JPH11190795A - 高速炉の燃料交換機 - Google Patents

高速炉の燃料交換機

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JPH11190795A
JPH11190795A JP9360996A JP36099697A JPH11190795A JP H11190795 A JPH11190795 A JP H11190795A JP 9360996 A JP9360996 A JP 9360996A JP 36099697 A JP36099697 A JP 36099697A JP H11190795 A JPH11190795 A JP H11190795A
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JP
Japan
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fuel
main body
gripper
arm
refueling machine
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JP9360996A
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English (en)
Inventor
Kenzo Koizumi
賢三 小泉
Toshiyuki Suzuki
俊幸 鈴木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】回転プラグを廃止することに関連して、原子炉
上部構造を一層簡素化することができ、低コスト化、地
震等に対する安全性向上等を図る。 【解決手段】原子炉容器21の上部蓋30の中心部また
はその近傍に縦長な燃料交換機本体41を設ける。燃料
交換機本体の下端部にアーム42を設け、アームの先端
にホールドダウンチューブ43を連結する。ホールドダ
ウンチューブ43は、チューブ本体74と、その内部に
昇降および回転可能に設けられた燃料把持用のグリッパ
75と、燃料交換機本体の駆動部の動力をアームを介し
てグリッパに伝達する昇降用および回転用の複数の軸と
を有する。チューブ本体の横断面内のほぼ中心位置にグ
リッパ75を配置する。グリッパに対して燃料交換機本
体側およびそれと反対側に位置するチューブ本体内の領
域に昇降用および回転用の複数の軸を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高速炉における原子
炉容器の炉心を構成する燃料を把持、昇降および水平移
動により交換する燃料交換機に係り、特に原子炉容器の
上部蓋の中心部またはその近傍を起点として動作するコ
ンパクトな回動アーム機構を採用して上部蓋の大掛かり
な回転プラグを省略する場合に好適な高速炉の燃料交換
機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プルトニウム等の燃料を利用する高速炉
は、燃料リサイクル等の面から注目され、特に高速増殖
炉は、ウランとプルトニウムの混合酸化物の燃料を使用
し、Pu239を核分裂させるとともに、生れ出た余剰
の高速中性子をU238に吸収させ、燃やす量よりも多
くのプルトニウムを作り出すことから、今後のエネルギ
ー源として大きな期待がかけられている。
【0003】図16は、高速増殖炉の概略構成を示す説
明図である。
【0004】この図16に示す高速増殖炉では、有底円
筒状の原子炉容器1の内部に、多数の燃料配置により核
反応によって熱エネルギーを発生させる炉心2が設けら
れるとともに、一次冷却材として液体金属3(通常は液
体ナトリウム)が収容されている。この原子炉容器1の
内部には、液体金属3を炉心2へ導く複数の冷却材入口
配管4が配設されるとともに、炉心2から原子炉容器1
の外部に設置された図示しない中間熱交換機へ液体金属
3を導く複数の冷却材出口配管5が配設されている。こ
れら複数の冷却材入口配管4および複数の冷却材出口配
管5は、いずれも原子炉容器1内で周方向に等間隔をあ
けて配置されている。
【0005】炉心2の下部には炉心入口プレナム部6が
設けられ、これら炉心2および炉心入口プレナム部6
は、原子炉容器1内の底部に設けられた炉心支持体7に
より支持されている。また、炉心2の上方には、制御棒
駆動機構8等を含む炉心上部機構9が設置されている。
【0006】原子炉運転中は、炉心2の燃料間に配置し
た制御棒を制御棒駆動機構8によって出し入れし、これ
により出力制御を行うようになっている。原子炉容器1
の外側には、万一の冷却材漏洩事故に備えて有底円筒状
の安全容器(ガードベッセル)10が設けられ、この安
全容器10を介して耐震サポートが設置されている。こ
のような構成の原子炉容器1が、その上部外周に設けら
れた支持部材を介して、原子炉建屋のキャビティー・ウ
ォールに支持されている。
【0007】原子炉容器1の上部開口は、上部蓋として
のルーフデッキ11により閉塞されており、このルーフ
デッキ11の下面には冷却層が設置され、この冷却層に
冷却ガスを循環させることによって、ルーフデッキ11
の加熱を防止するようになっている。そして、原子炉容
器1に収容された液体金属3の液面とルーフデッキ11
との間にアルゴンガスなどの不活性ガスが充填され、カ
バーガス空間12が形成されている。
【0008】このような構成の高速増殖炉の運転時にお
いては、まず−次冷却材である液体金属3が、冷却材入
口配管4に導かれて炉心入口プレナム部6に流入する。
この炉心入口プレナム部6から流入して炉心2内を上方
に向かって通過する間に、液体金属3は核反応による熱
エネルギーを受けて高温となり、冷却材出口配管5に導
かれて原子炉容器1の外部に設置された中間熱交換器へ
流入する。
【0009】この中間熱交換器で加熱された二次冷却材
としての液体金属は、タービン駆動用の蒸気加熱に供さ
れる。そして、原子炉の運転制御は上述したように、炉
心2の上部に設置される炉心上部機構9によって制御棒
を炉心2に挿入したり、引抜きしたりすることにより行
う。
【0010】このような高速増殖炉において、炉心2の
燃料交換を行うための燃料交換機14が備えられてい
る。すなわち、ルーフデッキ11の中央部に、炉心上部
機構9を搭載するとともに、水平面上で回転する回転プ
ラグ15が設けられ、この回転プラグ15の回転中心か
らずれた位置に燃料交換機14が着脱可能に取付けられ
る。この燃料交換機14は、ルーフデッキ11を貫通す
る状態で設置された縦長な燃料交換機本体14aと、こ
の燃料交換機本体14aの下端部に連結されスイング動
作を行うアーム14bと、このアーム14bの先端に連
結され常時垂直状態を保持して交換すべき燃料の着脱、
吊上げ、保持および吊下し動作を行うホールドダウンチ
ューブ14cとを備えている。
【0011】また、炉心2内の外周位置には抜外した燃
料あるいは交換用新燃料を一時的に保管する炉内中継槽
16が設けられ、さらにその上方には、ルーフデッキ1
1に支持されて燃料の炉外への出入れを行うための炉内
中継装置17が設けられている。なお、18は非常時冷
却用の熱交換器である。
【0012】燃料交換を行う場合には、炉心2内に全て
の制御棒を挿入した状態で出力停止状態とした後、炉心
上部機構8を上昇移動させて炉心2の上方空間を開放状
態とする。そして、燃料交換機14を据付けてアーム1
4bおよびホールドダウンチューブ14cを原子炉容器
1内に突出させ、回転プラグ15を回転させるととも
に、燃料交換機14のアーム14bおよびホールドダウ
ンチューブ14cを駆動して、炉心2の交換すべき燃料
の吊上げおよび炉内中継槽14までの移動を行ってそこ
に吊下し、その燃料は炉内中継装置17を介して炉外に
搬出する。一方、炉内中継槽14から新燃料を吊上げて
先に取外した燃料位置に移動して挿入する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来の構成では、燃料交換機14および炉心上部機構9を
搭載して回転する回転プラグ15が巨大な構成となって
おり、放射線遮蔽や断熱構造を含めると重量が数百トン
に達する。しかも、この回転プラグ15の回転駆動に必
要な機器としては、大形歯車、駆動装置、軸受、回転部
気密装置、回転部ケーブル処理装置など多数にのぼり、
それにより原子炉容器1の上部は極めて大形かつ複雑な
構造となっている。その結果、設計、製作、据付、組
立、試験、検査等に多大な労力を要している。
【0014】このように、従来の高速増殖炉では回転プ
ラグ15を使用して燃料交換を行っているため、原子炉
容器1の上部に占めるスペースが大きくなり、結果とし
て原子炉の大型化を招く課題があり、また、燃料交換機
14自体の構成も大形となり、その外径も原子炉上部ス
ペース拡大の要因となっている。
【0015】そこで、最近では燃料交換機ひいては原子
炉容器の構成簡素化を図ることが要望され、発明者等に
おいては、前記の回転プラグを省略して上部蓋全体を固
定式とする一方、燃料交換機自体もコンパクトな構成と
する技術を提案している。
【0016】この技術は概略的に、原子炉容器の上部蓋
の中心部またはその近傍に上部蓋を貫通する状態で昇降
用および旋回用の複数の駆動部を有する縦長な燃料交換
機本体を設置し、この燃料交換機本体の下端部に駆動部
によりスイング動作および旋回動作を行うアームを連結
するとともに、このアームの先端に常時垂直状態を保持
して交換すべき燃料の着脱、吊上げ、保持および吊下し
動作を行うホールドダウンチューブを連結するものであ
る。
【0017】そして、この技術を基本として、さらに一
層の構成の簡素化、安定化等を検討し、実機への適用上
の容易化、制作および運用上での低コスト化、地震等に
対する安全性向上等を検討している。
【0018】本発明は以上の事情のもとになされたもの
であり、回転プラグを廃止することに関連して、原子炉
上部構造を一層簡素化することができ、低コスト化、地
震等に対する安全性向上等が図れる燃料交換機を提供す
ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明は、高速炉の原子炉容器内で炉
心構成要素である燃料を把持、昇降および水平移動によ
り交換する燃料交換機であって、前記原子炉容器の上部
蓋の中心部またはその近傍に前記上部蓋を貫通する状態
で設置され複数の駆動部を有する縦長な燃料交換機本体
と、この燃料交換機本体の下端部に連結され前記駆動部
によりスイング動作を行うアームと、このアームの先端
に連結され常時垂直状態を保持して交換すべき燃料の着
脱、吊上げ、保持および吊下し動作を行うホールドダウ
ンチューブとを備えたものにおいて、前記ホールドダウ
ンチューブは、交換すべき燃料を収容する下面が開口し
たチューブ本体と、このチューブ本体の内部に昇降およ
び回転可能に設けられた燃料把持用のグリッパと、前記
燃料交換機本体の駆動部の動力を前記グリッパに伝達す
る昇降用および回転用の複数の縦長な軸とを有し、かつ
前記チューブ本体の横断面内のほぼ中心位置に前記グリ
ッパを配置する一方、そのグリッパに対して前記燃料交
換機本体側およびそれと反対側に位置する前記チューブ
本体内の領域に前記昇降用および回転用の複数の軸を配
置したことを特徴とする。
【0020】請求項2の発明は、請求項1記載の高速炉
の燃料交換機において、ホールドダウンチューブの各軸
間の動力伝達用ギアを収容するギアボックスを、チュー
ブ本体の頂部に配設したことを特徴とする。
【0021】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の高速炉の燃料交換機において、燃料交換機本体の複数
の駆動機構は、原子炉容器の上部蓋から立上がるスタン
ドパイプの頂部に設置され、かつ前記駆動機構は、前記
原子炉容器の上部蓋に設けられる制御棒駆動機構の頂部
よりも高所に集中的に配置したことを特徴とする。
【0022】請求項4の発明は、請求項3記載の高速炉
の燃料交換機において、燃料交換機本体を構成するスタ
ンドパイプは分割可能に接続された上部ユニットおよび
下部ユニットからなる構成とし、これら上下部ユニット
の連結部を原子炉容器の上部蓋の上方位置に配置したこ
とを特徴とする。
【0023】請求項5の発明は、請求項4記載の高速炉
の燃料交換機において、上部ユニットおよび下部ユニッ
トとなる上部スタンドパイプおよび下部スタンドパイプ
は、それらの端部外周面にそれぞれ一体に突設したフラ
ンジをボルトで締結することにより連結し、その各フラ
ンジは、前記スタンドパイプを囲んで原子炉容器の上部
蓋から立上る複数の制御棒駆動機構の相互間隙に配置し
たことを特徴とする。
【0024】請求項6の発明は、請求項1から5までの
いずれかに記載の燃料交換機において、アームは矩形断
面またはU字断面を有するものであり、その長手方向に
沿う外面に沿って一体に突出するリブを有することを特
徴とする。
【0025】請求項7の発明は、請求項1から6までの
いずれかに記載の高速炉の燃料交換機において、アーム
は燃料交換機本体およびホールドダウンチューブに対し
て軸を介して連結したものであり、その連結部の少なく
ともいずれか一方の軸受部に回転慣性力を減衰させるば
ね機構を設けたことを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高速炉の燃料
交換機の一実施形態について図1〜図15を参照して説
明する。なお、以下の実施形態は本発明を高速増殖炉に
適用したものである。図1は原子炉容器の全体構成を示
す縦断面図であり、燃料交換時の状態を表している。
【0027】図1に示すように、原子炉容器21は有底
円筒状で、支持部材22を介して原子炉建屋23のキャ
ビティー・ウォール24に支持されている。原子炉容器
21の内部には多数の燃料25および制御棒(図示せ
ず)を配置した炉心26が設けられるとともに、一次冷
却材として液体金属27(液体ナトリウム)が収容され
ている。なお、液体金属27を炉心26へ導く複数の冷
却材入口配管、および炉心26から原子炉容器21の外
部に設置されて中間熱交換機へ液体金属27を導く複数
の冷却材出口配管については図示を省略しているが、図
16に示した従来構造とほぼ同様である。炉心26の下
部には炉心入口プレナム部28が設けられ、これら炉心
26および炉心入口プレナム部28は、原子炉容器21
内の底部に設けられた炉心支持体29によって支持され
ている。
【0028】原子炉容器21の上部開口は、上部蓋とし
てのルーフデッキ30によって全体的に閉塞されてお
り、回転プラグは設けられていない。ルーフデッキ30
の中央部は落とし蓋構造で周辺部よりも一段低くなって
おり、この落とし蓋構造の低い部分に制御棒駆動機構3
1および炉心上部機構昇降機構32が設けられている。
また、ルーフデッキ30のほぼ中心位置が燃料交換機設
置部とされ、常時は閉栓され、燃料交換時に開栓されて
図示の如く燃料交換機33が設置される。これにより、
本実施形態では、制御棒駆動機構31、炉心上部機構昇
降機構32および燃料交換機33等の炉上設置高さの低
下、ひいては炉上空間の縮小化が図られている。なお、
制御棒駆動機構31、炉心上部機構昇降機構32および
燃料交換機33等は、ルーフデッキ30の上面に支持板
34を介して水平に支持されており、これにより長尺駆
軌系に対する耐震性が図られている。
【0029】制御棒駆動機構31はルーフデッキ30に
支持された多数の制御棒駆動機構ハウジング35と、そ
の内部に昇降可能に取付けられた制御棒駆動ロッド36
とを有し、運転時にはこの制御棒駆動ロッド36を降下
させ、炉心26内に配置されている制御棒を把持して引
出しおよび挿入することにより、出力制御を行うように
なっている。
【0030】炉心上部機構昇降機構32は、多孔整流部
材37等を含む炉心上部機構38を昇降コラム39によ
って昇降可能に支持する構成となっている。この多孔整
流部材37は下部から側部に向って開口する多数の整流
孔を有する構造のもので、運転時には炉心26近くまで
降下され、炉心26から昇流する液体金属27を原子炉
容器21の周辺側に向ける整流作用を行う。
【0031】図1では、これらの制御棒駆動機構31の
制御棒駆動ロッド36および多孔整流部材37等が、燃
料交換機33の交換動作に支障がない位置まで炉心26
上方に退避した炉停止状態を示している。なお、原子炉
容器21内の周辺位置には、非常時冷却用の熱交換器4
0が設けられている。
【0032】次に、燃料交換機33および燃料交換時に
使用される中継設備等について詳細に説明する。
【0033】燃料交換機33は大別して、原子炉容器2
1のルーフデッキ30の中心部に着脱可能に貫通して設
置される縦長な燃料交換機本体41と、この燃料交換機
本体41の下端部に連結されたアーム42と、このアー
ム42の先端に連結されたホールドダウンチューブ43
とを備えて構成される。
【0034】また、中継設備として、炉心26の周囲部
に炉内中継槽44が設けられるとともに、この炉内中継
槽44の上方に炉内案内管45および炉内中継装置46
が設けられている。本実施形態では、炉内中継槽44が
炉心槽47内に設けられ、それにより従来構成に比較し
て燃料交換機33の駆動半径の小径化(アーム42の長
さの短尺化)が図られている。
【0035】図2〜図15は燃料交換機33の構成を詳
細に示している。図2は図1の燃料交換機33の全体を
拡大して示す断面図であり、図3は図2の燃料交換機本
体41を拡大して示す断面図である。図4は図3の駆動
機構であるモータ等の配置構成を示す平面図である。
【0036】図2〜図4に示すように、ルーフデッキ3
0の中心部に貫通孔48があけてあり、この貫通孔48
は前述したように、通常運転時に図示しないプラグで閉
止される。図2ではこのプラグを外し、燃料交換機本体
41を装着した状態を示している。
【0037】燃料交換機本体41は、ルーフデッキ30
の中心部の貫通孔48と連通してルーフデッキ30上に
立上がるスタンドパイプ49を基体として構成されてい
る。このスタンドパイプ49は上下に分割可能な構成の
ものであり、下部スタンドパイプ49aはルーフデッキ
30に溶接等によって常時固着され、この下部スタンド
パイプ49aの上端に上部スタンドパイプ49bが連結
されている。スタンドパイプ49の周囲には、制御棒駆
動機構ハウジング35が配置しており、スタンドパイプ
49の連結は制御棒駆動機構31ハウジング相互間の隙
間を利用して行われている。
【0038】スタンドパイプ49の上端には操作用デッ
キ50が設けられるとともに、燃料交換時における昇降
用および旋回用の動力源となる複数のモータ等からなる
駆動部、すなわち本体胴旋回駆動機構51、アーム水平
駆動用駆動機構52、グリッパ昇降用駆動機構53、グ
リッパ爪開閉用駆動機構54が配置されてれている。こ
れらの機構のうち、本体胴旋回駆動機構51はスタンド
パイプ49に固定され、他の駆動機構52,53,54
は下記の本体胴55に一体回転可能に取付けられてい
る。本体胴55の内部には、上下部スタンドパイプ49
a,49bの連結部に位置して内部胴昇降駆動機構56
が配置されている。
【0039】本体胴55はスタンドパイプ49の内周側
に配置され、スタンドパイプ49上端のベアリング57
により回転可能に支持されている。この本体胴55が、
ギア58を介して本体胴旋回駆動機構51に連結され、
垂直軸心回りで正逆回転できるようになっており、その
回転はエンコーダ59で検出される。この本体胴55の
下端部は、ルーフデッキ30の貫通孔48を通して原子
炉容器21内に突出している。
【0040】本体胴55の内部には、アーム水平移動用
駆動機構52に連結されたアーム水平移動用駆動軸6
0、グリッパ昇降用駆動機構53に連結されたグリッパ
昇降用駆動軸61、グリッパ爪開閉用駆動機構54に連
結されたグリッパ爪開閉用駆動軸62、および内部胴昇
降駆動機構56にボールねじ機構63を介して連結され
た内部胴64等が配置されている。
【0041】これらのアーム水平移動用駆動軸60、グ
リッパ昇降用駆動軸61、グリッパ爪開閉用駆動軸62
等は、それぞれ本体胴55の下方まで延在し、途中位置
に設けた自在継手65またはボールねじ機構66等の中
継装置により、下端側が昇降できる構成となっている。
内部胴64は車輪67によって本体胴55内で昇降でき
るとともに、垂直軸心回りで本体胴55と一体回転でき
る。
【0042】アーム42は、その一端を内部胴64の下
端に水平な軸68によって支持され、その軸68を支点
としてスイング動作可能とされており、ホールドダウン
チューブ43は、アーム42の他端に水平な軸69を介
して回動可能に支持されている。なお、アーム42と平
行に補助アーム70が配置され、この補助アーム70
は、その一端をアーム水平移動用駆動軸60の下端に水
平な軸71によって支持されるとともに、その他端をホ
ールドダウンチューブ43に水平な軸72を介して回動
可能に連結されている。
【0043】これにより、ホールドダウンチューブ43
は、アーム42および補助アーム70で構成される平行
四辺形リンクによって垂直姿勢を維持する状態で燃料交
換機本体41に支持され、アーム42のスイング動作に
よって原子炉容器21内で径方向に移動できるようにな
っている。
【0044】なお、アーム42のスイング動作は、アー
ム水平移動用駆動軸60の回転を、ボールねじおよびナ
ットにより直線運動に変換させた後、その直線運動をク
ランクでさらに変換することで行うようになっている。
また、ホールドダウンチューブ43の径方向移動は一定
高さに配置されている燃料21への接近等を行うため、
水平移動とすることが望ましい。そこで、アーム42お
よび補助アーム70の各一端を支持する軸68,71の
高さを、内部胴64の昇降動作およびアーム水平移動用
駆動軸60の昇降動作により調整し、他端側の軸69,
72の高さを一定となるように制御することにより、ホ
ールドダウンチューブ43を垂直姿勢を維持しつつ水平
移動できるようになっている。
【0045】グリッパ昇降用駆動軸61およびグリッパ
爪開閉用駆動軸62の各下端は、自在継手73を介して
アーム42の両側部に沿って延在され、ホールドダウン
チューブ43の両側部まで導かれている。
【0046】図5〜図7は、ホールドダウンチューブ4
3の構成を示している。図5はホールドダウンチューブ
43の内部構成を示す断面図である。図6は図5に示し
た構成のうち特に動力伝達部の部品配置を示す平面図で
あり、図7は同斜視図である。
【0047】これらの図に示すように、ホールドダウン
チューブ43は、縦長で下端が開口したチューブ本体7
4と、このチューブ本体74に昇降可能に設けられたグ
リッパ75とを備えている。チューブ本体74は横断面
ほぼ矩形状をなしており、その上下方向ほぼ中間位置の
対向する側壁の外面に、前述したアーム42および補助
アームとの連結用の軸69,72が突設されている。
【0048】また、グリッパ75は下端が開口した縦筒
状のグリッパケース76と、このグリッパケース76内
に対向配置されて軸77により開閉可能に支持された複
数、例えは3体の燃料把持用のグリッパ爪78と、これ
らのグリッパ爪78の間に挿入されて各グリッパ爪78
を開閉操作する1本の縦長な開閉ロッド79とを有する
構成となっている。そして、このグリッパ75はチュー
ブ本体74の横断面内のほぼ中心位置に配置される一
方、グリッパ昇降用およびグリッパ爪開閉用の構成部品
がチューブ本体74の横断面内のグリッパ75に対する
燃料交換機本体41側(図5、図6の左側)およびそれ
と反対の側(同右側)に分けて配置されている。
【0049】すなわち、グリッパ昇降用およびグリッパ
爪開閉用の構成部品は、駆動力入力用部品、同出力用部
品およびそれらの伝達部品によって構成されている。駆
動力入力用部品としては、アーム42の一側面に沿って
配置されたグリッパ昇降用駆動軸61の先端にギア80
を介して連結されたグリッパ昇降用伝達軸81と、同様
にアーム42の他側面に沿って配置されたグリッパ爪開
閉用駆動軸32にギア82を介して連結されたグリッパ
爪開閉用伝達軸83とが備えられている。これらのグリ
ッパ昇降用伝達軸81とグリッパ爪開閉用伝達軸83と
は、燃料交換機本体41と反対の側の領域(図5、図6
の右側の領域)に、上下方向に沿って互いに平行に配置
されている。
【0050】また、駆動力出力用部品としては、グリッ
パ75を昇降させるグリッパ昇降軸84と、グリッパ爪
78の開閉を行わせるグリッパ爪開閉軸85とが備えら
れている。これらのグリッパ昇降軸84とグリッパ爪開
閉軸85とは、燃料交換機本体41側の領域(図5、図
6の左側の領域)に、上下方向に沿って互いに平行に配
置されている。なお、グリッパ昇降軸84はボールねじ
軸とされており、ナット86を介してグリッパケース7
6に連結され、回転動作を昇降動作に変換して出力す
る。また、グリッパ爪開閉軸86はスプライン軸とされ
ており、この軸に沿って摺動するギアを介して昇降ロッ
ドに上下動作を与え、グリッパ爪78を開閉する。
【0051】さらに伝達部品としては、ギア機構を構成
する複数のギアが備えられている。これらのギアは、ホ
ールドダウンチューブ43のチューブ本体74の頂部に
配設したギアボックス87に集中的に配置されている。
すなわち、図6および図7に示すように、グリッパ昇降
用伝達軸81に第1ギア88が設けられ、この第1ギア
88がチューブ本体74の中央に配置された第2ギア8
9を介して、グリッパ昇降軸84に設けられた第3ギア
90に噛合している。また、グリッパ爪開閉用伝達軸8
3に第1ギア91が設けられ、この第1ギア91がチュ
ーブ本体74の中央に配置された第2ギア92およびこ
れに隣接する第3ギア93を介して、グリッパ爪開閉軸
85に設けられた第4ギア94に噛合している。
【0052】そして、燃料交換時には、燃料交換機本体
41の各駆動機構の駆動による本体胴55の回転動作、
内部胴64の昇降動作およびアーム42のスイング動作
によってホールドダウンチューブ43を交換用燃料位置
まで移動させて停止し、その状態でグリッパ75の下
降、グリッパ爪78による把持、グリッパ75の上昇に
よって燃料25を取出す。その後、ホールドダウンチュ
ーブ43を炉内中継槽44位置まで移動させ、グリッパ
爪78を開いて炉内中継槽44の一つに燃料25を挿入
離脱した後、他の炉内中継槽44から新燃料を把持して
取出し、前記交換燃料位置まで戻り動作させた後、そこ
に新燃料を挿入して燃料装荷を行う。炉内中継槽44の
一つに挿入された燃料25の炉外への取出しおよび新燃
料の炉内への導入は、図示しないクレーン等の燃料取扱
い装置を使用し、炉内案内管45および炉内中継装置4
6を介して行う。
【0053】なお、前記の交換用燃料位置での燃料取出
しの際、周囲の燃料25がスエリング等によって取出す
べき燃料25と干渉状態にある可能性を考慮し、ホール
ドダウンチューブ43の下端には図2に示すように、周
囲の燃料25を圧下保持する環状の保持部材95が設け
られ、隣接する燃料25の浮上がりを防止するようにな
っている。また、逆に燃料装荷時には装荷べき部位の空
間が狭められていることを考慮し、装荷する新燃料に対
して一定以上の押下げ力を付与する押下げ機構が設けら
れている。さらに、燃料25は多角形柱状であり、同形
状の炉心挿入孔との回転角度ずれがある場合を考慮し、
燃料装荷時に垂直軸心回りの回転調整を行うための回転
調整機構が設けられている。
【0054】このような本実施形態の燃料交換機33に
よると、ホールドダウンチューブ43が、矩形断面のチ
ューブ本体74の中央位置に大形のグリッパ75を配置
し、その両側の領域の隅部等にグリッパ75に比して相
対的に小径な軸構造部品を分配した構成とされているの
で、チューブ本体74の横断面内部を有効に活用するこ
とができ、それによりチューブ本体74ひいてはホール
ドダウンチューブ43の小形化が図れ、その結果このホ
ールドダウンチューブ43を駆動するための燃料交換機
本体41の構成の簡素化、軽量化を推進することができ
る。
【0055】また、チューブ本体74の中央位置にグリ
ッパ75を配置したことにより、炉心26上方での移動
範囲がチューブ本体74の中央部の到達位置によって設
定されるので、従来のようにチューブ本体74の中央以
外の位置にグリッパ75を配した構成に比較して、ホー
ルドダウンチューブ43を支持するアーム42の水平移
動幅が縮小化でき、それだけ燃料交換機33の細径化が
図れる。
【0056】さらに、チューブ本体74の中央位置にグ
リッパ75を配置した構成によると、ホールドダウンチ
ューブ43を本体胴55の中心位置直下の燃料25へ導
いて燃料交換を行う場合、本体胴55、アーム42およ
びチューブ本体74をほぼ一直線上に配置する状態とす
ることによって容易に位置決めできるので、チューブ本
体74の中央以外の位置にグリッパ75を配した従来の
構成に比して、燃料交換作業が容易かつ確実に行えるよ
うになり、作業作性向上も図れる。
【0057】また、上記構成のホールドダウンチューブ
43によれば、動力伝達用ギアを収容するギアボックス
87が、チューブ本体74の頂部に配設されているの
で、何らかの事情によりギア機構の調整やギア交換等の
必要が生じた場合、その調整作業を上方から容易に行う
ことができ、メンテナンス性も向上することができる。
【0058】また、本実施形態では図1〜図3に示すよ
うに、燃料交換機本体41の本体胴旋回駆動機構51、
アーム水平移動用駆動機構52、グリッパ昇降用駆動機
構53およびグリッパ爪開閉用駆動機構54等を、周囲
の制御棒駆動機構31の頂部よりも上方に集中配置して
ある。
【0059】したがって、これらの各駆動機構51,5
2,53,54が周囲の制御棒駆動機構31と横方向で
干渉しないため、原子炉容器21のルーフデッキ30の
中心位置への燃料交換機本体41の設置に際してスペー
スの有効利用が図れ、実際設備としての構成のコンパク
ト化が大幅に推進でき、回転プラグを省略する利点が一
層増大する。
【0060】さらに、本実施形態では、内部胴昇降駆動
機構56をスタンドパイプ49の上下方向ほぼ中間部に
設置している。これにより、内部胴昇降駆動機構56の
下方に配置される駆動軸を短尺化することができるの
で、重量の大きい構造物である燃料交換機33のコンパ
クト化および軽量化等が図れる。
【0061】次に、図8〜図11によって燃料交換機本
体41の連結構成について説明する。図8は連結部を拡
大して示す断面図であり、図9は内部機構を省略した縦
断面図である。図10は図9のX−X線に沿う横断面図
であり、図11は図9のY−Y線に沿う横断面図であ
る。
【0062】図8および図9に示すように、スタンドパ
イプ49は、ルーフデッキ30から立上がる下部スタン
ドパイプ49aと、この下部スタンドパイプ49aの上
端に接合される上部スタンドパイプ49bとによって構
成されている。すなわち、下部スタンドパイプ49aの
上端にフランジ96が形成されるとともに、上部スタン
ドパイプ49bの下端にもフランジ97が形成されてお
り、これら両フランジ96,97がそれらの間にシール
部材98を介在させた状態で接合され、ボルト99によ
って着脱可能に締結されている。なお、シール部材98
は下部スタンドパイプ49aのフランジ96の内側部位
に形成した凹部に嵌合した状態で装着されている。
【0063】また、スタンドパイプ49の内周側に配置
される本体胴55は、上端にフランジ100を有する下
部本体胴55aと、下端にフランジ101を有する上部
本体胴55bとに分割されており、スタンドパイプ49
の連結部とほぼ同一位置、詳しくは僅かに高い位置で両
フランジ100,101が接合され、これらもボルト1
02で締結されている。そして、下部本体胴55aの上
端部外周面面によって、下部スタンドパイプ49aのシ
ール部材98が内側から保持されている。
【0064】さらに、アーム水平移動用駆動軸60、グ
リッパ昇降用駆動軸61およびグリッパ爪開閉用駆動軸
62も上下に分割されている。これらの駆動軸60,6
1,62の分割部は下部本体胴55aのフランジ100
の上方に位置されている。つまり、下部アーム水平移動
用駆動軸60a、下部グリッパ昇降用駆動軸61aおよ
び下部グリッパ爪開閉用駆動軸62aはそれぞれ下部本
体胴55aのフランジ100を軸封シール部材103を
介して貫通して上方に突出し、それぞれ上部アーム水平
移動用駆動軸60b、上部グリッパ昇降用駆動軸61b
および上部グリッパ爪開閉用駆動軸62bに継手10
4,105,106を介して連結されている。各継手1
04,105,106は、凹凸嵌合構造によって接合す
るものとされ、回転力の伝達が確実に行えるとともに、
接合が容易に行えるようになっている。なお、内部胴昇
降駆動機構56は下部本体胴55aのフランジ100上
に固定されており、この内部胴昇降駆動機構56に連結
されたボールねじ式の駆動軸107が軸封シール部材1
08を介して下部本体胴55aのフランジ100を貫通
している。
【0065】すなわち、本実施形態では燃料交換機本体
41が、スタンドパイプ49から各駆動軸に至るまで上
部ユニットと下部ユニットとに分割した構成となってい
る。
【0066】したがって、本実施形態によれば燃料交換
機本体41を不使用時に原子炉容器21から取外して保
管する場合、上下部ユニットに分割して短尺なキャスク
に個別的に収納することができ、取扱いの容易化が図れ
るようになる。
【0067】また、本実施形態の分割構成によれば、下
部スタンドパイプ49aおよび下部本体胴55aの上端
部のフランジ96,100間がシール部材98で封止さ
れるとともに、下部本体胴55aのフランジ100とこ
れを貫通する各駆動軸60,61,62,107との間
もそれぞれ軸封シール103,108で封止される。そ
して、各駆動軸60,61,62,107の分割部は下
部本体胴55aのフランジ100の上側位置に設定され
ている。したがって、上部ユニットと下部ユニットとを
連結した状態では勿論、上部ユニットを下部ユニットか
ら取外した状態においても、下部ユニットの上端部分に
おいてその内外が上記の各シール部分により封止されて
バウンダリが形成され、液体金属27あるいはカバーガ
ス等から炉外への放射能洩れを確実に防止することがで
きる。
【0068】ところで、ルーフデッキ30上で燃料交換
機本体41の周囲に配置している制御棒駆動機構31
は、図9〜図11に示すように、多角形状柱で相互に間
隔的に配置されて隙間を有する構成となっている。そし
て、本実施形態では前記のスタンドパイプ49の上下部
ユニットの連結部となるフランジ96,97が、図10
に示すように、各制御棒駆動機構31相互間の隙間に配
置されている。
【0069】このように、スタンドパイプ49の連結を
制御棒駆動機構31の相互間の隙間を利用して行うこと
で、分割構成として使用するフランジ96,97の配置
に特別のスペースを必要としないため、本実施形態によ
ればスペースの有効利用が図れるとともに、連結および
分離作業等が容易に行える利点も得られる。
【0070】次に、図12〜図15によってアーム42
の構成について説明する。
【0071】図12はアーム42の外観を示す側面図で
あり、図13(A),(B),(C)はそれぞれ図12
のA−A線,B−B線,C−C線に沿う断面図である。
【0072】これらの図12および図13(A),
(B),(C)に示すように、アーム42は全体として
U字断面の棒状のアーム本体109を有している。この
アーム本体109の一端側(図12の左端側)が燃料交
換機本体41への連結部であり、この一端側では図13
(A)に示すように、U字断面部の開口が一定長さに亘
って閉塞板110で閉じられ、これにより断面矩形状と
なって剛性向上が図られるとともに、この一端側に軸支
孔111,112を有する2組のブラケット113,1
14が突設してある。この各ブラケット113,114
の軸支孔111,112に前述した燃料交換機本体41
側の軸68,71が挿通されてアーム42のスイング動
作の基点となる。また、アーム本体109の他端側(図
12の左端側)はホールドダウンチューブ43への連結
部であり、このアーム本体109の中間部から他端側で
は図13(B),(C)に示すように、U字断面構造で
あり、他端側の両側壁には軸支孔115が開けられてい
る。この軸支孔115には前述したホールドダウンチュ
ーブ43側の軸69が挿通される。そして、アーム42
およびホールドダウンチューブ43が燃料交換機本体4
1の軸心上で一直線に配列される場合、アーム本体10
9の一端側は燃料交換機本体41内に入り込む形とな
り、ホールドダウンチューブ43はアーム本体109の
U字断面部分の開口部に入り込む。
【0073】このものにおいて、本実施形態ではアーム
本体109の両側壁の外面に、その長手方向に沿って例
えば平行な1対のリブ116,117が突設されてい
る。これらのリブ116,117はアーム本体109の
剛性を向上するとともに、アーム42外面で液体金属2
7の流体抵抗となり、地震時のアーム42の変位を減少
する機能を発揮する。したがって、本実施形態のアーム
42構造によれば、簡単な構成で軽量かつ高剛性であ
り、しかも耐震性も高く、アーム42ひいては装置全体
に対する信頼性の向上が図れるという効果が奏される。
【0074】また、図14はアーム42の燃料交換機本
体41への連結構成を示す拡大断面図であり、図15は
図14の一部、すなわち軸支部分をさらに拡大して示す
詳細断面図である。
【0075】これらの図14および図15に示すよう
に、アーム42のブラケット113の軸支孔111に軸
68が挿通され、この軸68が燃料交換機本体41側の
連結部材118に例えばころがり軸受等の軸受119を
介して支持されている。この軸受119とブラケット1
13との間に、回転慣性力抑制機構120が設けられて
いる。すなわち、回転慣性力抑制機構120は、軸受1
19の軸方向両端部にボルト121により締結した固定
側スリーブ122と、この固定スリーブ122に対向し
てブラケット113側に固着した可動側スリーブ123
とを一部重合させて摺動状態とするとともに、その摺動
方向に沿うエネルギを減衰させるスプリング、例えば圧
縮コイルばね124を介在させた構成となっている。
【0076】このような構成によると、アーム42の荷
重支持点である燃料交換機本体41側での軸支部におい
て、大荷重の回転負荷が発生したり地震振動が発生した
場合に、摺動面および圧縮コイルばね124からなる回
転慣性力抑制機構120によって振動が減衰し、回転慣
性力が抑制される。したがって、本実施形態によれば回
転剛性を高め、地震時のアーム変位を減少させる等、耐
震性の向上が図れるようになる。
【0077】なお、以上の実施形態では本発明を高速増
殖炉に適用した場合について説明したが、本発明は増殖
炉以外の高速炉に対しても適用でき、また図示以外の各
種構成のものに対しても適用できることは勿論である。
【0078】
【発明の効果】以上で詳述したように、本発明に係る高
速炉の燃料交換機よれば、原子炉容器の上部蓋の中心部
またはその近傍から吊下状態で設置することにより回転
プラグを廃止する技術に関し、燃料交換機の構成簡素
化、ひいては高速炉の簡素化が推進でき、低コスト化お
よび地震等に対する安全性向上等が図れる等の優れた効
果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による原子炉容器の全体構
成を示す縦断面図。
【図2】図1の燃料交換機の全体を拡大して示す断面
図。
【図3】図2の燃料交換機本体を拡大して示す断面図。
【図4】図3の上部構成要素であるモータ等の配置構成
を示す平面図。
【図5】ホールドダウンチューブの内部構成を示す断面
図。
【図6】図5に示した構成のうち特に動力伝達部の部品
配置を示す平面図。
【図7】図5に示した構成のうち特に動力伝達部の部品
配置を示す斜視図。
【図8】本発明の一実施形態による連結部を拡大して示
す断面図。
【図9】本発明の一実施形態による内部機構を省略した
縦断面図。
【図10】図9のX−X線に沿う横断面図。
【図11】図9のY−Y線に沿う横断面図。
【図12】本発明の一実施形態によるアームの外観を示
す側面図。
【図13】(A),(B),(C)はそれぞれ図12の
A−A線,B−B線,C−C線に沿う断面図。
【図14】本発明の一実施形態によるアームの一端を燃
料交換機本体への連結構成を示す拡大断面図。
【図15】図14の一部をさらに拡大して示す詳細断面
図。
【図16】従来例を示す概略構成図。
【符号の説明】
21 原子炉容器 22 支持部材 23 原子炉建屋 24 キャビティー・ウォール 25 燃料 26 炉心 27 液体金属 28 炉心入口プレナム部 29 炉心支持体 30 ルーフデッキ 31 制御棒駆動機構 32 炉心上部機構昇降機構 33 燃料交換機 34 支持板 35 制御棒駆動機構ハウジング 36 制御棒駆動ロッド 37 多孔整流部材 38 炉心上部機構 39 昇降コラム 40 熱交換器 41 燃料交換機本体 42 アーム 43 ホールドダウンチューブ 44 炉内中継槽 45 炉内案内管 46 炉内中継装置 47 炉心槽 48 貫通孔 49 スタンドパイプ 49a 下部スタンドパイプ 49b 上部スタンドパイプ 50 操作用デッキ 51 本体胴旋回駆動機構 52 アーム水平駆動用駆動機構 53 グリッパ昇降用駆動機構 54 グリッパ爪開閉用駆動機構 55 本体胴 56 内部胴昇降駆動機構 59 エンコーダ 60 アーム水平移動用駆動軸 61 グリッパ昇降用駆動軸 62 グリッパ爪開閉用駆動軸 63 ボールねじ機構 64 内部胴 65 自在継手 66 ボールねじ機構 67 車輪 68,69 軸 70 補助アーム 71,72 軸 73 自在継手 74 チューブ本体 75 グリッパ 76 グリッパケース 77 軸 78 グリッパ爪 79 開閉ロッド 80 ギア 81 グリッパ昇降用伝達軸 82 ギア 83 グリッパ爪開閉用伝達軸 84 グリッパ昇降軸 85 グリッパ爪開閉軸 86 ナット 87 ギアボックス 88 第1ギア 89 第2ギア 90 第3ギア 91 第1ギア 92 第2ギア 93 第3ギア 94 第4ギア 96,97 フランジ 98 シール部材 99 ボルト 100,101 フランジ 102 ボルト 103 軸封シール部材 104,105,106 継手 107 駆動軸 108 軸封シール部材 109 アーム本体 110 閉塞板 111,112,115 軸支孔 113,114 ブラケット 116,117 リブ 118 連結部材 119 軸受 120 回転慣性力抑制機構 121 ボルト 122 固定側スリーブ 123 可動側スリーブ 124 圧縮コイルばね

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高速炉の原子炉容器内で炉心構成要素で
    ある燃料を把持、昇降および水平移動により交換する燃
    料交換機であって、前記原子炉容器の上部蓋の中心部ま
    たはその近傍に前記上部蓋を貫通する状態で設置され複
    数の駆動部を有する縦長な燃料交換機本体と、この燃料
    交換機本体の下端部に連結され前記駆動部によりスイン
    グ動作を行うアームと、このアームの先端に連結され常
    時垂直状態を保持して交換すべき燃料の着脱、吊上げ、
    保持および吊下し動作を行うホールドダウンチューブと
    を備えたものにおいて、前記ホールドダウンチューブ
    は、交換すべき燃料を収容する下面が開口したチューブ
    本体と、このチューブ本体の内部に昇降および回転可能
    に設けられた燃料把持用のグリッパと、前記燃料交換機
    本体の駆動部の動力を前記グリッパに伝達する昇降用お
    よび回転用の複数の縦長な軸とを有し、かつ前記チュー
    ブ本体の横断面内のほぼ中心位置に前記グリッパを配置
    する一方、そのグリッパに対して前記燃料交換機本体側
    およびそれと反対側に位置する前記チューブ本体内の領
    域に前記昇降用および回転用の複数の軸を配置したこと
    を特徴とする高速炉の燃料交換機。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の高速炉の燃料交換機にお
    いて、ホールドダウンチューブの各軸間の動力伝達用ギ
    アを収容するギアボックスを、チューブ本体の頂部に配
    設したことを特徴とする高速炉の燃料交換機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の高速炉の燃料交
    換機において、燃料交換機本体の複数の駆動機構は、原
    子炉容器の上部蓋から立上がるスタンドパイプの頂部に
    設置され、かつ前記駆動機構は、前記原子炉容器の上部
    蓋に設けられる制御棒駆動機構の頂部よりも高所に集中
    的に配置したことを特徴とする高速炉の燃料交換機。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の高速炉の燃料交換機にお
    いて、燃料交換機本体を構成するスタンドパイプは分割
    可能に接続された上部ユニットおよび下部ユニットから
    なる構成とし、これら上下部ユニットの連結部を原子炉
    容器の上部蓋の上方位置に配置したことを特徴とする高
    速炉の燃料交換機。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の高速炉の燃料交換機にお
    いて、上部ユニットおよび下部ユニットとなる上部スタ
    ンドパイプおよび下部スタンドパイプは、それらの端部
    外周面にそれぞれ一体に突設したフランジをボルトで締
    結することにより連結し、その各フランジは、前記スタ
    ンドパイプを囲んで原子炉容器の上部蓋から立上る複数
    の制御棒駆動機構の相互間隙に配置したことを特徴とす
    る高速炉の燃料交換機。
  6. 【請求項6】 請求項1から5までのいずれかに記載の
    燃料交換機において、アームは矩形断面またはU字断面
    を有するものであり、その長手方向に沿う外面に沿って
    一体に突出するリブを有することを特徴とする高速炉の
    燃料交換機。
  7. 【請求項7】 請求項1から6までのいずれかに記載の
    高速炉の燃料交換機において、アームは燃料交換機本体
    およびホールドダウンチューブに対して軸を介して連結
    したものであり、その連結部の少なくともいずれか一方
    の軸受部に回転慣性力減衰機構を設けたことを特徴とす
    る高速炉の燃料交換機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108806812A (zh) * 2018-06-11 2018-11-13 中广核研究院有限公司 用于反应堆燃料组件装卸的升降机

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