JPH10149872A - ガス燃焼炉 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不必要なプレパ−ジを省略してエネルギ−損
失が少なく利便性の高いガス燃焼炉を提供することを課
題とする。 【解決手段】 ガス供給路を通して供給されたガスとエ
ア供給源からのエアとを混合して燃焼させるガスバ−ナ
と、前記ガスバ−ナに対するガスの供給を遮断する遮断
弁と、点火前に炉内にエアを吹き込んでプレパ−ジを行
うプレパ−ジ手段とを備えたガス燃焼炉において、前記
遮断弁が遮断制御されたときから前記ガスバ−ナが点火
されるまでの経過時間に基づいて炉内のプレパ−ジを行
うか否かを判断するプレパ−ジ制御手段を備えることで
ある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、工業炉、あるいは
ガスボイラ−等のガス燃焼炉に係り、詳しくはプレパ−
ジ制御手段を有するガス燃焼炉に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、工業炉、あるいはガスボイラ−等
のガス燃焼炉に設けられているプレパ−ジ手段は、始動
点火前に炉内容積の４倍以上の空気を炉内に送り込んで
プレパ−ジを行い、炉内の漏洩ガス、残留ガスを排出す
るように構成されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のプレパ−ジ
手段を備えたガス燃焼炉は、炉内のガス濃度に無関係
に、即ち爆発の可能性が無い場合でも、始動点火前に必
ずプレパ−ジが行われていたため、不必要なプレパ−ジ
が行われることが多く、点火時の待ち時間が多くなり、
利便性に欠けるという問題がある。また、プレパ−ジの
ためのエネルギ−損失が多くなる。そこで本発明では、
プレパ−ジを行う必要がある場合のみプレパ−ジを行う
ことにより利便性の高い、エネルギ−損失の少ないガス
燃焼炉を提供することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、ガス
供給路を通して供給されたガスとエア供給源からのエア
とを混合して燃焼させるガスバ−ナと、前記ガスバ−ナ
に対するガスの供給を遮断する遮断弁と、点火前に炉内
にエアを吹き込んでプレパ−ジを行うプレパ−ジ手段と
を備えたガス燃焼炉において、前記遮断弁が遮断制御さ
れたときから前記ガスバ−ナが点火されるまでの経過時
間に基づいて前記プレパ−ジ手段を動作させるか否かを
判断するプレパ−ジ制御手段を備えることである。

【０００５】請求項２の発明は、請求項１のガス燃焼炉
において、前記プレパ−ジ制御手段は、前記経過時間に
応じてプレパ−ジ時間を変えることである。

【０００６】請求項３の発明は、請求項１のガス燃焼炉
において、前記ガス供給路を流れるガスの流量を検知す
る流量センサを設け、前記プレパ−ジ制御手段は前記経
過時間と前記流量センサの最小感度流量との積、及び炉
内容積と所定のガス濃度との積に基づいて炉内のプレパ
−ジを行うか否かを判断することである。

【０００７】請求項４の発明は、請求項３のガス燃焼炉
において、前記プレパ−ジ制御手段は、前記経過時間と
前記流量センサの最小感度流量との積に応じてプレパ−
ジ時間を変えることである。

【０００８】請求項１の発明によれば、遮断弁が遮断制
御されたときからガスバ−ナが点火されるまでの経過時
間が、炉内容積や炉内における安全なガス濃度の条件に
応じて決められた設定時間を超えた場合にプレパ−ジを
行うため、経過時間がその設定時間に満たなければプレ
パ−ジを省略することができる。

【０００９】請求項２の発明によれば、プレパ−ジを行
う場合、経過時間が長い場合にプレパ−ジ時間を長くす
る一方、経過時間が短い場合にはプレパ−ジ時間を短く
するため、より効率的にプレパ−ジを行うことができ
る。

【００１０】請求項３の発明によれば、プレパ−ジ制御
手段は、遮断弁が遮断制御されたときからガスバ−ナが
点火されるまでの経過時間と流量センサの最小感度流量
との積、及び炉内容積と所定のガス濃度との積の大小を
比較し、前者の積の大きさが後者の積より大きい場合、
即ち、流量センサで流量が検知できない最小感度流量以
下の流量でガスが上記経過時間流れて炉内に漏洩し、安
全なガス濃度を超えたと想定することによりプレパージ
を行う。従って、プレパ−ジ制御手段は、上記経過時間
が短く、炉内が安全なガス濃度を超えないと判断した場
合にはプレパ−ジを省略し、上記経過時間が長くなって
炉内が安全なガス濃度を超えたと判断した場合にはプレ
パ−ジを行う。

【００１１】請求項４の発明によれば、プレパ−ジ制御
手段は、プレパ−ジを行うと判断した場合に前記経過時
間と前記流量センサの最小感度流量との積に対応してプ
レパ−ジ時間を変えることができる。

【００１２】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。図１は、本発明の実施
の形態の全体的な構成を示した系統図である。図１に示
すように、ガス燃焼炉１の炉体２にはメインバ−ナ３
と、パイロットバ−ナ４とが設けられている。上記メイ
ンバ−ナ３には、ガス供給源５からのガスが供給される
とともに、エア供給源６からのエアが供給される。ま
た、上記パイロットバ−ナ４にもガスとエアとが供給さ
れる。

【００１３】ガス供給源５に接続されたガス供給管７に
は手動弁８が設けられており、この手動弁８によりガス
供給管７が遮断されたり開放される。従って手動弁８が
開弁されると、前記メインバ−ナ３及びパイロットバ−
ナ４に対して、ガス供給源５からのガスが供給可能にな
る。

【００１４】ガス供給管７の手動弁８の下流側には、ガ
スの流量を検知する流量センサ９が設けられている。そ
して、ガス供給管７は、流量センサ９の下流側で、メイ
ンバ−ナ側ガス供給管１０とパイロットバ−ナ側ガス供
給管１１とに分岐される。上記メインバ−ナ側ガス供給
管１０はメインバ−ナ３に連通され、パイロットバ−ナ
側ガス供給管１１はパイロットバ−ナ４に連通されてい
る。尚、上記流量センサ９は、ガスの流速をフロ−セン
サで測定し、瞬時に流量を推定する瞬時流量計を用い
る。

【００１５】メインバ−ナ側ガス供給管１０には、安全
弁としての電磁弁１２，１３と、流量調整用のガバナ１
４と、手動弁１５とが取り付けられている。また、パイ
ロットバ−ナ側ガス供給管１１には、安全弁としての電
磁弁１６，１７と、流量調整用のガバナ１８と、手動弁
１９とが取り付けられている。

【００１６】上記電磁弁１２，１３、及び電磁弁１６，
１７は、制御回路２０に接続されており、この制御回路
２０により開閉制御される。また、流量センサ９も上記
制御回路２０に接続されており、ガスの流量が検知され
たとき、その検知信号が制御回路２０に出力される。
尚、制御回路２０は、電磁弁１２，１３、及び電磁弁１
６，１７を閉じ制御したときから次に開弁制御して点火
するまでの経過時間を計測する経過時間計測機能を有す
る。

【００１７】ガス燃焼炉１では、始動点火前に、ガス燃
焼炉１の炉体２の内部にエアを送り込んで内部の残留ガ
ス、あるいは漏洩ガスをパ−ジするプレパ−ジが行われ
る。このプレパ−ジは、コンプレッサ等から成る前記エ
ア供給源６を駆動してエアをメインバ−ナ３に圧送し、
メインバ−ナ３から炉体２の内部にエアを送り込むこと
により、内部の残留ガス、漏洩ガスをパ−ジする。

【００１８】次に、前記制御回路２０によるプレパ−ジ
制御について説明する。流量センサ９の最小感度流量を
Ｑ、炉体２の炉内容積をＶ、電磁弁１２，１３，１６，
１７が全て閉じ制御されたときから次に開弁制御して点
火するまでの経過時間をＴ、炉体２の炉内における爆発
下限界濃度の１／５のガス濃度をＣとしたとき、 （１）電磁弁１２，１３，１６，１７が閉じている状態
で、流量センサ９によりガスの流量が検知された場合に
は、ガスが漏洩しているため、ガス漏洩表示をして次の
動作に移らず、点検作業に入る。この機能により、配管
漏れ、あるいは電磁弁１２，１３，１６，１７からの漏
れ等によるガス漏洩を検出することができる。 （２）電磁弁１２，１３，１６，１７が閉じている状態
で、流量センサ９によりガスの流量が検知されない場合
には、以下のようにプレパ−ジを行う。 Ｑ・Ｔ≦Ｖ・Ｃのとき、即ち、流量センサ９の最小
感度流量Ｑと前記経過時間Ｔとの積が、炉内容積Ｖと炉
内２における爆発下限界濃度の１／５のガス濃度Ｃとの
積を超えていない場合は点火しても安全であるため、プ
レパ−ジを行わない。 Ｑ・Ｔ＞Ｖ・Ｃのとき、即ち、流量センサ９の最小
感度流量Ｑと前記経過時間Ｔとの積が、炉内容積Ｖと炉
内２における爆発下限界濃度の１／５のガス濃度Ｃとの
積を超えているときは、そのまま点火すると炉内で爆発
する可能性があるためプレパ−ジを行い、炉内２におけ
るガス濃度が爆発下限界濃度の１／５以下になるように
する。

【００１９】次に、プレパ−ジ時間を以下のように可変
にすることができる。上記のように、流量センサ９の最
小感度流量Ｑと前記経過時間Ｔとの積が、炉内容積Ｖと
炉内２における爆発下限界濃度の１／５のガス濃度Ｃと
の積を超えている場合、前述のプレパ−ジを行うが、そ
のプレパ−ジ時間をＱ・Ｔの値により次のように区分す
ることができる。プレパ−ジ時間をｔ（時間）、プレパ
−ジを行うときのエア供給源６から炉体２の内部に送り
込むエアの風量をＡ（立米／時間）、Ｌ＝Ｑ・Ｔ／Ｖと
すると、ｔ＝−（Ｖ／Ａ）ｌｎ（Ｃ／Ｌ）なる関係があ
る。但し、ｔは炉内２におけるガス濃度が上記Ｃ以下に
なる時間であり、Ｔの単位は（時間）、Ｖの単位は（立
米）、Ｑの単位は（立米／時間）である。一例としてプ
レパ−ジ時間を３区分（Ｃ＝０．０１）とすると、 Ｌ＞０．２２のとき、プレパ−ジ時間をｔとする。 ０．２２≧Ｌ＞０．０５のとき、プレパ−ジ時間を２
ｔ／３とする。 ０．０５≧Ｌ＞０．０１のとき、プレパ−ジ時間をｔ
／３とする。 尚、Ｌが０．０１以下のときはプレパ−ジを行わない。

【００２０】このように、流量センサ９の最小感度流量
Ｑと前記経過時間Ｔとの積を炉内容積Ｖで割算した値に
応じてプレパ−ジ時間を区分することにより、前記経過
時間Ｔが短い場合にはプレパ−ジ時間を短くする。その
ため、必要以上にプレパ−ジ時間を長くすることを避け
ることが出来て、ガス燃焼炉の利便性を増すことができ
る。尚、流量センサ９は、前述のように瞬時流量計を用
いたが、これに限らず、同様の機能を有するものであれ
ばよい。また、プレパ−ジを行うプレパ−ジ手段は、前
述のメインバ−ナ３を介してエアを供給する手段に限定
されない。また、流量センサ９を用いることなく、前記
経過時間に応じてプレパ−ジを行うか否かを判断した
り、前記経過時間に応じてプレパ−ジ時間を可変するこ
ともできる。

【００２１】

【発明の効果】請求項１、請求項３の発明によれば、プ
レパ−ジ制御手段は、遮断弁が閉じたときから次に開弁
して点火するまでの経過時間が短く、炉内が安全なガス
濃度を超えないと判断した場合にはプレパ−ジを省略
し、上記経過時間が長くなって炉内が安全なガス濃度を
超えたと判断した場合にプレパ−ジを行うため、不必要
なプレパ−ジをすることがなくなり、ガス燃焼炉の安全
を確保しつつ利便性を向上させることができる。また請
求項２、請求項４の発明によれば、プレパ−ジ制御手段
は、遮断弁が閉じたときから次に開弁して点火するまで
の経過時間に応じてプレパ−ジ時間を変えることができ
るため、ガス燃焼炉の利便性を、より向上させることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】ガス燃焼炉の全体的な構成を示した系統図であ
る。

【符号の説明】

１ ガス燃焼炉 ２ 炉体 ３ メインバ−ナ ４ パイロットバ−ナ ５ ガス供給源 ６ エア供給源 ９ 流量センサ １２，１３ 電磁弁 １６，１７ 電磁弁 ２０ 制御回路

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガス供給路を通して供給されたガスとエ
   ア供給源からのエアとを混合して燃焼させるガスバ−ナ
   と、前記ガスバ−ナに対するガスの供給を遮断する遮断
   弁と、点火前に炉内にエアを吹き込んでプレパ−ジを行
   うプレパ−ジ手段とを備えたガス燃焼炉において、前記
   遮断弁が遮断制御されたときから前記ガスバ−ナが点火
   されるまでの経過時間に基づいて前記プレパ−ジ手段を
   動作させるか否かを判断するプレパ−ジ制御手段を備え
   たことを特徴とするガス燃焼炉。
2. 【請求項２】 前記プレパ−ジ制御手段は、前記経過時
   間に応じてプレパ−ジ時間を変えることを特徴とする請
   求項１に記載のガス燃焼炉。
3. 【請求項３】 前記ガス供給路を流れるガスの流量を検
   知する流量センサを設け、前記プレパ−ジ制御手段は前
   記経過時間と前記流量センサの最小感度流量との積、及
   び炉内容積と所定のガス濃度との積に基づいて炉内のプ
   レパ−ジを行うか否かを判断することを特徴とする請求
   項１に記載のガス燃焼炉。
4. 【請求項４】 前記プレパ−ジ制御手段は、前記経過時
   間と前記流量センサの最小感度流量との積に応じてプレ
   パ−ジ時間を制御することを特徴とする請求項３に記載
   のガス燃焼炉。