JPH10147279A

JPH10147279A - 自動変速装置付自転車

Info

Publication number: JPH10147279A
Application number: JP8308242A
Authority: JP
Inventors: Toshifumi Maehara; 利史前原; Nobuaki Shimada; 信秋島田; Mitsuaki Ito; 光昭伊藤; Shinya Kobayashi; 真也小林
Original assignee: Akebono Brake Industry Co Ltd; Bridgestone Cycle Co Ltd; Jeco Corp
Current assignee: Akebono Brake Industry Co Ltd; Bridgestone Cycle Co Ltd; Jeco Corp
Priority date: 1996-11-19
Filing date: 1996-11-19
Publication date: 1998-06-02

Abstract

(57)【要約】【課題】運転操作感が良好な自動変速装置付自転車を提
供する。【解決手段】変速機構を有する自転車において、車両の
速度を検出する速度検出手段２０と、離散的に表された
速度値及び加減速度値の組に対してギヤポジションを割
り当ててなり、かつ、異なるギヤポジションの間及び加
減速度が小さい区域における低速速度域から高速速度域
に亘る領域に不感帯を設定したギヤポジションマップを
格納する制御部５と、を備え、制御部５は、速度検出手
段２０からの信号に基づき、ギヤポジションマップのギ
ヤポジションとなるように変速機構を作動させ、不感帯
にては、ギヤポジションを従前のポジションに維持する
よう変速機構を制御する自動変速装置付自転車。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自転車用の自動変
速装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、自転車の変速装置としては、複数
段の変速ギヤと、この複数段の変速ギヤにチェーンを掛
け替えるディレーラと、このディレーラに接続する変速
用ワイヤとを備えたものがある。この装置は、前記変速
用ワイヤの先端部に取り付けられたギヤレバーを手動操
作することにより、変速用ワイヤを長さ方向に作動さ
せ、ギヤの位置を選定している。

【０００３】しかし、このような変速装置では、減速時
にはブレーキレバーを握るため減速と変速を同時に行え
ないという欠点があった。そこで、変速操作を自動的に
行う装置も考案されている。例えば実開平２−１３３９
９１号に記載されたものがある。この自転車の自動変速
装置は、自転車のタイヤの回転数に応じて生じるソレノ
イドの推力によって変速用ワイヤをその長さ方向に引張
り変速するものである。

【０００４】前記実開平２−１３３９９１号に記載され
た自動変速装置は、車輪の回転速度のみによって変速の
時期を決定している。このため、自転車が急加速してい
る場合でも、あるいは徐々に加速している場合でも所定
の速度にて一様に変速させるため、運転者にとっては違
和感が生じることがあった。

【０００５】そこで、本出願人は運転操作感が良好な自
動変速装置付自転車を発明した（特開平８−１１３１８
１）。この自動変速装置付自転車は、変速機構と、速度
検出手段と、この速度検出手段からの信号に基づき前記
変速機構を作動させる制御部とを備える。前記制御部
は、縦軸を加減速度とし、横軸を速度として１速〜３速
のギヤポジションを設定するギヤポジションマップを格
納している。このギヤポジションマップは、図５に示す
ように、車輪加速度に対応するギヤアップマップと、車
輪減速度に対応するギヤダウンマップとからなり、変速
速度域（ギヤチェンジ速度域）にて車輪の加減速度が小
さい場合は、ギヤポジションを設定していない。そし
て、前記制御部がギヤポジションマップのギヤポジショ
ン非設定の箇所を読み出した場合は、変速を行わせない
ようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】前記した図５のギヤポ
ジションマップを備える自動変速装置付自転車は、変速
速度域における車輪の加減速度が小さい場合は、必要以
上に変速を行わないものである。しかし、この装置は加
減速度が大きい場合、変速速度付近では微小の速度（例
えば１〜４ｋｍ／ｈ程度）や加速度（＋０.０５〜−０.
０３Ｇ程度）の変化でギヤアップやギヤダウンの繰返し
（チャタリング）が発生してしまう。

【０００７】本発明は前記事項に鑑みなされたものであ
り、運転操作感が良好な自動変速装置付自転車を提供す
ることを技術的課題とする。また、微小な速度、加速度
変化では必要以上の変速を行わず、安定した変速を行え
る自動変速装置付自転車を提供することを技術的課題と
する。

【０００８】また、運転操作感の良好な自動変速装置付
自転車を簡易な構成で安価に提供することを技術的課題
とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するため、以下の手段を採用した。〔本発明の要旨〕本発明は、変速機構を有する自転車に
おいて、車両の速度を検出する速度検出手段と、この速
度検出手段からの信号を入力するとともに指示信号を変
速機構に出力する制御部とを備える。

【００１０】〔構成要素〕＜変速機構＞前記変速機構は、複数段の変速ギヤと、こ
の複数の変速ギヤにチェーンを掛け替えるディレーラ
と、このディレーラに接続する変速用ワイヤと、この変
速用ワイヤを移動させるワイヤ操作手段とから構成する
ことができる。また、前記変速機構は、内装式変速機
と、この内装式変速機に接続する変速用ワイヤと、この
変速用ワイヤを移動させるワイヤ操作手段とから構成す
るようにしてもよい。

【００１１】前記ワイヤ操作手段は、前記変速用ワイヤ
をその長さ方向に移動させるものを例示することができ
る。また、ワイヤ操作手段は、変速用ワイヤの途中部分
をワイヤの交差方向に移動（変位）して変速用ワイヤを
作動させるものでもよい。

【００１２】＜速度検出手段＞前記速度検出手段は、単
位時間あたりの車輪やペダルの回転数を検出するセンサ
を例示することができる。このような回転数を検出する
センサとしては、電磁ピックアップ方式の回転センサを
例示することができる。

【００１３】＜制御部＞前記制御部は、離散的に表され
た速度値及び加減速度値の組に対してギヤポジションを
割り当ててなり、かつ、異なるギヤポジションの間及び
加減速度が小さい区域における低速速度域から高速速度
域に亘る領域に不感帯を設定したギヤポジションマップ
を格納している。

【００１４】そして、前記制御部は、前記速度検出手段
からの信号に基づき、前記ギヤポジションマップのギヤ
ポジションとなるように前記変速機構を作動させ、前記
不感帯にては、ギヤポジションを従前のポジションに維
持するよう前記変速機構を制御するよう構成されてい
る。

【００１５】ここで、前記異なるギヤポジションの間と
は、変速速度域のことを含み、変速速度域としては、例
えば、１〜４km/hのうちの任意の速度域を設定できる
が、好ましくは２km/h程度である。また、前記加減速度
が小さい区域とは、例えば、マイナス０.０２Ｇ（Ｇ＝
９.８m/s²とする）〜プラス０.０３Ｇ、あるいはマイナ
ス０.０３Ｇ〜プラス０.０５Ｇ程度の区域に設定するこ
とができる。

【００１６】なお、前記制御部は、中央処理装置（ＣＰ
Ｕ）、読み出し／書き込みメモリ（ＲＡＭ）、読み出し
専用メモリ（ＲＯＭ）、入出力装置（Ｉ／Ｏ）と、これ
らを接続するバスを有するように構成するとよい。

【００１７】また、前記制御部は、速度検出手段とは別
に設けた加速度センサからの信号に基づき、車両の加減
速度を判断するようにしてもよい。この加速度センサ
は、例えば圧電式加速度センサや、可動コイル形加速度
センサを例示することができる。なお、クランクの回
転を検出するクランク回転検出センサを設け、クランク
が回転しているときにのみギヤチェンジを行うように構
成してもよい。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
１〜図４に基づき説明する。本実施の形態の自動変速装
置付自転車は、内装式変速機３４と、この内装式変速機
３４に接続する変速用ワイヤ４と、変速用ワイヤ４を変
位（移動）するワイヤ操作手段（自動変速装置）１０及
び手動操作手段９と、速度検出手段としてのスピードセ
ンサ２０と、前記スピードセンサ２０からの信号を入力
するとともにワイヤ操作手段１０に信号を出力する制御
部５とから構成されている。

【００１９】前記変速用ワイヤ４の一方の端部は、内装
式変速機３４と接続している。また、変速用ワイヤ４の
他方の端部は、手動操作手段であるギヤレバー９と接続
している。前記内装式変速機３４は、後輪３のハブ軸に
回転自在にハブ体及び駆動体を設け、この駆動体からハ
ブ体に複数の動力伝達系を介してチェーン８からの動力
を伝達するとともに、前記動力伝達系をクラッチにより
選択して変速するようになっている。

【００２０】前記ワイヤ操作手段１０は、モータ１３
と、前記変速用ワイヤ４の途中部分にて変速用ワイヤ４
がその長さ方向に移動可能となるように連接する連接具
１１と、この連接具１１に接続する作動用ケーブル１２
と、前記モータ１３の駆動力により前記作動用ケーブル
１２を引張または弛緩するプーリ１５と、前記モータ１
３に電力を供給する電源７とを備えている。そして、プ
ーリ１５は、作動用ケーブル１２と連接具１１とを介し
て変速用ワイヤ４をワイヤの直角（直交）方向に引張ま
たは戻すようになっている。また、前記モータ１３は超
音波モータにより構成され、変速用ワイヤ４からの作動
力では回転せずに、制御部５からの駆動指令時のみに回
転作動するようになっている。なお、前記モータ１３、
プーリ１５、電源７、及び制御部５は、車体フレームの
ダウンチューブ２７にブラケット１７によって固定され
ている。また、前記変速用ワイヤ４は、連接具１１と連
接する付近のみ露出され、その他の部分はアウターケー
ブル４ａに覆われている。また、変速用ワイヤ４は前記
ブラケット１７によりダウンチューブ２７に沿って支承
されている。

【００２１】前記スピードセンサ２０は、シートステー
２５に取り付けられた磁気検知部２１と、後輪側のスポ
ークに取り付けられた強磁性体２２とにより構成されて
いる。そして、後輪３の回転に伴って強磁性体２２が磁
気検知部２１に近接する度に（すなわち車輪が一回転す
る度に）、磁気検知部２１がパルス信号を発信するよう
になっている。

【００２２】前記制御部５は、中央処理装置（ＣＰ
Ｕ）、読み出し／書き込みメモリ（ＲＡＭ）、読み出し
専用メモリ（ＲＯＭ）、入出力装置（Ｉ／Ｏ）を備え、
これらはバスにより接続している。そして、制御部５の
Ｉ／Ｏは、図２に示すように前記スピードセンサ２０
と、ワイヤ操作手段（自動変速装置）１０と接続してい
る。

【００２３】前記ＲＡＭには、図４に示すように、縦軸
を加減速度とし、横軸を速度として１速〜４速のギヤポ
ジションを設定するギヤポジションマップが格納されて
いる。このギヤポジションマップは、車輪加速度に対応
するギヤアップ部と、車輪減速度に対応するギヤダウン
部とを単一のマップとして構成している。

【００２４】また、このギヤポジションマップは、異な
るギヤポジションの間に不感帯（ヒステリシス）を設定
してある。すなわち、所定の変速速度域及び所定の加減
速度域（図４中の空白箇所）にはギヤポジションを設定
しておらず、制御部５がギヤポジションマップの不感帯
を読みだした場合は変速を行わせないように設定されて
いる。なお、前記異なるギヤポジションの間とは、図４
のマップにおける縦方向（加速度）及び横方向（速度）
の双方からみた区域であり、微小な速度変化や微小な加
減速度変化では、変速が行われないものである。

【００２５】また、ギヤポジションマップは、車輪の加
速度及び減速度が小さい場合において、低速速度域から
高速速度域に亘り、連続的に不感帯を設定してある。さ
らに、前記マップの設定値は、使用する自転車の仕様や
運転者の希望する変速速度域や加減速度域によって変更
・調整が行えるようになっている。または、複数のマッ
プをＲＯＭに格納しておき、運転者が任意に選択できる
ようにしてもよい。

【００２６】また、ＲＯＭには、後述する実行プログラ
ムが格納してある。なお、本実施の形態の変速装置に
は、ギヤポジションを検出して制御部５に信号を出力す
るギヤポジションセンサ（図示せず）が備えてある。

【００２７】次に、制御部５における動作過程を説明す
る。図３は制御部５における実行プログラムのフローで
ある。運転者の操作により電源が入れられると、ステッ
プ１０１にて初期設定がなされた後、スピードセンサ２
０からの信号に基づき速度計算がなされるとともに、加
減速度の計算がなされる（ステップ１０２）。そして、
ステップ１０３において、ギヤポジションマップが読み
出され、速度及び加減速度に対応するパラメーターが選
定される。なお、このとき選定されるパラメーターは、
不感帯を含む、１速に対応する「１」、２速に対応する
「２」、３速に対応する「３」、４速に対応する「４」
のいずれかとなる。次に、ステップ１０４に移行し、ス
テップ１０３にて選定されたパラメーターと現在のギヤ
ポジションとを比較する。ここで、選定されたパラメー
ターが不感帯ではなく、さらに現在のギヤポジションと
異なる場合は、選定されたパラメーターに対応するギヤ
ポジションにギヤを変更し（ステップ１０５）、次にス
テップ１０２の循環ルーチンとなる。また、前記ステッ
プ１０４の否定枝も、ステップ１０２の循環ルーチンと
なる。

【００２８】ここで、具体的なギヤポジションの変更を
みてみると、例えば制御部５が演算した速度が１５km/
h、車輪加速度が０.０５Ｇ（Ｇ＝９.８m/s²とする）だ
とすると、ギヤポジシンマップの検索によりパラメータ
ーは「３」に選定され、現在のギヤポジションが２速で
あれば、２速から３速にギヤアップされる。また、速度
が１３km/h、車輪加速度が０.０４Ｇだとすると、ギヤ
ポジションマップの検索によりパラメーターは不感帯に
選定されるため、現在のギヤポジションをそのまま維持
する。

【００２９】また、１速で緩やかに速度が上昇（例えば
０.０１Ｇ）している場合、例えば速度が１９km/hの時
点でマイナス０.０３Ｇの加速度（減速度）が生じる
と、ギヤポシジョンマップのパラメーターは「３」とな
るため、１速から３速にギヤポジションを変更する。

【００３０】さらに、４速で緩やかに速度が減少（例え
ばマイナス０.０１Ｇ）している場合、例えば速度が１
１km/hの時点で０.０３Ｇの加速度が生じると、ギヤポ
シジョンマップのパラメーターは「２」となるため、４
速から２速にギヤポジジョンを変更する。

【００３１】以上のように本実施の形態によれば、ギヤ
ポジションマップにおいて、ギヤポジションの変更を行
う速度域に全て不感帯を設定したので、微小な速度、加
速度の上下に伴う変速を確実に防止することができる。

【００３２】また、変速直後の速度変化が微小な場合も
変速が行われないこととなるため、運転操作感をより良
好にすることができる。さらに、加減速度が小さい区域
に連続的に不感帯を設定したので、緩やかに速度を上げ
る場合、あるいは緩やかに速度を減少する場合に変速が
行われることはなく、運転操作感をさらに向上すること
ができる。また、この場合、緩やかに速度が上昇（下
降）している際に減速度（加速度）が生じた場合は、適
正なギヤポジションに一回の動作で変速するため、運転
操作感をより一層良好にできる。

【００３３】また、ギヤポジションマップは、ギヤアッ
プマップとギヤダウンマップを単一のマップとして構成
したので、より簡易な装置とすることができ、製造コス
トも抑制することができる。

【００３４】

【発明の効果】本発明の自動変速装置付自転車によれ
ば、制御部に格納するギヤポジションマップにおいて、
加速度あるいは減速度が小さい区域と、それぞれのギヤ
ポジション間とに、ギヤポジションを前回のまま保持す
る不感帯を設定したので、不要なギヤ位置の変更を防止
でき、操作感が良好で円滑な変速を行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態における変速装置を自転
車に取り付けた状態を示す図

【図２】実施の形態における概略構成を示す図

【図３】実施の形態の制御部における実行プログラムの
フローチャート

【図４】実施の形態の制御部における、速度値と加減速
度値とからギヤポジションのパラメーターを設定したギ
ヤポジションマップ

【図５】従来例におけるギヤポジションマップ

【符号の説明】

３・・後輪４・・変速用ワイヤ４ａ・・アウターケーブル５・・制御部（ＥＣＵ）７・・電源８・・チェーン９・・手動操作手段（ギヤレバー）１０・・ワイヤ操作手段（自動変速装置）１１・・連接具１２・・作動用ケーブル１３・・モータ１５・・プーリ１７・・ブラケット２０・・スピードセンサ（速度検出手段）２１・・磁気検知部２２・・強磁性体２５・・シートステー２７・・ダウンチューブ３４・・内装式変速機

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者島田信秋埼玉県上尾市中妻３丁目１番地の１ブリヂストンサイクル株式会社内 (72)発明者伊藤光昭埼玉県行田市富士見町１丁目４番地１ジェコー株式会社内 (72)発明者小林真也埼玉県行田市富士見町１丁目４番地１ジェコー株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】変速機構を有する自転車において、車両の速度を検出する速度検出手段と、離散的に表された速度値及び加減速度値の組に対してギ
ヤポジションを割り当ててなり、かつ、異なるギヤポジ
ションの間及び加減速度が小さい区域における低速速度
域から高速速度域に亘る領域に不感帯を設定したギヤポ
ジションマップを格納する制御部と、を備え、前記制御部は、前記速度検出手段からの信号に基づき、
前記ギヤポジションマップのギヤポジションとなるよう
に前記変速機構を作動させ、前記不感帯にては、ギヤポ
ジションを従前のポジションに維持するよう前記変速機
構を制御することを特徴とする自動変速装置付自転車。