JPH10148124A - 遠心式冷却ファンを備えたエンジン - Google Patents

遠心式冷却ファンを備えたエンジン

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JPH10148124A
JPH10148124A JP30780696A JP30780696A JPH10148124A JP H10148124 A JPH10148124 A JP H10148124A JP 30780696 A JP30780696 A JP 30780696A JP 30780696 A JP30780696 A JP 30780696A JP H10148124 A JPH10148124 A JP H10148124A
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JP
Japan
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engine
cooling
air
cooling fan
soundproof
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JP30780696A
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English (en)
Inventor
Kei Hasegawa
圭 長谷川
Masaru Hayashida
大 林田
Tsugunori Hata
継徳 畑
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Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠心式冷却ファンを採用したエンジンにおい
て冷却性能を高める。 【解決手段】 遠心式の冷却ファン7とファンケースと
して機能する前側基部防音板17の間隔が小さくなる締
め切り点33より下流側にエンジン上方へ向かう第1冷
却風37を排風する第1冷却風出口34を設け、上流側
にエンジン下方へ向かう第2冷却風38をクランクケー
ス一側方向へ排風する第2冷却風出口35を設けた。こ
のように構成することにより、従来、冷却が十分でなか
ったクランクケース一側方向を冷却することができると
ともに、渦巻き室の効果をなしていなかったファンケー
ス部分で冷却作用を行なうことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は遠心式冷却ファンを
備えたエンジンに関し、より詳しくは冷却性能を高めた
エンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】図12は従来の空冷ガソリンエンジンの
構成を示す正面部分断面図である。図12において、エ
ンジン本体80にはクランク軸と連動する遠心式の冷却
ファン81が取り付けられ、冷却ファン81は正面に円
形開口82を備えたファンケース83で覆われ、円形開
口82からの外気を遠心式の冷却ファン81で吸い込
み、その生成された冷却風を上側冷却風出口84から排
風してシリンダブロック、シリンダヘッド85周辺を冷
却するように構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術の空冷ガソリンエンジンであると、以下の課題が
ある。 (1)一般に冷却ファン81のファンケース83を渦巻
き室形状にして風量を稼ぐことが行われている。図12
に示す渦巻室においては締め切り点86から回転距離が
大きくなるほど圧力が増し、風量が増加する。しかし、
従来のファンケース83は底部分で冷却ファン81のフ
ライホイルとファンケース83との隙間が非常に狭いた
めに締め切り点86となり、上側冷却風出口84はほぼ
真上に設定されているために、冷却ファン81の円周の
2/3程度しか渦巻室の効果をなしておらず、締め切り
点86より上流側の円周領域87が有効に活用されてい
ない。
【0004】(2)上記エンジンの冷却風の送風構成で
あると、上側冷却風出口84から冷却風がシリンダブロ
ック、シリンダヘッド85回りに送風されるだけなの
で、エンジンの下部域、特に、左側、右側のクランクケ
ース下方部分88の冷却性能が低いという問題がある。 (3)上記のような空冷エンジンの騒音を低減するため
に防音ケースで収容する場合、エアクリーナ、マフラ等
のエンジン本体に付属する構成要素と、エンジンの動力
を用いて所定動作を行う発電機のような作業機をともに
収容する構成が従来から採用されている。この場合は、
防音ケース内の冷却性を確保することが難しいために、
エンジンのクランク軸に連動する冷却ファンとは別の専
用の換気ファンを設ける必要があり、防音ケース自体が
大形化したり、コストが高くなる問題がある。
【0005】
【発明の目的】本発明は上記課題に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は上記各課題を解決することにあ
る。なお、上記以外の個別の課題、およびその解決手段
については、後述する発明の実施の形態の欄で詳しく説
明する。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明を、例えば、
図1〜図9を参照して説明すれば、遠心式冷却ファンと
ファンケースを備え、その遠心式冷却ファンで生成され
た冷却風を少なくともシリンダヘッド側へ送風するよう
にした遠心式冷却ファンを備えた空冷エンジンにおい
て、遠心式冷却ファン7とファンケース17の間隔が小
さくなる締め切り点33を設け、遠心式冷却ファン7の
回転において締め切り点33より上流側と下流側とにそ
れぞれ少なくとも1つの冷却風出口34,35を形成
し、それらの冷却風出口34,35が、遠心式冷却ファ
ン7の回転によって生じるエンジン上方へ向かう第1冷
却風37を排風する第1冷却風出口34と、遠心式冷却
ファン7の回転によって生じるエンジン下方へ向かう第
2冷却風38をクランクケース一側方向へ排風する第2
冷却風出口35とを含んでいることを特徴とする。
【0007】第2の発明を、例えば、図1〜図9を参照
して説明すれば、第1冷却風出口34の吹き当たり箇所
に導風板41を設け、第1冷却風37を下向きに迂回さ
せて、前記一側方向と反対のクランクケース他側方向に
送ることを特徴とする。第3の発明を、例えば、図1〜
図9を参照して説明すれば、前記空冷エンジン1がメカ
ニカルガバナを有し、エンジン本体とガバナレバー44
との間に仕切壁27を設け、仕切壁27を扁平に構成
し、ガバナレバー44を仕切壁27に沿って真っすぐに
構成したことを特徴とする。第4の発明を、例えば、図
1〜図9を参照して説明すれば、仕切壁27より外側に
気化器11を設け、空冷エンジン1の吸気ポート9と気
化器11の間にインシュレータ45を介在させたことを
特徴とする。
【0008】
【発明の作用及び効果】第1の発明であれば、次の作用
・効果を有する。 (イ)第1冷却風出口から出た第1冷却風がエンジン上
部、即ちシリンダブロック、シリンダヘッド部分を冷却
し、第2冷却風出口から出た第2冷却風がクランクケー
ス一側方向を冷却する。このように従来の遠心式冷却フ
ァンにはなかった第2冷却風出口を設けたので従来、冷
却が十分でなかったクランクケース一側方向を冷却する
ことができる。 (ロ)冷却ファンの回転において締め切り点より上流側
と下流側とにそれぞれ少なくとも1つの冷却風出口を形
成することにより、締め切り点より上流側と下流側とで
冷却風の冷却部分を分けることができ、従来、渦巻き室
の効果をなしていなかった部分で冷却作用を行なうこと
ができる。第2の発明であれば、第1冷却風を下向きに
迂回させて、前記一側方向と反対のクランクケース他側
方向に送ることにより、従来のエンジンでは冷却が十分
でなかったクランクケース他側を冷却することができ
る。また、第1の発明と第2の発明を組み合わせて用い
ることにより、エンジンのクランクケースの両側方向を
冷却することができる。
【0009】第3の発明であれば、エンジン本体とガバ
ナレバーとの間に仕切壁を設けることにより、ガバナレ
バーがある方向へエンジンの騒音が伝わることを低減す
ることができる。また、仕切壁と扁平に構成することに
より、仕切壁とエンジン本体の上部との間隔を広くで
き、冷却性能を高めることができる。さらに、ガバナレ
バーを仕切壁に沿って真っすぐに構成することによりガ
バナレバーの構造が簡単になり、ガバナレバーの製造を
安価に行なうことができる。第4の発明であれば、空冷
エンジンの吸気ポート入口と気化器の間にインシュレー
タを介在させたことにより、仕切壁を回避できる位置ま
で気化器を簡単に移動させることができ、従来使用して
いた気化器をそのまま使用することができ、コストを低
減することができる。また、仕切壁とエンジン本体との
隙間をインシュレータを設けて広げることができ、仕切
壁とエンジン本体との間の冷却性能を高めることができ
る。また、隙間を広げることにより、必要に応じて吸音
材を仕切板とエンジン本体との間に介在させることがで
きる利点がある。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面によって
詳細に説明する。図1(A)は本発明に係る遠心式冷却
ファンを備えたエンジンの第1実施形態を示す前側斜視
図、図1(B)は後側斜視図、図2(A)は包囲型エン
ジンの外観正面図、図2(B)はその外観平面図、図2
(C)はその外観右側側面図、図3(A)は包囲型エン
ジンの外観背面図、図3(B)はその外観左側側面図で
ある。図4(A)は包囲型エンジンの内部説明正面図、
図4(B)はその内部説明平面図、図4(C)はその内
部説明右側側面図、図5(A)は包囲型エンジンの内部
説明背面図、図5(B)はその内部説明左側側面図であ
る。この実施形態に係る包囲型エンジンに採用されてい
る空冷一気筒ガソリンエンジン1は、図4〜図7に示す
ようにシリンダブロック2とクランクケース4とが一体
化されたものにシリンダヘッド5を組み付け、クランク
ケース前壁4aからクランク軸6を突出させ、そのクラ
ンク軸6の先端に遠心式の冷却ファン7を取り付けてい
る。また、クランクケース後壁4bからは作業機用の動
力取出軸8(例えば、PTO軸)が突出されている。
【0011】図7に示すようにシリンダブロック2の前
壁には吸気ポート9が形成されており、吸気ポート9か
ら吸気管10を介してシリンダブロック2の左壁側に設
けられた気化器11に連通されている。シリンダブロッ
ク2の左壁側には気化器11に連通して円筒状のエアク
リーナ12が設けてある。エアクリーナ12の円筒周面
がエアクリーナの吸気取入口として機能する。図6に示
すようにシリンダブロック2の後壁には排気ポート13
が形成されており、排気ポート13から排気管14をシ
リンダブロック2の左側(図6では裏側から見ているの
で右側で示されている)に延ばして左側後寄り位置に設
けられたマフラ15に連通してある。マフラ本体の上部
側面には排気管突入口が設けられ、マフラ排気管はマフ
ラ本体の下面から延出されている。なお、この空冷一気
筒ガソリンエンジン1には、通常、単体エンジンに組み
付けられるファンケース、シリンダブロックおよびヘッ
ドに付設して設けられる導風カバー、マフラカバー、エ
アクリーナケースなどは設けられておらず、エンジンの
各構成要素がむき出しの状態になっている。
【0012】本実施形態の包囲型エンジンは、上記単体
のエンジン1のクランクケース4の前後壁に基部防音板
を支持させ、この基部防音板に他の付属防音板を組み付
けていくことにより、単体のエンジン1のみを包囲する
防音ケース60を構成したことを一特徴としている。本
実施形態では、基部防音板は、クランクケース4の後壁
の動力取出軸8の上方および側方に着脱自在に取り付け
られた裏側基部防音板16と、クランクケース4の前壁
下部に着脱自在に取り付けられ、冷却ファン7を収容す
るファンケース形状の前側基部防音板17とから構成さ
れている。また、本実施例の他特徴として、基部防音板
と付属防音板の全ての内面あるいは所定箇所の内面に防
音材を張り付けたことがある。
【0013】以下、上記基部防音板、付属防音板の取り
付け構造について説明する。図6は裏側基部防音板16
の取り付け構造を示す分解斜視図、図8は各防音板を取
り付けた状態の斜視図である。裏側基部防音板16は、
クランクケース4にボルトなどによりしっかりと取り付
けられる横L状の取り付け部16aと、シリンダブロッ
クの方向に立設された背板部16bとを有している。こ
の裏側基部防音板16に組み付けられるように、側方防
音板20、三角枡防音板21、排風防音板22、マフラ
収容防音箱23がそれぞれ取り付けられる。図7は前側
基部防音板17の取り付け構造を示す分解斜視図であ
る。前側基部防音板17は、冷却ファン7を囲むファン
ケースのようにクランクケース4にボルトなどによりし
っかりと取り付けられる。なお、前側基部防音板17の
左側壁には、後述するエアクリーナ収容防音箱24に連
通するエアクリーナ連通口25が設けられている。
【0014】なお、図7においては、符号26で示すエ
ンジン本体は、裏側基部防音板16とその裏側基部防音
板16に組み付けられる状態で仕切防音板27が既に取
り付けられた状態を示している。その仕切防音板27は
エンジンとマフラ15、エンジンとエアクリーナ12と
の間に位置させられており、左側のクランクケース4と
シリンダブロック2を覆う防音カバーの役目を果たして
いる。また、図7に示すように前側基部防音板17に組
み付けられるように、ファンケース防音板28、リコイ
ル防音箱29、エアクリーナ収容防音箱24、天井防音
板19がそれぞれ取り付けられる。即ち、前側基部防音
板17を前側から覆うように、円形開口32を有するフ
ァンケース防音板28を前側基部防音板17に組み付
け、冷却ファン取付軸55に図7で示していない公知の
リコイルスタータユニットを取り付け、そのリコイルス
タータユニットを前面から覆うようにリコイル防音箱2
9を組み付ける。一方、裏側基部防音板16と仕切防音
板27には、冷却風を排風する排風防音板22が設けら
れ、この排風路はマフラを収容するマフラ収容防音箱2
3に連通されている。
【0015】次にこの包囲型エンジンの冷却風の流れを
主に図4および図5に基づいて説明する。リコイル防音
箱29に形成された外気取入口31(図1(B)及び図
4(B)参照)からリコイル防音箱29内に入った外気
空気42は、ファンケース防音板28の円形開口32か
らファンケースとして機能する前側基部防音板17に流
れ込む。図4(A)に示すように前側基部防音板17に
はエンジン最下部位置に冷却ファン7と前側基部防音板
17の間隔が狭くなった締め切り点33より冷却ファン
7の回転において下流側にあたるエンジン上方位置に第
1冷却風出口34が設けられている。前側基部防音板1
7が底のないファンケースの枠体として構成されている
ので、第1冷却風出口34はほぼクランクケース4の壁
面より上方の部分が開口として機能することになる。ま
た、前側基部防音板17には冷却ファン7の回転におい
て上流側にあたる前側基部防音板17の右隅位置に第2
冷却風出口35が開口されている。さらに、前側基部防
音板17のエアクリーナ側の壁面には図5(B)に示す
ようにエアクリーナ収容防音箱24へに加圧された空気
を送るエアクリーナ連通口25が設けられている。
【0016】そして第1冷却風出口34からの第1冷却
風37の流れを主流として、エンジンのシリンダヘッド
5側へ流すことにより、従来のエンジンとほぼ同様のエ
ンジン上部の冷却を行なう。また、第2冷却風出口35
からの第2冷却風38の流れを副流として、図4(C)
で示すクランクケース右側へ流す。このように第2冷却
風38を起こすことにより、従来は冷却風が当たらなか
ったクランクケース右側部分にも冷却風を送ることがで
きるので、冷却性能を向上させることができる。なお、
第1冷却風37は図4(B)に示すように、主に仕切防
音板27とエンジン左側壁との間を流れる第3冷却風3
9と、シリンダヘッド右側域を流れる第4冷却風40に
分岐される。さらに、図9および図5(B)に示すよう
に仕切防音板27によって覆われたエンジンの左側壁に
はクランクケースのリブを利用する形態で、シリンダブ
ロック2からクランクケース4の下部所定位置まで延び
る導風板41が設けられている。この導風板41によ
り、図9に示した吸気管10とシリンダヘッドの間の部
分62、シリンダブロック左壁の部分63に送られた第
3冷却風39は、一旦、クランクケース底部位置にまで
下降してからエンジンの裏側に送られることになる。こ
のように構成することにより、従来は冷却風が当たらな
かったクラクケース左側部分にも冷却風が当たるように
なり、冷却性能を高めることができる。
【0017】なお、第2冷却風38は図4(C)及び図
6に示すようにクランクケース右側部分を冷却した後、
上昇して裏側基部防音板16の四角形切欠18から排風
防音板22を経て、マフラ収容防音箱23へ流れる。第
4冷却風40も図4(B)に示すように、エンジン上方
を流れて裏側基部防音板16の四角形切欠18から排風
防音板22を経て、マフラ収容防音箱23へ流れる。さ
らに第3冷却風39についても図5(B)に示すように
主にクランクケース左側部分を冷却した後、四角形切欠
18から排風防音板22を経て、マフラ収容防音箱23
へ流れる。このように四角形切欠18で合流した各冷却
風は図5(A)で示すようにマフラ15を冷却する排気
風68となって外部へ放出される。このように、冷却フ
ァンによって形成される各冷却風をエンジン周囲全域に
亘ってまんべんなく流すことにより、エンジンの冷却性
能を高めることができる。また、前側基部防音板17は
クランクケース4のクランクケース取付部に直接取り付
けられており、前側基部防音板17がそのまま冷却ファ
ンのファンケースを兼ねている。このように構成するこ
とにより、個別の部品としてのファンケースが不要にな
り、部品点数を減らしてコストを下げることができる。
【0018】また、前側基部防音板17の構成に関して
は、図4(A)及び図7にも示すように冷却ファン7の
フライホイルの右上に第1冷却風37と第2冷却風38
とを区画するための風切り部43を設け、締め切り点3
3よりも冷却ファン7の回転において上流側に新たな第
2冷却風出口35を設けたので、従来では渦巻室として
効果を果たしていなかった領域、即ち風切り部43から
締め切り点33までの約1/3円周領域において冷却風
を送り出すことができる。なお第2冷却風出口35は圧
力が高まり始める締め切り点33の手前に設けたので、
図4(A)に示した締め切り点33よりも左側の領域
(約2/3円周領域)から発生する第1冷却風37の量
は減少することはない。
【0019】次に吸気騒音を低減するための工夫につい
て説明する。図4(A)に示すようにファンケースとな
る前側基部防音板17のエアクリーナ12側の側壁にエ
アクリーナ連通口25を設けている。この構成では、リ
コイル防音箱29の外気取入口31から入った外気空気
42は円形開口32を経て、ファンケースである前側基
部防音板17内に入り、締め切り点33より左側にある
エアクリーナ連通口25からエアクリーナ12に吸気が
送られるようになっている。このように構成することに
より、エアクリーナ12へ冷却ファン7の回転によって
加圧された空気が送られるために、充填効率が高められ
る利点がある。また、吸気騒音もエアクリーナ収容防音
箱24、エアクリーナ連通口25、前側基部防音板1
7、円形開口32、リコイル防音箱29、外気取入口3
1を経て外部に達するので吸音ダクトの経路が長くなる
とともに、内面に張り付けられた吸音材によって、吸気
騒音を十分に低減できる利点がある。また、エアクリー
ナ12を円筒状のクリーナエレメントを有するものを採
用することにより、円筒の全周を吸気取入口とできるの
で、効率よく空気を吸引することができる利点がある。
また、エアクリーナ収容防音箱24自体をエアクリーナ
12のケーシングとして兼用させることにより、部品点
数を減らしてコストを削減することができる。
【0020】次に、マフラの冷却性能、防音性能を向上
させる工夫について説明する。前記したように、基部防
音板、付属防音板で構成される包囲体としての防音ケー
ス内部を流れる第1冷却風37〜第4冷却風40は全
て、裏側基部防音板16の四角形切欠18から、排風防
音板22内を流れ、排気風68としてマフラ収容防音箱
23内を流れることになる。そのために図5(A)に示
すようにマフラ収容防音箱23とマフラ15の間には環
状に送風路64が形成されている。つまり、マフラカバ
ーとしてマフラ収容防音箱23が防音ケース全体の排風
ダクトと兼用されていることから、防音ケース内を流れ
る冷却風は全てマフラ回りを流れることになり、マフラ
の冷却性能を高め、排気の膨張騒音を小さくすることが
できる。さらに、マフラの延在方向に沿ってマフラ周囲
に冷却風の流れが形成されているのでマフラシャーシ円
筒部からの透過騒音も低減できる利点がある。
【0021】次に、エンジン左壁に設けられる仕切防音
板の工夫について説明する。従来から、気化器11が設
けられたエンジンの側壁にメカニカルガバナのガバナレ
バー44が配置されることが多く、そのエンジン側壁に
仕切防音板27を設けるには、エンジンの形状に沿った
複雑な形状にしなければならなかった。また、従来の構
成であると、仕切防音板27を設けても、エンジン本体
と仕切防音板27の隙間が小さいために、冷却性能が悪
化する問題があった。そこで、この実施形態では、図4
(A)(B)及び図7に示すように、ガバナレバー44
を鉛直方向に真っすぐにすることで生じたスペースに平
面の仕切防音板27を設けるようにしている。このよう
にメカニカルガバナのガバナレバー44を直っすぐにす
ることにより、ガバナレバー44のあるエンジン本体の
仕切防音板27を平面にすることができ、ガバナレバ
ー、防音板の形状を簡単にでき、コストを低く押さえる
ことが可能になる。また、エンジンのシリンダブロック
2およびシリンダヘッド5と仕切防音板27の隙間を大
きくすることができるので、流れる冷却風の量を増やす
ことができ、エンジン左側壁の冷却性能を向上させるこ
とができる。さらに、エンジン本体と仕切防音板27の
間に大きな隙間を形成することができるので防音板に吸
音材を仕込むことができ、高い防音効果を得ることがで
きる。
【0022】また、本実施形態では、上記構成に加え
て、図4(A)に示すようにエンジンの吸気ポート9と
仕切防音板27の間にはインシュレータ45を介在させ
ることにより、シリンダヘッド5の熱が直接に気化器1
1に伝熱しにくいように構成するとともに、仕切防音板
27とエンジン側面とを隔離して熱が伝わりにくいよう
にしている。このように構成することにより、仕切防音
板27の形状を簡単にできるとともに、インシュレータ
45の厚さ変えることにより、簡単に気化器11の位置
を仕切防音板27の形状に応じて移動させることができ
る。また、仕切防音板27とエンジンとの隙間を大きく
して冷却性能を向上させることができ、この大きくなっ
た隙間に吸音材を介在させることができるので、防音性
能も向上させることができる。なお、包囲型エンジンの
場合、気化器が配置された空間の温度が著しく上昇する
と、気化器11内のブロートチャンバ内のガソリンが気
化してしまう現象が生じやすいが、この構成であると、
エンジンの隙間を広いとともに仕切防音板27があるの
で、気化器11の過熱を抑制することができる。
【0023】次に防音ケース60内の過熱を防止する工
夫について説明する。図10に示すように、必要に応じ
て、天井防音板19にはクローバ状に開口を有する排熱
口47と、その排熱口47を開閉可能に遮蔽する同じく
クローバ状の開口66を有する蓋48が設けられてい
る。天井防音板19の開口と蓋48の開口66とが一致
すると放熱口47は開いた状態になり、互い違いになる
と閉じた状態になる。蓋48の中心には円形開口67が
設けられ、排熱口47の中心に設けられた支持軸49に
その円形開口67を嵌めることにより回動自在に支持さ
れている。また、蓋48の一つの開口66の端部に蓋4
8を開放方向に引っ張るスプリング51が取り付けてあ
り、蓋48の開口66の所定端部に蓋48を閉止方向に
引っ張るアクチュエータ52が取り付けてある。
【0024】アクチュエータ52はエンジン運転時にだ
けスプリング51の引っ張り力に打ち勝って蓋48を閉
止方向に引っ張るように構成されているので、エンジン
が停止すると、スプリング51による引っ張り力によっ
て蓋48は排熱口47を自動的に閉じるように構成され
ている。なお、アクチュエータ52としてエンジンの発
電電圧によって駆動するソレノイドを使用すれば、エン
ジン運転中はその電圧によりソレノイドが蓋48を閉止
方向に引っ張っており、エンジン停止後は自動的にソレ
ノイドの引っ張り力を解除することができる。その他の
構成としては、ブースト作動手段を設けて、エンジン内
の負圧を利用してエンジン運転中は蓋48を閉止方向に
引っ張る構成も採用できる。このように構成することに
より、エンジン運転時は蓋48が閉じているのでエンジ
ン音が排熱口47から漏れず、騒音レベルを抑えること
ができる。また、エンジン停止時は蓋48が自動的に開
くので防音ケース60内の熱気を即座に逃がし、エンジ
ン停止後の温度上昇を抑制することができる。
【0025】次に本実施形態におけるその他の工夫につ
いて説明する。なお、図1(B)に示すように、裏側基
部防音板16はクランクケース4に設けられた作業機用
の動力取出軸8の取付座53よりも、後側に突出してい
ないようクランクケース4の裏壁に取り付けている。こ
のように構成すると、発電機等の作業機を動力取出軸8
に取り付ける場合に空間的に邪魔にならない。したがっ
て、特別の改造、変形を行うことなく、作業機に連結す
る従来の単体エンジンに代えて、本実施形態の防音単体
エンジンをそのまま適用することができる。さらに、前
側基部防音板17、裏側基部防音板16をエンジンのク
ランクケース4に組み付け、それらの基部防音板16,
17に天井防音板19、側方防音板20、排風防音板2
2、マフラ収容防音箱23などの各付属防音板を順次、
組みつけて行くることにより、エンジン周囲を覆う防音
ケースをエンジン自体に固定することができ、エンジン
に防音ケース60を取り付けるための専用の固定部が不
要になる。また、防音ケース60は基部防音板16,1
7に固定されていることになるので、エンジン基台に近
く振動が最も少ないエンジンのクランクケース4に各付
属防音板が組み付けられていることになり、防音ケース
60の振動を抑制することができる利点がある。また、
エンジン全体を防音ケースで覆うに当たり、必要最小限
寸法で覆うことができる利点がある。
【0026】
【第2実施形態】図11はこの発明の第2実施形態を説
明するための図であり、エアクリーナへの空気の流れが
前記第1実施形態と異なっていることを主特徴としてい
る。この第2実施形態では、前記第1実施形態において
前側基部防音板17の側壁に設けられるエアクリーナ連
通口25を、リコイル防音箱29のエアクリーナ58側
の側壁に設けた点と、エアクリーナ58をエアクリーナ
ケーシング69を有するものを使用した点と、マフラを
マフラカバー70で覆い、そのマフラカバー70をマフ
ラ収容防音箱23に収容した点とを特徴としている。こ
の第2実施形態では、リコイル防音箱29の外気取入口
31から入った外気空気はエアクリーナ連通口25から
エアクリーナ58側に流れるとともに、ファンケース防
音板の円形開口を経て冷却ファン内へ流れる。この実施
形態では、第1実施形態のようにエアクリーナ58へ加
圧された外気空気42が送られることはないが、エアク
リーナ58の吸気取入口59を防音ケース60内に設け
ているので、吸気音が直接外部に出ず、吸気騒音を低減
することができる。特に本実施形態のように、各防音
板、防音箱の内側全てに吸音材が張り付けられている構
成では、図11に示すようにエアクリーナ58の吸気取
入口59からリコイル防音箱29の外気取入口31に到
達するまでに、吸気騒音は吸音され、騒音レベルを下げ
ることができる。
【0027】この発明は上記実施形態に限定されるもの
ではなく、この発明の要旨を変更しない範囲内において
種々の設計変更を施すことが可能である。以下、そのよ
うな実施形態を説明する。 (1)前記実施形態では1気筒のガソリンエンジンを例
示して説明したが、多気筒でもよく、ディーゼルエンジ
ン、ガスエンジンでも適用できることは明らかである。
また、クラククケースの下部壁として、図面で示した前
後の壁を利用するようにしたが、多気筒の場合は適宜ク
ランクケースの側壁下部を利用してもよい。また、ピス
トンが水平方向、あるいは斜め方向に往復運動する横型
のエンジンに適用する場合には、基部防音板が取り付け
られるクランクケースの下部はエンジン基台に近い位置
となることは言うまでもない。 (2)前記実施形態では締め切り点をファンケースの下
部位置に設定したが、必ずしも下部位置に限定されるも
のではない。さらに、第1冷却風出口、第2冷却風出口
をそれぞれ締め切り点の左右の各領域に複数個設けても
よい。 (3)多気筒エンジンに適用する場合には仕切防音板の
配置位置は吸気マニホルドより外側に設ける構成など、
適宜適用するエンジンの構成に応じて基部防音板、付属
防音板の形状を変化して実施することができる。 (4)防音板に吸音材を設ける構成は、公知の方法が適
用できる。最も簡単な構成は前記したように吸音材を防
音板に張り付ける構成であるが、防音板、防音箱のパネ
ル内に吸音材を設けてもよい。また、防音板そのものを
吸音性のある材料で構成する場合も当然のことながら本
発明に含まれる。 (5)前記実施形態では、防音板で包囲された防音ケー
ス60を有するエンジンで説明したが、本発明の構成は
図12に示すような防音ケースで囲まれていない構成の
空冷エンジンにも適用できることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明に係る包囲型エンジンの第
1実施形態を示す前側斜視図、図1(B)は後側斜視図
である。
【図2】図2(A)は包囲型エンジンの外観正面図、図
2(B)はその外観平面図、図2(C)はその外観右側
側面図である。
【図3】図3(A)は包囲型エンジンの外観背面図、図
3(B)はその外観左側側面図である。
【図4】図4(A)は包囲型エンジンの内部説明正面
図、図4(B)はその内部説明平面図、図4(C)はそ
の内部説明右側側面図である。
【図5】図5(A)は包囲型エンジンの内部説明背面
図、図5(B)はその内部説明左側側面図である。
【図6】図6は裏側基部防音板の取り付け構造を示す分
解斜視図である。
【図7】図7は前側基部防音板の取り付け構造を示す分
解斜視図である。
【図8】図8は各防音板の途中組付け状態の裏側斜視図
である。
【図9】図9は仕切防音板、ガバナレバーを取り外した
状態でのエンジン左側壁の様子を示す部分図である。
【図10】天井防音板、蓋の構成を説明するための図で
ある。
【図11】本発明の第2実施形態を説明するための斜視
図である。
【図12】従来の包囲型エンジンの構成を示す部分縦断
面図である。
【符号の説明】
1…ガソリンエンジン、7…冷却ファン、9…吸気ポー
ト、11…気化器、17…前側基部防音板、27…仕切
防音板、33…締め切り点、34…第1冷却風出口、3
5…第2冷却風出口、37…第1冷却風、38…第2冷
却風、41…導風板、44…ガバナレバー、45…イン
シュレータ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遠心式冷却ファンとファンケースを備
    え、その遠心式冷却ファンで生成された冷却風を少なく
    ともシリンダヘッド側へ送風するようにした遠心式冷却
    ファンを備えた空冷エンジンにおいて、 遠心式冷却ファン(7)とファンケース(17)の間隔が小
    さくなる締め切り点(33)を設け、遠心式冷却ファン
    (7)の回転において締め切り点(33)より上流側と下流
    側とにそれぞれ少なくとも1つの冷却風出口(34,3
    5)を形成し、それらの冷却風出口(34,35)が、遠
    心式冷却ファン(7)の回転によって生じるエンジン上方
    へ向かう第1冷却風(37)を排風する第1冷却風出口
    (34)と、遠心式冷却ファン(7)の回転によって生じる
    エンジン下方へ向かう第2冷却風(38)をクランクケー
    ス一側方向へ排風する第2冷却風出口(35)とを含んで
    いることを特徴とする遠心式冷却ファンを備えたエンジ
    ン。
  2. 【請求項2】 前記第1冷却風出口(34)の吹き当たり
    箇所に導風板(41)を設け、前記第1冷却風(37)を下
    向きに迂回させて、前記一側方向と反対のクランクケー
    ス他側方向に送る、請求項1に記載の遠心式冷却ファン
    を備えたエンジン。
  3. 【請求項3】 前記空冷エンジン(1)がメカニカルガバ
    ナを有し、エンジン本体とガバナレバー(44)との間に
    仕切壁(27)を設け、仕切壁(27)を扁平に構成し、ガ
    バナレバー(44)を仕切壁(27)に沿って真っすぐに構
    成した、請求項1に記載の遠心式冷却ファンを備えたエ
    ンジン。
  4. 【請求項4】 仕切壁(27)より外側に気化器(11)を
    設け、空冷エンジン(1)の吸気ポート(9)と気化器(1
    1)の間にインシュレータ(45)を介在させた、請求項
    3に記載の遠心式冷却ファンを備えたエンジン。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115427690A (zh) * 2020-09-30 2022-12-02 日立环球生活方案株式会社 鼓风机以及具备该鼓风机的洗衣机

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