JPH10148698A - 高速炉 - Google Patents

高速炉

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JPH10148698A
JPH10148698A JP8306868A JP30686896A JPH10148698A JP H10148698 A JPH10148698 A JP H10148698A JP 8306868 A JP8306868 A JP 8306868A JP 30686896 A JP30686896 A JP 30686896A JP H10148698 A JPH10148698 A JP H10148698A
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JP
Japan
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control rod
core
main body
drive mechanism
fast reactor
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Application number
JP8306868A
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English (en)
Inventor
Toshiyuki Suzuki
木 俊 幸 鈴
Kozo Shiratori
鳥 廣 藏 白
Mineo Sekiguchi
口 峰 生 関
Masahiko Ariyoshi
吉 昌 彦 有
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転プラグを使用することなく燃料交換が可
能であり、原子炉上部の構造を簡素化することができる
高速炉を提供する。 【解決手段】 原子炉容器の上部開口を気密に閉鎖する
上部蓋と、この上部蓋の中央部に形成された燃料交換機
用貫通孔と、上部蓋に形成された複数の制御棒駆動機構
用貫通孔と、複数の制御棒駆動機構用貫通孔に上下動可
能に嵌装された複数の制御棒駆動機構本体と、複数の制
御棒駆動機構本体を昇降させるための制御棒駆動機構本
体昇降装置と、複数の制御棒駆動機構用貫通孔に対応さ
せて上部蓋の上面に立設された複数の外側ハウジング部
材と、を備えている。制御棒駆動機構本体昇降装置によ
って引き上げられた制御棒駆動機構本体は外側ハウジン
グ部材の内部に収納される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速炉に係わり、
特に、炉心上部機構及び制御棒駆動機構を燃料交換時に
引き上げることができる高速炉に関する。
【0002】
【従来の技術】図16は従来の高速増殖炉の概略構成を
示した縦断面図である。図16に示したようにこの従来
の高速増殖炉は、炉心100を内部に収納した有底円筒
状の原子炉容器101を備えており、この原子炉容器1
01の外側には冷却材漏洩事故に備えて有底円筒状の安
全容器(ガードベッセル)102が設けられている。炉
心100の下方には炉心入口プレナム103が設けられ
ており、この炉心入口プレナム103及び炉心100は
原子炉容器101内の底部に設けられた炉心支持体10
4によって支持されている。原子炉全体はその上部外周
に設けられた支持部材(図示せず)を介して原子炉建屋
のキャビティーウォール(図示せず)に支持されてお
り、また、安全容器102は耐震サポート(図示せず)
で支持されている。
【0003】炉心入口プレナム103には冷却材入口配
管105の出口端が接続されており、この冷却材入口配
管105は炉心入口プレナム103から上方に向けて延
設され、冷却材106の通常運転時の液面レベルを超え
て上方に延びている。また、炉心100で加熱された冷
却材106を中間熱交換器(図示せず)へ導くための冷
却材出口配管107が、その入口端が冷却材106の通
常運転時の液面レベルよりも下方に位置するようにして
延設されている。冷却材入口配管105及び冷却材出口
配管107は、それぞれ、原子炉容器101内において
周方向にほぼ等間隔で複数配置されている。
【0004】原子炉容器101の上部開口は上部蓋(ル
ーフデッキ)108で気密に閉鎖されており、この上部
蓋108の下面と冷却材106の液面との間の空間には
アルゴンガス等の不活性ガスが充填されてカバーガス空
間109が形成されている。また、上述した冷却材入口
配管105及び冷却材出口配管107は上部蓋108の
内部を通るようにして延設されており、上部蓋108は
これらの配管105、107の内部を流れる放射化され
た冷却材106からの放射線を遮蔽する機能を備えてい
る。なお、上部蓋108の下面には冷却層(図示せず)
が設置されており、この冷却層に冷却ガスを循環させる
ことによって上部蓋108の過熱を防止するようにして
いる。
【0005】上部蓋108には回転プラグ110が回転
自在に嵌装されており、この回転プラグ110には制御
棒駆動機構(図示せず)及び炉心上部機構111が設け
られている。また、回転プラグ110には燃料交換機
(図示せず)も設けられており、回転プラグ110の回
転によって炉心上部機構111又は燃料交換機を炉心1
00の上方に適宜選択的に配置することができるように
なっている。
【0006】次に、上述した従来の高速増殖炉の作用に
ついて説明する。まず、原子炉通常運転時においては、
冷却材入口配管105を経由して冷却材106が炉心入
口プレナム103内に流入し、炉心入口プレナム103
内に流入した冷却材106はさらに炉心100内を上方
に向かって流れる。炉心100内を流れる冷却材106
は核反応によって発生したエネルギーによって加熱され
た後、冷却材出口配管107を経由して中間熱交換器に
流入する。そして、中間熱交換器に流入した冷却材(一
次冷却材)106は二次冷却材との間で熱交換を行い、
この熱交換によって加熱された二次冷却材は蒸気発生器
(図示せず)の一次側に送られ、この蒸気発生器におい
てタービン駆動用の蒸気が生成される。また、原子炉通
常運転時においては炉心上部機構111が炉心100の
上方に配置されており、制御棒(図示せず)を炉心10
0内に挿脱することによって原子炉の反応度制御が行わ
れる。
【0007】また、燃料交換を行う際には、原子炉を停
止した後に回転プラグ110を回転させ、炉心上部機構
111を移動させて炉心100の上方から退避させると
同時に、燃料交換機を炉心100の上方に移動させる。
そして、燃料交換機のアーム(図示せず)によって炉心
100から使用済燃料を引き抜いて新たな燃料と交換す
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来の
高速増殖炉は、回転プラグ110に炉心上部機構111
及び燃料交換機を設置し、この回転プラグ110を回転
させることによって炉心上部機構111又は燃料交換機
のいずれか一方を炉心100の上方に適宜位置させるよ
うにしているが、この回転プラグ110は放射線遮蔽部
材や断熱構造を含めるとその重量が数百トンにも達する
ため、その製造及び設置作業に多大の労力を要するばか
りでなく、耐震設計上の要求が厳しいものとなってい
る。また、回転プラグ110を回転駆動するためには、
歯車、駆動装置、軸受、回転部気密装置、回転部ケーブ
ル、回転部ケーブル処理装置といった多数の機器設備が
必要となり、原子炉上部が極めて複雑な構造となってい
る。その結果、原子炉の設計、製作、据付、組立、試
験、検査等において多大の労力が必要となる。また、回
転プラグ110を採用した従来の高速増殖炉において
は、複雑且つ大重量の機器設備を設けるために原子炉上
部に大きなスペースを確保する必要があるため、結果と
して原子炉容器101の大型化を招くという問題もあ
る。
【0009】そこで、本発明の目的は、回転プラグを使
用することなく燃料交換が可能であり、原子炉上部の構
造を簡素化することができる高速炉を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明によ
る高速炉は、内部に炉心が収納され、上部が開放した原
子炉容器と、前記原子炉容器の上部開口を気密に閉鎖す
る上部蓋と、前記上部蓋の中央部に形成され、原子炉運
転時には閉鎖されている燃料交換機用貫通孔と、前記上
部蓋に形成された複数の制御棒駆動機構用貫通孔と、前
記複数の制御棒駆動機構用貫通孔に上下動可能に嵌装さ
れた複数の制御棒駆動機構本体と、前記複数の制御棒駆
動機構本体を昇降させるための制御棒駆動機構本体昇降
装置と、前記複数の制御棒駆動機構用貫通孔に対応させ
て前記上部蓋の上面に立設された複数の外側ハウジング
部材と、を備え、前記制御棒駆動機構本体昇降装置によ
って引き上げられた前記制御棒駆動機構本体は前記外側
ハウジング部材の内部に収納されるようにしたことを特
徴とする。
【0011】請求項2記載の発明による高速炉は、炉心
出口温度を計測するために前記炉心の上方に配置された
炉心上部機構と、前記炉心上部機構を昇降させるための
炉心上部機構昇降装置と、をさらに有することを特徴と
する。
【0012】請求項3記載の発明による高速炉は、前記
炉心上部機構はボックス構造よりなる多孔整流装置を有
し、この多孔整流装置の下面に前記炉心の頂部の凹所に
嵌合し得るピンを突設し、原子炉運転時には前記ピンを
前記炉心の頂部の凹所に嵌合し、燃料交換時には前記炉
心上部機構昇降装置によって前記炉心上部機構を引き上
げて前記ピンを前記凹所から引き抜くようにしたことを
特徴とする。
【0013】請求項4記載の発明による高速炉は、前記
炉心上部機構昇降装置は、前記炉心上部機構に下端部が
接続された上下動可能な昇降コラムと、この昇降コラム
を昇降駆動する昇降コラム駆動装置と、を備えたことを
特徴とする。
【0014】請求項5記載の発明による高速炉は、前記
炉心上部機構昇降装置は、前記上部蓋の上面に立設さ
れ、前記昇降コラムが挿入された昇降コラム用スタンド
パイプと、前記昇降コラムの上部に固設されたボールナ
ットと、このボールナットに螺装されたボールネジと、
このボールネジを回転駆動するボールネジ駆動手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0015】請求項6記載の発明による高速炉は、前記
昇降コラムは、外筒部材及び内筒部材によって二重管構
造に形成されており、前記外筒部材と前記内筒部材との
間隙に計装ウェル用ケーブルを通すようにしたことを特
徴とする。
【0016】請求項7記載の発明による高速炉は、前記
制御棒駆動機構本体の上方を覆うようにして設けられ、
前記制御棒駆動機構本体に連結された内側ハウジング部
材をさらに有し、前記制御棒駆動機構本体昇降装置は、
前記内側ハウジング部材に固設されたボールナットと、
前記ボールナットに螺装されたボールネジと、前記ボー
ルネジを回転駆動するボールネジ駆動手段と、を備え、
前記制御棒駆動機構本体昇降装置によって前記内側ハウ
ジング部材と一体に前記制御棒駆動機構本体を昇降駆動
するようにしたことを特徴とする。
【0017】請求項8記載の発明による高速炉は、前記
制御棒駆動機構本体の上端部を他の部分よりもやや大径
に形成し、前記上端部の外面と前記制御棒駆動機構用貫
通孔の孔壁面との間をシールするシール部材を設け、前
記制御棒駆動機構本体昇降装置によって前記制御棒駆動
機構本体を引き上げる際に前記シール部材は前記制御棒
駆動機構本体の前記他の部分の外面と接触しないように
したことを特徴とする。
【0018】請求項9記載の発明による高速炉は、前記
制御棒駆動機構本体昇降装置によって前記制御棒駆動機
構本体を引き上げる際に前記制御棒駆動機構本体の表面
に付着した冷却材を除去するスクレーパ手段を前記シー
ル部材の下方に設けたことを特徴とする。
【0019】請求項10記載の発明による高速炉は、前
記上部蓋の下面に前記制御棒駆動機構本体を包囲するよ
うにして対流防止筒を設け、前記対流防止筒の下端部は
原子炉運転時の冷却材の液面レベルよりも下方に位置す
るようにしたことを特徴とする。
【0020】請求項11記載の発明による高速炉は、前
記上部蓋は、上面中央部に凹部が形成された円盤状部材
よりなり、前記複数の制御棒駆動機構用貫通孔は、前記
上部蓋の中央部に形成されており、前記上部蓋の周縁部
の内部を通るようにして冷却材配管が延設されており、
前記上部蓋は前記冷却材配管の内部を流れる放射化され
た冷却材からの放射線を遮蔽する機能を有することを特
徴とする。
【0021】請求項12記載の発明による高速炉は、前
記上部蓋は、上面周縁部の一部に凸部が形成された円盤
状部材よりなり、前記複数の制御棒駆動機構用貫通孔
は、前記上部蓋の中央部に形成されており、前記上部蓋
の前記凸部の内部を通るようにして冷却材配管が延設さ
れており、前記上部蓋は前記冷却材配管の内部を流れる
放射化された冷却材からの放射線を遮蔽する機能を有す
ることを特徴とする。
【0022】請求項13記載の発明による高速炉は、燃
料交換時に前記燃料交換機用貫通孔を介して前記原子炉
容器内に挿入される燃料交換機をさらに有することを特
徴とする。
【0023】請求項14記載の発明による高速炉は、前
記燃料交換機は、長尺部材よりなる燃料交換機本体と、
この燃料交換機本体に一端が枢着されたアームと、この
アームの他端に枢着されたホールドダウンチューブと、
を備え、前記燃料交換機本体の回転動作及び前記アーム
の揺動動作によって前記ホールドダウンチューブを前記
炉心の上方の任意の位置に配置させることができること
を特徴とする。
【0024】請求項15記載の発明による高速炉は、前
記燃料交換機本体の下端部に設けられ、前記燃料交換機
本体を前記炉心の頂部に載置する際に前記炉心の頂部の
凹所に嵌合される本体キーと、前記ホールドダウンチュ
ーブに加えられた荷重を検出する荷重検出装置と、を備
えたことを特徴とする。
【0025】請求項16記載の発明による高速炉は、前
記燃料交換機本体と前記アームとの枢着部分に、前記ア
ームの揺動動作における回転慣性力を減衰させる減衰手
段を設けたことを特徴とする。
【0026】請求項17記載の発明による高速炉は、前
記原子炉容器の内部に、回転可能な回転ラックを下端部
に有する炉内中継装置を設け、前記回転ラックは、前記
原子炉容器内の炉心槽の内側において前記燃料交換機と
の間で燃料の受け渡しを行うようにしたことを特徴とす
る。
【0027】請求項18記載の発明による高速炉は、前
記炉内中継装置は、前記燃料交換機と炉内中継槽との間
で燃料の受け渡しを行う際に回転退避させることができ
る炉内案内管を有することを特徴とする。
【0028】請求項19記載の発明による高速炉は、前
記原子炉容器の内部の冷却材配管の周囲に設けられたス
リーブと前記冷却材配管との間隙にストリーミング遮蔽
体を設けたことを特徴とする。
【0029】請求項20記載の発明による高速炉は、前
記ストリーミング遮蔽体は割リング構造よりなることを
特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】第1実施形態 以下、本発明による高速炉の第1実施形態について図面
を参照して説明する。なお、本実施形態による高速炉
は、混合酸化物燃料(MOX燃料)等よりなる炉心燃料
の周囲に劣化ウラン等よりなるブランケットが配置され
て炉心が構成された高速増殖炉である。但し、本発明の
適用範囲はこのような高速増殖炉に限定されるものでは
なく、増殖機能を持たない高速炉に適用することもでき
る。
【0031】図1は、本実施形態による高速炉の概略構
成を示した縦断面図であり、燃料交換時における状態を
示している。図1に示したようにこの高速炉は、炉心1
を内部に収納した有底円筒状の原子炉容器2を備えてお
り、この原子炉容器2の外側には冷却材漏洩事故に備え
て有底円筒状の安全容器(ガードベッセル)3が設けら
れている。炉心1の下方には炉心入口プレナム4が設け
られており、この炉心入口プレナム4及び炉心1は原子
炉容器2内の底部に設けられた炉心支持体5によって支
持されている。また、炉心1は原子炉容器2内に設けら
れた炉心槽6内に収納されている。
【0032】原子炉容器2の上部開口は上部蓋(ルーフ
デッキ)7で気密に閉鎖されており、この上部蓋7の下
面8と冷却材9の液面との間の空間にはアルゴンガス等
の不活性ガスが充填され、カバーガス空間10が形成さ
れている。なお、燃料交換時においては冷却材9の温度
が下がるため、冷却材9の燃料交換時の液面レベルFs
Lは原子炉運転時の液面レベルNsLよりも低下してい
る。また、冷却材9としては液体金属(液体ナトリウ
ム)が使用される。
【0033】上部蓋7はその上面中央部には凹部11が
形成された円盤状部材であり、この上部蓋7の中央部に
は複数の制御棒駆動機構用貫通孔12が形成されてい
る。これらの制御棒駆動機構用貫通孔12のそれぞれに
は、制御棒駆動機構13の制御棒駆動機構本体14が上
下動可能に嵌装されている。上部蓋7の中央上面には、
上端が閉鎖された円筒長尺部材よりなる複数の外側ハウ
ジング部材16が、複数の制御棒駆動機構用貫通孔12
に対応するようにして立設されている。
【0034】また、上部蓋7の中心部には燃料交換機用
貫通孔17が形成され、この燃料交換機用貫通孔17に
は燃料交換機用スタンドパイプ29が挿入固定されてお
り、この燃料交換機用スタンドパイプ29を介して原子
炉容器2の内部に燃料交換機18が挿入されている。な
お、この燃料交換機用貫通孔17は、原子炉運転時には
プラグ装置(図示せず)によって閉鎖されている。燃料
交換機18は、長尺部材よりなる燃料交換機本体19
と、この燃料交換機本体19に一端が枢着された複数の
アーム20と、これらのアーム20の他端に枢着された
ホールドダウンチューブ(グリッパガイド)21とを備
えている。燃料交換機本体19の下端部は炉心1の頂部
に載置されており、また、燃料交換機本体19の回転動
作及びアーム20の揺動動作によって、ホールドダウン
チューブ21を炉心1上方の任意の位置に配置させるこ
とができる。
【0035】炉心1の上方には、炉心出口温度を計測す
る機能を有する炉心上部機構22が設けられている。こ
の炉心上部機構22は、図2に示したように、原子炉運
転時における冷却材9の流動を均一化するための多孔整
流装置23を備えており、この多孔整流装置23は、側
面に多数の冷却材流通孔55が形成されたボックス部材
で形成されている。このボックス構造の多孔整流装置2
3には、制御棒駆動軸39をガイドするための複数の円
柱状の制御棒案内管73が設けられている。また、多孔
整流装置23の下面には先端がテーパ状の複数の中実円
柱のピン24が突設されており、炉心上部機構22を原
子炉運転時の位置まで降下させた際に、燃料構成要素
(例えばGEM)53の上端に形成された凹所であるハ
ンドリングヘッド54内にピン24が嵌合される。この
ように複数のピン24を燃料構成要素53のハンドリン
グヘッド54に差し込んでキー結合することによって、
炉心上部機構22の剛性を高めることができ、原子炉運
転中に地震が発生した場合に制御棒を確実に挿入するこ
とができる。
【0036】図1に示したように上部蓋7の中央部には
複数の炉心上部機構昇降装置25が周方向に等間隔で設
けられており、これらの炉心上部機構昇降装置25は上
部蓋7の中央部を貫通して延設されている。炉心上部機
機構昇降装置25は、上部蓋7の中央上面に立設された
昇降コラム用スタンドパイプ26と、この昇降コラム用
スタンドパイプ26内に上下動可能に挿入され、下端部
が炉心上部機構22に接続された昇降コラム27と、こ
の昇降コラム27を上下に昇降駆動する昇降コラム駆動
装置28とを備えている。
【0037】上部蓋7の上面には、制御棒駆動機構13
の外側ハウジング部材16、昇降コラム用スタンドパイ
プ26及び燃料交換機用スタンドパイプ29を水平支持
する支持板30が設けられており、長尺の駆動系に対す
る耐震性を向上させている。
【0038】上部蓋7の周縁部15には炉内中継装置用
貫通孔31が形成されており、この炉内中継装置用貫通
孔31を介して炉内中継装置32が原子炉容器2内に挿
入されている。この炉内中継装置32は、その下部に設
けられた回転可能な炉内案内管33と、この炉内案内管
33の上方に設けられた燃料出入管34とを備えてい
る。そして、燃料交換機18と炉内中継槽74との間で
燃料の受け渡しを行う際には、炉内案内管33を燃料出
入管34の下方位置から回転退避させることができる。
【0039】上部蓋7の周縁部15の内部には、図示を
省略した冷却材入口配管及び冷却材出口配管(図16参
照)が通っており、上部蓋7はこれらの冷却材配管の内
部を流れる放射化された冷却材9からの放射線を遮蔽す
る機能を有している。また、この上部蓋7の遮蔽機能を
確実にするために、上部蓋7の凹部11の側周には遮蔽
体35が設けられている。
【0040】図3は、本実施形態による高速炉の長スト
ローク型の制御棒駆動機構13部分を示した縦断面図で
あり、原子炉運転時における状態を示している。なお、
比較のために図3の右半分には従来の制御棒駆動機構が
示されている。図3に示したように上部蓋7の制御棒駆
動機構用貫通孔12内に制御棒駆動機構13の制御棒駆
動機構本体14が上下動可能に嵌装されている。制御棒
駆動機構本体14の上方は内側ハウジング部材36によ
って覆われており、この内側ハウジング部材36の内部
には制御棒駆動部37が収納されている。この制御棒駆
動部37は内側ハウジング部材36の上面に設けられた
制御棒駆動源38を有し、この制御棒駆動源38によっ
て制御棒駆動軸39を昇降駆動するように構成されてい
る。また、制御棒駆動機構本体14の内部にはベローズ
40が設けられており、このベローズ40は原子炉運転
時においてカバーガス空間10内の不活性ガスに対する
シールとして機能する。
【0041】内側ハウジング部材36は、長尺の外側ハ
ウジング部材16の内部に収納されており、この外側ハ
ウジング部材16の下端部は、上部蓋7の上面に形成さ
れた筒状突起部41内にハウジングシール42を介して
気密に嵌着されている。なお、図3では、外側ハウジン
グ部材16をその長手方向に縮小して示している。外側
ハウジング16の内部には制御棒駆動機構本体昇降装置
43が設けられており、この制御棒駆動機構本体昇降装
置43は、内側ハウジング部材36に固設されたボール
ナット44と、このボールナット44に螺装された長ス
トローク用ボールネジ45と、この長ストローク用ボー
ルネジ45を回転駆動するボールネジ駆動源46とを備
えている。
【0042】制御棒駆動機構本体14の上端部47は他
の部分よりもやや大径に形成されており、この大径の上
端部47の外面と制御棒駆動機構用貫通孔12の孔壁面
との間をシールするようにしてカバーガスシール部材4
8を設けられている。このカバーガスシール部材48
は、原子炉運転時においてカバーガス空間10内の不活
性ガスに対するシールとして機能する。また、カバーガ
スシール部材48は制御棒駆動機構本体14の大径の上
端部47をシールするようにしたので、燃料交換時に制
御棒駆動機構本体14を上方に引き上げた際に制御棒駆
動機構本体14の外面がカバーガスシール部材48に接
触することがない。これによって、制御棒駆動機構本体
14の外面に付着した冷却材(液体金属)9によってカ
バーガスシール部材48が汚損されないようにしてい
る。
【0043】カバーガスシール部材48の下方にはメイ
ンテナンス用シール部材49が設けられており、このメ
インテナンス用シール部材49はチューブタイプのシー
ル手段であり、通常時においては縮んだ状態としてシー
ル機能を果たさないようになっている。一方、カバーガ
スシール部材48の交換が必要になったときは、メイン
テナンス用シール部材49を膨張させて制御棒駆動機構
本体14の外面に圧接してシールを形成する。そして、
外側ハウジング部材16及び内側ハウジング部材36を
取り外し、カバーガスシール部材48を抜き取って交換
する。
【0044】メインテナンス用シール部材49の下方に
はスクレーパ手段50が設けられており、燃料交換時に
制御棒駆動機構本体14を引き上げた際に、制御棒駆動
機構本体14の外面に付着した冷却材9がスクレーパ手
段50によって拭き取られる。このため、冷却材9によ
るカバーガスシール部材48の汚損を確実に防止するこ
とができると共に、外側ハウジング部材16の内部への
冷却材9の浸入を防止することができる。
【0045】ここで、上部蓋7には、上部蓋7に搭載さ
れた機器を熱から保護するための冷却層51が設けられ
ており、前記スクレーパ手段50はこの冷却層51に比
較的近い位置に配置されている。このため、スクレーパ
手段50の近傍は比較的温度が低くなり、スクレーパ手
段50と制御棒駆動機構本体14外面との間に、原子炉
運転中に発生した冷却材9のベーパが固着し、燃料交換
時における制御棒駆動機構本体14の昇降動作に支障を
きたす恐れがある。
【0046】そこで、このような不都合を防止するため
に、制御棒駆動機構本体14を包囲するようにして上部
蓋7の下面に対流防止筒52が固設されており、この対
流防止筒52の下端部は原子炉運転時の冷却材9の液面
レベルNsLよりも下方に位置するように構成されてい
る。このようにすれば、冷却材9のベーパは対流防止筒
52と制御棒駆動機構本体14との間の極めて限られた
空間にしか流入し得ず、ベーパの対流が抑制されてカバ
ーガス空間10内のベーパがスクレーパ手段50まで運
ばれて固着することを防止することができる。
【0047】図4は本実施形態による高速炉の炉心上部
機構昇降装置25を示した縦断面図であり、図5は図4
の5−5断面線に沿った横断面図である。図4に示した
ように、炉心上部機構昇降装置25の昇降コラム駆動装
置28は、昇降コラム27の上端に固設されたボールナ
ット56と、このボールナット56に螺装されたボール
ネジ57と、このボールネジ57を回転駆動するボール
ネジ駆動源58とを備えている。また、図5に示したよ
うに、昇降コラム27は外筒部材59及び内筒部材60
によって二重管構造に形成されており、内筒部材60は
カバーガスバウンダリを形成している。また、外筒部材
59と内筒部材60との間隙には、炉心出口温度等を計
測するための複数の計装ウェル用ケーブル61が通され
ている。このように昇降コラム27と計装ウェル用ケー
ブル61とを一体化し、両者を同時に昇降駆動すること
によって、構造の簡素化を図ることができると共に、計
装ウェル用ケーブル61を束ねた部分を昇降軸として活
用することができる。
【0048】また、複数の炉心上部機構昇降装置25の
各昇降コラム駆動装置28同士はギヤ又はチェーンによ
って互いに連繋されており、複数の昇降コラム27は互
いに同期して昇降駆動されるようになっている。このた
め、燃料交換時に炉心上部機構22を昇降させる際に
は、炉心上部機構22は水平度を維持しながら短時間で
スムーズに昇降する。ここで、炉心上部機構昇降装置2
5全体による炉心上部機構22の昇降動作は、適当な駆
動系を設置することによって、制御棒駆動機構本体昇降
装置43による制御棒駆動機構本体14の昇降動作と同
期させることもできるし、或いは制御棒駆動機構本体1
4の昇降動作と炉心上部機構22の昇降動作とを独立に
行うようにすることも可能である。いずれの場合も、燃
料交換時においては、制御棒駆動機構本体14及び炉心
上部機構22を燃料交換機18による燃料交換作業に支
障をきたさない位置まで安定して上昇させることができ
る。
【0049】図6は本実施形態による高速炉の燃料交換
機18を示した側面図であり、この燃料交換機18のホ
ールドダウンチューブ21の内部には、燃料構成要素5
3(図2参照)の上端を把持するグリッパ手段76が昇
降自在に設けられており、このグリッパ手段76はグリ
ッパ駆動手段(図示せず)によって昇降駆動される。ま
た、燃料交換機18の本体19の下端部には、燃料交換
機本体19を炉心1の頂部に載置する際に炉心1の頂部
の凹所に嵌合される本体キー62が突設されている。こ
こで、本体キー62を嵌合する凹所としては、燃料構成
要素53のハンドリングヘッド54(図2参照)が考え
られる。このように本体キー62を炉心1頂部の凹所に
嵌合して連結することによって、燃料交換時に地震が発
生した場合でも燃料交換機本体19の振動を抑制するこ
とができる。なお、燃料交換の際には、燃料交換機本体
19の回転操作及びアーム20の揺動操作によってホー
ルドダウンチューブ21を炉心1上方の任意の位置に配
置させることができる。また、燃料交換機18は、ホー
ルドダウンチューブ21が炉心1の頂部の任意の位置に
載置されたことを確認するために、アーム20に加えら
れる荷重を検出する荷重検出装置(図示せず)を備えて
おり、この荷重検出器によってホールドダウンチューブ
21に加えられる荷重を監視することができる。
【0050】図7は燃料交換機本体19とアーム20と
の枢着部分を示した図であり、図7に示したように燃料
交換機19とアーム20とは枢支軸63によって枢着さ
れており、枢支軸63の周囲には転がり軸受64が設け
られている。また、燃料交換機本体19とアーム20と
の間には、アーム20の揺動動作における回転慣性力を
減衰させる減衰手段として、皿バネ65及び摩擦板66
と、外側の横揺れが発生した際に機能するブッシュ67
とが設けられている。このブッシュ67は、横揺れ発生
時に皿バネ65が縮んだ際にアーム20に当たって機能
するものであり、通常時においてはアーム20と接触し
ていない。このように燃料交換機本体19とアーム20
との間に回転慣性力の減衰手段を設けたので、回転剛性
が増大し、強度が強化され、アーム20に大きな荷重が
負荷された場合や地震が発生した場合における変位が抑
制され、周囲の構造物との干渉を防止することができ
る。なお、燃料交換機18のアーム20は1本アーム方
式とすることもできる。
【0051】図8は本実施形態による高速炉の炉内中継
装置32を示しており、この炉内中継装置32の下部に
は炉内案内管33が回転可能に設けられている。この炉
内案内管33は、炉内案内管駆動機構68によって回転
駆動される炉内案内駆動軸69によって支持されてい
る。そして、炉内案内管駆動軸69を介して炉内案内管
33を回転させることによって、図1に示した燃料交換
機18のホールドダウンチューブ21が炉内中継槽74
にアクセスする際には、炉内案内管33を燃料出入管3
4の下方位置から退避させることができる。また、炉内
中継装置32の下端には、新燃料及び使用済燃料を各1
体受け取ることができる回転ラック70が回転可能に設
けられており、この回転ラック70は、回転ラック駆動
機構71によって回転駆動される回転ラック駆動軸72
の下端部に固着されている。炉内案内管駆動軸69は筒
状部材からなり、この筒状部材の内側に回転ラック駆動
軸72が配置されて二重管構造となっている。また、炉
内中継装置32の上端部にはドアバルブ77が設けられ
ている。
【0052】図9は本実施形態による高速炉の炉心1の
頂部の平面図であり、回転ラック70が、燃料交換機1
8との間で燃料の受け渡しを行うときの位置にある状態
を示している。上述したように炉内中継装置32の下部
に炉内案内管33を回転可能に設けたので、図9に示し
たように炉内中継装置32を炉心槽6のほぼ上方に配置
することが可能であり、このため、原子炉容器2の径を
小さくすることができると共に、上部蓋7の周縁部15
の上面に大きなスペースが確保されるので上部蓋7上面
への各種機器の配置が容易になる。また、燃料受け渡し
時における回転ラック70は炉心槽6の炉心支持枠75
の内側に位置させることができるので、燃料交換機18
のアーム20を短尺化することができ、燃料交換機18
の耐震性能が大幅に向上する。
【0053】次に、本実施形態による高速炉の作用につ
いて説明する。図10は、制御棒駆動機構本体14及び
炉心上部機構22が原子炉運転時の位置にある状態を示
した説明図であり、図11は、制御棒駆動機構本体14
及び炉心上部機構22が燃料交換時の位置にあり、燃料
交換機18が設置された状態を示した説明図である。
【0054】図10に示したように、原子炉運転時にお
いては制御棒駆動機構本体14及び炉心上部機構22は
炉心1の直上まで降下しており、この状態においては、
図2に示したように多孔整流装置23の下面のピン24
が燃料構成要素53上端のハンドリングヘッド54に接
続されている。
【0055】そして、燃料交換を行う際には、制御棒駆
動機構本体昇降装置43(図3参照)及び炉心上部機構
昇降装置25を駆動して、図11に示したように燃料交
換時の位置まで制御棒駆動機構本体14及び炉心上部機
構22を引き上げる。このとき、図3に示した制御棒駆
動機構13の内側ハウジング部材36は、制御棒駆動機
構本体14と共に外側ハウジング部材16の内部に収納
される。また、制御棒駆動機構本体14の外面に付着し
た冷却材(液体金属)9は、制御棒駆動機構本体14の
上昇時にスクレーパ手段50によって拭き取られる。な
お、制御棒駆動機構本体14を引き上げると、カバーガ
スシール部材48と制御棒駆動機構本体14の大径の上
端部47との間のシールが解かれるが、ハウジングシー
ル42によって外側ハウジング部材16内の気密性が確
保されているので、カバーガス空間10内の不活性ガス
が外部に漏洩することはない。
【0056】燃料交換時の位置まで制御棒駆動機構本体
14及び炉心上部機構22を引き上げたら、燃料交換機
用スタンドパイプ29を介して燃料交換機18を原子炉
容器2内に挿入する。そして、図6に示した燃料交換機
18の本体キー62を燃料構成要素53のハンドリング
ヘッド54(図2参照)に連結し、燃料交換機本体19
を炉心1の頂部に載置する。燃料交換機本体19を炉心
1の頂部に載置したら、燃料交換機本体19の回転操作
及びアーム20の揺動操作によって、ホールドダウンチ
ューブ21を引き抜き対象の燃料構成要素53の上方に
移動させる。所定位置までホールドダウンチューブ21
を移動させたら、図6に示したグリッパ手段76を降下
させて燃料構成要素53の上端を把持し、把持した燃料
構成要素53を引き抜く。
【0057】図12(a)及び図12(b)は、燃料構
成要素53aを引き抜く際の2種類の方式を示してい
る。燃料構成要素53aを引き抜く際には、図12
(a)に示したようにホールドダウンチューブ21の下
端部を炉心1の頂面から浮かせた状態としても良いが、
この場合にはホールドダウンチューブ21及び燃料構成
要素53aの全重量Wと、燃料構成要素53aを引く抜
く際の引抜力Fとがアーム20に加えられるため、アー
ム20に対する荷重条件が厳しくなる。
【0058】そこで、燃料構成要素53aを引き抜く際
には、図12(b)に示したようにホールドダウンチュ
ーブ21を周囲の燃料構成要素53bの頂部に載置し、
ホールドダウンチューブ21の全重量の少なくとも一部
を周囲の燃料構成要素53bにかけるようにする。な
お、ホールドダウンチューブ21が周囲の燃料構成要素
53bに載置されたことの確認は、アーム20に加えら
れる荷重の変化を荷重検出器(図示せず)によって検出
することによって行う。そして、ホールドダウンチュー
ブ21を周囲の燃料構成要素53bに載置した状態でグ
リッパ手段76によって燃料構成要素53aを引き抜く
ことによって、周囲の燃料構成要素53bからの反力N
の分だけアーム20への負荷が軽減されるので、アーム
20の荷重条件が緩和され、アーム20の簡素化等を図
ることが可能となる。
【0059】以上述べたように本実施形態による高速炉
によれば、燃料交換時には制御棒駆動機構本体14及び
炉心上部機構22を上方に引き上げ、引き上げられた制
御棒駆動機構本体14を上部蓋7に立設された外側ハウ
ジング部材16内に収納し、回転可能且つ可変アーム式
の燃料交換機18を上部蓋7の中心にある燃料交換機用
スタンドパイプ29を介して原子炉容器2内に挿入する
ようにしたので、従来の高速炉のように上部蓋に大型機
器である回転プラグを設ける必要がなく、しかも、制御
棒駆動機構本体14及び炉心上部機構22を昇降させる
ための装置は簡単な構造のもので済むため、原子炉容器
2上部の構造を簡素化できると共に原子炉容器2の小型
化を図ることができる。
【0060】また、原子炉容器2内での燃料の受け渡し
を炉心槽6内において行うことができるので、燃料交換
機18のアーム20の短尺化及び原子炉容器2の小径化
を図ることができる。
【0061】さらに、上部蓋7の上面中央部に凹部11
を形成してこの部分に制御棒駆動機構13及び燃料交換
機18を配置するようにしたので、制御棒駆動機構13
及び燃料交換機18の短尺化を図ることが可能であり、
耐震性も大幅に向上すると共に、凹部11を形成した分
だけ上部蓋7の物量を削減することができる。
【0062】また、原子炉運転時においては多孔整流装
置23下面のピン24を炉心1の頂部の凹所に結合する
ようにしたので、炉心上部機構22を炉心1に対して固
定することができ、地震発生時の制御棒の挿入性を確保
することができる。
【0063】第2実施形態 次に、本発明による高速炉の第2実施形態について図面
を参照して説明する。なお、上記第1実施形態による高
速炉と同一部材には同一符号を付して詳細な説明は省略
する。
【0064】図13は本実施形態による高速炉の一部断
面平面図であり、図14は本実施形態による高速炉の縦
断面図である。上記第1実施形態による高速炉の上部蓋
7は中央に凹部11が形成されているが、本実施形態に
よる高速炉の上部蓋80は中央部をへこませるのではな
く、図13及び図14に示したように冷却材配管81を
通すための部分にのみ凸部82を形成し、この凸部82
の内部を冷却材配管81が通るように構成されている。
そして、この凸部82は冷却材配管81の内部を流れる
放射化された冷却材9からの放射線を遮蔽する機能を有
する。
【0065】また、図14に示したように原子炉容器2
の内部の冷却材配管81の周囲にはスリーブ83が設け
られており、このスリーブ83の下端部は冷却材配管8
1の外面に溶接されて冷却材9に対するシールが形成さ
れている。そして、スリーブ83と冷却材配管81との
間の気中状態の間隙には、図15に示したように割リン
グ構造で構成されたストリーミング遮蔽体84が設けら
れている。
【0066】このように本実施形態による高速炉におい
ては、上部蓋80の形状を、冷却材配管81を通す部分
のみを厚肉の凸部82としたので、上部蓋80の物量を
上記第1実施形態の場合よりもさらに少なくすることが
可能であり、耐震性もさらに向上する。
【0067】また、冷却材配管81とスリーブ83との
間の気中状態の間隙にストリーミング遮蔽体84を設け
たので、炉心1で発生した中性子等の放射線がストリー
ミング(チャネリング効果)によって伝播することを防
止することが可能であり、このため、図14に示した上
部蓋80の遮蔽体35等の遮蔽部材の物量を低減するこ
とができる。
【0068】
【発明の効果】以上述べたように本発明による高速炉に
よれば、燃料交換時には制御棒駆動機構本体を上方に引
き上げ、引き上げられた制御棒駆動機構本体を上部蓋に
立設された外側ハウジング部材内に収納するようにした
ので、従来の高速炉のように上部蓋に大型機器である回
転プラグを設ける必要がなく、しかも、制御棒駆動機構
本体を昇降させるための構成は簡単なものであるため、
原子炉容器上部の構造を大幅に簡素化することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による高速炉の燃料交換
時の状態を示した縦断面図。
【図2】本発明の第1実施形態による高速炉の炉心上部
機構を示した縦断面図。
【図3】本発明の第1実施形態による高速炉の制御棒駆
動機構と従来の高速炉の制御棒駆動機構とを対比して示
した縦断面図。
【図4】本発明の第1実施形態による高速炉の炉心上部
機構昇降装置を示した縦断面図。
【図5】図4の5−5断面線に沿った横断面図。
【図6】本発明の第1実施形態による高速炉の燃料交換
機を示した側面図。
【図7】本発明の第1実施形態による高速炉の燃料交換
機本体とアームとの枢着部分を示した図。
【図8】本発明の第1実施形態による高速炉の炉内中継
装置を示した縦断面図。
【図9】本発明の第1実施形態による高速炉の炉心の頂
部を示した平面図。
【図10】本発明の第1実施形態による高速炉の制御棒
駆動機構本体及び炉心上部機構が原子炉運転時の位置に
ある状態を示した説明図
【図11】本発明の第1実施形態による高速炉の制御棒
駆動機構本体及び炉心上部機構が燃料交換時の位置にあ
り、燃料交換機が設置された状態を示した説明図
【図12】本発明の第1実施形態による高速炉の燃料交
換機によって燃料構成要素を引き抜く際の作用を示した
説明図。
【図13】本発明の第2実施形態による高速炉の一部断
面平面図。
【図14】本発明の第2実施形態による高速炉の燃料交
換時の状態を示した縦断面図。
【図15】本発明の第2実施形態による高速炉のストリ
ーミング遮蔽体を示した図であり、(a)は縦断面図、
(b)は平面図。
【図16】従来の高速増殖炉の概略構成を示した縦断面
図。
【符号の説明】
1 炉心 2 原子炉容器 6 炉心槽 7、80 上部蓋(ルーフデッキ) 9 冷却材 11 上部蓋の上面中央部の凹部 12 制御棒駆動機構用貫通孔 13 制御棒駆動機構 14 制御棒駆動機構本体 15 上部蓋の周縁部 16 外側ハウジング部材 17 燃料交換機用貫通孔 18 燃料交換機 19 燃料交換機本体 20 アーム 21 ホールドダウンチューブ 22 炉心上部機構 23 多孔整流装置 24 ピン 25 炉心上部機構昇降装置 26 昇降コラム用スタンドパイプ 27 昇降コラム 28 昇降コラム駆動装置 29 燃料交換機用スタンドパイプ 31 炉内中継装置用貫通孔 32 炉内中継装置 33 炉内案内管 34 燃料出入管 35 遮蔽体 36 内側ハウジング部材 37 制御棒駆動部 38 制御棒駆動源 39 制御棒駆動軸 41 筒状突起部 42 ハウジングシール 43 制御棒駆動機構本体昇降装置 44、56 ボールナット 45、57 ボールネジ 46、58 ボールネジ駆動源 47 制御棒駆動機構本体の上端部 48 カバーガスシール部材 49 メインテナンス用シール部材 50 スクレーパ手段 52 対流防止筒 53 燃料構成要素 54 ハンドリングヘッド 55 冷却材流通孔 59 外筒部材 60 内筒部材 61 計装ウェル用ケーブル 62 本体キー 63 枢支軸 64 転がり軸受 65 皿バネ 66 摩擦板 67 ブッシュ 68 炉内案内管駆動機構 69 炉内案内管駆動軸 70 回転ラック 71 回転ラック駆動機構 72 回転ラック駆動軸 73 制御棒案内管 74 炉内中継槽 75 炉心支持枠 76 グリッパ手段 81 冷却材配管 82 上部蓋の凸部 83 スリーブ 84 ストリーミング遮蔽体 FsL 燃料交換時の冷却材の液面レベル NsL 原子炉運転時の冷却材の液面レベル
フロントページの続き (72)発明者 有 吉 昌 彦 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に炉心が収納され、上部が開放した原
    子炉容器と、 前記原子炉容器の上部開口を気密に閉鎖する上部蓋と、 前記上部蓋の中央部に形成され、原子炉運転時には閉鎖
    されている燃料交換機用貫通孔と、 前記上部蓋に形成された複数の制御棒駆動機構用貫通孔
    と、 前記複数の制御棒駆動機構用貫通孔に上下動可能に嵌装
    された複数の制御棒駆動機構本体と、 前記複数の制御棒駆動機構本体を昇降させるための制御
    棒駆動機構本体昇降装置と、 前記複数の制御棒駆動機構用貫通孔に対応させて前記上
    部蓋の上面に立設された複数の外側ハウジング部材と、
    を備え、 前記制御棒駆動機構本体昇降装置によって引き上げられ
    た前記制御棒駆動機構本体は前記外側ハウジング部材の
    内部に収納されるようにしたことを特徴とする高速炉。
  2. 【請求項2】炉心出口温度を計測するために前記炉心の
    上方に配置された炉心上部機構と、 前記炉心上部機構を昇降させるための炉心上部機構昇降
    装置と、をさらに有することを特徴とする請求項1記載
    の高速炉。
  3. 【請求項3】前記炉心上部機構はボックス構造よりなる
    多孔整流装置を有し、この多孔整流装置の下面に前記炉
    心の頂部の凹所に嵌合し得るピンを突設し、 原子炉運転時には前記ピンを前記炉心の頂部の凹所に嵌
    合し、燃料交換時には前記炉心上部機構昇降装置によっ
    て前記炉心上部機構を引き上げて前記ピンを前記凹所か
    ら引き抜くようにしたことを特徴とする請求項2記載の
    高速炉。
  4. 【請求項4】前記炉心上部機構昇降装置は、前記炉心上
    部機構に下端部が接続された上下動可能な昇降コラム
    と、この昇降コラムを昇降駆動する昇降コラム駆動装置
    と、を備えたことを特徴とする請求項2又は請求項3に
    記載の高速炉。
  5. 【請求項5】前記炉心上部機構昇降装置は、前記上部蓋
    の上面に立設され、前記昇降コラムが挿入された昇降コ
    ラム用スタンドパイプと、前記昇降コラムの上部に固設
    されたボールナットと、このボールナットに螺装された
    ボールネジと、このボールネジを回転駆動するボールネ
    ジ駆動手段と、を備えたことを特徴とする請求項4記載
    の高速炉。
  6. 【請求項6】前記昇降コラムは、外筒部材及び内筒部材
    によって二重管構造に形成されており、 前記外筒部材と前記内筒部材との間隙に計装ウェル用ケ
    ーブルを通すようにしたことを特徴とする請求項4又は
    請求項5に記載の高速炉。
  7. 【請求項7】前記制御棒駆動機構本体の上方を覆うよう
    にして設けられ、前記制御棒駆動機構本体に連結された
    内側ハウジング部材をさらに有し、 前記制御棒駆動機構本体昇降装置は、前記内側ハウジン
    グ部材に固設されたボールナットと、前記ボールナット
    に螺装されたボールネジと、前記ボールネジを回転駆動
    するボールネジ駆動手段と、を備え、 前記制御棒駆動機構本体昇降装置によって前記内側ハウ
    ジング部材と一体に前記制御棒駆動機構本体を昇降駆動
    するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項6
    のいずれか一項に記載の高速炉。
  8. 【請求項8】前記制御棒駆動機構本体の上端部を他の部
    分よりもやや大径に形成し、前記上端部の外面と前記制
    御棒駆動機構用貫通孔の孔壁面との間をシールするシー
    ル部材を設け、 前記制御棒駆動機構本体昇降装置によって前記制御棒駆
    動機構本体を引き上げる際に前記シール部材は前記制御
    棒駆動機構本体の前記他の部分の外面と接触しないよう
    にしたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれ
    か一項に記載の高速炉。
  9. 【請求項9】前記制御棒駆動機構本体昇降装置によって
    前記制御棒駆動機構本体を引き上げる際に前記制御棒駆
    動機構本体の表面に付着した冷却材を除去するスクレー
    パ手段を前記シール部材の下方に設けたことを特徴とす
    る請求項8記載の高速炉。
  10. 【請求項10】前記上部蓋の下面に前記制御棒駆動機構
    本体を包囲するようにして対流防止筒を設け、前記対流
    防止筒の下端部は原子炉運転時の冷却材の液面レベルよ
    りも下方に位置するようにしたことを特徴とする請求項
    1乃至請求項9のいずれか一項に記載の高速炉。
  11. 【請求項11】前記上部蓋は、上面中央部に凹部が形成
    された円盤状部材よりなり、 前記複数の制御棒駆動機構用貫通孔は、前記上部蓋の中
    央部に形成されており、 前記上部蓋の周縁部の内部を通るようにして冷却材配管
    が延設されており、 前記上部蓋は前記冷却材配管の内部を流れる放射化され
    た冷却材からの放射線を遮蔽する機能を有することを特
    徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載
    の高速炉。
  12. 【請求項12】前記上部蓋は、上面周縁部の一部に凸部
    が形成された円盤状部材よりなり、 前記複数の制御棒駆動機構用貫通孔は、前記上部蓋の中
    央部に形成されており、 前記上部蓋の前記凸部の内部を通るようにして冷却材配
    管が延設されており、 前記上部蓋は前記冷却材配管の内部を流れる放射化され
    た冷却材からの放射線を遮蔽する機能を有することを特
    徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載
    の高速炉。
  13. 【請求項13】燃料交換時に前記燃料交換機用貫通孔を
    介して前記原子炉容器内に挿入される燃料交換機をさら
    に有することを特徴とする請求項1乃至請求項12のい
    ずれか一項に記載の高速炉。
  14. 【請求項14】前記燃料交換機は、長尺部材よりなる燃
    料交換機本体と、この燃料交換機本体に一端が枢着され
    たアームと、このアームの他端に枢着されたホールドダ
    ウンチューブと、を備え、 前記燃料交換機本体の回転動作及び前記アームの揺動動
    作によって前記ホールドダウンチューブを前記炉心の上
    方の任意の位置に配置させることができることを特徴と
    する請求項13記載の高速炉。
  15. 【請求項15】前記燃料交換機本体の下端部に設けら
    れ、前記燃料交換機本体を前記炉心の頂部に載置する際
    に前記炉心の頂部の凹所に嵌合される本体キーと、 前記ホールドダウンチューブに加えられた荷重を検出す
    る荷重検出装置と、を備えたことを特徴とする請求項1
    4記載の高速炉。
  16. 【請求項16】前記燃料交換機本体と前記アームとの枢
    着部分に、前記アームの揺動動作における回転慣性力を
    減衰させる減衰手段を設けたことを特徴とする請求項1
    4又は請求項15に記載の高速炉。
  17. 【請求項17】前記原子炉容器の内部に、回転可能な回
    転ラックを下端部に有する炉内中継装置を設け、 前記回転ラックは、前記原子炉容器内の炉心槽の内側に
    おいて前記燃料交換機との間で燃料の受け渡しを行うよ
    うにしたことを特徴とする請求項13乃至請求項16の
    いずれか一項に記載の高速炉。
  18. 【請求項18】前記炉内中継装置は、前記燃料交換機と
    炉内中継槽との間で燃料の受け渡しを行う際に回転退避
    させることができる炉内案内管を有することを特徴とす
    る請求項17記載の高速炉。
  19. 【請求項19】前記原子炉容器の内部の冷却材配管の周
    囲に設けられたスリーブと前記冷却材配管との間隙にス
    トリーミング遮蔽体を設けたことを特徴とする請求項1
    乃至請求項18のいずれか一項に記載の高速炉。
  20. 【請求項20】前記ストリーミング遮蔽体は割リング構
    造よりなることを特徴とする請求項19記載の高速炉。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105645318A (zh) * 2015-12-29 2016-06-08 中国原子能科学研究院 一种用于快堆的直拉式装卸料提升机

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