JPH10149658A - ディスクカートリッジ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カバーが開く方式のディスクカートリッジで
あって、繰り返し誤消去防止と記録可能を選択でき、し
かもカバーを開閉操作すると、識別部が変化して切除さ
れ、ディスク状媒体の取り出しが行われたかの検知がで
きる。 【解決手段】 シャッタ４を備えた反対側の上ケース側
面にディスク状媒体１０を取り出しうる取出口１３を形
成し、該取出口１３を開閉するカバー３を上ケース１に
設けると共に、前記上ケース１に摺動自在でかつ回動自
在に設けらえたカバー３に突設した解除突起３４に当接
する識別部材２７を下ケース２に切除可能に連結配備し
てある構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク状媒体、
特に記録再生可能な光ディスク、光磁気ディスクなどを
ケース内に回転可能に収納したディスクカートリッジに
関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に、情報媒体、例えば磁気ディス
ク、光ディスク或いは光磁気ディスクなどのディスク媒
体は、上下ケースに収納されたディスクカートリッジと
して用いられ、ケースに設けたヘッド挿入孔や駆動軸挿
入孔などの開口部を開閉するシャッタを備えることが知
られていて、その内部のディスク状媒体を交換するため
の取り出し機構は設けられていないが、ＣＤ−ＲＯＭな
どに使用されているＣＤキャディと呼ばれるカートリッ
ジでは、ＣＤの取り出しが可能になっている。このＣＤ
キャディはＣＤ−ＲＯＭ再生装置の形態によりＣＤキャ
ディを用いる方式の再生装置に使用する。このように、
記録再生装置により、ディスク状媒体単体で使用する形
態とディスクカートリッジに入った状態で使用する形態
が両方あるディスク状媒体では、必要に応じてディスク
状媒体を取り出して使用する必要がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のディ
スク状媒体の取り出し機構のあるディスクカートリッジ
では、一度カバーを開いてディスク状媒体が取り出され
たことがあるかの検知機構がなかった。一方、ディスク
状媒体がディスクカートリッジから取り出されて単体で
使用する場合、指紋やごみなどの汚れの付着、またディ
スク面の傷が入ることがある。このような単体で使用さ
れたディスク状媒体は、記録時にそれらの原因でエラー
（誤記録、未記録などの状態）となり、データの読み出
しが不可能となってしまい問題である。この問題を解決
するために、記録時にディスクの記録部をベリファイし
てディスクの検査を行い、エラーの有無をチェックして
から記録動作に入ればよいが、ディスクカートリッジか
ら取り出したことのないディスクに記録するときもこの
方式を用いれば、記録時間が２倍以上かかってしまい実
用上不便である。そこで、ディスク状媒体の取り出しが
行われたかを検知する識別部を設けて一度でもカバーが
開けられたらその識別部が初期状態から変化し、２度と
もとに戻らない方式が提案されている。この方式では、
カバーが開けられていなければ、ディスクのベリファイ
を行わないので高速に記録することができ、カバーが開
けられた後は、記録時間はかかるがベリファイを行うの
でエラーの発生のない記録ができる。しかし、従来のデ
ィスクカートリッジでは、使用者がこの識別部をわざわ
ざ操作して状態を変化させ、その後カバーを開けるとい
う煩雑な手順が必要であったり、識別部から切除した部
分がディスクカートリッジのケース内部に入ってしま
い、ディスクを傷つけたり、記録再生装置内に脱落して
故障の原因になったりして操作性の問題や信頼性の問題
があった。本発明は、これら従来の問題を解決しようと
するもので、ディスク状媒体の取り出しが行われたかを
検知する識別部を設けて、一度でもカバーが開けられた
らその識別部が切除され、しかも切除された部分がディ
スクカートリッジの外部に排出されるため、ディスクや
記録再生装置を痛めることなく信頼性が高く取扱い簡便
で、しかも誤操作のないディスクカートリッジを提供す
ることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、内部にディス
ク状媒体を回転可能に収納し、駆動軸挿入孔やヘッド挿
入孔などの開口を有する上下ケースからなるケースと、
前記開口を開閉するシャッタとを備えたディスクカート
リッジにおいて、前記シャッタを備えた反対側のケース
側面にディスク状媒体を取り出しうる取出口を形成し、
該取出口を開閉するカバーを摺動自在でかつ回動自在に
設けると共に、該カバーに突設した解除突起に当接する
識別部材を下ケースに切除可能に連結配備したものであ
る。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の実施形態では、カバーは
シャッタが配置されている側とは反対側の端部近傍の上
ケースに移動及び回転可能に軸支されているので、カバ
ーを開けるには、最初にシャッタとは反対側に平行移動
させる。次に回転させてディスク状媒体取り出し用の開
口を作る。なお、カバーと反対側の下ケースには突起を
設けない平坦面としディスク状媒体の取り出しの時に引
っかかりを防止する。そして、カバーの閉じた状態での
係止は両側に設けたカバーの突起と下ケースに設けた凹
部によって不用意にカバーが開くことを防止している。
このカバーは解除突起が突設れ、該解除突起に当接する
突起のある識別部材を下ケース側に切除可能に備えられ
ているので、カバーの移動時、即ち初めてカバーを開く
動作をした時に解除突起が識別部材の突起を強く押すこ
とになって識別部材は連結部を中心にして曲げられ切り
取られて下ケース外に排出されることとなり、識別部材
のなくなっていることによりディスク状媒体を取り出し
たことが検知できることとなるほか、切除された識別部
材がディスクカートリッジの外部に排出されるためにデ
ィスクや記録再生装置を痛めることなく取扱える。ま
た、駆動軸挿入孔やヘッド挿入孔などの開口を開閉する
シャッタは断面略コ字状であり上下ケースの前端側端部
を跨いで摺動するが、該シャッタに固定されたスライダ
がケース内面のガイド溝でシャッタが閉じた状態から開
いた状態まで摺動の案内をする。シャッタはケースに設
けたガイド部と係合して摺動案内する第１のスライダに
よって摺動案内され、シャッタを閉じる方向に付勢する
バネは前記ケース内部であって前記シャッタの幅方向の
ほぼ両端に移動可能に配置された一対の第２のスライダ
に係合され、第１スライダを挾み込んであるため、バネ
弾性復元力に抗してシャッタの動きがスムーズであっ
て、しかも耐久性があって安全に使用できる。

【０００６】

【実施例】本発明の実施例を図１乃至図５の光ディスク
を収納するディスクカートリッジの例で説明すると、上
ケース１と下ケース２とからなるケースの内部に、両面
または片面記録・再生可能な情報媒体のディスク状媒体
１０を回転自在に収納し、ヘッド挿入孔１１，２１と駆
動軸挿入孔１２，２２などの開口を形成したケースに、
該開口を開閉するためのシャッタ４をケースの外面より
一段低いシャッタ摺動領域５に摺動自在に備えたカート
リッジであって、前記シャッタ４を上板４１と下板４２
と、この両上下板４１，４２を連結する連結板４３とか
ら断面略コ字状に構成し、該シャッタ４に摺動案内用の
第１スライダ６及び第２スライダ７と、シャッタ４の閉
じ方向に付勢する弾性部材のバネ８とを備えたもので、
シャッタ４にケース１，２に設けたガイド部９に係合し
て摺動する第１スライダ６と、ケース１，２に設けたガ
イド部９₁ に係合して摺動し、かつ第１スライダ両端に
バネ８で挾圧保持される一対の第２スライダ７，７とを
備え、第２スライダ７をケース中央部にある開口両端縁
に沿ってケースに設けられたストッパ突壁に接離自在に
圧接定着させシャッタ４を両方向に開閉する構成とした
ものである。

【０００７】前記シャッタ４を備えた反対側のケース側
面にディスク状媒体１０を取り出しうる取出口１３を形
成し、該取出口１３を開閉するカバー３を回動自在に設
けると共に、該カバー３に誤消去防止部材１４を装入す
る収容部１５を設け、この収容部１５に誤消去防止部材
１４を摺動可能に係止してある。

【０００８】前記誤消去防止部材収容部１５としては、
対向するガイド壁１６，１６で区画され、該ガイド壁１
６間の底面に操作用開口１７を設けると共にガイド壁１
６の上部に前記誤消去防止部材の上面を部分的に覆う脱
落防止の鉤状突起１８を対向配備し誤消去防止部材１４
が脱落しないで摺動自在に備えられる。また、前記誤消
去防止部材１４は、その底面に突設された操作片１４₁
と上面に突設された識別表示部１４₂ とを備え操作、識
別しやすくしてある。

【０００９】カバー３はシャッタ４が配置されている側
とは反対側の端部近傍の上ケース１に移動及び回転可能
に軸支されていて、ディスク媒体１０への記録可能、不
可能を選択的に設定するための誤消去防止部材１４は、
カバー３に移動可能に設けられている。なお、誤消去防
止部材１４の移動を案内するガイド壁１６の上部には鉤
状突起１８があって上下を逆にしても誤消去防止部材１
４がカバー３より脱落しない。この鉤状突起１８の上面
は傾斜面とし、しかもガイド壁１６はカバー３の外周壁
やディスクの外周を案内する円弧状壁１９とは連結させ
ないようにしておき、誤消去防止部材１４を組み込む時
にガイド壁１６が外側へ弾性変形しやすいようにしてあ
る。

【００１０】カバー３の支軸３０は上ケース１の両側に
支持され、その支持部はガイド溝３１になっており、カ
バー３の平行移動と回転を可能にしている。初めてカバ
ー３を開ける動作をする際に、カバー３を最初にシャッ
タとは反対側に平行移動させる。次に回転させてディス
ク状媒体取り出し用の開口の取出口１３を作る。なお、
カバー３と反対側の下ケース２には突起を設けない平坦
面とし、ディスク状媒体１０の取り出しの時に引っかか
りを防止する。なお、カバー３の閉じた状態での係止は
両側に設けたカバーの突起３２と下ケース２に設けた凹
部によって不用意にカバー３が開くことを防止してい
る。この係止は用途によって軽く係止を解除する方式で
も良いし、カバー３の両側を強く押して弾性変形させな
がら解除するという方式でもよい。また、本実施例は、
支軸３０を円筒状回転軸とし一部を切欠した平坦面を有
し、該平坦面に嵌合するガイド溝３１に摺動自在に備え
られ、該ガイド溝３１の一端に形成した円形孔３１₁ で
回動自在にカバー３を嵌支してあって、この移動と回転
により、ディスク状媒体を取り出し可能にするカバーを
用いているディスクカートリッジであるが、カバーの開
閉方式は別の方式（ケース１端部を中心とする回転方式
や単なるスライド方式など）のカバーにも適用できる。

【００１１】前記上ケース１に摺動自在でかつ回動自在
に設けらえたカバー３には、突設した解除突起３４があ
り、該突起３４に当接する識別部材２７を下ケース２に
切除可能に連結配備してある。即ち、前記カバー３はデ
ィスク状媒体１０を取り出したり入れたりするために開
閉可能に構成されていて、カバー３と対向する部分の下
ケース２には、カバー３が開けられたかを検知する識別
部材２７がある。この識別部材２７は下ケース２と部分
的に連結して設けられており、内側には突起２９があ
り、また、識別部材２７はその連結部２８から切除可能
になるように連結部２８は板厚を薄くする。例えば、前
記識別部材２７が、周囲をリング状のスリットで分離さ
れ薄肉連結部２８で下ケース２に一体成形されているも
のであって、該連結部２８近傍に前記解除突起３４に当
接する突起２９を立設して備えケース外に切除される構
成としてある。

【００１２】また、前記識別部材２７と対向するカバー
３の内面には、柱状、例えば円弧状リブの解除突起３４
があり、該カバー３が閉じた状態で下ケース２の識別部
材２７の突起２９と隣接した状態にある。さらに、該解
除突起３４は、前記カバー３に形成した誤消去防止部材
収容部１５のガイド壁１６外側に連結配備されるのが識
別検知に便利である。

【００１３】前記カバー３を開ける際には、カバー３が
シャッタ４とは反対方向に移動（スライド）する必要が
あるが、これは、上ケース１のガイド溝３１をケース後
方側でその幅が広くなるように構成し、カバー３の支軸
３０を一部が欠けた円筒形状とすることで、カバー３を
開く時、始めに移動（スライド）し、支軸３０がガイド
溝３１の後方広幅の円形孔３１₁ に達した後、回転でき
るようにすることで実現できる。カバー３の移動時に柱
状解除突起３４は下ケース２の識別部材２７の突起２９
を強く押すことになる。この動作により、識別部材２７
はその連結部２８を中心にして曲げられ、最終的には下
ケース２の外面に切り取られ排出される。従って、使用
者は識別部材２７の操作を行う必要もなくディスク状媒
体１０の取り出しという操作を行えば、自動的に識別部
材２７の状態も変化し、誤使用の心配がない。

【００１４】なお、前記シャッタ４は第１スライダ６に
固定されており、例えば第１スライダ６の凸条のガイド
部９とケース内面のガイド溝でシャッタ４が閉じた状態
から開いた状態まで摺動の案内をする。なお、前記シャ
ッタ４はポリアセタール樹脂などを用いて射出成形して
断面略コの字状に形成してもよい。

【００１５】図中、１４₃ は弾性腕、２３はラベルエリ
ア、２４はシャッタ押え、２５，２６は段差嵌合面縁部
である。

【００１６】

【発明の効果】本発明は、内部にディスク状媒体を回転
可能に収納し、駆動軸挿入孔やヘッド挿入孔などの開口
を有する上下ケースからなるケースと、前記開口を開閉
するシャッタと、前記シャッタを摺動案内するスライダ
と、閉じる方向へ付勢する弾性部材とを備えたディスク
カートリッジにおいて、前記シャッタを備えた反対側の
上ケース側面にディスク状媒体を取り出しうる取出口を
形成し、該取出口を開閉するカバーを摺動自在でかつ回
動自在に設けると共に、該カバーに突設した解除突起に
当接する識別部材を下ケースに切除可能に連結配備した
ことにより、ディスク状媒体の取り出し用のカバーがあ
るディスクカートリッジとして用いられ、ディスク状媒
体の取り出しが行われたかを検知する識別部が一度でも
カバーが開けられたらその識別部が初期状態から変化
し、２度ともとに戻らない検知機構を有するディスクカ
ートリッジとなり、使用者がわざわざ識別部を操作しな
くてもその識別部が変化し、しかも切除された部分がデ
ィスクカートリッジの外部に排出されるため、ディスク
や記録再生装置をいためることなく信頼性が高くしかも
誤操作のないディスクカートリッジを提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す分離状態の斜視図であ
る。

【図２】図１の例の上下ケースの下方向から見た分離状
態の斜視図である。

【図３】本発明で用いられる上ケースの内部を示し、
（ａ）は一部の分離状態の斜視図、（ｂ）はＡ−Ａ線に
おける拡大縦断面図、（ｃ）はＢ−Ｂ線における拡大縦
断面図である。

【図４】図３の例の上ケースとカバーの一部を拡大して
示し、（ａ）はその底面図、（ｂ）はＣ−Ｃ線における
縦断面図、（ｃ）はＤ−Ｄ線における縦断面図、（ｄ）
は表面図である。

【図５】本発明で用いられる識別部材の組立作動状態を
示し、（ａ）は組立時の一部切断斜視図、（ｂ）はカバ
ー移動直前時の縦断面図、（ｃ）はカバー移動状態の縦
断面図、（ｄ）はカバー開放時の状態を示す。

【符号の説明】

１ 上ケース ２ 下ケース ３ カバー ４ シャッタ ５ シャッタ摺動領域 ６ 第１スライダ ７ 第２スライダ ８ バネ ９，９₁ ガイド部 １０ ディスク状媒体 １１，２１ ヘッド挿入孔 １２，２２ 駆動軸挿入孔 １４ 誤消去防止部材 １５ 誤消去防止部材収容部 １６ ガイド壁 １７ 操作用開口 ２７ 識別部材 ２８ 連結部 ２９ 突起 ３０ 支軸 ３１ ガイド溝 ３１₁ 円形孔 ３４ 解除突起

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 克己 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内 (72)発明者 小正路 隆 神奈川県川崎市幸区柳町70番地 株式会社 東芝柳町工場内

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内部にディスク状媒体を回転可能に収納
   し、駆動軸挿入孔やヘッド挿入孔などの開口を有する上
   下ケースからなるケースと、前記開口を開閉するシャッ
   タとを備えたディスクカートリッジにおいて、前記シャ
   ッタを備えた反対側の上ケース側面にディスク状媒体を
   取り出しうる取出口を形成し、該取出口を開閉するカバ
   ーを摺動自在でかつ回動自在に設けると共に、該カバー
   に突設した解除突起に当接する識別部材を下ケースに切
   除可能に連結配備したことを特徴とするディスクカート
   リッジ。
2. 【請求項２】前記シャッタが、シャッタを摺動案内する
   スライダと閉じる方向へ付勢する弾性部材とを備えた請
   求項１記載のディスクカートリッジ。
3. 【請求項３】 前記識別部材が、周囲をリング状のスリ
   ットで分離され薄肉連結部で下ケースに一体成形されて
   いるものであって、該連結部近傍に前記解除突起に当接
   する突起を立設して備え、ケース外に切除される構成と
   した請求項１または２記載のディスクカートリッジ。
4. 【請求項４】 前記解除突起が、円弧状リブであって前
   記カバーに形成した誤消去防止部材収容部のガイド壁外
   側に連結配備されている請求項１，２または３記載のデ
   ィスクカートリッジ。