JPH10141697A - 高所設置用空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高所設置用空気調和機における吸込グリルの
開操作を作業性よく且つ安全に行い得るようにする。 【解決手段】 天井付近の高所に設置され、熱交換器お
よび送風機３を内蔵したケーシング１の下面に、エアフ
ィルター８を有する吸込グリル６を開閉自在に枢支して
なる高所設置用空気調和機において、前記ケーシング１
と前記吸込グリル６との間に、該吸込グリル６の開作動
時の動きを緩和する緩衝手段４０を介設して、エアフィ
ルター交換時等に吸込グリル６を開操作するとき、吸込
グリル６の開方向への動きを緩和できるようにしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本願発明は、天井付近の高所
に設置される高所設置用空気調和機に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】従来からよく知られている高所設置用空
気調和機は、天井に形成された開口部に臨むようにして
天井上方に吊り下げ設置された空気調和機本体の下面
に、１個の空気吸込口および４個の空気吹出口を有する
化粧パネル（換言すれば、吸込グリル）を取り付けて前
記開口部を覆うようにした構成とされており、前記吸込
口内方には、エアフィルターが配設されている（例え
ば、実開平３−７３８３０号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記吸込グ
リルは、エアフィルターの交換時等に開操作されるが、
上記したように高所に設置されている空気調和機の場
合、ユーザが脚立等に乗った状態でなければ手が届か
ず、しかも吸込グリルは自重により開作動するため、吸
込グリルを両手で支えつつ開操作する必要がある。つま
り、脚立等の上で両手を離す作業を強いられることとな
り、作業性および安全性に問題があった。

【０００４】本願発明は、上記の点に鑑みてなされたも
ので、高所設置用空気調和機における吸込グリルの開操
作を作業性よく且つ安全に行い得るようにすることを目
的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本願発明の基本構成で
は、上記課題を解決するための手段として、天井Ｃ付近
の高所に設置され、熱交換器２および送風機３を内蔵し
たケーシング１の下面に、エアフィルター８を有する吸
込グリル６を開閉自在に枢支してなる高所設置用空気調
和機において、前記ケーシング１と前記吸込グリル６と
の間に、該吸込グリル６の開作動時の動きを緩和する緩
衝手段４０を介設している。

【０００６】上記のように構成したことにより、エアフ
ィルター交換時等に吸込グリル６を開操作すると、吸込
グリル６は緩衝手段４０により開方向への動きが緩和さ
れる。従って、吸込グリル６を手で支える必要がなくな
り、開操作時における作業性および安全性が大幅に向上
する。

【０００７】本願発明の基本構成において、前記緩衝手
段４０を、前記ケーシング１および前記吸込グリル６に
それぞれ一端が回動自在に連結され且つそれぞれの他端
同士が回動自在に連結されたリンク４１，４２と、該両
リンク４１，４２の連結部に介設された回転型ダンパー
４３とによって構成した場合、吸込グリル６の開閉をリ
ンク４１，４２と回転型ダンパー４３との組み合わせに
より行うことができることとなり、構造の簡略化を図る
ことができる。

【０００８】また、前記ケーシング１に、前記吸込グリ
ル６における反枢支側端部を係止するとともに下方から
の押圧操作により該係止が解除されるロック機構２８を
設けた場合、吸込グリル６のロック・アンロックを簡単
な操作で行うことができる。

【０００９】また、前記ロック機構２８を、前記吸込グ
リル６の口縁に対して係脱自在に係止される係止片３２
と、該係止片３２をロック方向に付勢する第１付勢手段
３３と、前記ケーシング１の下面から突出して上下方向
に進退自在に設けられ且つ上動操作時に前記係止片３２
をロック解除方向に動作させる操作部材３４と、該操作
部材３４を下向きに付勢する第２付勢手段３５とによっ
て構成した場合、吸込グリル６を閉操作するだけでロッ
ク状態が得られるとともに、操作部材３４への押圧操作
により吸込グリル６の開操作が行えることとなり、脚立
等に乗らなくとも棒等を用いるだけで吸込グリル６の開
閉操作が極めて簡単に行える。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照して、本
願発明の好適な実施の形態について詳述する。

【００１１】この高所設置用空気調和機は、図１ないし
図３に示すように、天井Ｃの下面に吊りボルト３１によ
り吊り下げ設置されるものであり、４辺（本実施の態様
の場合、４側面）に空気吹出口４Ａ，４Ｂ，４Ｃ，４Ｄ
を有する矩形状のケーシング１と、該ケーシング１内に
あって前記空気吹出口４Ａ，４Ｂ，４Ｃ，４Ｄに沿うよ
うに配置され且つ両開放端２ａ，２ｂを前記ケーシング
１の一つのコーナ部１Ａに臨ませてなる略環状の熱交換
器２と、該熱交換器２の中心部に配置された送風機３と
を備えて構成されている。

【００１２】前記熱交換器２は、多数平行に配置された
伝熱管９，９・・に対して多数の板状フィン１０，１０
・・を直交状態で取り付けてなるクロスフィンコイルタ
イプとされている。符号１１は熱交換器２の両開放端２
ａ，２ｂに設けられた管板である。

【００１３】前記ケーシング１の一つのコーナ部１Ａ内
における前記熱交換器２の両開放端２ａ，２ｂ間には、
仕切部材１２により区画された配管スペース１３が形成
されている。該配管スペース１３は、冷媒配管１４、ド
レンポンプ１５、吊りボルト用の吊り金具１６等が配置
されるとともに作業用スペース１７を有して構成されて
おり、ケーシング１とは別体構成であり、該ケーシング
１に対して着脱自在とされ且つケーシング１の角部を構
成するコーナ部カバー５Ａの内方に形成されている。本
実施の形態の場合、空気調和機は天井Ｃの下方に露出す
るタイプとされているため、現地据え付け作業は、コー
ナ部カバー５Ａを取り外した状態で機内で行う必要があ
る。従って、配管スペース１３は相当に大きなスペース
が必要となり、そのため、該配管スペース１３を挟む二
つの空気吹出口４Ａ，４Ｂは、他の（即ち、空気吹出口
４Ａ，４Ｂに対向する）空気吹出口４Ｃ，４Ｄより相当
に小さくなる。

【００１４】また、ケーシング１における他の３カ所の
コーナ部１Ｂ，１Ｃ，１Ｄを覆うとともにケーシング１
の角部を構成するコーナ部カバー５Ｂ，５Ｃ，５Ｄもケ
ーシング１とは別体構成で、該ケーシング１に対して着
脱自在とされており、それぞれの内部には、断熱材から
なる隔壁１８および吊り金具１６が設けられている。さ
らに、前記コーナ部カバー５Ａ，５Ｂ，５Ｃ，５Ｄの下
面には、工具を挿入するための作業用開口３０がそれぞ
れ形成されている（図３参照）。

【００１５】上記のように構成したことにより、空気調
和機据え付け時には、コーナ部カバー５Ａ，５Ｂ，５
Ｃ，５Ｄを取り外した状態とすれば、配管作業は勿論の
こと、吊り金具１６に対する吊りボルト３１の係止が容
易に行えるとともに、据え付け後においてはコーナ部カ
バー５Ａ，５Ｂ，５Ｃ，５Ｄを取り付ければ、吊り金具
１６が露出することがなくなり、デザイン性が向上す
る。

【００１６】前記ケーシング１の下面には、前記コーナ
部カバー５Ａ，５Ｂ，５Ｃ，５Ｄを含む全域を覆うとと
もに中央部に空気吸込口７を有する吸込グリル６がヒン
ジ部２７により開閉自在に取り付けられている。このよ
うにすれば、空気調和機据え付け後において、据え付け
状態（例えば、吊りボルト３１による吊り下げ高さ）を
調整する際には、吸込グリル６を開操作するだけで、作
業用開口３０から工具を差し込んで行えることとなり、
調整作業が容易に行える。

【００１７】また、前記ケーシング１には、前記吸込グ
リル６における反ヒンジ部側に形成された係合部２９に
係止して閉止状態を保持するとともに下方からの押圧操
作により該係止が解除されるロック機構２８が設けられ
ている。符号８はエアフィルターである。

【００１８】前記ロック機構２８は、図５に示すよう
に、前記吸込グリル６の反枢支側口縁に形成された係合
部２９に対して水平スライドにより係脱自在に係止され
る係止片３２と、該係止片３２をロック方向に付勢する
第１付勢手段として作用するスプリング３３と、前記ケ
ーシング１の下面から突出して上下方向に進退自在に設
けられ且つ上動操作時に前記係止片３２をロック解除方
向に動作させる押しボタン形状の操作部材３４と、該操
作部材３４を下向きに付勢する第２付勢手段として作用
するリターンスプリング３５とによって構成されてい
る。

【００１９】前記係止片３２と前記操作部材３４とは、
係止片３２に一体形成されたピン３６と操作部材３４に
形成されたカム面３７との係合により関連されており、
操作部材３４の上動時に係止片３２がロック解除方向に
水平スライドされ、操作部材３４の下動時に係止片３２
がロック方向に水平スライドされることとなっている。
また、前記係止片３２の先端部には、斜め上向きの傾斜
ガイド面３２ａが形成されており、吸込グリル６の閉操
作時には、前記傾斜ガイド面３２ａとの係合により係止
片３２が後退した後スプリング３３の付勢力により係合
部２９に係合されることとなっている。符号３８，３９
はスプリング受けである。

【００２０】さらに、前記ケーシング１と前記吸込グリ
ル６との間には、該吸込グリル６の開作動時の動きを緩
和する左右一対の緩衝手段４０，４０が介設されてい
る。該各緩衝手段４０は、前記ケーシング１および前記
吸込グリル６にそれぞれ一端が回動自在に連結され且つ
それぞれの他端同士が回動自在に連結されたリンク４
１，４２と、該両リンク４１，４２の連結部に介設され
た回転型ダンパー４３とによって構成されている。

【００２１】図面中、符号２４はドレンパン、２５は水
平羽根、２６はファンモータである。

【００２２】上記のように構成された高所設置用空気調
和機では、次のような作用効果が得られる。

【００２３】エアフィルター交換時等に吸込グリル６を
開操作する時には、ロック機構２８の操作部材３４を、
例えば棒Ｔ（図５参照）を用いて下方から押圧操作すれ
ば、操作部材３４が上動し、そのカム面３７とピン３６
との係合により係止片３２がスプリング３３の付勢力に
抗してロック解除方向に水平スライドし、吸込グリル６
の係合部２９から離脱せしめられる。すると、吸込グリ
ル６はヒンジ部２７を回動中心として開作動される。つ
まり、吸込グリル６は、操作部材３４への押圧操作とい
うワンタッチ操作により開作動されることとなるのであ
る。しかも、この開作動時においては、吸込グリル６は
緩衝手段４０，４０（具体的には、回転型ダンパー４３
の作用）により開方向への動きが緩和されて、ゆっくり
と開く（図４参照）。なお、ロック機構２８の操作部材
３４は押圧力を解除すれば、リターンスプリング３５の
付勢力により元の状態（即ち、突出状態）に自動的に復
帰し、それに伴って係止片３２もロック位置に復帰す
る。

【００２４】従って、吸込グリル６の開操作は、脚立等
を用いることなく操作部材３４へのワンタッチ操作によ
り、しかも吸込グリル６を手で支えることなく行えるこ
ととなり、開操作時における作業性および安全性が大幅
に向上する。

【００２５】一方、吸込グリル６を閉操作するときに
は、例えば棒Ｔを用いて吸込グリル６の反枢支側端部を
押し上げれば、吸込グリル６の係合部２９に対して係止
片３２が自動的に係合せしめられ、ロック状態となる。

【００２６】なお、上記説明では、ケーシングの４側面
に空気吹出口を形成したものを実施の態様としている
が、空気吹出口の個数は１個以上であればよい。また、
吸込グリルはケーシング下面全域を覆うものとしている
が、コーナ部下面を覆うものであれば必ずしも全域を覆
うものでなくともよい。

【００２７】

【発明の効果】本願発明によれば、天井Ｃ付近の高所に
設置され、熱交換器２および送風機３を内蔵したケーシ
ング１の下面に、エアフィルター８を有する吸込グリル
６を開閉自在に枢支してなる高所設置用空気調和機にお
いて、前記ケーシング１と前記吸込グリル６との間に、
該吸込グリル６の開作動時の動きを緩和する緩衝手段４
０を介設して、エアフィルター交換時等に吸込グリル６
を開操作するとき、吸込グリル６の開方向への動きを緩
和できるようにしたので、吸込グリル６を手で支える必
要がなくなり、開操作時における作業性および安全性が
大幅に向上するという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願発明の実施の形態にかかる高所設置用空気
調和機の横断平面図である。

【図２】本願発明の実施の形態にかかる高所設置用空気
調和機の縦断側面図である。

【図３】本願発明の実施の形態にかかる高所設置用空気
調和機の吸込グリルを開放した状態を示す斜視図であ
る。

【図４】本願発明の実施の形態にかかる高所設置用空気
調和機の吸込グリルを開放した状態を示す側面図であ
る。

【図５】本願発明の実施の形態にかかる高所設置用空気
調和機におけるロック機構の詳細を説明する断面図であ
る。

【符号の説明】

１はケーシング、１Ａ，１Ｂ，１Ｃ，１Ｄはコーナ部、
２は熱交換器、３は送風機、４Ａ，４Ｂ，４Ｃ，４Ｄは
空気吹出口、６は吸込グリル、７は空気吸込口、８はエ
アフィルター、２８はロック機構、２９は係合部、３２
は係止片、３３は第１付勢手段（スプリング）、３４は
操作部材、３５は第２付勢手段（リターンスプリン
グ）、３６はピン、３７はカム面、４０は緩衝手段、４
１，４２はリンク、４３は回転型ダンパー。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井（Ｃ）付近の高所に設置され、熱交
   換器（２）および送風機（３）を内蔵したケーシング
   （１）の下面に、エアフィルター（８）を有する吸込グ
   リル（６）を開閉自在に枢支してなる高所設置用空気調
   和機であって、前記ケーシング（１）と前記吸込グリル
   （６）との間には、該吸込グリル（６）の開作動時の動
   きを緩和する緩衝手段（４０）を介設したことを特徴と
   する高所設置用空気調和機。
2. 【請求項２】 前記緩衝手段（４０）を、前記ケーシン
   グ（１）および前記吸込グリル（６）にそれぞれ一端が
   回動自在に連結され且つそれぞれの他端同士が回動自在
   に連結されたリンク（４１），（４２）と、該両リンク
   （４１），（４２）の連結部に介設された回転型ダンパ
   ー（４３）とによって構成したことを特徴とする前記請
   求項１記載の高所設置用空気調和機。
3. 【請求項３】 前記ケーシング（１）には、前記吸込グ
   リル（６）における反枢支側端部を係止するとともに下
   方からの押圧操作により該係止が解除されるロック機構
   （２８）を設けたことを特徴とする前記請求項１および
   請求項２のいずれか一項記載の高所設置用空気調和機。
4. 【請求項４】 前記ロック機構（２８）を、前記吸込グ
   リル（６）の口縁に対して係脱自在に係止される係止片
   （３２）と、該係止片（３２）をロック方向に付勢する
   第１付勢手段（３３）と、前記ケーシング（１）の下面
   から突出して上下方向に進退自在に設けられ且つ上動操
   作時に前記係止片（３２）をロック解除方向に動作させ
   る操作部材（３４）と、該操作部材（３４）を下向きに
   付勢する第２付勢手段（３５）とによって構成したこと
   を特徴とする前記請求項４記載の高所設置用空気調和
   機。