505721 A JP H11505721A
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レーラー,ロバート,アイ.
コクリャコブ,ブラディミール,エヌ.
ハーウィグ,シルビア,エス.,エル.
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ユニバーシティー オブ カリフォルニア,ロサンジェルス
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Abstract

(57)【要約】 2つのシスチン橋を有するブタ白血球顆粒から単離された5種類の天然プロテグリンとして、またはシスチン橋をもたないか1つのシスチン橋をもつ種々のプロテグリン類似体として、16〜18個のアミノ酸を有しかつ0〜4個のシステインを含むカチオン性の抗微生物およびウイルス中和ペプチドが提供される。天然プロテグリンはカルボキシル末端アミド化を有する。類似体はカルボキシル末端アミド化が可能であり、また、類似体はアミノ末端アシル化型および/またはシステイン安定化型および/またはカルボキシル末端エステル化型として製造することもできる。1〜4個の天然システインのいずれかを疎水性アミノ酸または小型のアミノ酸で置換することができ、残りの12〜16位置のために各種の置換物が開示される。組換え宿主細胞および生産方法、並びに天然プロテグリンおよびそれらの類似体を含有する静菌用、ウイルス中和用および内毒素不活化用の医薬組成物および農業用組成物、およびそれらの使用方法が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 プロテグリン 本発明はNIH助成金No.A122839に基づいて行われたものである。米国政府は本 発明に対して一定の権利を有する。技術分野 本発明は抗菌性ペプチドの分野に関する。特に、本発明は広範囲の抗微生物活 性を有する短いペプチドに関するものであり、それらのいくつかはブタの白血球 から単離されたものである。背景技術 動物および植物による感染に対する防御機構の一つは抗微生物活性および抗ウ イルス活性を有するペプチドの産生である。植物および動物双方の組織から種々 のクラスのそのようなペプチドが単離されてきた。そのようなペプチドのうちよ く知られたクラスとしてタキプレシン(tachyplesins)があり、それが初めて単離 されたのはカブトガニの血球からである(Nakamura,T.ら,J Biol Chem(1988),263 :16709-16713)。この論文は、日本種のカブトガニから最初に単離されたタキ プレシンであるタキプレシンIを記載している。タキプレシンIは17個のアミノ 酸がアミド化されたペプチドで、その分子中に2つのシスチン結合を形成する4 個のシステインを含んでいる。このグループによる後の論文では(Miyata,T.ら ,J Biochem(1989)106:663-668)第二のタキプレシンであるタキプレシンIIの 単離が報告されている。タキプレシンIIはC末端がアミド化された17残基のペプ チドからなり、これも4個のシステインと2つの分子内ジスルフィド結合とを含 んでいる。さらにポリフェムジン(polyphemusins)と呼ばれ、タキプレシンIIと 相同性が高く、4個のシステイン残基を同じ位置に有する18-merのアミノ酸から なるペプチド2種が、アメリカ種カブトガニからさらに単離された。ポリフェム ジンIとポリフェムジンIIとは1個のアルギニン残基がリジンに置換されたこと が異なるだけである。全てのペプチドは抗真菌活性および抗菌活性を有すると記 載されている。Murakami,T.ら(Murakami,T.ら,Chemotherapy(1991)37:327-33 4)はその後、水胞性口内炎ウイルスに対するタキプレシンの抗ウイルス活性を報 告している:I型およびII型単純ヘルペスウイルス、I型アデノウイルス、II型 レオウイルス、およびI型ポリオウイルスはタキプレシンIによる不活化に対し て抵抗性であった。Morimoto,M.ら(Morimoto,M.ら,Chemotherapy(1991)37:20 6-211)は、タキプレシンIがヒト免疫不全症ウイルス(HIV)に対して阻害活性が あることを見出した。この抗HIV活性はポリフェムジンIIの合成類似体にもある ことがNakashima,H.らによって見出された(Nakashima,H.ら,Antimicrobial A gents and Chemotherapy(1992)1249-1255)。抗ウイルス性ペプチドは、Lehrer, R.I.ら(Lehrer,R.I.ら,J Virol(1985)54:467-472)によって報告されたよう に、ウサギ白血球中にも見出されている。 その他の重要なシステイン含有抗微生物性ペプチドのクラスとしてはデフェン シン、β-デフェンシン、および昆虫のデフェンシンがある。デフェンシンはや や長いペプチドで、6個の変異していないシステインと3つの分子内ジスルフィ ド結合を有することを特徴とする。デフェンシンに関しては、Lehrer,R.I.らの 論文(Lehrer,R.I.ら,Cell(1991)64:229-230; Lehrer,R.I.ら,Ann Rev Imm unol (1993)11:105-128)に記載されている。哺乳類由来のデフェンシンについて はLehrer,R.I.らによってAnnual Review Immunol(1993)11:105-128に総説と してまとめられており、デフェンシンに関しては3つの特許が成立している(U.S .4,705,777、U.S.4,659,692およびU.S.4,543,252)。デフェンシンはヒトまた はその他の数種の動物の多形核好中球(PMN)中およびウサギ肺胞マクロファージ 中、マウス小腸上皮(パーネト)細胞、およびヒトのそれらに対応する細胞中に見 出される。 β-デフェンシンはウシの呼吸器上皮細胞中、ウシ顆粒球、およびトリ白血球 中に見出される。Selasted,M.E.ら,J Biol Chem(1993)288:6641-6648、および Diamond,G.ら,Proc Natl Acad Sci(USA)(1991)88:3952-3958 を参照のこと 。昆虫のデフェンシンについては、Lambert,J.ら,Proc Natl Acad Sci(1989)8 8 :262-265によって報告されている。 植物中にも抗真菌性および抗菌性のペプチドおよびタンパク質が見出されてお り(Broekaert,W.F.ら,Biochemistry(1992)31:4308-4314)、Cornelissen,B. J.C.らによって総括されている(Plant Physiol(1993)101:709-712)。このような ペプチドを産生させるための発現系は、植物を感染から防御するための形質転換 に用いられており、それについては、例えばHaln,R.ら(Haln,R.ら,Nature(19 93)361:153-156)によって述べられている。 本発明は新規なクラスの抗微生物性および抗ウイルス性ペプチド類を提供する ものであり、ここでそれらを「プロテグリン」と命名され、その代表的なものは ブタ白血球から単離されたものである。これらのペプチドは植物および動物にお いて抗菌剤、抗ウイルス剤、および抗真菌剤として有用なものである。 本発明のプロテグリンペプチドの単離については、本出願人により論文中で報 告されている(Kokrykov,V.N.ら,FEBS(1993)337:231-236(7月発行))。このグル ープはこの後の公表論文で、単離されたcDNAクローンから推定された新しい プロテグリン、その配列およびその前駆体の配列を報告している(Zhao,Cら,FE BS Letters (1994)346:285-288)。さらに別の論文ではブタ好中球から得たカチ オン性ペプチドについてMirgorodskaya,O.A.ら(Mirgorodskaya,O.A.ら,FEBS( 1993),330:339-342(9月号))により報告がなされている。Scorici,P.ら(Scoric i,P.ら,Biochem Biophys Res Comm(1993)196:1363-1367)は、カテリン(Cathel in)様前配列を有するブタ白血球の抗微生物性ペプチドをコードするDNA配列 が得られたことを報告している。このペプチドは下記に示すプロテグリンの1種 で あると報告されている。プロテグリンに関する別の公表文献としては、Harwig, S.S.L.ら(Harwig,S.S.L.ら,J Peptide Sci(1995)印刷中)およびZhao,C.ら( Zhao,C.ら,FEBS-MS MB283(1995)印刷中)がある。 本発明のプロテグリンは内毒素とも結合することが見出されている。内毒素は グラム陰性菌に由来するリポポリサッカライド(LPS)組成物であり、グラム陰性種 に敗血症の原因となるとされている。この型の敗血症は非常に共通の症状があり 、しばしば致命的である。他の研究者たちは、LPS/内毒素に結合するタンパク質 を設計し研究することを試みてきた。それらの試みの実証となる報告としては、 Rustici,A.ら,Science(1993)259:361-364; Matsuzaki,K.ら,Biochemist ry (1993),32:11704-11710; Hoess,A.ら,EMBO J(1993)12:3351-3356; およ びElsbach,P.ら,Current Opinion in Immunology(1993)5:103-107がある。 本発明のプロテグリンはLPSの不活化およびLPSによって引き起こされた影響の改 善を行いうる新たな化合物を提供するものである。 上述の事項に加え、本発明のプロテグリンは性行為感染症に関連する微生物の 増殖阻害効果を有している。毎年、世界中で約1,400万人の人々がHIVに感染し、 数百万人の女性が骨盤の炎症性疾患に罹患しているものと推測されている。大腸 菌(E.coli),マイコプラズマ・ホミニス(Mycoplasma hominis)および他の感染性 微生物もこの炎症性疾患の原因となっているとはいえ、クラミジア・トラコーマ ティス(Chlamydia trachomatis)およびナイセリア・ゴノロアエ(Neisseria gonor rhoeae)がこの炎症性疾患の半数以上の原因となっている。病原体にはウイルス 、細菌、真菌およびプロトゾア病原体が含まれる。これらの感染症と闘うために 使用される抗菌剤は、生理的条件下で効果を有することが非常に重要である。本 発明のプロテグリンはこれらの性質を備えたものである。発明の開示 1つの実施態様においては、本発明は16-18個のアミノ酸残基からなるペプチ ドであって、未変異の4個のシステインを持ち、塩基性および疎水性アミノ酸の 特徴的なパターンで特徴づけられ、および/または動物の白血球から本発明の方法 を用いて単離可能なペプチドであることによって特徴づけられている。第二の実 施態様においては、本発明は上記のペプチドであって1〜4個のシステインが疎水 性または小型アミノ酸で置換されたものである。これらのペプチドは全て合成で 作製しうるもので、そのうちのいくつかは組換え的に作製するかまたは天然原料 から単離しうるものであり、動物における感染の予防または治療のための防腐剤 または医薬組成物として用いるために精製しうるものである。また別に、これら のペプチドは植物をウイルスまたは微生物感染から防御するための組成物となし 得る。また別のアプローチとして、感染と闘うために、これらのペプチドをコー ドするDNAを動物または好ましくは植物の体内で(in situ)発現させることが できる。これらのペプチドはまた、抗微生物アッセイおよび内毒素結合における 標準品としても有用である。 したがって、1の態様においては、本発明は、単離され精製された、または組 換え的に産生された化合物であって、次式の A1-A2-A3-A4-A5-C6-A7-C8-A9-A10-A11-A12-C13-A14-C15-A16-(A17-A18) (1) で示され、かつ、そのN末端アシル化および/またはC末端アミド化またはエス テル化型で、任意に-SH安定化された線形またはシスチン架橋形のものである。 〔式中、A1は塩基性アミノ酸であり、 A2、A3はそれぞれが独立に小型アミノ酸であり、 A5、A7、A14はそれぞれが独立に疎水性アミノ酸であり、 A4は塩基性または小型のアミノ酸であり、 A9、A12、およびA16はそれぞれが独立に塩基性、疎水性、中性/極性または 小型のアミノ酸であり、 A10およびA11はそれぞれが独立に塩基性、中性/極性、疎水性もしくは小型 のアミノ酸であるか、またはプロリンであり、 A17は存在しないか、または存在する場合は、塩基性、中性/極性、疎水性 もしくは小型のアミノ酸であり、 A18は存在しないか、または存在する場合は、塩基性、疎水性、中性/極性 もしくは小型のアミノ酸であるか、または、 式(1)の修飾形であって、N 末端アシル化および/またはC 末端がアミド化また はエステル化型であって、4個のシステインのうちの少なくとも1個が独立に疎 水性アミノ酸または小型のアミノ酸で置換されている; 但し、式(1)の化合物は+3以上の電荷を有するものでなければならない。〕 また別の態様においては、本発明は、本発明のペプチドを産生するために有用 な組換え体、並びにこれらのペプチドを産生する発現系を含むように改変された 植物または動物である。本発明はまた、本発明のペプチドを有効成分として含有 する医薬組成物および植物に適用するための組成物、もしくはペプチド産生のた めの発現系を含有する組成物、またはこれらのペプチドをコードするヌクレオチ ド配列のin situでの発現のための組成物を示している。本発明はまた、本発明 のペプチドの合成によって製造する方法、これらのペプチドに特異的な抗体、お よびこれらのペプチドの防腐剤としての使用についてのものでもある。 別の態様においては、本発明はこれらの本発明の化合物の、抗微生物アッセイ における標準品としての使用について示している。これらの化合物はまた、コン タクトレンズ溶液などの眼のケアに有用な溶液中で抗微生物剤として使用しても よく、または性行為感染症(STDs)治療用の局所用またはその他の医薬組成物とし て用いてもよい。本発明はまた、本発明の化合物の食品またはその他の生鮮品の 防腐剤としての使用をも示している。本発明のペプチドは内毒素を不活化するの で、本発明はまた、この特性の利点によって、本発明の化合物を用いての内毒素 の不活化法およびこの性質を利用するグラム陰性敗血症の治療法をも示している 。図の簡単な説明 図1は、ブタ白血球の限外ろ過液の濃縮物をBiogel P10カラムにかけたときの 溶出パターンを示す。 図2は、図1に記載したカラムの溶出から得られたP10画分の抗菌活性を示す。 図3は、図1のBiogel P10カラムからの第76-78画分をHPLCにアプライして得 られた溶出パターンを示す。 図4は、本発明の精製ブタプロテグリンの抗微生物活性を示す。 図4aは大腸菌に対する抗微生物活性を示す。図4bはリステリア・モノサイ トゲネス(Listeria monocytogenes)に対する抗微生物活性を示す。図4cはカン ジダ・アルビカンス(Candida albicans)に対する抗真菌活性を示す。図4dは、S .オーレウス(S.aureus)に対する抗菌活性を示す。図4eは、K.ニューモニア(K . pneumoneae)に対する抗菌活性を示す。 図5は、抗微生物活性に対する種々の試験条件の影響を示す。図5aは、100 μM のNaCl中でのCandida albicansに対する活性を示す。図5bは、100μM のN aCl中でのE.coliに対する活性を示す。図5cは、90%ウシ胎児血清中でのCandi da albicansに対する活性を示す。 図6は線形プロテグリンの各種試験条件下での抗微生物活性を示す。図6aは 10mMのリン酸-クエン酸緩衝液(pH6.5)中でのE.coliに対する活性を示す。図6 bは100mMのNaClを含む同緩衝液中でのE.coliに対する活性を示す。図6cは、 図6a〜 6bで用いた緩衝液中でのL.monocytogenesに対する活性を示す。図 6dは、100mMのNaCl を含む同緩衝液中でのL.monocytogenesに対する活性を示 す。図6eは、10mMのリン酸の存在下でのC.albicansに対する活性を示す。図 6fは、10mMのリン酸および100mMのNaCl存在下でのC.albicansに対する 活性を示す。 図7は、PG-1、PG-2、PG-3、およびPG-4の前駆体をコードするcDNAの組成 を示す。 図8は、本発明の抗微生物性化合物PG-1、PG-3、およびPG-5の前駆体タンパク 質をコードするゲノムDNAのヌクレオチド配列および推定アミノ酸配列を示す 。 図9は、プロテグリンゲノムDNAの構成を示している。 図10は、プロテグリンPG-1からPG-5のアミノ酸配列を示している。 図11a〜11cは、合成して製造したPG-5の抗微生物活性を、合成して製造 したPG-1の活性と比較して示す。 図12a〜12dは、各種の標的微生物に対する各種プロテグリンの効果を示 す。 図13は、カイト(kite)形およびブレット(bullet)形のPG-1のグラム陽性菌に 対する効果を図示したものである。 図14は、カイト形およびブレット形のPG-1のグラム陰性菌に対する効果を図 示したものである。 図15は、スネーク(snake)形PG-1のグラム陽性菌に対する抗微生物活性を図 示したものである。 図16は、スネーク形PG-1のグラム陰性菌に対する抗微生物活性を図示したも のである。本発明の実施の形態 本発明のペプチドは次式: A1-A2-A3-A4-A5-C6-A7-C8-A9-A10-A11-A12-C13-A14-C15-A16-(A17-A18) (1) で示されるものおよびその定義された修飾型である。これらのペプチドは精製お よび単離されたものまたは組換え的に製造したものでなければならない。 上記式中、Anはそのペプチド中の指定された位置にあるアミノ酸を示す。A17 およびA19は存在してもしなくとも良いので、本発明のペプチドは16、17、また は18個のアミノ酸を有することとなる。システイン残基の位置は式(1)中Cと示 しており、本発明のペプチドでは未変異である。しかし、本発明の範囲に包含さ れる式(1)のペプチドの修飾型では、これらのシステインの1-4個のうちの少なく とも1つを疎水性あるいは小型アミノ酸で置換しうる。 ペプチドのアミノ末端は遊離アミノ型であったもよく、またはRCO-(Rは1〜6個 の炭素原子を有するヒドロカルビル(hydroicarbyl)基を示す)で示される基でア シル化してもよい。ヒドロカルビル基は、飽和もしくは不飽和で、典型的には、 例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t-ブチル、n-ペンチル、シクロヘキシ ル、シクロヘキセン-2-yl、ヘキセン-3-yl、ヘキシン-4-ylなどである。 本発明のペプチドのC 末端は、遊離酸もしくは許容しうる塩、例えば、カリウ ム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、またはその他の無機イオンの塩ま たはカフェインなどの有機イオンの塩として、非誘導体型のカルボキシル基とし うる。カルボキシル末端はまた、ROHの式のアルコールとエステルを形成させた 誘導体型とすることができ、または、NH3、RNH2、R2NH(式中、各R はそれぞれが 独立に上記で定義した炭素原子1〜6個のヒドロカルビルである)で示されるアミ ンによってアミド化することができる。C末端をCONH2の式としたアミド化型ペプ チドが好ましい。 本発明のペプチドはかなりの数の塩基性アミノ酸を含むため、本発明のペプチ ドは酸付加塩の形で提供しうる。典型的な酸付加塩としては、例えば、塩素、臭 素、ヨウ素、フッ素などの無機イオンが挙げられ、硫酸、硝酸もしくはリン酸、 または、例えば、酢酸、蟻酸、安息香酸などの有機陰イオンの塩であってもよい 。これら塩類それぞれの許容性は、通常理解される様に、使用目的によって異な る。 少なくとも2個のシステインを有する本発明のペプチドは、直鎖状または環状 となりうる。直鎖型は環状型と相互変換可能である。環状ペプチドを作り出すた めのジスルフィド結合を形成する方法は当業界では公知であり、また線形化合物 を形成するためにジスルフィド結合を還元する方法も公知である。線形化合物は 、ヨードアセトアミドなどの適当なアルキル化剤の添加により安定化することが できる。 環状型は、4個の未変異のシステイン残基の全てあるいはこれらのうちのいく つかがシスチン架橋を形成した結果である。本発明の環状型は、シスチン結合形 成の全ての可能な組合わせを含む。それが起こる順序でシステインに、N末端か らC6、C8、C13およびC15と番号付けするとこれらの組合わせとしては: C6-C8; C6-C13; C6-C15; C8-C13; C8-C15; C13-C15; C6-C8,C13-C15; C6-C13,C8-C15; および C6-C15,C8-C13である。 1〜4個のシステインが置換されている修飾型のペプチドでは、2〜3個のシステ インが残存している場合には上記と同様の組合わせをとりうる。 天然型プロテグリンは2個のシスチン結合をもっており、その一つは6位のシ ステインと15位のシステインの間にあり、他の一つは8位のシステインと13位の システインの間にある。したがって、2個のシスチン架橋を有する実施態様にお いては、C6-C15型およびC8-C13型が好ましい。しかし、本出願の出願人によっ て、1個のシスチン架橋のみを有するプロテグリンは、活性であり製造しやすい ことが見出されている。そのような1個のシスチン架橋を有する実施態様のうち で好ましいものは、C6-C15のみで表されるものまたはC8-C13のみで表されるもの である。 C6-C15シスチンが唯一のシスチン架橋である形のものは、通常「ブレット」形 プロテグリンと呼ばれ、C8-C13に唯一のシスチンがある場合には「カイト」形と 呼ばれる。ブレット形およびカイト形は、シスチン架橋していない位置のシステ インを中性アミノ酸、好ましくはグリシン、セリン、アラニン、またはトレオニ ンなどの小型のアミノ酸で置換するか、それらよりは好ましくないが中性の極性 アミノ酸、例えば、アスパラギンまたはグルタミンで置換することにより最も簡 便に製造しうる。したがって、ブレット形の実施態様としては、C8とC13の各々 が独立にアラニン、セリン、トレオニン、またはグリシンとであるもの、好まし くは双方ともアラニンである。逆に、カイト形では、C6とC15とを同様に置換し たものである。 線形の天然型環状ペプチドは、例えばスルフヒドリル型システインを保持する ためにヨードアセトアミド反応によって化学的に安定化された場合においてさえ 、有効な活性を有するものであるので、本発明の化合物は適当な試薬で安定化し た線形のものをも含む。ここに定義したとおり、本発明の「SH-安定化」型のペ プチドは、ジスルフィド架橋の再形成を防止するために、標準的な試薬と反応さ せたスルフヒドリル基を有している。 本発明の線形のプロテグリンを得るための別のアプローチとして、システイン 残基をシスチン架橋を形成しないアミノ酸で置換した修飾型ペプチドの使用が含 まれる。この場合もまた、6、8、13、および15位のシステインの4個全て(また は少なくとも3個)が上述の極性の中性アミノ酸または小型のアミノ酸で置換さ れる。分子内架橋の可能性を最小限とするために、4個のシステイン全てが置換 さ れていることが望ましい。 Anで示されるアミノ酸は、遺伝子またはその類似体でコードされるものであっ てもよく、またそれらのアミノ酸のD-異性体であってもよい。本発明のペプチド の好ましい実施態様の一つとして、全ての残基がD体であり、それにより、抗微 生物活性や抗ウイルス活性を保持したまま、タンパク質分解酵素に抵抗性を持つ ものがある。得られたプロテグリンは、天然のL-アミノ酸含有型の鏡像異性体で ある。 ここで用いたアミノ酸表記法は従来用いられてきたものであり下記のとおりで ある。 遺伝子にコードされないアミノ酸についての略号は下記に述べるとおりである 。 本明細書中に示される特定のペプチドにおいて、D体は短剣符(†)で示されて いるが、それ以外は、光学異性体を有するL体のアミノ酸残基を示している。 本発明の化合物は、アミノ酸残基の分類によって部分的に定義されるペプチド である。アミノ酸残基は通常、以下の主要なサブクラスにさらに分類される。 酸性:酸性の残基は生理学的pHでは水素イオンを失っていることにより陰電荷 を持ち、ペプチドが生理学的pHの水性溶媒中にあるときにはペプチドのコンホメ ーション中で表面の位置を求めるために、該残基が水性溶液によって誘引される 。 塩基性:塩基性の残基は生理学的pHでは水素イオンと会合しているため陽電荷 を持ち、ペプチドが生理学的pHの水性溶媒中にあるときにはペプチドのコンホメ ーション中で表面の位置を求めるために、該残基が水性溶液によって誘引される 。 疎水性:疎水性の残基は生理学的pHでは電荷を持たず、ペプチドが水性溶媒中 にあるときにはペプチドのコンホメーション中で内部の位置を求めるために、該 残基が水性溶液によって反発される。 中性/極性:中性/極性の残基は生理学的pHでは電荷を持たないが、ペプチドが 水性溶媒中にあるときには、ペプチドのコンホメーション中で内部の位置を求め る程十分に水性溶液によって反発されない。 本説明において特定のアミノ酸を「小型」としているが、それは極性基は欠い ているとしてもそれらの側鎖が疎水性を持つに至るのに十分な大きさでないから である。「小型」アミノ酸は、少なくとも1つの極性基が側鎖上にあるときには 炭素原子4個以下のものであり、極性基がないときには炭素原子3個以下のもの である。 もちろん、各残基分子を統計学的に集めてみれば、電荷を有する分子もあれば 、電荷を有しない分子もあり、水性溶媒への誘引又はそれからの反発がより高度 にあるいはより軽度に起こったりすることが知られている。「電荷を有する」こ との定義に適合するためには、個々の分子の相当程度の比率(少なくとも約25%) が、生理学的pH条件で電荷を有さなければならない。極性又は無極性を分類する ために必要とされる誘引又は反発の程度は任意のものであり、それ故、本発明で 特に意図するアミノ酸は極性又は無極性のどちらかに分類しうる。ここで特に分 類し ていない大部分のアミノ酸は既知の性質によって分類しうる。 アミノ酸残基はさらにサブクラスに分類することができる。すなわち、それら は環状又は非環状、及び芳香族又は非芳香族に分類できるし、残基の側鎖が置換 されている場合にはそのこと自体が分類となり、また大小にも分類できる。アミ ノ酸残基に極性の置換基が存在している場合にはカルボキシル基の炭素を含めて 炭素原子数が4個以下の場合に、又、極性の置換基が存在していない場合には炭 素原子数が3個以下の場合に、残基は小型とみなされる。小型の残基は当然、常 に非芳香族である。 天然に存在するタンパク質のアミノ酸について上記のスキームに従って次のよ うなサブクラスに分類される。 酸性:アスパラギン酸及びグルタミン酸 塩基性:非環状:アルギニン、リジン 環状:ヒスチジン 小型:グリシン、セリン、アラニン、トレオニン 極性/大型:アスパラギン、グルタミン 疎水性:チロシン、バリン、イソロイシン、ロイシン、 メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン 遺伝子によってコードされる第二のアミノ酸であるプロリンは、ペプチド鎖の 二次構造に影響を与えることが知られており、それ故に上記のグループのどれに も属していない特別の例である。システイン残基もやはり上記の分類に含まれて いない。なぜならば、システインのジスルフィド結合を形成して二次構造をとる という能力は、本発明の化合物にとっては非常に重大だからである。 通常よく遭遇するある種のアミノ酸で、遺伝子コードでコードされていないも のとしては、例えばβ-アラニン(beta-Ala)、又はその他のω-アミノ酸(例えば 3-アミノプロピオン酸、2,3-ジアミノプロピオン酸(2,3-diaP)、4-アミノ酪酸な ど)、α-アミンイソ酪酸(Aib)、サルコシン(Sar)、オルニチン(Orn)、シトルリ ン(Cit)、t-ブチルアラニン(t-BuA)、t-ブチルグリシン(t-BuG)、N-メチルイソ ロイシン(N-Melle)、フェニルグリシン(Phg)、及びシクロヘキシルアラニン(Cha )、 ノルロイシン(Nle)、2-ナフチルアラニン(2-Nal); 1,2,3,4-テトラヒドロイソキ ノリン-3-カルボン酸(Tic); β-2-チエニルアラニン(Thi);メチオニンスルホキ シド(MSO);及びホモアルギニン(Har)が挙げられる。これらのアミノ酸も特定の カテゴリーに分類できる。 上記の定義に基づけば、 Sar、beta-Ala、2,3-diaP及びAibは小型、 t-BuA、t-BuG、N-Melle、Nle、Mvl、Cha、Phg、Nal、Thi及びTicは疎水性、 Orn、及びHarは塩基性、 Cit、Acetyl Lys及びMSOは中性/極性である。 各種のω-アミノ酸はサイズによって小型(beta-Ala及び3-アミノプロピオン酸 ),又は大型及び疎水性(その他全て)に分類される。 遺伝子中にコードされたアミノ酸をその他のアミノ酸で置換したものも本発明 のペプチド化合物の範囲に含むことができ、それらのアミノ酸の構造に従ってこ の一般的なスキームで分類し得る。 本発明のペプチド全てにおいて、1つ以上のアミド結合(-CO-NH-)を場合によ り、同配体(isostere)である他の結合、例えば-CH2NH-、-CH2S-、-CH2CH2、-C H=CH-(シス及びトランス)、-COCH2-、-CH(OH)CH2- 及び -CH2SO-などの結合で 置換しうる。この置換は当業界で公知の方法で行いうる。下記の参照文献はこれ らの置換しうる結合を含むペプチド類似体の調製について述べている:Spatola, A.F.,Vega Data(March 1983),Vol.1,Issue 3,"Peptide Backbone Modificat ions"(総説);Spatola,A.F.,"Chemistry and Biochemistry of Amino Acids Peptides and Proteins",B.Weinstein編,Marcel Dekker,New York,p.267(1 983)(総説); Morley,J.S.,Trends Pharm Sci(1980)pp.463-468(総説); Hudson ,D.,ら,Int J Pept Prot Res(1979)14:177-185(-CH2NH-、-CH2CH2-); Spat ola,A.F.,ら,Life Sci(1986)38:1243-1249(-CH2-S); Hann,M.M.,J Chem Soc Perkin Trans I (1982)307-314(-CH=CH-,シス及びトランス);Almquist,R .G.,ら,J Med Chem(1980)23:1392-1398(-COCH2-);Jennings-White,C.,ら,Te trahedron Lett (1982)23:2533(-COCH2-);Szelke,M.,ら,欧州特許出願 EP 456 65(1982)CA:97:39405(1982)(-CH(OH)CH2-);Holladay,M.W.,ら,Tetrahedron Lett (1983)24:4401-4404(-C(OH)CH2-);及びHruby,V.J.,Life Sci(1982)31:189-1 99(-CH2-S-)。 式(1)の化合物は一般に次のように定義される。 任意に−SH安定化された線形またはシスチン架橋形のいずれかである式(1): A1-A2-A3-A4-A5-C6-A7-C7-A9-A10-A11-A12-C13-A14-C15-A16-(A17-A18) (1)[式中、A1が塩基性アミノ酸であり、 A2およびA3はそれぞれが独立に小型のアミノ酸であり、 A5、A7およびA14はそれぞれが独立に疎水性アミノ酸であり、 A4は塩基性又は小型のアミノ酸であり、 A9、A12及びA16はそれぞれが独立に塩基性、疎水性、中性/極性、又は小型の アミノ酸であり、 A10及びA11はそれぞれが独立に塩基性、中性/極性、疎水性若しくは小型のア ミノ酸であるか、又はプロリンであり、 A17は存在しないか、または存在する場合は、塩基性、中性/極性、疎水性、若 しくは小型のアミノ酸であり、 A18は存在しないか、または存在する場合は、塩基性、疎水性、中性/極性、若 しくは小型のアミノ酸である] で表される、+3以上の電荷を有する化合物またはそのN末端アシル化および/ またはC末端アミド化もしくはエステル化型、または4個のシステインのうちの 少なくとも1個が独立に疎水性アミノ酸または小型のアミノ酸で置換されている 式(1)の修飾型またはそのN末端アシル化および/またはC末端アミド化もしく はエステル化型。 本発明の化合物の好ましい実施態様においては、A1及びA9はそれぞれが独立に 、R、K、及び Harからなる群から選択されるが、より好ましくはA1及びA9の両方 が Rである。 また別の好ましい実施態様においては、A2及びA3はそれぞれが独立に、G、A、 S、及びTからなる群から選択されるが、より好ましくはA2及びA3はGである。 また別の好ましい実施態様においては、A4はR、K、Har、G、A、S、及び Tから なる群から選択されるが、より好ましくはA4は R又はGである。 また別の好ましい実施態様においては、A5、A14及びA16はそれぞれが独立に、 I、V、L、Nle及びF、好ましくはI、V、L及び Fから成る群から選択される。 また別の好ましい実施態様においては、A7及びA12はそれぞれが独立に、I、V 、L、W、Y及び Fからなる群から選択されるが、好ましくはA7が Yであり、A12が I又はF である。 また別の好ましい実施態様においては、A10はR、G又はPである。 また別の好ましい実施態様においては、A11は R又はWである。 A17が存在する場合には、A17は好ましくはG、A、Sまたは Tであり、最も好ま しくは Gである。 A18が存在する場合には、A18は好ましくはR、K又はHarであり、最も好ましく は Rである。 上述のとおり、式(1)の化合物は環状もしくは非環状(線形)であるか、又は1-4 個のシステインが小型のアミノ酸残基又は疎水性残基又は大型の非極性のアミノ 酸残基によって置換されることにより修飾されたものである。線形の式(1)の化 合物を調製する場合、又は線形のそれらの修飾ペプチドが少なくとも2個のシス テインを有するものである場合には、そのスルフヒドリル基を適当な試薬の添加 により安定化させておくことが好ましい。システイン残基と置換する疎水性アミ ノ酸として好ましい実施態様は、I、V、L及びNleであり、好ましくはI、V又は L である。システイン残基と置換する小型のアミノ酸として好ましいのは、G、A、 S及び Tが挙げられるが、最も好ましいのは Gである。大型の極性アミノ酸とし て好ましいのは N及びQである。 さらに別の実施態様においては、本発明のペプチドは式(1)で定義されるが、 各場合においてAnの定義は、本発明の方法を用いた動物の白血球からのペプチド の単離性によって定められる。本発明の方法は、動物白血球溶解物の限外ろ過、 及び16-18アミノ酸からなるペプチドの分離のステップを含んでなる。これらの ペプチドはさらに、それらをコードするDNAの、PG-1、PG-2、PG-3、PG-4およ びPG-5として例示されるペプチドをコードするDNAとストリンジェントな条件 下でハイブリダイズできる能力によって定義しうる。 特に好ましい本発明の化合物は次のとおり。非修飾型 それらの直鎖型、並びに単環及び二環型の両方、さらにN末端アシル化及びC末端 アミド化型を含む;修飾型 それらの直鎖型及び環状型(可能であれば)の両方、さらにN末端アシル化型、C末 端アミド化型を含む。 特に好ましいのは、C8及びC13の間にシスチン結合を持つとともに、C6とC15と がそれぞれ独立に「X」(ここでXとは疎水性、又は小型もしくは大型の極性アミ ノ酸である)に置換されている4個の化合物であって、単一のシスチン結合がC6 とC15との間、又はC8とC13との間に形成されている化合物である。同様にして、 単一のシスチン結合がC8とC13との間にあり、C6とC15とがそれぞれ独立に上記で 定義したXで置換されているものが好ましい。また、4個のシステインの全てが 上記で定義したXと置換されている「スネーク」形の本発明の化合物が好ましい 。本発明のこれら化合物の特に好ましい実施態様は: カイト形−1 カイト形−2 カイト形−3 カイト形−4 カイト形−5 ブレット形−1 ブレット形−2 ブレット形−3 ブレット形−4 ブレット形−5 であり、ここでXとは、上記で定義されたものである。 Xの特に好ましい実施態様としては、Xが小型のアミノ酸、特に S及びA、さら に特にAである。本発明の化合物の調製 本発明の化合物(ここでは「プロテグリン類」と呼ばれる場合もある)は、基 本的にはペプチド骨格を有し、そのN末端又はC末端は修飾されていてもよく、ま た、1個又は2個のシスチンジスルフィド結合を有していてもよい。これらのペ プチドはまず最初に非環状型で合成しうる。その後、これらのペプチドは必要で あれば標準的なシスチン結合形成法を用いて環状型に転化できる。ここではプロ テグリン類に適用されるように、「環状型」とは、ペプチド中のシステイン残基 間にジスルフィド結合を形成することによって環状部分を含むようにした型を意 味する。直鎖型が好ましい場合には、2個以上のシステイン残基を有する本発明 のいかなるペプチドについても、そのスルフヒドリル基を安定化させることが好 ましい。 プロテグリン類の大きさのペプチドを合成する標準的な方法は公知である。現 在最もよく使われているのは固相合成法であり、規則正しくペプチドを構成して いく自動化装置が購入可能である。液相合成も用いうるが、かなり不便である。 これらの標準的な手法で合成した場合には、遺伝子によってコードされていない アミノ酸やD-エナンチオマーを合成に用いることができる。このように、本発明 の化合物を得るための非常に実用的な方法の一つは、これらの標準的化学合成法 を使用することである。 ペプチド骨格の提供に加えて、N末端及び/又はC末端を、従来から用いられて いる化学的手法を用いて誘導化しうる。本発明の化合物はそのアミノ末端にアシ ル基、好ましくはアセチル基を任意に有していてもよい。N末端の未修飾のアミ ノ基のアセチル化法、より一般的にはアシル化法は、当業界で一般に知られてい る。さらに、N末端アミノ酸はこの合成中にアシル化された形で供給されうる。 カルボキシル末端ではカルボキシル基はもちろん塩の形で存在しうる。医薬組 成物の場合には、製剤学的に許容しうる塩である。適当な塩としては、無機イオ ンとの塩、例えばNH4+、Na+、K+、Mg++、Ca++等、並びに有機イオンとの塩、例 えばカフェイン及びその他の高度に置換されたアミン類が挙げられる。また、カ ルボキシル末端は、ROH(Rは上記で定義したヒドロカルビル(hydrocarbyl)(1-6C) である)のアルコールを用いてエステル化することもできる。同様にカルボキシ ル末端をアミド化して-CONH2、-CONHR、又は-CONR2(各Rはそれぞれ独立にここで 定義されたヒドロカルビル(1-6C)である)とすることもできる。エステル化、ア ミド化及び塩基の存在下で中和して塩を形成する手法は全て、標準的な有機化学 的手法である。 本発明のペプチドが生理学的条件下で調製される場合には、塩基性アミノ酸の 側鎖のアミノ基は適当な酸が付加した塩の形となる。 もし必要があれば、ジスルフィド結合の形成は穏和な酸化剤の存在下で行われ る。化学的な酸化剤を用いるか、又は化合物を空気中の酸素に暴露させることに より、これらの結合を形成させることができる。当業界では種々の方法が知られ ている。ジスルフィド結合形成に有用な方法については、Tam,J.P.ら,Synthes is (1979)955-957; Stewart,J.M.ら,"Solid Phase Peptide Synthesis" 第2版 .Pierce Chemical Company,Rockford,IL(1984); Ahmed,A.K.ら,J Biol Che m (1975)250:8477-8482 及び Pennington,M.W.ら,Peptides 1990,E.Giralt ら,ESCOM Leiden,The Netherlands(1991)164-166 に述べられている。さら に別の方法が、Kamber,B.ら,Helv Chim Acta(1980)63:899-915に述べられて いる。固相担体上で行う方法については、Albericio(Int J Pept Protein Res (1985)26:92-97)が述べている。 特に好ましい方法は分子酸素を用いる溶液酸化である。この方法は合成PG-1、 アミド型または酸型のPG-3、エナンチオPG-1および2つのユニスルフィドPG-1化 合物(C6-C15およびC8-C13)を再度折り返すためにここで本発明者らにより採用 された。回収率は30% もある。 ペプチドバックボーンが完全に遺伝子コード化アミノ酸から構成される場合、 またはその部分がそのような構成である場合は、ペプチドまたは関連部分を組換 えDNA法を用いて合成することもできる。本発明のペプチドをコードするDN Aそれ自体は市販の装置を使って合成し得る。コドンの選択は宿主の性質に応じ て合成に組み込むことができる。また、あまり好都合とはいえないが、このDN Aは、少なくとも初期には、ここに記載するプロテグリンの配列に基づくプロー ブまたはPCRプライマーを用いてブタ白血球から作製されたcDNAライブラ リーをスクリーニングすることにより得ることができる。これにより、天然に存 在する本発明のプロテグリンをコードする配列が回収される。この天然配列の取 得はプロテグリン自体の合成以外の目的には意義のあることである。天然に存在 する配列の入手可能性は、他の種のプロテグリンをコードする対応DNAを得る のに有用なプローブを提供する。かくして、例えば他の動物由来の白血球のcD NAライブラリーを、好ましくは高ストリンジェントな条件下で、天然DNAを 用いてスクリーニングすることができる。高ストリンジェントな条件は、Maniat isら,Molecular Cloning: a Laboratory Manual,2nd Ed,Cold Spring Harbor Laboratory Press(1988)で定義されているとおりであり、その関連部分を参考 としてここに組み入れる。この手法は同一の種からのこれらのペプチドの対立遺 伝子変異体の回収をも可能にする。 また、ブタ・プロテグリンの単離に関してここに開示したものと同じ手法を用 いて、所望の動物種の白血球から単離することによりプロテグリンを調製するこ とができる。一般に、こうした手法は、白血球の溶解物を調製し、澄明化した溶 解物の上清を限外濾過し、限外濾過物を回収することを含む。その後限外濾過物 をクロマトグラフィーによる分離にかける。プロテグリンに対応する抗菌および 抗ウイルス活性を有するフラグメントの位置を分子量基準を用いて評価し、ここ に記載するごとくその画分の所望の活性をアッセイする。これらのペプチドの天 然型は環形であると考えられるが、所望により、ペプチドを還元剤で処理し、生 じたスルフヒドリル基を安定化することにより線形をつくることができる。 単離されたプロテグリンおよび組換え的に生産されたプロテグリンは、N末端 および/またはC末端を修飾するために、また、単離法に応じて、上記のシスチ ン結合の形成を行うために、後続の誘導体化を必要とすることがある。組換え生 産に用いた宿主生物およびそのタンパク質が単離された動物源に応じて、これら の変換の一部または全部はすでに達成されているかもしれない。 組換え生産のために、本発明のプロテグリンをコードするDNAは、意図する 宿主細胞と適合する適当なプロモーターおよび他の調節配列の制御下にこれらの コード配列を位置づける発現系に挿入される。利用可能な宿主細胞の型は植物界 と動物界のほぼ全範囲にわたる。したがって、本発明のプロテグリンは動物細胞 、昆虫細胞、植物細胞だけでなく細菌または酵母(プロテグリンが無毒性または 屈折性の形で生産されるか、耐性株を利用する場合)でも生産され得るだろう。 実際、改変された植物細胞を用いて、関連する発現系を含有する植物を再生する ことができ、こうして得られるトランスジェニック植物はこれらの感染性の物質 に対する自己防衛能をもっている。 本発明のプロテグリンは、プロテグリンをコードするDNAを、適当なシグナ ルペプチドをコードするDNAに融合させることにより宿主細胞から分泌される 形で生産させることができ、細胞内に生産させることもできる。また、別のアミ ノ酸配列との融合タンパク質としてそれらを生産させることもでき、別のアミノ 酸配列はその後、これらの化合物を抗菌剤または抗ウイルス剤として使用する前 に除去する必要があるかもしれないし、ないかもしれない。 こうして、本発明のプロテグリンは、化学合成、組換え生産、天然源からの単 離、またはこれらの技法のいくつかの組合せを含めて、種々の方法で得ることが できる。 天然に存在するプロテグリンクラスのこれらのメンバーは精製および単離され た形で供給される。「精製および単離された」とは、(天然に存在するペプチド の場合には)そのペプチドが通常存在する環境を含まず、それが実際に使用され る形態であることを意味する。したがって、「精製および単離された」形態とは 、 そのペプチドが実質的に純粋であること、すなわち、90% を越える純度、好まし くは95% を越える純度、より好ましくは99% を越える純度であること、または薬 学的製剤の状況のような全く異なる状況にあることを意味する。抗体 本発明のプロテグリンに対する抗体は、ポリクローナル抗血清を生産するため の標準的な免疫学的手法を用いるか、所望により、モノクローナル抗体の供給源 としての免疫宿主の抗体産生細胞を不死化することにより調製することができる 。対象物質に対する抗体を得る技術は公知である。特に、本発明と同様にその物 質が短鎖ペプチドである場合には、そのハプテンを担体に結合させることで物質 の免疫原性を高める必要があるかもしれない。この目的に適した担体は、それ自 体がハプテン−担体結合体を投与される哺乳動物において免疫応答を引き出さな い物質である。慣用の担体としては、キーホールリンペットヘモシアニン(KL H)、ジフテリア毒素、血清アルブミン、ロタウイルスVP6のウイルスコート タンパク質などがある。ハプテンと担体との結合は、ジシクロヘキシルカルボジ イミドのような脱水剤の存在下で、またはPierce Chemical Company(Chicago,I L)から入手できるようなリンカーの使用により、担体とペプチドとを接触させる といった標準的手法により行われる。 その後、免疫原性がある形態の本発明のプロテグリンを適当な哺乳動物宿主に 注入し、血清中の抗体価をモニターする。しかしながら、いくつかの形態のプロ テグリンは抗原プロセシングに対するその抵抗性のために抗体誘導に先立って修 飾を必要とすることに注意すべきである。例えば、2つのシスチン橋を含む天然 型のPG-1は、より大きな担体に結合させずに投与するときは免疫原性がなく、強 力なアジュバントの存在下でさえ、そしてグルタルアルデヒドを介してまたはK LHに結合させたときでさえ、その免疫原性は低かった。これは幾つかのマクロ ファージカテプシンに似ているアスパラギン酸プロテアーゼ(ペプシン)による 攻撃に対するその抵抗性と、白血球のセリンプロテアーゼ(ヒトPMNエラスタ ーゼおよびカテプシンG)による攻撃に対するその抵抗性による、と考えられる 。それゆえ、免疫原性の欠如は抗原提示細胞の抗原提示ポケットにはまり込める 線 形へのプロセシングに抵抗することから生ずる可能性がある。これらの形のプロ テグリンの免疫原性はジスルフィド結合を開裂することで増強することができる 。 ポリクローナル抗血清は抗体価が十分に高いときに収穫することができる。あ るいはまた、脾細胞や末梢血リンパ球といった宿主の抗体産生細胞を収穫して不 死化してもよい。次に、不死化した細胞を個々のコロニーとしてクローニングし 、所望のモノクローナル抗体の産生に関してスクリーニングする。 本発明の抗体は、もちろん、プロテグリンの量または存在を測定するためのイ ムノアッセイに有用である。こうしたアッセイは本発明のプロテグリンを含有す る組成物の品質管理生産では不可欠である。さらに、プロテグリンの組換え生産 の有効性を評価したり、プロテグリンをコードする遺伝子の存在に関して発現ラ イブラリーをスクリーニングするにも抗体を用いることができる。プロテグリンを含有する組成物および使用方法 本発明のプロテグリンは、グラム陽性およびグラム陰性細菌、酵母、原生動物 、いくつかのウイルス株を含めて、広範囲の微生物およびウイルス標的を不活性 化するのに有効である。したがって、それらは殺菌組成物中で、または食品、化 粧品、医薬品などの物質、もしくは生物の栄養素を含有する他の物質の防腐剤と して使用することができる。こうした状況下で使用するために、プロテグリンは 単一のプロテグリンとして、数種類の他のプロテグリンとの混合物として、また は別の抗菌剤との混合物として供給される。一般的に、これらは防腐的であるの で、通常は比較的少量で、組成物全体の重量基準で5%未満、より好ましくは1%未 満、さらにより好ましくは0.1%未満の量で存在する。 本発明のペプチドはまた、抗微生物アッセイおよびリポ多糖類などの内毒素に 結合する試験化合物の能力を測定するためのアッセイにおいて標準品として有用 である。 動物被験者の治療のために抗微生物剤または抗ウイルス剤として使用する場合 は、本発明のプロテグリンを医薬組成物または獣医学的組成物として製剤化する ことができる。治療すべき被験者、投与様式、希望する処置のタイプ(例えば予 防、治療)に応じて、プロテグリンはこれらのパラメーターと調和するやり方で 製剤化される。このような技術の概要は、Remington's Pharmaceutical Science s, 最新版,Mack Publishing Co.,Easton,PA に載っている。 プロテグリンはとりわけ、クラミジア・トラコーマチス(Chlamydia trachoma tis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、ナイセリア・ゴノロエア(Nei sseria gonorrhoeae)、トリコモナス・バギナリス(Trichomonas vaginalis)、 単純ヘルペスタイプ2およびHIVにより引き起こされるものを含めて、性的感 染症の治療において有用な医薬組成物の有効成分として魅力的である。局所製剤 が好適であり、これにはクリーム、軟膏、オイル、粉末、ゲルなどが含まれる。 適当な局所用賦形剤は当技術分野で公知であり、当業者により特定の使用のため に適応させることができる。 一般に、STDの治療または予防に使用するために、本発明のプロテグリンは 単独でまたは他の抗生物質と組み合わせて、例えばエリスロマイシン、テトラサ イクリン、マクロライド系(例:アジスロマイシン)およびセファロスポリン類 と組み合わせて用いられる。投与様式に応じて、プロテグリンは患部への容易な 投与を可能にする適当な組成物へと製剤化されるだろう。プロテグリンは1個ま たは2個のジスルフィド橋を含む形で用いてもよいし、線形であってもよい。さ らに、すべてのD−アミノ酸を含有する鏡像体の使用は、トリプシンやキモトリ プシン(L−アミノ酸を含むプロテグリンはこれらのプロテアーゼに対する抵抗 性が低い)などのプロテアーゼに対する抵抗性といった利点を付与するかもしれ ない。 本発明のプロテグリンは単独で、数種類のプロテグリン類の混合物として、ま たは他の薬学的に活性な成分と組み合わせて投与することができる。こうした製 剤は全身投与または局所投与に適した様式で調製される。全身製剤は注射(例え ば、筋肉内、静脈内、皮下注射)用に設計されたものを含み、また、経皮、経粘 膜または経口投与用に調製することもできる。これらの製剤は一般に希釈剤だけ でなく、いくつかの場合には、アジュバント、バッファー、防腐剤などを含むだ ろう。プロテグリンはまたリポソーム組成物中に保持させて、またはマイクロエ マルジョンとして投与することもできる。 経口的に投与する場合、本発明のプロテグリンは適当な腸溶コーティングを用 いて胃の中での分解から保護しなければならない。これはD−アミノ酸を利用し てプロテアーゼに対する抵抗性を与えることにより、ある程度は避けられるかも しれない。しかし、ペプチドは胃の酸性状態のために依然加水分解を受けやすく 、それゆえ、ある程度の腸溶コーティングがまだ必要になるかもしれない。 以下の実施例に記載するように、本発明のペプチドは、眼のケア製品中で常用 されるホウ酸溶液中で微生物に対するその活性を保持している。また、ホウ酸緩 衝生理食塩水中でリゾチームの存在下または不在下に大腸菌に対する抗菌活性を 試験したとき、リゾチームの存在はPG-3の有効性を高めることがわかった。この 効果はPG-3をオートクレーブ滅菌したときさらに顕著で、同様のパターンが遊離 酸型とアミドの両方において得られた。したがって、プロテグリンはこのような 組成物中で防腐剤として、または眼の感染症治療用の抗菌剤として使用すること ができる。 プロテグリンが比較的高濃度の食塩水および血清の存在を含めた生理的条件下 でその活性を保持するということは特に重要である。加えて、プロテグリンは高 等生物の細胞に対して細胞毒性を示さない。実施例で後述されるこれらの性質に より、プロテグリンはin vivo および治療的使用に特に適している。 本発明のプロテグリンは植物のウイルスまたは微生物により引き起こされる病 気を予防するために、植物またはそれらの環境に適用することもできる。この用 途に適した組成物は一般に希釈剤だけでなく展着剤や、植物またはその環境に有 益な他の補助剤を含むだろう。 こうして、本発明のプロテグリンは抗微生物および/または抗ウイルス作用が 必要とされるあらゆる状況下で使用することができる。この使用は完全にin vit ro使用であってもよく、また、ペプチドを生物に投与してもよい。 さらに、抗微生物または抗ウイルス活性は、本発明のプロテグリンの生産に適 した発現系を投与することによりin situ で引き出すこともできる。こうした発 現系は公知の技法を使って植物および動物被験者に供給することができる。例え ば、動物では、poxベースの発現ベクターを用いてペプチドをin situ で生産さ せることができる。同様に、植物細胞を発現ベクターで形質転換した後、その細 胞をペプチド産生能をもつ植物体へと復元することができる。 プロテグリンの特に有用な性質は血清の存在下でのその活性である。デフェン シンと違って、プロテグリンは血清の存在下でその抗微生物作用を発揮すること ができる。 以下に示すように、プロテグリンは標準的なアッセイにおいてグラム陰性細菌 由来の内毒素、すなわちリポ多糖類(LPS)を不活性化することができる。し たがって、LPSの不活性化が望まれるどのような環境でもプロテグリンを使用 できる。一つのこのような事態はグラム陰性敗血症の治療または改善である。 かくして、本発明のプロテグリンは次の性質のために特に有用なクラスの化合 物を提供する。 1)プロテグリンはウイルス(レトロウイルスを含む)、細菌、真菌、酵母、 原生動物を含めて、広範囲の標的微生物系に対して抗微生物効果を有する。 2)プロテグリンの抗微生物活性は生理的条件下で、すなわち生理的食塩水お よび血清の存在下で有効である。 3)プロテグリンは高等生物の細胞に対して毒性でない。 4)プロテグリンは免疫原性のない形態で調製することができ、したがって、 それらを投与し得る生物種の数が広がる。 5)プロテグリンは幾つかのプロテアーゼに抵抗性を示す形態で調製すること ができ、リソソーム中でさえ抗微生物活性を示すことが示唆される。 6)プロテグリンはオートクレーブ滅菌の際の分解に抵抗する形態で調製する ことができ、したがって、医薬品の成分としてのその調製が簡便になる。 以下の実施例は本発明を例示するためのものであって、本発明を制限するもの ではない。 実施例1 PG-1 、PG-2およびPG-3の単離 新鮮なブタ血液を、抗凝血物質としてpH7.4の通常の生理食塩水に 5%EDTA を 加えたものを入れた(33ml/リットル血液)15リットルの容器に集めた。血球を室 温で90分間沈降させ、白血球の豊富な上清を取り出し、200×gで5.7 分間遠心分 離した。ペレットを集めて、0.84%塩化アンモニウムに懸濁させることにより赤 血球を溶解し、その結果得られた白血球(70-75% PMN、5-10% 好酸球、15-25%リ ンパ球および単球)を通常の生理食塩水で洗浄し、氷冷した 10%酢酸に108/mlの 濃度で再懸濁し、ホモジナイズして、4℃で一晩撹拌した。該調製物を4℃にお いて、25,000×gで3時間遠心分離して、上清を凍結乾燥して重さを量った。 BCA分析によって520mgのタンパク質を含むことが分かっている950mg(乾燥重量 )の凍結乾燥した抽出物を、100mlの 10%酢酸中で4℃において一晩撹拌した後、 25,000×gで2時間遠心分離した。上清を取り出し、これをYM-5フィルターを入 れた50ml の撹拌した超遠心セル(Amicon,Danvers,MA)に加圧しながら通した。 限外ろ過物(BCAによれば24.5mgのタンパク質)を真空遠心(SpeedVac Concentrato r,Savant Instruments,Hicksville,NY)により3ml に濃縮し、2.5×117cm Bio Gel P10カラム(Bio-Rad,Hercules,CA)にかけて、4℃で5%酢酸により溶出し た。 6.6ml を含む画分が得られた。該画分を280nmにおける吸収によりアッセイし 、溶出パターンを図1に示した。 各画分のアリコート(66μl)を真空遠心により乾燥し、6.6μlの0.01%酢酸に再 懸濁した。この濃縮物の5μlのサンプルについて、Lehrer,R.I.et al.,J. I mmunol .Meth. (1991)137:167-173に記載された放射状拡散およびゲル重層技術 を用いて、大腸菌(E.coli)ML-35、リステリア菌(L.monocytogenes)EGD株および カンジダ・アルビカンス(C.albicans)820株に対する抗微生物活性の試験を行っ た。簡単に述べると、すべての生物体に用いられる下層の寒天は、最終的なpHが 6.5で、9mMリン酸ナトリウム/1mMクエン酸ナトリウム緩衝液、1%w/vアガロース および0.30μg/mlトリプティカーゼ大豆ブロス粉末(BBL Cockeysville,MD)を含 むものであった。放射状拡散アッセイにおける活性(ユ ニット)は以下のように測定された。すなわち、10ユニットは、サンプルウエル の周りの直径1mmの透明な区域に相当する。さまざまな画分について得られた活 性を図2に示す。活性は多くの画分に見いだされた。 活性を有する画分について、酸-尿素PAGE(AU-PAGE)およびSDS PAGEによってさ らに試験を行った。これらの分析の結果によって、適当な分子量を有する活性な 抗微生物ペプチドが存在し、画分76-78に濃縮されていることが示された。 次いで、Biogel P10カラムから得られた画分76-78を集めて、1×25cm Vydac 2 18 TP1010カラムを用いて、勾配(緩衝液Aは0.1% TFA、緩衝液Bは0.1%のTFAのア セトニトリル溶液である)により、アセトニトリルの濃度の増加が毎分1%となる ようにしてクロマトグラフィーを行った。280nmおよび225nmにおける吸光度に基 づいて評価された結果を図3に示す。図において、ここに記された三つのペプチ ドに対応するピークに表示をつけた。図にはまた、集められた画分および個々の PG種から構成される出発混合物を含むクーマシーブルーで染色された酸-尿素PAG Eゲルの結果を示す差し込み図も挿入されている。これらは、差し込み図の上にM 、1、2および3と表示してある。この結果、三つの異なるタンパク質の存在が 明瞭に示された。 単離されたタンパク質について、三つの別々の方法を用いたアミノ酸分析、エ ドマン分解、キモトリプシン消化、および高速原子衝撃質量分析を行った。“プ ロテグリン”と名付けられたペプチドは以下に示すようなアミノ酸配列を有して おり、C-末端がアミド化されている。 単離されたペプチドのアミド化された状態は、遊離のカルボキシル型およびカ ルボキシアミド化された型の両方のPG-3を合成することにより証明された。これ らの合成ペプチドを、AU-PAGEおよび逆相HPLCを用いて単離されたPG-3と比較し た。どちらの場合にも、天然の生成物は、合成されたアミド化型と共に移動した 。 また、単離されたプロテグリンにおけるジスルフィド結合の位置についても、 モデルとしてPG-2を用いて研究した。連続的な酵素による消化(キモトリプシン に続いてサーモリシン)を用い、得られたフラグメントをLC-ESI-MSによって直 接分析することにより測定を行った。これらの分析の結果、二つの分子内ジスル フィド結合はC6-C15およびC8-C13であることが示された。これらの位置にジスル フィドが存在するため、プロテグリン分子は、全体の構造がタキプレシンと同様 の逆平行βシートとして存在する傾向がある。 上記の抗微生物タンパク質は、最初の抽出物中においては、対応する粗抽出物 中のウサギデフェンシン、ここにおいてデフェンシンはウサギ顆粒球中の全タン パク質の15%以上を構成しているが、これに比べてはるかに低い濃度で存在して いる。精製のさまざまな段階においてAU-PAGE分析法を行うと、粗抽出物中には ペプチドはわずかに検出されるのみであるのに対して、対応するウサギ顆粒球の 粗抽出物は明らかにデフェンシンの存在を示す。本発明のペプチドは限外ろ過の 過程の後に初めて明瞭に認められる。 上に構造を記載したプロテグリンが、PG-3の4-13位のデカペプチド部位におい て、ウサギデフェンシンNP-3aの残基1-10に対応するデカペプチド部位に相同す る配列を示すので、プロテグリン、および特にPG-3も、デフェンシンNP-3aが持 つ、副腎細胞によるACTH媒介ステロイド合成に競合的に拮抗することができる性 質を有していると思われる。この性質は、“コルチコスタシス”と呼ばれ、プロ テグリンをin vivoで用いたときの抗感染薬としての有効性に影響していると思 われる。 実施例2 抗微生物活性 実施例1に記載されたアガロースゲル中での放射状拡散アッセイを、精製され たプロテグリンの活性を試験するためにも用いた。図4a、4bおよび4cに、三つの 試験生物体に対する結果を上に記したような数量(ユニット)で示す。対照とし てウサギデフェンシン(NP-1)およびヒトデフェンシン(HNP-1)を用いた。 図4aは、PG-1およびPG-3は、大腸菌(E.coli)ML-35Pに対してHNP-1よりも効果 的であり、NP-1と比べてわずかに効果が少ないだけであることを示して いる。PG-1およびPG-3は、図4bに示すように、リステリア菌(LiSteria monocyt ogenes)EGD株に対しても効果があった。図4cには、PG-1およびPG-3はカンジダ・ アルビカンス(Candida albicans)に対しても効果があることが示されている。一 般的に、これらのペプチドは、重さを基準にするとウサギデフェンシンNP-1とほ ぼ同等の効果を有し、HNP-1よりも効果が大きい。すべての場合において、PG-2 もまた試験した三つの生物体に対して効果があったが、他の二つのペプチドに比 べると活性は低かった。 上記の生物体の成長を阻害する活性に加えて、本発明のPG-1は、黄色ブドウ球 菌(Staphylococcus aureus)(図4d参照)および肺炎桿菌(K.pneumoneae)270(図4e) の成長を阻害することが直接示されている。対照として用いたHNP-1は黄色ブド ウ球菌(S.aureus)に対してはより小さい効果しか示さず、肺炎桿菌(K.pneumonea e)に対してはほとんど完全に効果がなかった。 本発明のプロテグリンを他のさまざまな生物体に対しても試験した結果、広い 範囲に渡って活性を示した。下記の実施例9に記載するようなSTDに関連する微 生物の成長またはこれらの微生物による感染の阻害に対する有効性に加えて、プ ロテグリンは上で試験されたものに加えて以下の微生物に対して強い活性を示す :緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、ネズ ミチフス菌(Salmonella tyPhimurium)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus )、ヒストプラスマ・カプスレイタム(Histoplasma capsulatum)、鳥結核菌(Myob acterium avium-intracellulare)、およびヒト結核菌(Mycobacterium tuberculo sis)。プロテグリンはビブリオ・ブルニフィカス(Vibrio vulnificus)に対して は普通の活性しか示さず、コレラ菌(Vibrio cholerae)およびボレリア・ブルグ ドルフェリ(Borrelia burgdorferi)に対しては不活性であった。 実施例3 特定の条件下での活性の保持 本発明の化合物の抗微生物活性を、100μM NaClの条件下および90%ウシ胎児血 清の存在下で、上記のように試験した。図5aおよび5bによれば、PG-1およびPG-3 は、100mM NaClの存在下においても、カンジダ・アルビカンス(C.albic ans)および大腸菌(E.coli)に対してそれぞれ活性を保持することが示される。NP -1もHNP-1もその性質を失っている。図5cによれば、NP-1およびNHP-2は90%ウシ 胎児血清中でカンジダ・アルビカンス(C.albicans)を不活性化する能力を失うが 、PG-3による不活性化は保持されることを示している。 したがって、本発明のプロテグリンは、目のケア用製品への使用に適した等張 溶液及びホウ酸塩溶液を含む有用な生理的条件において、その抗微生物活性を保 持する。 さらに、合成PG-1の大腸菌(E.coli)ML-35(血清感受性)に対する活性について 、pH7.4の10mMのリン酸ナトリウム緩衝液および1:100希釈のトリプティカーゼ大 豆ブロスのみを含む下層ゲル中で、大腸菌(E.coli)のこの株に対して溶菌濃度未 満である2.5%の正常ヒト血清を存在させてまたは存在させずに、試験を行った。 血清の存在下では、最小殺菌濃度はおよそ1.0μg/mlから約0.1μg/mlに減少した 。このタイプの効果は、カテプシンGの線形フラグメントについてもデフェンシ ンHNP-1についても観察されなかった。 同様に、標的生物体としてカンジダ・アルビカンス(C.albicans)を用いる場合 には、下層は10mMリン酸ナトリウムを加えて、10%の正常ヒト血清を加えてまた は加えずに調製した。最小殺真菌濃度は、血清が存在しないときの約1.3μg/ml から血清が存在するときの0.14μg/mlに減少した。この濃度の血清そのものはカ ンジダ・アルビカンス(C.albicans)に効果を及ぼさない。 このように、プロテグリンの活性は、血清の存在により阻害されないばかりか これにより増強される。標的生物体としてリステリア菌(L.monocytogenes)を用 いても同様の結果が得られた。 プロテグリンPG-1 およびPG-3 をpH2.0で0.5μg/mlのペプシンと共に4時間イ ンキュベートした後、中和した。カンジダ・アルビカンス(C.albicans)、大腸菌 (E.coli)およびリステリア菌(L.monocytogenes)に対する残存抗微生物活性を評 価して、該活性が完全に保持されていることを見いだした。同様の実験により、 これらの化合物は、ヒト白血球エラスターゼまたはヒト白血球カテプシンGによ っては、たとえタンパク質分解活性に好適なpH7.0-8.0において高濃度のこれら の酵素にさらされた場合でも、分解されないことが示された。さらに、合成PG- 3アミドおよび合成PG-3酸を高圧滅菌して大腸菌(E.coli)、リステリア菌(L.mono cyogenese)およびカンジダ・アルビカンス(C.albicans)に対する抗微生物活性を 試験したところ、すべての場合において完全な抗微生物活性が保持された。これ らの化合物のプロテアーゼによる分解および高圧滅菌に対する安定性はジスルフ ィド結合により増強されている可能性がある。 実施例4 エンドトキシンに結合する能力 本発明のプロテグリンについて、グラム陰性菌である大腸菌(E.coli)0.5SB5株 のリポ多糖(LPS)に結合する能力を試験した。アッセイは、エンドトキシンに対 するリムルス変形細胞ライゼート(LAL)試験で、被験化合物の存在下および不存 在下で行われた。試験は、Sigma Chemical Company,St.Louis,MOにより出版 され、1992年12月に改訂されたシグマ技術便覧(Sigma Technical Bulletin)No .210に記載された方法を用いて行った。 LAL試験は、カブトガニ(Limulus polyphemus)の循環変形細胞のライゼートか ら調製された市販の試薬E-ToxateTM中で、LPSがゲル化に効果を与える能力に基 づくものである。前記技術便覧に記載されているように、微量のLPSにさらされ ると、該ライゼートは不透明度および粘度を増し、エンドトキシンの濃度に依存 してゲル化する。前記技術便覧には、このメカニズムは哺乳類の血液の凝固と類 似しているように思われ、カルシウムイオンの存在下でのLPSによるトリプシン 様前凝固酵素の活性化の段階と、それに続くタンパク質分解による“コアグロゲ ン”の酵素的修飾が凝固可能なタンパク質を製造するを含むものと推測されるこ とが記載されている。これらの段階は、分子の生物学的に活性な、または“発熱 原性の”部分と関連していると信じられている。解毒されたLPS(またはエンド トキシン)はLAL試験で陰性であることがこれまでに示されている。 被験化合物は最終的な体積0.2ml中に0.25μg-10μg含まれるようなさまざまな 濃度で用い、試験混合物にはLPSを最終濃度が0.05エンドトキシンユニット/mlと なるように、また、E-ToxateTMを同じ濃度となるように加えた。被験化合物をLP Sと共に15分間インキュベートした後、最終的な体積が0.2mlとなるよ うにE-ToxateTMを加えた。次いでこの試験管を37℃で30分間インキュベートし、 ゲルの形成を調べた。 単離された天然プロテグリン(nPG)および合成的に製造したプロテグリン(sPG) の両方について試験を行った。sPGはC-末端にカルボキシル基を有するものまた はアミド化されたC-末端を有するものを製造した。nPGはC-末端がアミド化され ている。また、六つの異なるウサギデフェンシン(NP)および四つの天然ヒトテフ ェンシン(HNP)についても試験を行った。結果を表1に示す。 結果から分かるように、合成のものも天然のものも、またアミド化された型も アミド化されていない型も、すべてのプロテグリンが2.5μg/0.2mlという低濃度 で実質的なゲルの形成を防ぐのに十分な程度にLPSに結合することができる。nPG -1およびnPG-2はさらにもう少し低い濃度でも効果があった。プロテグリンはNP またはHNP被験化合物に比べて実質的に効果が大きかった。これらの対照の中で 最も効果の高かったのはNP-3aで、このペプチドの一次配列はプロテグリンのそ れと最もよく似ているものであった。 続けて行った実験で、LPSの濃度を0.05-0.25エンドトキシンユニット(E.U.)の 範囲で変化させ、合成PG-3アミドを被験化合物として用いた。結果を表2に示す 。 これらの結果によれば、ゲル化の阻害はLPSの濃度を増加することにより克服 できるので、LPSとの相互作用は、ゲル化酵素のカスケードの妨害よりもゲル化 の欠除の原因となっていることが示される。 実施例5 線形化型の活性 nPG-1およびnPG-3を、ジスルフィド結合をスルフヒドリル基に変換させるよう な還元剤を用いて線形型に変換し、次いでヨードアセトアミドによりアルキル化 して安定化した。 環状および線形化されたPG-1およびPG-3の両方について、標準的なLALアッセ イにおいてゲル化を阻害する能力を、実施例4に記載された方法で評価し、その 結果を表3に示した。 これらの結果によれば、プロテグリンの線形化型および環状型は等しくゲル化 を阻害し、エンドトキシンに結合することができることが示される。 線形化型の抗微生物活性についても、天然プロテグリンと比較した。試験され た線形化型と環状型の両方のプロテグリンは、これらのペプチドの抗微生物剤と しての有効性は標的生物体の性質と試験条件に依存するものの、ここでも抗微生 物活性を示した。天然PG-1とその線形化型(cam-PG-1)およびPG-3とその線形化型 (cam-PG-3)の抗微生物活性を、実施例1に記載した方法でLehrer,R.I.et al., J .Immunol.Meth. (1991)137:167-173の記載に従って試験した。結果を図6a- 6fに示す。 図6aおよび6bは、pH6.5の10mMリン酸-クエン酸緩衝液中(図6a)またはこの緩衝 液に 100mM NaCl を加えたものの中(図6b)のいずれかにおける、20μg/ml-125μ g/mlの濃度範囲での、大腸菌(E.coli)ML-35Pに対するこれらのペプチドの抗微生 物活性を示す。どちらのプロテグリンも、この生物体に対して強い抗微生物活性 を示した。線形型は緩衝液のみが存在する場合に環状型よりも少し能力が高かっ た。一方、環状型は等張条件下で線形型よりも能力が高かった。 図6cおよび6dはリステリア菌(L.monocytogenes)に対する抗微生物効果を示す 。図6cでは上記の緩衝液のみを用いたが、プロテグリンの環状型および線形化型 はどちらも強い抗微生物活性を示し、試験された濃度の範囲(20μg/ml-125μg/m l)ではどちらもほぼ等しい効果を示した。 図6dは、同じ濃度範囲についての、この緩衝液に 100mM NaCl を加えたものの 存在下におけるリステリア菌(L.monocytogenes)に対する効果を示す。環状型は 濃度依存性が少し大きくなったが、強い抗微生物活性を保持していた。線形化に より活性は明らかに低下したが、それでも高濃度においては抗菌効果を示した。 酵母カンジダ・アルビカンス(C.albicans)について試験を行い、結果を図6eお よび6fに示した。図6eは、10mM リン酸緩衝液のみの存在下で試験を行った場合 に、これらのプロテグリンのすべての型が上記の濃度範囲において用量に依存し た抗微生物性を示すが、線形化されたペプチドはごくわずかに効果が低いことを 示している。図6fは、緩衝液に 100mM NaCl を加えたものの存在下で行った同じ アッセイの結果を示す。環状型はほぼ同じレベルの抗微生物効果を保持し ていたが、線形化型の活性は著しく減少し、プロテグリンの濃度が100μg/ml以 下では実質的に抗微生物効果はみられなかった。しかし、130/μg/mlというより 高い濃度では中程度の抗微生物効果が観察された。 以上のように、標的となる生物体および用いる条件に応じて、プロテグリンの 環状型および線形化型はどちらも抗微生物活性を有する。 実施例6 眼の治療に適した条件下での抗微生物活性 コンタクトレンズ溶液は、典型的にはホウ酸塩で緩衝された生理食塩水を加え て調合され、EDTAが添加されている場合と添加されていない場合がある。合成PG -3アミドおよび合成PG酸の型のプロテグリンについて、実施例1に記載されたア ッセイ法に従って、すべての下層のゲルにpH7.4の25mMホウ酸緩衝液、1%(v/v)ト リプティカーゼ大豆ブロス(0.3μg/ml TSB粉末)および1%アガロースが加えてあ る状態で試験を行った。添加物としては、100mM NaCl、1mM EDTAまたはこれらを 組み合わせたものを加えた。他の被験化合物として、デフェンシンNP-1およびリ ゾチームをコントロールとして用いた。用量応答曲線を測定した。 表4に、さまざまな被験化合物について概算された最小殺菌濃度をμg/mlで表 したものを示す。 表に示されるように、プロテグリンは、25mMホウ酸緩衝生理食塩水中において は、25mMリン酸緩衝液中に比べていくらか活性が低下するものの、抗微生物活性 は生理食塩水を加えることにより増加し、1mM EDTAによりわずかに増加した。 標的生物体としてカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)を用いて同様の 試験を行い、最小殺真菌濃度を概算した結果を表5に示した。 表6には標的としてリステリア菌(L.monocytogenes)を用いて行った同様の実 験の結果を示す。 以上の結果は、これらの化合物は、眼ケア用製品に好適な条件と典型的に関連 した条件下でその抗微生物効果を発揮できることを示している。 実施例7 cDNAクローンおよび新規プロテグリンをコードするcDNAの回収 cDNAの産生およびPCR増幅 若い Duroc種赤ブタの骨髄細胞からチオシアン酸グアニジンで全RNAを抽出 した。第1ストランドcDNAを合成するため、総反応容積 20μl中、オリゴ(d T)プライマー 20 pmolおよびマロニーマウス白血病ウイルス(M-MLV)逆転写酵 素(Clontech Laboratory,Palo Alto,CA)200 U とともに、全RNA 1μg を使 用した。2つのPCRプライマーを調製した。センスプライマー(5'-GTCGGAATT CATGGAGACCCAGAG(AまたはG)GCCAG-3')は PG-2 および PR-39cDNAの5'領域 に対応し、EcoRI 制限部位を含んでいた。アンチセンスプライマー(5'-GTCGTCT AGA(CまたはG)GTTTCACAAGAATTTATTT-3')は PG-2 および PR-39cDNAのポリ Aテールの直前の3'末端に相補的であり、XbaI 制限部位を含んでいた。50μl 容積中、鋳型として上記のブタcDNA 1/10 容積、プライマー 25 pmolおよび AmpliTaq DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer-Cetus)2.5 単位を使用してPC Rを実施した。1サイクルにつき、変性(94℃)およびアニーリング(60℃)ス テップ1分ならびに伸長ステップ(72℃)2分として、反応を30サイクル実施し た。 cDNAクローニングおよび配列決定 増幅したcDNAを調製用アガロ ース電気泳動によって分画し、臭化エチジウムで染色した。主画分を切り出し、 EcoRI および XbaI エンドヌクレアーゼ(New England Biolabs,Beverly,MA)で 消化し、M13mp18 バクテリオファージベクター中にサブクローン化し、E.coli X L1-Blue MRF'コンピテント細胞(Stratagene,La Jolla,CA)へ形質転換した。キ ット(U.S.Biochemical Corp.,Cleveland,OH)を使用して、DNA配列決定を実 施した。PC-GENE(Intelligenetics,Palo Alto,CA)によって、ヌクレオチドお よびタンパク質配列を分析した。 ノーザンブロット 全RNA 10μgを 50%ホルムアミド中で変性し、0.6 2 Mホルムアルデヒド中 1%アガロースを通して電気泳動し、GeneScreen Plus膜 (DuPont,Boston,MA)上に毛管転移によってブロットした。膜を80℃で2時間乾 熱し、急速ハイブリダイゼーション緩衝液(Amersham,Arlington Height,IL)中 で32P−標識プローブとハイブリダイズした。 各種のプロテグリンをコードする各種のクローンの配列決定の結果を図7に要 約する。プロテグリン PG-1,PG-3,および PG-4 のcDNA配列は、Storici P.ら、Biochem Biophys Res Comm(1993)196:1363-1368によって PG-2 につい てすでに示されているのと同様に、691 塩基を含んでいる。これらのcDNAは 、すべてのプロテグリンについて同一と見られる 110アミノ酸をコードする上流 配列を示している。その他の差異は、事実上極めてわずかであるが、それらを図 7に示す。 分析によると、式(1)のアミノ酸配列を有するプロテグリン PG-4 の存在が示 された。式(1)中、A10は小型アミノ酸であり、そしてA11は疎水性アミノ酸で あり、これらの残基が塩基性である従来知られているプロテグリンと異なってい る。PG-4のアミノ酸配列はしたがって RGGRLCYCRGWICFCVGRG であり、ここでN 末端の第1,2または3アミノ酸は欠失していてもよい。 PG-2および別のカテリン結合ペプチド、PR39(Agerbeth B.ら、Eur J Biochem (1991)202:849-854;Storici P.ら、Biochem Biophys Res Com(1993)186:1058-1 065)の5'末端に対応する上流プライマー、ならびにポリA領域の直前の領域に 適合する下流プライマーを使用して、逆転写されたブタ骨細胞RNAを増幅する ことによって、その他のクローンを得た。生成した約 0.7 kb のPCR産物を M 13mp18中にサブクローン化し、精製および配列決定のために組換えプラークを選 択した。この手法によって、PG-1,PG-3および PG-4 の前駆体のための配列を回 収した。これらのペプチドの全部が、(図7において PG-4 について示す)式(1 )の化合物のA1の上流にアミノ酸配列をさらに含有する前駆体をコードするヌク レオチド配列によってコードされる。 実施例8 PG-1 ,PG-3および PG-5 をコードするゲノムDNAの回収 QIAGEN血液DNAキット(QIAGEN,Chatsworth,CA)によってブタ白血球細胞か ら高分子量のゲノムDNAを精製した。プロテグリン(PG)遺伝子を増幅するた め、鋳型としてゲノムDNAを使用してPCRを実施した。 センスプライマー(5'-GTCGGAATTCATGGAGACCCAGAG(AまたはG)GCCAG-3')は実 施例7の PG cDNAの5'領域に対応し、EcoRI 制限部位を備えていた。アンチ センスプライマー(5'-GTCGTCTAGA(CまたはG)GTTTCACAAGAATTTATTT-3')は PG cDNAのポリ(A)テールの直前の3'末端に相補的であり、XbaI 制限部位を備 えていた。精製ブタゲノムDNA 200 ng、各プライマー 25 pmol、10 mM dN TP 1μl,10XPCR緩衝液(200 mM Tris-HCl,100mM(NH4)2、2 0 mM MgSO4,1% Triton X-100,0.1% BSA)5μl、およびクローン化 Pfu DNAポリメラーゼ(Stratagene,La Jolla,CA)2.5 単位を含有する総容積 50 μl中で反応を実施した。1サイクルにつき、94℃で変性1分、55℃でプライマ ーのアニーリング1分、72℃でプライマーの伸長2分、および72℃で最終の伸長 ステップを10分とする反応を30サイクル実施した。 増幅したPCR産物を EcoRIおよび XbaI で消化し、アガロースゲルから切り 出し、精製し、そしてあらかじめ EcoRIおよび XbaI で消化し精製した pBluesc ript KS+ベクター(Stratagene,La Jolla,CA)中に連結した。Sequenase バージ ョン 2.0キット(United States Biochemical,Cleveland,OH)、pBluescript 汎 用プライマーならびに PG ゲノムおよびcDNA配列に基づく特定のオリゴマー プライマーを使用して、ジデオキシ法によってDNAの両鎖を配列決定した。PC -Gene プログラム(Intelligenetics,Palo Alto,CA)を使用して、DNA配列の コンピューター分析を実施した。 プロテグリンcDNA配列の 403-429ヌクレオチドに相補的なプロテグリン特 異的オリゴヌクレオチドプローブとのハイブリダイゼーションによって、約1.85 kbのPCR産物がプロテグリン関連と確認された。次に、このPCR産物を pB luescriptベクター中にサブクローン化し、組換えプラスミドをDNA精製およ び配列決定した。3つの異なるプロテグリンに関する遺伝子配列は PG-1,PG-3 および PG-5 と同定された。このヌクレオチド配列およびこれから帰結するアミ ノ酸配列を図8に示す。 プロテグリンcDNAおよび遺伝子の比較によって、プロテグリン遺伝子のコ ード領域が3つのイントロンでさえぎられた4つのエキソンからなっていること が明らかになった(図8および図9)。最初のエキソンは、5'非コード領域、な らびに29残基シグナルペプチドおよび最初の37カテリン残基を含む、プロテグリ ンプレプロペプチドの最初の66アミノ酸のコドンを含んでいた。エキソンIIおよ びIII は比較的小さく、それぞれわずかに108 および72 bp であり、ともに次の 60カテリン残基を含んでいた。最後の2つのカテリン残基はエキソンIV上にあり 、プロテグリン配列が続いていた。エキソン−イントロンスプライス部位の配列 を表7に示し、共通規則に適合させる。すべてのイントロンは T/Cに富む 8-12 塩基ストレッチが先導する AG ダブレット上で終了し、一方すべてのイントロン が GT で開始し、主として A/G A/G G配列が続く。 高度に保存されたカテリン領域がエキソンI−IVにおよび、エキソンIVは成熟 プロテグリンペプチドの完全配列を含み、これにアミド化共通配列、3'非翻訳領 域、および推定上のポリアデニル化部位が続いている。3つのイントロンは 152 から596 bp のサイズの範囲である。このプロテグリン遺伝子が他のカテリン様 遺伝子の典型であるならば、カテリン結合ペプチドの第3イントロンは、エキソ ンIV中にコードされた可変抗微生物ペプチドから、高度に保存されたカテリン領 域の最後の2つの残基以外の全部を分離することがわかるであろう。こうした考 え方はプレプロ領域を含むカテリンを特定する最初の3つのエキソンと別種のエ キソンIVの組合せを含む、組換え機構に好都合である。 こうして天然に生起するプロテグリンのファミリーには少なくとも5種が含ま れる。図10はこれまでブタ白血球中に発見された5つのプロテグリンのアミノ酸 配列の比較を示す。1−3,5−9,13および15−16位置に完全な相同性がある。 EMBL/GenBankに対するプロテグリン遺伝子の相同性の探索によって、有意に相 同な遺伝子は何ら同定されなかった。より特定すると、プロテグリンの遺伝子構 造およびヌクレオチド配列は、デフェンシン(骨髄デフェンシン遺伝子では3つ のエキソンが含まれ、また腸デフェンシン遺伝子では2つのエキソンが含まれる )とは非常に異なっていた。予想されたように、この探索によって、ウシ、ブタ およびウサギ白血球のカテリン結合ペプチドに対応するcDNAの大きなファミ リーが得られた。 プロテグリン関連遺伝子をさらに評価するため、EMBL-3 SP6/T7 中の約2.3×1 05クローンのブタゲノムライブラリーを32P−標識プロテグリンcDNAでスク リーニングし、ハイブリダイズした45クローンを同定した。 EMBL-3 SP6/T7 ファージ中のブタ肝臓ゲノムライブラリーをClontech(PaloAl to,CA)より購入した。宿主として E.coli K803株を使用し、ファージプラーク からのDNAをナイロン膜(DuPont,Boston,MA)上に移した。このフィルターを32 P−標識ブタ 691 PG-3 cDNAでハイブリダイズした。フィルターを数 回、最後に60℃で 0.1x SSCおよび 0.1% SDS中で洗浄し、-70℃で増強したスク リーンを有するX線フィルムに露出した。陽性クローンをさらに2ラウンドの低 密度でのプラーク精製に供した。 ハイブリダイズしたクローンから精製したDNAを各種の制限エンドヌクレア ーゼ(New England Biolabs,Beverly,MA)で消化し、0.8%アガロースゲル上で 分画し、GeneScreen Plus 膜(DuPont,Boston,MA)上に移した。ハイブリダイゼ ーションプローブは32Pで標識し、ブタ PG-3 cDNA、ならびにPG- 1,2およ び3 cDNAの nt 403−429に相補的な5'−標識プロテグリン特異的オリゴヌク レオチドを含ませた。cDNAプローブについては、ライブラリースクリーニン グと同様のハイブリダイゼーションおよび洗浄条件を採用した。オリゴヌクレオ チドプローブについては、42℃で 0.1x SSCおよび0.1% SDS中で洗浄した。 陽性クローンがら精製したDNAについて、プロテグリンcDNAおよびプロ テグリンcDNA配列の nt 403−429に相補的なプロテグリン特異的オリゴヌク レオチドとのハイブリダイゼーションによって、サザンブロット分析を実施した 。すべてのクローンが完全cDNAプローブとハイブリダイズしたが、プロテグ リン特異的プローブとはこれらの約半数のみがハイブリダイズした。ブタ白血球 から誘導された別のカテリン結合抗微生物ペプチドである、ブタポルフェニンに 特異的なオリゴヌクレオチドプローブは、いくつかの非プロテグリンクローンと ハイブリダイズした。これらの結果は、a)カテリンに相同な保存されたプロテ グリンは成熟抗微生物ペプチドと同一の遺伝子内に存在し、転写後の現象によっ て添加されたものではないこと、およびb)ブタ中ではプロテグリンはカテリン 関連遺伝子の約半分の割合であること、の確証となった。 PG-5のアミノ酸配列に相当する合成ペプチドを調製し、E.coli、L.monocytoge nes およびC.albicansに対する抗微生物活性について試験した。この結果を合成 によって調製したPG-1 で得られた結果と比較した。この結果を図11a−11cに示 す。この結果の図による説明で示されるように、PG-5は、試験した3つの生物す べてに対して、PG-1に匹敵する抗微生物活性を有している。 実施例9 エナンチオPG-1の調製 標準的な固相技術を使用して、PG-1のアミノ酸配列を有するが全アミノ酸が D体であるプロテグリンを調製した。この形態のプロテグリンをプロテアーゼの 非存在下または存在下で、その他は実施例1に示したアガロースゲル中の放射性 拡散アッセイについて記載されたようにして、E.coli、L.monocytogenes、C.alb icansおよびその他の微生物に対して試験した。結果を図12a-12gに示す。 図12a は、天然 PG-1 およびエナンチオPG-1の両方がプロテアーゼの非存在下 で E.coli の増殖を阻害するのに同等に有効であることを示している。図12b はトリプシンおよびキモトリプシンのいずれもエナンチオPG-1の抗菌効果を阻害 しないことを示している。図12cは、図12dに示されるように、これらのプロテア ーゼが存在しない場合に PG-1 はエナンチオPG-1に匹敵する活性であるのに、こ れらのプロテアーゼの存在下では、天然 PG-1 のL.monocytogenesの増殖を阻害 する能力が逆作用を受けることを示している。 実施例10 STD 病原体に対するプロテグリンの活性 STD 病原体に対する、デフェンシン HNP-1に比較したプロテグリン PG-1 の活 性を表8に要約する。これらの結果において、“活性”はペプチドが 10μg/ml 未満で有効であったことを意味し、“中程度活性”は 10−25μg/ml で活性であ ったことを示し、そして“わずかに活性”は 25−50μg/ml で活性であったこと を意味する。50−200μg/mlで効果が得られなかった場合は、その化合物を不活 性とみなした。 クラミジア・トラコマティス(Chlamvdia trachomatis) STD に関係する他の細菌とは異なって、クラミジアは代謝活性および2分裂の ためには細胞内生息が必要である。そのライフサイクルは以下の通りである。基 本小体(EB)と称される、挙動について多少胞子に類似する代謝的に不活性な粒 子である、細胞外形態がある。EBは宿主細胞に付着し、取り込まれてしばしば“ 封入体”と呼ばれる内部空胞性空間を形成する。細菌はもろい網状体(RB)に再 組織され、これは非感染性であるが代謝的には活性であり、48−72時間でEB状態 に再形成される。このEBはその後細胞から放出される。クラミジアはEB段階にお いて防護のため、ペプチドグリカン層ではなくて、システインに富むタンパク質 中での多重ジスルフィド結合を含んでいる。 Clarke,L.M.によって Clinical Microbiology Procedures Handbook II(1992 ),Isenberg,H.T.Ed.Am.Soc.Microbiol.Washington,D.C.;pp.8.0.1−8.24.3.9. に記載された臨床検体のための“ゴールドスタンダード”クラミジア培養シスデ ムを使用して、クラミジアに対する抗微生物活性について、本発明のプロテグリ ンを試験した。簡単に述べると、宿主として、10%ウシ胎児血清(FBS)を含む シクロヘキシミド EMEM 中の McCoy細胞(マウス細胞系)を使用する。クラミジ アの接種の前に、細胞層を乱さないように維持培地を吸引して、細胞層を標準バ イアル中のカバーグラス上に保持する。その後各バイアルに接種材料 100−300 μL を接種し、20℃で1時間、3500x gで遠心分離する。その後、液体を吸引し 、EMEM1ml を添加する。バイアルにふたをして、37℃で48時間インキュベート する。48時間後、培地を再び吸引し、カバーグラスを PBSで2回洗浄し、EtOH 3 00μL で10分固定する。EtOHを吸引し、バイアルを乾燥させる。その後、染色の ために、PBS1滴とクラミジアの主要な外部膜タンパク質に対する Syva Microtr ak モノクローナル抗体を添加する。37℃で30分インキュベートした後、細胞を 蒸留水で洗浄し、明るいアップルグリーンに染色された細胞質空胞として容易に 認識される封入体について試験する。これらは標準細菌培地上の遊離の生体細菌 の集団の当量を表す。 以下において実施するアッセイで、Kuo,C.C.ら、Nongynococcal Urethritis a nd Related Infections (1977),Taylor-Robinson,D.ら、Ed.Am.Soc.Microbiol.Wa shington,D.C.,pp.322−326 に記載された、C.trachomatis serovar L2(L2/434B u)を使用した。L929マウス繊維芽細胞における音波処理培地からシードを調製し 、遠心分離によって一部精製した。宿主タンパク質はシードアリコートにそ のまま存在するので、各シードバッチを2×10-9まで連続10倍希釈する調製時に 力価測定する。9.2×106IFU/mlを含有するシードを37℃で急速に解凍し、ショ糖 /リン酸塩/グリシンで10-2に希釈し、室温で予備インキュベートした後、約 2 00 IFUを生成させ、バックグラウンド真核タンパク質を希釈する。 最初のアッセイにおいて、試験するペプチドを 0.01%氷酢酸中のストックと して調製した。希釈したクラミジアシード 100μL を 1.5 ml エッペンドルフ管 中に分注し、各管毎に抗生物ペプチド 200μL を添加した。このペプチドストッ ク(および対照)のアリコートをシードとともに室温で1時間、2時間および4 時間インキュベートした。各インキュベート期間の約10分前に、標準接種および 培養の準備として、McCoy バイアルから維持用培地を吸引した。その後、ペプチ ドの存在および不在下で培養を実施した。いくつかの場合、予備インキュベーシ ョンに加えて培養培地にペプチドを最終濃度になるように添加した。試験を顕微 鏡によって評価した。 1添加についてプロテグリン 50μgを使用した結果は劇的だった。ペプチドを 添加しなかった対照培養において、222−460封入体が計数された。クラミジアシ ードを細胞に添加する前に、または前および後の両方でプロテグリンを添加した すべてのプロトコルにおいて、封入体は見つからなかった。タキプレシン(tachy plesin)20μg の添加についても同様の結果が得られた。デフェンシン NP-1 お よび HNP-1 は防護効果に劣っていた。要約すると、試験したプロテグリンはク ラミジアに対する抗微生物性を示す。 次の実験シリーズでは、2時間の予備インキュベーションにして、各種濃度( 1μg,12.5μg,25μg および 50μg)のプロテグリンを使用した。12.5μgの 低濃度で封入体の数が0まで低下した。濃度 1μg においても、封入体の数は約 110から約 30 へ劇的に減少した。 次の実験群においては、血清の存在の影響を試験した。クラミジアシードを 1 0% FBSの存在および不在下で、そしてまたプロテグリン 25μgの存在または不 在下で2時間予備インキュベートした。プロテグリンは血清が存在してもしなく てもどちらも高度に効果があったが、一方対照として使用したデフェンシン HNP -2は血清不在下では適度な効果があったが、血清存在下ではかろうじて効果があ るのみだった。 クラミジアの培養開始後に、すなわち遠心分離および最終培地の混合後で48時 間の培養期間の開始1時間後に、プロテグリン 25μgを添加した以外は、こ の実験を繰り返した。HNP-2 は全く効果がなかったが、プロテグリンは封入体の 数を未処理の対照の約57%に減少させた。最後に、プロテグリン(25μg)をク ラミジアシードに添加して、その後すぐにこの混合物を培養した。予備インキュ ベーションおよび感染後の1時間のギャップをともなわない、このケースでは、 プロテグリンは血清があってもなくても最少限の効果があった。 クラミジアの感染に抗するのに有効な局所用剤については、血清の存在下で作 用しなければならないので、血清の影響は特に重要である。 その外、プロテグリンの有効性を評価するのに使用することができる、クラミ ジア感染についてのいくつかのマウスを基礎とするモデルがある。これらには、 Patton,D.L.ら、Chlamydial Infection(1990)Bowie,W.R.ら、Eds.Cambridge University Press NY pp.223-231;Swenson,C.E.ら、J.Infect.Dis.(1983)pp.11 01-1107、および Barron,A.L.ら、J.Infect.Dis.(1981)143:63-66の記載が含ま れる。淋菌(Neisseria gonorrhoeae) より詳細に、プロデグリンの淋菌を抑制する能力を、Miyasakiら、Antimicrob Agent Chemother (1993)37:2710-2715の方法を改変して試験した。非線毛性透 明変異株 FA19 および F62をグルコースおよび鉄補充物を含有する GCB寒天プレ ート上で 37℃、3.8% v/vCO2下で一晩増殖させた。これらの菌株をこのアッ セイへの適合性に関して選択した。 一晩増殖させたものを寒天プレートから取り出して、補充物および炭酸水素ナ トリウムを含有する GCBブロスに懸濁させて、中間対数期まで 37℃で振盪して 生育させる。培養物を GCBブロス中 1:100に希釈して、約 106CFU/mlとし、連続 希釈物を GCB寒天にまいた。 ペプチドを 0.01% v/v酢酸に溶解して1mg/mlストック溶液を製造し、連続希 釈する。各希釈物 10μlを希釈細菌 90μlを含有する無菌ポリスチレン管に添加 して、試験管を 37℃で45分振盪する。内容物を 1:10 に連続希釈して、GCB寒天 プレートにまき、CO2インキュベーターでインキュベートする。24時間後に CF Uを計数し、殺細菌活性の対数を計算する。 このアッセイにおいて、天然 PG-1 、合成 PG-1 、合成 PG-3 アミドおよびア ミド化無しの合成 PG-3 はすべて CFU/ml が5対数以上の減少を示した。天然 P G-2 (16アミノ酸を含有)は2.6倍の減少を示した。 その他、このアッセイにおいて、エナンチオPG-1、1ジスルフィド PG-1(C6 −C15)、および1スルフィドPG-1(C8−C13)はCFU/ml が5倍の対数減少を 示した。トレポネーマ・パラディウム(Treponema pallidum) 梅毒の発症因子であるこの生物に対する殺細菌活性についても試験した。ペプ チドを未処理の正常ウサギ血清 90μl中 1.758μg から 56.25μg までの一連の 濃度で評価した。血清は、補体源の提供と同時に、インキュベーション中にスピ ロヘータを生存させるための栄養源として作用させた。約 5×107/μlの生物を 含有する T.pallidum の懸濁液 10μl を各試験管に添加し、適当なペプチドと の混合物を34℃で 95%N2および 5%CO2下でインキュベートした。0時、イ ンキュベーションの直前、4時間目および16時間目に、無作為に選択した25生物 の運動性の有無について試験した。スピロヘータの 50%を不動化するのに必要 な濃度を示すために、50%の不動化終了点(IE50)を計算した。PG-1の存在下で は、0および4時間目の IE50はそれぞれ 2.717μg および<1.758μg であった 。タキプレシンの IE50は0および4時間目について 5.231μg および 2.539μg であった。これは、不動化能力をほとんど示さなかった HNPおよび NP 調製物 に対照的である。単純ヘルペスウイルス 2%ウシ胎児血清を加えた最少必須培地(MEM)中で生育させた VERO 細胞中で 調製したウイルスストックを使用して、すべて 3μM アシクロビア感受性のHSV 1 MacIntyre株、臨床 HSV 1単離物の 10 集団、HSV-2G、および臨床 HSV 2単離 物の 10 集団に対する各種のペプチドの効果を試験した。2つの繊維芽細胞系、 ヒト W138 およびウマ CCL57 を標的として使用し、直接のウイルスの中和およ び遅延させたペプチドの添加によって、試験を実施した。 ウイルスを直接中和する場合は、ウイルスを組織培養単層に添加する前に、ペ プチドとともに90分予備インキュベートした。遅延ペプチドを添加する場合は、 ウイルスを添加して50分間標的細胞に吸着させて、その後単層を洗浄してペプチ ドを90分添加した。最後に単層を洗浄してペプチドを除去し、ペプチドを含まな い MEMを細胞に添加して、未処理の感染単層が 4+ の細胞変性効果(CPE)を示 すまで(約60時間)培養した。 両方の場合において抗ウイルス活性が見られたが、遅延ペプチドを添加した方 が活性がよりはっきりしていた。W138および CCL57細胞を用いてウイルスを直接 中和する実験において、PG-1は 50μg/mlおよび 25μg/mlの濃度で HSV-2Gに起 因する CPEを完全に阻害したが、この濃度では HSV-1に対しては何ら防御せずに 、4+ CPEの結果となった。 遅延ペプチドを添加する場合には、PG-1は 35μg/mlおよび 50μg/mlの濃度で HSV-2G による CPEを完全に阻害し、両濃度において臨床 HSV-2集団に対しても 十分防御した。 従って、PG-1は、細胞培養物中にウイルスが侵入してから60分も遅れてこの ペプチドを添加した場合でも、HSV-2 の実験用および臨床株による感染から、ヒ トおよび動物細胞を防御した。トリコモナス・バギナリス(Trichomonas vaginallis) Gorrell,T.E.ら,Carlsberg Res Comm(1984)49:259-268に記載されるよう にトリコモナス・バギナリスC1株(ATCC 30001)を増殖させた。RPMI+1%熱不活 性化ウシ胎児血清中で行った実験では、50μg/mlのPG-1に接触させて数分以内に 、T.バギナリス(それまで激しく運動していた)が動かなくなった。その後すぐ に、この生物はトリパンブルー侵入性となり、さらに15〜30分で溶菌された。予 期されたように、このような生物はその通常の増殖培地(Diamond's 培地)に導 入したとき増殖できなかった。25μg/mlのPG-3に接触させた生物はその運動性を 保持していた。 T.バギナリスの2種類の高メトロニダゾール耐性臨床分離株、MRおよびTV 株を用いた初期の研究から、両株ともC8-C13およびC6- C15ユニジスルフィドお よびエナンチオPG-1を含めたPG-1に対して100 および50μg/mlの濃度で感受性で あることがわかった。 実施例11 抗レトロウイルス活性 Mlles,S.A.ら,Blood(1991)78:3200-3208 に記載される方法を用いて、H IV株に対する抗ウイルス活性に関して合成および天然PG-1と天然PG-2の両方を 試験した。簡単に述べると、米国赤十字社から得られた正常なドナー・ロイコパ ックから、Ficoll-hypaque密度勾配を用いて単核細胞画分を回収した。20% ウシ 胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシンとファンギゾン、および0.5% PHA を含有するRPMI 1640 中に1×106個/mlで単核細胞を懸濁し、5% CO2中37℃で2 4時間インキュベートした。細胞を遠心し、洗浄した後、増殖培地で24時間増殖 させた。 上記のように調製したヒト末梢血単核細胞に、実験室外に適応させたクローン 化HIVJR-CSFおよびHIVJR-FLをエレクトロポレーションで導入した。力価を測定 し、一般には細胞1個あたり約4,000感染単位の感染多重度(MOI)を使用す る(これは上清中の25〜40ピコグラム/ml のHIV p24 抗原に相当する)。 アッセイにおいては、上記のように調製したHIVストックを正確なMOIに 希釈し、PBMを24ウェルプレートに2×106個/mlの濃度で加えた。全量1μl を各ウェルに加える。試験すべきペプチドを増殖培地に加えて所望の最終濃度 を得る。次いで適当な数のMOIを加える。ウイルスの増殖をアッセイするため 、200 μl の上清を3日目と7日目に取り出し、p24抗原の濃度を市販のアッ セイ(Coulter Immunology,Hialeah,Florida)を用いて測定する。対照として、 細胞のみ、細胞プラス5μg/mlのペプチド、ペプチドの不在下でウイルスを含む 細胞、および10-5M〜10-8M のAZTの存在下でウイルスを含む細胞を含有する 各2通りのウェルを使用する。 このアッセイを用いて、天然PG-1および合成PG-1はどちらも1〜5μg/mlの濃 度でHIV感染を完全に阻止することが実証された。IC90は5μg/ml未満であ った。次にペプチドの添加時期を変えてみた。ウイルス添加の2時間前、ウイル ス添加時、または感染の2時間後に予備処理した細胞はこのペプチドの抗ウイル ス活性を示した。しかし、PG-1を感染の24時間後に添加したときには、抗ウイル ス活性が全く見られなかった。 さらに、PG-2も同様の活性を示すが、約1/5の活性レベルである。ヒト・デ フェンシンやウサギ・デフェンシンのような代替抗生物質はこのアッセイでは強 力な活性を欠いていた。実験室外に適応させた分離株であるHIVJR-CSFおよびHIVJR-FL の両方において結果は類似していた(Koyanagi,Y.S.ら,Science(1987)23 6:819-822)。 プロテグリンは他のレトロウイルスに対しても同様の活性を示す。 実施例12 修飾プロテグリン:カイト形およびブレット形の製造 全てのXがアラニンであるPG-1のカイト形およびブレット形を、慣用のFmoc化 学を用いて合成した。粗製の合成ペプチドを還元するにあたり、6 M グアニジン HCl,0.5 Mトリス緩衝液および2 mM EDTA を含有する溶液(pH8.05)中に10mg/m lの濃度で溶解した合成ペプチドに、同重量のジチオトレイトール(DTT)を 加え、窒素下に52℃で2時間インキュベートした。この混合物を0.45μフィルタ ーに通し、1/20(v/v)氷酢酸で酸性となし、C-18カラムを使って慣用の RP-HPLC 精製にかけた。還元し、HPLC精製した合成ブレットおよびカイトPG-1を スピードバック(speed vac)で真空遠心して部分濃縮し、鎖間シスチンジスルフ ィドの形成を最小限にくい止めるため、低濃度(0.1 mg ペプチド/ml)で0.1 M ト リス(pH7.7)中で周囲空気中室温にて24時間かけて折り返し(folding)を行った。 次に、この混合物を濃縮し、HOACで酸性化して最終濃度5%とし、RP-HPLC 精製 にかけた。 最終生成物のブレットおよびカイトPG-1の純度はAU-PAGE 、分析用HPLCおよび FAB-マススペクトルにより証明された。AU-PAGE はそれぞれの場合に最終生成物 の単一バンドを示した。MH+質量の実測値は両方の場合に2093であった。 実施例13 カイト形およびブレット形の抗微生物活性 基層の寒天に最終pH 7.4の 10 mM リン酸ナトリウム緩衝液を含ませた以外 は Lehrer,R.I.ら、J .Immunol Meth(1991)137:167-173に記載されているのと 同様に、実施例 1に記載された放射性拡散アッセイを使用して、実施例12で調製 したカイト形およびブレット形 PG-1 剤の抗微生物活性を試験した。実施例 1に 記載したように、基層寒天に、0.3 mg/ml トリプチカーゼソイ(tripticase soy) ブロスパウダーおよび 1%アガロースを追加使用した。場合によっては、寒天に 、100 mMNaClまたは RPMI+2.5%正常ヒト血清(NHS)を添加した。 最初の測定群において、ブレット形およびカイト形の PG-1 を、L.monocytoge nes、E.faecium(VR)または S.aureus に対する抗微生物活性について、これら の3つの群の条件下で試験した。図13はこの結果を示している。 図示のように、ブレット形およびカイト形は標準アッセイ条件を使用したとき 、これらの3つの細菌に対してほぼ同程度の効果があった。しかし、寒天に 100 mM NaClを添加した場合、これらの条件下で、カイト形は、S.aureus を除い て、3つの株全部に対してわずかに増強された抗微生物活性を示すブレット形よ りもわずかに低い活性を示した。同様に、RPMI+ 2.5% NHS を添加したとき、 ブレット形はやはりカイト形よりも効果があった。E.faecium に対するカイト形 の活性はこれらの条件下では顕著に低かった。 図14に示されるように、これらの PG-1 の形態を E.coli 、K.pneumoniaeおよ び P.aeruginosa に対しても試験した。標準条件下で3つの微生物すべてがカイ ト形およびブレット形の両方によって阻害された。この抗微生物活性は 100 mM NaClおよび RPMI+NHS でも維持された。 実施例14 スネーク形 PG-1 の合成 Synpep Inc.,Dublin,CA による標準方法を使用して、すべてのXがアラニンで あるスネーク形の PG-1 を形成させた。 FAB- 質量分析における MH+値は予想さ れたように 2031.3 であつた。このスネーク形を RP-HPLCによって均質になるま で精製した。 実施例15 スネーク形 PG-1 の抗微生物活性 実施例13においてブレット形およびカイト形 PG-1 について示したものと同一 の6種の生物について同一の条件を使用して、スネーク形 PG-1 を試験した。結 果を図15および16に示す。この場合、対照として、天然 2シスチン形の PG-1( 天然)を使用した。標準条件下で、スネーク形は L.monocytogenes、E.faecium 、および S.aureus については多少優れた活性を示すが、 100 mM NaClまた は RPMI+NHS のいずれかの存在下では天然型よりも著しく効果が低い。図16に 示すように、試験生物が E.coli、K.pneumoniaeおよびP.aeruginosaの場合、同 一のパターンが見られる。 実施例16 プロテグリンの最少阻害濃度 以下の生物に対する各種のプロテグリンの最少阻害濃度(MIC)を測定した: メチシリン耐性 Staphylococcus aureus(MRSA)、Pseudomonas aeruginosa(Ps a)、バンコマイシン耐性 Enterococcus fecium(VREF)、Candida albicans(C andid)および Escherichia coli(E.Co)。結果を表9に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12P 21/02 A61K 37/02 ADZ (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 コクリャコブ,ブラディミール,エヌ. アメリカ合衆国 90036 カリフォルニア 州 ロサンジェルス,カーソン アベニュ ー 435 エス.,アパートメント 3 ディー (72)発明者 ハーウィグ,シルビア,エス.,エル. アメリカ合衆国 91364 カリフォルニア 州 ウッドランド ヒルズ,ウッドランド クレスト ドライブ 21911

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.任意に−SH安定化された線形またはシスチン架橋形のいずれかである式 (1): A1-A2-A3-A4-A5-C6-A7-C8-A9-A10-A11-A12-C13-A14-C15-A16-(A17-A18) (1) 〔式中、A1は塩基性アミノ酸であり、 A2およびA3はそれぞれが独立に小型のアミノ酸であり、 A5、A7およびA14はそれぞれが独立に疎水性アミノ酸であり、 A4は塩基性または小型のアミノ酸であり、 A9、A12およびA16はそれぞれが独立に塩基性、疎水性、中性/極性または小 型のアミノ酸であり、 A10およびA11はそれぞれが独立に塩基性、中性/極性、疎水性もしくは小型 のアミノ酸であるか、またはプロリンであり、 A17は存在しないか、または存在する場合は、塩基性、中性/極性、疎水性 もしくは小型のアミノ酸であり、 A18は存在しないか、または存在する場合は、塩基性、疎水性、中性/極性 もしくは小型のアミノ酸である〕 で表される、精製および単離されたまたは組換え的に生産された、+3以上の 電荷を有する化合物またはそのN末端アシル化および/またはC末端アミド化も しくはエステル化型、または4個のシステインのうちの少なくとも1個が独立に 疎水性アミノ酸または小型のアミノ酸で置換されている式(1)の修飾型または そのN末端アシル化および/またはC末端アミド化もしくはエステル化型。 2.2個のシスチン橋を含有する、請求項1に記載の化合物。 3.C6-C15またはC8-C13であるシスチン橋を1個含有する、請求項1に記載の化 合物。 4.線形である、請求項1に記載の化合物。 5.C末端カルボキシルがCOOHまたはその塩、COOR、CONH2、CONHR および CONR2 よりなる群から選択される式で表され、ここで各R は独立にヒドロカル ビル(1-6C)であり、 および/またはN末端のアミノ基が式 NH2またはNHCOR で表され、ここでR はヒドロカルビル(1-6C)であり、 および/またはA1およびA9のそれぞれが独立にR 、K およびHar よりなる群 から選択され、 および/またはA2およびA3のそれぞれが独立にG 、A 、S およびT よりなる 群から選択され、 および/またはA4がR またはG であり、 および/またはA5、A14およびA16のそれぞれが独立にI 、V 、NLe 、L およ びF よりなる群から選択され、 および/またはA7およびA12のそれぞれが独立にI 、V 、L 、W 、Y およびF よりなる群から選択され、 および/またはA10がR 、G またはP であり、 および/またはA11がR またはW である、 請求項1〜4のいずれか1項に記載の化合物。 6.線形またはシスチン架橋形の次の化合物: およびそれらのアミド化型よりなる群から選択される、請求項1に記載の化合物 。 7.すべてのアミノ酸がD立体配置である、請求項1〜6のいずれか1項に記載 の化合物。 8.請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物のアミノ酸配列を有する抗微生 物ペプチドを産生するための組換え発現系であって、発現を行わせるための調節 配列に機能的に連結された、前記ペプチドをコードするヌクレオチド配列を含ん でなる発現系。 9.請求項8に記載の発現系を含有するように改変された組換え宿主細胞。 10.抗微生物もしくは抗ウイルスペプチドまたはその中間体ペプチドを産生する 方法であって、請求項9に記載の改変された宿主細胞を、前記ペプチドが産生さ れる条件下で培養し、この培養物から前記ペプチドを回収することを含んでなる 方法。 11.前記ペプチドのシスチン結合を行うこと、かつ/または前記ペプチドのN末 端および/またはC末端を修飾することをさらに含む、請求項10に記載の方法。 12.請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を、少なくとも1種の製剤上許 容される賦形剤と共に含有する、抗微生物または抗ウイルス用の医薬組成物。 13.請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物を、少なくとも1種の環境的に 許容される希釈剤と共に含有する、微生物またはウイルス感染に対する抵抗性を 植物に付与するための植物または植物環境に適用される組成物。 14.ウイルスまたは微生物の増殖を阻止する方法であって、ウイルスまたは微生 物の増殖を支持する組成物を、前記増殖を阻止するのに有効な量の請求項1〜7 のいずれか1項に記載の化合物と接触させることを含んでなる方法。 15.グラム陰性細菌の内毒素を不活性化する方法であって、前記内毒素を、該内 毒素を不活性化するのに有効な量の請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物 と接触させることを含んでなる方法。 16.請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物と特異的に反応する抗体。
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