JPH10146856A - 熱可塑性樹脂粒子の予備発泡装置 - Google Patents

熱可塑性樹脂粒子の予備発泡装置

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JPH10146856A
JPH10146856A JP8308199A JP30819996A JPH10146856A JP H10146856 A JPH10146856 A JP H10146856A JP 8308199 A JP8308199 A JP 8308199A JP 30819996 A JP30819996 A JP 30819996A JP H10146856 A JPH10146856 A JP H10146856A
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JP
Japan
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low
thermoplastic resin
pressure
particles
pressure vessel
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Application number
JP8308199A
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English (en)
Inventor
Hideya Mizuike
秀也 水池
Hisatoshi Fukui
久俊 福井
Shinobu Ochikoshi
忍 落越
Kyoichi Nakamura
京一 中村
Shigehiko Akamatsu
成彦 赤松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 予備発泡粒子から分散剤を効率よく除去する
ことができ、しかも駆動部がなく構造が簡単な熱可塑性
樹脂粒子の予備発泡装置を提供する。 【解決手段】 耐圧容器1および低圧容器7を有してな
る熱可塑性樹脂粒子の予備発泡装置であって、前記低圧
容器7は水平面に対して軸方向に傾けられた筒体からな
り、前記低圧容器7の上方の端部には、前記耐圧容器1
に連通する放出口6が配設され、かつ該放出口6の近傍
には洗浄水供給部9が設けられ、前記低圧容器7の下側
の内部には、予備発泡粒子8を分離するための濾過部1
2が設けられ、該濾過部12の近傍には、輸送媒体を前
記低圧容器7内部に導入するとともに前記予備発泡粒子
8を前記輸送媒体に同伴させて低圧容器外部へ輸送する
ための輸送部が設けられてなることを特徴とする予備発
泡装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂粒子の
予備発泡装置に関する。さらに詳しくは予備発泡粒子か
ら分散剤を効率よく除去することができ、しかも駆動部
がなく構造が簡単な熱可塑性樹脂粒子の予備発泡装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来から発泡剤含有粒子をオートクレー
ブなどの耐圧容器中で水に分散させ、これを高温高圧下
で撹拌したのち、低圧容器内部に放出することにより、
熱可塑性樹脂粒子を予備発泡させる方法が知られてい
る。
【0003】従来より用いられる予備発泡装置は、たと
えば特公平5−53824号公報および特公平4−17
976号公報に記載されているように、いずれも駆動部
を具備しており、該駆動部が往復動または回転運動を行
なうことによって、放出された熱可塑性樹脂予備発泡粒
子を低圧容器外部へ機械的に排出している。そのため、
構造が非常に複雑でその駆動部(または摺動部)におい
て故障の発生する頻度が高く、取り扱いも煩雑である。
したがって、従来より、取り扱いが簡便な予備発泡装置
が望まれていた。
【0004】また、従来の予備発泡装置では耐圧容器か
ら低圧容器内部へ放出された樹脂予備発泡粒子が分散剤
によって汚染された水の中をくぐるため、分散剤が予備
発泡粒子表面へ再付着し、のちの成型時に良好な融着を
阻害するばあいがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる問題を
解消するためになされたものであり、予備発泡粒子から
分散剤を効率よく除去することができ、しかも駆動部が
なく構造が簡単なため、従来のものに比べて安価で製造
可能なうえに、故障が皆無であり、取り扱いも非常に簡
単でメンテナンス性にも優れた予備発泡装置を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の熱可塑性樹脂粒
子の予備発泡装置は、発泡剤を含有する熱可塑性樹脂粒
子を分散剤とともに水に分散させて水分散物を調製し、
該水分散物を加圧下で加熱するための耐圧容器、および
該耐圧容器に連通しており、当該耐圧容器から前記水分
散物を放出して前記熱可塑性樹脂粒子を予備発泡するた
めの低圧容器を有してなる熱可塑性樹脂粒子の予備発泡
装置であって、前記低圧容器が水平面に対して軸方向に
傾けられた筒体からなり、前記低圧容器の上方の端部に
は、前記耐圧容器に連通する放出口が配設され、かつ該
放出口の近傍には、放出口から前記熱可塑性樹脂粒子が
放出されて予備発泡されることによりえられる前記熱可
塑性樹脂予備発泡粒子を洗浄するための洗浄水を供給す
るための洗浄水供給部が設けられ、前記低圧容器の下側
の内部には、前記熱可塑性樹脂予備発泡粒子を前記水お
よび分散剤から分離するための濾過部が設けられ、該濾
過部の近傍には、輸送媒体を低圧容器内部に導入すると
ともに前記分離された熱可塑性樹脂予備発泡粒子を前記
輸送媒体に同伴させて低圧容器外部へ輸送するための輸
送部が設けられてなることを特徴としている。
【0007】前記低圧容器が矩形状を呈しており、該低
圧容器が水平面に対して5〜70度の勾配を有している
のが好ましい。
【0008】前記低圧容器の勾配が水平面に対して10
〜30度であるのがより好ましい。
【0009】前記低圧容器の長さが1000〜1000
0mm程度であるのが好ましいが、2000〜5000
mmがより好ましい。
【0010】前記輸送媒体が水蒸気であるのが好まし
い。
【0011】前記熱可塑性樹脂粒子がポリオレフィン系
樹脂粒子であるのが好ましい。
【0012】本発明においては、低圧容器として、水平
面に対して軸方向に傾けられた筒体からなる容器を採用
しており、この傾いた筒状低圧容器の内部において、水
分散物を流れ落としながら熱可塑性樹脂粒子の予備発泡
を行なう。
【0013】すなわち、低圧容器上側端部の放出口から
加圧下で加熱された水分散物を低圧容器内部へ放出し、
洗浄水供給部から供給される洗浄水によって洗浄しなが
ら、低圧容器内部を通って自然に下方へ流れ落とす。一
方、低圧容器の下側では、水分散物を瀘過部に通過させ
て熱可塑性樹脂予備発泡粒子を水および分散剤から分離
する。分離された熱可塑性樹脂予備発泡粒子は、輸送部
によって、低圧容器外部から導入した水蒸気などの輸送
媒体に同伴させて低圧容器外部へ輸送される。
【0014】したがって、従来の予備発泡装置のよう
に、熱可塑性樹脂予備発泡粒子を取り出すための機械的
な手段を何ら有していないため、構造が非常に簡単にな
る。とくに、低圧容器内部の構造は非常にシンプルにな
る。
【0015】また、従来のように、低圧容器内部におい
て熱可塑性樹脂予備発泡粒子が分散剤によって汚染され
た水の中をくぐらず、しかも洗浄水供給部からの洗浄水
によって洗浄されるため、分散剤が熱可塑性樹脂予備発
泡粒子表面に再付着しない。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに図面を詳細に説明しながら
本発明の熱可塑性樹脂粒子の予備発泡装置を詳細に説明
する。
【0017】図1は本発明の熱可塑性樹脂粒子の予備発
泡装置の一実施例を示す概略断面説明図であり、図2〜
3はそれぞれ図1の低圧容器のII−II線、III−III線断
面図である。
【0018】図1〜3において、1は耐圧容器であり、
該容器には内圧を高圧に保持するためのバルブを有する
発泡剤供給ライン4、発泡剤含有粒子2および水と分散
剤3からなる水分散剤を撹拌するための撹拌器M、水分
散物を加熱するためのヒータHおよび水分散物を放出す
るためのバルブ5が設けられている。
【0019】また、耐圧容器1の下端には、前記耐圧容
器1から前記水分散物を放出して熱可塑性樹脂粒子を予
備発泡するための低圧容器7を設けられている。
【0020】前記低圧容器7は水平面に対して軸方向に
傾けられた筒体からなり、前記低圧容器7の上方の端部
には、前記耐圧容器1に連通する放出口6が配設され、
かつ該放出口6の近傍には、放出口6から前記熱可塑性
樹脂粒子が放出されて予備発泡されることによりえられ
る熱可塑性樹脂予備発泡粒子(以下、予備発泡粒子8と
いう)を洗浄するための洗浄水を供給するための洗浄水
供給部9が設けられている。前記低圧容器7の下側の内
部には、前記予備発泡粒子8を前記水および分散剤から
分離するための濾過部12が設けられ、該濾過部12の
近傍には、輸送媒体を前記低圧容器7内部に導入すると
ともに前記分離された予備発泡粒子8を前記輸送媒体に
同伴させて低圧容器外部へ輸送するための輸送部とし
て、低圧容器出口11、および輸送媒体を供給するため
の輸送媒体供給部15が互いに対向して設けられてい
る。
【0021】低圧容器7に用いられる筒体(ダクト)の
形状は、円形、楕円形、矩形および多角形などとくに制
限はないが、洗浄水および予備発泡粒子がスムーズに流
れやすく、該低圧容器7の大きさに対する予備発泡粒子
の処理効率の観点から矩形状が好ましく、水平面に対し
て5〜70度の勾配、好ましくは10〜30度の勾配を
有しているものが使用される。該勾配が5度未満では水
および予備発泡粒子の流れが遅くなり、低圧容器7内で
予備発泡粒子が詰まることが多くなり、70度をこえる
ばあいには水および予備発泡粒子8の流速が速くなりす
ぎ、予備発泡粒子8の洗浄効果の低下を招く。低圧容器
7の材質はFRPなどのプラスチックや金属などとくに
制限はないが、経済性および腐食性の観点からステンレ
スが好ましい。また該低圧容器7内の水流の水位は、該
低圧容器7の勾配にもよるが3mm〜40mm、好まし
くは7〜15mmとなるよう水を供給する。該水位が3
mm未満となると予備発泡粒子8の輸送能力が小さくな
り予備発泡粒子8を処理できなくなってしまい、一方、
40mmをこえるばあいには水の供給量が必要以上に多
くなってしまい無駄な水がふえる。
【0022】前記低圧容器7の長さは経済性および輸送
性の点から1000〜10000mm程度、好ましくは
2000〜5000mm程度である。
【0023】前記濾過部12には、水は通るが予備発泡
粒子8が通り抜けない程度の孔をあけた鋼板やメッシュ
などがダクトの前後を仕切るように設置されている。
【0024】前記供給部15から供給される輸送媒体と
しては、炭酸ガス、空気、窒素、水蒸気などの無機ガス
が用いられる。ただし発泡剤に可燃性発泡剤を使用した
ばあいには、予備発泡粒子8から徐々に放出された可燃
性発泡剤が静電気などによって着火し、予備発泡粒子8
または発泡剤が燃え上がるという危険にさらされるた
め、このばあいの輸送媒体としては空気は好ましくな
く、窒素、アルゴンなどの不活性ガスが好ましい。ま
た、窒素、アルゴンなどの不活性ガスや空気のばあいに
は、発泡剤と輸送媒体の混合ガスから発泡剤のみを分離
することが困難なため、発泡剤を回収することができ
ず、生産コストが高くなってしまう欠点があるので、発
泡剤を容易に回収、再利用できる水蒸気を使用すること
が最も好ましい。
【0025】前記輸送媒体として使用する水蒸気の温度
は、予備発泡粒子に用いられる後述する原料樹脂の融点
以下、好ましくは90〜110℃の温度範囲内で調整さ
れることが好ましい。
【0026】また、前記輸送媒体として使用する水蒸気
の圧力は、予備発泡粒子の原料樹脂融点以下の飽和水蒸
気圧、好ましくは0.7〜1.5kg/cm2となるよ
うに調整されることが好ましい。
【0027】予備発泡される熱可塑性樹脂としては、発
泡剤を含有でき、加熱することにより発泡に好適な粘弾
性状態となるように熱可塑性樹脂であればとくに制限は
ない。具体例としては、たとえばポリスチレン、ハイイ
ンパクトポリスチレン、ポリ−α−メチルスチレン、ス
チレン−無水マレイン酸共重合体、ポリフェニレンオキ
サイド−ポリスチレンブレンドポリマー、ポリフェニレ
ンオキサイドのスチレングラフトポリマー、スチレン−
アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン3元共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体などのポリスチレン系重合体;低密度ポリエチレ
ン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状
低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン三元共
重合体、プロピレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重
合体、アイオノマー樹脂などのポリオレフィン系重合
体、塩化ビニル系重合体、メチルメタクリレート系重合
体などがあげられ、これらの重合体を単独で使用しても
よく、2種以上ブレンドして使用してもよい。ポリオレ
フィン系重合体はそのまま使用してもよいが、パーオキ
サイドまたは放射線などにより架橋させて用いてもよ
い。
【0028】前記熱可塑性樹脂は、粒子状に加工された
のち使用される。該粒子は通常の方法、たとえば懸濁重
合、押出機やカレンダーロールなどによるペレット化、
シート、棒などの粉砕などの方法により製造される。該
粒子の形状としては、球状、楕円形状、円柱状、立方体
状、直方体状などどんな形状でもよいが、均一な発泡粒
子をうるためには、大きさのそろっているものが好まし
く該粒子の型内成形用寸法としては、0.5〜6mmの
球または円柱状のものが好ましい。
【0029】発泡剤としては、炭酸ガス、窒素、空気、
水などの無機ガスの他に、沸点が−50〜100℃の炭
化水素またはハロゲン化炭化水素などを用いることがで
き、具体例としては、たとえばプロパン、ブタン、ペン
タン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘ
キサン、モノクロロメタン、ジクロロメタン、モノクロ
ロエチレン、トリクロロモノフルオロメタン、ジクロロ
ジフルオロメタン、ジクロロフルオロメタン、トリクロ
ロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン
などがあげられ、これらを単独で使用してもよく、2種
以上混合してもよい。
【0030】前記発泡剤は、熱可塑性樹脂粒子に含有さ
せたのち使用される。熱可塑性樹脂粒子に含有させる方
法としては、耐圧容器1中で発泡剤と熱可塑性樹脂粒子
とを水に分散させ、加圧、加熱するなどの方法があげら
れ、該粒子100部(重量部、以下同様)に対し発泡剤
が2〜50部、好ましくは5〜40部使用される。該使
用量が2部未満になると所望の発泡倍率がえられず、5
0部をこえて使用すると樹脂粒子に含有される限度をこ
え圧力上昇がおこるのみで無駄となる。
【0031】分散剤としては、たとえばポリビニルアル
コール、メチルセルロース、N−ポリビニルピロリドン
などの水溶性高分子、リン酸カルシウム、ピロリン酸マ
グネシウム、炭酸亜鉛などの水に難溶性の無機物質と少
量のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレ
フィンスルホン酸ナトリウム、n−パラフィンスルホン
酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤を併用したも
のなどが用いられる。
【0032】以上の図1の予備発泡装置を用いて、前記
熱可塑性樹脂からなる発泡剤含有粒子2を予備発泡する
ばあい、耐圧容器1中において、発泡剤含有粒子2およ
び水と分散剤3を混合することによって、水分散物が調
製され、必要に応じて発泡剤供給ライン4にて加圧され
たのち、撹拌下、加熱され、所定の圧力、温度に設定さ
れる。所定の圧力、温度に設定された水分散物は、バル
ブ5の解放により、耐圧容器1から放出ライン14を通
って放出ライン14の他端に設けられた放出口6に導か
れる。
【0033】放出口6に導かれた高温高圧の水分散物
は、放出口6から低圧容器7内の空間に放出される。低
圧容器7に放出された水分散物中の発泡剤含有粒子2か
ら、含有されている発泡剤が圧力変化に伴って揮発し、
このときは軟化点以上まで加熱されている粒子が発泡す
る。
【0034】予備発泡粒子8は、低圧容器7の上部に設
けられた洗浄水供給供給部9より供給された水によって
粒子表面に付着した分散剤が洗浄されたのち、低圧容器
7の下部に流れている流水10の水面に浮上して低圧容
器出口11まで自然に運ばれる。
【0035】低圧容器出口11まで運ばれた予備発泡粒
子8、分散剤および水は濾過部12によって予備発泡粒
子8のみが水および分散剤から分離され、水および分散
剤は排出口13より排出され、予備発泡粒子8は低圧容
器7先端の供給部15より供給された輸送媒体ガスに同
伴し低圧容器出口11より取り出される。一方、低圧容
器7内にて揮発した発泡剤も予備発泡粒子8と同様に輸
送媒体ガスに同伴し低圧容器7の出口11より取り出さ
れる。
【0036】低圧容器7より取り出された予備発泡粒子
8は輸送媒体ガスにより容器16へ輸送され、放出ライ
ン17より発泡剤および輸送媒体ガスを放出する。した
がって、容器16に設けられている払出ライン21よ
り、予備発泡粒子8のみ取り出すことが可能である。
【0037】さらに輸送媒体ガスに水蒸気を使用したば
あい、発泡剤および輸送媒体(水蒸気)の混合ガスを、
放出ライン17から放出せずに回収ライン18を使用し
凝縮器19に導き、水蒸気のみ凝縮させることによっ
て、発泡剤のみをほぼ全量、回収容器20へ回収するこ
とができる。なお、放出ライン17および回収ライン1
8を両方設けてもよいことはいうまでもない。
【0038】
【実施例】つぎに本発明の熱可塑性樹脂粒子の予備発泡
装置を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0039】実施例1 本実施例は図1に示される装置を用いて予備発泡を行な
った。
【0040】撹拌機Mを有する耐圧容器1に水300部
を仕込み、エチレン−プロピレンランダム共重合体(密
度0.90g/cm3、MI=9、エチレン含有率3.
0%(重量%、以下同様))ペレット(円柱状)100
部を、分散剤としてパウダー状塩基性第3リン酸カルシ
ウム0.5部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.025部を使用して分散させ、撹拌しながらi
−ブタン20部を圧入し140℃まで加熱した。このと
き圧力は21kg/cm2Gであった。そののち耐圧容
器1内の圧力を21kg/cm2Gにi−ブタンで保持
しながら、水分散物を放出するバルブにより水分散物を
耐圧容器1から、放出口6にあけた口径4mmφの孔を
通して、幅400mm×高さ400mm×長さ2000
mmの断面矩形のダクト状低圧容器7中に放出し、ペレ
ットを発泡させ予備発泡粒子8をえた。このときの該低
圧容器7の水平面に対する勾配は15度であった。えら
れた予備発泡粒子8は該低圧容器7内に供給されている
洗浄水にて、表面に付着している分散剤を除去されたの
ち、水により該低圧容器7内を円滑に輸送できた。その
のち輸送媒体に使用した窒素により該低圧容器7から貯
蔵用の容器16まで移送し、貯蔵用の容器16より予備
発泡粒子のみを取り出すことができた。このときのえら
れた予備発泡粒子の発泡倍率は約30倍、時間当たりの
移送量は約300kg、予備発泡粒子への付着物(主と
して第3リン酸カルシウム)量は700ppmであっ
た。
【0041】比較例1 実施例1において、該ダクト状の低圧容器7の水平面に
対する勾配を3度にしたことのほかは、実施例1と同様
にして予備発泡粒子を取り出そうとしたが、該低圧容器
7内で予備発泡粒子を輸送処理できず、該低圧容器7内
で予備発泡粒子が詰まってしまった。
【0042】比較例2 実施例1において、該低圧容器7の水平面に対する勾配
を80度にしたことのほかは、実施例1と同様にして予
備発泡粒子を取り出した。このときえられた予備発泡粒
子への付着物(主として第3リン酸カルシウム)量は1
800ppmであった。
【0043】比較例3 撹拌機Mを有する耐圧容器1に水300部を仕込み、エ
チレン−プロピレンランダム共重合体(密度0.90g
/cm2、MI=9、エチレン含有率3.0%(重量
%、以下同様))ペレット(円柱状)100部を、分散
剤としてパウダー状塩基性第3リン酸カルシウム0.5
部およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.0
25部を使用して分散させ、撹拌しながらi−ブタン2
0部を圧入し140℃まで加熱した。このとき圧力は2
1kg/cm2Gであった。そののち耐圧容器1内の圧
力を21kg/cm2Gにi−ブタンで保持しながら、
水分散物を放出するバルブ5により水分散物を耐圧容器
1から、放出口6にあけた口径4mmφの孔を通して、
大気中に放出し、ペレットを発泡させ予備発泡粒子8を
えた。このときのえられた予備発泡粒子の発泡倍率は約
30倍、予備発泡粒子への付着物(主として第3リン酸
カルシウム)量は3000ppmであった。
【0044】実施例2 実施例1において、輸送媒体に100℃の水蒸気を使用
して該低圧容器7から貯蔵用の容器16まで予備発泡粒
子を移送すると同時に、貯蔵用の容器16から発泡剤を
含有した水蒸気を凝縮器19で30℃に冷却し、水蒸気
を液化させて発泡剤を回収したことのほかは、実施例1
と同様の操作を行なった。このときえられた予備発泡粒
子の発泡倍率は約30倍、時間当たりの移送量は約30
0kg、予備発泡粒子への付着物(主として第3リン酸
カルシウム)量は約700ppmであった。また回収さ
れた発泡剤の純度は99重量%であった。
【0045】以上の結果から明らかなように、実施例1
〜2の方法によれば、予備発泡粒子と分散剤とを効率よ
く分離することができ、さらに輸送媒体に水蒸気を使用
したばあいには、高純度の発泡剤が回収することができ
ることがわかる。
【0046】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂粒子の予備発泡装
置によれば、従来の発泡装置に比べて構造が簡単で駆動
部がないので、製作費が安価であり、メンテナンスも不
要であるほか、樹脂予備発泡粒子から表面に付着した分
散剤を効率よく除去することができる。また輸送媒体に
水蒸気を用いたばあいには、発泡剤を含有した水蒸気を
凝縮させて液化するだけで発泡剤を高純度で分離して回
収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性樹脂粒子の予備発泡装置の一
実施例を示す概略断面説明図である。
【図2】図1の低圧容器のII−II線断面図である。
【図3】図1の低圧容器のIII−III線断面図である。
【符号の説明】
1 耐圧容器 2 発泡剤含有粒子 6 放出口 7 低圧容器 8 予備発泡粒子 9 洗浄水供給部 12 濾過部 17 放出ライン 18 回収ライン 19 凝縮器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤松 成彦 兵庫県神崎郡市川町小畑1973

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤を含有する熱可塑性樹脂粒子を分
    散剤とともに水に分散させて水分散物を調製し、該水分
    散物を加圧下で加熱するための耐圧容器、および該耐圧
    容器に連通しており、当該耐圧容器から前記水分散物を
    放出して前記熱可塑性樹脂粒子を予備発泡するための低
    圧容器を有してなる熱可塑性樹脂粒子の予備発泡装置で
    あって、前記低圧容器が水平面に対して軸方向に傾けら
    れた筒体からなり、前記低圧容器の上方の端部には、前
    記耐圧容器に連通する放出口が配設され、かつ該放出口
    の近傍には、放出口から前記熱可塑性樹脂粒子が放出さ
    れて予備発泡されることによりえられる熱可塑性樹脂予
    備発泡粒子を洗浄するための洗浄水を供給するための洗
    浄水供給部が設けられ、前記低圧容器の下側の内部に
    は、前記熱可塑性樹脂予備発泡粒子を前記水および分散
    剤から分離するための濾過部が設けられ、該濾過部の近
    傍には、輸送媒体を低圧容器内部に導入するとともに前
    記分離された熱可塑性樹脂予備発泡粒子を前記輸送媒体
    に同伴させて低圧容器外部へ輸送するための輸送部が設
    けられてなることを特徴とする熱可塑性樹脂粒子の予備
    発泡装置。
  2. 【請求項2】 前記低圧容器が矩形状を呈しており、該
    低圧容器が水平面に対して5〜70度の勾配を有してい
    る請求項1記載の予備発泡装置。
  3. 【請求項3】 前記低圧容器の勾配が水平面に対して1
    0〜30度である請求項2記載の予備発泡装置。
  4. 【請求項4】 前記低圧容器の長さが1000〜100
    00mm程度である請求項1、2または3記載の予備発
    泡装置。
  5. 【請求項5】 前記輸送媒体が水蒸気である請求項1記
    載の予備発泡装置。
  6. 【請求項6】 前記熱可塑性樹脂粒子がポリオレフィン
    系樹脂粒子である請求項1記載の予備発泡装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2006046685A1 (ja) * 2004-10-29 2006-05-04 Kaneka Corporation 予備発泡粒子の洗浄方法
JP2007238717A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Kaneka Corp 予備発泡粒子の製造方法
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WO2022163433A1 (ja) * 2021-01-28 2022-08-04 株式会社カネカ 発泡粒子の製造方法および製造装置

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