JPH1014911A - 画像診断装置用寝台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 天板がたわんでも、撮像する面においてつね
に被検体を所定の位置に保持して良好な画像を得る。 【解決手段】 天板１１の背面に歪みゲージ１８を設け
て天板１１の歪み（湾曲度）を検出し、その検出信号を
制御器１７に送って、被検体３０のスキャン面での位置
ずれ量ｄを算出し、その距離ｄだけ、保持台１２が上昇
するよう、制御器１７が昇降用モーター１６を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、Ｘ線ＣＴスキャ
ナやエミッションＣＴ装置などの画像診断装置に用いる
寝台に関する。

【０００２】

【従来の技術】たとえばＸ線ＣＴスキャナでは、被検体
（患者）を寝台の天板に載せて検査を行なう。天板は水
平移動機構によって水平方向に移動させられ、その上に
載せられた患者がガントリのトンネル内に運ばれ、撮像
したい部位がガントリトンネル内のスキャン面に位置さ
せられ、スキャン（撮像）が行われる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
寝台では、患者をガントリトンネル内に挿入するとき、
天板が片持ち支持となるため、画像中心がずれるという
問題がある。天板が支持部において片持ち支持となるこ
とにより、とくに天板の先端側ではたわみ量が大きくな
るので、この先端部分にスキャン位置が設定されるとき
は、被検体の位置が下側にずれ、スキャン面の中心位置
から外れることになり、良好なＣＴ画像が得られない。
また、たわみ量が大きい部位とたわみがほとんどない部
位とでは、画像の上下位置が違ってくるというように、
スライス位置によって画像位置が変化するのも問題であ
る。

【０００４】この発明は、上記に鑑み、天板がたわんで
も、撮像する面においてつねに被検体を所定の位置（上
下方向位置）に保持し、これによって良好な画像が得ら
れるように改善した、画像診断装置用寝台を提供するこ
とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明による画像診断装置用寝台においては、被
検体を載置するための天板と、該天板を水平方向に移動
可能に保持する保持台と、該保持台を上下に昇降させる
昇降装置と、上記保持台に設けられ上記の天板を水平方
向に駆動する駆動装置と、上記天板端部が保持台より突
出したときの端部のたわみを検出する検出器と、該検出
されたたわみに応じて上記昇降装置を制御して保持台の
上下位置を調整する制御器とが備えられることが特徴と
なっている。

【０００６】上記のたわみを検出する検出器は、天板に
設けられた歪みゲージで構成することができる。あるい
は、天板の水平方向位置を検出し、これから天板のたわ
み量を算出する構成でもよい。

【０００７】天板端部が保持台より突出すると、片持ち
支持となるため、その突出した端部がたわんで下側にず
れる。このたわみが検出され、検出信号が制御器に送ら
れる。制御器では、検出信号からスキャン面でどれほど
下側にずれているかが算出され、そのずれ量を補正する
よう昇降装置を制御して保持台を上側に上昇させる。そ
の結果、スキャン面において、たわみによる位置ずれが
補正され、被検体の画像のずれがなくなる。

【０００８】たわみは歪みゲージで検出すれば、たわみ
による上下方向の位置ずれを捉えることができる。天板
の水平方向位置を検出しても、それから天板の保持台か
らの突出量がわかり、それに基づきたわみ量を算出する
ことが可能である。

【０００９】

【発明の実施の形態】つぎに、この発明の実施の形態に
ついて図面を参照しながら詳細に説明する。図１におい
て、寝台１０は、天板１１と、この天板１１を保持する
保持台１２と、この保持台１２を昇降させる昇降装置１
５とからなる。保持台１２は天板１１を水平方向に移動
自在に保持しており、さらに天板駆動装置１３を内蔵し
て、天板１１を水平方向に駆動させる。この天板駆動装
置１３はベルト・プーリ機構やラック・ピニオン機構な
どの種々の機構により構成することが可能である。この
図に示す例では、水平駆動用モーター１４によりベルト
・プーリ機構を介して天板１１を駆動している。

【００１０】昇降装置１５は、この図に示す例では、リ
ンク機構のリンクを昇降用モーター１６によって直線移
動させ（モーターの回転を直線移動に変換する機構とし
てはボルト・ナット方式などの種々の機構を採用でき
る）、これにより保持台１２を上下に移動させている。

【００１１】昇降用モーター１６は制御器１７によって
制御される。天板１１の背面に設けられた歪みゲージ１
８からの検出信号が制御器１７に送られるようになって
おり、この検出信号に基づいて昇降用モーター１６が制
御され、上下の移動量が定められる。

【００１２】ガントリ２０は、この例ではＸ線ＣＴスキ
ャナのガントリであり、中央部にトンネル部２１が設け
られ、このトンネル部２１の周囲をＸ線管２２とＸ線検
出器２３とが回転するようにされている。

【００１３】被検体３０は、寝台１０の天板１１上に載
置され、天板１１が天板駆動装置１３で水平方向に駆動
されることによって、ガントリ２０のトンネル部２１に
挿入される。このとき、天板１１は、保持台１２より突
出することになるので、被検体３０を載置した状態で片
持ち支持となり、その突出した端部がたわむ。このたわ
みにより、スキャン面（Ｘ線管２２からＸ線検出器２３
に入射するＸ線が通る平面）において、被検体３０の位
置が下側にｄだけずれる。このずれ量ｄは３〜４ｍｍ程
度となり、そのずれ量ｄだけ、スキャン面における被検
体３０の下方向への位置ずれｄが生じることになる。

【００１４】そのため、このままＸ線管２２からＸ線を
照射しながら回転スキャンを行なってデータ収集する
と、被検体３０が最適位置にない状態でデータ収集がな
されることになり、良好な画像が得られない。また、天
板１１の保持台１２からの突出量によってたわみ量が変
わるので、被検体３０のスライス位置によって画像の位
置が変化してしまう。そこで、このような不都合を避け
るため、たわみによる位置ずれ量ｄだけ、保持台１２を
上昇させる。

【００１５】この図１では、天板１１の背面に歪みゲー
ジ１８が設けられて、ひずみ（天板１１の湾曲度）が検
出される。その検出信号が制御器１７に送られ、制御器
１７においてスキャン面での位置ずれ量ｄが算出され
る。その求められた位置ずれ量ｄだけ保持台１２が上昇
するよう昇降用モーター１６が制御される。

【００１６】図２は、別の実施の形態を示すものであ
る。この図２では、歪みゲージを用いる代わりに、ポテ
ンショメータ１９で天板１１の水平方向位置を捉えてい
る。水平方向位置が分かれば、天板１１の保持台１２か
らの突出量が分かり、その結果、たわみによるスキャン
面での被検体３０の下側の位置ずれ量ｄを算出すること
ができる。ポテンショメータ１９からの信号が制御器１
７に送られて、制御器１７において、スキャン面での、
被検体３０の、天板１１のたわみによる、下側の位置す
れ量ｄが算出される。そして、この制御器１７は、算出
した位置ずれ量ｄだけ保持台１２が上側に上昇するよ
う、昇降用モーター１６を制御する。

【００１７】なお、この発明は、図１、図２の構成に限
定されるものではない。天板駆動装置１３や昇降装置１
５などの具体的な機構などは種々の機構を採用すること
ができる。

【００１８】

【発明の効果】以上説明したように、この発明による画
像診断装置用寝台によれば、天板がたわんで被検体の位
置が検査面においてずれるようなことがあっても、その
ずれを補正するよう被検体を上昇させるので、被検体は
つねに検査面の中心に配置された状態で撮像されるよう
になり、良好な画像が得られる。その結果、検査面がど
こでも被検体の位置が一定に保持されるので、検査面に
よって画像の位置がずれる不都合も回避される。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態を示すブロック図。

【図２】この発明の他の実施の形態を示すブロック図。

【符号の説明】

１０ 寝台 １１ 天板 １２ 保持台 １３ 天板駆動装置 １４ 水平駆動用モーター １５ 昇降装置 １６ 昇降用モーター １７ 制御器 １８ 歪みゲージ １９ ポテンショメータ ２０ ガントリ ２１ トンネル部 ２２ Ｘ線管 ２３ Ｘ線検出器 ３０ 被検体（患者）

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被検体を載置するための天板と、該天板
   を水平方向に移動可能に保持する保持台と、該保持台を
   上下に昇降させる昇降装置と、上記保持台に設けられ上
   記の天板を水平方向に駆動する駆動装置と、上記天板端
   部が保持台より突出したときの端部のたわみを検出する
   検出器と、該検出されたたわみに応じて上記昇降装置を
   制御して保持台の上下位置を調整する制御器とを備える
   ことを特徴とする画像診断装置用寝台。