JPH10148414A - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置

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JPH10148414A
JPH10148414A JP30674796A JP30674796A JPH10148414A JP H10148414 A JPH10148414 A JP H10148414A JP 30674796 A JP30674796 A JP 30674796A JP 30674796 A JP30674796 A JP 30674796A JP H10148414 A JPH10148414 A JP H10148414A
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昌徳 上原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内部が大気圧よりも低圧である密閉回路の内
部で冷媒の凝縮、蒸発を行なう冷凍装置において、密閉
回路内部への大気の侵入を抑制する。 【解決手段】 冷媒としての水が封入された密閉容器1
0と、この密閉容器10を収容する外側密閉容器20と
の間の空間Cは、大気圧の環境であり、この空間Cに水
Wを充填してある。よって、密閉容器19内には水Wが
侵入し、大気の侵入を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気圧よりも低圧
な環境下で、冷媒を蒸発器、凝縮器にて蒸発、凝縮させ
ることにより作動する冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、上記冷凍装置として、例え
ば、吸着剤の吸着、脱着作用を利用した吸着式冷凍装置
が挙げられる。この装置は、凝縮器、蒸発器、および、
吸着剤を内蔵する一対の吸着器を、1つの密閉回路内に
設け、さらにこの密閉回路内に、冷媒としての水が封入
されている。そして、一方の吸着器の吸着剤が気体冷媒
を吸着することにより、蒸発器における液体冷媒の蒸発
を促進し、他方の吸着器の吸着剤が脱着した気体冷媒を
凝縮器にて凝縮するものである。
【0003】なお、蒸発器では水を10℃程度で蒸発さ
せ、凝縮器では水蒸気を40℃程度で凝縮させている。
このため、密閉容器内は、水の10℃における飽和蒸気
圧(約9torr=9/760気圧)から、水の40℃
における飽和蒸気圧(約55torr=55/760気
圧)の間の圧力程度となっている。このように、密閉回
路内は大気(1気圧)に比べて非常に低圧となってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、密閉回路内
が大気よりも非常に低圧であるため、大気(酸素、水
素、窒素等)が密閉回路の接続部分等の微小な隙間を経
て、密閉回路内に侵入する。ここで、酸素、水素、窒素
等は、水に比べて飽和蒸気圧が非常に高く、非常に低圧
な密閉回路内に侵入しても、気体のまま存在する。そし
て、密閉回路内において、気体状態の酸素、水素、窒素
等が拡散するため、水蒸気の拡散が妨げられる。これに
より、蒸発器における水の蒸発や、凝縮器における水の
凝縮や、吸着器の吸着剤による水蒸気の吸着、脱着が妨
げられるため、この冷凍装置の冷凍性能が低下する、と
いった問題があった。
【0005】なお、ポンプ等の特別な排気手段により、
酸素、水素、窒素等を除去することで、上記問題は解決
できるが、このような排気作業を行なう煩わしさがあ
り、上記冷凍装置が大型化したり、ポンプを駆動する動
力が必要となる等の理由でコスト高となるため、好まし
くない。本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、内
部が大気圧よりも低圧である密閉回路の内部で冷媒の凝
縮、蒸発を行なう冷凍装置において、密閉回路内部への
大気の侵入を抑制することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1、2および4に記載の発明では、密閉回路
(10)の内部で、冷媒の蒸発、凝縮を繰り返す冷凍装
置であって、密閉回路(10)を収容する外側容器(2
0)と、密閉容器(10)との間の空間(C)は、大気
圧の環境であるとともに、この空間(C)に、上記冷媒
と同種の冷媒(W)を充填したことを特徴としている。
【0007】従って、密閉回路(10)の内外で大きな
圧力差があるが、この密閉回路(10)の外周部が、密
閉回路(10)内に封入されている冷媒と同種の冷媒
(W)により覆われているので、この密閉回路(10)
内に侵入するのは、上記同種の冷媒(W)である。この
ため、密閉回路(10)内の冷媒の拡散が妨げられるこ
とを抑制できる。従って、冷媒の蒸発や凝縮が良好に行
なわれ、この冷凍装置の冷房能力を維持できる。
【0008】また、請求項3および4に記載の発明で
は、冷媒の飽和蒸気圧よりも低い飽和蒸気圧を有する低
蒸気圧材料(P)により、密閉回路(10)の外周部を
覆ったことを特徴としている。従って、密閉回路(1
0)の内外で大きな圧力差があるが、この密閉回路(1
0)の外周部が上記低蒸気圧材料(P)により覆ってあ
るので、この密閉回路(10)内に侵入するのは低蒸気
圧材料(P)である。ここで、低蒸気圧材料(P)によ
れば、冷媒よりも高い飽和蒸気圧を有する材料、例え
ば、酸素、水素、窒素等に比べて、密閉回路(10)内
の低圧な環境において、この密閉回路(10)内に広く
拡散することが抑制でき、冷媒の拡散を妨げることを抑
制できる。よって、上記請求項1、2および4に記載の
発明と同様の効果が得られる。
【0009】また、請求項4に記載の発明では、1つの
箱状の密閉容器(10)の内部に、凝縮器室(31)、
蒸発器室(41)、および、第1、第2吸着コア室(1
1、21)を区画形成してあるため、この密閉容器(1
0)の外周部を、上記冷媒と同種の冷媒(W)や低蒸気
圧材料(P)で覆う構造が単純となり、コスト安であ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。 (第1の実施形態)図1(a)ないし(c)に示す本実
施形態の吸着式冷凍装置100は、車両に搭載されて空
調装置の一部として機能する。この吸着式冷凍装置10
0は、1つの箱状の密閉容器10を備え、この内部に、
冷媒(例えば水やアルコール水溶液等)を吸着、脱着可
能な第1、第2吸着コア1、2、凝縮器3、および、蒸
発器4を設けたものである。密閉容器10内部は、第
1、第2吸着コア1、2、凝縮器3、および、蒸発器4
をそれぞれ収容する第1、第2吸着コア室11、21、
凝縮器室31、および、蒸発器室41に仕切られてい
る。
【0011】第1、第2吸着コア室11、12と、凝縮
器室31との境界部分には、三方切替弁5が配置され、
第1、第2吸着コア室11、12と、蒸発器室41との
境界部分には、三方切替弁6が配置されている。三方切
替弁5により、第1、第2吸着コア室11と凝縮器室3
1との連通状態を切り替え、三方切替弁6により、第
1、第2吸着コア室11と蒸発器室41との連通状態を
切り替えるようになっている。
【0012】また、凝縮器室31と蒸発器室41との境
界部分には、キャピラリチューブ35が配置されてい
る。このキャピラリチューブ35は、凝縮器室31と蒸
発器室41とを連通するものであり、所定の圧力損失を
発生させる絞り弁35aが設けられている。ここで、密
閉容器10は、内部を一旦真空状態とした後、所定量の
冷媒(本実施形態では水)を封入してある。この結果、
密閉容器10の内部は、大気圧に比べて非常に低圧(9
〜55torr)となっている。本実施形態では、1つ
の吸着コア1、2で吸着可能な冷媒量の2倍程度の冷媒
を封入してある。そして、密閉容器10内外の圧力差に
耐えうる強度を有するとともに、耐食性に優れる材料
(例えばアルミニウム合金、ステンレス等)からなる板
状部材を複数枚溶接にて接合して、密閉容器10が構成
されている。
【0013】そして、密閉容器10の外周部には、この
密閉容器10を収容可能な大きさの外側密閉容器20が
設けられている。この外側密閉容器20は、耐食性に優
れる材料(例えばアルミニウム合金、ステンレス、樹脂
等)からなる。そして、密閉容器10と外側密閉容器2
0との間の空間Cは大気圧程度であるとともに、水(上
記冷媒と同種の冷媒)Wが隙間なく充填されている。図
1に、水Wの充填されている様子をハッチングで示す。
【0014】第1、第2吸着コア1、2には、エンジン
7aにて加熱された熱交換流体(加熱流体)と、室外熱
交換器8にて冷却された熱交換流体(冷却流体)とが、
所定時間(例えば60秒)毎に交互に流れるようになっ
ている。なお、エンジン7aにて加熱された熱交換流体
は、ラジエータ7bへも循環可能となっている。凝縮器
3には、室外熱交換器8からの熱交換流体が常に流れ、
蒸発器4には、室内熱交換器9からの熱交換流体が常に
流れるようになっている。
【0015】なお、図1には、室外熱交換器8を2つ示
してあるが、実際は1つの室外熱交換器8により、第
1、第2吸着コア1、2、および、凝縮器3への熱交換
流体の供給を行なっている。また、上記加熱流体と冷却
流体とを交互に流すために、その流体通路を、四方切替
弁15、16にて切り替えるようになっている。また、
エンジン7a、室外熱交換器8、室内熱交換器9からの
熱交換流体は、図示しないポンプにて流れるようになっ
ている。
【0016】また、第1、第2吸着コア1、2と、エン
ジン7aおよび室外熱交換器8との間、凝縮器3と室外
熱交換器8との間、蒸発器4と室内熱交換器9との間
は、流体配管にてそれぞれ接続されている。そして、密
閉容器10および外側密閉容器20のうち、流体配管
や、三方切替弁5、6を回動駆動するための駆動手段等
が貫通する部位は、パッキン等により確実にシールして
ある。なお、密閉容器10内は大気圧より非常に低圧で
あり、外側密閉容器20内(空間C)は大気圧程度であ
るため、密閉容器10におけるシールをより確実に行な
っている。具体的に、密閉容器10においては、ベロー
ズやSUS等の金属ガスケットを用いたシールを行なっ
ている。
【0017】ここで、第1、第2吸着コア1、2は、上
記熱交換流体が流れる流体配管の周囲に、多数の吸着剤
を設けたものからなる。この吸着剤は、シリカゲル、ゼ
オライト、活性炭、活性アルミナ等の粉粒体から構成さ
れている。そして、第1、第2吸着コア1、2に上記冷
却流体を供給することにより、吸着剤が冷却されて気体
冷媒を高能力で吸着する。この吸着に伴い吸着能力が次
第に低下しても、第1、第2吸着コア1、2に上記加熱
流体を供給することにより、吸着剤が加熱されて吸着し
ていた気体冷媒を脱着し、吸着能力が再生される。
【0018】このような構成において、第1吸着コア1
が吸着工程、第2吸着コア2が脱着工程を実行する場合
について説明する。このとき、三方切替弁5、6の回動
位置は、図1(a)および(c)に実線で示すように設
定される。そして、第1吸着コア1に室外熱交換器8か
らの冷却流体が流れ、第2吸着コア2にエンジン7aか
らの加熱流体が流れる。
【0019】これにより、加熱流体が第2吸着コア2の
吸着剤を加熱し、吸着剤から気体冷媒を脱着する。この
気体冷媒が、三方切替弁5を経て凝縮器3へ供給され、
凝縮器3において冷媒を凝縮する。なお、凝縮器3を流
れる熱交換流体は、冷媒の凝縮による凝縮熱を奪い、室
外熱交換器8において、上記凝縮熱を室外へ放出する。
【0020】また、冷却流体が第1吸着コア1の吸着剤
を冷却し、吸着剤に気体冷媒を吸着する。これにより、
第1吸着コア室11、および、このコア室11に三方切
替弁6を経て連通する蒸発器室41内の圧力が下がり、
蒸発器4による冷媒の蒸発が促進される。なお、蒸発器
4を流れる熱交換流体は、冷媒の蒸発による蒸発熱を奪
われて冷却され、室内熱交換器9において室内空気と熱
交換して、室内を冷却する。
【0021】そして、三方切替弁5、6が図1(a)お
よび(c)に破線で示すように切り替えられた場合に
は、逆に、第1吸着コア1が吸着工程、第2吸着コア2
が脱着工程を行う。このときの詳細な作動説明は省略す
る。本実施形態によれば、密閉容器10の内外で大きな
圧力差があるが、この密閉容器10の外周部が、大気圧
程度の環境にある水により覆われているので、この密閉
容器10内には水が侵入し、大気(酸素、水素、窒素
等)が侵入することを抑制できる。このため、密閉容器
10内の冷媒の拡散が妨げられることを抑制でき、冷媒
の蒸発や凝縮、吸着や脱着が良好に行なわれ、この冷凍
装置の冷房能力を維持できる。
【0022】また、1つの箱状の密閉容器10の外周部
を覆うように、外側密閉容器20を設け、これら容器1
0、20の間に水を封入するだけでよいので、その組付
構造が単純となる。 (第2の実施形態)本実施形態は、図2に示すように、
2つの箱状の第1、第2密閉容器10A10Bを備えて
いる。そして、第1、第2密閉容器10A、10Bの内
部には、流体通路Lおよび吸着剤Sを備えた第1、第2
吸着コア1、2、および、凝縮器および蒸発器の役割を
果たす第1、第2凝縮蒸発器30、40が収容されてい
る。なお、図2には表れていないが、密閉容器10A、
10Bのうち、上方内部に吸着コア1、2が配置され、
下方内部に凝縮蒸発器30、40が配置されている。
【0023】そして、両密閉容器10A、10Bの下方
には、両密閉容器10A、10Bを互いに連通するキャ
ピラリチューブ35が設けられている。このキャピラリ
チューブ35は非常に細く形成されており、この結果、
絞りの役割も兼ねている。第1、第2凝縮蒸発器30、
40は、一方が蒸発器としてはたらくとき、他方が凝縮
器としてはたらくようになっている。
【0024】そして、室外熱交換器8、凝縮蒸発器3
0、40、四方切替弁17、室内熱交換器9、四方切替
弁18、吸着コア1、2、四方切替弁19、ポンプ2
5、室外熱交換器8は、直列に接続されている。また、
室外熱交換器8、凝縮蒸発器30、40、四方切替弁1
7、ポンプ25、室外熱交換器8は、直列に接続されて
いる。
【0025】このものでは、四方弁17、18、19が
実線で示す状態にあるときには、第1吸着コア1が吸着
行程にあり、第2吸着コア2が脱着行程にある。このと
き、加熱流体は第2吸着コア1の流体通路Lを流れて第
2吸着コア2の吸着剤Sを加熱し、これにより吸着剤S
から脱着した冷媒蒸気は第2凝縮蒸発器40側へ流入す
る。
【0026】これに対し、室外熱交換器8で冷却された
冷却流体は第1、第2凝縮蒸発器30、40に分流し、
第2凝縮蒸発器40に分流した冷却流体は、第2密閉容
器10B内において第2凝縮蒸発器40近傍の冷媒蒸気
を凝縮した後、室外熱交換器8に戻る。この凝縮された
冷媒液は、第2密閉容器10Bの下方内部に貯えられた
り、第1密閉容器10Aへ供給される。
【0027】また、第1凝縮蒸発器30に分流した冷却
流体は、この凝縮蒸発器30において冷却された後、室
内熱交換器9に供給されてエアコンの送風ダクト内を流
れる空気を冷却する。この冷却された冷却流体は、第1
吸着コア1の流体通路Lに流れて吸着コア1の吸着剤S
を冷却し、室外熱交換器8に戻る。これにより、吸着コ
ア1の吸着剤Sは、凝縮蒸発器室30で蒸発した冷媒蒸
気を吸着する。
【0028】なお、四方弁17、18、19が図4に破
線で示す状態に切り替えられた場合には、逆に、第1吸
着コア1が脱着行程を行い、第2吸着コア3が吸着行程
を行うだけで、加熱流体、冷却流体、冷媒の流通経路は
上述したものと同様であるので詳細な説明は省略する。
このような吸着式冷凍装置1において、第1、第2密閉
容器10A、10Bをそれぞれ収容する第1、第2外側
密閉容器20A、20Bを設けている。そして、第1、
第2密閉容器10A、10Bと、外側密閉容器20A、
20Bとの間の空間Cには、冷媒の飽和蒸気圧(20℃
で103 Pa程度)よりも低い飽和蒸気圧を有する低蒸
気圧材料Pを充填してある。なお、図2において、低蒸
気圧材料Pが充填されている様子をハッチングで示して
ある。
【0029】この低蒸気圧材料Pとしては、例えば、シ
リコングリース(20℃で10-4Pa以下)、エレクト
ロングリース(30℃で10-5Pa以下)、アビエゾン
L(20℃で10-8〜10-9Pa程度)、アビエゾンM
(20℃で10-5〜10-6Pa程度)、アビエゾンN
(20℃で10-6〜10-7Pa程度)、アビエゾンT
(20℃で10-6Pa程度)等が挙げられる。
【0030】これによれば、たとえ密閉容器10内部に
低蒸気圧材料が侵入しても、飽和蒸気圧が上述のように
非常に小さいため、密閉容器10内部において気化する
ことはなく、固体状のままである。このため、密閉容器
10内部における冷媒の拡散を妨げることはない。な
お、上記低蒸気圧材料は、水に溶けることがなく、大き
な蒸発潜熱を有するといった水の特性を妨げることはな
い。
【0031】この低蒸気圧材料としては、密閉容器10
A、10B内部の温度範囲において、飽和蒸気圧が1t
orr(=133.3Pa)以下であれば、冷媒に水を
使用した場合に、この水蒸気の拡散を妨げることはほと
んどないことが、発明者の実験により確認されている。
よって、冷媒に水を使用する本実施形態では、低蒸気圧
材料として、飽和蒸気圧が1torr以下のものを空間
Cに充填するのが好ましい。
【0032】また、上記した低蒸気圧材料、例えば、シ
リコングリースの熱伝導率は0.209W/mKであ
り、水の熱伝導率は0.61W/mKである。ここで、
この冷凍装置はエンジンルームに配置されているため、
このエンジンルーム内の熱が、蒸発器としてはたらく凝
縮蒸発器3、4に伝わり、この凝縮蒸発器3、4内部の
水を経て熱交換流体が加熱される、といった問題があっ
た。これに対して、水よりも熱伝導率の悪い低蒸気圧材
料にて密閉容器10A、10Bの外周面を覆うことによ
り、蒸発器としてはたらく凝縮蒸発器3、4に、エンジ
ンルーム内の熱が伝わることを抑制できる。よって、上
記熱交換流体を良好に冷却でき、室内の冷房を良好に行
なうことができる。
【0033】また、本実施形態のように、第1密閉容器
10Aを収容する第1外側密閉容器20Aと、第2密閉
容器10Bを収容する第2外側密閉容器20Bとが別体
であるので、それぞれを独立して離れた場所に配置可能
となり、レイアウトが自在となる。さらに、本実施形態
では、上記第1の実施形態における凝縮器3および蒸発
器4の替わりに、第1、第2凝縮蒸発器30、40を用
いることにより、以下の効果がある。まず、上記第1の
実施形態における開閉弁5、6を廃止でき、吸着式冷凍
装置1の小型化を図ることができるとともに、開閉弁
5、6の制御が必要なく、この制御に関わる周囲部品を
減らすことができる。従って、コスト安となる。
【0034】(他の実施形態)上記第1の実施形態にお
ける上記空間Cに、上記低蒸気圧材料を充填してもよい
し、上記第2の実施形態における上記空間Cに、冷媒
(水等)を充填してもよい。また、上記第1の実施形態
では、1つの密閉容器10の外側に外側密閉容器20を
設けていたが、これに限定されることはなく、第1、第
2吸着コア室11、21、凝縮器室31、および、蒸発
器室41が、それぞれ独立に箱状に配置されるものにお
いて、第1、第2吸着コア室11、21、凝縮器室3
1、および、蒸発器室41のそれぞれの外側に外側密閉
容器を設け、この容器内部の空間に、冷媒や低蒸気圧材
料を充填してもよい。また、第1、第2吸着コア室1
1、21、凝縮器室31、および、蒸発器室41の少な
くとも1つに、冷媒や低蒸気圧材料を充填してもよい。
【0035】また、上記第1、第2の実施形態では、密
閉容器10の外側に、箱状の外側密閉容器20を設けて
いたが、外側密閉容器20の代わりに、密閉容器10を
収容可能な大きさで、かつ、一面が開口した外側容器を
用いてもよい。そして、一面が上方に向くように配置
し、この外側容器と密閉容器10との間に、冷媒や、低
蒸気圧材料を充填するようにしてもよい。また、上記し
た低蒸気圧材料は、非常に粘性が高く、粘着性が高いた
め、密閉容器10の接合部分のみに厚く塗布するだけで
もよい。
【0036】また、上記実施形態では、吸着式冷凍装置
100に本発明を適用したが、内部が大気圧よりも低圧
となるような密閉容器10内部で、冷媒の蒸発、凝縮を
繰り返す冷凍装置、例えば、吸収式冷凍装置に本発明を
適用してもよい。なお、吸収式冷凍装置は、蒸発器、吸
収器、発生器、凝縮器、膨張弁、蒸発器をこの順に接続
したもので、10℃程度における飽和蒸気圧が大気圧よ
りも低い、水等の循環冷媒が、発生器における高圧下で
の加熱によって、臭化リチウムから分離され、ついで、
吸収器における低圧下(例えば5〜60torr)で臭
化リチウムに再吸収されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係わる吸着
式冷凍装置の概略的な上面図、(b)は(a)の正面
図、(c)は(a)の側面図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係わる吸着式冷凍装
置の概略的な全体構成図である。
【符号の説明】
10…密閉容器(密閉回路)、20…外側密閉容器(外
側容器)、C…空間、W…水。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部が大気圧よりも低圧である密閉回路
    (10)の内部で、冷媒の蒸発、凝縮を繰り返す冷凍装
    置であって、 前記密閉容器(10)を収容する外側容器(20)と、
    前記密閉容器(10)との間の空間(C)は、大気圧の
    環境であるとともに、前記冷媒と同種の冷媒(W)が充
    填されていることを特徴とする冷凍装置。
  2. 【請求項2】 前記冷媒、および、この冷媒と同種の冷
    媒は、水であることを特徴とする請求項1に記載の冷凍
    装置。
  3. 【請求項3】 内部が大気圧よりも低圧である密閉回路
    (10)の内部で、冷媒の蒸発、凝縮を繰り返す冷凍装
    置であって、 前記密閉容器(10)の外周部は、大気圧の環境である
    とともに、前記冷媒の飽和蒸気圧よりも低い飽和蒸気圧
    を有する低蒸気圧材料(P)により覆われていることを
    特徴とする冷凍装置。
  4. 【請求項4】 前記密閉回路は、1つの箱状の密閉容器
    (10)からなり、 この密閉容器(10)は、 冷媒を凝縮する凝縮器(3)を収容する凝縮器室(3
    1)と、 冷媒を蒸発させる蒸発器(4)を収容する蒸発器室(4
    1)と、 気体冷媒を吸着する吸着工程と、気体冷媒を脱着する脱
    着工程とを交互に実行する第1、第2吸着コア(1、
    2)を収容する第1、第2吸着コア室(11、21)と
    に区画形成されていることを特徴とする請求項1ないし
    3のいずれか1つに記載の冷凍装置。
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