JPH1014500A - 飼料組成物の製造方法 - Google Patents

飼料組成物の製造方法

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JPH1014500A
JPH1014500A JP8174445A JP17444596A JPH1014500A JP H1014500 A JPH1014500 A JP H1014500A JP 8174445 A JP8174445 A JP 8174445A JP 17444596 A JP17444596 A JP 17444596A JP H1014500 A JPH1014500 A JP H1014500A
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fatty acid
water
weight
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Masahide Nakada
正秀 中田
Yoshiyo Tsugami
佳代 津上
Masahiko Miyama
雅彦 深山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価でかつ栄養価の高い被覆素材を用いて、
反芻動物に対しビタミンのル―メンバイパス性にすぐ
れ、また養殖魚用などに適した水に対する溶出性の低い
ビタミン含有の飼料組成物を製造する。 【解決手段】 脂肪酸100重量部に、ビタミン0.
01〜150重量部を加えて撹拌、混合し、ついで金属
化合物2〜40重量部を加えて撹拌、混合し、最後に水
10〜200重量部を加えて撹拌、混合して、脂肪酸と
金属化合物とを反応させるか、水200〜600重量
部に、金属化合物2〜40重量部を加えて撹拌、混合
し、ついで脂肪酸100重量部にビタミン0.01〜1
50重量部を加えて撹拌、混合したものを滴下して、脂
肪酸と金属化合物とを反応させることにより、またこ
れらの方法において脂肪酸または水に界面活性剤0.0
1〜150重量部を添加することにより、飼料組成物を
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、牛などの反芻動物
や養殖魚、観賞魚などの飼料として用いられるビタミン
を含有する飼料組成物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】農産物の自由化にともない、安価な畜産
物が大量に輸入されるようになり、国内の畜産農家にと
つて厳しい情勢となつている。水産物についても同様に
輸入量が増大し、国産物と輸入物との間で厳しい競争が
展開されるに至つている。これら畜産農家、養殖業関係
者らは、国産物の品質向上、製造効率の改善によるコス
ト低減、新技術開発による高付加価値化など差別化した
製品の開発により、生き残りをかけて懸命の努力を払つ
ている。
【0003】ビタミンは、生物の必須微量要素として、
畜産用、養殖用、ペツト用に広く用いられている。乳牛
や肉牛では、ビタミンはル―メン内で微生物により合成
されるものと飼料由来のものとがあり、いずれも第4胃
に達し消化の後、十二指腸以降で吸収される。しかし、
近年になり、牛の生理的なビタミン要求量は、ル―メン
微生物により合成されたもの、飼料に含まれるものだけ
では、十分でないという報告もなされている。そこで、
ビタミン剤などをサプリメントとして給与したり、静脈
注射などの方法により補給したりすることが行われてい
る。また、養殖魚では、ビタミン補給の目的で古くから
ビタミン剤を飼料に練り込んだり、ビタミン剤の錠剤を
与えたりすることが行われてきた。
【0004】一般に、牛や魚にビタミンを経口で給与す
る場合、油脂類、合成高分子などにより保護された形で
飼料に添加される場合が多い。たとえば、アミノセルロ
―スやアミノアセテ―トなどの合成高分子で被覆して給
与する方法(特開昭59−198946号公報)、ポリ
エチレンやポリイソプロピレンなどの合成高分子で被覆
して給与する方法(特開昭61−151120号公
報)、硬化脂肪酸や硬化油脂で被覆、保護して給与する
方法(特開昭63−294747号公報)、糖蜜などの
粘結剤を用いてペレツト化してバイパス性を高める方法
(特開平2−16936号公報)などが提案されてい
る。
【0005】しかしながら、これらの方法は、用いた合
成高分子などが栄養価のない場合が多く、また特別な装
置を要したり、得られる飼料製品のル―メンバイパス性
(第1胃バイパス性)や水に対する低溶出性が十分とは
いえなかつた。したがつて、牛などの反芻動物や養殖魚
などに対して、効率的な方法とはいえず、かなりの量が
対象動物に利用されず、無駄になつていることが多かつ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、ビタミン
の給与形態として、従来より、種々の方法が行われてき
たが、いずれも合成高分子や油脂とともにビタミンの練
り込み、成型を行う方法であり、反芻動物に対するル―
メンバイパス性や水に対する低溶出性が不十分なため、
より効率的なビタミン含有飼料が求められていた。
【0007】本発明は、このような事情に照らし、安価
でかつ栄養価の高い被覆素材を用いて、特別な装置を必
要とせず、簡便な手法により、反芻動物に対しビタミン
のル―メンバイパス性にすぐれ、また養殖魚用などに適
した水に対する溶出性の低いビタミン含有飼料を得るこ
とを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、脂肪酸と金属化
合物とを出発原料として、これをビタミンとの混合時に
反応させて脂肪酸塩を生成することにより、また上記脂
肪酸塩の生成時に界面活性剤を添加することにより、内
部にビタミンが取り込まれ、外側を撥水性の脂肪酸塩が
取り囲んだ構造の飼料組成物が得られ、この飼料組成物
はビタミンのル―メンバイパス性にすぐれ、また水に対
する溶出性が低いという特徴を備えており、さらにこの
ような特徴を備えた飼料組成物が上記安価な原料を用い
てかつ上記簡便な手法で製造できることを見い出し、本
発明を完成するに至つた。
【0009】すなわち、本発明は、脂肪酸100重量
部に、ビタミン0.01〜150重量部を加えて撹拌、
混合し、ついで金属化合物2〜40重量部を加えて撹
拌、混合し、最後に水10〜200重量部を加えて撹
拌、混合して、脂肪酸と金属化合物とを反応させること
を特徴とする飼料組成物の製造方法(請求項1)、水
200〜600重量部に、金属化合物2〜40重量部を
加えて撹拌、混合し、ついで脂肪酸100重量部にビタ
ミン0.01〜150重量部を加えて撹拌、混合したも
のを滴下して、脂肪酸と金属化合物とを反応させること
を特徴とする飼料組成物の製造方法(請求項2)、さ
らにこれら,の方法において、脂肪酸または水に界
面活性剤0.01〜150重量部を添加することを特徴
とする上記飼料組成物の製造方法(請求項3)に係るも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、ビタミンとして
は、とくに畜産、水産分野で重要なビタミンA、B1、
B2、B6、B12、C、D2、D3、E、葉酸、ビオ
チン、パントテン酸などが挙げられ、一般に市販されて
いるものを使用できる。使用量は、脂肪酸100重量部
あたり、0.01〜150重量部、好ましくは5〜12
0重量部である。0.01重量部より少ないと、栄養素
としての効果が十分でなく、150重量部を超えると、
脂肪酸塩による被覆が不十分となり、ル─メンバイパス
性や水に対する低溶出性に問題を生じてくる。
【0011】本発明において、脂肪酸としては、どのよ
うな種類のものでもよく、工業用、飼料用などとして知
られているものを使用できる。たとえば、牛脂、豚脂、
チキン油、魚油などの動物油由来、パ─ム油、ヒマワリ
油、大豆油、菜種油、ヤシ油、アマニ油などの植物油由
来の脂肪酸などがある。ステアリン酸、オレイン酸など
の単体脂肪酸を用いてもよい。これらの脂肪酸は、室温
で液体のものはそのまま、固体のものは60〜80℃に
加温して溶融させて用いられる。
【0012】本発明において、金属化合物としては、た
とえば、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、バ
リウム、鉄、銅、ニツケル、鉛などの金属の酸化物や水
酸化物などが用いられる。使用量は、脂肪酸100重量
部あたり、2〜40重量部、好ましくは5〜30重量部
である。2重量部より少ないと、脂肪酸塩の生成量が少
なすぎ、十分な被覆効果が得られない。また、40重量
部を超えて用いても、ビタミンのル―メンバイパス性や
水に対する低溶出性などの効果の増大はみられず、経済
的に好ましくない。
【0013】本発明において、界面活性剤としては、一
般に市販されているものを使用できる。たとえば、ソル
ビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル、シヨ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エ
ステル、大豆レシチン、卵黄レシチン、リン脂質などが
挙げられる。使用量は、脂肪酸100重量部あたり、
0.01〜150重量部、好ましくは0.5〜130重
量部である。0.01重量部より少ないと、十分な界面
活性効果が得られず、150重量部を超えて使用して
も、界面活性効果の増大はみられず、経済的に好ましく
ない。
【0014】本発明においては、飼料として上記のビタ
ミンを用い、かつ被覆原料として上記の脂肪酸、金属化
合物またはこれらと界面活性剤を用いて、以下の〜
の方法により飼料組成物を製造する。の方法(請求項
1)では、脂肪酸を60〜80℃に加温して溶融させ、
これに上記温度を保ちながらビタミンを加えて撹拌、混
合して、脂肪酸中にビタミンを溶解または分散させる。
ついで、金属化合物を加えて撹拌、混合して分散させ、
最後に水を加えて攪拌、混合することにより、脂肪酸と
金属化合物とを反応させればよい。
【0015】の方法(請求項2)では、水に金属化合
物を加えて撹拌、混合して、均一に分散させる。つい
で、この水分散液に撹拌下、脂肪酸を60〜80℃に加
温して溶融させこれに上記温度を保ちながらビタミンを
加えて撹拌、混合して脂肪酸中にビタミンを溶解または
分散させてなるものを、滴下することにより、脂肪酸と
金属化合物とを反応させればよい。
【0016】これらの方法において、使用する水は、脂
肪酸と金属化合物との反応が十分に進行し、また上記反
応で生成する脂肪酸塩の内部にビタミンが取り込まれて
ル―メンバイパス性や水不溶性に好結果が得られるよう
に、各方法に応じた使用量が決定される。の方法で
は、脂肪酸100重量部あたり、10〜200重量部、
好ましくは30〜150重量部である。の方法では、
脂肪酸100重量部あたり、200〜600重量部、好
ましくは300〜500重量部である。
【0017】の方法(請求項3)では、上記,の
方法において、脂肪酸または水に界面活性剤を添加する
ものであり、たとえば、の方法では最後に加える水に
界面活性剤を添加すればよく、またの方法では脂肪酸
に界面活性剤を添加したのちビタミンを加えるようにす
ればよい。これらの方法は、とくに水溶性ビタミンを用
いる場合に有効な方法であり、界面活性剤が脂肪酸中で
の水溶性ビタミンの可溶化性なし分散性を高めて、上記
ビタミンのル─メンバイパス性や水に対する低溶出性の
付与に好結果を与えるものである。
【0018】これら〜の方法によれば、脂溶性ビタ
ミンでは脂肪酸に溶解した形で脂肪酸塩の生成を行える
ため、ビタミン飼料が脂肪酸塩により効率的に被覆さ
れ、ル―メンバイパス性が高く、水への溶出性の低い飼
料組成物が簡便に製造される。また、水溶性ビタミンで
は界面活性剤の働きにより非常に細かい粒子の形で脂肪
酸塩に取り込まれるため、上記同様に、ル―メンバイパ
ス性が高く、水への溶出性の低い飼料組成物を製造する
ことができる。
【0019】このように製造されるビタミン含有の飼料
組成物は、pHが中性付近では安定的に撥水性を示し、
pHが2〜4の酸性領域では速やかに解離して、脂肪酸
と無機塩を生じる。このため、反芻動物のル―メン内や
養殖生け簀内では変化せず、中に含まれるビタミンが安
定に保護される一方、反芻動物のル―メンをバイパスし
て第4胃に達したり、魚類の胃内に達したときに、その
塩酸酸性により速やかに脂肪酸と金属に解離し、これと
同時に保護されていたビタミンが放出されて、十二指腸
以降で吸収されることになる。
【0020】このように、本発明は、ビタミンを脂肪酸
塩により効果的に被覆できるため、従来の練り込み型の
ペレツトに比べ、より高いル―メンバイパス性や水に対
する低溶出性が得られる。また、脂肪酸塩という安価で
栄養価の高い素材で被覆できるため、飼料組成物として
有利である。なお、本発明の飼料組成物は、粉砕して粉
状で用いることができるほか、エクストル―ダなどの押
出成型機を用いてペレツト化した形で用いることもでき
る。
【0021】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。
【0022】実施例1 表1に示す配合組成で、以下の操作により、本発明の飼
料組成物を調製した。水500重量部に金属水酸化物の
粉末を加えて撹拌、混合して分散させ、これに撹拌下、
60℃に加温して溶融させた脂肪酸に脂溶性ビタミンを
加えて撹拌、混合して溶解させたものを滴下して、脂肪
酸と金属水酸化物とを反応させた。1時間の熟成後、遠
心分離により固形分を集めたのち、ミ─トチヨツパ
〔(株)ナンツネ製の製品〕に仕込み、直径6mm、長さ
10mmのペレツトとしたのち、80℃で3時間乾燥し、
試料番号1〜8の飼料組成物を調製した。
【0023】なお、表1中、脂溶性ビタミン(A、D
2、D3、E)はいずれも和光純薬工業(株)の製品
で、「A」はパルミチン酸エステル型である。また、脂
肪酸(パ─ム油脂肪酸、大豆油脂肪酸、コ―ン油脂肪
酸、牛脂脂肪酸)はいずれも日本油脂(株)の製品であ
る。さらに、金属水酸化物(水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ニツケル、
水酸化鉛、水酸化銅、水酸化鉄、水酸化バリウム)はい
ずれも関東化学(株)の製品である。
【0024】
【0025】実施例2 表2に示す配合組成で、以下の操作により、本発明の飼
料組成物を調製した。60℃に加温して溶融させた脂肪
酸に脂溶性ビタミンを加えて撹拌、混合して溶解させ、
ついでこれに金属酸化物の粉末を加えて強力に撹拌、混
合して均一分散液とした。最後に80℃の熱水100重
量部を加えて、1分間強力に撹拌、混合して、脂肪酸と
金属酸化物とを反応させた。撹拌後、バツトに内容物を
流し込んで、1時間放置後、ミ─トチヨツパ〔(株)ナ
ンツネ製の製品〕に仕込み、直径6mm、長さ10mmのペ
レツトとしたのち、80℃で3時間乾燥し、試料番号9
〜16の飼料組成物を調製した。
【0026】なお、表2中、脂溶性ビタミン(A、D
2、D3、E)および脂肪酸(パ─ム油脂肪酸、大豆油
脂肪酸、コ―ン油脂肪酸、牛脂脂肪酸)はいずれも表1
の場合と同じ製品である。また、金属酸化物(酸化カル
シウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化ニ
ツケル、酸化鉛、酸化銅、酸化鉄、酸化バリウム)はい
ずれも関東化学(株)の製品である。
【0027】
【0028】実施例3 表3に示す配合組成で、以下の操作により、本発明の飼
料組成物を調製した。水400重量部に金属水酸化物の
粉末を加えて撹拌、混合して分散させ、これに撹拌下、
80℃に加温して溶融させた脂肪酸に界面活性剤を添加
しさらに水溶性ビタミンを加えて撹拌、混合して均一に
可溶化または分散させたものを滴下して、脂肪酸と金属
水酸化物とを反応させた。1時間の熟成後、遠心分離に
より固形分を集めたのち、ミ─トチヨツパ〔(株)ナン
ツネ製の製品〕に仕込み、直径6mm、長さ10mmのペレ
ツトとしたのち、80℃で3時間乾燥し、試料番号17
〜24の飼料組成物を調製した。
【0029】なお、表3中、水溶性ビタミン(B1、B
2、B6、B12、C、葉酸、パントテン酸、ビオチ
ン)はいずれも和光純薬工業(株)の製品である。ま
た、脂肪酸(Fa−1、Fa−2、Fa−3、Fa−
4)はいずれも日本油脂(株)の製品で、「Fa−1」
はパ─ム油脂肪酸、「Fa−2」は大豆油脂肪酸、「F
a−3」はコ―ン油脂肪酸、「Fa−4」は牛脂脂肪酸
である。
【0030】さらに、金属水酸化物(水酸化Ca、水酸
化Mg、水酸化Al、水酸化Ni、水酸化鉛、水酸化
銅、水酸化鉄、水酸化Ba)はいずれも関東化学(株)
の製品で、「水酸化Ca」は水酸化カルシウム、「水酸
化Mg」は水酸化マグネシウム、「水酸化Al」は水酸
化アルミニウム、「水酸化Ni」は水酸化ニツケル、
「水酸化Ba」は水酸化バリウムである。
【0031】また、界面活性剤のうち、「Sag−1」
はポリオキシエチレン(20モル)ソルビタンモノオレ
─ト〔日本油脂(株)の製品〕、「Sag−2」はソル
ビタンモノオレ─ト〔日本油脂(株)の製品〕、「Sa
g−3」はグリセロ─ルモノステアレ─ト〔日本油脂
(株)の製品〕、「Sag−4」はシユ─クロ─スモノ
ステアレ─ト〔第一工業製薬(株)の製品〕、「Sag
−5」は大豆レシチン〔ツルレシチン工業(株)の製
品〕、「Sag−6」はジパルミチルホスフアチジルコ
リン〔日本油脂(株)の製品〕、「Sag−7」はポリ
オキシエチレン(20モル)グリセロ─ルモノステアレ
─ト〔(株)リケンの製品〕、「Sag−8」は卵黄レ
シチン〔日本油脂(株)の製品〕である。
【0032】
【0033】実施例4 表4に示す配合組成で、以下の操作により、本発明の飼
料組成物を調製した。80℃に加温して溶融させた脂肪
酸に水溶性ビタミンを加えてよく撹拌、混合して均一に
可溶化または分散させ、ついでこれに金属酸化物の粉末
を加えてよく撹拌、混合した。最後に、あらかじめ界面
活性剤を溶解または分散させた水150重量部を加えて
撹拌、混合して、脂肪酸と金属酸化物とを反応させた。
1時間放置後、ミ─トチヨツパ〔(株)ナンツネ製の製
品〕に仕込み、直径6mm、長さ10mmのペレツトとした
のち、80℃で3時間乾燥し、試料番号25〜32の飼
料組成物を調製した。
【0034】なお、表4中、水溶性ビタミン(B1、B
2、B6、B12、C、葉酸、パントテン酸、ビオチ
ン)、脂肪酸(Fa−1、Fa−2、Fa−3、Fa−
4)、界面活性剤(Sag−1、Sag−2、Sag−
3、Sag−4、Sag−5、Sag−6、Sag−
7、Sag−8)は、いずれも表3の場合と同じ製品で
ある。また、金属酸化物(酸化Ca、酸化Mg、酸化A
l、酸化Ni、酸化鉛、酸化銅、酸化鉄、酸化Ba)は
いずれも関東化学(株)の製品で、「酸化Ca」は酸化
カルシウム、「酸化Mg」は酸化マグネシウム、「酸化
Al」は酸化アルミニウム、「酸化Ni」は酸化ニツケ
ル、「酸化Ba」は酸化バリウムである。
【0035】
【0036】比較例1 表5に示す配合組成で、以下の操作により、対照用の飼
料組成物を調製した。水20重量部に、脂溶性ビタミ
ン、脂肪酸塩、無機塩(炭酸カルシウム)および粘結剤
を撹拌、混合したのち、ミ─トチヨツパ〔(株)ナンツ
ネ製の製品〕に仕込み、直径6mm、長さ10mmのペレツ
トとしたのち、80℃で3時間乾燥し、試料番号33〜
40の飼料組成物を調製した。
【0037】なお、表5中、脂溶性ビタミン(A、D
2、D3、E)は表1の場合と同じ製品である。また、
粘結剤中、「デンプン」は松谷化学(株)の製品、「C
MC」はカルボキシメチルセルロ―スで、ダイセル化学
工業(株)の製品、「アルギン酸ソ―ダ」は(株)紀文
フ―ドケミカルの製品、「ポリアクリル酸ソ―ダ」は日
本純薬(株)の製品である。さらに、無機塩としての
「炭酸Ca」は炭酸カルシウムで、和光純薬工業(株)
の製品である。
【0038】また、脂肪酸塩(Fa1−Ca、Fa2−
Ni、Fa3−鉛、Fa4−鉄、Fa1−銅、Fa2−
Ba、Fa3−Al、Fa4−Mg)は、いずれも日本
油脂(株)の製品で、「Fa1−Ca」はパ─ム油脂肪
酸カルシウム、「Fa2−Ni」は大豆油脂肪酸ニツケ
ル、「Fa3−鉛」はコ―ン油脂肪酸鉛、「Fa4−
鉄」は牛脂脂肪酸鉄、「Fa1−銅」はパ─ム油脂肪酸
銅、「Fa2−Ba」は大豆油脂肪酸バリウム、「Fa
3−Al」はコ―ン油脂肪酸アルミニウム、「Fa4−
Mg」は牛脂脂肪酸マグネシウムである。
【0039】
【0040】比較例2 表6に示す配合組成で、以下の操作により、対照用の飼
料組成物を調製した。水30重量部に、水溶性ビタミ
ン、油脂または脂肪酸、および粘結剤を撹拌、混合した
のち、ミ─トチヨツパ〔(株)ナンツネ製の製品〕に仕
込み、直径6mm、長さ10mmのペレツトとしたのち、8
0℃で3時間乾燥し、試料番号41〜48の飼料組成物
を調製した。
【0041】なお、表6中、水溶性ビタミン(B1、B
2、B6、B12、C、葉酸、パントテン酸、ビオチ
ン)は表3の場合と同じ製品、また粘結剤(デンプン、
CMC、アルギン酸ソ―ダ、ポリアクリル酸ソ―ダ)は
表5の場合と同じ製品である。さらに、油脂または脂肪
酸(極度硬化牛脂、54度硬化牛脂、51度硬化牛脂、
極度硬化魚油、極度硬化牛脂脂肪酸、54度硬化牛脂脂
肪酸、51度硬化牛脂脂肪酸、極度硬化魚油脂肪酸)は
いずれも日本油脂(株)の製品である。
【0042】
【0043】試験例1 実施例1(試料番号1〜8)、実施例2(試料番号9〜
16)および比較例1(試料番号33〜40)の各飼料
組成物について、つぎの方法で、水に対する溶出性の試
験を行つた。まず、各飼料組成物5gを試料として、こ
れに含まれる脂溶性ビタミンの含有量(A)を測定し
た。つぎに、上記試料5gを蒸留水200mlに浸漬
し、39℃で12時間、24時間振とうしたのち、ろ布
(300メツシユ)にてろ過を行い、ろ過残渣中に残存
する脂溶性ビタミンの含有量(B)を測定した。溶出率
(%)=〔(A−B)/A〕×100を、算出した。
【0044】なお、試験は、各試料について5回測定
し、その平均値を求めた。結果は、表7に示されるとお
りであつた。また、試料中の脂溶性ビタミンの含有量
(A),(B)の分析定量は、乾燥した試料を精秤し、
これにヘキサン100g、6規定の塩酸水溶液100g
を加え、30分間撹拌して、脂肪酸塩を分解させなが
ら、脂溶性ビタミンを抽出した。この抽出ビタミンにつ
いて、ヘキサン層を用いて、高速液体クロマトグラフイ
―により定量した。
【0045】
【0046】上記の表7の結果より、実施例1(試料番
号1〜8)および実施例2(試料番号9〜16)の各飼
料組成物は、比較例1(試料番号33〜40)の各飼料
組成物に比べて、脂溶性ビタミンの溶出率が非常に低く
なつており、反芻動物においてル―メン内でのロスを低
く抑えることができるし、養殖魚用としても水への溶出
が抑えられるため、効率的な給与を行えるものであるこ
とがわかる。
【0047】試験例2 実施例3(試料番号17〜24)、実施例4(試料番号
25〜32)および比較例2(試料番号41〜48)の
各飼料組成物について、試験例1の場合と同様にして、
水溶性ビタミンの水に対する溶出性の試験を行つた。こ
れらの結果は、下記の表8に示されるとおりであつた。
なお、水溶性ビタミンの含有量(A),(B)の分析定
量にあたり、抽出ビタミンについての高速液体クロマト
グラフイ―による定量は、ヘキサン層に代えて、水層を
用いて行つた。
【0048】
【0049】上記の表8の結果より、実施例3(試料番
号17〜24)および実施例4(試料番号25〜32)
の各飼料組成物は、比較例2(試料番号41〜48)の
各飼料組成物に比べて、水溶性ビタミンの溶出率が非常
に低くなつており、反芻動物においてル―メン内でのロ
スを低く抑えることができ、養殖魚用としても水への溶
出が抑えられるため、効率的な給与を行えるものである
ことがわかる。
【0050】試験例3 フイステル装着緬羊5頭を用いて、実施例1(試料番号
1〜8)、実施例2(試料番号9〜16)および比較例
1(試料番号33〜40)の各飼料組成物について、つ
ぎの方法により、生体内でのバイパス性の試験を行つ
た。まず、各飼料組成物5gを試料として、これに含ま
れる脂溶性ビタミンの含有量(A)を測定した。つぎ
に、前もつて体重の2重量%に相当する市販飼料で予備
飼育したフイステル装着緬羊5頭それぞれに、上記試料
5gをナイロンバツク(300メツシユ)に入れた。第
一胃内への浸漬12時間、24時間後に、ル―メンから
ナイロンバツクを取り出し、残渣中の脂溶性ビタミンの
含有量(B)を測定した。バイパス率(%)=(B/
A)×100を、算出した。1試料につき5頭を用い
て、計5回の試験を行い、その平均値を算出した。これ
らの結果は、表9に示されるとおりであつた。
【0051】
【0052】上記の表9の結果より、実施例1(試料番
号1〜8)および実施例2(試料番号9〜16)の各飼
料組成物は、比較例1(試料番号33〜40)の各飼料
組成物に比べて、脂溶性ビタミンのル―メンバイパス性
が高く、反芻動物に効率的な飼料組成物であることがわ
かる。
【0053】試験例4 実施例3(試料番号17〜24)、実施例4(試料番号
25〜32)および比較例2(試料番号41〜48)の
各飼料組成物につき、試験例3の場合と同様にして、水
溶性ビタミンのル―メンバイパス性の試験を行つた。こ
れらの結果は、下記の表10に示されるとおりであつ
た。
【0054】
【0055】上記の表10の結果より、実施例3(試料
番号17〜24)および実施例4(試料番号25〜3
2)の各飼料組成物は、比較例2(試料番号41〜4
8)の各飼料組成物に比べて、水溶性ビタミンのル―メ
ンバイパス性が高く、反芻動物に効率的な飼料組成物で
あることがわかる。
【0056】
【発明の効果】以上のように、本発明は、脂肪酸と金属
化合物とを出発原料として、これをビタミンとの混合時
に反応させて脂肪酸塩を生成することにより、またその
際に界面活性剤を添加することにより、ビタミンが内部
に取り込まれ、外側を撥水性の脂肪酸塩が取り囲んだ構
造の飼料組成物で、ビタミンのル―メンバイパス性にす
ぐれ、水に対する溶出性の低い飼料組成物を安定して製
造できる。
【0057】また、上記の出発原料は安価でかつ被覆操
作も簡便のため、上記良好な性能を有する飼料組成物を
経済的にかつ容易に製造できるという利点がある。さら
に、上記の出発原料から生成する脂肪酸塩は、栄養価の
高い素材であつて、第4胃での消化性および吸収性にす
ぐれるため、良好なル―メンバイパス性と低溶出性と相
まつて、各種の反芻動物、養殖魚、観賞魚などに対して
非常にすぐれたビタミン含有の飼料組成物を提供するこ
とができる。とくにこの飼料組成物によると、最適化さ
れた形態で給与でき、しかも最小量の給与で高品質な牛
肉、牛乳、養殖魚などの製品を生産できるという効果が
得られる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸100重量部に、ビタミン0.0
    1〜150重量部を加えて撹拌、混合し、ついで金属化
    合物2〜40重量部を加えて撹拌、混合し、最後に水1
    0〜200重量部を加えて撹拌、混合して、脂肪酸と金
    属化合物とを反応させることを特徴とする飼料組成物の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 水200〜600重量部に、金属化合物
    2〜40重量部を加えて撹拌、混合し、ついで脂肪酸1
    00重量部にビタミン0.01〜150重量部を加えて
    撹拌、混合したものを滴下して、脂肪酸と金属化合物と
    を反応させることを特徴とする飼料組成物の製造方法。
  3. 【請求項3】 脂肪酸または水に界面活性剤0.01〜
    150重量部を添加することを特徴とする請求項1また
    は2に記載の飼料組成物の製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009540846A (ja) * 2006-06-27 2009-11-26 アクゾ ノーベル ナムローゼ フェンノートシャップ ビタミンを含む組成物及び強化飼料及びパーソナルケア組成物を作る為にそれらを使用する方法
JP2016039791A (ja) * 2014-08-13 2016-03-24 兼松新東亜食品株式会社 牛用の固形混合飼料
JP2018510618A (ja) * 2015-02-02 2018-04-19 ベネミルク オーワイBenemilk Oy 動物飼料組成物及びその作製方法
KR20190034319A (ko) * 2016-08-02 2019-04-01 진프로 코포레이션 엽산 반추위 우회 방법 및 조성물

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